JP3944842B2 - アクセル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用のアクセル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載され、運転者によるアクセルペダルの踏込量に応じて車両の運転状態を制御するアクセル装置が知られている。このアクセル装置では、運転者により踏込操作されるアクセルペダルを支持部材に回動自在に支持させ、リターンスプリングによってアクセルペダルの踏込方向とは逆方向にアクセルペダルを付勢している。これにより、踏み込まれたアクセルペダルをリターンスプリングの付勢力に基づいて戻すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図9(A)に示すように従来のアクセル装置100では、リターンスプリング101の一端部102を支持部材104で係止すると共に、リターンスプリング101の他端部103をアクセルペダル105に設けた係止部106で係止している。しかし、図9(B)に示すように係止部106が破損してアクセルペダル105から離脱すると、リターンスプリング101の付勢力をアクセルペダル105に伝達できなくなる。特にアクセルペダル105を踏み込んだ状態で係止部106が破損する場合、アクセルペダル105を戻すことができなくなるため、車両の運転状態が制御不能となって危険である。
本発明の目的は、アクセルペダルの戻り不良を防止するアクセル装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1及び2に記載のアクセル装置によると、支持部材に回動自在に支持されて運転者により踏込操作されるアクセルペダルは、支持部材に一端部を係止された付勢部材によって踏込方向とは逆方向に付勢される。かかるアクセルペダルにおいて第一係止部は、付勢部材の他端部を係止することで付勢部材の付勢力を受けるが、その付勢力を受け続けることにより破損することがある。しかし、アクセルペダルにおいて第一係止部よりも付勢部材の付勢方向前側に設けられる第二係止部は、第一係止部の破損時に付勢部材の他端部を係止することで付勢部材の付勢力を受けることができる。これにより、第一係止部が破損しても付勢部材の付勢力を第二係止部を通じてアクセルペダルに確実に伝達できるので、アクセルペダルの戻り不良を防止することができる。したがって、第一係止部の破損にかかわらず車両の運転状態を継続して制御可能となる。
【0005】
本発明の請求項3に記載のアクセル装置によると、第二係止部は、第一係止部を覆う形状に形成される。これにより第二係止部は、破損した第一係止部を係止して、第一部材の係止する付勢部材を間接的に係止することができる。そのため、破損した第一係止部が付勢部材を係止したままアクセルペダルの他の部位から離脱して付勢部材が第二係止部に係止されなくなることを防止できる。
本発明の請求項4に記載のアクセル装置によると、第一係止部は樹脂で形成されるので、装置の軽量化を図りつつアクセルペダルの戻り不良を防止することができる。
【0006】
本発明の請求項5に記載のアクセル装置によると、アクセルペダルは、第一はす歯を有すると共に支持部材に回動自在に支持されて運転者の踏込操作により回転する第一ロータ、並びに第二はす歯を有すると共にその第二はす歯が第一はす歯に噛み合うことで第一ロータと一緒に回転する第二ロータを具備する。かかる第一ロータ及び第二ロータの少なくとも一方は回転時において支持部材に摺接し、また第一ロータ及び第二ロータの一方と他方とはそれぞれ第一係止部と第二係止部とを有する。よって第一ロータ及び第二ロータは、踏込方向に一緒に回転するとき、それらロータの少なくとも一方と支持部材との間の摩擦力及び付勢部材の付勢力を第一ロータの踏込方向とは逆方向に受ける。このとき上記摩擦力は第一ロータの踏み込みに従って増大し、第一係止部に伝達される。そのため、踏み込みの度に大きな荷重を受けることとなる第一係止部は破損の危険性が高くなるが、第一係止部が破損しても第二係止部でバックアップすることができるので、第一係止部の破損による影響を最小限に食い留めることができる。
【0007】
本発明の請求項6に記載のアクセル装置によると、付勢部材は複数設けられるので、付勢部材の一つが破損しても別の付勢部材によってアクセルペダルの戻し機能を保証することができる。したがって、付勢部材の破損によるアクセルペダルの戻り不良を防止することができる。
