JP3945230B2 - 親水性高分子膜の製膜方法 - Google Patents

親水性高分子膜の製膜方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性高分子膜、特にポリエーテル系重合体をベースとした樹脂組成物からなる架橋高分子膜の製膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電池、キャパシター、センサー、コンデンサー、エレクトロクロミック素子等の電気化学デバイスを構成する電解質としては、イオン伝導性の点から、溶液またはペースト状、ゲル状のものが用いられてきている。
【0003】
しかしながら、液漏れによる機器の破損の恐れがあること、デバイスの実装、加工性に問題があること、また電解液を含浸させるセパレータを有するので、デバイスの超小型化、薄型化に限界があること等の問題がある。
【0004】
このような背景から、最近では、高分子量のポリエーテル系重合体に、電解質塩として、過塩素酸リチウム塩、6フッ化りん酸リチウム塩、4フッ化ほう酸リチウム塩、リチウムイミド塩等のリチウムイオン系の塩、そして架橋剤を添加した架橋高分子固体電解質の開発が行なわれるようになってきている。
【0005】
この架橋高分子固体電解質は、優れたイオン伝導性を有するだけでなく、柔軟性、屈曲性、曲げ加工性を有し、この架橋高分子固体電解質をカソードおよびアノードの一対の電極間に挟み込んだ固体電池は、次世代の全固体型リチウムポリマー電池として注目が集められてきている。
【0006】
一般に、この架橋高分子固体電解質の製膜方法としては、有機溶媒中に、ポリエーテル系重合体、リチウムイオン系の塩、架橋剤、促進剤等を添加し、キャスト法にて20〜30μmのフィルムを得るようにしている。
【0007】
しかしながら、このようなキャスト法では、溶媒乾燥工程における製膜速度の問題(1m/min以下)、コスト高、有機溶媒を使用することに伴なう作業環境の悪化等が、課題として挙げられている。
【0008】
以上のような背景から、このポリエーテル系重合体を、Tダイによる押出製膜、あるいはカレンダー成形のように、2本以上のロールにて圧延させるという試みが行なわれている。
【0009】
しかしながら、このポリエーテル系重合体は、大気中では劣化を伴なうため、加工温度の上限に制約があること、有機アルミニウム系・有機亜鉛系・有機錫−リン酸エステル系の開環重合触媒を用いて得られる重合体は、高分子量のものが得られ易い等の点から、ポリマーの粘弾性挙動の影響により、Tダイ押出製膜が非常に困難である。
【0010】
また、カレンダー成形は、各種エラストマー等の圧延に適した成形法であるが、本ポリマー自体のガラス転移温度が低く粘着性が著しいこと、カレンダー成形自体では100μm以下、特に本ポリマーが上記機能を効果的に発現させるための薄膜(20〜30μm)までの製膜が困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような全固体型リチウムポリマー電池の場合、架橋高分子固体電解質の厚みが薄ければ薄い程、電池の電気特性や、電池のコストという意味でも有効であるが、実際のところ、溶媒キャスト法以外に薄膜の架橋高分子固体電解質が得られていないのが現状である。
【0012】
本発明の目的は、架橋高分子膜を10〜100μmの間で容易に制御可能であり、かつピンホールも無く、膜厚均一性を有し、品質が安定した、親水性高分子膜の製膜方法、および親水性高分子膜、ならびに全固体型リチウムポリマー電池を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明では、ガラス転移温度(Tg)が室温以下で低結晶の親水性高分子膜を、当該親水性高分子膜と相溶性の低い熱可塑性樹脂あるいは当該親水性高分子膜に対し易剥離処理を施した熱可塑性樹脂からなる、引き取り性向上のための通し基材で挟み込み、次に前記親水性高分子膜の融点、製膜温度、前記熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点が、(親水性高分子膜の融点)<製膜温度<(熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点)なる関係を満たす温度条件下で、熱可塑性樹脂からなるフィルムで挟み込んだ親水性高分子膜を、2本以上のロールを用いたカレンダー成形による圧延手段を用いて10〜100μmの範囲で圧延させたのちに、紫外線、加熱、電子線の何れかの手法により架橋処理を施し、しかる後に、熱可塑性樹脂からなる引き取り性向上のための通し基材を引き剥がすことで、架橋した親水性高分子膜の単膜を得るようにしている。
【0014】
