JP3943529B2 - 法面緑化方法および植物の育成基盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吹付による法面緑化工法および植物の育成基盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、道路工事等に伴い発生する切土・盛土法面は、裸地のままでは風化、浸食作用を受けて容易に劣化し、法面崩壊等の土砂災害の危険性が高い。このため、従来から、切土・盛土法面に対しては、モルタル吹付やコンクリート吹付によって切土面を覆い、保護することが行われてきた。
【0003】
また、最近では、環境および景観を重視して、植物種子を混ぜた客土や基盤材を用いて吹付工を実施している。
植物種子を利用した吹付工は、主に種子を吹き付ける種子吹付工、種子と客土を吹き付ける客土吹付工、種子と育成基盤材を吹き付ける厚層基材吹付工に分類されている。
種子吹付工は、切土・盛土面が比較的肥沃で、土壌化した法面に対して行われる。
これに対して、客土吹付工および厚層基盤材吹付工は、切土・盛土面が非常に締まった土砂、盛建て岩石や岩盤等が露出しており、そのままでは植物の育成に支障がある法面に対して用いられる。
これらの吹付に用いる材料は、植物が育成するまでに降雨により流失したり、剥離して落下したりするおそれがある。
【0004】
一方、植物が十分に育成した後は、植物根により表層が保護されることとなるので、植物が育成するまでの間、吹き付けた材料が法面表面に安定しておればよい。
一般に、このような条件下では、育成基盤材に接合剤として高分子系樹脂またはセメントを混入させた厚層基盤吹付工が用いられている。
しかしながら、接合剤は吹付後時間が経過するに従って固化するため、発芽した植物根の育成に支障となることが多い。
また、吹付を行う前にラス金網を法面表面に敷設して、アンカーピンによってラス金網を法面に固定した後、吹付を行うことによって、ラス金網によって育成基盤材が固定されることにより、材料の剥離を防止することがある。
ラス金網を敷設した場合は、草本類の育成に支障はないが、近年では木本類の導入が望まれており、これら木本類は育成すると、幹径がラス金網の網目(通常5cm程度)より太くなるため、幹にラス金網が食い込んで木本類の成長を阻害する原因となっている。
【0005】
これらの問題を解決するために、これまでも、育成基盤材に金属製繊維や化学繊維を混入させて、吹き付けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特許第3245303号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属製繊維は、錆が発生し、法面の美観を著しく損なう原意となっている。
また、化学繊維は、非常に長期にわたって安定しているため、施工後長年月が経過することにより、育成基盤材の表層部が浸食されると、化学繊維のみが法面表面や法面下部に堆積し、美観を損ねるばかりでなく、野鳥・野獣類が餌と誤って食し死に至る原因となっている。
さらに、化学繊維は、分解する際に、環境ホルモン等の有害物質を生成する可能性があり、しかも分解に要する期間が著しく長いので、長期間に亘って環境を汚染することが危惧される。
また、強酸性土壌におけるラス金網の敷設は、酸による金属腐食により腐植部分からラス金網の切断が起こり、育成基盤材を巻き込んでラス金網全体がまくれ上がり、法面全体を裸地化させる原因となっている。
【0007】
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、植物の育成に悪影響を及ぼすおそれのある接合剤の使用量を少なくし、あるいはラス金網を用いなくても、吹付材料を法面に安定して付着させることが可能な法面緑化方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、この法面緑化方法を用いた育成基盤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルの何れかに、打撃、掻きだしまたは爆砕により繊維長を5mm〜10cmに粉砕した竹笹類の繊維を混入して吹付材料を作製し、吹付材料を吹付機に投入し、吹付機において、水を加えて竹笹類の繊維を育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維を育成基盤材に方向性なくランダムに混合し、圧縮空気によって材料圧送ホースを経て吹付場所に搬送し、吹付ノズルから圧縮空気とともに混合された吹付材料を圧縮空気によって対象法面に吹き付け、育成基盤中に竹笹類の繊維を網目状に配置することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルの何