JP3945127B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に加熱手段を有した加熱ローラと、該加熱ローラに圧接する加圧ローラとを有し、これら加熱ローラ,加圧ローラ間にトナー画像が転写された転写材を通過させ、前記トナー画像を前記転写材に熱定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、定着装置においては、加熱ローラ内に加熱手段を設け、加熱ローラの表面の温度を検知して加熱手段を駆動することにより温度制御を行っている。
【0003】
一方、加圧ローラ内には加熱手段が設けられていないので、装置が冷えた状態からウォームアップを行った直後に定着を開始すると、加圧ローラが十分に暖まっていないので、定着不良が発生する恐れがある。
【0004】
よって、ウォームアップ直後に定着を行う場合には、通常の設定温度より高く設定された温度で加熱手段の温度制御を行い、その後、通常の設定温度に下げるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通常の設定温度より高く設定された温度を下げる場合、温度検知手段が加熱ローラの温度を検知するタイミングにより、加熱ローラの温度が設定温度より下がりすぎる場合がある。
【0006】
また、温度を下げている最中に連続定着を行うと、加熱ローラの温度が設定温度より下がりすぎる問題点がある。
この時、加圧ローラ内には加熱源がないので回復するまでに時間がかかる。
【0007】
さらに、従来では、連続定着を行う場合、転写材のサイズにより定着装置へ供給する間隔が異なる。
すなわち、定着装置に対する供給方向の長さが短い転写材ほど定着装置への供給間隔が短く、転写材に奪われる単位時間あたりの熱量が多くなる。
【0008】
よって、温度を下げている最中に連続定着を行った場合、転写材のサイズによって、加熱ローラの温度が下がり方が変わり、設定温度まで復帰するまでの時間が変わる問題点がある。
【0009】
このように、設定温度より下がった状態で、定着を行うと、定着不良が発生する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、ウォームアップ後の加熱ローラ、加圧ローラの温度低下による定着不良が発生しない定着装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、内部に加熱手段を有した加熱ローラと、該加熱ローラに圧接する加圧ローラとを有し、これら加熱ローラ,加圧ローラ間にトナー画像が転写された転写材を通過させ、前記トナー画像を前記転写材に熱定着する定着装置であって、前記加熱ローラ内に設けられ、最大サイズの転写材の通過領域内で、所定サイズの転写材の通過領域外の領域を主に加熱する第1の加熱手段と、前記加熱ローラに設けられ、所定サイズの転写材の通過領域を主に加熱する第2の加熱手段と、前記加熱ローラの最大サイズの転写材の通過領域内で所定サイズの転写材の通過領域外の領域の温度を検出する第1の温度検知手段と、前記加熱ローラの所定サイズの転写材の通過領域の温度を検出する第2の温度検知手段と、ウォームアップ直後に定着を行う場合、前記第1および第2の加熱手段の設定温度を通常より高く設定し、前記転写材の定着枚数に応じて前記第1の加熱手段の設定温度と前記第2の加熱手段の設定温度を独立して異なるタイミングで変える制御部と、を設けたことを特徴とする定着装置である。
【0011】
制御部は、ウォームアップ直後に定着を行う場合、前記第1および第2の加熱手段の設定温度を通常より高く設定し、前記転写材の定着枚数に応じて前記第1の加熱手段の設定温度と前記第2の加熱手段の設定温度を独立して異なるタイミングで変えることにより、加熱ローラが設定温度より下がりすぎることがなくなり、定着不良が生じない。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の前記制御部は、前記転写材のサイズに応じて前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段との設定温度を下げるタイミングを変えることを特徴とする定着装置である。
【0013】
連続定着を行う場合、転写材のサイズにより定着装置へ供給する間隔が異なる。
すなわち、定着装置に対する供給方向の長さが短い転写材ほど定着装置への供給間隔が短く、転写材に奪われる単位時間あたりの熱量が多くなる。
