JP3918356B2 - 成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可燃性樹脂を非ハロゲン難燃化するために使用する樹脂難燃化用樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物からなる成形品の製造方法に関する。更に詳しくは、ハンドリング性(着火性、保管・取り扱いの安全性)や耐湿熱特性、機械特性、リサイクル性に優れる難燃化用樹脂組成物および耐湿熱特性、機械特性、難燃性、リサイクル性に優れる自動車部品、電気電子部品、機械部品に好適な難燃性樹脂組成物を簡略的なプロセスで提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどに代表されるポリエステル樹脂、あるいはポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂等の熱可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、射出成形材料として機械機構部品、電気電子部品、自動車部品などの幅広い分野に利用されつつある。一方、これら熱可塑性樹脂は本質的に可燃性であるため、工業用材料として使用するには一般の化学的、物理的諸特性のバランス以外に火炎に対する安全性、すなわち難燃性が要求される場合が多い。
【0003】
熱可塑性樹脂に難燃性を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系有機化合物、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物を樹脂にコンパウンドする方法が一般的である。しかしながら、この方法には、燃焼の際の発煙量が多い傾向があった。
【0004】
そこで、近年これらハロゲンを全く含まない難燃剤を用いることが強く望まれるようになった。
【0005】
これまで、ハロゲン系難燃剤を使わずに熱可塑性樹脂を難燃化する方法としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水和金属化合物を添加することが広く知られているが、充分な難燃性を得るためには、上記水和金属化合物を多量に添加する必要があり、樹脂本来の特性が失われるという欠点を有していた。
【0006】
一方、このような水和金属化合物を使わずに熱可塑性樹脂を難燃化する方法として赤リンを添加することが、特開昭51−150553号公報、特開昭58−108248号公報、特開昭59−81351号公報、特開平5−78560号公報、特開平5−287119号公報、特開平5−295164号公報、特開平5−320486号公報、特開平5−339417号公報等に開示されている。しかしながら、いずれの樹脂組成物もハロゲン系難燃剤を用いない有用な難燃性樹脂材料ではあるが、赤リンは自然発火性の物質であり、ハンドリング性(着火性、保管・取り扱いの安全性)に劣るといった問題点を有していた。
【0007】
赤リンのハンドリング性を改良する方法として、赤リンをマスターペレット化する方法が特開平3−259956号公報に開示されている。しかしながら、同公報に記載されたマスターペレットは化学的安定性、耐湿性やリサイクル性が不十分であり、該マスターペレットを溶融混合して得られる樹脂組成物の成形品は高温高湿状態で処理したとき、成形品表面に白色析出物や酸性液状物が発生するブリードアウト現象が観察されたり、機械物性が著しく損なわれるといった問題点を有していた。さらに該マスターペレットを溶融混練して得られる樹脂組成物を再利用して、成形品に再加工した場合、リサイクル回数により徐々に難燃性、機械特性および耐湿熱性が低下するといった問題点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、特定の樹脂および特定の赤リンを含有してなる樹脂難燃化用樹脂組成物により、赤リンのハンドリング性(着火性、保管・取り扱いの安全性)とリサイクル性を本質的に向上させるともに、該樹脂難燃化用樹脂組成物を使用することによりハンドリング性が向上するのみならず、簡略化されたプロセスで難燃性、耐湿熱特性、機械特性、リサイクル性に優れた樹脂組成物および成形品を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは以上の状況を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定分子量のポリブチレンテレフタレート樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート樹脂に特定の赤リンを配合することで赤リンのハンドリング性のみならず、耐湿熱特性およびリサイクル性に優れた樹脂難燃化用樹脂組成物が得られ、さらに該樹脂難燃化用樹脂組成物を用いることで、簡略化されたプロセスで難燃性、耐湿熱特性、機械特性、リサイクル性に優れた難燃性樹脂組成物および成形品が得られることを見出し本発明に到達した。
【0010】
すなわち本発明は、
1.(A)o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60のポリブチレンテレフタレート樹脂、または
o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60のポリブチレンテレフタレート樹脂およびフェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.40〜1.50のポリエチレンテレフタレート樹脂の混合物100重量部に対して、
(B)導電率が0.1〜1000μS/cmの赤リン30〜300重量部を含有する樹脂難燃化用樹脂組成物からなる粉粒体とポリブチレンテレフタレート樹脂粉粒体を固体状態でドライブレンドし、得られた混合物を成形することにより成形品を製造することを特徴とする成形品の製造方法。
(ただし、導電率は赤燐5gに純水100mlを加え、121℃で100時間処理し、赤燐を濾過した後、濾液を250mlに希釈した抽出水の導電率とする。)
2.前記(B)赤リンが、熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである上記1記載の成形品の製造方法。
3.前記(B)赤リンの平均粒径が0.1〜35μmである上記1または2記載の成形品の製造方法。
4.前記(B)赤リンが、粒径が75μm以上の赤リン含量が10重量%以下である上記1〜3のいずれか記載の成形品の製造方法。
.上記1〜4のいずれか記載の製造方法により製造された成形品を切断および/または粉砕により粉粒体とし、成形することを特徴とする成形品の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について具体的に説明する。
【0012】
