JP2014106153A - 電子秤の防水構造 - Google Patents

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豪基 岡田
Tomoko Nakano
登茂子 中野
Keiichi Miyajima
慶一 宮嶋
Naohiro Fujisawa
直広 藤澤
Takahiro Hayashi
隆浩 林
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【課題】防水機能を持たない製品に比べて大型化することなく電子秤に防水機能を付与することができる電子秤の防水構造を提供する。
【解決手段】被計量物が載置される計量皿3と、計量皿3の下面を支持し、該計量皿3に載置された被計量物の荷重を受けて可動する皿受け部材9と、皿受け部材9に連結されて被計量物の荷重を測定する荷重測定機構7と、上面に皿受け部材9の外形よりも大きな開口部2a1を有するケース2とを有し、皿受け部材9が開口部2a1の内側に配置されるように該皿受け部材9及び荷重測定機構7がケース2内に収容され、計量皿3とケース2との間からの浸水に対して、柔軟性を有する合成樹脂材又はゴム材からなる防水性付与部材10によって荷重測定機構7に防水性が付与される電子秤の防水構造において、防水性付与部材10を、別途の取付け部品を用いることなく、皿受け部材9に接して設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は電子秤の防水構造に関し、詳しくは、防水機能を持たない製品に比べて大型化することなく電子秤に防水機能を付与することができる電子秤の防水構造に関する。
被計量物の荷重を電気的に計測する電子秤は、身近なところではキッチンスケールとして利用されている。近年、キッチンスケール業界の動向として、収納に便利な薄型のものが主流となっているが、特に、キッチンスケールは食品と触れることから、衛生面への十分な配慮が求められており、「洗えるスケール」のニーズも高まってきている。このため、キッチンスケールの機能として防水機能が注目されている。
防水機能は、一般にケースの継ぎ目にパッキンを介在させることによって得ることができ、これによってケース内部の回路ユニット等の防水を図ることができる。しかし、キッチンスケールは被計量物の荷重を受けて可動する可動部材である皿受け部材を有しているため、この皿受け部材と固定部材であるケースとの間に間隙を必要とし、この間隙から水が浸入するおそれがある。このため、皿受け部材と連結されている電気的部品である荷重測定機構が水を被るおそれがあるため、この荷重測定機構を水から保護する必要がある。
従来、この間隙に防水構造を施したキッチンスケールが提案されている(例えば特許文献1〜3)。しかし、いずれも固定部材と被計量物の荷重を受ける可動部材とに亘ってダイヤフラムやベローズ等を配置し、これを押え板やOリング等を用いて止着することで防水性を付与しているため、防水構造が複雑となる。また、製品形状としてダイヤフラムやベローズを押え板やOリング等によって止着するための作業スペースを形成しておく必要があり、非防水の製品に比べて製品高さ(特に計量皿の取付け高さ)が高くなってしまう。その結果、非防水の製品に比べて2倍近い厚さを有する大型化した製品となってしまい、収納に便利な薄型が好まれるキッチンスケール業界において商品としての訴求力が弱いという問題がある。
特開2003−322556号公報 特開2005−140624号公報 特開2007−107989号公報
そこで、本発明は、防水機能を持たない製品に比べて大型化することなく電子秤に防水機能を付与することができる電子秤の防水構造を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の発明によって解決される。
(請求項1)
被計量物が載置される計量皿と、
前記計量皿の下面を支持し、該計量皿に載置された被計量物の荷重を受けて可動する皿受け部材と、
前記皿受け部材に連結されて被計量物の荷重を測定する荷重測定機構と、
上面に前記皿受け部材の外形よりも大きな開口部を有するケースとを有し、
前記皿受け部材が前記開口部の内側に配置されるように該皿受け部材及び前記荷重測定機構が前記ケース内に収容され、前記計量皿と前記ケースとの間からの浸水に対して、柔軟性を有する合成樹脂材又はゴム材からなる防水性付与部材によって前記荷重測定機構に防水性が付与される電子秤の防水構造において、
