JP3944061B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技装置等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、遊技盤上に遊技球を打ち出して遊技を行う弾球遊技機として、パチンコ遊技装置が知られている。このようなパチンコ遊技装置では、発射ハンドルが操作されることにより遊技球が遊技盤上に打ち出され、遊技球が遊技盤上に植設された障害釘に衝突しながら落下する。そして、この遊技球が上記遊技盤に設けられた入賞口に入ると、予め定められた数の遊技球が払い出される。
【0003】
また、遊技球が遊技盤に設けられた始動口に入ると、表示装置で表示されていた固定画面を、一定の物語性を有する動画等が表示される通常画面へと切り替え、いわゆる可変表示ゲームを開始する。この可変表示ゲームは、スロットマシンにおいてなされる遊技を模したゲームであり、複数の変動図柄を当該表示装置に表示し、その各々を変動表示させた後、所定のタイミングでこれらの図柄が順次停止するように表示し、全ての図柄の停止表示が確定したときの図柄の組み合わせが大当たりとなる図柄の組み合わせとなったときに、大当たり状態が発生したとして、例えば、所定の数の遊技球を払い出す等、遊技者に所定の利益及び/又は有利な状態を提供するゲームである。
【0004】
最近では、可変表示ゲームを盛り上げる演出を行ったり、大当たり状態が発生したことを強く印象付けて興奮を高めたりするため、表示装置に表示される演出画像に、例えば、劇画の主人公やそれに関係する人物を登場させたり、プロレスや相撲の人物を登場させる等、この表示装置内で展開される物語やキャラクタ等も様々なものが出現している。また、臨場感のある大胆な演出を行うため、演出画像の表示領域を大きくしたり、演出画像が表示される表示装置自体を大きくしたりするということも行われており、演出画像の重要性は益々高まっているといえる。
【0005】
また、演出画像の表示領域を大きくするために、表示装置自体を大きくすると、遊技盤上において、障害釘が植設される領域が小さくなり、遊技球が落下する経路が限られてしまうことになるため、遊技球の動きが単調になり、パチンコ遊技自体の面白みが失われてしまうという問題があった。
【0006】
このように、遊技盤上に設けられた機器や装置によって、演出が制限されてしまうという問題を解消するためのパチンコ遊技装置として、遊技盤が透明基板によって形成されたパチンコ遊技装置であって、上記遊技盤の裏面に、絵柄が形成された演出シートが設けられているパチンコ遊技装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、遊技盤が透明基板によって形成されたパチンコ遊技装置であって、遊技者が上記遊技盤の背面側を視認可能とるように構成された領域と、遊技者が上記遊技盤の背面側を視認不可能とするように構成された領域とを設けることによって、遊技者がパチンコ遊技装置の遊技盤の裏面に配置された機構部材の一部を視認可能とすることができるパチンコ遊技装置もある(例えば、特許文献2参照)。これらのパチンコ遊技装置では、表示装置を、遊技盤の裏面に配置することが可能となり、遊技球が落下する経路を広く確保することができる。
さらに、特許文献1に記載のパチンコ遊技装置では、遊技者は、透明基板からなる遊技盤を介して、上記遊技盤の裏面に設けられた演出シートを見ることができ、また、特許文献2に記載のパチンコ遊技装置では、遊技者が遊技盤の裏面に配置された機構部材の一部を見ることができるため、従来にはない新しい遊技盤の見え方とすることができる。
【特許文献1】
特開2000−61047(第1−6頁)
【特許文献2】
特開2000−51464(第1−13頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、表示装置で展開される演出画像が大胆で、臨場感があるものであるため、遊技中において、遊技者の注意が表示装置のみに集中する傾向が強くなる。従って、特許文献1及び特許文献2のように、遊技盤が透明基板によって形成され、遊技球が落下する経路を広く確保することができるパチンコ遊技装置であっても、遊技者の注意が、表示装置で展開される演出画像に集中しているため、遊技者が遊技球の動きに注視することがなく、遊技球が落下する経路を広く確保する意味がなくなってしまう。
【0008】
また、遊技盤の裏面に絵柄が描かれたれた演出シートが設けられているパチンコ遊技装置や、遊技盤の裏面に配置された機構部材の一部を視認可能とすることによって、新しい遊技盤の見え方としたパチンコ遊技装置であっても、やはり、表示装置以外の部分は、表示装置で展開される演出画像と比較して、躍動感がないため、遊技者の注意を引くことができず、遊技自体が単調なものとなってしまう問題があった。
さらに、上記演出シートに描かれた絵柄が表示装置で展開される演出画像と比較して鮮明さに欠けるため、遊技盤の絵柄が描かれた部分に設けられた入賞口等が見え難くなってしまう問題もあった。
【0009】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技盤全体を用いて、遊技者の注意を引き付ける演出を行うことができ、長時間にわたって遊技者が退屈することがなく遊技を楽しむことが可能な弾球遊技機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明は、遊技盤と可変表示部とを備えた弾球遊技機であって、上記遊技盤は、絵柄の描かれた絵柄フィルムを上記絵柄が前方より視認し得るように配設された透明基板からなり、上記可変表示部は上記遊技盤の裏側に設けられ、上記遊技盤の側部から当該遊技盤の中央部に向けて光を照射する光源が設けられていることを特徴とする弾球遊技機を提供する。