本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物は、(A)o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60のポリブチレンテレフタレート樹脂、または該ポリブチレンテレフタレート樹脂と、フェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.40〜1.50のポリエチレンテレフタレート樹脂の混合物100重量部に対して
(B)導電率が0.1〜1000μS/cmの赤リン30〜300重量部を含有するものである。
【0013】
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂としては、テレフタル酸を酸成分に、1,4−ブタンジオールをグリコール成分に用いた、主鎖にエステル結合を有する高分子量の熱可塑性ポリエステルが挙げられるが、その他の共重合可能な成分を共重合することも可能である。例えば、酸成分として、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを、グリコール成分として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物などを一部用いることもできる。
【0014】
上記のような他成分を共重合する場合の共重合量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂の特性を大きく損なわない範囲であれば特に制限はないが、ジカルボン酸単位とグリコール単位の総モル数に対し、0〜30モル%程度であることが好ましく、より好ましくは0〜25モル%程度であり、さらに好ましくは0〜20モル%程度である。
【0015】
本発明に用いるポリブチレンテレフタレート樹脂は、o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60であり、特に0.52〜1.25の範囲にあるものが好適である。これ以上では、得られる樹脂難燃化用樹脂組成物を製造する際に、押出機の剪断応力が高くなり、その結果、樹脂難燃化用樹脂組成物自身の耐湿熱性、リサイクル性が低下したり、得られる樹脂組成物の耐湿熱特性、機械特性やリサイクル性が低下するため好ましくない。
【0016】
また本発明におけるポリエチレンテレフタレート樹脂としては、テレフタル酸を酸成分に、エチレングリコールをグリコール成分に用いた、主鎖にエステル結合を有する高分子量の熱可塑性ポリエステルが挙げられるが、その他の共重合可能な成分を共重合することも可能である。例えば酸成分として、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを、グリコール成分として、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物などを一部用いることもできる。
【0017】
上記のような他成分を共重合する場合の共重合量は、ポリエチレンテレフタレートの特性を大きく損なわない範囲であれば特に制限はないが、ジカルボン酸単位とグリコール単位の総モル数に対し、0〜30モル%程度であることが好ましく、より好ましくは0〜25モル%程度であり、さらに好ましくは0〜20モル%程度である。
【0018】
本発明に用いるポリエチレンテレフタレートは、フェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.40〜1.5、特に0.5〜1.20の範囲にあるものが好適である。固有粘度が高すぎると、樹脂難燃化用樹脂組成物を製造する際に、押出機の剪断応力が高くなり、その結果、樹脂難燃化用樹脂組成物自身の耐湿熱性、リサイクル性が低下したり、得られる難燃性樹脂組成物の耐湿熱特性、機械特性やリサイクル性が低下するため好ましくない。
【0019】
また本発明ではポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂からなる混合物を使用してもよい。
【0020】
ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂からなる混合物を使用する場合、ポリエチレンテレフタレート樹脂の使用量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の総量に対し、通常1〜99重量%であり、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量部である。
【0021】
本発明で使用される赤リン(B)は、そのままでは不安定であり、また、水に徐々に溶解したり、水と徐々に反応する性質を有するので、これを防止する処理を施したものが好ましく用いられる。このような赤リンの処理方法としては、特開平5−229806号公報に記載の赤リンの粉砕を行わず、赤リン表面に水や酸素との反応性が高い破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンに水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを微量添加して赤リンの酸化を触媒的に抑制する方法、赤リンをパラフィンやワックスで被覆し、水分との接触を抑制する方法、ε−カプロラクタムやトリオキサンと混合することにより安定化させる方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤リンを銅、ニッケル、銀、鉄、アルミニウムおよびチタンなどの金属塩の水溶液で処理して、赤リン表面に金属リン化合物を析出させて安定化させる方法、赤リンを水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などで被覆する方法、赤リン表面に鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、スズなどで無電解メッキ被覆することにより安定化させる方法およびこれらを組合せた方法が挙げられるが、好ましくは、赤リンの粉砕を行わずに赤リン表面に破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤リンを水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などで被覆することにより安定化させる方法であり、特に好ましくは、赤リン表面に破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法である。これらの熱硬化性樹脂の中で、フェノール系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂で被覆された赤リンが耐湿性の面から好ましく使用することができ、特に好ましくはフェノール系熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである。
【0022】
また本発明で使用される赤リン(B)を熱水中で抽出処理した時の導電率(ここで導電率は赤燐5gに純水100mLを加え、オートクレーブ中、121℃で100時間抽出処理し、赤燐ろ過後のろ液を250mLに希釈して測定することができる)は、得られる成形品の難燃性、耐湿熱性、機械的強度、電気的性質(耐トラッキング性)およびリサイクル性の点から通常0.1〜1000μS/cmであり、好ましくは0.1〜800μS/cm、さらに好ましくは0.1〜500μS/cmである。
