JP3944980B2 - 難燃性樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ハロゲン系難燃剤を使用した難燃性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、耐湿熱特性、耐衝撃性、難燃性に優れ、自動車部品、電気電子部品、機械部品に好適な難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどに代表されるポリエステル樹脂、あるいはポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂等の熱可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、射出成形材料として機械機構部品、電気電子部品、自動車部品などの幅広い分野に利用されつつある。一方、これら熱可塑性樹脂は本質的に可燃性であるため、工業用材料として使用するには一般の化学的、物理的諸特性のバランス以外に火炎に対する安全性、すなわち難燃性が要求される場合が多い。
【0003】
熱可塑性樹脂に難燃性を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系有機化合物、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物を樹脂にコンパウンドする方法が一般的である。しかしながら、この方法には、燃焼の際の発煙量が多い傾向があった。
【0004】
そこで、近年これらハロゲンを全く含まない難燃剤を用いることが強く望まれるようになった。
【0005】
これまで、ハロゲン系難燃剤を使わずに熱可塑性樹脂を難燃化する方法としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水和金属化合物を添加することが広く知られているが、充分な難燃性を得るためには、上記水和金属化合物を多量に添加する必要があり、樹脂本来の特性が失われるという欠点を有していた。
【0006】
一方、このような水和金属化合物を使わずに熱可塑性樹脂を難燃化する方法として赤リンを添加することが、特開昭51−150553号公報、特開昭58−108248号公報、特開昭59−81351号公報、特開平5−78560号公報、特開平5−287119号公報、特開平5−295164号公報、特開平5−320486号公報、特開平5−339417号公報等に開示されている。しかしながら、いずれの樹脂組成物もハロゲン系難燃剤を用いない有用な難燃性樹脂材料ではあるが、これらの成形品を高温高湿状態で処理したとき、成形品表面に白色析出物が発生するブリードアウト現象が観察されたり、機械物性が著しく損なわれるといった耐湿熱特性の低下という問題点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、非ハロゲン系難燃剤を使用し、高温高湿状態で処理したときのブリードアウトおよび機械強度の低下を抑制した耐湿熱特性、難燃性に優れる難燃性樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは以上の状況を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ポリブチレンテレフタレート樹脂に特定量のポリエチレンテレフタレート樹脂、赤リン、フッ素系樹脂およびトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩を配合することで高度に優れた難燃性を有し、すなわち厚肉成形品(1/16”)のみならず、薄肉成形品(1/32”)においても高度に優れた難燃性を有し、特異的に耐湿熱性が向上した樹脂材料が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明は、
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して
ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)0.1〜50重量部、
赤リン(C)0.1〜50重量部、
フッ素系樹脂(D)0.01〜10重量部および
トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)0.01〜50重量部を含有する樹脂組成物、
赤リン(C)が熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである上記樹脂組成物、
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して充填材5〜140重量部をさらに含有してなる上記樹脂組成物、
充填材がガラス繊維である上記樹脂組成物、
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して金属酸化物0.01〜20重量部をさらに含有してなる上記樹脂組成物、
金属酸化物が酸化カドニウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化チタンから選ばれる一種または二種以上である上記樹脂組成物、
金属酸化物が酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタンから選ばれる一種または二種以上である上記樹脂組成物、
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対してヒンダードフェノール系安定剤0.01〜3重量部をさらに含有してなる上記樹脂組成物、
および
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)、赤リン(C)、フッ素系樹脂(D)およびトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)を押出機で溶融混練することにより上記樹脂組成物を製造することを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法、
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)の一部もしくはポリエチレンテレフタレート樹脂(B)の一部および赤リン(C)を一旦溶融混練して赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)を製造し、残りのポリブチレンテレフタレート樹脂(A)もしくは残りのポリエチレンテレフタレート樹脂(B)、フッ素系樹脂(D)、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)および赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)を押出機で溶融混練することを特徴とする上記難燃性樹脂組成物の製造方法、
