JP2003229075A - メタルバック付き蛍光面とその形成方法および画像表示装置 - Google Patents

メタルバック付き蛍光面とその形成方法および画像表示装置

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JP2003229075A
JP2003229075A JP2002024045A JP2002024045A JP2003229075A JP 2003229075 A JP2003229075 A JP 2003229075A JP 2002024045 A JP2002024045 A JP 2002024045A JP 2002024045 A JP2002024045 A JP 2002024045A JP 2003229075 A JP2003229075 A JP 2003229075A
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phosphor screen
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Hitoshi Tabata
仁 田畑
Takeshi Koyaizu
剛 小柳津
Takeo Ito
武夫 伊藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 FEDのような画像表示装置のメタルバック
付き蛍光面において、メタルバック層の成膜性および密
着性を向上させ、耐圧特性を改善する。 【解決手段】 本発明は、フェースプレート内面に光吸
収層および蛍光体層をそれぞれ有し、該蛍光体層上にメ
タルバック層を有するメタルバック付き蛍光面であり、
光吸収層の上にを有する耐圧向上層が形成されているこ
とを特徴とする。耐圧向上層は、低融点ガラスのような
結着性の無機材料を主成分とし、蛍光体層との間に1〜
5μmの段差を有することが望ましい。また、耐圧向上
層の形成は蛍光体層を形成した後に行うことが望まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタルバック付き
蛍光面とその形成方法、およびメタルバック付き蛍光面
を有する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、陰極線管(CRT)やフィー
ルドエミッションディスプレイ(FED)などの画像表
示装置では、蛍光体層の内面(電子源側の面)に金属膜
が形成されたメタルバック方式の蛍光面が広く採用され
ている。この蛍光面の金属膜(メタルバック層)は、電
子源から放出された電子によって蛍光体から発せられた
光のうちで、電子源側に進む光をフェースプレート側へ
反射して輝度を高めること、および蛍光体層に導電性を
付与しアノード電極の役割を果たすことを目的としたも
のである。また、真空外囲器内に残留するガスが電離し
て生じるイオンにより、蛍光体が損傷するのを防ぐ機能
をも有している。
【0003】このようなメタルバック層の形成は、通
常、蛍光体層の上にニトロセルロース等の有機樹脂から
なる薄い膜をスピン法などで形成し、その上にアルミニ
ウム(Al)を真空蒸着し、さらに焼成して有機物を除
去する方法により行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
メタルバック付き蛍光面では、図4に示すように、ガラ
ス基板16上に形成された光吸収層17の厚さ(例えば
約1μm)と蛍光体層18の厚さ(例えば約8μm)が
大きく異なり、これらの層の間に大きな段差があるた
め、それらの上に形成されるAl膜のようなメタルバッ
ク層19の成膜性が悪く、亀裂やしわ、ピンホール等が
生じていた。そして、このようなメタルバック層19の
成膜性の悪化により、蛍光面の耐圧性が低下するなどの
問題があった。また、高輝度の蛍光面を得ることが難し
く、特に低速電子線領域で作動するFEDのような表示
装置では、輝度ムラの問題も発生していた。
【0005】さらに、光吸収層17と蛍光体層18との
間の段差が大きいため、メタルバック層19の蛍光体層
18や光吸収層17に対する付着力(密着性)が弱く、
メタルバック層19と下層との間に隙間が生じ、メタル
バック層19が浮いた状態になることがあった。そのた