従って、請求項1に対応する発明の親水性高分子膜の製膜方法においては、親水性高分子膜を、当該親水性高分子膜と相溶性の低い熱可塑性樹脂からなるフィルムで挟み込み、上記条件下で、熱可塑性樹脂からなるフィルムで挟み込んだ親水性高分子膜を圧延させた後に、熱可塑性樹脂からなるフィルムを引き剥がすことにより、親水性高分子膜の単膜を、容易に、かつ均一な膜厚で、しかもピンホールも無く得ることができる。
【0021】
さらに、請求項に対応する発明では、上記請求項に対応する発明の親水性高分子膜の製膜方法において、親水性高分子膜の膜厚を10〜30μmの範囲で製膜するようにしている。
【0022】
従って、請求項に対応する発明の親水性高分子膜の製膜方法においては、親水性高分子膜の膜厚を10〜30μmの範囲で製膜することにより、電気特性をさらにより一層向上させることができる。
【0025】
また、請求項に対応する発明では、上記請求項1または請求項に対応する発明の親水性高分子膜の製膜方法において、親水性高分子膜を、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、オリゴエチレングリコールグリシジルエーテル(EM)、オリゴプロピレングリコールグリシジルエーテル(PM)、アリルグリシジルエーテル(AGE)の成分のうち、少なくとも1種から構成するポリエーテル系ホモポリマー、あるいは2種以上から選択される多元共重合体としている。
【0026】
従って、請求項に対応する発明の親水性高分子膜の製膜方法においては、親水性高分子膜を、上記成分のうち、少なくとも1種から構成するポリエーテル系ホモポリマー、あるいは2種以上から選択される多元共重合体としていることにより、多元共重合体の結晶性を低くして、イオン伝導性を向上させることができる。
【0027】
さらに、請求項に対応する発明では、上記請求項1乃至請求項のいずれか1項に対応する発明の親水性高分子膜の製膜方法において、親水性高分子膜を、少なくともリチウム塩等の電解質塩、および必要に応じて架橋剤を配合したポリエーテル系ホモポリマーあるいは多元共重合体としている。
【0028】
従って、請求項に対応する発明の親水性高分子膜の製膜方法においては、親水性高分子膜を、少なくともリチウム塩等の電解質塩を配合し、さらに必要に応じて架橋剤を配合したポリエーテル系ホモポリマーあるいは多元共重合体としていることにより、電解質としての機能をより一層効果的に発現させることができ、さらに膜の強度物性を得ることができる。
【0034】
らに、以上の発明の製膜方法で得られる親水性高分子膜は、塗工法で得られる膜と比較して、不純物として残留しては電池特性(放電容量、サイクル特性等)に悪影響を及ぼす有機溶媒(アセトニトリル等)を工程上一切用いないため、電池特性が優れ、また環境にも好ましいものとすることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明では、親水性高分子膜を、当該親水性高分子膜と相溶性の低い熱可塑性樹脂からなるフィルムで挟み込み、親水性高分子膜の融点、製膜温度、熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点が、(親水性高分子膜の融点)<製膜温度<(熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点)なる関係を満たす温度条件下で、熱可塑性樹脂からなるフィルムで挟み込んだ親水性高分子膜を圧延手段を用いて圧延させた後に、熱可塑性樹脂からなるフィルムを引き剥がすことで、親水性高分子膜の単膜を得ること、
そして、全固体型リチウムポリマー電池の電解質層として、本製法により得られた親水性高分子膜の単膜を用いていることを、その最大の特徴としている。
【0038】
ここで、親水性高分子膜と相溶性の低い熱可塑性樹脂からなるフィルムとしては、例えば親水性高分子膜と接する面に易剥離処理を施した熱可塑性樹脂からなるフィルムにより実現することができる。
【0039】
以下、上記のような考え方に基づく本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
本実施の形態では、親水性高分子膜の単膜を、以下のような方法により製膜する。
【0041】
すなわち、まず、親水性高分子膜を、当該親水性高分子膜と相溶性の低い熱可塑性樹脂からなるフィルムの間に挟み込む。
【0042】
次に、親水性高分子膜の融点、製膜温度、熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点が、(親水性高分子膜の融点)<製膜温度<(熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点)なる関係を満たす温度条件下で、熱可塑性樹脂からなるフィルム間に挟み込んだ親水性高分子膜を、圧延手段を用いて圧延させる。
