JP3942947B2 - 防水秤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子秤に係り、特に計量皿の下部に連結一体化されている荷重検出機構を収容する収容室に対し防水がとられた電子秤(以下、防水秤という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の防水秤は、図11に示すように、上方に開口する外部ケース2内に、荷重検出機構4を内蔵した上方に開口するユニットケース3が収容され、荷重検出機構4に計量皿5が連結一体化されて構成されている。符号9は、荷重検出機構4で検出した検出値を演算制御等する電子回路基板である。そして、荷重検出機構4を収容するユニットケース3の防水構造としては、ユニットケース3の立壁3a上端部に沿ってシールパッキン6が装着されるとともに、外部ケース2の上方開口部を覆うように延在する蓋体8が立壁3aに設けた接続板3bにビス3c止めされて、シールパッキン6が立壁3a上端部と蓋体8下面間に圧接保持されてユニットケース3内が防水されている。さらに、蓋体8と計量皿5との間には、両者8,5間の隙間を閉塞する防水膜シート7がビス7a,7b止めにより介装されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記した従来の防水秤では、防水構造にするための専用の蓋体8,接続板3b,シールパッキン6およびビス3cが必要で、部品点数が多く、それだけ構造の複雑化、大型化、重量増、組み付け性の煩雑化などの諸問題があった。
【0004】
本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑みてなされてものであり、その目的は、防水に専用の蓋体が不要となって、部品点数が少なく、構成が簡潔で、小型かつ軽量にして、組み付け性に優れた防水秤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の防水秤においては、立壁に囲まれた上方に開口する荷重検出機構収容室が形成された下ケースと、前記収容室に収容され、上方に計量皿を連結した荷重検出機構と、下端周縁部が前記下ケースの周縁部に嵌合し、前記収容室の上方を覆う防水カバーとなるドーム型の金属製上ケースを備え、前記上ケースの頂部には、前記計量皿と荷重検出機構を連結する連結部材が貫通する上方開口部が設けられ、前記連結部材に周設された係合溝に内周縁を圧入され、前記立壁に周設された係合溝に外周縁を圧入され、前記連結部材と前記立壁の間の隙間を閉塞する伸縮性の防水ダイヤフラムが介装されたことを特徴とする。
【0006】
(作用) 下ケースに嵌合されて荷重検出機構収容室の上方を覆う金属製の上ケースが、荷重検出機構収容室への水の侵入を抑制する簡易防水カバーとして機能する。
【0007】
また、上ケースが角形である従来構造では、上ケースの平坦な上方開口部周辺領域に水がたまりやすく、上方開口部から上ケース内に水が侵入しやすいが、ドーム型の上ケースでは、外側ほど徐々に下方に傾斜し水滴の落下に適した上方開口部周辺領域には水がたまりにくく、したがって上方開口部から上ケース内に水が侵入しにくい。それでも、上カバーの内部には、計量皿を伝わる等して上カバーの上方開口部から水が侵入する恐れがあるが、連結部材と立壁間に介装された防水ダイヤフラムによって、荷重検出機構収容室内は液密状態に確実にシールされる。したがって、防水カバーとなる上ケースと下ケース間の嵌合部は、厳格な液密性を要求しない簡易シールでよく、それだけ上ケースの構成が簡潔となる。しかも、防水ダイヤフラムは伸縮性があり、計量時における連結部材の上下動に対する抵抗として作用しない。なお、防水ダイヤフラムは、従来の防水膜シートの取着に不可欠であったビス止めを全く用いない圧入により、連結部材と立壁間に簡単に介装できる。