本発明の請求項7に記載のアクセル装置によると、付勢部材は圧縮コイルスプリングにより構成されるので、装置の構造を簡素化できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す一実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例によるアクセル装置を図2及び図3に示し、そのアクセル装置の分解図を図5に示す。アクセル装置1は車両に搭載され、運転者によるアクセルペダル2の踏込量に応じて車両の運転状態を制御する。本実施例のアクセル装置1はアクセルバイワイヤ方式を採用しており、アクセルペダル2は車両のスロットル装置に機械的に連結されていない。その代わり、アクセル装置1はアクセルペダル2の回転角度を車両のエンジン制御装置(ECU)に伝達し、その回転角度に基づいてECUがスロットル装置を制御する。
【0009】
アクセル装置1においてアクセルペダル2は、ハウジング3により回動軸線O周りに回動自在に支持され、二つのリターンスプリング4,5により運転者の踏込方向とは逆方向に付勢されている。運転者の踏力及びリターンスプリング4,5の付勢力に基づき回動するアクセルペダル2の回転角度は回転角センサ6により検出され、ECUに伝達される。
以下、アクセル装置1の構成についてさらに詳細に説明する。
【0010】
図2〜図4に示すように、支持部材としてのハウジング3は樹脂で箱形に形成され、底板11、底板11に向き合う天板12、底板11及び天板12に垂直で互いに向き合う二つの側板13,14を備えている。
底板11はボルト等により車体に固定される。底板11の内壁側には、後述するペダルストッパ部7が設けられている。天板12の内壁側には、係合部15及び係止孔16が形成されている。図1(A)に示すように係止孔16は、入口部16a側よりも深部16b側で断面積が小さくなるように形成されている。
【0011】
一方の側板13は、図5(B)に示すようにハウジング3の他の部位に着脱可能である。図4に示すように側板13には、軸受部8及び支持部9が一体樹脂成形により形成されている。軸受部8は側板13の内壁面から円筒状に突出している。支持部9は、側板13において軸受部8の基端部側を閉塞する部分で形成されている。支持部9は、検出部としての回転角センサ6を軸受部8の内周側において支持している。側板13の外壁には、回転角センサ6に電気接続されるターミナル18を埋設したコネクタ19が形成されている。
他方の側板14の内壁側には、一方の側板13に向かって突出する軸部20が形成されている。軸部20はアクセルペダル2の回動軸線O上を延伸し、大径の基端部20aと小径の先端部20bとを有している。
【0012】
図2〜図4に示すようにアクセルペダル2は、ペダルアーム21とスプリングロータ22とから構成されている。
第一ロータとしてのペダルアーム21は樹脂で形成され、V字状に延伸している。ペダルアーム21の一端部側は、運転者が足で踏込操作する操作部23を形成している。ペダルアーム21の他端部側は、ハウジング3内に収容される二つの側壁部24,25を形成している。側壁部24,25は回動軸線O方向において互いに平行に向き合っている。側板14に正対する側壁部24はその貫通孔24aに嵌通された軸部20の基端部20aに支持され、それによりペダルアーム21が回動軸線O周りに回動可能となっている。尚、運転者が操作部23を踏み込むときペダルアーム21は、操作部23の踏込方向に一致する図2のX方向に回転する。
【0013】
ペダルアーム21において側板13に正対する側壁部25に可動軸10が一体樹脂成形により形成されている。図4に示すように可動軸10は、回動軸線Oを中心とする概ね円筒状に側壁部25の側板13側の壁面から突出している。可動軸10は、側板13の軸受部8の内周側に嵌入されて軸受けされている。可動軸10において回動軸線Oを挟む周方向の二箇所には、互いに極性の異なる磁石部26,27が一体回動可能に埋設されている。二つの磁石部26,27が形成する磁界の向きは、可動軸10の回転角度に応じて変化する。側板13の支持部9が支持する回転角センサ6はホール素子又は磁気抵抗素子等を備え、その外周側に隙間をあけて配設された磁石部26,27の形成磁界を可動軸10に非接触で検出する。回転角センサ6は、ターミナル18に電気接続されたECUに検出信号を出力する。その回転角センサ6の出力する検出信号は、可動軸10の回転角度すなわちペダルアーム21の回転角度を表している。
【0014】
図2〜図4に示すように、第二ロータとしてのスプリングロータ22は樹脂で形成され、円盤状の回動部28を形成している。スプリングロータ22は、回動部28の両側面をペダルアーム21の両側壁部24,25に挟まれるようにして配設されている。回動部28の内孔28aに軸部20が隙間をあけて挿通され、それによりスプリングロータ22が回動軸線Oの周りに回動可能となっている。
【0015】
