JP3652569B2 - 透水性舗装用コンクリートブロック、その製造方法及び透水性舗装版 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透水性舗装用コンクリートブロック、その製造方法及び透水性舗装版に関し、特に、割れや欠けが発生しにくくて耐久性に優れ、通路、車道、歩道、駐車場、バス停等に敷設される透水性舗装用コンクリートブロック、その製造方法及び透水性舗装版に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、美観に優れた舗装用コンクリートブロックとして、インターロッキングブロック(ILB)が広く利用されている。
従来のインターロッキングブロックを用いて舗装された透水性舗装版の例は、図7に示すように、砕石9を締め固めた路盤の上に砂8を敷き詰め、その上に一面に、インターロッキングブロック10が敷設されたものである。また、インターロッキングブロック10とインターロッキングブロック10との間に形成されている目地14には、砂が充填される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インターロッキングブロック10を、高い透水性を有するようにポーラスコンクリートにより形成する場合、非常に脆く、図7に示すように、割れ12や欠け13が発生し易いという不都合が顕著になることがあった。特に、角部10aは、透水性舗装版上に荷重をかけた場合に生じるインターロッキングブロック10同士の衝突などによって欠けやすく、問題となる。
【0004】
よって、本発明は、割れや欠けが発生し難くて耐久性に優れ、しかも製造容易な透水性舗装用コンクリートブロック、その製造方法及び透水性舗装版を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法は、型枠内にコンクリートを注入してコンクリートを遠心成形し、外側に不透水性のコンクリート層を有し、該不透水性のコンクリート層の内側に透水性のコンクリート層を有するブロックを製造する製造方法である。
前記の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法において、不透水性のコンクリート層の外周面に沿って補強板を設けることが好ましく、また前記補強板の表面に、係合用の凹部または凸部を形成することが好ましい。
本発明の透水性舗装用コンクリートブロックは、前記の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法によって製造されたものである。
本発明の透水性舗装版は、前記の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法によって製造された透水性舗装用コンクリートブロックが敷設されてなるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の製造方法によって得られた透水性舗装用コンクリートブロックを示す図であり、図2はその断面図であり、図6は本発明の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法の例を示す図である。
本発明の透水性舗装用コンクリートブロック(以下、ブロックと略記することがある。)の製造方法の例は、図6に示すように、型枠30の中空部に流動性のあるモルタル分を有するコンクリート31を充填して、前記コンクリート31を型枠30の中で遠心成形し、遠心力により前記コンクリート31に含まれるコンクリート流動性成分を型枠31の内周面30aの方に密に分離させ、そしてコンクリート31を硬化させて、図1、2に示すように、外側に、密実な不透水性のコンクリート層(以下、不透水層ということがある。)2を有し、該不透水層2の内側に透水性のコンクリート層(以下、透水層ということがある。)3を有するブロック1を製造する方法である。このような製造方法によればブロック1の製造が容易であり、また不透水層2と透水層3とは継ぎ目なく確実に一体化される。
【0007】
コンクリート31として、バインダーと粗骨材とを含み、常温(20℃)で流動性を有するものが好ましく用いられる。バインダーとは、粗骨材どうしを結合するためのものであり、セメントと水の混合物に必要に応じて細骨材、混和材などが添加されたものが挙げられる。
前記セメントとして、普通ポルトランドセメントの他に、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、低熱ポルトランドセメント、アルミナセメント、ジェットセメントなどの無機セメントが好ましく用いられる。