【0011】
より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)1以上の入賞口が設けられた遊技盤と、複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部とを有し、
該可変表示部における変動表示結果が、予め定められた特定表示態様となった場合に、所定の遊技価値が付与可能な弾球遊技機であって、
上記遊技盤は、絵柄の描かれた絵柄フィルムを配設した透明基板からなり、
上記表示部は上記遊技盤の裏側に設けられ、
上記遊技盤の側部から光を照射する光源が設けられていることを特徴とする。
【0012】
(1)の発明によれば、遊技盤は、絵柄の描かれた絵柄フィルムが配設された透明基板からなり、可変表示部は上記遊技盤の裏側に設けられ、また、上記遊技盤の側部から光を照射する光源が設けられているため、表示装置が、より広い表示領域で演出画像等を表示することができるとともに、上記光源から光を照射することにより、遊技盤正面から見ると、遊技盤に配設された絵柄フィルムの一部又は全部が光って見える。その結果、例えば、複数の着色光を照射可能な光源を用いることにより、遊技者の注意を引くことができ、且つ、遊技盤全体を用いた大胆で、多様性を持った演出を行うことができるため、遊技者は飽きを感じることなく長時間にわたって遊技を楽しむことができる。
【0013】
なお、上記弾球遊技機においては、上記遊技盤は、絵柄の描かれた絵柄フィルムを上記絵柄が前方より視認し得るように配設された透明基板からなることが望ましい。また、光源は、上記遊技盤の側部から当該遊技盤の中央部に向けて光を照射するように設けられていることが望ましい。上記構成とすることにより、上記効果がより優れたものとなるからである。
【0014】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2)上記(1)に記載の弾球遊技機であって、上記遊技盤の裏側には、光を反射する反射フィルムが設けられていることを特徴とする。
【0015】
(2)の発明によれば、光源から照射され、遊技盤の裏面に向かって進行する光は、遊技盤の裏面に設けられた反射フィルムによって反射し、遊技盤前面に向かって進行するため、遊技盤の前面に設けられた絵柄フィルムがより明るく光って見える。その結果、遊技者がより気付き易く、且つ、より大胆な演出を行うことができる。
【0016】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3)上記(1)又は(2)に記載の弾球遊技機であって、上記遊技盤の前面には、開閉動可能な役物が設けられ、上記役物の内部又は近傍には当該役物の開動を報知する報知手段が備えられていることを特徴とする。
【0017】
(3)の発明によれば、例えば、大当たり遊技中に、上述したような大胆な演出が、大当たり遊技を盛り上げるために行われている場合であっても、役物の開動を報知する報知手段が備えられていることにより、例えば、大入賞口が開放状態であるとき、上記大入賞口の内部又は近傍に備えられた装飾ランプを点滅させることにより、上記装飾ランプに遊技者の注意を向けることができるため、遊技者に役物が開動したことを報知することができ、遊技者に役物が開動したことを容易に気付かせることができる。
なお、上記報知手段は、上記役物の内部に備えられていることが望ましい。例えば、上記大入賞口の内部に装飾ランプが備えられていると、遊技者は、上記大入賞口が開放状態となった場合のみ、上記装飾ランプが点滅していることを視認することができるため、より確実に大入賞口が開放状態となったことを遊技者に報知することができるからである。
【0018】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の弾球遊技機であって、上記絵柄フィルムは、上記可変表示部の前方に位置する部分が、絵柄の描かれていない略透明状の非絵柄描画領域であることを特徴とする。
【0019】
(4)の発明によれば、絵柄フィルムの可変表示部の前方に位置する部分か、絵柄が描かれていない略透明状の非絵柄描画領域であるため、遊技者は透明基板を介して、可変表示部に表示される演出画像等をはっきりと視認することができる。
【0020】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5)上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の弾球遊技機であって、上記絵柄フィルムは、可変表示部の前方に位置する部分に開口部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
(5)の発明によれば、可変表示部の前方に位置する部分には、絵柄フィルムが形成されていないため、遊技者は透明基板を介して、可変表示部に表示される演出画像等をはっきりと視認することができる。
【0022】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の弾球遊技機であって、上記入賞口は、略透明な樹脂製の部材を含んで構成されることを特徴とする。
【0023】
(6)の発明によれば、入賞口が略透明な樹脂製の部材を含んで構成されているため、入賞口に光源からの光が照射されることにより、入賞口が光って見える。さらに、入賞口の縁は他の部分よりも強く光る(エッジライト効果)ため、遊技者が入賞口の位置をはっきりと視認することができ、遊技球を入賞口に入れることができるように、遊技球が打ち出される速度等を調整し易くすることができる。