【0023】
また樹脂に配合される前の赤リンの平均粒径は、樹脂難燃化用樹脂組成物のハンドリング性、耐湿熱特性、および最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品の難燃性、耐湿熱特性、機械的特性、表面外観性およびリサイクル性の点から35〜0.01μmのものが好ましく、さらに好ましくは、30〜0.1μmのものである。なお赤燐の平均粒径は、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することが可能である。粒度分布測定装置には、湿式法と乾式法があるが、いずれを用いてもかまわない。湿式法の場合は、赤リンの分散溶媒として、水を使用することができる。この時アルコールや中性洗剤により赤リン表面処理を行ってもよい。また分散剤として、ヘキサメタ燐酸ナトリウムやピロ燐酸ナトリウムなどの燐酸塩を使用することも可能である。また分散装置として超音波バスを使用することも可能である。
【0024】
また本発明で使用される赤リンの平均粒径は上記のごとくであるが、赤リン中に含有される粒径の大きな赤リン、すなわち粒径が75μm以上の赤リンがある特定量以上存在すると、樹脂難燃化用樹脂組成物のリサイクル性のみならず、最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品の難燃性、機械的特性、耐湿熱性、リサイクル性を著しく低下させる傾向にあることがわかった。
【0025】
本発明で使用される赤リン中に含有される、粒径が75μm以上の赤リン含量は、樹脂難燃化用樹脂組成物のリサイクル性、最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品の難燃性、機械的特性、耐湿熱性、リサイクル性の面から、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは8重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。下限に特に制限はないが、0に近いほど好ましい。
【0026】
ここで赤リンに含有される粒径が75μm以上の赤リン含量は、75μmのメッシュにより分級することで測定することができる。すなわち赤リン100gを75μmのメッシュで分級した時の残さ量A(g)より、粒径が75μm以上の赤リン含量はA/100×100(%)より算出することができる。
【0027】
このような好ましい赤リンの市販品としては、燐化学工業社製“ノーバエクセル140”、“ノーバエクセルF5”および相当品、あるいはこれらの市販品を分級したものが挙げられる。
【0028】
本発明における赤リン(B)の添加量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して30〜300重量部、好ましくは35〜200重量部、より好ましくは40〜150重量部、さらに好ましくは45〜100重量部である。
【0029】
本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物にはさらに赤リンの安定剤として金属酸化物を添加することにより、押出し、成形時の安定性のみならず、耐湿性、リサイクル性や強度、耐熱性などを向上させることができる。このような金属酸化物の具体例としては、酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズおよび酸化チタンなどが挙げられるが、なかでも酸化カドミウム、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタンが好ましく、さらに好ましくは酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタン、特に好ましくは酸化チタンである。
【0030】
特に酸化チタンは赤リンの安定剤としてだけでなく、得られる樹脂組成物の非着色性や赤リンの分散性を向上させる効果を有する。
【0031】
金属酸化物の添加量は機械物性、成形性の面からポリブチレンテレフタレート樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部であり、好ましくは0.1〜80重量部、より好ましくは0.1〜50重量部である。
【0032】
本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物は通常公知の方法で製造される。例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、赤リン(B)およびその他の必要な添加剤を予備混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製される。
【0033】
本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いることができる。
【0034】
かかる樹脂難燃化用樹脂組成物は、いわゆるマスターペレットの形態で好ましく用いられるが、ハンドリング性の面からチップ状が好ましい。
【0035】
このようにして得られる樹脂難燃化用樹脂組成物は、ハンドリング性、耐湿熱性、リサイクル性が改良されたものであり、可燃性樹脂、とりわけポリブチレンテレフタレート樹脂を難燃化するのにきわめて有用である。
【0036】
また本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の難燃化すべき可燃性の樹脂と溶融混練することなく、固体状態でブレンド(ドライブレンド)して得られる混合物を直接成形機に供給し、成形することにより難燃性、耐湿熱性、機械特性に優れた成形品が得られ、さらに該手法により得られる成形品は優れたリサイクル性を有することを見いだした。
【0037】
すなわち、上記難燃化用樹脂組成物からなる粉粒体とポリブチレンテレフタレート樹脂粉粒体などの可燃性の樹脂を固体状態で混合し、得られた混合物を成形することにより上記効果を有する成形品を製造し得るものである。
【0038】
なお、上記粉粒体の形状としては、例えばいわゆるチップ状、ペレット状、顆粒状、粉状などが挙げられる。
【0039】
かくして得られる成形品はリサイクル性に優れるため、難燃性樹脂組成物として再利用することが可能である。すなわち、成形品を切断あるいは粉砕などにより粉粒体として、必要に応じバージンもしくはリサイクルのポリブチレンテレフタレート樹脂、樹脂難燃化用樹脂組成物あるいはその他の添加剤を混合して、または混合しないで、再び成形に供することができる。それにより得られた成形品は、導電率、耐湿熱特性の低下も小さい。
【0040】
ここで使用されるポリブチレンテレフタレート樹脂は、樹脂難燃化用樹脂組成物に使用されるポリブチレンテレフタレート樹脂と同一であってもあるいはその他の共重合可能な成分を共重合したポリブチレンテレフタレート樹脂を使用することができるが、o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度は0.36〜1.60、特に0.52〜1.25の範囲にあるものが好適である。