【0008】
また、上ケースが従来構造における防水専用の蓋体と外部ケースとを兼ねるので、防水専用の蓋体が不要となって、防水構造の部品点数が低減し、構成が簡潔化し、組み付け性もよく、防水秤が小型かつ軽量化する。
【0009】
また、この種の防水秤は、魚や農作物等を計量する汎用の天秤として広く使用されるものであり、上ケースを金属製とすることで、堅牢かつ長寿命にして、ある程度の重量を持たせる上で有効である。特に、上ケースをアルミニウムダイキャストやステンレスで構成した場合は、耐錆性、耐熱性、耐久性、耐薬品性等において優れる。
【0010】
請求項2に係る発明の防水秤においては、請求項1に記載の防水秤において、前記上ケースに設けた側方開口部には、防水機能を備えた合成樹脂製表示ユニットを取着し、前記立壁に設けた貫通孔から導出して前記表示ユニットに延びる通電用コードを、前記表示ユニットと前記立壁間に配設したフレキシブルな防水パイプ内に挿通するように構成した。
【0011】
(作用)通電部を内蔵する表示ユニットは防水機能を備えている。また表示ユニット背面壁と立壁間にまたがって配設された防水パイプは、荷重検出機構側と表示ユニット側とを電気的に接続する通電路(通電コード)を、簡易防水構造のため水密性が不十分な上ケース内部から隔離して確実に防水する。
【0012】
また、上ケースを下ケースに組み付ける際は、上ケースに一体化された表示ユニットと立壁とが防水パイプで繋がっている形態で行うが、フレキシブルな防水パイプは下ケースと上ケース間のスペースに追随できるので、防水パイプが上下のケースの組み付け作業の邪魔になることはない。
【0013】
請求項3に係る発明の防水秤においては、請求項1に記載の防水秤において、前記下ケースにおける前記荷重検出機構収容室の真下に、蓋が底面側に開口可能な電源収容室を設けるように構成した。
【0014】
(作用)上ケースと下ケースによって秤本体ケースが構成され、下ケースに設けられた電源収容室は下ケース内部側ではなく秤本体ケース(下ケース)の底面側に開口できるため、上ケースを下ケースから取り外すことなく、秤本体ケース(下ケース)の底面側から電源(例えば乾電池)を交換することができる。
【0015】
また、下ケースにおける荷重検出機構収容室の下方に重量のある電源(例えば、乾電池)が収容されるため、秤全体の重心位置がそれだけ低くなって、安定する。即ち、計量皿の中心から外れた位置に重量のある被計量物を載せたり、上ケース(の表示ユニット)に設けた電源スイッチ等のスイッチ類の操作の際に秤本体ケース(上ケース)に指の押圧力が作用したとしても、秤全体の重心位置が低いので、バランスを崩して秤が倒れる等といった不具合は発生しない。
【0016】
また、一般に荷重検出機構収容室内には、荷重検出機構で検出した検出値を演算制御等する電子回路基板が設けられるが、荷重検出機構収容室は、電源収容室相当だけ底上げされた下ケース内の上方位置に配置されることとなって、それだけ荷重検出機構および電子回路基板は湿気にさらされにくい。
【0020】
請求項4に係る発明の防水秤においては、立壁に囲まれた上方に開口する荷重検出機構収容室が形成された合成樹脂製下ケースと、前記収容室に収容された荷重検出機構と、前記荷重検出機構の上方に計量皿を連結する連結部材と、前記連結部材に周設された係合溝に内周縁が弾性係合し、かつ前記荷重検出機構収容室を形成する立壁に周設された係合溝に外周縁が弾性係合することで、前記連結部材と立壁間に介装された伸縮性の防水ダイヤフラムとを備えるように構成した。
(作用)防水ダイヤフラムの内外周縁を連結部材および立壁の係合溝にそれぞれ弾性係合させることで、連結部材と立壁間にダイヤフラムを簡単に介装できる。そして、防水ダイヤフラム内周縁と連結部材の係合溝との弾性係合部において防水がとられ、防水ダイヤフラム外周縁と立壁の係合溝との弾性係合部において防水がとられる。即ち、立壁内の荷重検出機構収容室は、立壁と連結部材間に介装された防水ダイヤフラムによって確実にシールされるので、従来構造において必要であった防水専用の蓋体が不要となり、防水構造の部品点数が低減して構成が簡潔化し、組み付け性もよく、防水秤が小型かつ軽量化する。