【0024】
[用語の定義等]
「識別情報」とは、文字、記号、絵柄又は模様(図柄)等の視覚によって識別可能な情報をいい、後述する可変表示部に表示される。また、識別情報には後述する変動図柄が含まれる。なお、変動図柄とは、変動表示され得る図柄をいう。
「変動表示」とは、識別情報が順次変化する場合、例えば、1つの識別情報である図柄「7」から他の識別情報である図柄「8」へ変化する場合や、図柄「9」から他の図柄「☆」へ変化する場合のほか、識別情報を表示し得る表示領域において1つの識別情報が表示されたままその識別情報が移動して表示されるような場合、例えば、1つの図柄「7」が表示領域内において表示されつつ移動する場合等を含む概念である。
「変動表示結果」とは、上述したように識別情報が変動表示された後、停止表示されたものをいい、この変動表示結果が、特定表示態様となった場合、所定の遊技価値が付与されることになる。また、遊技価値としては、例えば、遊技球を挙げることができるが、上記遊技価値は、例えば、遊技球の数と等価なデータが制御部のRAM(Random Access Memory)等に記憶されることにより付与されることとしてもよい。
「特定表示態様」とは、予め定められた変動表示結果をいい、上記特定表示態様としては、例えば「7」−「7」−「7」等を挙げることができる。変動表示結果が特定表示態様となった場合に、所定の遊技価値が付与されることになる。
【0025】
「可変表示部」とは、複数種類の識別情報を変動表示可能なものをいう。可変表示部における変動表示結果が、予め定められた特定表示態様となった場合に、所定の遊技価値が付与される。
具体的に、上記可変表示部には、例えば、少なくとも複数の変動図柄の変動表示が開始されてから、複数の変動図柄が停止表示されるまでを1回のゲームとする可変表示ゲームを示す画面画像が表示される。また、上記画面画像には、可変表示ゲームを示す画像以外に、静画像や動画像等からなる演出画像が表示されることとしてもよい。上記可変表示部としては、特に限定されるものではないが、例えば、プラスチック液晶や液晶パネル等からなるものを挙げることができる。
【0026】
「液晶パネル」とは、液晶層、その両面に設けられた配向膜、透明電極、カラーフィルタ等(以下、液晶層等ともいう)が2枚のガラス基板により挟持されるとともに、2枚のガラス基板の外面に偏光板等が設けられたものであって、画像を表示することが可能であるものをいう。
本発明の弾球遊技機において用いられる液晶パネルとしては、特に限定されるものではなく、従来公知の液晶パネルを用いることが可能である。
【0027】
また、「プラスチック液晶」とは、上述した液晶パネルにおいて、液晶層等がガラス基板ではなく、プラスチック基板により挟持されたものをいう。
本発明の弾球遊技機において用いられるプラスチック液晶としては、特に限定されるものではなく、従来公知のプラスチック液晶を用いることが可能である。
なお、本発明において、液晶パネル及びプラスチック液晶のうち、どちらを用いるかについては、特に限定されるものではなく、例えば、製造コスト、耐衝撃性等を考慮して、適宜選択することが可能である。
なお、以下においては、可変表示部として、液晶パネル又はプラスチック液晶が設けられている場合について説明することとする。また、本発明では、液晶パネルとプラスチック液晶とを併せて、液晶パネル等ともいうこととする。
【0028】
本発明の弾球遊技機に設けられる液晶パネル等の大きさは、遊技盤の裏側に設けられる範囲内であれば、特に限定されるものではなく、また、液晶パネル等が設けられる位置についても、遊技盤の裏側であれば、特に限定されるものではない。液晶パネル等の位置及び大きさについては、例えば、演出画像や可変表示ゲームを示す画面画像の大きさや、製造コスト等を考慮して、適宜設定することが可能である。また、本発明の弾球遊技機に設けられる液晶パネル等の数は、必ずしも1枚である必要はなく、複数枚の液晶パネル等が設けられることとしてもよい。
本発明に係る液晶パネル等の駆動方式としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクティブマトリックス駆動方式、パッシブマトリックス駆動方式、ダイナミック駆動方式等、従来公知の種々の駆動方式を用いることができる。
また、本発明に係る液晶パネル等に光を照射するバックライトは、特に限定されるものではなく、その方式としては、例えば、反射板方式、導光体方式、面状光源方式等、従来公知の方式のバックライトを用いることができる。
【0029】
本明細書において、「絵柄」とは、模様と色彩との結合をいい、「絵柄フィルム」とは、その表面及び/又は裏面に上記絵柄が描かれたフィルムをいう。
なお、上記絵柄フィルムには、上記模様のみが描かれていてもよいし、上記色彩のみが描かれていてもよい。また、上記絵柄フィルムには、文字、数字、記号等が描かれていてもよい。さらに、絵柄フィルムに描かれた絵柄は、光を一部透過してもよく、光を全て遮断してもよい。
本発明において、絵柄フィルムに絵柄を形成する方法としては、特に限定されず、グラビア印刷等により透明なフィルムに印刷層を形成してもよいし、上記絵柄の描かれたシール等をフィルムに張付してもよい。
【0030】
上記絵柄フィルムを配設する位置としては、特に限定されるものではないが、光源が設けられた位置よりも前方に配設されていることが望ましい。上記光源から照射された光を効率よく絵柄フィルムに到達させることができるからである。