【0041】
またポリブチレンテレフタレート樹脂に対する樹脂難燃化用樹脂組成物の配合量は、使用する樹脂難燃化用樹脂組成物中の赤リン含量により異なるが、最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対する赤リン含量が0.1〜50重量部、好ましくは1.0〜40重量部、より好ましくは1.5〜30重量部になるように調整して配合することが好ましい。
【0042】
ここで樹脂難燃化用樹脂組成物からなる粉粒体とポリブチレンテレフタレート樹脂粉粒体の混合方法は、樹脂難燃化用樹脂組成物とポリブチレンテレフタレート樹脂粉粒体を固体状態で混合する、すなわちドライブレンドするだけでも本発明の効果が発揮できるが、ヘンシェルミキサー等の機械的な混合装置を用いて混合することができる。
【0043】
なお、本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物あるいは樹脂難燃化用樹脂組成物および成形品にはさらにその他の任意の添加剤を配合することにより、本発明の効果をさらに向上させることができる。これらの任意の添加剤は樹脂難燃化用樹脂組成物を製造する段階で加えることもできるし、あるいは難燃性樹脂組成物および成形品を成形加工する前に添加することもできる。
【0044】
以下これらの任意の添加剤について説明する。なお本発明で使用される任意の添加剤は、下記記載に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限はない。
【0045】
本発明で使用される任意の添加剤として、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂を使用することができる。
【0046】
ここで使用されるポリエチレンテレフタレート樹脂は、樹脂難燃化用樹脂組成物に使用されるポリエチレンテレフタレート樹脂と同一であってもあるいはその他の共重合可能な成分を共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂を使用することができるが、フェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.40〜1.5、特に0.5〜1.20の範囲にあるものが好適である。
【0047】
ポリエチレンテレフタレート樹脂の添加量は、最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品中に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜80重量部、より好ましくは1〜70重量部である。
【0048】
また本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物あるいは樹脂難燃化用樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物および成形品はさらにフッ素系樹脂を添加すると燃焼時の液滴の落下(ドリップ)が抑制される。
【0049】
このようなフッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、(ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライド、(ビニリデンフルオライド/エチレン)共重合体などが挙げられるが、中でもポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体が好ましい。
【0050】
上記フッ素系樹脂の添加量は最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品中に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して通常0.01〜50重量部であり、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.2〜30重量部である。
【0051】
また本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物あるいは樹脂難燃化用樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物および成形品に、さらにシリコーン系化合物を添加することでも燃焼時の液滴の落下(ドリップ)が抑制される。
【0052】
上記シリコーン系化合物とは、シリコーン樹脂および/またはシリコーンオイルのことである。
【0053】
本発明に使用されるシリコーン樹脂とは、下記一般式(1)〜(4)で表される単位およびこれらの混合物から選ばれる化学的に結合されたシロキサン単位(ここで、Rはそれぞれ飽和または不飽和一価炭化水素基、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アリール基、ビニルまたはアリル基から選ばれる基を表す。なかでもメチル基および/またはフェニル基であることが好ましい。)からなるポリオルガノシロキサンであり、室温で約200〜300000000センチポイズの粘度のものが好ましいが、上記のシリコーン樹脂である限り、それに限定されるものではない。
【0054】
【化1】
Figure 0003918356
【0055】
本発明に使用されるシリコーンオイルとは、下記一般式(5)で表されるものである(ここで、Rはアルキル基またはフェニル基を表し、なかでもメチル基および/またはフェニル基であることが好ましい。nは1以上の整数である。)。使用するシリコーンオイルは、0.65〜100000センチトークスの粘度のものが好ましいが、上記のシリコーンオイルである限り、それに限定されるものではない。
【0056】
【化2】
Figure 0003918356
【0057】
本発明ではシリコーン系化合物として、シリコーン樹脂および/またはシリコーンオイルを使用することができるが、難燃性、耐熱性、耐ブリードアウト特性、耐接点汚染性、湿熱処理後の電気特性低下の面から、シリコーン樹脂が好ましい。
【0058】
上記シリコーン系化合物の添加量は最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品中に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して通常0.01〜50重量部であり、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.2〜30重量部である。
【0059】
上記フッ素系樹脂およびシリコーン系化合物は、併用添加することも可能であり、その場合、フッ素系樹脂およびシリコーン系樹脂の合計の添加量は、最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品中に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.2〜30重量部である。