【0008】
細骨材として実積率が約53〜73%のもの、例えば67%のものが好ましく用いられる。細骨材として、川砂の他に、海砂、砕石砂、スラグ砂等の砂が挙げられる。細骨材として、JIS A0203に規定されるもの、すなわちその全てが目開き10mmのフルイ目を通過し、その総量の85重量%以上が目開き5mmのフルイ目を通過するものが好ましい。
【0009】
粗骨材20として、砕石、川砂利等の砂利が挙げられる。粗骨材20として、実積率が約45〜70%のものが好ましく用いられる。粗骨材20の例は、最大寸法が40mmで実積率50%のもの、或いは、最大寸法が20mmで実積率59%のものである。粗骨材20は大きな空隙を有するブロックを製造する場合は、最大寸法が単一粒度のもの(例えば、粒径が30〜40mmの範囲にある粗骨材)が好ましい。また、粗骨材20の最大寸法(GmaX )は、7mm以上、40mm以下であることが好ましい。従って、粗骨材20として目開き40mmのフルイ目を通過するものが好ましく、その実質的全てが目開き50mmのフルイ目を通過し、その実質的全てが目開き5mmのフルイ目を通過しないものが特に好ましい。粗骨材20の粒径が小さいと透水層3の透水性が低下し易いし、粗骨材20の粒径が大きいと透水層3は透水性に優れるが強度が劣り易い。
【0010】
尚、細骨材、粗骨材の実積率とは、単位容積に占める骨材正味の容積割合を意味し、試験規格JIS A1104によって測定できる。
【0011】
前記コンクリート31として、混和材が添加された無機コンクリートを用いることができる。混和材としては、無機系混和材および有機系混和材が挙げられる。無機系混和材として、高強度混和材、例えば住友大阪セメント社製の「ノンクレーブ」(商品名)やシリカフューム、フライアッシュ、スラグ粉末等が挙げられる。
有機系混和材としては減水剤およびポリマーが挙げられる。減水剤はコンクリートに添加される水の量を減少してコンクリート硬化物の高強度化のために添加される添加剤であって、例えばナフタリンスルホン酸塩、ホルマリン高縮合物の塩、アルキルアリルスホン酸塩等を主成分とするもので、その具体例は高性能減水剤である花王社製の「マイティ150」(商品名)である。
また、ポリマーは、高強度、高耐久性を得る目的で用いられ、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂等の高分子樹脂液や、スチレンブタジエンゴム等が挙げられる。
【0012】
透水性舗装用コンクリートブロック(ブロック)を製造するために好適なコンクリートの配合例を表1に二例示す。
【0013】
【表1】
【0014】
表1において、GmaX とは粗骨材(砂利)の最大寸法を意味し、水−セメント比(W/C)とは水の重量をセメントの重量で割り、その値を100倍したものを、s/aとは細骨材率であって、細骨材と全骨材量との絶対容積比を百分率で表示したものである。配合は、コンクリート1m3 当たりに含まれる水、セメント等の成分を重量(kg)で示したものである。
細骨材率s/aを変化させることにより、不透水層の厚さを変化させることができる。細骨材率s/aがゼロであっても、セメント量が多く、流動性の高いペーストを有する場合、不透水層を形成する。細骨材率s/aは、0〜30%であることが好ましい。
【0015】
透水性舗装用コンクリートブロック(ブロック)を製造するために、図6(a)に示すように、筒型に形成された型枠30が用いられる。型枠30の大きさは任意であるが、その例として内径Dが20cmで、中空部の長さLが30cmのものが挙げられる。
型枠30として、中空部の断面形状が円形のものだけでなく、四角形、六角形等の多角形の中空を有するものを用いることができる。また、図6(c)のように、断面形状が円形の中空を有する型枠30内に仕切り35aを挿入すると、図1に示すように六角形の輪郭を有するブロック1を製造できる。
また、型枠30の長さLよりも厚みが薄いブロックを製造する場合は、型枠30内に、ブロックの厚さ毎に仕切り35bを挿入して成形すればよい。
【0016】
型枠30は、鋳物、鉄、ステンレスなどの金属板を、仕切り35a、bは、前記の材質のものに加えて木材、樹脂板などを用いて作製でき、その材質は特に限定されない。
【0017】
次に、ブロックの製造方法の例を図6に基づき更に詳しく説明する。
ブロックの製造のために、回転するローラーと、該ローラーの上にコンクリートが充填された型枠が載置され、前記コンクリートに遠心力を与えるローラー型遠心成形装置が好ましく用いられる。
