JP3942779B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、詳しくは露光(プリント)時の気温変化に対しても発色濃度が変化しにくい感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真プリントに用いられる印画紙に要求される性能は、従来より画質、迅速処理適性および画像保存性などであったが、近年になりデジタル化された画像情報に基づいてプリントが可能である性能が重要となってきた。その理由としてデジタル化された画像情報の編集や画像処理が安価なコンピューターなどで簡単にできるようになってきたことがあげられる。今後ますますコンピューターの処理能力が向上することによって、より複雑なアルゴリズムに基づくプリント画像の最適化が可能となれば写真プリントの画質向上が更に期待できる。またネガ以外のデジタルカメラやデジタルビデオムービーまたはスキャナーなどの入力機器との相性も良くなることによってユーザーにより多彩なサービスを提供できるようになる。
一方、ユーザーの写真プリントに対するコスト意識も高まりつつある。プリントの生産現場では印画紙自体のコストはもちろん、システムの生産性、安定性(ロスの低減)などが重要視されるようになってきた。
写真プリントの面からシステムの生産性を向上させるためには迅速な処理に適している塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤を使用することが好ましいが、高塩化銀乳剤は高照度不軌が大きい欠点を有していることが知られている。高照度での低感度化や軟調化は、デジタル画像情報の記録方式として最も高画質が期待されるレーザー走査露光に対する適性を損なうということになる。
【0003】
安定性に関しては、処理液の組成や温度変動に対して階調変動の小さい、金化合物による化学増感を施すことが好ましいが、金化合物による化学増感は一方で必要のないカブリを生じるため、チオスルフォン酸酸類などの所謂カブリ防止剤を添加する必要があった。特開昭63-304253号には特定のチオスルフィン酸を含有させることによってカブリを低く抑え、高照度不軌を小さくする手段が開示されているが、本発明者が検討した結果、これらのカブリ防止剤はレーザー走査露光相当の高照度での不軌が反って大きいという副作用を有し、レーザー走査露光に対する適性を損なうことがわかった。
高照度不軌を改良する方法としてイリジウム化合物の添加が一般的に行われている。しかしながら、金化合物による化学増感を行った高塩化銀乳剤にイリジウム化合物を添加すると露光するときの気温が高いときと低いときで現像処理後の濃度が大きく異なる欠点があることがわかった。更にこの現象は生産性を高めるために露光から現像の時間を短くした場合に特に顕著になることがわかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
気温の変化による濃度変化があると、写真プリントの仕上がりに日内差や日間差を生じてしまうことから、得率が下がり、好ましくない。
従って、本発明はかかる状況を鑑み、レーザー走査露光適性を備え、システムの生産性と安定性を高めることができる、露光時の気温の変化による濃度変動の小さいハロゲン化銀写真感光材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は
(1)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料において該乳剤層に含有されるハロゲン化銀乳剤が、銀1モル当たり1.0×10-9モル以上1.0×10-5モル以下の、一般式(X)または(Y)で表される化合物の少なくとも1種の存在下、pH4.0以上5.6以下で金化合物により化学増感された塩化銀90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料、
一般式(X)
R21−SO2S−M21
一般式(Y)
R22−SO2−M22
(式中、R21およびR22は互いに独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、M21及びM22は互いに独立に陽イオンを表す。)
(2)該金化合物が水易溶性化合物であることを特徴とする(1)項記載のハロゲン化銀写真感光材料、
(3)イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有してなる(1)または(2)項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料、
(4)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料において該乳剤層に含有されるハロゲン化銀乳剤が、銀1モル当たり1.0×10-9モル以上1.0×10-5モル以下の一般式(Z)で表される化合物の少なくとも1種の存在下、pH4.0以上5.6以下で金化合物により化学増感された塩化銀90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料、
一般式(Z)
R31−S−S−R32
(式中、R31とR32は、互いに独立に脂肪族基または芳香族基を表す。ここで、R31とR32は互いに結合して環を形成してもよい。)
(5)該金化合物が水易溶性化合物であることを特徴とする(4)項記載のハロゲン化銀写真感光材料、及び