前記防水性付与部材は、別途の取付け部品を用いることなく、前記皿受け部材に接して設けられていることを特徴とする電子秤の防水構造。
(請求項2)
前記防水性付与部材は、前記皿受け部材の周囲又は上面と前記ケースとに亘って設けられ、前記皿受け部材と前記ケースとの間に形成される前記開口部の間隙を塞いでいることを特徴とする請求項1記載の電子秤の防水構造。
(請求項3)
前記皿受け部材の外周と前記開口部の内周とに亘って、前記防水性付与部材が一体成形されていることを特徴とする請求項2記載の電子秤の防水構造。
(請求項4)
前記皿受け部材の上面と前記ケースの上面とに亘って、シート状の前記防水性付与部材が接着されていることを特徴とする請求項2記載の電子秤の防水構造。
(請求項5)
前記皿受け部材と前記荷重受け部材とが、該皿受け部材の外周から該荷重測定機構に亘って前記防水性付与部材によって一体に被覆されていることを特徴とする請求項1記載の電子秤の防水構造。
本発明によれば、防水機能を持たない製品に比べて大型化することなく電子秤に防水機能を付与することができる電子秤の防水構造を提供することができる。
本発明の第1の態様に係る防水構造が設けられた電子秤の全体斜視図 第1の態様に係る電子秤の内部構造を示す縦断面図 第1の態様に係る電子秤の計量皿を取り外した状態を示す全体斜視図 第1の態様に係る電子秤の皿受け部材と上ケースとの部分断面図 本発明の第2の態様に係る防水構造が設けられた電子秤の内部構造を示す縦断面図 第2の態様に係る電子秤の計量皿を取り外した状態を示す部分断面図 第2の態様に係る電子秤の計量皿を取り外した状態を示す全体斜視図 本発明の第3の態様に係る防水構造が設けられた電子秤の内部構造を示す縦断面図
本発明に係る電子秤の防水構造は、被計量物が載置される計量皿と、前記計量皿の下面を支持し、該計量皿に載置された被計量物の荷重を受けて可動する皿受け部材と、前記皿受け部材に連結されて被計量物の荷重を測定する荷重測定機構と、上面に前記皿受け部材の外形よりも大きな開口部を有するケースとを有し、前記皿受け部材が前記開口部の内側に配置されるように該皿受け部材及び前記荷重測定機構が前記ケース内に収容され、前記計量皿と前記ケースとの間からの浸水に対して、柔軟性を有する合成樹脂材又はゴム材からなる防水性付与部材によって前記荷重測定機構に防水性が付与される電子秤の防水構造において、前記防水性付与部材は、別途の取付け部品を用いることなく、前記皿受け部材に接して設けられてなるものである。
一般に、被計量物の荷重を受けて可動する可動部材である皿受け部材と、固定部材であるケースとの間には、荷重を受けた際に皿受け部材がケースに対して動くことができる程度の間隙を必要とする。また、計量皿とケースとの間は、被計量物の荷重によって計量皿が下降してもケースと干渉することのない程度に離間している。このため、計量皿とケースとの間から水が浸入し、間隙を通って電気部品である荷重測定機構等が水を被ることのないように、従来ではダイヤフラムやベローズ等を押え板やOリング等の別途の取付け部品を用いて止着することで間隙を塞ぐようにしており、構造が複雑となるとともに、取付け部品の組み付け作業スペースを形成する必要があることから製品が大型化してしまっていた。
本発明は、防水性付与部材を、別途の取付け部品を用いることなく、皿受け部材に接して設けることで、外部からの浸水に対して荷重測定機構に防水性を付与しているため、防水性付与部材を設けるために別途の取付け部品を用いて止着する等の組み付け作業を行う必要がない。このため、製品形状として防水性付与部材を取り付けるための部品の組み付け作業スペースを形成することが不要となり、製品の大型化を抑制することができる。
被計量物の荷重を受けて可動する皿受け部材は、上端が計量皿の下面を支持し、下端が被計量物の荷重を測定する荷重測定機構と連結され、計量皿に載置された被計量物の荷重を荷重測定機構に伝達する。
荷重測定機構は皿受け部材と連結され、皿受け部材の被計量物の荷重に応じた下降動作に応じて歪み変形し、この歪み変形を電気的に測定するものであり、一般にはロードセルによって構成される。ロードセルは、荷重を受けて歪み変形する起歪体と、この起歪体の歪み変形を電気的に検出する歪みゲージとを少なくとも有して構成される。
また、皿受け部材及び荷重測定機構はケースに収容される。皿受け部材は上端に計量皿を配置させるため、通常はケースの上面から表面に露出するように収容されるが、ケースに対して固定されておらず、ケースの上面に形成された開口部の内側に配置される。皿受け部材の周囲と開口部の内周との間には皿受け部材が上下に変位可能となる間隙を有している。