さらに本発明は、
上記樹脂組成物からなる成形品、
成形品が機械機構部品、電気電子部品または自動車部品である上記成形品である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の難燃性樹脂組成物について具体的に説明する。本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂(A)としては、テレフタル酸を酸成分に、1,4−ブタンジオールをグリコール成分に用いた、主鎖にエステル結合を有する高分子量の熱可塑性ポリエステルが挙げられるが、その他の共重合可能な成分を共重合することも可能である。例えば、酸成分として、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを、グリコール成分として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAなどを一部用いることもでき、さらにリンを含有する化合物を共重合成分として用いることができる。リンを含有する化合物を共重合成分として用いる場合、その構造はリンを含有する化合物で、ポリブチレンテレフタレートと共重合可能な化合物であれば特に制限はないが、例えば、リンを含有するジカルボン酸、リンを含有するグリコール、リンを含有するヒドロキシカルボン酸等が挙げられ、具体的には下記一般式(1)〜(13)で表される化合物を好ましく使用することができる。
【0011】
【化1】
【化2】
【0012】
上記のような他成分を共重合する場合の共重合量は、ポリブチレンテレフタレートの特性を大きく損なわない範囲であれば特に制限はないが、ジカルボン酸単位とグリコール単位の総モル数に対し、0〜30モル%程度であることが好ましく、より好ましくは0〜25モル%程度であり、さらに好ましくは0〜20モル%程度である。
【0013】
本発明に用いるポリブチレンテレフタレートは、o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60、特に0.52〜1.25の範囲にあるものが好適である。
【0014】
本発明で使用されるポリエチレンテレフタレート樹脂(B)としては、テレフタル酸を酸成分に、エチレングリコールをグリコール成分に用いた、主鎖にエステル結合を有する高分子量の熱可塑性ポリエステルが挙げられるが、その他の共重合可能な成分を共重合することも可能である。例えば酸成分として、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを、グリコール成分として、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAなどを一部用いることもでき、さらにリンを含有する化合物を共重合成分として用いることができる。リンを含有する化合物を共重合成分として用いる場合、その構造はリンを含有する化合物で、ポリエチレンテレフタレートと共重合可能な化合物であれば特に制限はないが、例えば、リンを含有するジカルボン酸、リンを含有するグリコール、リンを含有するヒドロキシカルボン酸等が挙げられ、具体的には下記一般式(1)〜(13)で表される化合物を好ましく使用することができる。
【0015】
【化3】
【化4】
【0016】
上記のような他成分を共重合する場合の共重合量は、ポリエチレンテレフタレートの特性を大きく損なわない範囲であれば特に制限はないが、ジカルボン酸単位とグリコール単位の総モル数に対し、0〜30モル%程度であることが好ましく、より好ましくは0〜25モル%程度であり、さらに好ましくは0〜20モル%程度である。
【0017】
本発明に用いるポリエチレンテレフタレートは、フェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.25〜3.00、特に0.40〜2.25の範囲にあるものが好適である。
【0018】
また、本発明におけるポリエチレンテレフタレート樹脂(B)の添加量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜45重量部、より好ましくは1〜43重量部、さらに好ましくは2〜40重量部、特に好ましくは5〜35重量部である。
【0019】
本発明で使用される赤リン(C)は、そのままでは不安定であり、また、水に徐々に溶解したり、水と徐々に反応する性質を有するので、これを防止する処理を施したものが好ましく用いられる。このような赤リンの処理方法としては、特開平5−229806号公報に記載の赤リンの粉砕を行わず、赤リン表面に水や酸素との反応性が高い破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンに水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを微量添加して赤リンの酸化を触媒的に抑制する方法、赤リンをパラフィンやワックスで被覆し、水分との接触を抑制する方法、ε−カプロラクタムやトリオキサンと混合することにより安定化させる方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤リンを銅、ニッケル、銀、鉄、アルミニウムおよびチタンなどの金属塩の水溶液で処理して、赤リン表面に金属リン化合物を析出させて安定化させる方法、赤リンを水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などで被覆する方法、赤リン表面に鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、スズなどで無電解メッキ被覆することにより安定化させる方法およびこれらを組合せた方法が挙げられるが、好ましくは、赤リンの粉砕を行わずに赤リン表面に破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤リンを水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などで被覆することにより安定化させる方法であり、特に好ましくは、赤リン表面に破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法である。これらの熱硬化性樹脂の中で、フェノール系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂で被覆された赤リンが耐湿性の面から好ましく使用することができ、特に好ましくはフェノール系熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである。
