JP3943375B2 - キャビンの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタのキャビンの構成に関し、特に、キャビンに配置するエアコンや換気扇等の空気調和機の構成、空気調和機から吐出するエアーを導くダクト、及び、空気調和機にエアーを導入するダクトの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタの運転部をキャビンで覆い、該キャビンにエアコンや換気扇等の空気調和機を設ける技術は公知となっている。この技術は、キャビンの天井を覆うルーフを室内側に配置されるインナールーフと、このインナールーフの上方に位置されるアウタールーフとから構成しており、インナールーフとアウタールーフとの間に空気調和機を配設している。該空気調和機は、キャビンのフレームにステーを取り付け、該ステーに支持固定していた。そして、該空気調和機にエアーを導入するダクトは、インナールーフとアウタールーフとの間にダクト部品を設けたり、又は、インナーフレームとアウターフレームの間にシール部材を配設し、天井空間全体をダクトとしていた。また、空気調和機から吐出するエアーを導くダクトは、略長方形のダクトを空気調和機から吹き出し口まで延出させており、該吹き出し口は、ダクトの側部に設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の空気調和機は、取付専用の部品であるステーで空気調和機をキャビンに固定していたので、部品点数が多くなり、取付作業が煩雑になり、作業効率が悪かった。また、空気調和機にエアーを導入するダクトにおいては、別途ダクトを設ける場合は、ダクトを配置するために構造が複雑となっコストアップとなっていた。また、インナールーフとアウタールーフの間にシール部材を配設し、天井空間全体をダクトとした場合は、インナールーフの全周にシール部材を貼設するので、シール性が悪く、隙間ができてしまう不具合があり、又、シール部材も大きなものとなっていた。
【0004】
空気調和機から吐出するエアーを導くダクトにおいては、ダクトを通ったエアーは平行に流れるので、ダクト側部に設けた吹き出し口からエアーが素直に吹き出さず、風量が小さく、また、乱流による圧損が大きいという不具合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
請求項1においては、走行機体の運転部を覆うキャビン(12)に空気調和機(30)を配置する構成において、該空気調和機(30)をキャビン(12)のルーフ前部左右中央に設け、前記キャビン(12)の天井をインナールーフ(42)及びアウタールーフ(41)で構成し、前記空気調和機(30)及びインナールーフ(42)とアウタールーフ(41)との間を空気導入用ダクト(60)とし、該空気導入用ダクト(60)の前端面は、該空気調和機(30)より立ち上げた突出部(30a)を、前記アウタールーフ(41)の下面に貼設したシール部材(62)に接当して構成し、該空気導入用ダクト(60)の側面は、前記アウタールーフ(41)の左右両側に凹部(41a・41a)を形成し、該凹部(41a・41a)下面を水平に形成し、前記シール部材(62)を該凹部(41a)の裏面に貼設し、該シール部材(62)にインナールーフ(42)の上面が接当して構成し、該空気導入用ダクト(60)の下面は、インナールーフ(42)、空気調和機(30)、及び、インナールーフ(42)と空気調和機(30)とに架設されるプレート(64)で構成したものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載のキャビンの構造において、前記空気調和機(30)の後部の、平面視において外周に凹部(30d)を形成し、該凹部(30d)に空気調和機(30)の操作パネル(65)を配置し、該操作パネル(65)の操作部(65a)は、前記キャビン(12)の内部のインナールーフ(42)に付設し、前記凹部(30d)は、空気調和機(30)を構成するブロワ(71)の吹き出しエアー前方に配置しており、該凹部(30d)の内壁を利用して、該ブロワ(71)からエアーを方向変換し、同じく空気調和機(30)を構成する熱交換器(72)に送風すべく構成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は本発明のキャビンを装備したトラクタの側面図、図2はキャビン上部の空気導入用ダクトを示す平面断面図、図3はキャビン上部の空気導入用ダクトを示す側面断面図である。
【0010】
図4はキャビン上部の空気導入用ダクトを示す正面断面図、図5はキャビン上部の空気調和機を示す平面断面図、図6はキャビン上部の空気調和機を示す側面断面図である。
【0011】