また、上記絵柄フィルムを配設する方法としては、特に限定されるものではなく、遊技盤を構成する透明基板の前面に張付してもよいし、上記透明基板の前面近傍に絵柄フィルム差込部を形成して、当該絵柄フィルム差込部に差し込んで配設してもよいが、透明基板の前面に張付することが望ましい。上記絵柄フィルムを上記透明基板に張付することは、比較的容易に行うことができるからである。
【0031】
また、本発明において、上記絵柄フィルムは、可変表示部の前方に位置する部分が、絵柄の描かれていない略透明状の非絵柄描画領域であることが望ましい。遊技者が、可変表示部に表示される演出画像等をはっきりと視認することができるからである。ここで、上記略透明状とは、遊技盤の裏面に設けられた可変表示部に表示される画像を、遊技盤を介してはっきりと視認することが可能な程度に、上記非絵柄描画領域が透明であることをいい、可視光線透過率が30%以上であることが望ましく、50%以上であることがより望ましい。
【0032】
また、本発明において、上記絵柄フィルムは、可変表示部の前方に位置する部分に開口部が形成されていることも望ましい。遊技者が、可変表示部に表示される演出画像等をはっきりと視認することができるからである。
【0033】
本発明のパチンコ遊技装置の遊技盤を構成する透明基板の材質としては、特に限定されるものではないが、樹脂からなるものが望ましい。比較的容易にその表面に障害釘を植設することが可能であるからであり、可変表示部が設けられた箇所にも障害釘を植設することにより、遊技球の落下経路に多様性を持たせることができるからである。なお、上記透明基板の厚さは、4〜6mmが望ましい。4mm未満では、薄すぎて強度に乏しく、障害釘を遊技盤に植設する際、遊技盤が割れるおそれがあり、6mmを超えると、必要な強度を得ることができる遊技盤の厚さに比べて厚すぎて、経済性に劣るものとなる。上記透明基板の厚さは5mmがより望ましい。また、上記障害釘を植設する際、上記障害釘の上記透明基板の内部に埋設された部分の長さを2〜4mmとすることが望ましい。2mm未満では、遊技球との衝突に起因して植設された障害釘の角度が変化してしまうおそれがあり、4mmを超えると、深すぎて上記透明基板に割れが発生するおそれがあるからである。上記障害釘の上記透明基板の内部に埋設された部分の長さは、3mmがより望ましい。
【0034】
上述したような遊技盤に障害釘を植設する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、遊技盤となる透明基板に、釘打ち機(例えば、エア釘打ち機等)により障害釘を植設する方法を用いることが可能である。なお、この方法により透明基板に障害釘を植設する場合には、予め障害釘を植設する位置に下孔を形成しておくことが望ましい。透明基板に割れ等が発生することを防止して、不良品発生率を低減することができるからである。
【0035】
また、遊技盤に障害釘を植設する方法としては、例えば、図7(a)、(b)に示すように、障害釘を比較的容易に植設可能な樹脂素材(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂等の軟質樹脂素材等)からなる基材に、障害釘66を植設して釘部材65、67とし、一方、遊技盤となる透明基板64に取付孔を形成しておき、釘部材65、67を取付孔に嵌め込む方法を用いることが可能である。
【0036】
なお、図7(a)は、3本の障害釘66が植設された釘部材65と、1本の障害釘66が植設された釘部材67とが、遊技盤となる透明基板64に嵌め込まれた様子を模式的に示す斜投影図であり、図7(b)は、釘部材67が透明基板64に嵌め込まれた様子を模式的に示す部分拡大断面図である。
図7に示したような方法によれば、透明基板に割れ等が発生することをより確実に防止することが可能であり、不良品発生率のさらなる低減を図ることができる。
【0037】
「光源」とは、光を発するもととなるものをいい、例えば、冷陰極蛍光管、熱陰極蛍光管、エレクトロルミネセンス(EL)、発光ダイオード(以下、LEDという)、等を挙げることができる。
本発明において、遊技盤に設けられた上記光源の数としては、1以上であれば特に限定されず、遊技盤の上部と下部に1個ずつ設けられていてもよいし、上下左右に各1個設けられていてもよい。また、上記光源から照射される光は、白色光であってもよく、着色光であってもよい。また、上記光源が設けられる位置については、遊技盤の側部から当該遊技盤の中央部に向けて光を照射することができる位置であれば、特に限定されるものではないが、遊技盤の側部に設けられることが望ましい。効率よく光を遊技盤内に入射させることができるため、絵柄フィルムをより明るく見せることができるからである。
【0038】
「役物」とは、弾球遊技機に設けられ、その一部が開閉動可能であり、所定の条件を満たすことにより、一定の利益を遊技者に付与することのできる装置であり、例えば、パチンコ遊技装置において、シャッタと、大当たり遊技状態であるときに、上記シャッタが開閉動することにより断続的に開放状態となる大入賞口とを備えたアタッカを挙げることができる。
【0039】
本発明において、上記役物の内部又は近傍に上記役物が開動していることを報知する報知手段が備えられていることが望ましい。遊技者に役物が開動したことを容易に気付かせることができるからである。上記報知を行う方法としては、例えば、パチンコ遊技装置において、大当たり遊技中、大入賞口が開放状態であるときに、大入賞口内部又は近傍に設けられた装飾ランプ等を点滅又は点灯させる方法等を挙げることができる。
なお、このとき、上記装飾ランプ、及び、当該装飾ランプを点灯又は点滅させるための命令信号の送信や電力の供給を行う制御部は、報知手段として機能する。
【0040】