防水性付与部材は、この皿受け部材の周囲又は上面とケースとに亘って設けられ、皿受け部材とケースとの間に形成される開口部の間隙を塞ぐように設けることができる。これによって皿受け部材とケースとの間がシールされることで、この間隙からの水の浸入は阻止される。
間隙をシールする一つの態様としては、間隙を塞ぐように、皿受け部材の外周と開口部の内周とに亘って、柔軟性を有する合成樹脂材のみ又は柔軟性を有するゴム材のみからなる防水性付与部材を一体成形することである。
間隙を塞ぐように一体成形されることにより、皿受け部材とケースとの間の間隙からの水の浸入が阻止され、防水機能が発揮される。合成樹脂材又はゴム材は成形型によって皿受け部材とケースとに亘って一体成形されるため、押え板やOリング等の別体の取付け部品を用いて組み付け作業する必要がなく、防水構造も簡素化される。
間隙をシールする他の態様としては、間隙を塞ぐように、皿受け部材の上面とケースの上面とに亘って、シート状の防水性付与部材を接着することである。
間隙を塞ぐようにシート状の合成樹脂材のみ又はシート状のゴム材のみからなる防水性付与部材が接着されることにより、皿受け部材とケースとの間の間隙からの水の浸入が阻止され、防水機能が発揮される。シートを接着して間隙を被覆するだけでよいため、押え板やOリング等の別体の取付け部品を用いて組み付け作業する面倒な作業の必要がなく、防水構造も簡素化される。シート状の防水性付与部材は、薄いシート状又はフィルム状とすることができる。
本発明の更に他の態様は、皿受け部材とケースとの間に形成される間隙を通して浸入する水から遮蔽するように、皿受け部材と荷重受け部材とを、該皿受け部材の外周から該荷重測定機構に亘って防水性付与部材によって一体に被覆することである。
皿受け部材と荷重測定機構とに亘って柔軟性を有する合成樹脂材又は柔軟性を有するゴム材が一体に被覆(モールド)されることにより、荷重測定機構は完全に被覆されるため、皿受け部材とケースとの間から水が浸入しても荷重測定機構が直接水を被るおそれはなく、荷重測定機構に防水機能が発揮される。防水性付与部材の被覆は、皿受け部材と荷重測定機構とに亘って成形型を用いてモールドすることによって一体成形できるため、別体の取付け部品を用いて組み付け作業する必要がなく、防水構造も簡素化される。
本発明において、合成樹脂材又はゴム材としては、皿受け部材や荷重測定機構の動きを阻害しない程度の柔軟性(可撓性及び伸縮性)を発揮する合成樹脂又はゴムを用いることができる。
このような合成樹脂材としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミド等が挙げられる。中でも耐候性が良好である点でポリカーボネートが好ましい。
また、ゴム材としては、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。中でも人体への影響が少ない点でシリコーンゴムが好ましい。
以下、具体的な態様について図面を用いて更に詳細に説明する。
(第1の態様)
図1は本発明の第1の態様に係る防水構造が設けられた電子秤の全体斜視図、図2はその内部構造を示す縦断面図、図3は計量皿を取り外した状態を示す全体斜視図、図4は第1の態様に係る電子秤の皿受け部材と上ケースとの部分断面図である。
電子秤1は、ケース2の上面に計量皿3を有している。ケース2は、ここでは防水用の不図示のガスケットを挟んで嵌め合わされる上ケース2aと下ケース2bとからなり、これら上ケース2aと下ケース2bの間に秤の主要構成部品が収容されている。図中、4は計量値等を表示する表示部、5はONボタン5aとOFFボタン5bからなる電源スイッチであり、これらは表面が樹脂シート等によって被覆されることで防水性を有している。また、6はケース2内に設けられ、表示部4及び電源スイッチ5と電気的に接続される回路ユニットである。
なお、図示しないが、ケース2内には乾電池等の電源を収容することができる。また、このように電源を内部に収容するものに代えて、電源を外部から取り込む外部電源タイプとすることもできる。
ケース2の内部には荷重測定機構としてのロードセル7が収容されている。ロードセル7は、起歪体7aに4つの歪ケージ7bが取付けられてなり、下ケース2bの内底面に固定された固定台8上に立設されている。起歪体7aの上端には皿受け部材9が取付けられている。計量皿3は、この皿受け部材9上に配置されており、皿受け部材9によって下面が支持されている。