ローラー型遠心成形装置の例は、図6(b)に示すように、支持台40と、該支持台40に取り付けられてその上で回転する複数の連結ローラー46とを備え、該連結ローラー46は支持台40の長手方向と直角な方向に支持台40上に略水平に配置される軸42と、該軸42の両端部に固着されて回転する一対のローラー44、44とを備え、連結ローラー46はベルト48により一方向に支持台40上で回転させられる装置が挙げられる。
図6(b)に示すように、支持台40の上に、多数の連結ローラー46を配置すると、一度に多数個のブロックを製造できる。
【0018】
一方、型枠の例として、図6(a)に示すように、円筒状の胴部と、該胴部の両端部に配置されて注入されたコンクリート31が流出しないようにする蓋32、32と、両端部に配置され断面円形の外形を有する段部を有する鍔34、34とを備えた型枠30であって、図6(b)に示すように、前記鍔34、34の外側の段部の内側面34a、34aが一対の連結ローラー46、46の4個のローラー44の外側面44aの外側に位置し、内側の段部が4個のローラー44の上面の上に載置され、この載置された型枠30が一対の連結ローラー46、46の上で脱落することなく回転する型枠30が挙げられる。
【0019】
ブロックを製造するには、図6(a)に示すように、型枠30の中空部に粗骨材20を含み流動性を有するコンクリート(例えば、表1に示す配合のもの。)31を注入し、注入したコンクリート31が流出しないよう蓋32にて型枠30を密閉し、更に、型枠30の両端部に鍔34、34を取り付けることで、コンクリート31が注入された型枠30を準備する。
そして、コンクリート31が注入された型枠30を、図6(b)に示すように、一対の連結ローラー46、46の上に載置する。
【0020】
次に、モータ(不図示)によりベルト48を駆動して、連結ローラー46を支持台40の上で回転させることで、コンクリート31が充填された型枠30を一対の連結ローラー46、46の上で回転させる。
コンクリート31が充填された型枠30はその重量により、鍔34の内側の段部の表面と4個のローラー44の上面との間の接触面に摩擦力を生じるので、必要な遠心力がローラー44を介して型枠30内のコンクリート31に与えられる。
【0021】
型枠30の回転による遠心力により、コンクリート流動性成分の一部を型枠30の内周面30aの方に密に分離させた後、コンクリート31に遠心力を与えた状態でコンクリート31を硬化させる。そして、コンクリート31の硬化後、型開きしてコンクリート31の硬化物、即ちブロックを取り出し、養生することにより目的とするブロックが得られる。尚、コンクリート流動性成分とは、セメントと水と必要に応じて添加される細骨材や混和材からなる成分である。
【0022】
以上の製造方法により、図1、2に示すように、粗骨材20が不透水層2と透水層3の全体にわたってほぼ均一に分布し、外側に不透水層2が形成され、該不透水層2の内側に、断面が略円形の輪郭を有する透水層3が形成されたブロック1が得られる。透水層3の周囲を取り囲む不透水層2は粗骨材20と該粗骨材20の隙間をほぼ完全に埋めるコンクリート硬化物21aとからなるので、不透水層2は連続空隙を有さず不透水性である。尚、不透水層2中のコンクリート硬化物21aは、遠心力により分離されたコンクリート流動性成分の硬化物である。一方、透水層3は、粗骨材20と、該粗骨材20を連結するコンクリート硬化物21bとよりなる。透水層3中の粗骨材20は、遠心力により分離されずに粗骨材20の表面上に或いは粗骨材20と粗骨材20との間の隙間に残留したコンクリート流動性成分の硬化物によって結合されている。従って、透水層3は、上下方向に連通する連続空隙22を無数に有して、図2中に矢印で示すように水が通過する。尚、不透水層2の厚さaと透水層3の厚さbとの比(a:b)を、約1:2〜10とし、不透水層2の厚さaを透水層3の厚さbより小さくすることが好ましい。
【0023】
透水層3がその中央部に断面円形の貫通孔を有さないようするには、型枠30内に注入するコンクリート注入量を十分多くし、型枠30内の中空部に粗骨材20が最密充填されるようにして粗骨材20が遠心力により分離しないようにすればよい。
【0024】
遠心成形条件の一例として、コンクリート31を型枠30の空間部に充填した後、充填されたコンクリート31をまず遠心力5Gで約2分間、低速回転し、次いで遠心力15Gで約3分間、中速回転し、次いで遠心力30Gで約5分間、高速回転するなど、遠心力を段階的に大きくしてコンクリート流動性成分を、型枠30の中央の方から内周面30aの方向に分離させる方法が挙げられる。このようにすると、コンクリート31を型枠30の内周面30aの方に密に分離できるので、密実な不透水層を有するブロックを製造し易い。