め、リアプレートとフェースプレートとの間に高電圧が
印加されると、メタルバック層19の下層との接触部に
かかるクーロン力が増大し、メタルバック層19が剥離
してリアプレート側に脱落するおそれがあり、その結
果、画質が劣化したり、電子が放出されなくなったり、
リアプレートとフェースプレートとの間で放電が起こっ
たりするという問題があった。
【0006】このような蛍光体層18と光吸収層17と
の間の段差を軽減するため、従来から、光吸収層17の
厚さを増大させて蛍光体層18の厚さに近づけるなどの
対策が採られているが、蛍光体層18作成の条件幅が狭
くなるなどの問題が生じ、製造が難しかった。
【0007】また、微小な段差レベルの調整が難しく、
両層の厚さをあまり揃えすぎて段差を完全になくする
と、金属膜の形成後加熱焼成して有機物を除去する際の
有機ガスの抜け道がなくなるため、有機成分の焼け残り
やメタルバック層の火膨れといった問題が発生してい
た。
【0008】本発明は、これらの問題点を解決するため
になされたもので、メタルバック層の成膜性が良好で下
層との密着性に優れており、放電の発生が抑制され耐圧
特性に優れたメタルバック付き蛍光面とその形成方法、
およびそのようなメタルバック付き蛍光面を備え、長時
間に亘り高輝度で安定な表示が可能な画像表示装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明のメ
タルバック付き蛍光面は、請求項1に記載するように、
フェースプレート内面に光吸収層および蛍光体層をそれ
ぞれ有し、該蛍光体層上にメタルバック層を有する蛍光
面であり、前記光吸収層の上に耐圧向上層が形成され、
前記メタルバック層が前記耐圧向上層の上面に接して形
成されていることを特徴とする。
【0010】本発明のメタルバック付き蛍光面において
は、請求項2に記載するように、耐圧向上層の上面と蛍
光体層の上面とが1〜5μmの段差を有することが望ま
しい。また、請求項3に記載するように、耐圧向上層が
主成分として結着性の無機材料を含むことができる。さ
らに、請求項4に記載するように、結着性の無機材料と
して低融点ガラスを使用することが望ましい。
【0011】本発明の第2の発明のメタルバック付き蛍
光面の形成方法は、請求項5に記載するように、フェー
スプレート内面の所定の位置に光吸収層および蛍光体層
をそれぞれ形成する工程と、前記光吸収層の上に耐圧向
上層を形成する工程と、前記蛍光体層および前記耐圧向
上層の上に金属膜を形成する工程と、前記金属膜が形成
されたフェースプレートを加熱処理する工程とを備える
ことを特徴とする。
【0012】このメタルバック付き蛍光面の形成方法に
おいては、請求項6に記載するように、耐圧向上層の形
成工程において、該耐圧向上層の上面と蛍光体層の上面
との間の段差を1〜5μmとすることが望ましい。ま
た、請求項7に記載するように、耐圧向上層が主成分と
して結着性の無機材料を含むことができる。さらに、請
求項8に記載するように、結着性の無機材料として低融
点ガラスを使用することが望ましい。
【0013】本発明の第3の発明の画像表示装置は、請
求項9に記載するように、フェースプレートと、前記フ
ェースプレートと対向配置されたリアプレートと、前記
リアプレート上に形成された多数の電子放出素子と、前
記フェースプレート上に前記リアプレートに対向して形
成され、前記電子放出素子から放出される電子線により
発光する蛍光面とを具備し、前記蛍光面が、請求項1乃
至4のいずれか1項記載のメタルバック付き蛍光面であ
ることを特徴とする。
【0014】本発明のメタルバック付き蛍光面において
は、光吸収層の上に膜強度の高い耐圧向上層が形成され
ており、この耐圧向上層と蛍光体層とから構成される蛍
光面の強度が向上している。そして、こうして強度が高
められた蛍光面の上にメタルバック層が形成されている
ので、印加時のクーロン力により、メタルバック層が蛍
光面から剥離することがなく、耐圧特性が向上する。
【0015】また、耐圧向上層の形成により、蛍光体層
との間の段差が低減あるいは解消されているので、それ
らの上に形成されるメタルバック層の成膜性が向上し、
亀裂やピンホール、しわ等の発生のない平滑なメタルバ
ック層を得ることができる。さらに、メタルバック層と
蛍光面(蛍光体層および耐圧向上層)との付着力(密着
