JP3943690B2 - プレキャストコンクリート製品とそのコンクリート製品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、左官仕上げに替わり、セルフレベリング材によりプレキャストコンクリート製品の打設表面を平滑に仕上げ、かつ仕上げたセルフレベリング材とコンクリートとが仕上げ面のいずれの箇所でも均一に高い付着強度を発現できることを特徴とするプレキャストコンクリート製品とそのコンクリート製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にプレキャストコンクリート製品は、所定の製品型枠にコンクリートを打設し、型枠内にコンクリートが十分充填されるようバイブレーターによる振動締め固めを行った後、型枠の使用効率を上げるために、蒸気養生を行ってコンクリートを早期に硬化させ、脱型することで製造されている。
【0003】
その際、コンクリートの打設面は蒸気養生前の打設したコンクリートが未だ固まらない状態の時期に、金ゴテ仕上げ等による表面仕上げが行われてきた。
【0004】
また、振動締め固めを行ったコンクリート表面に直接セルフレベリング材を施工するという方法も考えられている(特開昭59−57711号、特開平6−157164号)。
【0005】
さらに、振動締め固めを行ったホットコンクリート表面に直接セルフレベリング材を施工するという方法も考えられている(特開平1−216805号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、金ゴテ等の表面仕上げを行う左官工が慢性的に不足しており、さらに左官仕上げは技術の熟練を必要とするため、これに替わるプレキャストコンクリート製品の表面仕上げ方法が必要とされている。
【0007】
これに対して、振動締め固めを行った未硬化コンクリート表面に直接セルフレベリング材を施工するという方法では、基本的にセルフレベリング材の付着強度は、セルフレベリング材とコンクリートとの界面状態に左右されるため、セルフレベリング材を施工した全面にわたって、均一に付着することは期待できない。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、プレキャストコンクリート製品の生産数量の増加に伴い、不足している左官工によるコテ仕上げなどに替わり、表面仕上げの簡素化、時間の短縮、省力化を行い、コンクリート打設面の表面平滑仕上げ性に優れ、かつ仕上げたセルフレベリング材とコンクリートとが仕上げ面のいずれの箇所でも均一に高い付着強度を発現するプレキャストコンクリート製品を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、未硬化コンクリートとセルフレベリング材とを仕上げ面全面にわたって、両者の界面を無くし、一体性を持たせれば、仕上げ面全体で均一で高い付着強度を発現するという点、また、混練により均一な混練物層を形成すれば、両者の界面がなくなり、両者に一体性を持たせることができるという点に着目してなされたものである。
【0010】
本発明のプレキャストコンクリート製品の製造方法としての特徴は、所定の枠内に打設した未硬化コンクリート表面にセルフレベリング材スラリーを流し込み、次いで未硬化コンクリート表面とセルフレベリング材スラリーとを混練することにより両者の界面をなくし一体化させ、更にセルフレベリング材スラリーを流し込むことにある。
本発明のプレキャストコンクリート製品としての特徴は、斯かる製造方法によって製造されてなり、コンクリートとセルフレベリング材との界面がなく、両者が一体に形成されてなることにある。
【0011】
即ち、未硬化コンクリート表面とセルフレベリング材スラリーとの界面を混練することによって、両者間に存在する界面が無くなるとともに両者が一体化し、付着性が向上することになる。
【0012】
未硬化コンクリート表面とセルフレベリング材スラリーとの混練には、請求項3記載のように多孔質網状ローラー(通称、マスティックローラー)を用いれば、施工が簡便で充分混練できるためより効果的である。
【0013】
プレキャストコンクリート製品を製造するためのコンクリートは、一般にセメント、粗骨材、細骨材、減水剤、AE剤及び水で構成されている。
【0014】
セメントは、普通ポルトランドセメント、高炉セメント及び流動化セメントなどが使用されるが、普通ポルトランドセメントが一般的である。
【0015】
これらの材料を練り混ぜたコンクリートを十分に充填するため、テーブル振動機で振動をかけながら製品用型枠に打設する。
【0016】
コンクリートの深さ方向が長い場合、棒状の振動機で振動をかけ、コンクリート中の余分な空気を抜き、さらに充填性を高める。
【0017】
振動をかける時間は、コンクリートの配合による流動性の違い、型枠の大きさにより左右されるが、一般的には8分以内、好ましくは5分以内とするのがよい。
【0018】
また、コンクリートを型枠の上面から2mmから10mmの深さ、好適には3mm〜6mmの深さを残して打設し、そのままの状態で通常1時間以上好ましくは3時間以上放置する。
【0019】
次に、コンクリート表面にセルフレベリング材スラリーを流し込む。
【0020】
その際、型枠上面まで仕上げるために必要なセルフレベリング材スラリー量より少量、好ましくは、約半分量を流し込む。
【0021】
このスラリーの流動性としてはフロー値200mm以上が好ましい。
【0022】
ここで、フロー値とは、内径50mm、高さ51mmのパイプ(内容積100cm3)をガラス板上に置き、これにセルフレベリング材スラリーを入れた後、静かにパイプを引き上げ、円形に広がったセルフレベリング材スラリーの径を測定した値である。
【0023】
流し込み方法は、コンクリート表面の中心部に必要量を連続的に流し込むことが好ましい。連続的に流し込むことによって、コンクリート表面とセルフレベリング材スラリーとの一体性が増すことになる。
【0024】
次いで、例えばマスティックローラーを用いて、流し込んだセルフレベリング材スラリーを未硬化コンクリート表面に塗りつけるように延ばして両者を混練し、打設コンクリート全面に塗り広げる。
【0025】
さらに、残りのセルフレベリング材スラリーの必要量をその上から流し込む。
【0026】