【0043】
しかる後に、熱可塑性樹脂からなるフィルムを引き剥がすことで、親水性高分子膜の単膜を得る。
【0044】
ここで、親水性高分子膜と相溶性の低い熱可塑性樹脂からなるフィルムとしては、例えば親水性高分子膜と接する面に易剥離処理を施した熱可塑性樹脂からなるフィルムにより実現することができる。
【0045】
また、親水性高分子膜としては、ポリエーテル系重合体を用いることが好ましい。
【0046】
この親水性高分子膜であるポリエーテル系重合体としては、例えば成分としてエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、オリゴエチレングリコールグリシジルエーテル(EM)、オリゴプロピレングリコールグリシジルエーテル(PM)、アリルグリシジルエーテル(AGE)の成分のうち、少なくとも1種から構成するポリエーテル系ホモポリマー、あるいは2種以上から選択される多元共重合体を用いることができる。
【0047】
そして、その代表的なものとして、例えばPEO、P(EO/PO)、P(EO/EM)、P(EO/PM)、P(EO/PO/AGE)、P(EO/EM/AGE)等が挙げられる。
【0048】
これらのポリマーを、全固体型リチウムポリマー電池用の固体電解質膜として使用するには、ポリエーテル系ポリマーの結晶性が低いことが、イオン伝導性という点で好ましいことから、多元共重合体であることが好ましく、エチレンオキサイドユニットが70〜95モル%である多元共重合体が好ましい。
【0049】
一般に、ポリエーテル系重合体は、電解質としての機能を発現させるためには、電解質塩としてリチウム塩を配合し、さらに膜の強度物性を得るために、架橋剤を添加したもの等が好ましい。
【0050】
ここで、リチウム塩としては、例えばLiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 等のフルオロアルキルスルホン酸リチウム塩、LiN(CF3 SO2 2 等のスルホニルイミドリチウム塩、LiBF4 、LiPF6 、LiClO4 、LiAsF6 を用いることができる。
【0051】
なお、これらの化合物を、2種以上併用することも自由である。
【0052】
また、架橋剤としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、オリゴプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−グリセロールジメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,1,1−トリメチロールエタンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、1,2,6−ヘキサントリアクリレート、ソルビトールペンタメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミドジビニルベンゼン、ビニルメタクリレート、ビニルクロトネート、ビニルアクリレート、ビニルアセチレン、トリビニルベンゼン、トリアリルシアニルスルフィド、ジビニルエーテル、ジビニルスルホエーテル、ジアリルフタレート、グリセロールトリビニルエーテル、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、エチレングリコールアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、フェニレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、無水マレイン酸、イタコン酸等を任意に用いることができる。
【0053】
一方、架橋開始剤としては、例えば加熱によって反応させる場合には、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物系開始剤、2,2′−アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤を用いることができる。
【0054】
また、紫外線等の活性エネルギー線照射によって反応させる場合には、増感助剤として、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類、アジドピレン、3−スルホニルアジド安息香酸、4−スルホニルアジド安息香酸、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン−2,2′−ジスルホン酸(ナトリウム塩)、p−アジドベンズアルデヒド、p−ベンジルアセトフェノン、p−アジドベンゾイン酸、p−アジドベンザルアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトン、4,4′−ジアジドカルコン等のアジド類を任意に用いることができる。