性)が向上する結果、耐圧特性が大幅に向上する。
【0016】さらに、耐圧向上層の厚さ(高さ)を調整
することにより、耐圧向上層の上面と蛍光体層との上面
との間に、所定の微小な段差を設けることができる。そ
して、このような微小な段差により、金属膜の形成後有
機物を焼成して除去する際の有機ガスの抜け道(ガス放
出特性)が確保される。したがって、有機成分の焼け残
りやメタルバック層の火膨れといった問題を解消するこ
とができる。
【0017】本発明のメタルバック付き蛍光面の形成方
法においては、フェースプレート内面の所定の位置に光
吸収層と蛍光体層をそれぞれ形成した後、前記光吸収層
の上に耐圧向上層を形成することにより、耐圧向上層の
厚さ(高さ)を容易にコントロールすることができ、そ
れにより耐圧向上層と蛍光体層との間の段差の調整を容
易に行うことができる。したがって、メタルバック層の
成膜性を高めることができるうえに、メタルバック層と
下層の蛍光面(蛍光体層および耐圧向上層)との付着力
(密着性)を向上させることができ、耐圧性が大幅に向
上したメタルバック付き蛍光面を得ることができる。
【0018】さらに、本発明の画像表示装置において
は、このように耐圧性が向上したメタルバック付き蛍光
面を有しているので、放電が抑制され、高輝度、高品位
で耐久性・信頼性に優れた表示を実現することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0020】図1は、本発明に係るメタルバック付き蛍
光面の第1の実施形態を示す断面図である。
【0021】図1において、符号1はガラス基板(フェ
ースプレート)を示す。このガラス基板1の内面には、
黒色顔料などからなる所定のパターン(例えばストライ
プ状)の光吸収層2がフォトリソ法などにより形成され
ており、これらの光吸収層2のパターンの間に、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3色の蛍光体層3が、Z
nS系、Y系、YS系などの蛍光体液を用
いたスラリー法により形成されている。なお、各色の蛍
光体層3の形成は、スプレー法や印刷法で行うこともで
きる。スプレー法や印刷法においても、必要に応じてフ
ォトリソグラフィ法によるパターニングを併用すること
ができる。
【0022】また、光吸収層2の上には所定のパターン
の耐圧向上層4が、スクリーン印刷、スプレー塗布など
の方法で形成されている。この耐圧向上層4は、主成分
として結着性の無機材料を含み、以下の方法で測定した
荷重値が3kg以上の膜強度を有している。
【0023】膜強度の測定装置は、縦3.0mm、横
6.0mm、厚さ0.2mmのガラス部材、ガラスホル
ダー、試料ホルダーおよび荷重測定計から構成される。
試料としては、ガラス板上の全面に結着性の無機材料を
含むペーストを塗布し、450℃で加熱焼成することに
より耐圧向上層を形成したものを用いる。
【0024】まず、ガラス部材をガラスホルダーに垂直
に固定し、前記試料を耐圧向上層とガラス部材が対向す
るように試料ホルダーに取り付けた後、ガラスホルダー
ごとガラス部材を試料に押し当て、目的の荷重をかけた
ところで止め、横方向にガラス部材をスライドさせる。
そして、ガラス部材への試料の付着の有無を肉眼で調
べ、ガラス部材に試料が付着しない荷重の上限値を試料
の膜強度とする。
【0025】このように測定された耐圧向上層4の膜強
度が3kg重未満では、蛍光面の強度が十分でなくなる
ため、蛍光面とメタルバック層との密着性が良好でも、
印加時のクーロン力により、メタルバック層が蛍光面か
ら剥離し、耐圧性の向上が十分に達成されない。
【0026】ここで、結着性の無機材料としては、低融
点ガラス、水ガラス、セラミックスなどが挙げられ、特
に低融点ガラスを使用することが望ましい。低融点ガラ
スとしては、例えば、組成式(SiO・B・P
bO)、(B・Bi)、(SiO・Pb
O)あるいは(B・PbO)で表わされるガラス
を用いることができる。
【0027】また、このような結着性の無機材料ととも
に耐熱性の無機微粒子を、耐圧向上層中に含有させるこ
とができる。耐熱性の無機微粒子としては、特に種類は
限定されず、例えばFe、SiO、Al
、TiO、MnO、In 、Sb
、SnO、WO、NiO、ZnO、Zr
、ITO、ATOなどの金属酸化物から選ばれる少