「入賞口」とは、遊技球が入ることができるように遊技盤上に設けられた部材であり、この部材には、遊技球が入ることのできる開口が設けられている。上記開口に遊技球が入ると、遊技球が所定の払出数(例えば、5球)で払い出される。本発明において、上記入賞口は、略透明の樹脂製の部材を含んで構成されることが望ましい。上記入賞口に光源からの光が照射されることにより、入賞口が光って見える。さらに、上記入賞口の縁は他の部分よりも強く光るため、遊技者が入賞口の位置をはっきりと視認することができる。
なお、上記略透明とは、遊技者が、入賞口に照射された光源からの光を、はっきりと視認することが可能な程度に、上記入賞口を構成する部材が透明であることをいう。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の弾球遊技機を模式的に示す正面図である。また、図2は、本発明の弾球遊技機に設けられた遊技盤を模式的に示す拡大断面図であり、図3は、そのA−A線断面図である。
なお、以下において説明する実施例においては、本発明の弾球遊技機の好適な実施例として、本発明をパチンコ遊技装置に適用した場合を示す。
また、図2、図3では、図1に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付した。
【0042】
図1に示すように、パチンコ遊技装置10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、遊技盤14の前面に設けられた本体枠12の窓枠16と、窓枠16の下側で本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26と、が配置されている。
【0043】
図3に示すように、遊技盤14は、アクリル樹脂等の透明な樹脂からなる透明基板17と、透明基板17の前面に張付された絵柄フィルム15とからなり、また、遊技盤14の裏面には、反射フィルム18が設けられている。絵柄フィルム15は、表示装置19の前面に設けられるとともに、絵柄の描かれていない非絵柄描画領域15aと、絵柄の描かれた絵柄描画領域15bとからなる。従って、全体として、遊技盤14は、表示装置19の前方部分が透明となっている。
なお、絵柄フィルム15は、非絵柄描画領域15aに相当する部分が、刳り抜かれて開口部となっていてもよい。
【0044】
その遊技盤14の透明である部分(透明部14a)の裏面には、アクティブマトリックス駆動方式の液晶パネル32と、液晶パネル32に対して光を照射するバックライト80(図示せず)とを備えた表示装置19が設けられている。
なお、この液晶パネル32が、少なくとも複数の変動図柄の変動表示が開始されてから、複数の変動図柄が停止表示されるまでを1回のゲームとする可変表示ゲームを示す画面画像が表示される可変表示部である。
【0045】
また、遊技盤14の上部と下部には、冷陰極蛍光管からなる光源34a及び34bがそれぞれ設けられており、光源34a及び34bから遊技盤14の中央部に向かって光が照射されるとともに、その光の一部は反射フィルム18により反射して、遊技盤14の前方に供給される。
このようにすることにより、遊技盤を正面から見ると、遊技盤に描かれた絵柄等が光って見えるため、遊技盤全体を用いた大胆な演出を行うことができる。
【0046】
透明部14aを含む遊技盤14の前面には、複数の障害釘が、遊技盤14の前方向に突出するように植設されている。なお、本明細書において、パチンコ遊技装置10とは、パチコン機をも含む概念である。
さらに、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者は発射ハンドル26を操作することによりパチンコ遊技を進めることができるのである。発射ハンドル26の裏側には、発射モータ28が設けられている。発射ハンドル26が遊技者によって時計回り方向へ回動操作されたときには、発射モータ28に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
【0047】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。
【0048】
なお、上述したように、本発明に係るパチンコ遊技装置10では、遊技盤14の中央部分が透明部14aであり、その裏面に液晶パネル32が設けられるとともに、その表面には、複数の障害釘が設けられているため、遊技球が落下する経路を広く確保することができ、遊技球の落下方向に多様性を持たせることができる。その結果、より面白みのあるパチンコ遊技を提供することができる。
【0049】
図2に示すように、遊技盤14の略中央にある透明部14aの裏側には、液晶パネル32を備えた表示装置19が設けられている。この液晶パネル32には、遊技盤に相当する画像や、演出画像や、可変表示ゲームを示す変動図柄等の画像等が表示されることになる。また、例えば、所謂サブデジタルにおいて表示される識別情報画像(例えば、数字や記号を示す画像)や、保留された可変表示ゲームの回数を示す画像等も、液晶パネル32に表示される。
【0050】
なお、図中では、液晶パネル32に、遊技盤14と同じ地模様からなる背景画像と、4匹の豚を示すキャラクタ画像と、「7」−「6」−「7」の3つの変動図柄画像と、保留された可変表示ゲームの回数に対応した4つのハートを示す画像とが表示されている様子が示されている。
このように、本発明では、遊技盤14の透明部14a以外の箇所に描かれた地模様と同じ地模様を、液晶パネルに表示することが可能であり、このようにすることにより、遊技盤と可変表示部に表示される画像との融合を図ることが可能である。その結果、遊技盤を広く見せることができるとともに、遊技盤と一体化した従来にはない新たな演出を行うことができる。