(6)イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有してなる(4)または(5)項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料において、ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に含有されるハロゲン化銀乳剤は、塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有し、好ましくは塩化銀含有率90〜99.99モル%のハロゲン化銀乳剤を含有し、より好ましくは塩化銀含有率95〜99.9モル%、更に好ましくは塩化銀含有率98〜99.9モル%のハロゲン化銀乳剤を含有する。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の臭化銀含有率は、好ましくは0.01〜5モル%、より好ましくは0.05〜3モル%、更に好ましくは0.1〜2モル%である。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の沃化銀含有率は、好ましくは0.01〜1モル%、より好ましくは0.05〜0.7モル%、更に好ましくは0.1〜0.5モル%である。
【0007】
本発明において、塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀粒子には、臭化銀富有相を付与することが好ましく、本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の臭化銀富有相は、臭化銀富有相中の全臭化銀含有率において、少なくとも10モル%以上の局在相をエピタキシャル成長させてつくることが好ましい。臭化銀富有相の臭化銀含有率は合計で10モル%以上であることが好ましいが、臭化銀含有率が高すぎると感光材料に圧力が加えられたときに減感を引き起こしたり、処理液の組成の変動によって感度、階調が大きく変化してしまうなどの写真感光材料にとって好ましくない特性が付与される場合がある。臭化銀富有相の臭化銀含有率は、これらの点を考慮に入れて、10〜60モル%の範囲が好ましく、20〜50モル%の範囲が最も好ましい。臭化銀富有相の臭化銀含有率は、X線回折法(例えば、日本化学会編「新実験化学口座6、構造解析」丸善に記載されている)などを用いて分析することができる。臭化銀富有相は、本発明におけるハロゲン化銀粒子を構成する全銀量の0.1〜5モル%の銀から構成されていることが好ましく、0.3〜4モル%の銀から構成されていることが更に好ましい。
【0008】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の調製工程は、一般によく知られているように、水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物の反応によるハロゲン化銀粒子形成工程、脱塩工程および化学熟成工程よりなる。本発明のハロゲン化銀感光材料において、臭化銀富有相の付与は前記工程のいずれでも行うことができるが、脱塩工程より後であることが好ましく、特に脱塩工程終了後から化学増感終了までに行われることが好ましい。臭化銀富有相中には、IrCl6 2-等の第VIII族金属錯イオンを含有させることが好ましい。また、ハロゲン化銀乳剤粒子の臭化銀富有相にイリジウム化合物を含有させる場合、該富有相は、ハロゲン化銀粒子調製時に添加する全イリジウムの少なくとも50モル%とともに沈積されることが好ましい。富有相が、添加する全イリジウムの少なくとも80モル%とともに沈積されることが更に好ましく、添加する全イリジウムと共に沈積されることが最も好ましい。ここで該富有相をイリジウムとともに沈積するとは、富有相を形成するための銀あるいはハロゲンの供給と同時、供給の直前、または供給の直後にイリジウム化合物を供給することを言う。ハロゲン化銀ホスト粒子よりも平均粒径が小さく、しかも臭化銀含有率が高いハロゲン化銀微粒子を混合した後、熟成することによって、臭化銀富有相を形成する場合、臭化銀含有率が高いハロゲン化銀微粒子に予めイリジウム塩を含有させておくことが好ましい。
【0009】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、外表面に(100)面を持つものであっても、(111)面を持つものであっても、あるいはその両方の面を持つものであっても、さらにはより高次の面を含むものであってもよいが、主として、(100)面からなる立方体、あるいは14面体が好ましい。本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の大きさは、通常用いられる範囲内であればよいが、平均粒径(球相当径)が0.7μm以下の粒子であることが好ましく、0.1〜0.5μmであることが更に好ましい。球相当径とは、粒子の体積と等しい体積を有する球の直径を指す。粒径分布は、多分散であっても単分散であってもよいが、単分散である方が好ましい。単分散の程度を表す粒子サイズ変動係数は、統計学上の標準偏差(s)と平均粒子サイズ(d)との比(s/d)で0.2以下が好ましく、0.15以下がさらに好ましい。また、2種類以上の単分散乳剤を混合して用いることも好ましく行える。
【0010】