回動部28において側壁部25側の側面には、図5(A)に示すような第二はす歯としての複数のはす歯30が設けられている。複数のはす歯30は回動軸線Oの周りに等間隔に配列されている。ペダルアーム21の側壁部25において回動部28側の壁面には、第一はす歯としての複数のはす歯29が設けられている。複数のはす歯29は回動軸線Oの周りに等間隔に配列され、回動軸線O方向で向かい合うはす歯30のいずれかに噛み合っている。この噛み合いにより、ペダルアーム21とスプリングロータ22とは一緒に回転することができる。例えば、運転者がペダルアーム21の操作部23を踏み込むときスプリングロータ22は図2のX方向に回転する。回動部28の側壁部24側の側面と側壁部24の回動部28側の壁面との間にはフリクションワッシャ32が介装されている。フリクションワッシャ32は、図2に二点鎖線で示すように天板12の係合部15に回動不能に係合され、回動する回動部28及び側壁部24の双方と摺接して摩擦力を生む。フリクションワッシャ32は、ハウジング3と共に支持部材を構成している。
【0016】
スプリングロータ22はさらに、第一係止部としての係止部31を回動部28と一体に樹脂で形成している。図1(A)及び図3に示すように、係止部31は回動部28の外周縁部からその接線方向に板状に突出し、両面を底板11と天板12とに対向させている。係止部31の天板12側の面から概ね段付き円柱状の突部33が突出している。突部33は、基端部側の大径部33aと先端部側の小径部33bとを互いに偏心させて形成している。係止部31の天板12側の面と天板12の内壁面との間に、付勢部材としての第一リターンスプリング4及び第二リターンスプリング5が介装されている。
【0017】
第一及び第二リターンスプリング4,5は共に圧縮コイルスプリングで構成されている。図1(A)及び図4に示すように第二リターンスプリング5は、そのコイル径を第一リターンスプリング4のコイル径よりも小さくされ、第一リターンスプリング4の内周側に配設されている。各リターンスプリング4,5の一端部4a,5aは、天板12に設けられた係止孔16の入口部16a側と深部16b側とにそれぞれ嵌入されて係止されている。一方、各リターンスプリング4,5の他端部4b,5bは、係止部31に設けられた突部33の大径部33aと小径部33bとにそれぞれ嵌合されて係止されている。以上により各リターンスプリング4,5は、踏込方向Xに回転したペダルアーム21及びスプリングロータ22を図2のY方向に戻す向きに係止部31を付勢している。係止部31は、係止したリターンスプリング4,5の合成付勢力Fsを受けながら回動する。
【0018】
係止部31よりも各リターンスプリング4,5の付勢方向前側に、すなわち本実施例では係止部31の反リターンスプリング側に、第二係止部としての補助係止部34が配設されている。補助係止部34はペダルアーム21の反操作部側端部と一体に樹脂で形成され、浅底の皿状を呈している。ペダルアーム21及びスプリングロータ22の任意の回転位置において、補助係止部34は係止部31の反リターンスプリング側の面31a及び外周縁部31bの一部を覆う。尚、係止部31の面31aと補助係止部34の底壁34aの内壁面とは互いに離間し、係止部31の外周縁部31bと補助係止部34の側壁34bの内壁面とは互いに離間している。これにより補助係止部34は、係止部31の正常時においてリターンスプリング4,5を係止しない。
【0019】
図2に示すように、補助係止部34よりも各リターンスプリング4,5の付勢方向前側にペダルストッパ部7が配設されている。ペダルストッパ部7は、図6〜図8に示すように、剛性部材36と弾性部材37とから構成されている。
剛性部材36は底板11と一体に樹脂で形成され、弾性部材37よりも剛性が高くされている。剛性部材36は、U字板状の当接部38を底板11の内壁面に平行に形成している。当接部38のU字の切れ目は、着脱可能な側板13側に設けられている。当接部38の反底板側の面には補助係止部34の底壁34aが当接可能である。当接部38に補助係止部34が当接するとき、剛性部材36は補助係止部34と底板11との間に挟圧される。
【0020】
弾性部材37はエラストマ等の弾性材で形成されている。弾性部材37は、底板11と当接部38との間隙39に嵌合されるベース部40を矩形枠状に形成している。図5(A)に示すように側板13を取り外した側からベース部40を間隙39にスライド嵌入することで、弾性部材37が底板11に固定されている。弾性部材37はさらに、ベース部40の反底板側開口を覆う変形部41を形成している。変形部41はベース部40よりも小さな矩形板状を呈し、当接部38のU字の内周側に嵌合されている。変形部41のベース部側の面と、ベース部40の内周縁部と、底板11の内壁面とが、変形部41の撓み変形を促進する空間43を形成している。
【0021】
弾性部材37はさらに、変形部41の反ベース部側の面の中心部から突出する突起44を形成している。図6に示す変形部41の非変形時において突起44は、当接部38の反底板側の面がのる仮想平面Sよりも補助係止部34側に張り出す。突起44の先端部には補助係止部34の底壁34aが当接可能である。突起44に補助係止部34が当接するとき、弾性部材37は補助係止部34と底板11との間に挟圧される。
【0022】
次にアクセル装置1の作動について説明する。
