JP3944396B2 - メタルバック付き蛍光面および画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルバック付き蛍光面、およびメタルバック付き蛍光面を有する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、陰極線管(CRT)やフィールドエミッションディスプレイ(FED)などの画像表示装置では、蛍光体層の内面(電子線側の面)に金属膜が形成されたメタルバック方式の蛍光面が広く採用されている。この蛍光面の金属膜(メタルバック層)は、電子源から放出された電子によって蛍光体から発せられた光のうちで、電子源側に進む光をフェースプレート側へ反射して輝度を高めること、および蛍光体層に導電性を付与しアノード電極の役割を果たすことを目的としたものである。また、真空外囲器内に残留するガスが電離して生じるイオンにより、蛍光体層が損傷するのを防ぐ機能をも有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特にFEDでは、蛍光面を有するフェースプレートと電子放出素子を有するリアプレートとの間のギャップ(間隙)が、1mm〜数mm程度と狭く、この極めて狭い間隙に10kV前後の高電圧が印加され強電界が形成されるため、メタルバック層の端部(周端部)の鋭角部分に電界が集中し、そこから放電(真空アーク放電)が発生することがあった。そして、このような異常放電が発生すると、数Aから数100Aに及ぶ大きな放電電流が瞬時に流れるため、カソード部の電子放出素子やアノード部の蛍光面が破壊されあるいは損傷を受けるおそれがあった。そのため、端部に尖鋭な突起部を作らないようにメタルバック層を形成する必要があり、メタルバック層の形成条件の設定が難しく、生産性の低下を招いていた。
【0004】
また従来から、耐圧特性の向上を目的とし、前記した放電が発生した場合のダメージを緩和するために、アノード電極として使用しているメタルバック層(導電膜)をいくつかのブロックに分断し、あるいは間隙を設けることが行われていた。
【0005】
しかし、そのような分断されたメタルバック層を有する蛍光面では、メタルバック層の分断部の両側の端部が尖鋭な形状を呈するため、この鋭角部分に電界が集中し放電が発生しやすかった。そのため、端部にそのような尖鋭な突起を作らないように、メタルバック層の分断部を形成しなければならず、条件設定が非常に難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、放電の要因となるメタルバック層の端部が被覆層で覆われており、耐圧特性が大幅に向上されたメタルバック付き蛍光面と、そのようなメタルバック付き蛍光面を有し、高輝度、高品位の表示が可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明のメタルバック付き蛍光面は、請求項1に記載するように、フェースプレート内面に光吸収層および蛍光体層をそれぞれ有し、該蛍光体層の上に、分断され間隙部を有するメタルバック層が形成された蛍光面であり、前記メタルバック層の端部に、低融点ガラスを主成分とする絶縁性の第1の被覆層が設けられ、かつ前記メタルバック層の分断部の上に、該分断部の両側のメタルバック層端部に跨るように、金属酸化物からなる耐熱性の無機微粒子と低融点ガラスをそれぞれ含む第2の被覆層が設けられており、前記メタルバック層が、前記光吸収層の上に位置する領域の少なくとも一部で分断され、このメタルバック層の分断部の上に前記第2の被覆層が設けられていることを特徴とする。
【0009】
第1の発明のメタルバック付き蛍光面においては、請求項2に記載するように、被覆層のシート抵抗値を、1×103〜1×1012Ω/□とすることができる。さらに、請求項3に記載するように、被覆層において、低融点ガラスの無機微粒子に対する割合を重量比で50%以上とすることが望ましい。
【0010】
本発明の第2の発明の画像表示装置は、請求項4に記載するように、フェースプレートと、前記フェースプレートと対向配置されたリアプレートと、前記リアプレート上に形成された多数の電子放出素子と、前記フェースプレート上に前記リアプレートに対向して形成され前記電子放出素子から放出される電子線により発光する蛍光面とを具備し、前記蛍光面が、請求項1乃至3のいずれか1項記載のメタルバック付き蛍光面であることを特徴とする。
【0011】
第1の発明のメタルバック付き蛍光面においては、メタルバック層の端部に低融点ガラスを含む被覆層が設けられ、この被覆層により、異常放電発生の要因となるメタルバック層端部の突起部が覆われるので、放電の発生が抑制され耐圧特性が向上する。