流し込み方法は、先に述べたと同様、コンクリート表面の中心部に必要量を連続的に流し込むことが好ましい。
【0027】
更に打設面積が広い場合には、流し込んだ後、直ちに金ゴテや、トンボのようなものを使用し、平滑にすることが好ましい。
【0028】
上記のように、セルフレベリング材スラリーを流し込んだ後、直ちに蒸気養生する。
【0029】
蒸気養生は、通常行われている昇温速度(20℃/時間)、最高温度(65℃)、保持時間(3時間)のもとで行うことが好ましい。
【0030】
この方法で仕上げられたプレキャストコンクリート製品のセルフレベリング材層表面は、平滑な表面を呈し、コンクリートからのセルフレベリング材層の剥離、及び両者の間に生じる隙間を防止できる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例
内寸法40×40×6.5cmの木製型枠に上端から5mm残して、最大粒径20mmの粗骨材を使用した表1に示す配合のコンクリートをテーブル振動機で振動をかけながら約1分間で打設した。
【0032】
この配合のコンクリートのフレッシュ性状はスランプ8.5cm、空気量4.8%であり、蒸気養生後の圧縮強度は材齢14日で38.2N/mm2、引っ張り強度は材齢1日、14日、28日で、それぞれ1.6N/mm2、1.8N/mm2、2.1N/mm2であった。
【0033】
【表1】
【0034】
コンクリートを打設した後、3時間の前置き養生を行った。
その後、砂、セメント、減水剤、消泡剤及び増粘剤を主原料とするセメント系セルフレベリング材を、水と混合してスラリーとし、型枠上面まで仕上げるために必要なセルフレベリング材スラリーの約半分量を打設したコンクリート表面の中心部に流し込んだ。
【0035】
次いで、マスティックローラーにより未硬化コンクリート表面とセルフレベリング材スラリーとの混練を行った後、更に残りのセルフレベリング材スラリーを流し込んだ。
【0036】
この時のスラリーのフロー値は220mmであり、中心部に流し込んだスラリーは、自然に全面に広がった。
【0037】
セルフレベリング材スラリーを全て流し込んだ後、直ちに蒸気養生を行い試験体の作製を行った。
【0038】
尚、蒸気養生は、20℃での前置き養生を3時間行った後に昇温速度20℃/時間で65℃まで昇温し、65℃で3時間保持した後、自然放冷し、以後温度20℃、湿度60%RHの恒温室で付着試験の各材齢まで養生を行った。
【0039】
作製した試験体の表面性状を観察し、更にセルフレベリング材の付着強度を測定した。
【0040】
セルフレベリング材の付着強度はセルフレベリング材を4cm×4cmの大きさで深さ約1cmほど下地コンクリートまでカットし、蒸気養生終了後、1日目、14日目及び28日目で小型接着剥離試験機により、各材齢で打設面中心部3個、型枠周辺部3個の付着試験を行った。
【0041】
試験結果を表2の上段に示す。
【表2】
【0042】
実施例のものは、硬化したコンクリートとセルフレベリング材スラリーの間に明確な界面が存在せず、界面が均一に混練されており、セルフレベリング材層の剥離や、両者の間の隙間は全く認められなかった。
【0043】
更に、セルフレベリング材の付着試験の結果によれば、実施例のものは、下地コンクリートから破断した。
【0044】
このことは、セルフレベリング材の付着強度がコンクリートの引張強度を超えるものであることを示すものである。
【0045】
更に、剥離の起こりやすい型枠周辺部分と打設面中心部分との付着強度には大きな差は見られなかった。
【0046】
比較例
比較例として、打設したコンクリート表面に、型枠上面まで仕上げるために必要なセルフレベリング材スラリーの全量を、コンクリートを打設した後直ちに流し込み、実施例と同様に蒸気養生を行った。以下、実施例と同様に試験を行った。
【0047】
比較例のものは、硬化したコンクリートとセルフレベリング材層との間に明確な界面が存在し、表2の下段に示すように、付着している部分とほとんど付着していない部分がありコンクリートとセルフレベリング材との界面での剥離や隙間が認められた。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載されたプレキャストコンクリート製品は、単に未硬化コンクリート表面にセルフレベリング材スラリーを流すことによって表面処理されたプレキャストコンクリート製品と比較して、セルフレベリング材とコンクリートとの付着性に非常に優れた効果を有する。
【0049】
また、請求項2及び3記載のプレキャストコンクリート製品の表面仕上げ方法により、従来の金ゴテ仕上げ等に替わりプレキャストコンクリート製品のコンクリート打設面を簡便に平滑に仕上げることが可能となる。また、単に未硬化コンクリート表面にセルフレベリング材スラリーを流し込む方法と比較して、セルフレベリング材の付着性に非常に優れたプレキャストコンクリート製品を得ることができる。
Claims (3)
- 所定の型枠内に打設した未硬化コンクリート表面にセルフレベリング材スラリーを流し込み、次いで未硬化コンクリート表面とセルフレベリング材スラリーとを混練することによって両者の界面をなくし一体化させ、更にセルフレベリング材スラリーを流し込むことを特徴とするプレキャストコンクリート製品の製造方法。
- 多孔質網状ローラーにより混練することを特徴とする請求項1記載のプレキャストコンクリート製品の製造方法。
- 請求項1又は2に記載のプレキャストコンクリート製品の製造方法により製造されてなることを特徴とするプレキャストコンクリート製品。
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JP2544598A JP3943690B2 (ja) | 1998-02-06 | 1998-02-06 | プレキャストコンクリート製品とそのコンクリート製品の製造方法 |
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JPH11221812A JPH11221812A (ja) | 1999-08-17 |
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1998
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