れかに、打撃、掻きだしまたは爆砕により繊維長を5mm〜10cmに粉砕した竹笹類の繊維を混入して吹付材料を作製し、吹付材料を混練し、竹笹類の繊維を育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維を育成基盤材に方向性なくランダムに混合し、吹付材料を吹付機に投入し、水を加えて攪拌後に、圧縮空気によって材料圧送ホースを経て吹付場所に搬送し、吹付ノズルから圧縮空気とともに混合された吹付材料を圧縮空気によって対象法面に吹き付け、育成基盤中に竹笹類の繊維を網目状に配置することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルの何れかに、打撃、掻きだしまたは爆砕により繊維長を5mm〜10cmに粉砕した竹笹類の繊維を混入して吹付材料を作製し、吹付材料を吹付機に投入し、吹付機において、水を加えて竹笹類の繊維を育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維を育成基盤材に方向性なくランダムに混合し、圧縮空気によって材料圧送ホースを経て吹付場所に搬送し、吹付ノズルから圧縮空気とともに混合された吹付材料をハイドロシーダ、圧送ポンプまたはバケットによって対象法面に打設し、育成基盤中に竹笹類の繊維を網目状に配置することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルの何れかに、打撃、掻きだしまたは爆砕により繊維長を5mm〜10cmに粉砕した竹笹類の繊維を混入して吹付材料を作製し、吹付材料を混練し、竹笹類の繊維を育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維を育成基盤材に方向性なくランダムに混合し、吹付材料を吹付機に投入し、水を加えて攪拌後に、圧縮空気によって材料圧送ホースを経て吹付場所に搬送し、吹付ノズルから圧縮空気とともに混合された吹付材料をハイドロシーダ、圧送ポンプまたはバケットによって対象法面に打設し、育成基盤中に竹笹類の繊維を網目状に配置することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4の何れか記載の法面緑化方法によって造成された植物の育成基盤であって、竹笹類の繊維が育成基盤材中にランダムに存在することにより、空隙を増し、空気の流通と水分の保持を可能とすることを特徴とする。
【0013】
本発明において使用する竹笹類の繊維は、施工当初は所要の強度を有しているが、化学繊維に比較して分解が早く、しかも分解の際に環境ホルモン等の有害物質を放出しない。
また、竹笹類の繊維は、草本の繊維に比較して繊維の長さが長く、天然材でありながら、任意の長さ、太さに加工することが容易である。
さらに、竹笹類は国内に多く生育しており、外来の微生物等の付着に起因する生態系の乱れを惹起する危険性がないので、この点でも優れた材料である。
しかるに、竹類は、近年、薪炭から石油、堆肥から化学肥料への切り替え、および林野農村の高齢化により、里山の手入れが行き届かなくなり、食料等のために植えられていた竹類の育成が暴走し、全山竹林になるなど、竹林化の弊害が散見されるようになった。また、伐採等行っても、竹炭、竹酢等の需要は小さく、伐採竹を産業廃棄物として処理せざるを得ない状況にある。
【0014】
そこで、竹類を法面緑化基盤強化材として活用することにより、このような問題が一挙に解決できることにもなる。
法面緑化方法では、植物が育成した後は、植物根により法面の安定が図られるので、竹笹類の繊維が分解しても、法面の安定には何ら支障を及ぼすものではない。
また、竹笹類の他にも草木の繊維が考えられるが、草類ではその強度が小さく、木材では、繊維分と比較して木質部が著しく多いため、繊維を取り出す手間が竹笹類に比較して著しく多大となり、さらには繊維を取り出した残りの木質部は廃棄することになるので、廃棄物が著しく多くなり、適当ではない。
【0015】
また、ジュート、ヤシ、シュロの類でも繊維を取り出すことは可能であるが、これらは、国内では生育しておらず、輸入に頼る必要がある。
このような場合、これらの繊維に微生物や他の植物の種子あるいは昆虫類の卵が付着していることがあり、これらの付着した微生物、種子あるいは昆虫類がその後国内で成育すると、生態系を乱すことにもつながるおそれがあるので、望ましくない。
なお、本発明にも用いられる竹笹類は、竹類または笹類のいずれでもよいが、繊維の強度は竹類が笹類と比較して強いため、竹類を用いることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明に係る法面緑化基盤強化材の実施形態を説明する(全ての請求項に対応する)。
本実施形態に係る法面緑化基盤強化材は、竹笹類の繊維を混入することによって構成されている。