電子秤1は、計量皿3上に被計量物が載置された際、その荷重によって皿受け部材9が微量下降し、それがロードセル7の起歪体7aに伝達されて起歪体7aを歪み変形させる。起歪体7aの変形量は歪ゲージ7bによって検出され、回路ユニット6によってその検出値から荷重が測定され、表示部4に表示されるようになっている。
皿受け部材9は、本実施形態では平面形状が略四角形状の平板によって形成されているが、平面形状は特に問わない。上ケース2aには、この皿受け部材9の平面の外形形状よりもやや大きく、皿受け部材9を収容し得る程度の開口部2a1が形成されている。皿受け部材9は、計量皿3に被計量物が載置されて微量下降した際に計量皿3の下面が上ケース2aの上面と接触することのないように、この開口部2a1の内側に、皿受け部材9上面が上ケース2aの上面よりもやや上方に突出する高さとなるように配置されることでケース2の上面に露出しており、この皿受け部材9の上面に計量皿3が載置されることで、計量皿3の下面とケース2の上面との間に所定の隙間を形成している。
皿受け部材9の外周と上ケース2aの開口部2a1の内周との間には、両者の間隙を埋めるように、皿受け部材9の外周と開口部2a1の内周とに亘って、上記の柔軟性を有する防水性付与部材である合成樹脂材又はゴム材が一体成形され、間隙が封止されている。図2、図3中の10は合成樹脂材又はゴム材が一体成形されることによって形成された封止部である。封止部10は皿受け部材9と上ケース2aとに亘って一体成形されており、これによって皿受け部材9と上ケース2aとが一体に繋がっている。従って、この封止部10によって可動部材である皿受け部材9と固定部材である上ケース2aとの間からの水の浸入が阻止され、防水性が付与される。封止部10は柔軟性を有するため、計量時の皿受け部材9の下降動作に支障をきたすことはない。
封止部10は、上ケース2aの開口部2a1内に皿受け部材9を配置させた状態で成形型にインサートして、合成樹脂材又はゴム材を一体成形することによって形成される。このため封止部10を押え板やOリング等の別体の取付け部品を用いて組み付け作業する必要はない。
なお、この態様では、少なくとも上ケース2aと皿受け部材9は、封止部10を一体成形する際の熱及び圧力に耐え得る材質である必要があり、ステンレス等の金属製または耐熱性の高い合成樹脂が用いられる。
また、封止部10は、皿受け部材9の上面よりも突出しないように、該皿受け部材9の上面又はケース2の上面と面一状に形成される。面一状とすることでごみや水分が溜まるような溝部が形成されないため、衛生面からも好ましい。
封止部10は、計量時の皿受け部材9の下降動作をより円滑に行い得るようにするためには、可及的に薄く形成することが好ましい。また、図4に示すように断面形状を蛇腹状とすることで、皿受け部材9の下降動作に更に容易に追従し得るようにしてもよい。
計量皿3と皿受け部材9との間は適宜の取付け構造を採用することができる。計量皿3は皿受け部材9上に単に載置されるだけでもよいが、封止部10を形成した後であれば、接着やねじ止めによって取付けるようにしてもよい。また、計量皿3自体を回転させることで皿受け部材9に対して螺着する構造としてもよい。その他、計量皿3の下面と皿受け部材9の上面との間で簡単に着脱可能となるように係合させる構造であってもよい。封止部10は皿受け部材9の上面よりも上方に突出していないため、このように計量皿3を皿受け部材9の上面に取付けても、ケース2の上面からの取付け高さ位置が非防水性の電子秤に比べて高くなることはない。
(第2の態様)
図5は本発明の第2の態様に係る防水構造が設けられた電子秤の内部構造を示す縦断面図、図6は計量皿を取り外した状態を示す部分断面図、図7は計量皿を取り外した状態を示す全体斜視図である。電子秤1の外観形状は第1の態様と同一であるため、計量皿を有する全体斜視図は図1を援用する。また、第1の態様に示した電子秤1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、それらについての詳細な説明は省略する。
この電子秤1では、皿受け部材9の外周と上ケース2aの開口部2a1の内周との間に形成される間隙を塞ぐように、皿受け部材9と開口部2a1とに亘って、上記の柔軟性を有する合成樹脂材又は柔軟性を有するゴム材からなる被覆シート11が接着されている。従って、この被覆シート11によって皿受け部材9と上ケース2aとの間からの水の浸入が阻止され、防水性が付与される。被覆シート11は柔軟性を有するため、計量時の皿受け部材9の下降動作に支障をきたすことはない。