【0020】
また、樹脂に配合される前の赤リンの平均粒径は、成形品の難燃性、機械的強度や表面外観性の点から50〜0.01μmのものが好ましく、さらに好ましくは、45〜0.1μmのものである。
【0021】
また、本発明で使用される赤リン(C)は、熱水中で抽出処理した時の導電率(ここで導電率は赤リン5gに純水100mLを加え、オートクレーブ中、121℃で100時間抽出処理し、赤リンろ過後のろ液を250mLに希釈して測定することができる)が、0.1〜1000μS/cmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜800μS/cm、さらに好ましくは0.1〜500μS/cmであることが、得られる成形品の難燃性、耐湿熱性、機械的強度および耐トラッキング性の点から好ましい。
【0022】
また、本発明で使用される赤リン(C)のホスフィン発生量(ここでホスフィン発生量は、赤リン5gを窒素置換した内容量500mLの例えば試験管などの容器に入れ、10mmHgに減圧後、280℃で10分間加熱処理し、25℃に冷却し、窒素ガスで試験管内のガスを希釈して760mmHgに戻したのちホスフィン(リン化水素)検知管を用いて測定し、つぎの計算式で求める。
【0023】
ホスフィン発生量(ppm)=検知管指示値(ppm)×希釈倍率)
かかるホスフィン発生量は、得られる組成物の発生ガス量、押出し、成形時の安定性、溶融滞留時機械的強度および成形品の表面外観性などの点から通常100ppm以下のものが用いられ、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下である。
【0024】
このような好ましい赤リンの市販品としては、燐化学工業社製“ノーバエクセル140”、“ノーバエクセルF5”が挙げられる。
【0025】
本発明における赤リン(C)の添加量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜45重量部、より好ましくは0.2〜40重量部、さらに好ましくは0.3〜35重量部である。なかでも1〜25重量部、より好ましくは2〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部、特に好ましくは5〜10重量部である。
【0026】
本発明の難燃性樹脂組成物はさらに赤リンの安定剤として金属酸化物を添加することにより、押出し、成形時の安定性や強度、耐熱性などを向上させることができる。このような金属酸化物の具体例としては、酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズおよび酸化チタンなどが挙げられるが、なかでも酸化カドミウム、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタンが好ましく、さらに好ましくは酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタン、特に好ましくは酸化チタンである。
【0027】
特に酸化チタンは赤リンの安定剤としてだけでなく、得られる樹脂組成物の非着色性や赤リンの分散性を向上させる効果を有する。
【0028】
金属酸化物の添加量は機械物性、成形性の面からポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜10重量部である。
【0029】
本発明の難燃性樹脂組成物はさらに繊維状および/または粒状の充填材を添加することにより、強度、剛性、耐熱性などを大幅に向上させることができる。
【0030】
このような充填材の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ワラステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンおよび酸化アルミニウムなどが挙げられ、なかでもチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ましく用いられる。
【0031】
これらの添加量はポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して5〜140重量部が好ましく、特に好ましくは5〜100重量部である。
【0032】
本発明で使用されるフッ素系樹脂(D)を添加すると燃焼時の液滴の落下(ドリップ)が抑制される。そのようなフッ素系樹脂(D)としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、(ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライド、(ビニリデンフルオライド/エチレン)共重合体などが挙げられるが、中でもポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体が好ましい。
【0033】
フッ素系樹脂(D)の添加量は機械物性、成形性の面からポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して通常0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部である。
【0034】
本発明の難燃性樹脂組成物はさらにヒンダードフェノール系の安定剤を併用すると長期間高温にさらされても極めて良好な耐加水分解性が維持されることが見いだされた。このような安定剤としては例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビスもしくはトリス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、N,N’−トリメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)などが挙げられる。
【0035】
本発明においては、このようなヒンダードフェノール系安定剤を必要に応じて添加することができるが、その際のヒンダードフェノール系安定剤の添加量は通常、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対し0.01〜3重量部、好ましくは0.02〜2重量部、更に好ましくは0.03〜0.5重量部である。
【0036】
本発明で使用されるトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩(E)とは、シアヌール酸またはイソシアヌール酸とトリアジン系化合物との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、シアヌール酸またはイソシアヌール酸と塩を形成しないものは除外される。