【0060】
また本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物あるいは樹脂難燃化用樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物および成形品はさらにヒンダードフェノール系の安定剤を併用すると長期間高温にさらされても極めて良好な耐加水分解性が維持されることが見いだされた。このような安定剤としては例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビスもしくはトリス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、N,N’−トリメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)などが挙げられる。
【0061】
本発明においては、このようなヒンダードフェノール系安定剤を必要に応じて添加することができるが、その際のヒンダードフェノール系安定剤の添加量は通常、最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品中に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対し0.01〜3重量部、好ましくは0.02〜2重量部、更に好ましくは0.03〜0.5重量部である。
【0062】
また本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物あるいは樹脂難燃化用樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物および成形品はトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩を配合することで、さらに難燃性を向上させることができる。
【0063】
トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩とは、シアヌール酸またはイソシアヌール酸とトリアジン系化合物との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、シアヌール酸またはイソシアヌール酸と塩を形成しないものは除外される。
【0064】
上記トリアジン系化合物としては下記一般式(6)で表される化合物等が挙げられる。
【0065】
【化3】
Figure 0003918356
【0066】
前記一般式(6)においてR1、R2、R3、R4は同一または相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、または−CONH2 である。ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては炭素数4〜15のものが好ましい。また、R5は上式中の−NR1 2 または−NR3 4 と同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH2 、または−CONH2 から選ばれた基であり、ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては炭素数4〜15のものが好ましい。
【0067】
1 、R2 、R3 、R4 の具体的な例としては水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基、アミド基などが挙げられるが、中でも水素、フェニル基、メチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、アミド基が好ましい。
【0068】
また、R5の具体的な例としてはアミノ基、アミド基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基などが挙げられるが、中でも水素、アミノ基、アミド基、メチル基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニル基、ベンジル基が好ましい。
【0069】
前記一般式(6)で表わされる化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩のうち、特にメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミンの塩が好ましく、とりわけメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンの塩が好ましい。
【0070】
トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩は、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の混合物を水スラリーとなし、良く混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。この塩は完全に純粋である必要は無く、多少未反応のトリアジン系化合物ないしシアヌール酸、イソシアヌール酸が残存していても良い。
【0071】
また、樹脂に配合される前の塩の平均粒径は、成形品の難燃性、機械的強度や表面性の点から100〜0.01μmが好ましく、さらに好ましくは80〜10μmである。なお、かかる平均粒径は前記赤燐の平均粒径と同様の方法により測定が可能である。また、上記塩の分散性が悪い場合には、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの分散剤を併用してもかまわない。
【0072】
上記塩の使用量は最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品中に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して通常、0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部である。
【0073】
また本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物あるいは樹脂難燃化用樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物および成形品はエラストマーを配合することにより、難燃性を低下させることなく、耐湿熱特性、機械特性、リサイクル性を向上させることができる。
【0074】