なくとも一種を用いることができる。なお、無機微粒子
の粒径は、5μm以下とすることが望ましい。このよう
な無機微粒子を含有する耐圧向上層4を設けた場合に
は、耐圧向上層4の膜強度がより向上する。
【0028】さらに、耐熱性の無機微粒子として、カー
ボンブラックなどを少量含有させることもできる。ただ
し、耐圧向上層4が光吸収性を持つと、蛍光体から発せ
られる光が吸収され、フェースプレート側に取り出され
る光の効率が低下するので、耐圧向上層4全体としてで
きるだけ光吸収性を持たないようにすることが好まし
い。
【0029】またさらに、耐圧向上層4の厚さをコント
ロールし、耐圧向上層4と蛍光体層3との間に±1〜5
μmの微小な段差dを設けることが望ましい。この微小
段差dは、耐圧向上層4の上面が蛍光体層3の上面より
高くなるように設けることが望ましい。耐圧向上層4と
蛍光体層3との段差dが1μm未満では、後述するメタ
ルバック層を形成した後の加熱処理工程で、有機ガスの
抜け道がなくなるため、有機成分の焼け残りやメタルバ
ック層の火膨れ等の問題が発生して好ましくない。反対
に、段差dが5μmを超える場合には、下層の平坦性が
乏しくなるため、メタルバック層の蛍光面への追従が不
十分となり、メタルバック層の成膜性が悪化する。した
がって、連続したメタルバック層が得られない。
【0030】このような耐圧向上層4の形成工程は、フ
ェースプレート内面の所定の位置に光吸収層2を形成
し、光吸収層2の間に各色の蛍光体層3をパターン形成
した後に行うことが望ましい。蛍光体層3を形成した後
に耐圧向上層4を形成することで、耐圧向上層4の厚さ
を容易にコントロールすることができ、したがって耐圧
向上層4と蛍光体層3との間の段差dを前記した範囲に
調整することが容易になる。
【0031】さらに、第1の実施形態においては、この
ように構成される蛍光面(耐圧向上層4および蛍光体層
3)の上に、Al膜のような金属膜から成るメタルバッ
ク層5が形成されている。メタルバック層5を形成する
には、例えばスピン法で形成されたニトロセルロース等
の有機樹脂からなる薄い膜の上に、Alなどの金属膜を
真空蒸着し、さらに約450℃の温度で焼成して有機物
を除去する方法を採ることができる。また、以下に示す
ように、転写フィルムを用いてメタルバック層5を形成
することもできる。
【0032】転写フィルムは、ベースフィルム上に離型
剤層(必要に応じて保護膜)を介してAl等の金属膜と
接着剤層が順に積層された構造を有しており、この転写
フィルムを、接着剤層が蛍光体層に接するように配置
し、押圧処理を行う。押圧方式としては、スタンプ方
式、ローラー方式などがある。こうして転写フィルムを
押圧し金属膜を接着してから、ベースフィルムを剥ぎ取
ることにより、蛍光面に金属膜が転写される。次いで、
金属膜が転写されたフェースプレートに加熱処理(ベー
キング)を施し有機分を分解し除去することにより、メ
タルバック層が形成される。
【0033】このように構成される第1の実施形態のメ
タルバック付き蛍光面においては、光吸収層2の上に耐
圧向上層4が形成され、こうして強度が高められた蛍光
面の上にメタルバック層5が形成されているので、メタ
ルバック層5の成膜性およびメタルバック層と蛍光面
(蛍光体層3および耐圧向上層4)との密着性が向上
し、耐圧性が向上する。また、耐圧向上層4の形成によ
り、蛍光体層3との間の段差dが低減あるいは解消され
ているので、メタルバック層5の成膜性および下層との
密着性がさらに向上しており、亀裂やピンホール、しわ
等のない平滑なメタルバック層を得ることができ、耐圧
特性が大幅に向上する。
【0034】さらに、耐圧向上層4の厚さのコントロー
ルが容易であり、それにより、耐圧向上層4と蛍光体層
3との間に所定の微小な段差dを設けることができる。
そして、このような微小な段差dを形成することによ
り、金属膜の形成後有機物を焼成して除去する際の有機
ガスの抜け道が確保されるので、有機成分の焼け残りや
メタルバック層5の火膨れといった問題を解消すること
ができる。
【0035】次に、本発明の第2の実施形態として、メ
タルバック付き蛍光面をアノード電極とするFEDを図
2に示す。このFEDでは、前記した第1の実施形態の
メタルバック付き蛍光面6を有するフェースプレート7
と、マトリックス状に配列された電子放出素子8を有す