ハロゲン化銀粒子の形状は、立方体や14面体の他に8面体のような規則的な(regular)結晶形を有するもの、球状、板状等のような変則的な(irregular)結晶形を有するもの、あるいはこれらの複合形を有するものを用いることができる。また、種々の結晶形を有するものの混合したものからなっていても良い。本発明においては、これらの中でも上記規則的な結晶形を有する粒子を50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有するのがよい。また、規則的な結晶形を有する粒子以外にも平均アスペクト比(円換算直径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平板状粒子が投影面積として全粒子の50質量%以上であるような乳剤も好ましく用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、P.Glafkides著 Chimieet Phisique Photogfaphique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 PhotographicEmulsion Chemistry(Focal Press社刊、1966年)、V.L.Zelikman et a1著 Making andCoating Photographic Emulsion(FocalPress社刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時混合法、及びそれらの組み合わせなどのいずれかの方法を用いても良い。粒子を銀イオン過剰の雰囲気の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の1つの形式として、ハロゲン化銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、即ち所謂コントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤を得ることができる。
【0011】
本発明に用いられる乳剤には、チオシアン酸塩を含有することが好ましく、代表的にはナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。添加位置はいずれかの工程に限定されるものではないが、粒子形成後から化学増感終了までに添加することが好ましい。チオシアン酸塩の添加量は、ハロゲン化銀1モルあたり1×10-4モル〜3×10-3モルが好ましく、より好ましくは2×10-4〜1×10-3モルである。
【0012】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、乳剤粒子形成もしくは物理熟成の過程において、種々の多価金属イオン不純物を導入することができる。使用する化合物の例としては、鉄、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、カドミウム、亜鉛、鉛、銅、タリウム等の周期律表第VIII族金属の塩、もしくは錯塩を併用して用いることができる。本発明においては、少なくとも4つのシアノ配位子を有する鉄、ルテニウム、オスミウム、レニウム等の金属化合物が高照度感度を更に高め、潜像増感も抑制する点で、特に好ましい。また、イリジウム化合物も高照度露光適性付与に対し、絶大な効果をもたらす。これらの化合物の添加量は目的に応じて広範囲にわたるが、ハロゲン化銀1モルに対して10-9〜10-2モルが好ましい。これらの金属イオンについて更に詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0013】
イリジウムイオン含有化合物は、3価または4価の塩または錯塩で、錯塩が好ましい。例えば、塩化第1イリジウム(III)、臭化第1イリジウム(III)、塩化第2イリジウム(IV)、ヘキサクロロイリジウム(III)酸ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム、ヘキサアンミンイリジウム(IV)塩、トリオキサラトイリジウム(III)塩、トリオキサラトイリジウム(IV)塩、等のハロゲン、アミン類、オキサラト錯塩類が好ましい。白金イオン含有化合物は、2価または4価の塩または錯塩で、錯塩が好ましい。例えば、塩化白金(IV)、ヘキサクロロプラチナム(IV)酸カリウム、テトラクロロプラチナム(II)酸、テトラブロモプラチナム(II)酸、テトラキス(チオシアナト)プラチナム(IV)酸ナトリウム、ヘキサアンミンプラチナム(IV)クロライド等が用いられる。
【0014】
パラジウムイオン含有化合物は、通常2価または4価の塩または錯塩で、特に錯塩が好ましい。例えば、テトラクロロパラジウム(II)酸ナトリウム、テトラクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム、テトラアンミンパラジウム(II)クロライド、テトラシアノパラジウム(II)酸カリウム等が用いられる。ニッケルイオン含有化合物は、例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、テトラクロロニッケル(II)酸カリウム、ヘキサアンミンニッケル(II)クロライド、テトラシアノニッケル(II)酸ナトリウム等が用いられる。
【0015】
ロジウムイオン含有化合物は通常3価の塩または錯塩が好ましい。例えばヘキサクロロロジウム酸カリウム、ヘキサブロモロジウム酸ナトリウム、ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム等が用いられる。鉄イオン含有化合物は、2価または3価の鉄イオン含有化合物で、好ましくは用いられる濃度範囲で水溶性をもつ鉄塩または鉄錯塩である。特に好ましくは、ハロゲン化銀粒子に含有させやすい鉄錯塩である。例えば塩化第一鉄、塩化第二鉄、水酸化第一鉄、水酸化第二鉄、チオシアン化第一鉄、チオシアン化第二鉄、ヘキサシアノ鉄(II)錯塩、ヘキサシアノ鉄(III)錯塩、チオシアン酸第一鉄錯塩やチオシアン酸第二鉄錯塩などがある。また、欧州特許EP0,336,426A号に記載されているような少なくとも4つのシアン配位子を有する6配位金属錯体も好ましく用いられる。