【0021】
請求項5に係る発明の防水秤においては、請求項4に記載の防水秤において、前記防水ダイヤフラムの内周縁には前記連結部材に周設された係合溝へ弾性係合する厚肉リブが形成され、前記ダイヤフラムの外周縁には前記立壁の係合溝に弾性係合する断面コ字型の圧入部が形成され、前記厚肉リブはリング状弾性体の前記係合溝への圧入により前記連結部材に固定され、前記圧入部は紐状弾性体の前記圧入部のコ字開口部内への圧入により前記立壁に把持されるように構成した。
【0022】
(作用)連結部材外周面の係合溝に圧入された防水ダイヤフラム内周縁の厚肉リブは、さらに係合溝に嵌入された(連結部材外周より小径の)リング状弾性体によって係合溝深さ方向に付勢されて、係合溝と防水カバー内周縁間の圧接力が高められるとともに、抜け止め保持される。また、立壁上端面の係合溝に圧入された防水ダイヤフラム外周縁の断面コ字型の圧入部は、さらに圧入部のコ字開口部内に圧入された紐状弾性体によって係合溝の対向側面に把持されて、抜け止め保持される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1〜図9は、本発明の第1の実施例に係る防水秤を示し、図1は防水秤の縦断面図、図2は同防水秤の分解斜視図、図3は同防水秤の斜視図、図4は上ケースおよび計量皿を取り外した同防水秤の斜視図、図5は下ケースと上ケースの分解斜視図、図6は同防水秤の一部を断面で示す斜視図、図7は計量皿・荷重検出機構間連結部材と立壁上縁部間に介装された防水ダイヤフラムの縦断面図、図8は下ケースを背面側から見た斜視図、図9は下ケースの側方開口部への表示ユニット係合固定部の拡大断面図である。
【0025】
これらの図において、本実施例に示す防水秤は、計量皿40の下部に連結された荷重検出機構であるロードセル20を収容する合成樹脂製の下ケース10と、下ケース10の周縁部に嵌合一体化されてロードセル20の上方を覆う簡易防水カバーであるステンレス製の上ケース30と、上ケース30に一体化された表示ユニット50とから主として構成されている。
【0026】
下ケース10上には、矩形筒型の立壁12に取り囲まれたロードセル収容室14が設けられて、ここにロードセル20が収容されている。ロードセル20は、起歪体21に歪みゲージ(図示せず)を貼り付けて構成され、起歪体21の荷重作用側端部には金属製上プレート枠22aが、起歪体21の固定側端部には金属製下プレート枠22bがそれぞれ固定されたユニットとして構成されている。そして、収容室14の底面に下プレート枠22bがねじ固定されている。ロードセル20(金属製上プレート枠22a)の上方には、連結部材42を介して計量皿40が連結一体化されている。計量皿40は、プラットホーム40aとこれを覆うカバー40bで構成されている。
【0027】
連結部材42は、ロードセル20の上プレート枠22aに固定される矩形状のベース部42aと、計量皿40がねじ固定される矩形ブロック状の頂部42bと、両者42a,42b間に設けられた円盤状部42cとを備えた樹脂成形体で構成されている。
【0028】
そして、軽量皿40に載せた被計量物の重量は、ロードセル(歪みゲージ)20の出力として検出され、起歪体21の側面に固定された、演算制御部を構成する電子回路基板24を経て、表示ユニット50の液晶表示画面50aにデジタル表示される。
【0029】
下ケース10におけるロードセル収容室14の真下には、パッキン15aで防水されるとともに、蓋15を取り外すことで下方に開口可能な電源収容室16が設けられており、本体ケースの外側から電源(例えば乾電池)17を交換することができるので、非常に便利である。