【0014】
定着枚数に加えて、転写材のサイズに応じて、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段との設定温度を下げるタイミングを変えることにより、請求項1記載の発明もさらに加熱ローラが設定温度より下がりすぎることがなくなり、定着不良が生じない。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。
(全体構成)
最初に、図2を用いて、本実施の形態例の定着装置が設けられたコピー装置の全体構成を説明する。
【0016】
図において、画像形成装置1は、自動原稿搬送装置(通称ADF)Aと、自動原稿搬送装置Aにより搬送される原稿の画像を読み取るための原稿画像読取部Bと、読み取った原稿画像を処理する画像制御部Cと、画像処理後のデータに従って、感光ドラムからなる像担持体10上に書込みを行なう書込みユニット12を含む書込み部Dと、像担持体10及びその周囲に帯電電極14,磁気ブラシ型現像装置からなる現像手段16,転写電極18,分離電極20,クリーニング手段21等の画像形成手段を含む画像形成部Eと、転写材(以下、記録紙という)Pを収容するトレイ等の複数の用紙収容手段(以下、給紙トレイ又はトレイという)22,24のための収納部F等を有している。
【0017】
自動原稿搬送装置Aは、原稿載置台26と、ローラR1を含むローラ群及び原稿の移動通路を適宜切り替えるための切替手段を含む原稿搬送処理部28を主要素とする。
【0018】
原稿画像読取部Bは、原稿ガラスGの下にあり、光路長を保って往復移動できる二つのミラーユニット30,31、固定の結像レンズ(以下、レンズという)33、ライン状の撮像素子(以下、CCDという)35等からなり、書込み部Dはレーザ光源40、ポリゴンミラー(偏光器)42等からなる。
自動原稿搬送装置Aは、従来の自動原稿搬送装置と構成上の相違はあるもの原理はそのものは公知であり、又、原稿画像読取部B、書込み部D、画像処理手段(像担持体10上にトナー画像を形成し、かつ、シート上にトナー画像を転写させる手段)を備えた画像形成装置及び画像形成プロセスはよく知られているので、その説明は簡略に行なう。
【0019】
尚、転写電極18の手前側に示すR10はレジストローラであり、分離電極の下流側に示すHは定着装置(詳細は後述する)であり、加熱ローラ91とこの加熱ローラ91に圧接する加圧ローラ92とを備えており、加熱ローラ91と、加圧ローラ92との間にトナー画像が転写された記録紙Pが定着することにより、トナー画像が記録紙P上に熱定着される。
【0020】
上記構成において、像担持体10上にトナー画像を形成し、シート上の転写させた後、排紙トレイに排紙するプロセスは、以下のとおりである。
尚、本明細書では、転写電極がある転写領域を画像記録部という場合がある。
【0021】
原稿載置台26上に載置される原稿(図示せず)の一枚が原稿搬送処理部28中で搬送され、ローラR1の下を通過中に、露光手段Lによるスリット露光が行なわれる。
【0022】
原稿からの反射光は、固定位置にあるミラーユニット30,31及びレンズ33を経て、CCD上に結合され、読み取られる。
原稿画像読取部Bで読み取られた画像情報は、画像処理手段により処理され、符号化されて画像制御基板C上にあるメモリに格納される。
【0023】
画像データは、画像形成に応じて呼び出され、当該画像データに従って書込み部Dにおけるレーザ光源40が駆動され、像担持体10上に露光が行なわれる。
この露光に先立ち、矢印方向(反時計方向)に回転する像担持体10は、帯電電極14のコロナ放電により所定の表面電位が付与されているが、露光により露光部の電位が露光量に応じて減じ、結果として、画像データに応じた静電潜像が像担持体10上に形成される。
【0024】
静電潜像は、現像手段16により反転現像され、可視像(トナー像)とされる。
一方、像担持体10上のトナー像の先端部が転写領域に到達する前に、例えば、給紙トレイ22内の一枚の記録紙Pが給紙搬送されて、レジストローラR10に到達し、先端規制されている。
【0025】
記録紙Pはトナー像、即ち、像担持体10上の画像領域と重畳するように、同期をとって回転を開始するレジストローラR10により転写領域に向けて搬送される。
【0026】
転写領域において、像担持体10上のトナー像は、転写電極の付勢により記録紙P上に転写されて、次いで、記録紙Pは分離電極20の付勢により像担持体10から分離される。