【0055】
なお、開始剤、増感助剤の添加量は、その種類により異なるが、通常、高分子化合物と架橋剤の総量に対して、0.1〜10重量%の範囲としている。
【0056】
一方、ポリエーテル系重合体のモノマー成分としてエピクロルヒドリン(EP)を含む場合、例えばP(EO/EP)、P(EO/EP/AGE)等の場合には、上記の架橋剤/開始剤(または増感助剤)とは別にこの塩素を用いて、2−メルカプトイミダゾリン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、2−アミリノ−4,6−ジチオール−s−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、エチレンチオウレア、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールおよびそのナトリウム塩等の加硫剤を任意に用いて架橋させることもできる。
【0057】
また、MgOやCaCO3 等の授酸剤、フェニル−β−ナフチルアミンのような抗酸化剤および必要に応じてジフェニルグアニジン等の加硫促進剤またはN−(シクロヘキシルチオ)フタルイミドのような抑制剤等を組み合わせることも可能である。
【0058】
本実施の形態による親水性ポリマーの製膜方法としては、親水性ポリマーに、上述したリチウムイオン系の塩や架橋剤を配合した樹脂組成物を使用する方が好ましい。
【0059】
すなわち、基本的には、エチレンオキサイドを骨格に、エピクロルヒドリンやアリルグリシジルエーテル等の架橋点を有するユニットを含有した親水性高分子膜、架橋させるための助剤と、イオン導電性を付与させるためのLi塩を添加した構成になっているものであればよく、特に上記の物質に限定されるものではない。
【0060】
また、上述したエピクロルヒドリン(EP)やアリルグリシジルエーテル(AGE)のように構造中に架橋点を持たない場合、例えばP(EO/EM)のような場合には、架橋剤自体を架橋し、P(EO/EM)等のポリマーと分子間相互貫入網目構造(IPN構造)を形成させることで、物理的架橋構造を形成させることも可能である。
【0061】
上述したポリマーのTgは室温以下であり、また結晶性が低いため室温以上の温度ではブロッキングの問題が生じる。
【0062】
また、上述したポリマーは、重量平均分子量(Mw)が50万以上300万以下の高分子量のポリマーであるため、融点以上に加温しても、その粘弾性挙動の影響により、Tダイ製膜ではダイスウェル現象や引き取り性の低下が、カレンダー成形の場合でも、粘着性による離ロール性の低下が問題となる。
【0063】
そこで、本実施の形態による親水性高分子膜の製膜方法では、親水性高分子膜と接する面に易剥離処理を施した熱可塑性樹脂からなる2枚のフィルムの間に、架橋剤やリチウム塩を混ぜ込んだポリエーテル系重合体のコンパウンドを挟み込み、(親水性高分子膜の融点)<製膜温度<(熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点)なる関係を満たす温度条件下で、圧延手段として少なくとも2本以上のロールを用いて圧延させ、しかる後に熱可塑性樹脂からなる2枚のフィルムを引き剥がすことで、ポリエーテル系重合体の薄膜フィルムを得るようにしている。
【0064】
ここで、易剥離処理を施している熱可塑性樹脂からなるフィルムのベース樹脂としては、圧延引き取り性を考慮すると、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を種々に選択することができ、易剥離処理としては、例えばポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂をコーティングする等の処理を用いることができる。
【0065】
なお、本実施の形態による親水性高分子膜の製膜方法においては、上述した易剥離フィルムはその一例であり、親水性高分子膜であるポリエーテル系重合体と相溶性が低く、ポリエーテル系重合体と熱可塑性樹脂からなるフィルムが容易に引き剥がせるような基材であれば、処理方法も含めて特に制限されるものではない。
【0066】
よって、圧延成形による温度にもよるが、親水性高分子膜と相溶性が低い樹脂として、例えば疎水性のポリオレフィン樹脂を基材として用いるようにしてもかまわない。
【0067】
本実施の形態による親水性高分子膜の製膜方法を図示すると、例えば図1の模式図のように示される。
【0068】
すなわち、あらかじめ、バンバリーミキサーや各種ニーダーによってリチウム塩や架橋助剤と共に混練されたポリエーテル系重合体のコンパウンドを、第1ロールa,第2ロールbで挟み込まれた第1バンクc上にセットする。