皿受け部材9の上面には計量皿3の下面に突設された凸部3aと係合して計量皿3の位置決めを行うための凹部9aが形成されている。被覆シート11は、中央に皿受け部材9の凹部9aを露出させる開口11aを有しており、この凹部9aを除く上面全面から上ケース2aの開口部2a1の周縁近傍に至る大きさのドーナツ状に形成されている。そして、皿受け部材9の上面から上ケース2aの上面にかけて接着剤層12によって接着されている。
電子秤1に防水性を付与するこの被覆シート11は、皿受け部材9と上ケース2aとに亘って接着するだけでよいため、従来のように押え板やOリング等の別体の取付け部品を用いて止着するといった組み付け作業の必要がなく、また、薄いシート状又はフィルム状のもので十分であるため、製品の大型化を招くことはない。
また、防水性を付与するために被覆シート11を接着するだけでよいため、ケース2の上ケース2aと皿受け部材9に材質の制約がなく、安価で成形容易な合成樹脂製とすることができる。
更に、計量皿3と皿受け部材9は別部品であり、凹部9aと凸部3aとの係合によって位置決めされて載置される構造であるため、被覆シート11の接着時に計量皿3が邪魔となることはない。
計量皿3の凸部3aの突出高さ寸法は凹部9aの深さ寸法よりも高くなるように形成することが好ましい。これによって皿受け部材9上に計量皿3を載置したとき、計量皿3の下面と上ケース2aの上面(被覆シート11の上面)との間に、計量時の皿受け部材9の下降量に見合うだけの隙間を容易に確保することができる。また、図6に示すように、皿受け部材9の上面と上ケース2aの上面とを面一状に形成することもできる。この場合、被覆シート11は面一状の皿受け部材9と上ケース2aとの間に亘って接着することができ、接着作業も容易且つ安定して行えるようになる。
また、図示しないが、皿受け部材9の上面を被覆シート11の厚み+接着剤層12の厚み分だけ上ケース2aの上面よりも下位となるように形成するとともに、上ケース2aの上面に、被覆シート11の外形形状に合致させた凹部を形成し、この凹部内から皿受け部材9の上面に亘って被覆シート11が接着されるようにすることで、上ケース2aの上面から被覆シート11の上面にかけて面一状となるように形成してもよい。このようにすることで、ケース2の上面に被覆シート11による段差が形成されないため、清掃が容易となり、また、衛生面からも好ましい。
なお、計量皿3と皿受け部材9の凹凸係合は逆であってもよく、計量皿3の下面に凹部を形成し、皿受け部材9の上面に凸部を形成してもよい。
また、この被覆シート11も、計量皿3の下降時に干渉しないものであれば、図4と同様に蛇腹状に形成してもよい。
(第3の態様)
図8は本発明の第3の態様に係る防水構造が設けられた電子秤の内部構造を示す縦断面図である。電子秤1の外観形状は第1の態様と同一であるため、全体斜視図は図1を援用する。また、第1の態様及び第2の態様に係る電子秤1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、それらについての詳細な説明は省略する。
この電子秤1では、皿受け部材9と上ケース2aの開口部2a1との間に形成される間隙を通して浸入する水から遮蔽するように、皿受け部材9の外周と、この皿受け部材9の下面に連結されたロードセル7とに亘り、且つロードセル7の全体を被覆するように、上記の柔軟性を有する合成樹脂材又は柔軟性を有するゴム材が一体にモールドされることによって被覆されている。図8中の13はモールド部である。
モールド部13の上端は、皿受け部材9の上面と面一状又は該上面よりも下位にあり、皿受け部材9の外周側面9bの全周を取り囲み、且つ、そこから下方に延び、下端は固定台8の上面に達している。これによりロードセル7の全体が、皿受け部材9と固定台8との接続部位を除いて、モールド部13によって完全に被覆されている。合成樹脂材又はゴム材は柔軟性を有するため、皿受け部材9とロードセル7とを一体に被覆しても、計量時に皿受け部材9が下降した際、モールド部13と起歪体7aとが一体となって歪変形し、荷重を測定することができる。
一方、ケース2の内部には、モールド部13によって一体化された皿受け部材9とロードセル7の収容部分及び開口部2a1を取り囲むように、上ケース2aと下ケース2bとに亘って延びる防水壁2cが立設されている。従って、ケース2の内部は、この防水壁2cを境にして開口部2a1よりも内側の皿受け部材9及びロードセル7が収容されている空間とそれよりも外側の空間とに隔絶されている。この防水壁2cは上ケース2aと下ケース2bのいずれか一方又は双方から立設され、上ケース2aと下ケース2bとの嵌め合い構造と同様に、防水用の不図示のガスケットによって突き合わせ部に防水性が付与されている。