【0051】
また、遊技盤14の下部には、大入賞口38を含むアタッカ50が設けられている。このアタッカ50には、シャッタ40が開閉自在に設けられており、シャッタ40が開くと、大入賞口38は開放状態となり、遊技球が入ることができるようになる。さらに、アタッカ50の下側には、アウト口(図示せず)が設けられており、入賞口等に入らなかった遊技球は、アウト口から排出されることになる。
【0052】
透明部14aの左右の両側には一般入賞口54a及び54bが設けられている。さらに、透明部14a下部の左右の両側には一般入賞口54c及び54dが設けられている。また、遊技盤14の左右の端部には、特別入賞口56a及び56bが設けられ、大入賞口38の左右の両側には、特別入賞口56c及び56dが設けられている。
【0053】
これらの入賞口の構造について、図3に示した特別入賞口56dを例に挙げて説明すると、特別入賞口56dは、絵柄フィルム15及び反射フィルム18が張付された透明基板17に形成された貫通孔6と、この貫通孔6に連通する球通路を有する球受部材5とから構成されている。従って、遊技盤14上を落下して特別入賞口56dに入った遊技球は、球受部材5に形成された球通路と、貫通孔6とを通過して、遊技盤14の裏側から排出されることになる(図3参照)。
また、特別入賞口56dを構成する球受部材5は、略透明な樹脂製の部材からなり、上述した光源34a及び34bから光が照射されると、特別入賞口56aは光って見えるため、遊技者がその位置をはっきりと視認することができる。
【0054】
なお、図2に示した一般入賞口54a〜54d、並びに、特別入賞口56a〜56cについても、特別入賞口56dと略同様の構成を有するとともに、略透明な樹脂製の部材を含んで構成されているため、上述した光源34a及び34bから光が照射されると、一般入賞口54a〜54d、並びに、特別入賞口56a〜56dは、それぞれ光って見えることになる。
【0055】
また、透明部14aの下方には、可変表示ゲームが開始されて、液晶パネル32に表示される複数、例えば、3つの識別情報である変動図柄を変動表示状態に移行する契機となる球検知センサ42を有する始動口44が設けられている。
遊技球が通過したことを球検知センサ42が検知したときには、所定数の遊技球が払い出されるとともに、液晶パネル32においては、複数の変動図柄が変動表示されて、可変表示ゲームが開始される。
【0056】
これらの大入賞口38、始動口44、一般入賞口54a〜54d、並びに、特別入賞口56a〜56dのいずれか1に遊技球が入ったときには、予め設定されている数の遊技球が下皿22に払い出されるようになっている。
また、一般入賞口54a〜54d及び特別入賞口56a〜56dのうち、特定の入賞口に遊技球が入ったときには、所謂サブデジタルにおいて表示される識別情報画像(例えば、数字や記号を示す画像)が、液晶パネル32において変動表示され、当該識別情報画像が所定の画像で停止表示されたときには、始動口44の左右の両側に設けられた可動片58a及び58bが動作して、始動口44が所定の期間、開放状態となり、始動口44に遊技球が入りやすくなる。
【0057】
さらに、大入賞口38、始動口44、一般入賞口54a〜54d、並びに、特別入賞口56a〜56dのいずれか1に入った遊技球は、遊技盤14に形成された貫通孔を通って、遊技盤14の裏面の開口から落下する。このとき、これらの遊技球は、遊技球が通過した際、赤外線等の光線が遮断されたり、光線の反射状態が異なること等を利用して遊技球の通過を検出する光電式センサ等を設けておくことにより、検出することが可能である。
なお、遊技盤14の裏面下部には、上記開口から遊技球が落下した衝撃を吸収するための弾性シート等を配設しておくことが望ましい。
【0058】
また、表示装置32の左右の両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材60a及び60bを設けられている。また、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。
【0059】
以上、本発明の弾球遊技機と、当該弾球遊技機に備えられた遊技盤との構造について、図1〜図3を用いて説明したが、本発明の弾球遊技機においては、遊技盤の構造を、図3に示した構造以外に、例えば、以下に示す構造とすることが可能である。
図6は、本発明の弾球遊技機に備えられた遊技盤の他の一例を模式的に示した縦断面図である。なお、図6においては、上述した図3に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付した。
【0060】
遊技盤14は、アクリル樹脂等の透明な樹脂からなる透明基板17と、透明基板17の前面に張付された絵柄フィルム15とからなり、透明基板17には、開口17aが形成され、この開口17aには表示装置19が嵌め込まれている。
絵柄フィルム15のうち、表示装置19の前面に相当する領域は、絵柄が描かれていない非絵柄描画領域15aとなっており、他の領域は、絵柄が描かれた絵柄描画領域15bとなっている。また、遊技盤14の裏面には、反射フィルム18が設けられている。図中、16は窓部を示している。
なお、絵柄フィルム15は、非絵柄描画領域15aに相当する部分が、刳り抜かれて開口部となっていてもよい。
【0061】
遊技盤14の上部と下部とには、図3に示した遊技盤と同様に、冷陰極蛍光管からなる光源34a及び34bがそれぞれ設けられており、光源34a及び34bから遊技盤14の中央部に向かって光が照射されるとともに、その光の一部は反射フィルム18により反射して、遊技盤14の前方に供給されるように構成されている。