【0069】
この際、通常の圧延操作を行なうと、ポリエーテル系重合体の粘着性によって離ロール性が低下する。
【0070】
そのため、この時点で親水性高分子膜であるポリエーテル系重合体と接する面にあらかじめ易剥離処理を施した熱可塑性樹脂からなる2枚のフィルム層dで、ポリエーテル系重合体のコンパウンドを挟み込んでおく。
【0071】
この際のロールa,b温度としては、ポリエーテル系重合体の融点にもよるが、熱劣化を伴なわない温度、好ましくは150℃以下で圧延させていく。
【0072】
また、この際の線圧としては、20kg/cm以下で行なうことが好ましい。
【0073】
さらに、各ロールa,b間のクリアランスは、特に制限されることはなく、0〜1mm、好ましくは0〜0.5mmで行なうことが可能であり、さらに必要に応じて、図2および図3の模式図にそれぞれ示すように、第2バンクe、第3バンクfを形成させて、何回かにわたって圧延を加えるようにしても構わない。
【0074】
なお、図3においては4本のロールを使用しているが、それ以上の本数のロールを用いるようにしても構わない。
【0075】
上述した本実施の形態による親水性高分子膜の製膜方法は、従来のカレンダー成形に剥離フィルムを通した方法であり、剥離フィルムを通すことで、以下のような利点を得ることができる。
【0076】
まず、第1に、本ポリエーテル系重合体のように粘着性が著しい樹脂でも、カレンダーによる圧延成形が可能となる。
【0077】
第2に、従来のカレンダー成形では薄膜フィルムの製膜は困難であったが、剥離フィルムを通し基材として用いていることにより引き取り性が向上し、ポリマーの薄膜化が可能となる。
【0078】
この方法を用いることにより、10μmの薄膜フィルムを製膜することが可能となる。
【0079】
第3に、本ポリエーテル系重合体のような親水性高分子膜は吸湿により劣化する恐れがあるが、本実施の形態の親水性高分子膜は、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂等の溌水性に優れた樹脂を、各種熱可塑性樹脂基材に設けた易剥離処理のフィルムやポリオレフィン樹脂のような疎水性の樹脂を用いていることにより、親水性高分子膜がフィルム基材(特に易剥離処理面)に接する箇所は防湿性を付与させることが可能となり、吸湿によるポリマーの劣化を防止することが可能となる。
【0080】
上述した本実施の形態によるポリエーテル系ポリマーの製膜工程を整理すると、以下の通りとなる。
【0081】
(1)コンパウンド工程
上述したポリエーテル系重合体に、架橋剤、リチウム塩等を配合し、バンバリーミキサー等の各種ミキサーやニーダーを用いて、コンパウンドを作成する。
【0082】
このコンパウンドの温度としては、ポリマーが劣化しない温度で行なう方が好ましく、80〜150℃の範囲とする。
【0083】
また、混練時間は1〜10minの間が好ましく、より好ましくは1〜5minの範囲である。
【0084】
(2)カレンダー(圧延)工程
上記(1)の工程で得られたコンパウンドを、さらに必要に応じて易剥離処理を施した熱可塑性樹脂からなるフィルム基材で挟み込み、指標としては、(親水性高分子膜の融点)<製膜温度<(熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点)なる関係が成立する条件下の、ポリマーが劣化しない温度(150℃以下)で圧延成形を行なう。
【0085】
バンクの回数は、目的とする膜厚や線圧、ロール間のクリアランスに応じて設定することが可能である。
【0086】
親水性高分子膜であるポリエーテル系重合体の膜厚としては、10〜100μmの間、好ましくは10〜50μmの間、さらに好ましくは10〜30μmの間である。
【0087】
(3)架橋工程
上記(2)の工程で得られた、熱可塑性樹脂フィルム/ポリエーテル系重合体/熱可塑性樹脂フィルムに対して、ポリエーテル系重合体中に配合された架橋剤のタイプに応じて、架橋処理を施す。
【0088】
これらの架橋処理としては、加熱架橋処理、紫外線(UV)架橋処理、電子線架橋処理等を用いることができ、どの架橋処理を施しても構わないが、好ましくは、上記(2)の工程の直後に架橋処理を施した方がより好ましい。
【0089】
上述したような各工程を経ることで、本実施の形態では、ポリエーテル系重合体の単膜フィルムを、容易に、かつ均一な膜厚で、しかもピンホールもなく得ることが可能となる。
【0090】