【0037】
上記トリアジン系化合物としては下記一般式(14)で表される化合物等が挙げられる。
【0038】
【化5】
前記一般式(14)においてR1 、R2 、R3 、R4 は同一または相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、または−CONH2 である。ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては炭素数4〜15のものが好ましい。また、Rは上式中の−NR1 R2 または−NR3 R4 と同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH2 、または−CONH2 から選ばれた基であり、ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては炭素数4〜15のものが好ましい。
【0039】
R1 、R2 、R3 、R4 の具体的な例としては水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基、アミド基などが挙げられるが、中でも水素、フェニル基、メチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、アミド基が好ましい。
【0040】
また、Rの具体的な例としてはアミノ基、アミド基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基などが挙げられるが、中でも水素、アミノ基、アミド基、メチル基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニル基、ベンジル基が好ましい。
【0041】
前記一般式(14)で表わされる化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩のうち、特にメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミンの塩が好ましく、とりわけメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンの塩が好ましい。
【0042】
トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩は、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の混合物を水スラリーとなし、良く混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。この塩は完全に純粋である必要は無く、多少未反応のトリアジン系化合物ないしシアヌール酸、イソシアヌール酸が残存していても良い。
【0043】
また、樹脂に配合される前の塩の平均粒径は、成形品の難燃性、機械的強度や表面性の点から100〜0.01μmが好ましく、さらに好ましくは80〜10μmである。また、上記塩の分散性が悪い場合には、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの分散剤を併用してもかまわない。
【0044】
上記塩の使用量はポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して通常、0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部である。
【0045】
さらに、本発明の難燃性樹脂組成物に対して本発明の目的を損なわない範囲でヒンダードフェノール系以外のリン系、イオウ系などの酸化防止剤や熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
【0046】
本発明の難燃性樹脂組成物は通常公知の方法で製造される。例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)、赤リン(C)、フッ素系樹脂(D)、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)およびその他の必要な添加剤を予備混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製されるが、好ましくは、ハンドリング性や生産性の面から、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)の一部、もしくはポリエチレンテレフタレート樹脂(B)の一部と赤リン(C)を一旦溶融混練して実際に難燃性樹脂組成物に配合されるべき赤リン量よりも赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)を製造し、残りのポリブチレンテレフタレート樹脂(A)もしくはポリエチレンテレフタレート樹脂(B)、フッ素系樹脂(D)およびトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)に赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)およびその他の任意に用いることができる添加剤を溶融混練することにより調製される。
【0047】
あるいはポリブチレンテレフタレート樹脂(A)の一部、もしくはポリエチレンテレフタレート樹脂(B)の一部と赤リン(C)、フッ素系樹脂(D)、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)およびその他の任意に用いることができる添加剤を一旦溶融混練して、実際に難燃性樹脂組成物に配合されるべき赤リン量よりも赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)を製造し、残りのポリブチレンテレフタレート樹脂(A)もしくはポリエチレンテレフタレート樹脂(B)に赤リン高濃度樹脂組成物(F)および赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)の段階で添加した任意に用いることができる添加剤以外の添加剤を溶融混練することにより調製される。
【0048】
上記のように実際に難燃性樹脂組成物に配合されるべき赤リン量よりも赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)を製造する段階で、その他の任意に用いることができる添加剤を配合する場合、これらの任意に用いることができる添加剤はあらかじめ赤リンと混合しておくことが好ましい。
【0049】