【0012】
また、耐圧特性を向上させるために、いくつかのブロックに分断されたメタルバック層を有するメタルバック付き蛍光面においては、メタルバック層の分断箇所の上に耐熱性の無機微粒子と低融点ガラスをそれぞれ含む被覆層が、分断部の両側のメタルバック層に跨って設けられているので、この被覆層によりメタルバック層端部の突起部が覆われ、放電の発生が抑制される。そのうえ、被覆層のシート抵抗値を所望の値に調整することにより、分断されたメタルバック層を所望の抵抗値で電気的に接続することができ、耐圧特性をさらに向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明に係るメタルバック付き蛍光面の第1の実施形態を模式的に示す断面図である。
【0015】
図1において、符号1はガラス基板(フェースプレート)を示す。そして、このガラス基板1の内面に、黒色顔料からなる所定のパターン(例えばストライプ状)の光吸収層2がフォトリソ法などにより形成されており、これらの光吸収層2の間に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の蛍光体層3が、ZnS系、Y2O3系、Y2O2S系などの蛍光体液を用いたスラリー法で形成されている。なお、各色の蛍光体層3の形成は、スプレー法や印刷法で行うこともできる。スプレー法や印刷法においても、必要に応じてフォトリソ法によるパターニングを併用することができる。
【0016】
また、このように構成される蛍光面上に、Al膜のような金属膜から成るメタルバック層4が形成されている。メタルバック層4を形成するには、例えばスピン法で形成されたニトロセルロース等の有機樹脂からなる薄い膜の上に、Alなどの金属膜を真空蒸着し、さらに焼成して有機物を除去する方法を採ることができる。また、以下に示すように、転写フィルムを用いてメタルバック層を形成することもできる。
【0017】
転写フィルムは、ベースフィルム上に離型剤層(必要に応じて保護膜)を介してAl等の金属膜と接着剤層が順に積層された構造を有しており、この転写フィルムを、接着剤層が蛍光体層に接するように配置し、押圧処理を行う。押圧方式としては、スタンプ方式、ローラー方式などがある。こうして転写フィルムを押圧し金属膜を接着してから、ベースフィルムを剥ぎ取ることにより、蛍光面に金属膜が転写される。
【0018】
さらに、画像表示領域の周辺部に相当するメタルバック層4の端部には、低融点ガラスを含む被覆層である第1のオーバーコート層5aが、スクリーン印刷、スプレー塗布などの方法で形成されている。ここで、低融点ガラスとしては、融点が580℃以下で結着性を有するガラス材料であれば、特に種類は限定されない。例えば、組成式(SiO2・B2O3・PbO)、(B2O3・Bi2O3)、(SiO2・PbO)あるいは(B2O3・PbO)で表わされるガラスから選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
【0019】
また、これらの低融点ガラスを含む第1のオーバーコート層5aの膜厚は、層自体が放電の要因とならないために特に限定されないが、10μm以下とすることが望ましい。
【0020】
このように構成されるメタルバック付き蛍光面においては、尖鋭な突起部となり得るメタルバック層4の端部が、低融点ガラスを含む第1のオーバーコート層5aにより覆われているので、前記した突起部に起因する放電の発生が防止され、耐電圧特性が向上する。
【0021】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0022】
第2の実施形態においては、図2に示すように、耐圧特性の向上を目的として、メタルバック層4の所定の位置に間隙部4aが形成され、メタルバック層4がいくつかの領域に分断されている。なお、間隙部(分断部)4aの形成位置は、下層の蛍光面において光吸収層2の上の少なくとも一部とすることが望ましい。
【0023】
このような間隙部4aを有するメタルバック層4を形成するには、通常の方法で蛍光面の全面に形成した金属膜をレーザにより切断する方法や、同様に形成した金属膜を、この金属膜を溶解または酸化する酸またはアルカリ水溶液を塗布することにより、溶解して除去する方法を採ることができる。また、所定のネガパターンの開孔を有するメタルマスクを用いて、Al膜等の金属膜を蒸着する方法を採ることもできる。
【0024】