【0025】
ブロックの径が大きくなるほど、コンクリート31の流動成分が外側に分離移動して不透水層2を形成するための時間が長くかかるので、遠心成形時間は長くなる。ブロック1の直径が30cm以上、1m以下の場合は、前記時間の2〜3倍の回転時間が好ましい。また、ブロック1の直径が1m以上、2m以下の場合は、前記時間の4倍の回転時間が好ましい。
【0026】
ブロックとして、ブロック全体当たりの空隙率が5〜40%の範囲(例えば、20%)で、ブロックの中心部(即ち、透水層3の中心)で20%を越え、50%以下の範囲(例えば、40%)で、不透水層2の中心で0%以上で、20%以下の範囲(例えば、5%)のものが好ましい。このようなブロックは高強度で、排水性に優れる。ブロック全体当たりの空隙率が5%未満であるとブロックの排水性が劣り、40%を越えるとブロックの強度が低下し易い。また、透水層3の中心部の空隙率が20%以下であると透水層3の排水性が劣り、50%を越えると透水層3の部分の強度が低下し易い。
尚、空隙率の測定法として、重量法及び容積法(例えば、JCI(日本コンクリート工学協会の略称)エココンクリート研究委員会案)が挙げられる。
【0027】
コンクリートの配合を変えることにより、不透水層3の厚さやブロックの空隙率を調製することが可能である。例えば、他の製造条件が同じであるならば、流動成分が多い配合のコンクリートを用いると、不透水層2の厚さが大きくなる。
【0028】
次に、ブロックの機械的物性について述べる。
ブロックの全体の圧縮強度は30N/mm2 以上であることが好ましい。前述の高強度混和材の使用により、圧縮強度を50N/mm2 以上とすることができる。
尚、圧縮強度は、試験規格JIS A1136によって測定できる。
ブロックの全体の曲げ強度は5N/mm2 以上であることが好ましい。ブロック1の車道への適用を考えた場合、ブロック1全体の曲げ強度は4.5N/mm2 以上が必要である。尚、曲げ強度は試験規格JIS A1106に準じて測定できる。
また、ブロックの全体の透水係数は1cm/sec以上であることが、排水性の点から好ましい。尚、透水係数は、JCIエココンクリート委員会報告案の方法に準じて測定できる。
【0029】
また遠心成形によって得られた成形体を適宜の厚さに切断したものを透水性舗装版用コンクリートブロックとして用いることもできる。
ブロックを用いて透水性舗装版を得るには、図5に示すように、砕石9を任意の方法で締め固めて路盤とし、その上に砂8を敷き詰め、その上にブロック1を一面に敷設し、さらに、ブロック1とブロック1との間に形成された目地4に目地材を充填する工法によって行われる。
【0030】
このようなブロック1は、その外側を形成する不透水層2と、その中心部を形成する透水層3を有するので、不透水層2はブロック1に強度を与え、透水層3はブロック1に排水性を与える。したがって、ブロック1を敷設した場合に、目地材と接する部分は、密実で空隙の少ない不透水層2であり、従来のインターロッキングブロックのように、目地材と接する部分の空隙に砂が侵入することによる、目地機能の低下や透水係数の低下が生じにくい。しかも、機械的性質に劣る透水層3の周囲を、不透水層2が取り囲むことにより、ブロック1の強度を向上させることができ、従来のインターロッキングブロックと比較して、ブロック1同士の衝突による角欠けや割れに強く、耐久性に優れたブロック1となる。
【0031】
また、ブロックを、図1に示すように、ブロックの外形形状を六角柱状に形成すると、コンクリートを遠心成形する際に、遠心力がほぼ均一にかかり、容易に高品質なブロック1を得ることができる。また、図7に示す従来のインターロッキングブロック10と比較して、ブロック1の角部の角度が鈍角となるため、ブロック1同士の衝突による角欠けに強いブロック1となる。
【0032】
上記の透水性舗装版は、ブロック1を敷設してなるものであるので、ブロック1の割れや欠けが発生しにくく、目地機能の低下や透水係数の低下も生じにくいため、耐久性に優れた透水性舗装版となる。また、ブロック1の角部と面とが接していないので、ブロック1同士の衝突による角欠けが生じにくい透水性舗装版となる。
【0033】
図3は、本発明の透水性舗装用コンクリートブロックの他の例を示した図である。図3に示すブロック1aが、図1に示すブロック1と異なるところは、不透水層2の外周面に沿って補強板5が設けられている点である。