図7はキャビン上部の空気調和機を示す底面断面図、図8は吹き出し口を示す断面図、図9は吹き出し口を示す斜視図、図10は吹き出し口を示す側面図、図11は吹き出し口を示す平面図である。
【0012】
まず、図1を用いて本発明のキャビン12を装備したトラクタの全体構成について説明する。エンジンフレーム1に、フロントアクスルケースを介して前輪2・2が支承され、該エンジンフレーム1の後部にクラッチハウジングを介してミッションケース6が配置され、該ミッションケース6の両側にリアアクスルケースを介して後輪3・3が支承されている。該ミッションケース6の後部にトップリンク、ロワーリンク等からなる作業機装着装置を介して作業機を装着できるようにしている。また、該ミッションケース6の前下部に、前輪駆動出力軸が前方に突出されて、ユニバーサルジョイント、伝動軸等を介して、前輪2・2を駆動できるようにしている。
【0013】
また、前記エンジンフレーム1にはエンジン5が載置され、該エンジン5はボンネット4によって覆われている。該ボンネット4の後部にはダッシュボード11が配置され、該ダッシュボード11上に操作パネル18や操向ハンドル19が配置され、その後方に座席15が配置され、これらダッシュボード11や座席15等の運転部はキャビン12によって覆われる構成としている。該キャビン12はキャビンフレームとして、前支柱13をエンジンフレーム1より、後支柱14をミッションケース6よりそれぞれ立設して、上部にはフレーム32・32・32・32(図2)を配設して、天井はアウタールーフ41により覆い、前面はフロントガラス、側面はドア50・50、後面は後面ガラスよって覆っている。また、後支柱14の下部には方向指示器9が設けられている。
【0014】
次に、キャビン12の天井部の構成について説明する。図2、図3に示すように、前記キャビン12の天井部は、インナールーフ42、アウタールーフ41、及びフレーム32・32・32・32等により構成している。該フレーム32・32・32・32は、前記前・後支柱13・13・14・14の上部間に矩形状に架設されている。そして、キャビン12の上部前部中央には空気調和機30が設けられている。該空気調和機30は、該インナールーフ42とアウタールーフ41の間に配置され、該インナールーフ42の前部には空気調和機30を収納するための凹部42aが形成されている。なお、該空気調和機30は本実施例ではエアコンの室内ユニットとしているが、換気扇等であってもよい。
【0015】
次に、空気導入用ダクト60について、図2及び図4を用いて説明する。図2に示すように、キャビン12の天井部の後部中央には、空気導入口61が設けられ、該空気導入口61から空気調和機30の吸入側に空気導入用ダクト60が連通しており、空気導入口61からのエアーを空気調和機30に送っている。なお、空気導入口61の配置や個数は限定されるものではなく、キャビン後端に空気導入口を配設し、キャビン外部からエアーを導入することもできる。また、空気導入口をキャビン内部からと外部からとの二個所設け、該空気導入口間に切換手段等を設けて、外気と内気とを切り換えてエアーを導入することもできる。
【0016】
前記空気導入用ダクト60は、インナールーフ42及び空気調和機30の上面、アウタールーフ41下面、シール部材62等で構成されている。該シール部材62は、空気調和機30前端部から左右両側方へ延出して、空気調和機30の両側から空気導入口61の両側に向けて後方へ延出して、平面視略U字状に形成され、インナールーフ42及び空気調和機30と、アウタールーフ41と、の間に介装されている。このようにして、該空気導入用ダクト60の幅をできるだけ大きく形成し、空気導入用ダクト60内部の上下間隔は小さくして室内高を高くしつつ平面断面積を大きくして、エアーの流速を遅くし、空気調和機30の後述するブロワ71へのゴミ吸い込みを少なくしている。
【0017】
図3に示すように、該空気導入用ダクト60の前端面は、空気調和機30より立ち上げたリブ30aにより形成されている。該リブ30aは、空気調和機30上面から上方に突設しており、該リブ30a上端を前記シール部材62に嵌入し、空気導入用ダクト60の前面を形成している。また、シール部材62前方のアウタールーフ41とフレーム32の間にもシール63を配置して、キャビン外からの水の浸入を防ぐと共に、空気の漏れをなくしている。
【0018】