この態様では、モールド部13は開口部2a1や防水壁2cと接しておらず、開口部2a1や防水壁2cとモールド部13との間には若干の間隙が形成される。従って、この間隙に水が浸入する可能性があるが、皿受け部材9とロードセル7はモールド部13によって一体に被覆されて防水性が付与されているため、電気部品であるロードセル7が直接水を被ることはない。また、ケース2の内部へも防水壁2cによって水の浸入が阻止されるため、全体として防水性が付与される。
なお、ロードセル7の歪ゲージ7bからの配線14は、グロメット15を介して防水壁2cを貫通し、回路ユニット6と接続されている。
この態様では、皿受け部材9の上面は上ケース2aの上面よりも上方に突出するように設けられているが、第2の態様で説明したように、計量皿3の下面と皿受け部材9の上面との間で、凸部と凹部による凹凸係合するようにしてもよく、その場合の凸部の突出高さを凹部の深さよりも高く形成することで、皿受け部材9の上面を上ケース2aの上面と面一状となるようにしてもよい。
また、計量皿3と皿受け部材9との凹凸係合は、第1の態様にも同様に適用することができる。
1:電子秤
2:ケース
2a:上ケース
2a1:開口部
2b:下ケース
2c:防水壁
3:計量皿
3a:凸部
4:表示部
5:電源スイッチ
5a:ONボタン
5b:OFFボタン
6:回路ユニット
7:ロードセル
7a:起歪体
7b:歪ゲージ
8:固定台
9:皿受け部材
9a:凹部
10:封止部
11:被覆シート
11a:開口
12:接着剤層
13:モールド部
14:配線
15:グロメット

Claims (5)

  1. 被計量物が載置される計量皿と、
    前記計量皿の下面を支持し、該計量皿に載置された被計量物の荷重を受けて可動する皿受け部材と、
    前記皿受け部材に連結されて被計量物の荷重を測定する荷重測定機構と、
    上面に前記皿受け部材の外形よりも大きな開口部を有するケースとを有し、
    前記皿受け部材が前記開口部の内側に配置されるように該皿受け部材及び前記荷重測定機構が前記ケース内に収容され、前記計量皿と前記ケースとの間からの浸水に対して、柔軟性を有する合成樹脂材又はゴム材からなる防水性付与部材によって前記荷重測定機構に防水性が付与される電子秤の防水構造において、
    前記防水性付与部材は、別途の取付け部品を用いることなく、前記皿受け部材に接して設けられていることを特徴とする電子秤の防水構造。
  2. 前記防水性付与部材は、前記皿受け部材の周囲又は上面と前記ケースとに亘って設けられ、前記皿受け部材と前記ケースとの間に形成される前記開口部の間隙を塞いでいることを特徴とする請求項1記載の電子秤の防水構造。
  3. 前記皿受け部材の外周と前記開口部の内周とに亘って、前記防水性付与部材が一体成形されていることを特徴とする請求項2記載の電子秤の防水構造。
  4. 前記皿受け部材の上面と前記ケースの上面とに亘って、シート状の前記防水性付与部材が接着されていることを特徴とする請求項2記載の電子秤の防水構造。
  5. 前記皿受け部材と前記荷重受け部材とが、該皿受け部材の外周から該荷重測定機構に亘って前記防水性付与部材によって一体に被覆されていることを特徴とする請求項1記載の電子秤の防水構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018054345A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 株式会社オーケープランニング 組み合わせ計量機及び組み合わせ計量機を用いた計量方法
JP2018054344A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 株式会社オーケープランニング 計量機の防水構造、防水構造を備えた組み合わせ計量機、防水構造を備えた計量機、防水構造を備えた計量機の使用方法及び防水構造を備えた組み合わせ計量機の使用方法
JP2018105677A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 株式会社オーケープランニング 組み合わせ計量機及び組み合わせ計量機を用いた計量方法

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