【0034】
ここでの補強板5としては、例えば型枠30に挿入する仕切り35aとして使用可能で、ブロック1aの強度を向上しうる材質で形成され、例えば、鉄やステンレスなどからなる金属板、ガラス繊維や金属繊維により強化させた強化プラスチック板などが使用される。とくに、耐腐食性に優れたステンレス板などが好ましく使用される。
【0035】
このようなブロック1aを製造するには、補強板5とされる断面六角形の筒型に形成された仕切り35aを内挿する型枠30内でコンクリート31を前記と同様に遠心成形し、不透水層2と仕切り35aとを一体化することによって補強板5が設けられたブロック1aが得られる。
【0036】
このようなブロック1aは、不透水層2の外周面に沿って補強板5が設けられているので、高い強度が得られ、より一層、ブロック1a同士の衝突による角欠けや割れに強く、耐久性に優れたブロック1aとなる。
【0037】
また、ブロック1aを補強板5とされる仕切り35aを使用して製造したので、仕切り35aを外す手間と不透水層2の外周面に沿って補強板5を設ける手間とがかからず、少ない工程で容易にブロック1aを製造することができる。
【0038】
図4は、本発明の透水性舗装用コンクリートブロックの他の例を示した図であり、図4に示すブロック1bが図3に示すブロック1aと異なるところは、補強板6の表面に、ブロック1bを敷設する場合に、隣合うブロック1b同士を係合する凸部6aおよび凹部6bが形成されている点である。
【0039】
このようなブロック1bを用いて透水性舗装版を得るには、砕石9を締め固めて路盤とし、その上に砂8を敷き詰め、その上にブロック1bを一面に敷設する。このとき、隣合うブロック1b同士は、一方のブロック1bの補強板6の凸部6aを、他方のブロック1bの凹部6bにはめ込むことにより係合される。さらに、ブロック1bとブロック1bとの間に形成された目地4に目地材を充填する工法によって行われる。
【0040】
このようなブロック1bは、補強板6の表面に、隣合うブロック1b同士を係合する、係合用の凸部6aおよび凹部6bが形成されているので、隣合うブロック1b同士を係合させてブロック1bを敷設することができる。このため、敷設した1つのブロック1bへの荷重を、そのブロック1bと係合されている隣合う複数のブロック1bに分散させることができ、不陸の発生を防ぎ、優れた耐久性を有する透水性舗装版を形成することができる。
【0041】
また、本発明のブロック1、1a、1bの製造に使用されるコンクリート31は、必要に応じて、任意の色彩に着色することができる。ここでの着色方法としては、従来から使用されているいずれの着色方法を用いてもよい。着色されたコンクリートを用いて製造したブロックを使用して透水性舗装版を形成することによって、カラフルな透水性舗装版を得ることができる。
【0042】
補強板5を有するブロック1aまたは補強板6を有するブロック1bにおいては、補強板5、6は、上述したように、ブロック1a、1bを形成する際に使用した仕切り35aであってもよいが、仕切り35aでなくてもよく、型枠30を外した後に不透水層2の外周面に沿って設けられたものでもよい。
【0043】
本発明のブロックを用いた透水性舗装版においては、上述したように目地4に目地材を充填する場合、常温硬化型バインダー含有のモルタルからなる目地材を使用してもよい。
この目地材は、砂などの細骨材とセメントと常温硬化型バインダーとからなるものであり、細骨材の表面が前記常温硬化型バインダーで被覆されたものである。
ここでの常温硬化型バインダーとしては、熱可塑性樹脂エマルジョンや瀝青質エマルジョンなどの樹脂エマルジョンや、合成ゴムラテッスクなどを使用することができ、とくに、厚い被膜の形成に優れるために耐侯性、耐流動性そして耐摩耗性を向上させることができ、かつ比較的安価である瀝青質エマルジョンが好ましく使用される。
瀝青質エマルジョンとしては、アスファルト乳剤、とくに耐侯性、耐流動性および耐摩耗性をより高めるために改質した改質アスファルト乳剤が好ましく使用される。改質アスファルト乳剤であれば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれのタイプのものも用いることができる。
【0044】
