JP3943970B2 - スクロール型圧縮機の検査方法 - Google Patents

スクロール型圧縮機の検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスクロール型圧縮機の検査方法に関し、特に、固定スクロールおよび旋回スクロールのラップ形状の検査方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
スクロール型圧縮機は、固定スクロールおよび旋回スクロール(一対のスクロール部材)を、互いの渦巻き状のラップ同士を組み合わせて配置し、固定スクロールに対して旋回スクロールを公転旋回運動させることで、各ラップ壁面および端板とに囲まれて形成される圧縮室の容積を漸次減少させ、この圧縮室内の流体の圧縮を行うものである。
【0003】
図4(a)および図4(b)に示すように、前記一対のスクロール部材は、端板1a上に渦巻き状ラップ1bを設置した固定スクロール1と、端板2a上に渦巻き状ラップ2bを設置した旋回スクロール2との組み合わせで構成される。そして、これらを互いに180〔°〕位相をずらして両渦巻き状ラップ1b、2bをかみ合わせ、旋回スクロール2を公転運動させることによって両渦巻き状ラップ1b、2b間に形成される密閉空間が外方から内方へ移動しつつ容積を減少することで、流体の圧縮を行うものである。
【0004】
このとき、最内方の密閉空間は高圧となり、これよりも外方の密閉空間は前記高圧よりも低い圧力となるため、両渦巻き状ラップ1b、2bの中央部には圧縮ガスの反力が、旋回スクロール2の公転の度に繰り返し作用することとなる。
【0005】
また、渦巻き状ラップ1b、2bの中央部は、これら渦巻き状ラップ1b、2bの始端部であるため、剛性が不足しがちであり、特に一体で形成されているスクロールの端板1a、2aと渦巻き状ラップ1b、2bの付け根付近が疲労破壊する場合があった。
【0006】
このような問題点を解決するための手法の一つとして、例えば特開昭59−58187号公報等に開示されているものがある。これについて図5を用いて説明する。
【0007】
同図に示すように、この開示技術によれば、スクロール部材の渦巻き状ラップ3の外壁を形成するインボリュート曲線(基礎円から生成される曲線)上の任意の伸開角α〔°〕の位置(すなわち外壁インボリュート開始点β1点)と、内壁を形成するインボリュート曲線上のα+180〔°〕の伸開角位置(すなわち内壁インボリュート開始点β2点)との間の部位(図中矢印uで示す部位であり、以下、これを非インボリュート部と称す)を大小2つの円弧で接続し、この非インボリュート部と、それ以外のインボリュート曲線でなるインボリュート部とにより渦巻き状ラップ3の中央始端部を形成している。これにより、渦巻き状ラップ3の中央始端部の壁厚を増加させることができ、強度を向上させることができた。なお、外壁インボリュート開始点β1および内壁インボリュート開始点β2は、インボリュート基礎円110を中心として渦巻き状ラップ3の形状を形成するインボリュート曲線の形成開始点である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかるスクロール型圧縮機においては、各スクロール部材の渦巻き状ラップ3を機械加工で形成する場合、一般的にエンドミル等の切削工具が広く用いられている。
【0009】
しかしながら、上述した渦巻き状ラップ3を有するスクロール部材では、加工工程において、インボリュート部が、切削工具を渦巻き状ラップ3に沿ってワンパス(いわゆる一筆書き状)で加工することが可能なことから、その仕上がりにばらつきが生じ難いのに対し、非インボリュート部は、曲率が狭いことから仕上がりにばらつきが生じる場合があった。
【0010】
このように、上述したスクロール型圧縮機では、スクロール部材の渦巻き状ラップ3の面形状に加工誤差が生じ易いことから、以下のような問題点があった。例えば、渦巻き状ラップ3の中央始端部が突出した状態で形成されると、この突出部分が他の部分よりも先に嵌合する相手側のスクロール部材の渦巻き状ラップ3に当接するため、異音が生じたり、破損し易くなってしまう問題があった。
【0011】