【0030】
また、ロードセル収容室14は、電源収容室16相当だけ底上げされて下ケース10の底面から上方に離間する位置に設けられることとなって、それだけロードセル収容室14に収容されるロードセル20や電子回路基板24が湿気の影響を受けにくい。
【0031】
また、電源収容室16に重量のある電源(例えば、乾電池)17が収容されると、秤全体の重心位置がそれだけ低くなって、安定する。即ち、計量皿40の中心から外れた位置に重量のある被計量物を載せたり、表示ユニット50に設けた電源スイッチ等のスイッチ類の操作の際に秤本体ケース(上ケース30)に指の押圧力が作用したとしても、秤全体の重心位置が低いので、バランスを崩して秤が倒れる等といった不具合は発生しない。
【0032】
また、ロードセル収容室14を形成する立壁12の上縁部とロードセル20上方の連結部材42との間には、連結部材42の上下動作に対する負荷を作用させることなく両者12,42間の隙間を確実に閉塞密封する伸縮性に富む防水ダイヤフラム60が介装されている。
【0033】
ダイヤフラム60は、軟質ゴムで構成され、連結部材42の円盤状部42cの外形に整合する大きさの円形内周縁61と、立壁12(ロードセル収容室14)の外形に略整合する大きさの矩形状外周縁65と、連結部材42のベース部42a外周に密着できる矩形状の中央延在部62とを備えて構成されている。そして、図7に拡大して示すように、連結部材42の円盤状部42cの外周面には係合溝43が周設され、立壁12の上縁部端面には矩形溝13が周設されている。一方、ダイヤフラム60の内周縁61には、連結部材42側の係合溝43に弾性係合する厚肉リブ63が周設され、ダイヤフラム60の外周縁65には、立壁12側の係合溝13に弾性係合する断面コ字型の圧接部(断面凹状圧入部)66が周設されている。
【0034】
そして、ダイヤフラム内周縁61側の厚肉リブ63を連結部材42側の係合溝43に弾性係合させるとともに、連結部材42の外形よりも小径のゴム製のOリング64を厚肉リブ63の上から係合溝43に圧入装填することで、厚肉リブ63は係合溝43の深さ方向に付勢されて抜け止め保持される。即ち、ダイヤフラム内周縁61と連結部材42(の係合溝43)間の弾性係合部は、水密性が確保された形態に保持される。一方、ダイヤフラム外周縁65側の断面コ字型圧接部66を立壁12側の係合溝13に弾性係合させるとともに、圧接部66のコ字開口部66a内にゴム製の紐状弾性体67を圧入装填することで、断面コ字型圧接部66は係合溝13の溝幅方向外方に付勢されて(断面コ字型圧接部66は係合溝13の対向側面に圧接して)抜け止め保持される。即ち、ダイヤフラム外周縁65と立壁12(の係合溝13)間の弾性係合部は、水密性が確保された形態に保持される。
【0035】
また、上ケース30は、手で掴み易いドーム型に形成されており、その天頂部は、ロードセル20と計量皿40を連結する連結部材42の外周近傍位置まで延びている。即ち、上ケース30の天頂部には、連結部材42が上下に貫通する上方開口部32が設けられており、上ケース30の下端部には、縁部を内側に折り曲げた折曲部31が下端縁部に沿って周設されている。一方、下ケース10におけるフランジ状周縁部11の外周には、上ケース担持用の水平リブ11aが設けられるともに、複数箇所に上ケース30側の折曲部31を係止するフック11bが設けられている。そして、上ケース30の下端部を水平リブ11aに当接させ、折曲部31を下ケース10側のフック11bに係合させることで、抜け止め保持されて、本体ケースとして一体化されている。
【0036】
また、この上ケース30は、その天頂部が立壁12の上方を越えてロードセル収容室14の上方を覆う位置まで延在して、ロードセル収容室14に水が侵入することを抑制する簡易防水カバーとして機能する。
【0037】