このようなエラストマーとしては、ガラス転移温度が室温以下のものであれば特に制限はないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、スチレン樹脂、スチレン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂などのポリオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラストマー、あるいはこれら合成樹脂の2種以上の混合物が挙げられるが、なかでもエチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体が好ましく用いることができる。
【0075】
上記エラストマーの添加量は、最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品中に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜80重量部、より好ましくは1〜70重量部である。
【0076】
また本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物あるいは樹脂難燃化用樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物および成形品はさらに充填材を添加することにより、強度、剛性、耐熱性などを大幅に向上させることができる。かかる充填剤としては繊維状、粒状等の非繊維状のいずれであってもよい。
【0077】
このような充填材の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ワラステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンおよび酸化アルミニウムなどが挙げられ、なかでもチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ましく用いられる。
【0078】
これらの添加量は最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品中に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して5〜140重量部が好ましく、特に好ましくは5〜100重量部である。
【0079】
さらに、本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物あるいは樹脂難燃化用樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物および成形品は、本発明の目的を損なわない範囲でヒンダードフェノール系以外のリン系、イオウ系などの酸化防止剤や熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
【0080】
これらの添加量は最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品に含有されるポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対し0.01〜3重量部、好ましくは0.02〜2重量部、更に好ましくは0.03〜0.5重量部である。
【0081】
かくして得られる難燃性樹脂組成物および成形品は通常公知の方法で成形することができ、射出成形、押出成形、圧縮成形などの成形品、シート、フィルムなどのあらゆる形状の成形物品とすることができる。なかでも射出成形品用途に特に好適である。またウエルド部やヒンジ部を有する成形品やインサート成形品など複雑な形状の成形加工品にも好適である。例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケーススイッチコイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用であるが、上記の中で特に本発明の特徴を活かした機械機構部品、電気電子部品、自動車部品として有用に用いることができる。
【0082】
また本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物は特にポリブチレンテレフタレート樹脂に難燃性を付与させるのに好適であり、そのためポリブチレンテレフタレート樹脂用難燃剤として使用することができる。
【0083】
【実施例】
以下実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ここで部とはすべて重量部をあらわす。各特性の測定方法は以下の通りである。
【0084】
1.樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレット)の評価
(1)着火試験
硬質ロックウール(120mm×120mm×12mmニチアス株式会社製)上に試料3cm3を単球状に置き、液化石油ガスの火炎(炎口を上に向けた状態で火炎の長さが70mmになるように調節した着火器具を用いる)を10秒間接触させ着火するまでの時間および着火後の燃焼継続時間を測定する。同一試料についてこれを10回繰り返し、着火性試験結果を次の○、△、×の三段階に分けて判定する。
×:一度でも3秒以内に着火し、10秒以内にすべて燃焼するかまたは火炎を接触した後、10秒以上燃焼を継続したり、10秒以内にすべてが燃焼するもの。
△:一度でも10秒以内に着火して10秒以上燃焼を継続するもの。
○:着火しないかまたは10秒以内に着火しても火炎を接触した後、10秒以上燃焼継続しないもの。
【0085】
(2)落垂衝撃発火試験
落垂衝撃試験機を用い、重さ1.925gの金属片を用い、赤リンマスターペレットあるいは赤リンあるいは赤リンマスターペレット1gを鉄板上に計量し、所定の高さから金属片を落下させ、赤リンマスターペレットあるいは赤リンが発火した場合を×、発火しなかった場合を○とした。
【0086】
(3)粉砕発火試験
卓上小型粉砕器を用い、赤リンあるいは赤リンマスターペレット100gを回転数15000rpmで30分粉砕し、粉砕中に発火した場合を×、発火しなかった場合を○とした。
【0087】
(4)導電率
赤リン5gあるいは粉砕、分級により100メッシュ以下にした赤リンマスターペレット5gに純水100mLを加え、オートクレーブ中、121℃で100時間抽出処理し、赤リンもしくは樹脂組成物をろ過した後ろ液を250mLに希釈し導電率計(横河電機社製、パーソナルSCメーター)を用いて測定した。
【0088】
(5)耐湿熱性
・ブリードアウト
赤リンマスターペレットを射出成形した試験片を温度110℃、湿度95%RHの条件下、100時間処理した後、試験片表面のブリード物を目視で観察した。ブリードアウトのレベルは、○:析出物が観察されない、△:多少観察される、×:多量に観察されるの三段階で評価した。
【0089】
(6)リサイクル性
射出成形により得られたダンベル試験片を粉砕器で粉砕し、再度射出成形した。射出成形/粉砕を4回繰り返すことにより、最終的に5回目の射出成形において得られた試験片を作成し、導電率およびブリードアウト特性を評価し、一回目の射出成形品の評価結果と比較した。
【0090】
2.難燃性樹脂組成物および成形品の評価
(1)機械特性
射出成形により得たダンベル試験片についてASTM D−638に従い引張降伏強度を測定した。
【0091】
(2)難燃性