また、遊技盤14の前面には、複数の障害釘が、遊技盤14の前面に突出するように植設されているが、図3に示した遊技盤と異なり、表示装置19の前面には、障害釘は植設されていない。
【0062】
さらに、このような遊技盤14には、図3に示した遊技盤と同様に、複数の入賞口が設けられている。これらの入賞口の構造について、図6に示した特別入賞口56dを例に挙げて説明すると、特別入賞口56dは、絵柄フィルム15及び反射フィルム18が張付された透明基板17に形成された貫通孔6と、この貫通孔6に連通する球通路を有する球受部材5とから構成されている。従って、遊技盤14上を落下して特別入賞口56dに入った遊技球は、球受部材5に形成された球通路と、貫通孔6とを通過して、遊技盤14の裏側から排出されることになる。また、特別入賞口56dを構成する球受部材5は、略透明な樹脂製の部材からなり、上述した光源34a及び34bから光が照射されると、特別入賞口56aは光って見えるため、遊技者がその位置をはっきりと視認することができる。
【0063】
このように、本発明の弾球遊技機においては、遊技盤の裏面に表示装置を設置することとしてもよく(図3参照)、また、遊技盤の一部に開口を形成し、該開口に表示装置を嵌め込むこととしてもよい(図6参照)。遊技盤の裏面に表示装置を設置することとした場合には、表示装置の前面に障害釘を植設することが可能であり、また、遊技盤の一部に開口を形成し、該開口に表示装置を嵌め込むこととした場合には、表示装置を含む遊技盤の薄型化を図ることが可能となる。
なお、本発明の弾球遊技機における遊技盤の構造としては、図3及び図6に示した例に限定されるものではなく、例えば、遊技盤の裏面に凹部を形成し、該凹部に表示装置を嵌め込むこととしてもよい。
【0064】
次に、アタッカ50について図面を用いて説明する。
図4(a)は、本発明に係るパチンコ遊技装置を構成するアタッカ50のシャッタ40の開放状態を模式的に示す平面図であり、(b)は、(a)に示したアタッカ50の正面図である。
上述したように、アタッカ50に設けられたシャッタ40が開くことにより、大入賞口38が開放状態となり、遊技球が大入賞口38に入ることができるようになる。このシャッタ40は、大当たり状態が発生したときには、断続的に開放状態となるようにソレノイド48により駆動される。
【0065】
開放状態となった大入賞口38から、アタッカ50の内部に入った遊技球は、誘導ソレノイド49により、特定領域43に誘導される。特定領域43に誘導された遊技球が、特定領域43に設けられたカウントスイッチ(図示せず)を通過すると、球検知センサ(図示せず)により検知され、所定数の遊技球が払い出される。
【0066】
また、アタッカ50のシャッタ40が開放状態となったときに、遊技盤14の正面から視認することができる位置に、アタッカ50の内部にLEDランプ41が設けられている。大当たり状態が発生して、アタッカ50のシャッタ40が開放状態となると、主基板(図示せず)からLEDランプ制御基板(図示せず)へ、LEDランプ41の動作を決定するランプ制御信号が送信され、上記ランプ制御信号を受信したLEDランプ制御基板からLEDランプ41へ、LEDランプ41を点灯又は点滅させるための点灯信号が送信されることにより、LEDランプ41を点滅又は点灯させることができる。LEDランプ41が点滅又は点灯することにより、遊技者は、LEDランプ41が点灯又は点滅していることを視認することができ、大入賞口が開放状態であることを容易に認識することができる。なお、LEDランプ41、及び、LEDランプ41への信号の送信や電力の供給を行う主基板及びLEDランプ制御基板を含む制御部(図示せず)は、報知手段として機能する。
【0067】
次に、液晶パネル32について図面を用いて説明する。
図5は、液晶パネル32と、遊技盤14の透明部14aとを模式的に示す斜視図である。
上述したように、アクリル樹脂製の透明基板17からなる透明な遊技盤14の透明部14aには、その前面に複数の有底孔91が設けられており、これらの有底孔91には障害釘90が嵌合され、全体として、遊技盤14は、その前面に障害釘90が植設されているように構成されている。
このような構造とすることにより、その裏側に液晶パネル32が設けられた遊技盤14の透明部14aの前面にも障害釘90を設けることが可能になるため、遊技球の落下経路に多様性を持たせることができ、より面白みのあるパチンコ遊技を提供することができる。
【0068】
遊技盤14の透明部14aの裏面に設けられた液晶パネル32は、図3に示すように、液晶73とスペーサ74とからなる液晶層75が中央部分に備え、その前面には、鉛直方向に多数の溝を有する配向膜72aと、透明電極77と、赤色、緑色及び青色(RGB)の3色のカラーフィルタ78a〜78cと、ガラス基板70aと、偏光板71aとが順に積層されている。この偏光板71aの前面が、遊技盤14の透明部14aに接着されている。
一方、液晶層75の背面には、水平方向に多数の溝を有する配向膜72bと、透明画素電極76とスイッチング素子79とを備えた層と、ガラス基板70bと、偏光板71bとが順に積層されている。
図中には示していないが、液晶層75の周面には、液晶73及びスペーサ74を、配向膜72aと72bとの間に保持するように、シール剤と封止剤とが設けられている。
【0069】
また、上述した透明電極77、透明画素電極76及びスイッチング素子79は、パチンコ遊技装置10内に設けられた表示装置(図示せず)と接続されており、該表示装置は、同じくパチンコ遊技装置10内に設けられた制御回路(図示せず)と接続されている。上記表示装置は、制御回路からの命令信号に基づいて動作し、透明電極77、透明画素電極76及びスイッチング素子79に対して電力を供給する。