ここで、法面緑化基盤強化材を構成する母材は、育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルである。
育成基盤材としては、例えば、バーク堆肥、ピ−トモス(地力増進法指定)、パーライト、牛糞堆肥、培土などによって構成されている。
バーク堆肥は、多年に亘り堆積された樹皮をさらに粉砕し高温発酵させたもので、腐植酸・リグニンなど有機物を含み、保肥性・保水性・通気性に優れている。
ピ−トモス(地力増進法指定)は、水苔・葦・萱などが、数千年枯死堆積を繰り返し厚く層になり泥炭化したもので、養分に富み、透水性・保水性向上など土壌改良に効果が高い。
パーライトは、真珠岩・黒曜石の焼成加工物で、多孔質・軽量なことから、土壌の保水性・通気性・透水性の改善に効果がある。
牛糞堆肥は、牛糞を堆積腐熱させたもので、保肥力のある増大団粒化の促進、微生物の活動を活発化するなど土壌の理科学性の改善にも効果を発揮する。
培土は、浄化槽処理汚泥。有機質のみの基盤材に培土を混ぜることで保水機能を高める。
また、客土としては、クロボク、マサ等客土または現地発生土が用いられる。
客土は、客土材として建設材料として扱われている。現地発生土は、近年、土木工事における建設排土をゼロミッションの立場から100%リサイクルしようと定義付けられている。従って、本発明において、100%の現地発生土の混入を可能とすることができる。
また、セメントまたはモルタルは、セメント吹付、モルタル吹付の骨材、増量剤として竹笹類の繊維を利用することも可能である。
竹笹類の繊維としは、打撃、掻きだし、爆砕等により粉砕した繊維を用いる。繊維長は5mm〜10cm、繊維径は概ね3mmより小さいものが望ましい。竹笹類の繊維は、5mm〜10cmの長さにおいて基盤強化材として有効であるが、5mm未満の粉末状の繊維、10cm以上の竹籤状の繊維も処理条件によって使用可能である。なお、10cm以上の繊維は、圧送ホースの口径、繊維のしなり具合、育成基盤材との混合による団粒の強度等の複合作用により圧送の可否が定まる。
母材である育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルに対する竹笹類の繊維の混入量は、重量比で50〜30%、望ましくは5〜15%、特に望ましくは1〜5%である。
下限値を満たさないと、法面緑化に要求される植物の育成に寄与する効果が果たしづらくなり、逆に、上限値を上回ると、吹付材料として使用しづらくなるとともに法面に要求される強度を確保することが難しくなる。
【0017】
次に、本発明に係る法面緑化方法について、図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る法面緑化方法における吹付作業のフローシートを示す(請求項1に対応する)。
本図に示すフローシートは、吹付材料に竹笹類の繊維を加えた点で、通常の厚層基材吹付工のフローシートとは相違する。
【0018】
先に、本実施形態に用いる装置について説明する。
本実施形態では、育成基盤材と竹笹類の繊維から成る法面緑化基盤強化材を混入した吹付材料25を、直接吹付機1に投入する場合について説明する。
吹付機1には、水を供給するための水ホース2と、圧縮空気を供給するエアホース3が接続されている。ここで、吹付機1として、モルタル吹付機が使用されている。
水ホース2には、水源4から供給するための揚水ポンプ5が取り付けられており、揚水ポンプ5を駆動させることにより、必要な水を吹付機1に供給することが可能である。
なお、水源4は、必要な水を取水できるのあれば、河川、水道水、水槽、井戸等その種別は問わない。4aは水タンクである。
エアホース3には、コンプレッサ6が接続されており、コンプレッサ6を駆動させることにより、吹付機1に必要な圧縮空気を供給することが可能である。
また、吹付機1、揚水ポンプ5およびベルトコンベア7には、発動発電機18で発電された電力が配電盤19を経由して電線20を介して供給されるようになっている。
【0019】
一方、本実施形態に用いる吹付材料25は、種子8、肥料9、接合剤10、育成基盤材および竹笹類の繊維11で構成され、ベルトコンベア7により、吹付機1に投入される。
吹付材料25を構成する種子8、肥料9、接合剤10、育成基盤材および竹笹類の繊維11は、それぞれ1回吹付ける分量だけ計量されてベルトコンベア7上に置かれる。種子8、肥料9、接合剤10は、計量器21で計測される。
肥料9は、育成基盤材2000リットルに対して2〜6kg程度とするのが望ましいが、育成基盤材の種類あるいは吹付対象法面の状況により、必ずしもこれによる必要はない。
なお、肥料9は、使用植物、肥効の確実性および持続性、接合剤、育成基盤材、植物の薬害などに応じてその種類を選定することができる。