射出成形により得た難燃性評価用試験片についてUL94(厚み1/16”)に定められている評価基準に従い難燃性を評価した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
【0092】
(3)リサイクル性
射出成形により得られたダンベル試験片を粉砕器で粉砕し、再度射出成形した。射出成形/粉砕を4回繰り返すことにより、最終的に5回目の射出成形において、ダンベル試験片(ASTM D−638)、および難燃性評価用試験片を作成し、機械特性および難燃性、およびブリードアウト特性を、一回目の射出成形品の評価結果と比較した。
【0093】
1.樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレット)の評価
参考例1〜5
固有粘度が0.85(25℃、o−クロルフェノール溶液)のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略す)100重量部に対して、赤リン(燐化学工業社製”ノーバエクセル”140、平均粒径29.7μ(レーザー回折式粒度分布測定装置により測定)、赤リン5gに純水100mLを加え、オートクレーブ中、121℃で100時間抽出処理し、赤リンをろ過した後ろ液を250mLに希釈し導電率計(横河電機社製、パーソナルSCメーター)を用いて測定した時の導電率200μm S/cm、粒径75μm以上の赤リン含量5%)50重量部を混合し、スクリュ径30mm、L/D45.5の同方向回転2軸押出機(日本製鋼社製、TEX−30:スクリュは2条ネジで相互の噛み合い3.5mmの2本のスクリュを使用し、窒素雰囲気下、L/D=4の45度に傾いた10枚のニーディングディスクからなるスクリュエレメントを順逆の順番で設け、さらに逆フルフライトエレメントを設けた混練力の強いスクリュ形状)を用いて樹脂温度280℃で溶融押出し、ペレタイズすることで樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレット)を製造した。この樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレットをE−1とする)。
【0094】
得られたペレットを用い着火試験および粉砕試験を行った。粉砕試験により得られたペレットの粉砕物は、分級により100メッシュ以下とし、着火試験、落垂発火試験、導電率測定に使用した。
【0095】
上記方法により得られたペレットは乾燥後、住友ネスタール射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件でASTMD−638に規定されている引張試験片を調製し、ブリード特性評価サンプルとした。
【0096】
また得られた試験片を粉砕/再成形を繰り返し、最終的に5回目に射出成形した試験片をリサイクル性試験用として作成した。
【0097】
参考例2では固有粘度0.85のポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、さらにポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度が0.65(25℃、フェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒)を100重量部、赤リン配合量を100重量部とした以外は参考例1と同様に行った。この樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレットをE−2とする)。
【0098】
参考例3では赤リンとして燐化学工業社製、“ノーバレッド”120(平均粒径38μm、導電率1200μS/cm、粒径75μm以上の赤リン含量15%)を用いた以外は参考例1と同様に行った。この樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレットをC−1とする)。
【0099】
また参考例4では、固有粘度が1.80のポリブチレンテレフタレート樹脂を使用した以外は参考例1と同様に行った。この樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレットをC−2とする)。
【0100】
また参考例5ではマスターペレットを作成せずに赤リンとして”ノーバエクセル140”のみを用いて、評価を行った。
【0101】
一連の配合組成を表1に、一連の評価結果を表2にまとめて示す。
【0102】
【表1】
Figure 0003918356
【0103】
参考例1と参考例5の比較から、マスターペレット化することで赤リンの耐衝撃発火性、耐粉砕発火性が向上していることがわかる。
【0104】
さらに参考例1、参考例3の比較から、本発明の範囲の粒径、導電率を有する赤リンを用いた参考例1の樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレット)は耐衝撃発火性や耐粉砕発火性のみならず、リサイクル評価において、導電率の変化が小さく、さらに優れた耐ブリード特性を有することがわかる。
【0105】
参考例1、参考例4の比較から、本発明の範囲以外の固有粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂を使用すると、特にリサイクル評価において、導電率が高くなり、耐ブリード特性が顕著に低下してしまうことがわかる。
【0106】
また参考例2より、ポリエチレンテレフタレート樹脂を配合しても、落垂衝撃発火性や耐粉砕発火性のみならず、リサイクル評価において、導電率の変化が小さく、さらに優れた耐ブリード特性を有することがわかる。また参考例1に比べ、リサイクルによる導電率の変化はより小さい傾向が認められる。
【0107】
2.難燃性樹脂組成物および成形品の評価
実施例1、2、比較例1〜3
実施例1、2では固有粘度が0.85(25℃、o−クロルフェノール溶液)のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略す)100重量部に対して、参考例1で製造した樹脂難燃化用樹脂組成物(E−1)あるいは参考例2で製造したE−2を10重量部、および任意の添加剤として、ガラス繊維(日東紡績社製“CS3PE941S”)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(三井・デュポン・フロロケミカル社製“テフロン(登録商標)6J”))、シアヌール酸塩(メラミンシアヌレート(日産化学社製“MC440”))を表3に示す配合割合で、ポリエチレン製袋内に計量し、ポリエチレン袋内でドライブレンドしたものを、住友ネスタール射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で燃焼試験片(0.5mm×12.7mm×127mm)およびASTM1号ダンベル試験片を成形した。これらの試験片を用いUL94規格にしたがい垂直型燃焼テストを、ASTM D638規格に従い引張試験の測定をおこなった。
【0108】
また得られた試験片を粉砕し、分級により100メッシュ以下とし、導電率測定に使用した。