一方、この中央始端部が突出するのを避けるべく、凹んだ状態で形成させると、嵌合するスクロール部材の渦巻き状ラップ3における外周側のみが当接して、ラップの中心部が離れて隙間を生じることにより、最内方の密閉空間からガスの漏洩が発生するため、シールが不完全となって圧縮機の性能を不安定にしてしまう問題があった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたもので、加工精度を容易に確認して加工誤差を格段と低減させ、固定スクロールと旋回スクロールのかみ合わせの信頼性をより一層向上させ得るスクロール型圧縮機の検査方法を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、以下の手段を採用した。
請求項1に記載のスクロール型圧縮機の検査方法は、端板に渦巻き状のラップを立設させた固定スクロールと、当該固定スクロールに対向して嵌合される端板に渦巻き状のラップを立設させた旋回スクロールとが、上記旋回スクロールの公転運動に伴い、上記旋回スクロールのラップ壁面および端板と、上記固定スクロールのラップ壁面および端板とに囲まれて形成される複数の空間の密閉具合が保たれるように配設されるスクロール型圧縮機の検査方法において、上記固定スクロールおよび上記旋回スクロールの上記ラップにおける中央始端部の非インボリュート部の一点と、この一点から上記渦巻き1周分外周で、かつ当該一点と同一伸開線上の上記ラップにおける他点との距離が、予め設定される設計値以内であるか否かを検査することを特徴とする。
【0014】
上記請求項1に記載のスクロール型圧縮機の検査方法によれば、固定スクロール及び旋回スクロールにおけるラップの加工精度を容易に確認し得るため、このようなスクロール部材の加工誤差を格段に低減させることができる。
【0015】
請求項2に記載のスクロール型圧縮機の検査方法は、端板に渦巻き状のラップを立設させた固定スクロールと、当該固定スクロールに対向して嵌合される端板に渦巻き状のラップを立設させた旋回スクロールとが、上記旋回スクロールの公転運動に伴い、上記旋回スクロールのラップ壁面および端板と、上記固定スクロールのラップ壁面および端板とに囲まれて形成される複数の空間の密閉具合が保たれるように配設され、上記各ラップの中央始端部の壁厚が、上記各端板への付け根側に向かって段階状に厚くなる段階形状部が形成されたスクロール型圧縮機の検査方法において、上記各中央始端部の外壁インボリュート開始点と、該外壁インボリュート開始点に近い方のシールオフポイントとの間を検査範囲とした場合に、この検査範囲上の一点と、この一点から上記渦巻き1周分外周で、かつ当該一点と同一伸開線上の上記ラップにおける他点との距離が、予め設定される設計値以内であるか否かを検査することを特徴とする。
【0016】
上記請求項2に記載のスクロール型圧縮機の検査方法によれば、固定スクロール及び旋回スクロールの各ラップにおける中央始端部の加工精度を容易に確認し得るため、これら中央始端部における加工誤差を格段に低減させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明における各実施形態について説明するが、本発明がこれのみに限定解釈されるものでないことはもちろんである。
【0018】
まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。なお、図1は、本実施の形態におけるスクロール型圧縮機の全体構成を示す断面図である。図1において、符号11はハウジングを示しており、このハウジング11は、カップ状に形成されたハウジング本体11aと、該ハウジング本体11aの開口端側に固定された蓋板11bとで構成されている。
【0019】
ハウジング11の内部には、固定スクロール12および旋回スクロール13からなるスクロール型圧縮機構が配設されている。これら固定スクロール12および旋回スクロール13は、それぞれ端板12a、13aの一側面に渦巻き状ラップ12b、13bが立設された構成となっており、当該各渦巻き状ラップ12b、13bは、実質的に同一形状をなしている。また、渦巻き状ラップ12b、13bの各上縁には、圧縮室Cの気密性を高めるためのチップシール27、28が配設されている。
【0020】
固定スクロール12は、ボルト14によってハウジング本体11aに締結されている。