接合剤10は、例えば、酢酸ビニル・アクリル酸系樹脂を成分とする合成樹脂の乳状液体、トウモロコシ、ジャガイモ等を原料とする生分解性樹脂の乳状液体を使用する。
また、対象法面14には、ラス金網15がアンカーピン16、補助アンカーピン17により設置されている。
【0020】
次に、図1に従って本実施形態に係る法面緑化方法による作業方法を説明する。
先ず、ベルトコンベア7上に置かれた吹付材料25を、吹付機1に投入する。次に、吹付機1は、投入された吹付材料25に、必要な水を加えて攪拌する。
竹笹類の繊維11を吹付機1において、育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維11が育成基盤材に方向性なくランダムに混合される。
次に、圧縮空気によって材料圧送ホース12を経て吹付場所に搬送する。そして、吹付ノズル13から圧縮空気とともに混合された吹付材料25を圧縮空気によって対象法面14に吹き付ける。
これにより、育成基盤中に竹笹類の繊維11が網目状に配置され、竹笹類の繊維11を含まない育成基盤中と比して4割増し程度のセン断強度をもつ法面緑化基盤材が形成される。このセン断強度の増強が、竹笹類の繊維11の基盤強化材として役割を果たし、ラス金網の省略を可能とする。
ここで、植物の生育基盤として最小限必要な厚さは、その基盤中に根が伸長できて植物体を固定し、植物が生育に必要な水分と養分を吸収できるように設定される。
生育基盤は厚いほど根が広範囲に伸長し、その範囲の水分と養分を利用することができるので生育は良好となり、異常天候に対しても安定した生育ができる。植物の種類にもよるが、生育基盤の厚さについては、薄いほど日照りなどの異常天候に対して弱く、肥料切れもはやく起き、植生維持のための手間を必要とし、時には枯死に至ることもある。
従って、生育基盤の厚さを決定する場合には、復元する植物社会の形態やメンテナンスの程度、立地条件、生育基盤の材質および経済性などの検討を十分に行うことが必要である。
以上により、育成基盤材に竹笹類の繊維11を混入した吹付材料25を対象法面14に吹き付けることができる。
【0021】
なお、本実施形態では、竹笹類の繊維11を吹付機1において、育成基盤材と攪拌する場合について説明したが、吹付機1投入前にミキサー等で混練しても良い。その場合にも、長短様々な竹笹類の繊維11が育成基盤材に方向性なくランダムに混合される。
また、本実施形態では、吹付材料25に通常用いられる接合剤10を配合したが、竹笹類の繊維11の使用により、通常の厚層基材吹付工に比して少量または省略することが可能である。ただし、吹付対象法面14が急峻である場合は、補助的に接合剤を用いても良い。この場合も竹笹類の繊維11を混入させたことにより、通常の厚層基材吹付工に比してその使用割合を減少させることが可能である。
また、吹付対象法面14にラス金網15を設置したが、ラス金網15を省略することも可能である。ただし、吹付対象法面14が急峻である場合は、補助的に竹串等による基盤材受け工法を併用しても良い。
【0022】
また、上記実施形態では、吹付材料25を吹付機1により吹き付ける場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、計量された材料を一度ミキサーに投入して混練りした後に吹付機1に投入するようにしても良い。また、手作業による混練りしても良い。
また、混合された吹付材料25を圧縮空気によって対象法面14に吹き付ける以外に、例えば、ハイドロシーダ、圧送ポンプ、バケットなどにより対象地盤に打設しても良い。
また、上記実施形態では、吹付材料25を種子8、肥料9、接合剤10、育成基盤材および竹笹類の繊維11で構成した場合について説明したが、育成基盤材に代えて客土、セメントまたはモルタルを用いることもある。
この場合にも、竹笹類の繊維11の混入量は、客土、セメントまたはモルタルに対して重量比で50〜30%、望ましくは5〜15%、特に望ましくは1〜5%である。
ここで、セメントは、普通ポルトランドセメントの他、ポーラスセメントなどが使用できる。
ここで、セメントまたはモルタルは、例えば、下記のような使用形態が考えられる。
主として、河川三面張り、堤防、法尻などの植生を必要とし、流水、踏圧などによる土壌流出を防止したい場合に使用する。特に、ビオトープ維持・再生工事などにおいて、盛土・切り土では流水、踏圧などに対し強度が不足する場合に使用する。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、竹笹類の繊維を用いることにより、2〜3年程度で土壌化し、環境への負荷がない。
また、本発明によれば、竹笹類の繊維の強度により、吹付材料で構成される層に微細な亀裂が発生することが防止できる。その結果、植生が生育するまで表土が安定する。