運転者がアクセルペダル2のペダルアーム21の踏込量を調整すると、はす歯29,30同士が噛み合うペダルアーム21とスプリングロータ22とがフリクションワッシャ32に摺接しつつ一緒に回動する。このとき回転角センサ6は、ペダルアーム21と一体に回動する可動軸10の回転角度を磁石部26,27の形成磁界に基づいて検出する。
【0023】
運転者が踏力を増大させるとき、ペダルアーム21及びスプリングロータ22は図2の踏込方向Xに回転する。その回転に伴ってペダルアーム21及びスプリングロータ22には、リターンスプリング4,5の合成付勢力Fs及びフリクションワッシャ32との間の摩擦力Ffが踏込方向Xとは逆の方向Yに働く。このとき、ペダルアーム21の踏み込みに従って圧縮されるリターンスプリング4,5は合成付勢力Fsを増大させる。またこのとき、はす歯29,30の噛み合い作用によってペダルアーム21の側壁部25とスプリングロータ22の回動部28とを互いに離す回動軸線O方向の力がペダルアーム21の踏み込みに従って増大し、それと共に摩擦力Ffが増大する。
【0024】
一方、運転者が踏力を減少させるとき、ペダルアーム21及びスプリングロータ22はリターンスプリング4,5の合成付勢力Fsによって図2の戻し方向Yに回転する。その回転に伴ってペダルアーム21及びスプリングロータ22には、フリクションワッシャ32との間の摩擦力Ffがリターンスプリング4,5の合成付勢力Fsとは逆の方向Xに働く。このときペダルアーム21の戻りに従って伸長するリターンスプリング4,5は合成付勢力Fsを減少させる。またこのとき、はす歯29,30の噛み合い作用によってペダルアーム21の側壁部25とスプリングロータ22の回動部28とを互いに離す回動軸線O方向の力がペダルアーム21の戻りに従って減少し、それと共に摩擦力Ffが減少する。
以上説明したことからアクセル装置1では、アクセルペダル2の踏み込み時と戻し時とでペダルアーム21及びスプリングロータ22に作用する力の特性にヒステリシスが生じる。そのため、アクセルペダル2を一定位置に保持し易い。
【0025】
ところでアクセルペダル2の戻し時には、ペダルアーム21の補助係止部34がペダルストッパ部7に当接することで、ペダルアーム21及びスプリングロータ22の戻し方向Yへの回転が制限される。具体的には、まず図6に示すように、補助係止部34が弾性部材37の突起44に当接する。さらに、補助係止部34の戻し方向Yへの回転が進むにつれ、補助係止部34と底板11とで挟圧される弾性部材37は突起44に作用する荷重を変形部41に拡散する。すると、変形部41は図7に示すように、突起44とは反対側の空間43内に撓み変形する。その変形部41の変形により突起44の先端面が図7に示すように上記仮想平面Sにまで後退すると、補助係止部34は当接部38に当接する。それにより補助係止部34と底板11とで挟圧される剛性部材36は、高剛性の材料で形成されていることによって実質的に弾性変形することなく補助係止部34の回転限度、ひいてはペダルアーム21及びスプリングロータ22の回転限度を確定する。
【0026】
上述した実施例のアクセル装置1では、アクセルペダル2の踏み込み時においてペダルアーム21及びスプリングロータ22に作用する合成付勢力Fs及び摩擦力Ffが増大するため、踏み込みの度に大きな荷重が係止部31に掛かることとなる。そのため、係止部31の破損の危険性が高くなっている。しかし上述の実施例によると、図1(B)に示す如く係止部31が破損して回動部28から離脱した場合には、係止部31がそれを覆う補助係止部34に係止される。このとき係止部31は各リターンスプリング4,5の端部4b,5bを突部33に嵌合させたまま確実に保持することができる。それにより補助係止部34は、各リターンスプリング4,5の端部4b,5bを係止部31を介して間接的に係止しつつ回動することができる。したがって、係止部31が破損しても補助係止部34を通じてリターンスプリング4,5の合成付勢力Fsをペダルアーム21及びスプリングロータ22に確実に伝達できるので、アクセルペダル2の戻り不良を防止することができる。したがって、係止部31の破損にかかわらず車両の運転状態を継続して制御可能となる。しかも係止部31が破損した場合には、リターンスプリング4,5が伸長して合成付勢力Fsが小さくなるため、運転者はペダルアーム21から受ける反力の変化からアクセル装置1の故障を察知することができる。
【0027】
加えてアクセル装置1では、アクセルペダル2を戻すための付勢部材として二つのリターンスプリング4,5を用いているので、それらリターンスプリング4,5の一方が破損しても他方によりアクセルペダル2の戻し機能を保証することができる。したがって、リターンスプリング4又は5の破損時にも車両の運転状態を継続して制御可能となる。さらにリターンスプリング4又は5が破損した場合にも、リターンスプリング4,5の合成付勢力Fsが小さくなるため、運転者はアクセル装置1の故障を察知することができる。