以上のようにして得られた親水性高分子膜であるポリエーテル系重合体のフィルムを、カソードである正極活物質として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、スピネル型マンガン酸リチウムあるいはマンガンの一部をニッケルやコバルトで置換したスピネル化合物、酸化バナジウム、層状マンガン酸リチウム、硫化チタンおよびオリビン型リン酸鉄リチウムを、アノードである負極として用いることのできる材料には特に制限がないが、炭素系材料、金属リチウム、リチウムアルミニウム合金、ウッド合金、チタンおよびスズのリチウム複合酸化物等を用い、これらのカソードおよびアノードの一対の電極間に挟み込むことで、全固体型リチウムポリマー電池として使用することが可能である。
【0091】
また、これらの製法で得られた親水性高分子膜であるポリエーテル系重合体のフィルムは、キャパシター、センサー、コンデンサー、EC(エレクトロクロミック)素子等の電気化学デバイス用材料や、ゴムやプラスチック等の帯電防止層として使用することも可能となる。
【0092】
【実施例】
次に、本発明による親水性高分子膜の製膜方法、およびこの製膜法により得られた固体電解質膜を用いた全固体型リチウムポリマー電池の物性について、具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
【0093】
*電解質膜製膜工程
<使用材料>
−ポリエーテル系重合体−
A−1:P(EO/EP)重合体 EO/EP=92/8 Mw=115万
A−2:P(EO/EM)重合体 EO/EM=76/24 Mw=227万
A−3:P(EO/EM/AGE)重合体 EO/EM/AGE=81/19/3 Mw=165万
−リチウム塩−
B−1:リチウムビストリフルオロメチルスルフォニルイミド
−架橋助剤+開始剤−
C−1:2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(熱架橋型)
C−2:フェニレンビスマレイミド(UV架橋型)
[実施例1]
<コンパウンドの作成>
バンバリーミキサーを用いて、樹脂(A−1)/B−1/C−1/MgO=100/39/1.3/1.5の配合比になるように、ポリエーテル系重合体のコンパウンドを作成した。
【0094】
MgOは、架橋反応の際に発するエピクロルヒドリン由来の塩素を捕獲するために添加している。
【0095】
コンパウンド条件としては、120℃、50rpmで3minである。
【0096】
<圧延成形>
図2に示す3本ロールの装置により、試作を行なった。
【0097】
ロール径は、200mmφ700mm幅で、加工温度120℃、線圧4kg/cmである。
【0098】
熱可塑性樹脂からなるフィルムとしては、シリコーン離型処理を施した560mm幅ポリエステルフィルム50μmを使用し、ポリエーテル系重合体の製膜幅として500mmを得た。
【0099】
ロール間のクリアランスは0mmである。
加工速度は5m/minである。
【0100】
<架橋処理>
上記試作条件で得られた巻き取りをA4サイズのカットサンプルとし、110℃オーブン中で10時間保存した。
【0101】
その後、熱可塑性樹脂からなるフィルムを引き剥がすことで、親水性高分子膜である樹脂A層の単膜フィルムを得た。
【0102】
<結果>
上記架橋膜は厚み20μm±2〜3μmで制御され、ピンホールもなく外観不良も伴なわない架橋膜が得られた。
【0103】
また、易剥離処理を施したポリエステルフィルムを用いることで、引き取り性も問題なく、加工性は良好であった。
【0104】
また、架橋処理を施した後は、容易に架橋膜単膜を得ることが可能であり、本架橋膜のエレクトロニクスデバイス等への展開も容易であると考えられる。
【0105】
[実施例2]
ポリエーテル系重合体をA−2にし、樹脂(A−2)/B−1/C−2/光開始剤(ベンゾフェノン)=100/39/5/1.5にした以外は、コンパウンドの作成、圧延成形までは上記実施例1の場合と同様である。
【0106】
ただし、架橋処理については、圧延成形後にインラインでUV照射装置(高圧水銀ランプ、80W/cm、照射時間:実質5〜10sec)を通過させ、架橋処理を施した。
【0107】
<結果>
上記実施例1の場合と同様に、ブロッキングの影響も悪く容易に剥ぎ取ることが可能であり、厚さ20μm±2〜3μmの均一かつピンホールのない架橋高分子固体電解質のサンプルを得ることができた。
【0108】
[実施例3]
ポリエーテル系重合体をA−3にし、樹脂(A−3)/B−1/C−2/光開始剤(ベンゾフェノン)=100/39/3.5/1.5にした以外は、コンパウンドの作成、圧延成形、架橋処理までは、上記実施例2の場合と同様である。
【0109】
<結果>
上記実施例1、実施例2の場合と同様に、ブロッキングの影響も無く容易に剥ぎ取ることが可能であり、厚さ20μm±2〜3μmの均一かつピンホールの無い架橋高分子固体電解質のサンプルを得ることができた。
【0110】
[実施例4]
ホモタイプCPPフィルム(Tm=168℃)を通し基材として、圧延成形時のロール温度を100℃にした以外は、上記実施例2の場合と同様である。