そして、このように分断されたメタルバック層の間隙部(分断部)4aの上には、両側のメタルバック層4端部に跨るように、耐熱性の無機微粒子と低融点ガラスをそれぞれ含む被覆層である第2のオーバーコート層5bが、スクリーン印刷、スプレー塗布などの方法で形成されている。また、画像表示領域の周辺部に相当するメタルバック層4の端部(周端部)にも、このような第2のオーバーコート層5bが形成され、端部の尖鋭な突起部がこのオーバーコート層5bにより覆われている。なお、メタルバック層4の周端部は、分断部の両側の端部とは別に、前記第1の実施形態に用いた第1のオーバーコート層5aにより被覆することもできる。
【0025】
ここで、低融点ガラスとしては、前記第1の実施形態で使用したガラス材料を用いることができる。また、耐熱性の無機微粒子としては、特に種類は限定されず、例えばFe2O3、SiO2、Al2O3、TiO2、MnO2、In2O3、Sb2O5、SnO2、WO3、NiO、ZnO、ZrO2、ITO、ATOなどの金属酸化物から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。なお、無機微粒子の粒径は、オーバーコート層を精密にパターニングすることができるように、5μm以下とすることが望ましい。
【0026】
また、これら耐熱性の無機微粒子および低融点ガラスを含む第2のオーバーコート層5bの膜厚は、それ自体が放電の要因とならないため特に限定されないが、10μm以下とすることが望ましい。
【0027】
さらに、このような第2のオーバーコート層5bに含有される低融点ガラスと無機微粒子との重量比率は、50重量%以上とすることが望ましく、また第2のオーバーコート層5bのシート抵抗値は1×103〜1×1012Ω/□とすることが望ましい。
【0028】
低融点ガラスと無機微粒子との重量比率(低融点ガラス/無機微粒子)が50重量%未満の場合には、第2のオーバーコート層5bの強度が不足し、無機微粒子が脱落して耐圧特性を劣化させる。また、第2のオーバーコート層5bのシート抵抗値が1×103Ω/□未満では、ブロックに分断されたメタルバック層4間の電気抵抗が低くなりすぎるため、放電の抑制および放電電流のピーク値の抑制というメタルバック層4の分断効果が十分に得られず、その結果耐圧特性の向上効果がそれほど発揮されない。反対に、第2のオーバーコート層5bのシート抵抗値が1×1012Ω/□を超える場合には、分断されたメタルバック層4間の電気的接続が不十分となり、耐圧特性の観点から好ましくない。
【0029】
このようにいくつかのブロックに分断されたメタルバック層4を有するメタルバック付き蛍光面においては、メタルバック層4の分断部の上に、両側のメタルバック層4端部に跨るように、耐熱性の無機微粒子と低融点ガラスを含む第2のオーバーコート層5bが設けられているので、この第2のオーバーコート層5bによりメタルバック層4端部の突起が覆われ放電の発生が抑制されるうえに、この第2のオーバーコート層5bのシート抵抗値をコントロールすることで、分断されたメタルバック層4を所望の抵抗値で電気的に接続することができる。したがって、耐圧特性をさらに向上させることができる。
【0030】
次に、本発明の第3の実施形態として、メタルバック付き蛍光面をアノード電極とするFEDを図3に示す。このFEDでは、図2に示すメタルバック付き蛍光面6を有するフェースプレート7と、マトリックス状に配列された電子放出素子8を有するリアプレート9とが、1mm〜数mm程度の狭いギャップ(間隙)Gを介して対向配置され、フェースプレート7とリアプレート9との極めて狭い間隙Gに、5〜15kVの高電圧が印加されるように構成されている。
【0031】
フェースプレート7とリアプレート9との間隙が極めて狭いため、これらの間で放電(絶縁破壊)が起こりやすいが、このFEDでは、異常放電の発生が抑制されるうえに、放電が発生した場合の放電電流のピーク値が抑えられ、より耐電圧性に優れた蛍光面を得ることができる。そして、放電エネルギーの最大値が低減される結果、電子放出素子や蛍光面の破壊・損傷や劣化が防止される。また、このFEDでは、メタルバック層の分断部が、光吸収層に対応する領域に限定されているので、メタルバック層の反射効果がほとんど減じない。したがって、発光輝度の実質的低下が生じない
【0032】
次に、本発明を画像表示装置に適用した具体的実施例について説明する。
【0033】
実施例1
ガラス基板上に黒色顔料からなるストライプ状の光吸収層をフォトリソ法により形成した後、光吸収層の間に赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の蛍光体層を、ストライプ状でそれぞれが隣り合うようにフォトリソ法によりパターニングして形成した。こうして蛍光面を形成した。