るリアプレート9とが、1mm〜数mm程度の狭い間隙Gを
介して対向配置され、フェースプレート7とリアプレー
ト9との極めて狭い間隙Gに、5〜15kVの高電圧が
印加されるように構成されている。
【0036】フェースプレート7とリアプレート9との
間隙Gが極めて狭く、これらの間で放電(絶縁破壊)が
起こりやすいが、このFEDでは、亀裂やピンホール等
のない平滑なメタルバック層を有しているので、放電の
発生が抑制され耐圧特性が大幅に向上する。
【0037】次に、本発明を画像表示装置に適用した具
体的実施例について説明する。
【0038】実施例1 ガラス基板上に黒色顔料からなるストライプ状の光吸収
層(厚さ0.1μm)をフォトリソ法により形成した
後、光吸収層のパターンの間に、赤(R)、緑(G)、
青(B)の3色の蛍光体層(厚さ7μm)を形成し、ス
トライプ状でそれぞれが隣り合うようにフォトリソ法に
よりパターニングした。
【0039】次に、この蛍光面の光吸収層の上に、以下
の組成を有するガラスペーストをスクリーン印刷した
後、450℃で30分間加熱焼成して、低融点ガラスを
主成分とする耐圧向上層を形成した。耐圧向上層の厚さ
は10μmとし、蛍光体層との間に耐圧向上層が上で+
3μmの段差を有するようにした。
【0040】 ガラスペーストの組成 低融点ガラス材(SiO・B・PbO)…………40wt% 樹脂(エチルセルロース) ………… 6wt% 溶媒(ブチルカルビトールアセテート) …………54wt%
【0041】次いで、耐圧向上層が形成された蛍光面の
上に、以下に示すようにしてメタルバック層を形成し
た。すなわち、蛍光面上にアクリル樹脂を主成分とする
有機樹脂溶液を塗布、乾燥し、有機樹脂層を形成した
後、その上に真空蒸着によりAl膜を形成した。次い
で、このメタルバック付き蛍光面を450℃の温度で3
0分間加熱焼成し、有機分を分解・除去した。
【0042】また、比較例1として、光吸収層上に耐圧
向上層を形成することなく、そのまま蛍光面上にメタル
バック層を形成した。
【0043】次に、こうして得られたメタルバック付き
蛍光面において、耐圧向上層の膜強度、およびAl膜の
下層との付着力(密着性)をそれぞれ調べた。
【0044】なお、膜強度の測定は、次に示す方法で行
った。膜強度の測定装置は、縦3.0mm、横6.0m
m、厚さ0.2mmのガラス部材、ガラスホルダー、試
料ホルダーおよび荷重測定計から構成される。試料とし
ては、ガラス板上の全面に結着性の無機材料を含むペー
ストを塗布し、450℃で加熱焼成することにより耐圧
向上層を形成したものを用いた。まず、ガラス部材をガ
ラスホルダーに垂直に固定し、前記試料を耐圧向上層と
ガラス部材が対向するように試料ホルダーに取り付けた
後、ガラスホルダーごとガラス部材を試料に押し当て、
目的の荷重をかけたところで止め、横方向にガラス部材
をスライドさせた。そして、ガラス部材への試料の付着
の有無を肉眼で調べ、ガラス部材に試料が少しでも付着
していたら、この試料の膜強度はその荷重以下であると
判定した。今回の測定では、荷重を0〜12kg重まで
1kg重きざみで試料に加えた。
【0045】また、Al膜の付着力の測定・評価は、以
下に示す方法で行った。まず、付着力検査テープを用意
した。すなわち、ポリエステルシートを所望の大きさに
カットした後、酢酸ビニルのトルエン溶液を固形分1wt
%、2wt%、4wt%でそれぞれ調整した接着剤を、ポリ
エステルテープ上に塗布・乾燥した。こうして接着剤が
塗布された3種類のポリエステルテープを、付着力検査
テープとした。
【0046】次に、メタルバック付き蛍光面の試料を5
cm×5cmの破片に分断し、このテストピース上に、
前記した3種類の付着力検査テープを5mm×10mm
の大きさにカットしたものを、接着剤面がメタルバック
層に当接するように配置した。そして、3kg重のゴム
ローラーで検査テープ上を2回押圧した後、テープをピ
ンセットで剥離し、テープ上へのAlの付着具合(Al
被覆率)で評価した。被覆率が0%の場合を4点、被覆
率が0〜25%の場合を3点、被覆率が25〜50%の
場合を2点、被覆率が50〜100%の場合を1点、被
覆率が100%の場合を0点とし、これを3種類のテー
プで行い、その合計点により12点満点の付着力評価を
行った。8点以上を実用レベルとする。
【0047】次いで、こうして得られたメタルバック付