【0109】
また得られた試験片を粉砕/成形を繰り返し、最終的に5回目に射出成形した燃焼試験片、引張試験片をリサイクル性試験用として作成し、ブリード特性、引張強度を測定た。また導電率は上記記載の方法と同様に射出成形5回目の成形品を粉砕/分級し、導電率を測定した。これらのブリード特性、引張強度保持率(引張強度保持率(%)=(5回目射出成形品の引張強度)/(1回目射出成形品の引張強度)×100)、導電率をリサイクル性の指標とした。
【0110】
比較例1、2では樹脂難燃化用樹脂組成物(赤リンマスターペレット)として、参考例3で製造した樹脂難燃化用樹脂組成物(C−1)あるいは参考例4で製造したC−2を使用した以外は実施例1、2と同様に行った。一連の結果を表3に示す。
【0111】
比較例3では、樹脂難燃化用樹脂組成物とポリブチレンテレフタレート樹脂およびその他任意に使用される添加剤を、通常の方法により溶融混練した後、射出成形することで、難燃性樹脂組成物および成形品を製造した。すなわち固有粘度が0.85(25℃、o−クロルフェノール溶液)のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略す)100重量部に対して、参考例1で製造した樹脂難燃化用樹脂組成物(E−1)を20重量部、および任意の添加剤として、ガラス繊維(日東紡績社製“CS3PE941S”)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(三井・デュポン・フロロケミカル社製“テフロン(登録商標)6J”))、シアヌール酸塩(メラミンシアヌレート(日産化学社製“MC440”))を表3に示す配合割合で配合し、スクリュ径30mm、L/D45.5の同方向回転2軸押出機(日本製鋼社製、TEX−30:スクリュは2条ネジで相互の噛み合い3.5mmの2本のスクリュを使用し、窒素雰囲気下、L/D=4の45度に傾いた10枚のニーディングディスクからなるスクリュエレメントを順逆の順番で設け、さらに逆フルフライトエレメントを設けた混練力の強いスクリュ形状)を用いて樹脂温度280℃で溶融押出し、ペレタイズすることで難燃性樹脂組成物を製造した。この難燃性樹脂組成物を住友ネスタール射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で燃焼試験片(0.5mm×12.7mm×127mm)およびASTM1号ダンベル試験片を成形した。それ以外の操作は実施例1、2と同様に行った。
【0112】
【表2】
Figure 0003918356
【0113】
実施例1、2と比較例1、2の比較から、本発明範囲の固有粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂および発明の範囲の赤リン粒径、導電率を有する赤リンからなる樹脂難燃化用樹脂組成物(E−1)を用いた実施例の難燃性樹脂組成物および成形品は、難燃性、機械特性のみならず、リサイクル評価において、難燃性の低下は起こらず、導電率の変化が小さく、さらに優れた耐ブリード特性を有することがわかる。
【0114】
またポリエチレンテレフタレートを含有する樹脂難燃化用樹脂組成物(E−2)を用いた実施例でも同様の効果を有し、リサイクル評価において、実施例に比べ、導電率の変化や耐ブリード特性に優れる傾向が認められる。
【0115】
また比較例のように赤リンの導電率や粒径が本発明の範囲以外の赤リンを含有する樹脂難燃化用樹脂組成物(C−1)を使用した場合、得られた成形品のリサイクル評価において、導電率の変化は大きく、さらに耐ブリード特性は顕著に低下することがわかる。
【0116】
また比較例に示すように本発明の範囲の導電率や粒径の赤リンを使用しても、本発明の範囲以外の固有粘度を有するポリブチレンテレフタレート樹脂からなる樹脂難燃化用樹脂組成物(C−2)を使用した場合、得られた成形品のリサイクル評価において、難燃性が低下するとともに、導電率が高くなり、耐ブリード特性が顕著に低下してしまうことがわかる。
【0117】
また比較例3および実施例の比較により、本発明の樹脂難燃化用樹脂組成物を用い、押出機で溶融混練した後、射出成形して得られた成形品よりも、樹脂難燃化用樹脂組成物およびポリブチレンテレフタレート樹脂をドライブレンドした混合物を射出成形して得られた成形品の方が、リサイクル評価において、難燃性が低下せず、導電率の変化が小さく、耐ブリード特性がすぐれることがわかる。
【0118】
【発明の効果】
(1)特定固有粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂と特定粒径および特定導電率の赤リンからなる樹脂難燃化用樹脂組成物は、耐落垂衝撃発火性や耐粉砕発火性のみならず、リサイクル評価において、導電率の変化が小さく、さらに優れた耐ブリード特性を有し、
(2)得られ樹脂難燃化用樹脂組成物を、溶融混練することなく、成形した成形品は難燃性が良好であるばかりか、リサイクル評価において、難燃性の低下は起こらず、導電率の変化が小さく、さらに優れた耐ブリード特性を有し、機械部品、電気電子部品、自動車部品として有用である。

Claims (5)

  1. (A)o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60のポリブチレンテレフタレート樹脂、または
    o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60のポリブチレンテレフタレート樹脂およびフェノール/テトラクロロエタンの1:1の混合溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.40〜1.50のポリエチレンテレフタレート樹脂の混合物100重量部に対して、
    (B)導電率が0.1〜1000μS/cmの赤リン30〜300重量部を含有する樹脂難燃化用樹脂組成物からなる粉粒体とポリブチレンテレフタレート樹脂粉粒体を固体状態でドライブレンドし、得られた混合物を成形することにより成形品を製造することを特徴とする成形品の製造方法。
    (ただし、導電率は赤燐5gに純水100mlを加え、121℃で100時間処理し、赤燐を濾過した後、濾液を250mlに希釈した抽出水の導電率とする。)
  2. 前記(B)赤リンが、熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである請求項1記載の成形品の製造方法。
  3. 前記(B)赤リンの平均粒径が0.1〜35μmである請求項1または2記載の成形品の製造方法。
  4. 前記(B)赤リンが、粒径が75μm以上の赤リン含量が10重量%以下である請求項1〜3のいずれか記載の成形品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の製造方法により製造された成形品を切断および/または粉砕により粉粒体とし、成形することを特徴とする成形品の製造方法。
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