【0034】
次いで、この蛍光面の上に転写方式によりメタルバック層を形成した。すなわち、ポリエステル樹脂製のベースフィルム上に離型剤層を介してAl膜が積層され、その上に接着剤層が塗布・形成されたAl転写フィルムを、接着剤層が蛍光面に接するようにガラス基板上に配置し、上から加熱ローラーにより加熱・加圧して密着させた後、ベースフィルムを剥がして、蛍光面上にAl層膜を接着した。
【0035】
こうしてメタルバック層(Al膜)が転写・形成された蛍光面を有する基板を得た。この基板を蛍光面基板Aとする。
【0036】
次いで、この蛍光面基板Aのメタルバック層の周端部に、以下の組成を有するガラスペーストをスクリーン印刷することにより被覆した後、450℃で30分間加熱焼成し有機分を分解・除去した。こうして、メタルバック層の周端部にオーバーコート層を有するフロント基板Aを得た。
【0037】
ガラスペーストの組成
低融点ガラス材(SiO2・B2O3・PbO)…………40wt%
樹脂(エチルセルロース) ………… 6wt%
溶媒(ブチルカルビトールアセテート) …………54wt%
【0038】
次に、こうして得られたフロント基板Aにおいて、オーバーコート層のシート抵抗値を測定した後、このフロント基板Aを使用してFEDを作製した。すなわち、基板上に表面伝導型電子放出素子をマトリクス状に多数形成した電子発生源を背面ガラス基板に固定して、リアプレートとし、このリアプレートと前記したフロント基板Aとを、支持枠およびスペーサを介して対向配置し、フリットガラスにより封着した。フェースプレートとしたフロント基板Aとリアプレートとの間隙は、2mmとした。次いで、真空排気、封止など必要な処理を施し、図4に示す構造を有するFEDを完成した。なお、図中符号10はリアプレート、11は基板、12は表面伝導型電子放出素子、13は支持枠、14はフェースプレート、15はメタルバック付き蛍光面をそれぞれ示す。
【0039】
また、比較例1として、蛍光面基板Aにオーバーコート層を形成することなく、そのままフェースプレートとして用いた以外は実施例1と同様にして、FEDを作製した。
【0040】
こうして実施例1および比較例1でそれぞれ得られたFEDの耐圧特性(放電電圧および放電電流)を、常法により測定した。測定結果を表1に示す。
【0041】
表1から明らかなように、放電に至る電圧(放電電圧)は、比較例1で得られた従来構造のFEDが5kVであるのに対して、実施例1のFEDでは10kVであり、耐圧特性が大幅に向上していた。
【0042】
実施例2
以下の組成を有するガラスペーストを用いてオーバーコート層を形成した以外は実施例1と同様にして、フロント基板Bを作製し、このフロント基板Bを使用してFEDを作製した。
【0043】
ガラスペーストの組成
SiO2 …………20wt%
低融点ガラス材(SiO2・B2O3・PbO)…………20wt%
分散材 …………0.2wt%
樹脂(エチルセルロース) …………5.8wt%
溶媒(ブチルカルビトールアセテート) …………54wt%
【0044】
次いで、実施例2で得られたFEDの耐圧特性(放電電圧および放電電流)を、常法により測定した。測定結果を表1に示す。
【0045】
実施例3
実施例1で作製した蛍光面基板Aのメタルバック層を、以下に示す方法を用いて、光吸収層の上で短冊状に分断した。すなわち、光吸収層上に対応する位置にあるメタルバック層を、直径2mmの針状の治具を用い3.0×103kPaの圧力をかけて削り取ることにより、メタルバック層を分断した。こうして分断されたメタルバック層を有する蛍光面基板Bを作製した。
【0046】
次いで、この蛍光面基板Bのメタルバック層の周端部および分断部の上に、以下の組成を有するペーストをスクリーン印刷した後、450℃で30分間加熱焼成し有機分を分解・除去し、メタルバック層の周端部、および分断部の両側端部に跨って、オーバーコート層を形成した。こうして、メタルバック層の分断された端部などにオーバーコート層を有するフロント基板Bを得た。
【0047】
ペーストの組成
MnO2微粒子(粒径0.2μm) …………20wt%
低融点ガラス材(SiO2・B2O3・PbO)…………20wt%
分散材 …………0.2wt%
樹脂(エチルセルロース) …………5.8wt%
溶媒(ブチルカルビトールアセテート) …………54wt%
【0048】