【0028】
尚、上述の実施例では、アクセルペダル2を戻すための付勢部材としてリターンスプリング4,5を用いたが、代わりにトーションスプリングを用いてもよい。また、アクセルペダル2を戻す付勢部材については、いずれの種類を選択する場合でも、上述の実施例のように二つ使用する他、一つ又は三つ以上使用するようにしてもよい。
【0029】
さらに上述の実施例では、第一係止部としての係止部31及び第二係止部としての補助係止部34を共に軽量な樹脂で形成したが、第一及び第二係止部の各形成材料については適宜選択することができる。またさらに上述の実施例では、第一ロータとしてのペダルアーム21と第二ロータとしてのスプリングロータ22との二部材でアクセルペダル2を構成し、第一係止部たる係止部31と第二係止部たる補助係止部34とをそれぞれスプリングロータ22とペダルアーム21とに設けた。これに対し、第一係止部を第一ロータに設け、第二係止部を第二ロータに設けるようにしてもよいし、あるいは一部材で構成したアクセルペダルに第一係止部及び第二係止部の双方を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるアクセル装置の要部を拡大して示す断面図であって、(A)は係止部が正常であるときの様子を示し、(B)は係止部が破損したときの様子を示している。
【図2】本発明の一実施例によるアクセル装置を示す一部切り欠き側面図である。
【図3】本発明の一実施例によるアクセル装置を示す一部切り欠き平面図である。
【図4】本発明の一実施例によるアクセル装置の要部を拡大して示す一部切り欠き平面図である。
【図5】本発明の一実施例によるアクセル装置の分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施例によるアクセル装置の一作動状態を説明するための図であって、図2の要部の拡大図である。
【図7】本発明の一実施例によるアクセル装置の別の作動状態を説明するための図であって、図6に対応する拡大図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図である。
【図9】従来のアクセル装置の作動を説明するための一部切り欠き側面図である。
【符号の説明】
1 アクセル装置
2 アクセルペダル
4 第一リターンスプリング(付勢部材)
5 第二リターンスプリング(付勢部材)
15 係合部
16 係止孔
20 軸部
21 ペダルアーム
22 スプリングロータ
24,25 側壁部
28 回動部
29 はす歯(第一はす歯)
30 はす歯(第二はす歯)
31 係止部(第一係止部)
32 フリクションワッシャ(支持部材)
33 突部
34 補助係止部(第二係止部)
O 回動軸線
Claims (7)
- 支持部材と、
前記支持部材に回動自在に支持されて運転者により踏込操作されるアクセルペダルと、
前記支持部材に一端部を係止されて前記アクセルペダルの踏込方向とは逆方向に前記アクセルペダルを付勢する付勢部材と、
を備え、
前記アクセルペダルは、前記付勢部材の他端部を係止しつつ回動する第一係止部と、前記第一係止部よりも前記付勢部材の付勢方向前側に設けられて前記第一係止部の破損時に前記付勢部材の他端部を係止しつつ回動する第二係止部とを有することを特徴とするアクセル装置。 - 前記第二係止部は、前記第一係止部の正常時に前記付勢部材を係止しないことを特徴とする請求項1に記載のアクセル装置。
- 前記第二係止部は、前記第一係止部を覆う形状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクセル装置。
- 前記第一係止部は樹脂で形成されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のアクセル装置。
- 前記アクセルペダルは、第一はす歯を有すると共に前記支持部材に回動自在に支持されて運転者の踏込操作により回転する第一ロータ、並びに第二はす歯を有すると共に前記第二はす歯が前記第一はす歯に噛み合うことで前記第一ロータと一緒に回転する第二ロータを具備し、
前記第一ロータ及び前記第二ロータの少なくとも一方は回転時において前記支持部材に摺接し、
前記第一ロータ及び前記第二ロータの一方と他方とはそれぞれ前記第一係止部と前記第二係止部とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクセル装置。 - 前記付勢部材は複数設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のアクセル装置。
- 前記付勢部材は圧縮コイルスプリングにより構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクセル装置。
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