また、旋回スクロール13は、固定スクロール12に対して相互に公転旋回半径だけ偏心し、かつ180〔°〕だけ位相をずらした状態で、渦巻き状ラップ12b、13b同士をかみ合わせて組み付けられており、蓋板11bと端板13aとの間に設けられた自転阻止機構15によって自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持されている。
【0021】
蓋板11bには、クランク16aを備える回転軸16が貫通されており、ベアリング17a、17bを介して蓋板11bに回転自在に支持されている。
【0022】
旋回スクロール13側の端板13aの他端面の中央には、ボス18が突設されている。
ボス18にはクランク16aの偏心部16bが軸受19およびドライブブッシュ20を介して回動自在に収容されており、旋回スクロール13は回転軸16を回転させることによって公転旋回運動するようになっている。また、回転軸16には、旋回スクロール13に与えられたアンバランス量を打ち消すためのバランスウェイト21が取り付けられている。
【0023】
また、ハウジング11の内部には、固定スクロール12の周囲に吸入室22が形成され、さらにハウジング本体11a内の底面と端板12aの他側面とによって区画された吐出キャビティ23が形成されている。
【0024】
ハウジング本体11aには、吸入室22に向けて低圧の流体を導く吸入ポート24が設けられ、固定スクロール12側の端板12aの中央には、容積を漸次減少させながら中心部に移動してきた圧縮室Cから吐出キャビティ23に向けて高圧の流体を導く吐出ポート25が設けられている。また、端板12aの他側面(裏面)は、所定の大きさ以上の圧力が作用した場合にのみ吐出ポート25を開く吐出弁26が設けられている。
【0025】
以上説明の構成を有する本実施形態のスクロール型圧縮機の全体動作について説明すると、図示されないモータによって前記回転軸16をその軸心回りに回転駆動させる。すると、偏心軸16bが旋回スクロール13を、固定スクロール12に対して自転を阻止されつつ公転旋回運動させる。そして、吸入ポート24より取り込まれた低圧の流体は、体積を漸次減少させて徐々に高圧化しながら移動し、ついには吐出ポート25を通って吐出キャビティ23へと吐出される。
【0026】
以上に本実施の形態におけるスクロール型圧縮機の全体構成およびその動作を説明したが、続いて、本発明の特徴であるスクロール型圧縮機の検査方法について、図2を参照しながら以下に詳細を述べる。なお、以下の説明においては、旋回スクロール13側の渦巻き状ラップ13bを参照して説明を続けるが、固定スクロール12側の渦巻き状ラップ12bについても、同様の検査方法を適用するものとする。
【0027】
さて、かかるスクロール型圧縮機では、例えば図2に示す以下の手順によって、旋回スクロール13の中央始端部の加工精度の検査を行うようになっている。
【0028】
なお、この旋回スクロール13の中央始端部は、渦巻き状ラップ13bの外壁を形成するインボリュート曲線(基礎円から生成される曲線)上の任意の伸開角α〔°〕の位置(すなわち外壁インボリュート開始点β1)から、この渦巻き状ラップ13bの渦巻き進入方向とは逆の方向に、内壁を形成するインボリュート曲線上のα+180〔°〕の伸開角位置(すなわち内壁インボリュート開始点β2)までの間の部位(以下、これを非インボリュート部と称す)を大小2つの円弧で接続し、この非インボリュート部と、それ以外のインボリュート曲線でなるインボリュート部とにより形成されている。
【0029】
この渦巻き状ラップ13bの中央始端部の加工精度を確認する検査方法では、端板13a(図1)に立設させて形成された渦巻き状ラップ13bにおける非インボリュート部内の一点X1を基準として、この一点X1から渦巻き1周分外周で、かつ当該一点X1と同一伸開線30上のインボリュート部と交わる他点X2までの距離Lが、予め設定される設計値以内であるか否かを計測する。
【0030】
このように、この検査方法では、渦巻き状ラップ13bにおける非インボリュート部内の一点X1と、この一点X1から渦巻き1周分外周で、かつ当該一点X1と同一伸開線30上のインボリュート部と交わる他点X2との2点間距離Lを計測するという簡単な検査により、渦巻き状ラップ13bの中央始端部の加工精度を容易に確認することができる。
したがって、渦巻き状ラップ13bの中央始端部が、設計値以内の精度で加工されているか否かを容易に判断し得るため、このような旋回スクロール13(スクロール部材)の加工誤差を格段と低減することができる。
【0031】