また、ドーム型の上ケース30は、全体が外側ほど徐々に下方に傾斜し水滴の落下に適した曲面形状であるため、上方開口部32の周辺領域に水がたまりにくく、したがって上方開口部32から上ケース30内に水が侵入しにくい。
【0038】
なお、この上ケース30は、切断工程を含む板金のプレス成形により、簡単に量産できる。特に、上ケース30はステンレス製であるため、耐錆性、耐熱性、耐久性、耐薬品性等において優れる他、ステンレス特有の金属光沢が従来の樹脂製ケースでは得られない落ち着いた質感,高級感および清潔感が得られる。
【0039】
表示ユニット50は、合成樹脂製の前面側ケース51と合成樹脂製の背面側ケース53間係合部にパッキン54が介在されて、電装品を収容した表示ユニット50内の防水がとられている。そして、上ケース30の側壁に設けられた側方開口部34に表示ユニット50が上ケース30前面側から嵌め込まれるとともに、図8,9に示すように、ビス58と金属製ブラケット59によって固定されている。前面側ケース51の周縁枠52の背面側は、下ケース30の曲面(側方開口部34の周縁部の曲面)に倣う形状に形成されるとともに、周縁枠52および背面側ケース53には、上ケースの側方開口部34の内周縁に係合する複数の位置決め用のボス54が設けられている。ブラケット59はL字型で、上ケース30との当接部であるその先端部は、曲面に対応できる円弧形状に形成されている。そして、上ケース30の側方開口部34に表示ユニット50を上ケース30前面側から嵌め込むとともに、ビス58と金属製ブラケット59によって固定一体化する。即ち、表示ユニット50の背面側を開口部34に係合させると、位置決め用のボス54が開口部34周縁に圧接してガタなく保持されるので、四隅のボス54にブラケット59をビス58で仮止めする。次いで、前面側ケース51の周縁枠52が開口部34の周縁に密着しブラケット59の円弧状の先端部59aが開口部34周縁にバランスよく当接するように調節しながらビス58を締め付けることで、簡単に固定できる。
【0040】
また図5に示すように、表示ユニット50の背面壁には、ユニット50内に延びる挿通孔55aを設けたボス55が突設され、一方、立壁12の外周面にも立壁12内(ロードセル収容室14)に延びる挿通孔115aを設けたボス115が突設されている。そして、両ボス55,115間には、表示ユニット50の内部と立壁12の内部とを連通させるフレキシブルなビニール製の防水パイプ56が配設されるとともに、ロードセル20と表示ユニット50とを電気的に接続する通電用コード28が防水パイプ56内に挿通されている。
【0041】
この表示ユニット50の背面壁と立壁12間にまたがって配設された防水パイプ56は、ロードセル20側と表示ユニット50側とを電気的に接続する通電路(通電用コード28)を、簡易防水のため水密性が不十分な上ケース30の内部空間から隔離して確実に防水するので、ロードセル20と表示ユニット50間の通電路における絶縁が阻害されることはない。なお、図4に示す符号57は、密閉された立壁12の内部を下ケース10の下方に連通させて、ロードセル収容室14を大気圧に解放するためのフレキシブルな防水パイプである。
【0042】
このように本実施例では、上ケース30が水に強いステンレス製で、ロードセル20や電子回路基板24が収容されるロードセル収容室14内は防水ダイヤフラム60で水密性が確保され、電子回路基板24と表示ユニット50間の通電路である通電用コード28は立壁12と表示ユニット50間に配設された防水パイプ56によって水密性が確保されて、上ケース30内に水が侵入しても秤としての機能が損なわれない構造となっている。したがって、本実施例に示す防水秤は、例えば肉や野菜や魚といった鮮度のある種々の食材の計量に使用でき、秤が汚れた場合には、上ケース30内に水が入ることを気にすることなく計量皿40の上から積極的に水を注いで、計量皿40や上ケース30に付着した汚れを洗い流すことができる。