そして、前記収納凹部42aにエアーが漏れないように、プレート64が空気調和機30上面とインナールーフ42の後部上面42bに設けられている。図2及び図3に示すように、空気調和機30後部上面には、リブ30bが突設しており、該リブ30b及びインナールーフ上面42bにプレート64を載置し、空気調和機30及びインナールーフ42に固定している。このように、空気調和機30とインナールーフ42にプレート64を固定することで、空気調和気30とインナールーフ42との隙間をなくすことができる。また、図4に示すように、前記アウタールーフ41に凹部41a・41aを左右両側に形成して、剛性をアップし雨水をガイドしている。該凹部41a・41a下面は水平に形成されており、前記シール部材62が凹部41aの裏面に貼設されている。このように、該凹部41a・41aを設けて裏面にシール部材62を設けることで、水平部分にシール部材62を装着することができ、シール性を向上させ、シール部材62のはがれによる空気漏れをなくし、また、シール部材62を薄くできコスト低減化も図っている。また、該凹部41a・41aを設けることで、組立時にシール部材62の貼り付け位置がわかり易く、組立作業の効率化を図ることもできる。
【0019】
このように、空気調和機30を横方向及び縦方向に広げて薄く構成することで、高さの限られたキャビンでも視界を良くする事ができる。また、空気導入用ダクト60前面をリブ30aで構成し、側面をシール部材62構成し、下面をインナールーフ42、空気調和機30及びプレート64で構成しているので、インナールーフ42とアウタールーフ41との間の狭い空間でも、空気導入用ダクト60を形成することができ、ダクト部品が不要で、また、空気導入口61以外からのエアーの流入を防ぐことができ、空気導入用ダクト60内部にゴミ等の流入を減らすことができる。
【0020】
次に、前記空気調和機30について説明する。図5乃至図7に示すように、該空気調和機30は、空気調和機本体、及び、空気吐出用ダクト40、吹き出し口73・74、取付部30c等からなり、該空気調和機本体は、エバポレータ等が配設されている熱交換器72とブロワ71とから構成されている。
【0021】
図5に示すように、前記空気調和機30には、複数の吹き出し口が設けられ、該吹き出し口から、空気調和機本体からのエアーをキャビン12内部に送っている。本実施例ではフロントガラスの曇り止め等のために空気調和機30前部に開口したデフロスター用吹き出し口73と、オペレーターに風を当てるために空気調和機30左右後部(キャビン12の前後中央部両側)に開口したオペレーター用吹き出し口74が設けられている。なお、該デフロスター用吹き出し口73とオペレーター用吹き出し口74には風向を変更できる風向体49・49が設けられて、例えばオペレーター用吹き出し口74からは側面ガラス、つまりドア50に向かって風を吹き出させるようにすることもできる。また、吹き出し口の個数及び配置は、限定されるものではない。なお、デフロスター用吹き出し口73は、フロントガラスの曇り止め用としてだけでなく、ヒータ時の足元への吹き出し用としても使用することもできる。
【0022】
前記デフロスター用吹き出し口73・73・73・73は、空気調和機30前端下部に配設され、空気調和機本体からのエアーを、ダクト等を配設せず直接デフロスター用吹き出し口73に送っている。一方、前記オペレーター用吹き出し口74・74は空気調和機30左右後部に配置され、空気吐出用ダクト40を介して、空気調和機本体からのエアーをオペレーター用吹き出し口74に送っている。そして、該空気吐出用ダクト40は、図5に示すように、空気調和機30本体のエアー吐出口部分より二股に分かれて、左右両側方へ曲げてから後方へ曲げて左右両側のフレーム32に沿って後方へ延出して、平面視略U字状に構成しており、空気調和機30に一体的に成形されている。
【0023】
このように、デフロスター用吹き出し口73、オペレーター用吹き出し口74及び空気吐出用ダクト40を空気調和機30と一体化としたので、エアーの流れの方向を変える時の圧損を減らす形状に成形することができ、ダクト形状の簡略化を行うことができる。また、該デフロスター用吹き出し口73は、空気調和機30本体のエアー吐出口部分の前方に配置しているので、別途ダクトを設ける必要がなく、部品点数を減らし、コスト削減を図ることができる。
【0024】
また、前記空気調和機30の外周の前部中央及び左右両側には、取付部30c・30c・30cが一体的に成形されており、該取付部30c・30c・30cをキャビン12のフレーム32・32・32に載置し、固定手段で空気調和機30をキャビン12に固定している。このように構成することで、空気調和機30を直接フレーム32・32・32に固定することができ、ステー等の取付用の部品が不要となり、コスト削減が図れる。また、部品点数を減らすことで、天井部のスペースを広く使うこともできる。
【0025】