【0070】
また、偏光板71bの背面と所定の間隔をあけた状態で、偏光板71bと対向するように、バックライト80が設けられている。
このバックライト80は、その前面に拡散シート83が設けられるとともに、その背面に反射シート82が設けられた導光体81と、白色光を導光体81に対して照射し得る2つの冷陰極蛍光管84a及び84bとからなるものである。
冷陰極蛍光管84a及び84bから、導光体81の側面へ入射された白色光は、導光体81の表面に設けられた反射シート82と拡散シート83とにより、均一な面状の光となって、液晶パネル32へ供給される。
なお、図中、冷陰極蛍光管84a及び84bから照射される光は、破線の矢印により示した。
【0071】
このように、透明電極77、透明画素電極76及びスイッチング素子79に対して電力が供給されるとともに、バックライト80から均一な面状の白色光が供給されることにより、液晶パネル32には、図1に示したような画像が表示されることになるのである。
【0072】
なお、上述した例では、遊技盤14の略中央の透明部14aの裏側に、液晶パネル32が設けられている場合について説明したが、本発明では、例えば、遊技盤内の遊技球が通過しない領域の裏側に、例えば、液晶パネル等の可変表示部が設けられることとしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
本発明の弾球遊技機によれば、遊技盤は、絵柄の描かれた絵柄フィルムを上記絵柄が前方より視認し得るように配設された透明基板からなり、可変表示部は上記遊技盤の裏側に設けられ、また、上記遊技盤の側部から当該遊技盤の中央部に向けて光を照射する光源が設けられているため、表示装置が、より広い表示領域で演出画像等を表示することができるとともに、上記光源から光を照射することにより、遊技盤正面から見ると、遊技盤に配設された絵柄フィルムの一部又は全部が光って見える。その結果、例えば、複数の着色光を照射可能な光源を用いることにより、遊技者の注意を引くことができ、且つ、遊技盤全体を用いた大胆で、多様性を持った演出を行うことができるため、遊技者は飽きを感じることなく長時間にわたって遊技を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るパチンコ遊技装置を模式的に示す正面図である。
【図2】 本発明に係るパチンコ遊技装置の遊技盤面を模式的に示す拡大正面図である。
【図3】 本発明に係る遊技盤の一例を模式的に示す縦断面図である。
【図4】(a)は、本発明に係るアタッカを模式的に示す平面図であり、(b)は、(a)に示したアタッカの正面図である。
【図5】 本発明に係る遊技盤の透明部と、液晶パネルとを模式的に示す斜視図である。
【図6】 本発明に係る遊技盤の他の一例を模式的に示す縦断面図である。
【図7】 (a)は、本発明に係る遊技盤となる透明基板に釘部材が嵌め込まれた様子を模式的に示す斜投影図であり、(b)は、透明基板に釘部材が嵌め込まれた様子を模式的に示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10 パチンコ遊技装置
14 遊技盤
14a 透明部
15 絵柄フィルム
15a 非絵柄描画領域
15b 絵柄描画領域
17 透明基板
18 反射フィルム
19 表示装置
32 液晶パネル(可変表示部)
34a、34b 光源
50 アタッカ
54a〜54d 一般入賞口
56a〜56d 特別入賞口
64 透明基板
65、67 釘部材
66 障害釘
70a、70b ガラス基板
71a、71b 偏光板
72a、72b 配向膜
73 液晶
74 スペーサ
75 液晶層
80 バックライト
81 導光体
82 反射シート
83 拡散シート
90 障害釘
91 有底孔

Claims (4)

  1. 1以上の入賞口が設けられた、その上を遊技球が落下する遊技盤と、複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部とを有し、
    該可変表示部における変動表示結果が、予め定められた特定表示態様となった場合に、所定の遊技価値が付与可能な弾球遊技機であって、
    前記遊技盤は、絵柄の描かれた絵柄フィルムがその前面に配設された透明基板からなり、
    前記可変表示部は前記遊技盤の裏側に設けられ、
    前記遊技盤の側部から光を照射する光源が設けられ
    前記遊技盤の裏側には、正面視で前記絵柄フィルムの絵柄描画領域と重なる部分に、光を反射する反射フィルムが設けられていることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記可変表示部は、前記透明基板の裏面に接するように設けられ、
    前記反射フィルムは、正面視で前記可変表示部が設けられている箇所以外の前記透明基板の裏面に設けられている請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記光源は、前記遊技盤の上部と下部とに設けられ、
    前記入賞口は、略透明な樹脂製の部材を含んで構成されている請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記絵柄フィルムは、可変表示部の前方に位置する部分に開口部が形成されている請求項1〜のいずれか1に記載の弾球遊技機。
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