【0043】
また、上ケース30を下ケース10に組み付ける際は、上ケース30に一体化された表示ユニット50と立壁12とが防水パイプ56で繋がっている形態で行うが、フレキシブルな防水パイプ56は変形が容易で、下ケース10と上ケース30間のスペースに追随できるので、防水パイプ56,57が上下のケース30,10の組み付け作業の邪魔になることはない。
【0044】
なお、前記した実施例では、立壁12の上端面に係合溝13が設けられ、この係合溝13にダイヤフラム外周縁65側の断面コ字型圧接部66が弾性係合し、さらに圧接部66のコ字開口部66a内にゴム製の紐状弾性体67を圧入装填することで、ダイヤフラム60の外周縁65側が係合溝13に対し抜け止め保持される構造であったが、図10(a),(b)に示すように、立壁12の外周面に係合溝13を周設し、この係合溝13にダイヤフラム外周縁65側に周設した断面コ字型圧接部66または厚肉リブ63aを弾性係合させるとともに、さらに立壁12の外形よりも小さい径のゴム製のOリング60を圧接部66のコ字開口部66a内や厚肉リブ63aの上から係合溝13に圧入装填することで、ダイヤフラム外周縁65側を係合溝13に対し抜け止め保持するように構成してもよい。
【0045】
また、前記した実施例では、上ケース30がステンレス製として説明されているが、アルミニウムダイキャスト製その他の金属製であってもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、立壁内側の荷重検出機構収容室は、簡易防水カバーとして機能する外側の上ケースに加えて、連結部材の上下動作を妨げない防水ダイヤフラムによって確実にシールされるので、部品点数が少なく、構成が簡潔で、小型軽量にして組み付け性及び防水性もよいので、使い勝手のよい長期使用可能な防水秤を安価に提供できる。
【0047】
特に、上ケースをステンレスで構成した場合には、耐錆性、耐熱性、耐久性、耐薬品性等において優れる他、ステンレス特有の金属光沢が従来の樹脂製ケースでは得られない落ち着いた高級感と清潔感が得られて、他の防水秤との著しい差別化を図ることができる。さらに、ステンレス製上ケースは、プレス成形によって簡単に量産できるので、防水秤の大幅な低コスト化を実現できる。
【0048】
請求項2に係る発明によれば、防水機能を備えた表示ユニット内と立壁内とを連通する防水パイプによって、立壁内の荷重検出機構側と表示ユニット側とを電気的に接続する通電路(通電コード)が確実に防水されて絶縁が確保される。
【0049】
また、表示ユニットと立壁間にまたがって配設された防水パイプはフレキシブルであるため、表示ユニットを上ケースに一体化したものを下ケースにスムーズに組み付けることができ、防水秤の組み立て作業が簡単となる。
【0050】
請求項3に係る発明によれば、下ケースの底面側から電源を交換できるので、電源の交換作業が簡単となる。
【0051】
また、秤全体の重心位置が低いので安定性に優れ、それだけ使い勝手がよい。
【0052】
また、下ケース底面から上方に離間した湿気の影響を受けにくい位置に荷重検出機構や電子回路基板を設けることができるので、秤の長期の使用が保証される。
【0054】
請求項4に係る発明によれば、部品点数が少なく、構成が簡潔で、小型・軽量にして組み付け製および防水性に優れた防水秤を安価に提供できる。
【0055】
請求項5に係る発明によれば、リング状弾性体と紐状弾性体を用いることで、防水ダイヤフラムの内外周縁を連結部材および立壁の各係合溝にそれぞれ抜け止めされた状態に簡単に装填できるので、連結部材と立壁間への防水ダイヤフラムの介装、ひいては防水秤の組付けが簡単となる。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例である防水秤の縦断面図である。
【図2】 同防水秤の分解斜視図である。