【0027】
その後、定着装置Hの加熱,加圧により、トナー像を形成するトナー粉末は記録紙P上に溶融定着され、記録紙Pは排紙通路78及び排紙ローラ79を介して排紙トレイT上に排紙される。
【0028】
(定着装置)
定着装置Hの構成を図3及び図4を用いて詳細に説明する。図3は定着装置Hの側面図、図4は図3のX方向矢視図である。
【0029】
加熱ローラ91において、191は両端面が開放された円筒状の芯金(ローラ基体)である。
この芯金191の外周面には、離型性層194が形成されている。
【0030】
本実施の形態例では、芯金191の材質はアルミニウム、鉄のうちのいずれか、離型性層194の材質としてはPFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体),四フッ化エチレン等の離型性の良い樹脂とした。
【0031】
更に、芯金191の肉厚を2.0mm以下、離型性層194の膜厚を約20μmとした。
加熱ローラ91の内部には、所定サイズの記録紙Pの通過領域内で、所定サイズの記録紙Pの通過領域外の領域(L1)を主に加熱する第1の加熱手段としての第1のハロゲンヒータランプ210と、所定サイズの記録紙Pの通過領域(L2)を主に加熱する第2の加熱手段としての第2のハロゲンヒータランプ220とが設けられている。
【0032】
加圧ローラ92は、発泡シリコンゴムの円周面にPFAチューブをかぶせた構造であり、表面硬度(アスカーC硬度)を35〜75とした。
そして、加圧ローラ92はスプリング90の付勢力でもって、加熱ローラ91を総荷重5〜25kgfで押圧し、加圧ローラ92と、加熱ローラ91との間のニップ圧を0.2〜2.0kgf/平方cm、ニップ通過時間を20〜40msecとした。
【0033】
本実施の形態例の定着装置Hには、図4に示すように、二つの温度検知手段330,340が設けられている。一つは、領域L1の加熱ローラ91の温度を検知する第1の温度検知手段330と、領域L2の加熱ローラ91の温度を検知する第2の温度検知手段340である。尚、本実施の形態例では、第1および第2の温度検知手段として、サーミスタを用いた。
【0034】
350は領域L2の端部を冷却する冷却手段としてのファンである。
クリーニング機構100は、芳香族ポリアミドの不織布製のウエブ101が巻かれた元巻きローラ103と、ウエブ101を巻き取る巻き取りローラ105と、ウエブ101を加熱ローラ91に押し付けるウエブバックアップローラ107とからなっている。
【0035】
この巻き取りローラ105は、所定の枚数の記録紙Pへの画像形成を行うと、所定量回転駆動され、ウエブ101の未使用部分が加熱ローラ91に押接するようになっている。
【0036】
次に、図1を用いて、本実施の形態例の定着装置の電気的構成を説明する。図1は図3に示す定着装置の電気的構成を説明するブロック図である。
図において、310は第1のハロゲンヒータランプ210駆動する回路からなる第1の加熱駆動手段、320はハロゲンヒータランプ220を駆動する回路からなる第2の駆動加熱手段である。
【0037】
また、503は図13に示すような、ウォームアップ直後に定着する場合の定着枚数と第1のハロゲンヒータランプ210、第2のハロゲンヒータランプ220の設定温度との関係が記録されたテーブルである。
【0038】
500は、第1の温度検知手段330からの温度情報(t1)と、第2の温度検知手段340からの温度情報(t2)と、画像形成装置本体の電源スイッチがオンされると、画像形成装置本体から送られる起動命令と、画像形成装置本体のコピーボタンがオンされると、画像形成装置本体から送られるコピー命令と、記録紙サイズ情報(W)と設定コピー枚数情報(I)とを取り込んで、テーブル503を参照して第1及び第2の加熱駆動手段310,320を介して第1及び第2のハロゲンヒータランプ210,220及び冷却駆動手段360を介してファン350を駆動する制御部である。この制御部500内には、電源スイッチがオンからの定着を行った記録紙Pを計数するカウンタ501が設けられている。
【0039】
次に、上記構成の定着装置のウォームアップ直後の動作を図5〜図11を用いて説明する。
先ず、制御部500の全体の動作を説明するフロー図である図5を用いて、定着装置の全体の動作を説明する。 電源スイッチがオンされると、ウォームアップ制御(ステップ1)がなされ、ウォームアップ直後にコピー命令があると(ステップ2)、ウォームアップ直後定着制御(ステップ3)を行い、コピー命令がない場合には、アイドリング制御(ステップ4)を行いながらコピー命令(ステップ5)を待つ。