き蛍光面を有するパネルを使用し、FEDをそれぞれ作
製した。すなわち、基板上に表面伝導型電子放出素子を
マトリクス状に多数形成した電子発生源を背面ガラス基
板に固定して、リアプレートとし、このリアプレートと
前記したパネル(フェースプレート)とを、支持枠およ
びスペーサを介して対向配置し、フリットガラスにより
封着した。フェースプレートとリアプレートとの間隙
は、2mmとした。次いで、真空排気、封止など必要な処
理を施し、図3に示す構造を有するFEDを完成した。
なお、図中符号10はリアプレート、11は基板、12
は表面伝導型電子放出素子、13は支持枠、14はフェ
ースプレート、15はメタルバック付き蛍光面をそれぞ
れ示す。
【0048】次に、こうして得られたFEDの耐圧特性
を常法により測定・評価した。評価結果を表1に示す。
なお、耐圧が8kV以上を実用可能レベルとする。
【0049】実施例2 以下の組成を有するガラスペーストを用いて耐圧向上層
を形成した以外は実施例1と同様にして、メタルバック
付き蛍光面を作製した。そして、このメタルバック付き
蛍光面において、耐圧向上層の膜強度およびAl膜の下
層との付着力(密着性)をそれぞれ測定した。
【0050】 ガラスペーストの組成 低融点ガラス材(SiO・B・PbO)…………20wt% シリカ(SiO) …………20wt% 樹脂(エチルセルロース) ………… 6wt% 溶媒(ブチルカルビトールアセテート) …………54wt%
【0051】次いで、このメタルバック付き蛍光面を有
するパネルを使用して、FEDを作製し、得られたFE
Dの耐圧特性を、実施例1と同様に測定・評価した。測
定結果を、耐圧向上層の膜強度およびAl膜の付着力
(密着性)についての測定結果とともに、表1に示す。
【0052】実施例3 以下の組成を有するガラスペーストを用いて耐圧向上層
を形成した以外は実施例1と同様にして、メタルバック
付き蛍光面を作製した。そして、このメタルバック付き
蛍光面において、耐圧向上層の膜強度およびAl膜の下
層との付着力(密着性)をそれぞれ測定した。
【0053】 ガラスペーストの組成 低融点ガラス材(B・Bi) …………40wt% 樹脂(エチルセルロース) ………… 6wt% 溶媒(ブチルカルビトールアセテート) …………54wt%
【0054】次いで、このメタルバック付き蛍光面を有
するパネルを使用して、FEDを作製し、得られたFE
Dの耐圧特性を、実施例1と同様に測定・評価した。測
定結果を、耐圧向上層の膜強度およびAl膜の付着力
(密着性)についての測定結果とともに、表1に示す。
【0055】さらに、比較例2として、以下の組成を有
するシリカペーストを用いて耐圧向上層を形成した以外
は実施例1と同様にして、メタルバック付き蛍光面を作
製した。そして、このメタルバック付き蛍光面におい
て、耐圧向上層の膜強度およびAl膜と下層との付着力
(密着性)をそれぞれ測定した。
【0056】 ガラスペーストの組成 シリカ(SiO) …………40wt% 樹脂(エチルセルロース) ………… 6wt% 溶媒(ブチルカルビトールアセテート) …………54wt%
【0057】次いで、このメタルバック付き蛍光面を有
するパネルを使用して、FEDを作製し、得られたFE
Dの耐圧特性を、実施例1と同様に測定・評価した。測
定結果を、耐圧向上層の膜強度およびAl膜の付着力
(密着性)についての測定結果とともに、表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1から明らかなように、実施例1〜3で
得られたメタルバック付き蛍光面は、メタルバック層の
下層に対する付着力(密着性)が良好である。そして、
このようなメタルバック付き蛍光面を備えたFEDは、
比較例1,2で得られたものに比べて良好な耐圧特性を
有している。
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
メタルバック層の成膜性が良好で下層との密着性に優れ
ており、放電の発生が抑制され耐圧特性に優れたメタル
バック付き蛍光面が得られる。したがって、そのような
蛍光面を有する画像表示装置においては、耐圧特性が大
幅に改善され、高輝度で高品位の表示を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメタルバック付き蛍光面の第1の