さらに、本発明によれば、材料を安価に入手しうる。特に、里山が竹林化することを防止し、良好な生態系を維持することにも役立つこととなる。
竹笹類の抗菌作用により、植生の暴走生育が抑制され、吹付当該年で肥料を使いきり、翌年から植生が著しく低下することを防止できる。
竹笹類の繊維が育成基盤材中にランダムに存在することにより、空隙を増し、空気の流通と水分の保持が可能となり、植物の生育に良い影響を与える。
竹笹類の繊維を混入させることにより、竹笹類の繊維を混入させない場合と比して1.4倍程度のセン断強度が増し、亀裂、滑落、剥離を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る法面緑化方法における吹付作業のフローシート。
【符号の説明】
1 吹付機
2 水ホース
3 エアホース
4 水源
5 揚水ポンプ
6 コンプレッサ
7 ベルトコンベア
8 種子
9 肥料
10 接合剤
11 育成基盤材および竹笹類の繊維
12 材料圧送ホース
13 吹付ノズル
14 対象法面
15 ラス金網
16 アンカーピン
17 補助アンカーピン
18 発動発電機
19 配電盤
20 電線
25 吹付材料

Claims (5)

  1. 育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルの何れかに、打撃、掻きだしまたは爆砕により繊維長を5mm〜10cmに粉砕した竹笹類の繊維を混入して吹付材料を作製し、
    吹付材料を吹付機に投入し、吹付機において、水を加えて竹笹類の繊維を育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維を育成基盤材に方向性なくランダムに混合し、
    圧縮空気によって材料圧送ホースを経て吹付場所に搬送し、吹付ノズルから圧縮空気とともに混合された吹付材料を圧縮空気によって対象法面に吹き付け、育成基盤中に竹笹類の繊維を網目状に配置する
    ことを特徴とする法面緑化方法。
  2. 育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルの何れかに、打撃、掻きだしまたは爆砕により繊維長を5mm〜10cmに粉砕した竹笹類の繊維を混入して吹付材料を作製し、
    吹付材料を混練し、竹笹類の繊維を育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維を育成基盤材に方向性なくランダムに混合し、
    吹付材料を吹付機に投入し、水を加えて攪拌後に、圧縮空気によって材料圧送ホースを経て吹付場所に搬送し、吹付ノズルから圧縮空気とともに混合された吹付材料を圧縮空気によって対象法面に吹き付け、育成基盤中に竹笹類の繊維を網目状に配置する
    ことを特徴とする法面緑化方法。
  3. 育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルの何れかに、打撃、掻きだしまたは爆砕により繊維長を5mm〜10cmに粉砕した竹笹類の繊維を混入して吹付材料を作製し、
    吹付材料を吹付機に投入し、吹付機において、水を加えて竹笹類の繊維を育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維を育成基盤材に方向性なくランダムに混合し、
    圧縮空気によって材料圧送ホースを経て吹付場所に搬送し、吹付ノズルから圧縮空気とともに混合された吹付材料をハイドロシーダ、圧送ポンプまたはバケットによって対象法面に打設し、育成基盤中に竹笹類の繊維を網目状に配置する
    ことを特徴とする法面緑化方法。
  4. 育成基盤材、客土、セメントまたはモルタルの何れかに、打撃、掻きだしまたは爆砕により繊維長を5mm〜10cmに粉砕した竹笹類の繊維を混入して吹付材料を作製し、
    吹付材料を混練し、竹笹類の繊維を育成基盤材と攪拌することにより、長短様々な竹笹類の繊維を育成基盤材に方向性なくランダムに混合し、
    吹付材料を吹付機に投入し、水を加えて攪拌後に、圧縮空気によって材料圧送ホースを経て吹付場所に搬送し、吹付ノズルから圧縮空気とともに混合された吹付材料をハイドロシーダ、圧送ポンプまたはバケットによって対象法面に打設し、育成基盤中に竹笹類の繊維を網目状に配置する
    ことを特徴とする法面緑化方法。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか記載の法面緑化方法によって造成された植物の育成基盤であって、
    竹笹類の繊維が育成基盤材中にランダムに存在することにより、空隙を増し、空気の流通と水分の保持を可能とする
    ことを特徴とする植物の育成基盤。
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