【0040】
アイドリング制御中にコピー命令があると(ステップ5)、定着制御(ステップ6)を行う。
次に、ウォームアップ制御、アイドリング制御、定着制御を説明する。
【0041】
(ウォームアップ制御)
図3に示す定着装置のウォームアップ制御を説明するフロー図である図6及び図7を用いて説明する。
【0042】
図6において、(a)図は第1のハロゲンヒータランプのウォームアップ制御を示すフロー図、(b)図は第2のハロゲンヒータランプのウォームアップ制御を示すフロー図、図7はウォームアップ制御の終了判断動作を示すフロー図である。
【0043】
制御部500はウォームアップ制御として、図6(a),(b)、図7に示す3つのフローを200msec毎に行っている。
図6(a)に示すフローにおいて、第1の温度検知手段330のからの温度情報(t1)を取り込み、加熱ローラ91の領域L1の温度(t1)と所定温度(T1)との比較を行う(ステップ1)。
【0044】
加熱ローラ91の温度(t1)が所定温度(T1)より低ければ、第1のハロゲンヒータランプ210の駆動する(ステップ2)。
加熱ローラ91の温度(t1)が所定温度(T1)以上あれば、第1のハロゲンヒータランプ210の駆動を停止し(ステップ3)、ウォーミングアップ(WU)終了フラグ1をオンとする(ステップ4)。
【0045】
同様に、図6(b)に示すルーチンにおいて、第2の温度検知手段340のからの温度情報(t2)を取り込み、加熱ローラ91の領域L2の温度(t2)と所定温度(T2)との比較を行う(ステップ1)。
【0046】
加熱ローラ91の温度(t2)が所定温度(T2)より低ければ、第2のハロゲンヒータランプ220の駆動する(ステップ2)。
加熱ローラ91の温度(t2)が所定温度(T2)以上あれば、第2のハロゲンヒータランプ220の駆動を停止し(ステップ3)、ウォーミングアップ(WU)終了フラグ2をオンとする(ステップ4)。
【0047】
図7に示すフローにおいて、WU終了フラグ1及びWU終了フラグ2が共にオンがどうかを見て(ステップ1)、共にオンになっているならば、WU終了フラグをオンとする(ステップ2)。
【0048】
(ウォームアップ直後定着制御)
図3に示す定着装置のウォームアップ直後定着制御を説明するフロー図である図8を用いて説明する。
【0049】
図8において、制御部500は、カウンタ501から電源スイッチがオンからの定着を行った記録紙Pの枚数(カウントC)を読み込む(ステップ1)、さらに、記録紙Pのサイズを読み込む(ステップ2)。
【0050】
次に、テーブル503を参照し、記録紙PのサイズおよびカウントCに対応する領域L1,L2の設定温度を決定し(ステップ3)、ハロゲンヒータランプ制御(ステップ4)を行い、コピー終了までステップ1からステップ4を繰り返す(ステップ5)。
【0051】
ここで、図9を用いて、ステップ3のハロゲンヒータランプ制御を説明する。
図9において、(a)図は第1のハロゲンヒータランプのハロゲンヒータランプ制御を示すフロー図、(b)図は第2のハロゲンヒータランプのハロゲンヒータランプ制御を示すフロー図である。
【0052】
制御部500はハロゲンヒータランプ制御として、図8(a),(b)に示す2つのフローを200msec毎に行っている。
図9(a)に示すフローにおいて、第1の温度検知手段330のからの温度情報(t1)を取り込み、加熱ローラ91の領域L1の温度(t1)と所定温度(T1′)との比較を行う(ステップ1)。
【0053】
加熱ローラ91の温度(t1)が所定温度(T1′)より低ければ、第1のハロゲンヒータランプ210の駆動する(ステップ2)。
加熱ローラ91の温度(t1)が所定温度(T1′)以上あれば、第1のハロゲンヒータランプ210の駆動を停止する(ステップ3)。
【0054】
同様に、図9(b)に示すフローにおいて、第2の温度検知手段340のからの温度情報(t2)を取り込み、加熱ローラ91の領域L2の温度(t2)と所定温度(T2′)との比較を行う(ステップ1)。
【0055】
加熱ローラ91の温度(t2)が所定温度(T2′)より低ければ、第2のハロゲンヒータランプ220の駆動する(ステップ2)。
加熱ローラ91の温度(t2)が所定温度(T2′)以上あれば、第2のハロゲンヒータランプ220の駆動を停止する(ステップ3)。
【0056】
(アイドリング制御)