実施形態を示す断面図。
【図2】第1の実施形態のメタルバック付き蛍光面をア
ノード電極とするFEDの構造を示す断面図。
【図3】本発明の実施例で作製されたメタルバック付き
蛍光面を備えたカラ−FEDの斜視図。
【図4】従来からのメタルバック付き蛍光面の構造を示
す断面図。
【符号の説明】
1,7,14………ガラス基板(フェースプレート)、
2………光吸収層、3………蛍光体層、4………耐圧向
上層、5………メタルバック層、6,15………メタル
バック付き蛍光面、8………電子放出素子、9,10…
……リアプレート、11………基板、12………表面伝
導型電子放出素子、13………支持枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 武夫 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 Fターム(参考) 5C028 CC01 CC07 5C036 CC09 CC10 CC14 CC20 EE08 EE14 EF01 EF06 EF09 EG24 EG36 EH04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェースプレート内面に光吸収層および
    蛍光体層をそれぞれ有し、該蛍光体層上にメタルバック
    層を有する蛍光面であり、 前記光吸収層の上に耐圧向上層が形成され、前記メタル
    バック層が前記耐圧向上層の上面に接して形成されてい
    ることを特徴とするメタルバック付き蛍光面。
  2. 【請求項2】 前記耐圧向上層の上面と前記蛍光体層の
    上面とが、1〜5μmの段差を有することを特徴とする
    請求項1記載のメタルバック付き蛍光面。
  3. 【請求項3】 前記耐圧向上層が、主成分として結着性
    の無機材料を含むことを特徴とする請求項1または2記
    載のメタルバック付き蛍光面。
  4. 【請求項4】 前記結着性の無機材料が低融点ガラスで
    あることを特徴とする請求項3記載のメタルバック付き
    蛍光面。
  5. 【請求項5】 フェースプレート内面の所定の位置に光
    吸収層および蛍光体層をそれぞれ形成する工程と、 前記光吸収層の上に耐圧向上層を形成する工程と、 前記蛍光体層および前記耐圧向上層の上に金属膜を形成
    する工程と、 前記金属膜が形成されたフェースプレートを加熱処理す
    る工程とを備えることを特徴とするメタルバック付き蛍
    光面の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記耐圧向上層の形成工程において、該
    耐圧向上層の上面と前記蛍光体層の上面との間の段差を
    1〜5μmとすることを特徴とする請求項5記載のメタ
    ルバック付き蛍光面の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記耐圧向上層が、主成分として結着性
    の無機材料を含むことを特徴とする請求項5または6記
    載のメタルバック付き蛍光面の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記結着性の無機材料が低融点ガラスで
    あることを特徴とする請求項7記載のメタルバック付き
    蛍光面の形成方法。
  9. 【請求項9】 フェースプレートと、前記フェースプレ
    ートと対向配置されたリアプレートと、前記リアプレー
    ト上に形成された多数の電子放出素子と、前記フェース
    プレート上に前記リアプレートに対向して形成され、前
    記電子放出素子から放出される電子線により発光する蛍
    光面とを具備し、前記蛍光面が、請求項1乃至4のいず
    れか1項記載のメタルバック付き蛍光面であることを特
    徴とする画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013502499A (ja) * 2009-08-26 2013-01-24 海洋王照明科技股▲ふん▼有限公司 発光素子、その製造方法および発光方法

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