【0111】
<結果>
上記実施例1、実施例2、実施例3の場合と同様に、ブロッキングの影響も無く容易に剥ぎ取ることが可能であり、厚さ20μm±2〜3μmの均一かつピンホールのない架橋高分子固体電解質のサンプルを得ることができた。
【0112】
[比較例1]
CPPフィルムをランダムPP(Tm:135℃)にし、圧延成形温度を140℃にした以外は、上記実施例4の場合と同様である。
【0113】
<結果>
圧延成形時に基材であるPPの融点以上で圧延を起こしているため、引き取り性も低下し、かつ基材フィルムの軟化によってしわが多発し、外観不良を伴なう結果となった。
【0114】
[比較例2]
易剥離処理を施していないポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、上記実施例2の場合と同様である。
【0115】
<結果>
易剥離処理を施していないため、架橋処理を施しても剥離が困難であり、強引に剥すことによって膜厚分布の精度や、場合によってはピンホールが空く結果となり、高分子固体電解質として使用するに当たり支障が生じた。
【0116】
[比較例3]
上記実施例2におけるコンパウンド物を、400mmφ、L/D=28の単軸押出機にて製膜を試みたが、コンパウンド物の粘着性の影響で樹脂の安定供給に欠け、かつTダイから押出された樹脂はダイスウェル現象の影響で製膜が困難であった。
【0117】
*全固体型リチウムポリマー電池評価
以下、本発明に係わる複合ポリマー電解質と全固体型リチウムポリマー電池について充放電効率と充放電容量の実施例を挙げて、具体的に説明する。
【0118】
電池の充放電は、60℃で0.2Cのレートで4.2Vと3.0Vとの間で充放電試験を行ない、充放電効率と充放電容量の測定を行なった。
【0119】
ここで、放電容量は、活物質単位重量当たりの2回目の放電容量(mAh/g)で表わされ、充放電効率は、10サイクル目の放電容量/充電容量(%)を示す。
【0120】
なお、本発明における複合ポリマー電解質と二次電池は、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0121】
<正極板の調整>
本荘FMCエナジーシステムズ(株)製コバルト酸リチウム83重量部に、電気化学工業(株)製アセチレンブラック5重量部、イオン導電性ポリマーA−2(P(EO/EM)共重合体)12重量部およびホウフッ化リチウム1.5重量部を加え、アセトニトリル分散液中で2時間混合し、ペースト状としてアルミニウム箔上に乾燥膜厚50μmとなるよう均一に塗布し、100℃で2時間乾燥後、ロールプレス機(サンク株式会社製チビロールプレス)でプレスした。
【0122】
この得られたフィルム状電極から、直径10mmの円板に切り抜いて正極板を調整した。
【0123】
<負極板の調整>
人造黒鉛(大阪ガスケミカル(株)製MCMB25−28、粒子径25μm)80重量部に、イオン導電性ポリマーA−2(P(EO/EM)共重合体)18重量部およびホウフッ化リチウム2重量部を加え、アセトニトリル分散液中で1時間混合し、ペースト状として銅箔上に乾燥膜厚70μmとなるよう均一に塗布し、130℃で2時間乾燥後、ロールプレス機(サンク株式会社製チビロールプレス)でプレスした。
【0124】
この得られたフィルム状電極から、直径10mmの円板に切り抜いて負極板を調整した。
【0125】
<ポリマー二次電池の作製>
[実施例5]
上述した製法で調整した正極板と負極板との間に、前記実施例1で調整した電解質フィルムを挟み、3分間、0.02N/m2の圧力でプレスした後、コイン型セル2032に挿入し封缶した。
【0126】
作製したコインセルの充放電試験を行なったところ、放電容量は120mAh/g、効率は93%であった。
【0127】
[実施例6]
上述した製法で調整した正極板と負極板との間に、前記実施例2で調整した電解質フィルムを挟み、3分間、0.02N/m2の圧力でプレスした後、コイン型セル2032に挿入し封缶した。
【0128】
作製したコインセルの充放電試験を行なったところ、放電容量は130mAh/g、効率は99%であった。
【0129】
[実施例7]
上述した製法で調整した正極板と負極板との間に、前記実施例3で調整した電解質フィルムを挟み、3分間、0.02N/m2の圧力でプレスした後、コイン型セル2032に挿入し封缶した。
【0130】
作製したコインセルの充放電試験を行なったところ、放電容量は128mAh/g、効率は97%であった。
【0131】
[実施例8]
上述した製法で調整した正極板と本城金属(株)製の厚さ50μmのリチウム箔から直径10mmに切り抜い負極板との間に、前記実施例4で調整した電解質フィルムを挟み、3分間、0.02N/m2の圧力でプレスした後、コイン型セル2032に挿入し封缶した。