図3に示す定着装置のアイドリング制御を説明するフロー図である図10を用いて説明する。
【0057】
図10において、(a)図は第1のハロゲンヒータランプのアイドリング制御を示すフロー図、(b)図は第2のハロゲンヒータランプのアイドリング制御を示すフロー図である。
【0058】
制御部500はアイドリング制御として、図10(a),(b)に示す2つのフローを200msec毎に行っている。
図10(a)に示すフローにおいて、第1の温度検知手段330のからの温度情報(t1)を取り込み、加熱ローラ91の領域L1の温度(t1)と所定温度(T1″)との比較を行う(ステップ1)。
【0059】
加熱ローラ91の温度(t1)が所定温度(T1″)より低ければ、第1のハロゲンヒータランプ210の駆動する(ステップ2)。
加熱ローラ91の温度(t1)が所定温度(T1″)以上あれば、第1のハロゲンヒータランプ210の駆動を停止する(ステップ3)。
【0060】
同様に、図8(b)に示すフローにおいて、第2の温度検知手段340のからの温度情報(t2)を取り込み、加熱ローラ91の領域L2の温度(t2)と所定温度(T2″)との比較を行う(ステップ1)。
【0061】
加熱ローラ91の温度(t2)が所定温度(T2″)より低ければ、第2のハロゲンヒータランプ220の駆動する(ステップ2)。
加熱ローラ91の温度(t2)が所定温度(T2″)以上あれば、第2のハロゲンヒータランプ220の駆動を停止する(ステップ3)。
【0062】
(定着制御)
図3に示す定着装置の定着制御を説明するフロー図である図11〜図12を用いて説明する。
【0063】
図11において、(a)図は第1のハロゲンヒータランプのコピー制御を示すフロー図、(b)図は第2のハロゲンヒータランプのコピー制御を示すフロー図である。また、図12において、(a)図は冷却ファンの駆動制御を示すフロー図、(b)図は冷却ファンの停止制御を示すフロー図である。
【0064】
制御部500は、定着制御として、図11(a),(b)に示す2つのフローを200msec毎に行っている。
図11(a)に示すフローにおいて、第1の温度検知手段330のからの温度情報(t1)を取り込み、加熱ローラ91の領域L1の温度(t1)と所定温度(T1′″)との比較を行う(ステップ1)。
【0065】
加熱ローラ91の温度(t1)が所定温度(T1′″)より低ければ、第1のハロゲンヒータランプ210の駆動する(ステップ2)。
加熱ローラ91の温度(t1)が所定温度(T1′″)以上あれば、第1のハロゲンヒータランプ210の駆動を停止する(ステップ3)。
【0066】
同様に、図11(b)に示すフローにおいて、第2の温度検知手段340のからの温度情報(t2)を取り込み、加熱ローラ91の領域L2の温度(t2)と所定温度(T2′″)との比較を行う(ステップ1)。
【0067】
加熱ローラ91の温度(t2)が所定温度(T2′″)より低ければ、第2のハロゲンヒータランプ220の駆動する(ステップ2)。
加熱ローラ91の温度(t2)が所定温度(T2′″)以上あれば、第2のハロゲンヒータランプ220の駆動を停止する(ステップ3)。
【0068】
更に、コピー命令があると、制御部500は図10(a)のフローを1回実行する。
図12に示すフローにおいて、制御部500は、コピー命令があると、記録紙Pのサイズ情報(w)を読み込み(ステップ1)、通紙される記録紙Pのサイズ(w)が予め決められた所定サイズ(W:例えば、B5R)とを比較し(ステップ2)、通紙される記録紙Pのサイズ(w)が予め決められた所定サイズ(W)以下の場合には、ファン350を駆動する(ステップ3)。
【0069】
上記構成によれば、制御部500は、ウォームアップ直後に定着を行なう場合、図13に示すように第1および第2の加熱手段の設定温度を通常より高く設定し(A4においては通常の温度が199℃に対して204℃、B5においては通常の温度が194℃に対して204℃、B5Rにおいては通常の温度が194,189℃に対して204℃)、記録紙Pの定着枚数に応じて第1のハロゲンヒータランプ210と第2のハロゲンヒータランプ220との設定温度を下げるタイミングを変えることにより、図14に示すように、従来例に比べて、加熱ローラ91が設定温度より下がりすぎることがなくなり、定着不良が生じない。
【0070】
また、連続定着を行う場合、記録紙Pのサイズにより定着装置へ供給する間隔が異なる。
すなわち、定着装置に対する供給方向の長さが短い記録紙Pほど定着装置への供給間隔が短く、記録紙Pに奪われる単位時間あたりの熱量が多くなる。