次に、空気調和機30の操作パネル65について、図5乃至図7を用いて説明する。操作パネル65は、空気調和機30後方に設けられており、該空気調和機30の後部には平面視において空気調和機30外周の一部(後部)に凹部30dが形成され、該凹部30dに操作パネル65を配置している。該操作パネル65の操作部65aは、キャビン12内部のインナールーフ42に設けられており、オペレーターがキャビン内で、空気調和機30の操作ができるようにしている。また、図5の矢印に示すように、前記凹部30dは、ブロワ71の吹き出しエアー前方に配置しており、凹部30dの内壁を利用して、ブロワ71からのエアーを方向変換し、熱交換器72に送っている。このように、空気調和機30に凹部30dを設け、該凹部30dに操作パネル65を配設することで、省スペースで空気調和機30と操作パネル65を配置することができ、インナールーフ42のふくらみ(凹凸)を最小限に抑えることができる。
【0026】
次に、前記の空気吐出用ダクト40について、図8乃至図11を用いて説明する。図5に示すように、前記空気吐出用ダクト40後端には、オペレーター用吹き出し口74・74が設けられ、空気調和機本体からのエアーを、オペレーター用吹き出し口74・74に送っている。図8に示すように、該空気吐出用ダクト40は、断面視において略台形状に構成され、上水平面がアウタールーフ41に、下水平部がインナールーフ42に当接するように形成され、下方に向く斜面にオペレーター用吹き出し口74と同形の取付孔42c・42cが開口されて、該斜面にシール部材66を介してインナールーフ42が装着される。インナールーフ42の取付孔42cは、インナールーフ傾斜部42dに設けられており、該空気吐出用ダクト40のオペレーター用吹き出し口74・74が設けられている斜面(インナールーフ42との係合面)は、インナールーフ42の傾斜部42dに沿う形状としている。そして、前記風向体49は、該傾斜部42dに対して垂直に装着されている。
【0027】
このように構成することで、空気吐出用ダクト40にインナールーフ42を後から取付ける場合、インナールーフ42を下からアウタールーフ41側に押しつけて、風向体49のフックを有する取付部を斜め方向から指し込むだけで簡単に取り付けることができ、取付作業の効率化を図ることができる。また、空気吐出用ダクト40のインナールーフ42との係合面にシール部材66を着設しているので、インナールーフ42を取り付ける時にこすれ等が生じるがシール部材66によって剥がれが起こらないのである。
【0028】
そして、図10及び図11に示すように、該空気吐出用ダクト40のオペレーター用吹き出し口74において、空気吐出用ダクト40の内面におけるエアー上流側の側部下面(本実施例では前方の側部下面)に、凸部40aを形成している。該凸部40aはオペレーター用吹き出し口74と反対側の内面に構成され、流れに沿う流線型としている。このように、空気吐出用ダクト40内部に凸部40aを形成することで、図10、図11の矢印に示すように、空気吐出用ダクト40前部からのエアーが、凸部40aに沿って流れるようになり、該凸部40aがガイドとなっていったん上向きに方向を変え、空気吐出用ダクト40上面にあったって、その後、オペレーター用吹き出し口74・74へ略垂直方向に流れ出るので、エアーが乱流にならずにオペレーター用吹き出し口74・74に流れることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0030】
請求項1に示す如く、走行機体の運転部を覆うキャビン(12)に空気調和機(30)を配置する構成において、該空気調和機(30)をキャビン(12)のルーフ前部左右中央に設け、前記キャビン(12)の天井をインナールーフ(42)及びアウタールーフ(41)で構成し、前記空気調和機(30)及びインナールーフ(42)とアウタールーフ(41)との間を空気導入用ダクト(60)とし、該空気導入用ダクト(60)の前端面は、該空気調和機(30)より立ち上げた突出部(30a)を、前記アウタールーフ(41)の下面に貼設したシール部材(62)に接当して構成し、該空気導入用ダクト(60)の側面は、前記アウタールーフ(41)の左右両側に凹部(41a・41a)を形成し、該凹部(41a・41a)下面を水平に形成し、前記シール部材(62)を該凹部(41a)の裏面に貼設し、該シール部材(62)にインナールーフ(42)の上面が接当して構成し、該空気導入用ダクト(60)の下面は、インナールーフ(42)、空気調和機(30)、及び、インナールーフ(42)と空気調和機(30)とに架設されるプレート(64)で構成したので、高さの限られたキャビンでも室内高を高くし居住空間を大きくして視界を良くする事ができる。また、空気導入用ダクト内部の断面積を大きく、エアーの流速を遅くし、空気調和機へのゴミ吸い込みを少なくすることができる。
【0031】