特に任意に用いることができる添加剤の中でも、赤リンの安定剤として使用される金属酸化物、特に酸化チタンを添加する場合、酸化チタンは赤リン高濃度品(F)を製造する段階で配合することが好ましく、さらにあらかじめ赤リンと酸化チタンをヘンシェルミキサー等の機械的な混合装置を用いて混合しておくと、赤リンの安定性、赤リンの分散性や得られる樹脂組成物の非着色性を向上することができる。
【0050】
かかる赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)は、いわゆるマスターペレットの形態で好ましく用いられるが、それに限定されず、いわゆるチップ状、粉末状、あるいはそれらの混合物の形態であってもよい。またかかる(F)成分と配合するポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)はペレット状であることが好ましいが、それに限定されず、いわゆるチップ状、粉末状あるいは、チップ状と粉末状の混合物であってもよい。さらに、(F)成分と、それと配合するポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)の形態、大きさ、形状はほぼ同等、あるいは互いに似通っていることが均一に混合し得る点で好ましい。樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いることができる。
【0051】
かくして得られる難燃性樹脂組成物は通常公知の方法で成形することができ、射出成形、押出成形、圧縮成形などの成形品、シート、フィルムなどの成形物品とすることができる。なかでも射出成形品用途に特に好適であり、その特徴を活かして機械機構部品、電気電子部品、自動車部品として有用に用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ここで部とはすべて重量部をあらわす。各特性の測定方法は以下の通りである。
【0055】
(1)機械特性
射出成形により得たダンベル試験片についてASTM D−638に従い引張降伏強度を測定した。
【0056】
(2)難燃性
射出成形により得た難燃性評価用試験片についてUL94に定められている評価基準に従い難燃性を評価した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
【0057】
(3)耐湿熱性
1)ブリードアウト
射出成形により得た試験片を温度121℃、湿度100%RHの条件下で100時間処理した後、光学顕微鏡で試験片表面を観察した。ブリードアウトのレベルは、◎:析出物は観察されない、○:ほとんど観察されない、△:多少観察される、×:多量に観察されるの順に低下する。
【0058】
2)引張強度保持率
射出成形により得たダンベル試験片を温度121℃、湿度100%RHの条件下で100時間処理した後、ASTM D−638に従い引張降伏強度を測定し、下記式で算出した。
【0059】
引張強度保持率(%)=(処理後の引張強度/処理前の引張強度)×100
実施例1〜8、比較例1〜24
固有粘度が0.85(25℃、o−クロルフェノール溶液)のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略す)100重量部に対して表1、2、3に示す固有粘度が0.65(25℃、フェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒)のポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)、赤リン(燐化学工業社製”ノーバエクセル”140、平均粒径29.7μ、赤リン5gに純水100mLを加え、オートクレーブ中、121℃で100時間抽出処理し、赤リンをろ過した後ろ液を250mLに希釈し導電率計(横河電機社製、パーソナルSCメーター)を用いて測定した時の導電率200μm S/cm)およびその他の添加剤を混合し、スクリュ径30mm、L/D45.5の同方向回転2軸押出機(日本製鋼社製、TEX−30:スクリュは2条ネジで相互の噛み合い3.5mmの2本のスクリュを使用し、L/D=4の45度に傾いた10枚のニーディングディスクからなるスクリュエレメントを順逆の順番で設け、さらに逆フルフライトエレメントを設けた混練力の強いスクリュ形状)を用いて樹脂温度260〜280℃で溶融押出した。得られたペレットを乾燥後、射出成形(金型温度80〜140℃)によりASTMD−638に規定されている引張試験片およびUL94に基く難燃性評価用試験片を調製した。
【0060】
各サンプルの難燃性、耐湿熱性の測定結果を表1〜3にまとめて示す。
【0061】
尚、ガラス繊維強化系については樹脂組成物中のガラス繊維重量%は全樹脂組成物100重量%に対して30重量%になるように配合した。
【0062】
また、表中のナイロンはポリアミド6(東レ社製“CM1010”)、GFはガラス繊維(日東紡績社製“CS3PE941S”)、フッ素系樹脂はポリテトラフルオロエチレン(三井・デュポン・フロロケミカル社製“テフロン6J”)、シアヌール酸塩はメラミンシアヌレート(日産化学社製“MC440”)、安定剤とはペンタエリスルチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ガイギー社製”IR−1010”)、金属酸化物は酸化第一銅(試薬)あるいは酸化チタン(試薬)のことを表わす。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
安定剤:ペンタエリスルチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ガイギー社製”IR−1010”)
【表3】
【0066】
フッ素系樹脂:ポリテトラフルオロエチレン(三井・デュポン・フロロケミカル社製“テフロン6J”)
シアヌール酸塩:メラミンシアヌレート(日産化学社製“MC440”)
安定剤:ペンタエリスルチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ガイギー社製”IR−1010”)
金属酸化物:酸化第一銅(試薬)、実施例19では金属酸化物として酸化チタンを使用した。
【0069】
実施例1〜3と比較例3〜5、22、23の比較より、PBTに本発明の特定量のPET、赤リン、フッ素系樹脂およびトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩を配合することにより特異的に高度な難燃性を保持し、かつ特異的に高温高湿処理時のブリードアウトと強度保持率の低下を抑制した優れた耐湿熱性が得られることがわかる。
【0070】
また、実施例4〜8と比較例13〜16、24の比較より、ガラス繊維で強化した場合にも同様に、PBTに特定量のPET、赤リン、フッ素系樹脂およびトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩を配合することにより、特異的に優れた難燃性および耐湿熱性が発現することわかる。