【0132】
作製したコインセルの充放電試験を行なったところ、放電容量は130mAh/g、効率は99%であった。
【0133】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
上記実施の形態では、熱可塑性樹脂からなるフィルムで挟み込んだ親水性高分子膜を、圧延手段としてロールを用いて圧延させて、親水性高分子膜を製膜する場合について説明したが、これに限らず、熱可塑性樹脂からなるフィルムで挟み込んだ親水性高分子膜を、圧延手段としてロールを用いずに平板プレスを用いて圧延させて、親水性高分子膜を製膜するようにしてもよい。
【0134】
また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、架橋高分子膜を10〜100μmの間で容易に制御可能であり、かつピンホールも無く、膜厚均一性を有し、品質が安定した、親水性高分子膜の製膜方法、および親水性高分子膜が提供できる。
【0136】
さらに、本発明によれば、残留溶媒による電池特性の低下を防止することが可能な全固体型リチウムポリマー電池が提供できる。
【0137】
すなわち、本発明の親水性高分子膜の製膜方法、および親水性高分子膜、ならびに全固体型リチウムポリマー電池は、従来まで困難であったポリエーテル系重合体の薄膜成形を可能にするものであり、今後期待されている全固体型リチウムポリマー電池や、センサー、コンデンサー等をコンパクトにすることができ、電気機器の小型化をより一層図ることができるものとなる。
【0138】
また、固体電解質であるため、溶液がこぼれて機器を破損する等の心配がなくなったことから、エレクトロニクス関係の技術の発展に大きく貢献することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による親水性高分子膜の製膜方法における圧延成形の一実施の形態を示す模式図。
【図2】本発明による親水性高分子膜の製膜方法における圧延成形の他の実施の形態を示す模式図。
【図3】本発明による親水性高分子膜の製膜方法における圧延成形の他の実施の形態を示す模式図。
【符号の説明】
a…第1ロール
b…第2ロール
c…第1バンク
d…熱可塑性樹脂からなるフィルム
e…第2バンク
f…第3バンク。

Claims (4)

  1. ガラス転移温度(Tg)が室温以下で低結晶の親水性高分子膜を、当該親水性高分子膜と相溶性の低い熱可塑性樹脂あるいは当該親水性高分子膜に対し易剥離処理を施した熱可塑性樹脂からなる、引き取り性向上のための通し基材で挟み込み、
    次に、前記親水性高分子膜の融点、製膜温度、前記熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点が、
    (親水性高分子膜の融点)<製膜温度<(熱可塑性樹脂からなるフィルムの融点)
    なる関係を満たす温度条件下で、前記熱可塑性樹脂からなるフィルムで挟み込んだ親水性高分子膜を、2本以上のロールを用いたカレンダー成形による圧延手段を用いて10〜100μmの範囲で圧延させたのちに、紫外線、加熱、電子線の何れかの手法により架橋処理を施し、
    しかる後に、前記熱可塑性樹脂からなる引き取り性向上のための通し基材を引き剥がすことで、架橋した親水性高分子膜の単膜を得るようにしたことを特徴とする親水性高分子膜の製膜方法。
  2. 前記請求項に記載の親水性高分子膜の製膜方法において、前記親水性高分子膜の膜厚を10〜30μmの範囲で製膜するようにしたことを特徴とする親水性高分子膜の製膜方法。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の親水性高分子膜の製膜方法において、前記親水性高分子膜が、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、オリゴエチレングリコールグリシジルエーテル(EM)、オリゴプロピレングリコールグリシジルエーテル(PM)、アリルグリシジルエーテル(AGE)の成分のうち、少なくとも1種から構成するポリエーテル系ホモポリマー、あるいは2種以上から選択される多元共重合体であることを特徴とする親水性高分子膜の製膜方法。
  4. 前記請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の親水性高分子膜の製膜方法において、前記親水性高分子膜が、少なくともリチウム塩等の電解質塩、および必要に応じて架橋剤を配合したポリエーテル系ホモポリマーあるいは多元共重合体であることを特徴とする親水性高分子膜の製膜方法。
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