続いて、本発明の第2実施形態を、図3を参照しながら以下に説明する。なお、本実施形態の検査方法が適用されるスクロール型圧縮機は、上記第1実施形態のスクロール型圧縮機に比較して、旋回スクロール及び固定スクロールの各渦巻き状ラップの中央始端部の壁厚が、各端板への付け根側に向かって2段階状に厚くなる段階形状部を有する段付きスクロールである点が特に異なっており、その他の構成要素については、上記第1実施形態のスクロール型圧縮機と同様であるとして説明を省略する。図3は、旋回スクロール13の渦巻き状ラップ13bの中央始端部101を対向視した部分拡大図である。
【0032】
中央始端部101は、その壁厚が、前記端板13aへの付け根側に向かって2段の段階状に厚くなる段階形状部Dが形成された構成となっている。すなわち、この段階形状部Dでは、渦巻き状ラップ13bの高さ方向(端板13aに垂直な方向)で壁厚が変化しており、その壁厚は、端板13a側となる付け根側では厚く、これよりも上方では薄くなるよう構成されている。
【0033】
この中央始端部101は、外壁インボリュート開始点をβ1点、内壁インボリュート開始点をβ2点、シールオフポイントをβ'1点及びβ'2点とした場合に、β1点からβ'1点にかけての間と、β2点からβ'2点にかけての間とで、渦巻壁12bの前記高さ方向で一定の肉厚寸法を有し、かつ、他の中央始端部(図示せず)との間で互いに噛み合う無段階部M1,M2とされ、β'1点からβ'2点にかけての間が、前記段階形状部Dを有する有段階部Uとされている。
【0034】
前記外壁インボリュート開始点(β1点)及び前記内壁インボリュート開始点(β2点)は、インボリュート基礎円110を中心として渦巻壁12bの形状を形成するインボリュート曲線の形成開始点である。また、前記シールオフポイント(β'1点及びβ'2点)は、圧縮工程で接触していた固定スクロール部材12及び旋回スクロール部材13の各渦巻き状ラップ12b,13bどうしが離間する瞬間の接点、あるいは、吐出ポート25に連通する圧縮室に隣接した圧縮室が吐出ポート25を覗く瞬間における噛み合い点である。
【0035】
上記中央始端部101は、例えばインボリュート開始点(β1点)より外側のインボリュート部の根元がピン角となっているのに対して、このインボリュート開始点(β1点)よりも内側では、強度向上のために根元が丸みを有している。このため、中央始端部101内では、複数種類のカッター(切削工具)を用いる必要がある。したがって、切削工具の差によるずれが発生しやすくなっている。そこで、本実施形態では、特に加工精度が要求される、外壁インボリュート開始点(β1点)及び、該外壁インボリュート開始点に近い方のシールオフポイント(β'1点)との間を検査範囲Sとし、この検査範囲Sの検査に本発明を適用するものである。
【0036】
すなわち、この検査範囲S上の一点X3と、この一点X3から渦巻き1周分外周で、かつ当該一点X3と同一伸開線30上の渦巻き状ラップ13bにおける他点X4との距離L'が、予め設定される設計値以内であるか否かを検査する。そして、この検査方法では、
検査範囲Sに隣接する有段階部Uの上段側壁面(他の範囲)を機械加工する際のカッター(切削工具)を、そのまま連続して該検査範囲S間に走らせ、該検査範囲Sのラップ壁面にカッターが接触するか否かで、上記一点X3及び他点X4間の距離L'が予め設定される設計値以内であるか否かを検査する。
【0037】
すなわち、例えば前記上段側壁面であるβ'2点からβ'1点までカッターで切削加工した後、そのままβ'1点からβ1点方向までカッターを走らせる。そして、検査範囲Sに、カッターが接触した傷が見られない場合には、正常に加工されていると判断し、傷ができてしまった場合には、検査範囲Sに出っ張りがあると判断する。
【0038】
このような本実施形態の検査方法によれば、中央始端部101における加工誤差を格段に低減させることができるので、固定スクロール12及び旋回スクロール13間で、各中央始端部101の上記検査範囲S同士が噛み合って破損することを防止することが可能となる。しかも、この方法検査は、渦巻き状ラップ13bを機械加工する工程に対して、検査範囲Sをカッターで通過させる1工程のみを加えるだけなので、容易に検査することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、固定スクロールおよび旋回スクロールのラップにおける中央始端部の非インボリュート部の一点と、この一点から渦巻き1周分外周で、かつ当該一点と同一伸開線上のラップにおける他点との距離が、予め設定される設計値以内であるか否かを検査する方法を採用した。この方法によれば、これら固定スクロールおよび旋回スクロールにおけるラップの加工精度を容易に確認し得るため、このようなスクロール部材の加工誤差を格段と低減することができる。かくして、固定スクロールと旋回スクロールのかみ合わせの信頼性を、より一層向上させ得るスクロール型圧縮機の検査方法を実現することが可能となる。