【図3】 同防水秤の斜視図である。
【図4】 上ケースおよび計量皿を取り外した同防水秤の斜視図である。
【図5】 下ケースと上ケースの分解斜視図である。
【図6】 同防水秤の一部を断面で示す斜視図である。
【図7】 計量皿と荷重検出機構を連結する連結部材と、荷重検出機構収容室を形成する立壁上縁部間に介装された防水ダイヤフラムの縦断面図である。
【図8】 下ケースを背面側から見た斜視図である。
【図9】 下ケースの側方開口部への表示ユニット係合固定部の拡大断面図である。
【図10】 (a)本発明の第2の実施例である防水秤の要部縦断面図である。
(b)本発明の第3の実施例である防水秤の要部縦断面図である。
【図11】 従来の電子秤の縦断面図である。
【符号の説明】
10 下ケース
11 下ケースの周縁部
11a 水平リブ
11b フック
12 立壁
13 立壁上縁部に周設された係合溝
14 ロードセル収容室(荷重検出機構収容室)
15a パッキン
15 電源収容室の蓋
16 電源収容室
17 電源である乾電池
20 ロードセル(荷重検出機構)
21 起歪体
24 電子回路基板
28 通電用コード
30 上ケース
40 計量皿
42 連結部材
43 連結部材に周設された係合溝
50 表示ユニット
56 防水パイプ
60 伸縮性の防水ダイヤフラム
61 防水ダイヤフラムの内周縁
63 防水ダイヤフラムの内周縁に周設された厚肉リブ
64 Oリング(リング状弾性体)
65 ダイヤフラムの外周縁
66 ダイヤフラムの外周縁に周設された断面コ字型の圧接部(圧入部)
67 断面コ字型の圧接部のコ字開口部内に圧入される紐状弾性体
Claims (5)
- 立壁に囲まれた上方に開口する荷重検出機構収容室が形成された下ケースと、前記収容室に収容され、上方に計量皿を連結した荷重検出機構と、下端周縁部が前記下ケースの周縁部に嵌合し、前記収容室の上方を覆う防水カバーとなるドーム型の金属製上ケースを備え、前記上ケースの頂部には、前記計量皿と荷重検出機構を連結する連結部材が貫通する上方開口部が設けられ、前記連結部材に周設された係合溝に内周縁を圧入され、前記立壁に周設された係合溝に外周縁を圧入され、前記連結部材と前記立壁の間の隙間を閉塞する伸縮性の防水ダイヤフラムが介装されたことを特徴とする防水秤。
- 請求項1に記載の防水秤において、前記上ケースに設けられた側方開口部には、防水機能を備えた合成樹脂製表示ユニットが取着され、前記立壁に設けた貫通孔から導出して前記表示ユニットに延びる通電用コードが、前記表示ユニットと前記立壁間に配設されたフレキシブルな防水パイプ内に挿通されたことを特徴とする防水秤。
- 請求項1に記載の防水秤において、前記下ケースにおける前記荷重検出機構収容室の真下には、蓋が底面側に開口可能な電源収容室が設けられたことを特徴とする防水秤。
- 立壁に囲まれた上方に開口する荷重検出機構収容室が形成された合成樹脂製下ケースと、前記収容室に収容された荷重検出機構と、前記荷重検出機構の上方に計量皿を連結する連結部材と、前記連結部材に周設された係合溝に内周縁が弾性係合し、かつ前記荷重検出機構収容室を形成する立壁に周設された係合溝に外周縁が弾性係合することで、前記連結部材と立壁間に介装された伸縮性の防水ダイヤフラムとを備えたことを特徴とする防水秤。
- 請求項4に記載の防水秤において、前記防水ダイヤフラムの内周縁には前記連結部材に周設された係合溝へ弾性係合する厚肉リブが形成され、前記防水ダイヤフラムの外周縁には前記立壁の係合溝に弾性係合する断面コ字型の圧入部が形成され、前記厚肉リブはリング状弾性体の前記係合溝への圧入により前記連結部材に固定され、前記圧入部は紐状弾性体の前記圧入部のコ字開口部内への圧入により前記立壁に把持されることを特徴とする防水秤。
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