【0071】
定着枚数に加えて、記録紙Pのサイズに応じて、第1のハロゲンヒータランプ210と第2のハロゲンヒータランプ220との設定温度を下げるタイミングを変えることにより、さらに加熱ローラ91が設定温度より下がりすぎることがなくなり、定着不良が生じない。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、制御部は、ウォームアップ直後に定着を行う場合、前記第1および第2の加熱手段の設定温度を通常より高く設定し、前記転写材の定着枚数に応じて前記第1の加熱手段の設定温度と前記第2の加熱手段の設定温度を独立して異なるタイミングで変えることにより、加熱ローラが設定温度より下がりすぎることがなくなり、定着不良が生じない。
【0073】
請求項2記載の発明によれば、連続定着を行う場合、転写材のサイズにより定着装置へ供給する間隔が異なる。
すなわち、定着装置に対する供給方向の長さが短い転写材ほど定着装置への供給間隔が短く、転写材に奪われる単位時間あたりの熱量が多くなる。
【0074】
定着枚数に加えて、転写材のサイズに応じて、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段との設定温度を下げるタイミングを変えることにより、請求項1記載の発明もさらに加熱ローラが設定温度より下がりすぎることがなくなり、定着不良が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の定着装置の電気的構成を説明するブロック図である。
【図2】本実施の形態例の定着装置が設けられたコピー装置の全体構成を説明する図である。
【図3】図2の定着装置の側面図である。
【図4】図3のX方向矢視図である。
【図5】制御部の全体の動作を説明するフロー図である。
【図6】図3に示す定着装置のウォームアップ制御を説明するフロー図である。
【図7】図3に示す定着装置のウォームアップ制御を説明するフロー図である。
【図8】図3に示す定着装置のウォームアップ直後定着制御を説明するフロー図である。
【図9】図8のステップ3のハロゲンヒータランプ制御を説明するフロー図である。
【図10】図3に示す定着装置のアイドリング制御を説明するフロー図である。
【図11】図3に示す定着装置の定着制御を説明するフロー図である。
【図12】図3に示す定着装置の定着制御を説明するフロー図である。
【図13】図1のテーブルの内容を説明する図である。
【図14】従来例と実施の形態例とのウォームアップ直後の定着における加熱ローラの温度推移を示す図である。
【符号の説明】
210 第1のハロゲンヒータランプ
220 第2のハロゲンヒータランプ
500 制御部
503 テーブル

Claims (2)

  1. 内部に加熱手段を有した加熱ローラと、該加熱ローラに圧接する加圧ローラとを有し、これら加熱ローラ,加圧ローラ間にトナー画像が転写された転写材を通過させ、前記トナー画像を前記転写材に熱定着する定着装置であって、
    前記加熱ローラ内に設けられ、最大サイズの転写材の通過領域内で、所定サイズの転写材の通過領域外の領域を主に加熱する第1の加熱手段と、
    前記加熱ローラに設けられ、所定サイズの転写材の通過領域を主に加熱する第2の加熱手段と、
    前記加熱ローラの最大サイズの転写材の通過領域内で所定サイズの転写材の通過領域外の領域の温度を検出する第1の温度検知手段と、
    前記加熱ローラの所定サイズの転写材の通過領域の温度を検出する第2の温度検知手段と、
    ウォームアップ直後に定着を行う場合、前記第1および第2の加熱手段の設定温度を通常より高く設定し、前記転写材の定着枚数に応じて前記第1の加熱手段の設定温度と前記第2の加熱手段の設定温度を独立して異なるタイミングで変える制御部と、
    を設けたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記制御部は、前記転写材のサイズに応じて前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段との設定温度を下げるタイミングを変えることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
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