【0040】
また、請求項2に記載の発明は、各中央始端部の外壁インボリュート開始点と、該開始点に近い方のシールオフポイントとの間を検査範囲とした場合に、この検査範囲上の一点と、この一点から渦巻き1周分外周で、かつ当該一点と同一伸開線上のラップにおける他点との距離が、予め設定される設計値以内であるか否かを検査する方法を採用した。この方法によれば、中央始端部における加工誤差を格段に低減させることができるので、固定スクロール及び旋回スクロール間で、各中央始端部の上記検査範囲同士が噛み合って破損することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるスクロール型圧縮機の第1実施形態を示す図であり、その全体構成を示す断面図である。
【図2】 同スクロール型圧縮機に用いられる部品を示す図であって、旋回スクロールの渦巻き状ラップにおける非インボリュート部の加工精度測定方法の説明に供する横断面図である。
【図3】 本発明が適用されるスクロール型圧縮機の要部を示す図であって、旋回スクロールの渦巻き状ラップにおける中央始端部の加工精度測定方法の説明に供する部分拡大図である。
【図4】 従来のスクロール型圧縮機に用いられるスクロール部材を示す図であって、(a)は固定スクロール部材の斜視図、(b)は旋回スクロール部材の斜視図である。
【図5】 従来のスクロール型圧縮機に用いられる他のスクロール部材を示す図であって、渦巻き状ラップ中央部の平面図である。
【符号の説明】
12 固定スクロール
12a 端板
12b 渦巻き状ラップ
13 旋回スクロール
13a 端板
13b 渦巻き状ラップ
30 伸開線
101 中央始端部
D 段階形状部
S 検査範囲
X1,X3 一点
X2,X4 他点
β1 外壁インボリュート開始点
β'1 外壁インボリュート開始点に近い方のシールオフポイント
β2 内壁インボリュート開始点

Claims (2)

  1. 端板に渦巻き状のラップを立設させた固定スクロールと、当該固定スクロールに対向して嵌合される端板に渦巻き状のラップを立設させた旋回スクロールとが、上記旋回スクロールの公転運動に伴い、上記旋回スクロールのラップ壁面および端板と、上記固定スクロールのラップ壁面および端板とに囲まれて形成される複数の空間の密閉具合が保たれるように配設されるスクロール型圧縮機の検査方法において、
    上記固定スクロールおよび上記旋回スクロールの上記ラップにおける中央始端部の非インボリュート部の一点と、この一点から上記渦巻き1周分外周で、かつ当該一点と同一伸開線上の上記ラップにおける他点との距離が、予め設定される設計値以内であるか否かを検査することを特徴とするスクロール型圧縮機の検査方法。
  2. 端板に渦巻き状のラップを立設させた固定スクロールと、当該固定スクロールに対向して嵌合される端板に渦巻き状のラップを立設させた旋回スクロールとが、上記旋回スクロールの公転運動に伴い、上記旋回スクロールのラップ壁面および端板と、上記固定スクロールのラップ壁面および端板とに囲まれて形成される複数の空間の密閉具合が保たれるように配設され、上記各ラップの中央始端部の壁厚が、上記各端板への付け根側に向かって段階状に厚くなる段階形状部が形成されたスクロール型圧縮機の検査方法において、
    上記各中央始端部の外壁インボリュート開始点と、該外壁インボリュート開始点に近い方のシールオフポイントとの間を検査範囲とした場合に、この検査範囲上の一点と、この一点から上記渦巻き1周分外周で、かつ当該一点と同一伸開線上の上記ラップにおける他点との距離が、予め設定される設計値以内であるか否かを検査することを特徴とするスクロール型圧縮機の検査方法。
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