本発明の製造方法によって製造されるブロックの好ましい例を挙げれば、目開き40mmの篩い目を通過するが目開き5mmの篩い目を通過しない粗骨材20を含み、流動性を有する無機コンクリート31を遠心成形することにより製造されたブロック1であって、図1、2に示すように、外側に不透水層2が形成され、該不透水層2の内側に透水層3が形成され、粗骨材20が不透水層2と透水層3とにほぼ均一に分布し、前記不透水層2は粗骨材20と該粗骨材20のまわりの隙間をほぼ完全に埋めるコンクリート硬化物21aとからなり、通水層3は粗骨材20と、該粗骨材20を連結するコンクリート硬化物21bとよりなり、前記コンクリート硬化物21aは遠心成形により分離された無機コンクリートの硬化物であり、前記コンクリート硬化物21bは遠心成形により分離されずに粗骨材20の表面上に残留した無機コンクリートの硬化物であり、透水層3の中心部の空隙率が20%を越え〜50%以下の範囲で、不透水層2の中心部の空隙率が0%以上で、20%以下の範囲のブロック1であって、しかも多角形の輪郭を有するブロック1である。このようなブロックは強度、排水性、耐久性、施工性等に優れる。
【0045】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の製造方法によれば、高い強度と耐久性と透水性を有するブロックが容易に製造できる。また、本発明の透水性舗装版は、上記のブロックを敷設することにより得られるので、現場での作業が少なく、特別な技術や特殊な機械を使用することもないため、容易に敷設できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透水性舗装用コンクリートブロックを示す斜視図である。
【図2】 図1に示す透水性舗装用コンクリートブロックの断面図である。
【図3】 本発明の透水性舗装用コンクリートブロックの他の例を示す断面図である。
【図4】 本発明の透水性舗装用コンクリートブロックの他の例を示す断面図である。
【図5】 透水性舗装用コンクリートブロックを用いて舗装された透水性舗装版の一例を示す図である。
【図6】 本発明の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法の例を示す図であって、図6(a)はコンクリートが注入された型枠を示す断面図であり、図6(b)は透水性舗装用コンクリートブロックの製造に用いる遠心成形装置の例を示す斜視図である。図6(c)はコンクリートが注入された型枠を示す断面図である。
【図7】 透水性を有する従来のインターロッキングブロックを用いて舗装された透水性舗装版の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 1a、1b 透水性舗装用コンクリートブロック(ブロック)
2 不透水性のコンクリート層(不透水層)
3 透水性のコンクリート層(透水層)
4 目地
5、6 補強板
6a 凸部
6b 凹部
8 砂
9 砕石
10 インターロッキングブロック
10a 角部
12 割れ
13 欠け
14 目地
20 粗骨材
21a、21b コンクリート硬化物(硬化物)
22 空隙
30 型枠
30a 内周面
31 コンクリート
32 蓋
34 鍔
34a 鍔の内側面
40 支持台
42 軸
44 ローラー
44a ローラーの外側面
46 連結ローラー
48 ベルト
Claims (5)
- 型枠内にコンクリートを注入してコンクリートを遠心成形し、外側に不透水性のコンクリート層を有し、該不透水性のコンクリート層の内側に透水性のコンクリート層を有するブロックを製造することを特徴とする透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法。
- 不透水性のコンクリート層の外周面に沿って補強板を設けることを特徴とする請求項1に記載の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法。
- 前記補強板の表面に、係合用の凹部または凸部を形成することを特徴とする請求項2に記載の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法によって製造された透水性舗装用コンクリートブロック。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の透水性舗装用コンクリートブロックの製造方法によって製造された透水性舗装用コンクリートブロックが敷設されてなる透水性舗装版。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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