次に、こうして得られたフロント基板Bにおいて、オーバーコート層のシート抵抗値を測定した後、このフロント基板Bを使用し、実施例1と同様にしてFEDを作製した。
【0049】
また、比較例2として、蛍光面基板Bにオーバーコート層を形成することなく、そのままフェースプレートとして用いた以外は実施例3と同様にして、FEDを作製した。
【0050】
こうして実施例3および比較例2でそれぞれ得られたFEDの耐圧特性(放電電圧および放電電流)を、常法により測定した。測定結果を表1に示す。
【0051】
実施例4
以下の組成を有するペーストを用いてオーバーコート層を形成した以外は、実施例3と同様にしてフロント基板Bを作製し、このフロント基板Bを使用してFEDを作製した。
【0052】
ガラスペーストの組成
ATO微粒子(粒径0.05μm) …………20wt%
低融点ガラス材(SiO2・B2O3・PbO)…………20wt%
分散材 …………0.2wt%
樹脂(エチルセルロース) …………5.8wt%
溶媒(ブチルカルビトールアセテート) …………54wt%
【0053】
次いで、実施例4で得られたFEDの耐圧特性(放電電圧および放電電流)を、常法により測定した。測定結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1の測定結果から、実施例2〜4で得られたFEDでは、メタルバック層の周端部または分断端部にオーバーコート層が形成され、このオーバーコート層により電気的突起部となるメタルバック層の端部が被覆されているので、耐圧特性が大幅に向上していることがわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、放電が発生する電圧値(放電電圧)が高く、耐電圧特性が向上したメタルバック付き蛍光面が得られる。したがって、そのような蛍光面を有する画像表示装置においては、耐圧特性が大幅に改善され、高輝度で高品位の表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメタルバック付き蛍光面の第1の実施形態を示す断面図。
【図2】本発明に係るメタルバック付き蛍光面の第2の実施形態を示す断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態のメタルバック付き蛍光面をアノード電極とするFEDの構造を示す断面図。
【図4】本発明の実施例により形成されたメタルバック付き蛍光面を備えたカラ−FEDの斜視図。
【符号の説明】
1,7,14………ガラス基板(フェースプレート)、2………光吸収層、3………蛍光体層、4………メタルバック層、4a………間隙部、5a………低融点ガラスを含む第1のオーバーコート層、5b………耐熱性の無機微粒子と低融点ガラスをそれぞれ含む第2のオーバーコート層、6,15………メタルバック付き蛍光面、8………電子放出素子、9,10………リアプレート、11………基板、12………表面伝導型電子放出素子、13………支持枠
Claims (4)
- フェースプレート内面に光吸収層および蛍光体層をそれぞれ有し、該蛍光体層の上に、分断され間隙部を有するメタルバック層が形成された蛍光面であり、前記メタルバック層の端部に、低融点ガラスを主成分とする絶縁性の第1の被覆層が設けられ、かつ前記メタルバック層の分断部の上に、該分断部の両側のメタルバック層端部に跨るように、金属酸化物からなる耐熱性の無機微粒子と低融点ガラスをそれぞれ含む第2の被覆層が設けられており、前記メタルバック層が、前記光吸収層の上に位置する領域の少なくとも一部で分断され、このメタルバック層の分断部の上に前記第2の被覆層が設けられていることを特徴とするメタルバック付き蛍光面。
- 前記第2の被覆層のシート抵抗値が、1×103〜1×1012Ω/□であることを特徴とする請求項1記載のメタルバック付き蛍光面。
- 前記第2の被覆層において、前記低融点ガラスの前記無機微粒子に対する割合が、重量比で50%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のメタルバック付き蛍光面。
- フェースプレートと、前記フェースプレートと対向配置されたリアプレートと、前記リアプレート上に形成された多数の電子放出素子と、前記フェースプレート上に前記リアプレートに対向して形成され、前記電子放出素子から放出される電子線により発光する蛍光面とを具備し、前記蛍光面が、請求項1乃至3のいずれか1項記載のメタルバック付き蛍光面であることを特徴とする画像表示装置。
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