また、前記空気導入用ダクトの前面は、空気調和機上面からアウタールーフに向けて設けられた突出部で構成され、側面は、アウタールーフに形成された溝の下面に貼設されたシール部材で構成され、下面は、インナールーフ、空気調和機、及び、インナールーフと空気調和機とに架設されるプレートで構成されるので、インナールーフ42とアウタールーフ41との間の狭い空間でも、空気導入用ダクトを形成することができ、別途ダクト部品が不要で、また、シール部材等の剥がれによる隙間からのエアーの流入を防ぐことができ、空気導入用ダクト内部にゴミ等の流入を減らすことができる。
【0032】
また、前記空気吐出用ダクトの上下面を略水平方向に、室内側面を斜めに形成し、下方よりインナールーフを下面と斜面に沿って取り付けるとともに、空気吐出用ダクトとインナールーフとの間にシール部材を介装するので、インナールーフを下から押し付けて固定することができて簡単に取り付けることができ、取付作業の効率化を図ることができる。また、空気吐出用ダクトのインナールーフとの係合面にシール部材を着設しているので、インナールーフを取り付ける時にこすれ等が生じるがシール部材によって剥がれが起こらないのである。
【0032】
請求項2に示す如く、前記空気調和機(30)の後部の、平面視において外周に凹部(30d)を形成し、該凹部(30d)に空気調和機(30)の操作パネル(65)を配置し、該操作パネル(65)の操作部(65a)は、前記キャビン(12)の内部のインナールーフ(42)に付設し、前記凹部(30d)は、空気調和機(30)を構成するブロワ(71)の吹き出しエアー前方に配置しており、該凹部(30d)の内壁を利用して、該ブロワ(71)からエアーを方向変換し、同じく空気調和機(30)を構成する熱交換器(72)に送風すべく構成したので、省スペースで空気調和機と空気調和機用操作部材を配置することができ、インナールーフのふくらみ(凹凸)を最小限に抑えることができる。
このように、空気調和機30に凹部30dを設け、該凹部30dに操作パネル65を配設することで、省スペースで空気調和機30と操作パネル65を配置することができ、インナールーフ42のふくらみ(凹凸)を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のキャビンを装備したトラクタの側面図。
【図2】 キャビン上部の空気導入用ダクトを示す平面断面図。
【図3】 キャビン上部の空気導入用ダクトを示す側面断面図。
【図4】 キャビン上部の空気導入用ダクトを示す正面断面図。
【図5】 キャビン上部の空気調和機を示す平面断面図。
【図6】 キャビン上部の空気調和機を示す側面断面図。
【図7】 キャビン上部の空気調和機を示す底面断面図。
【図8】 吹き出し口を示す断面図。
【図9】 吹き出し口を示す斜視図。
【図10】 吹き出し口を示す側面図。
【図11】 吹き出し口を示す平面図。
【符号の説明】
12 キャビン
30 空気調和機
30a 突出部(リブ)
40 空気吐出用ダクト
41 アウタールーフ
41a 溝(凹部)
42 インナールーフ
60 空気導入用ダクト
62・66 シール部材
64 プレート
73・74 吹き出し口
Claims (2)
- 走行機体の運転部を覆うキャビン(12)に空気調和機(30)を配置する構成において、該空気調和機(30)をキャビン(12)のルーフ前部左右中央に設け、前記キャビン(12)の天井をインナールーフ(42)及びアウタールーフ(41)で構成し、前記空気調和機(30)及びインナールーフ(42)とアウタールーフ(41)との間を空気導入用ダクト(60)とし、該空気導入用ダクト(60)の前端面は、該空気調和機(30)より立ち上げた突出部(30a)を、前記アウタールーフ(41)の下面に貼設したシール部材(62)に接当して構成し、該空気導入用ダクト(60)の側面は、前記アウタールーフ(41)の左右両側に凹部(41a・41a)を形成し、該凹部(41a・41a)下面を水平に形成し、前記シール部材(62)を該凹部(41a)の裏面に貼設し、該シール部材(62)にインナールーフ(42)の上面が接当して構成し、該空気導入用ダクト(60)の下面は、インナールーフ(42)、空気調和機(30)、及び、インナールーフ(42)と空気調和機(30)とに架設されるプレート(64)で構成したことを特徴とするキャビンの構造
- 請求項1記載のキャビンの構造において、前記空気調和機(30)の後部の、平面視において外周に凹部(30d)を形成し、該凹部(30d)に空気調和機(30)の操作パネル(65)を配置し、該操作パネル(65)の操作部(65a)は、前記キャビン(12)の内部のインナールーフ(42)に付設し、前記凹部(30d)は、空気調和機(30)を構成するブロワ(71)の吹き出しエアー前方に配置しており、該凹部(30d)の内壁を利用して、該ブロワ(71)からエアーを方向変換し、同じく空気調和機(30)を構成する熱交換器(72)に送風すべく構成したことを特徴とするキャビンの構造。
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