【0071】
以上のことから、PBT樹脂に特定量のPET、赤リン、フッ素系樹脂およびトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩を配合することにより、優れた難燃性および高温高湿処理時のブリードアウトと強度保持率の低下を抑制した優れた耐湿熱性が発現することわかる。
【0072】
実施例9、10
PBT樹脂である東レPBT1100S(東レ(株)製)100重量部に対して、赤リン(燐化学工業社製”ノーバエクセル”140)を50重量部混合し、窒素フローを行いながら、スクリュ径30mm、L/D=45.5の同軸方向回転2軸押出機(日本精鋼社製、TEX−30)を用いて樹脂温度260〜280℃で溶融押出し、PBTの赤リン高濃度品を製造した。該赤リン高濃度品を用い、上記実施例と同様に樹脂組成物を押出し、成形した。結果を表4に示す。
【0073】
実施例11、12
固有粘度が0.65(25℃、フェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒)のポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)100重量部に対して、赤リン(燐化学工業社製”ノーバエクセル”140)を50重量部混合し、窒素フローを行いながら、スクリュ径30mm、L/D=45.5の同軸方向回転2軸押出機(日本精鋼社製、TEX−30)を用いて樹脂温度260〜280℃で溶融押出し、PETの赤リン高濃度品を製造した。該赤リン高濃度品を用い、上記実施例と同様に樹脂組成物を押出し、成形した。結果を表4に示す。
【0074】
実施例9〜12と実施例4、7の比較から、赤リン高濃度品を用いることにより、さらに燃焼時間が短縮され、さらに機械特性が向上することがわかる。
【0075】
【表4】
()内は、添加した赤燐高濃度品中の赤燐量および樹脂量を示す。
【0076】
フッ素系樹脂:ポリテトラフルオロエチレン(三井・デュポン・フロロケミカル社製“テフロン6J”)
【0077】
シアヌール酸塩:メラミンシアヌレート(日産化学社製“MC440”)
安定剤:ペンタエリスルチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・ガイギー社製”IR−1010”)
金属酸化物:酸化チタン
【0078】
【発明の効果】
(1)本発明の特定量のPET、赤リン、フッ素系樹脂およびトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩を含有した難燃性PBT樹脂組成物は、従来公知の他の赤リン含有難燃性樹脂組成物に比べ高温高湿処理時のブリードアウトと強度保持率の低下を抑制した優れた耐湿熱性を示す。
【0079】
(2)本発明で得られる難燃性樹脂組成物は難燃性が良好であるばかりか、熱可塑性樹脂の特性に悪影響を与えない優れた難燃処方であり、特に湿熱処理時の特性に優れており機械部品、電気電子部品、自動車部品として有用である。
Claims (12)
- ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して
ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)0.1〜50重量部、
赤リン(C)0.1〜50重量部、
フッ素系樹脂(D)0.01〜10重量部および
トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)0.01〜50重量部を含有する樹脂組成物。 - 赤リン(C)が熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである請求項1記載の樹脂組成物。
- ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して充填材5〜140重量部をさらに含有してなる請求項1〜2のいずれか記載の樹脂組成物。
- 充填材がガラス繊維である請求項3記載の樹脂組成物。
- ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して金属酸化物0.01〜20重量部をさらに含有してなる請求項1〜4のいずれか記載の樹脂組成物。
- 金属酸化物が酸化カドニウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化チタンから選ばれる一種または二種以上である請求項5記載の樹脂組成物。
- 金属酸化物が酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタンから選ばれる一種または二種以上である請求項5または6記載の樹脂組成物。
- ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対してヒンダードフェノール系安定剤0.01〜3重量部をさらに含有してなる請求項1〜7のいずれか記載の樹脂組成物。
- ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)、赤リン(C)フッ素系樹脂(D)、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)を押出機で溶融混練することにより請求項1〜8のいずれか記載の樹脂組成物を製造することを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法。
- ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)の一部もしくはポリエチレンテレフタレート樹脂(B)の一部および赤リン(C)を一旦溶融混練して赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)を製造し、残りのポリブチレンテレフタレート樹脂(A)もしくは残りのポリエチレンテレフタレート樹脂(B)、フッ素系樹脂(D)、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩(E)および赤リン濃度の高い樹脂組成物(F)を押出機で溶融混練することを特徴とする請求項9記載の難燃性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか記載の樹脂組成物からなる成形品。
- 成形品が機械機構部品、電気電子部品または自動車部品である請求項11記載の成形品。
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