【0016】
上記の金属イオン提供化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に、分散媒になるゼラチン水溶液中、ハロゲン化物水溶液中、銀塩水溶液中、またはその他の水溶液中、あるいは予め金属イオンを含有せしめたハロゲン化銀微粒子の形で添加しこの微粒子を溶解させる、等の手段によって本発明におけるハロゲン化銀粒子に含有せしめることができる。また、本発明で用いられる金属イオンを該粒子中に含有せしめるには、粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後のいずれかで行うことができる。これは、金属イオンを粒子のどの位置に含有させるかによって変えることができる。
【0017】
本発明におけるハロゲン化銀乳剤は、金化合物で化学増感される必要があるが、常法により金増感を施したものであってもよく、例えば金化合物として、塩化金酸もしくはその塩、チオシアン酸金類、チオ硫酸金類または硫化金コロイド等の化合物を用いることができる。本発明に用いられる金化合物は、水易溶性である化合物であることが好ましく、例えば塩化金酸またはその塩などが挙げられる。これらの化合物の添加量は特に制限するものではないが、好ましくはハロゲン化銀1モルあたり5×10-7〜5×10-3モル、より好ましくは1×10-6〜1×10-4モルである。
本発明においては、金増感を他の増感法、例えば硫黄増感、セレン増感、テルル増感、還元増感あるいは金化合物以外を用いた貴金属増感等と組み合わせてもよい。
【0018】
本発明における好ましい化学増感pHは5.6〜4.0である。かぶりをなるべく低減するためにはより低pHが好ましいが、pHが低すぎるとゼラチンが凝集しやすく分散状態が悪くなる。したがって更に好ましくは5.4〜4.5、最も好ましくは5.3〜5.0である。
【0019】
本発明における乳剤には、前記の一般式(X)、(Y)でそれぞれ表わされるチオスルホン酸化合物及びスルフィン酸化合物の少なくとも1種又は一般式(Z)で表わされる化合物を含有する必要がある。
【0020】
一般式(X)及び一般式(Y)において、R21及びR22は互いに独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表わし、M21及びM22は互いに独立に陽イオンを表わす。一般式(X)及び一般式(Y)中のR21及びR22で表わされる脂肪族基は、直鎖、分岐又は環状の、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基を含み、その炭素数に特に制限はないが、水、メタノールやエタノールなどの低級アルコール若しくは酢酸エチル等の有機溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解する程度の炭素数が好ましい。
21及びR22で表わされる芳香族基としては、フェニル基やナフチル基が含まれ、また複素環基としては、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子の少なくとも1つを含む5〜7員環が好ましく、この環は、飽和でも不飽和でもよい。またベンゼン環等の他の環が縮合したものでもよい。
これらの脂肪族基、芳香族基及び複素環基に置換し得る置換基としては、その数や種類に特に制限はないが、先に挙げたような水や有機溶媒もしくはその混合溶媒への溶解を促進するもの、または少なくとも妨げないものが好ましい。
【0021】
置換基の具体例としては、アルコキシ基、アリール基、アルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、複素環基等が挙げられる。
21及びM22で表わされる陽イオンとしては、アルカリ金属(例えば、Li+、Na+、K+)、アンモニウムイオン(NH4 +、テトラエチルアンモニウムイオン)等が挙げられる。
以下に本発明に用いられるチオスルホン酸化合物とスルフィン酸化合物の代表的な具体例を挙げる。
【0022】
【化1】
Figure 0003942779
【0023】
【化2】
Figure 0003942779
【0024】
本発明において化学増感時に存在させる前記チオスルホン酸化合物の添加量はハロゲン化銀1モルあたり、1.0×10-9〜1.0×10-5モル、好ましくは1.0×10-7〜8.0×10-6モル、より好ましくは1.0×10-6〜6.0×10-6モルである。
【0025】
【化3】
Figure 0003942779
【0026】
【化4】
Figure 0003942779
【0027】
本発明において化学増感時に存在させる前記スルフィン酸化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モルあたり、1.0×10-9〜1.0×10-5モル、好ましくは1.0×10-7〜8.0×10-6モル、より好ましくは1.0×10-6〜6.0×10-6モルである。
本発明に用いられる前記チオスルホン酸化合物及びスルフィン酸化合物は、併用することが好ましく、添加する量を予め混合した状態に置き、同時に添加することがより好ましい。このように、併用する場合はこれらの各化合物の添加量はそれぞれ独立に前記範囲にあるものとする。添加時期は、いずれかの工程に限定されるものではないが、粒子形成中及び化学増感工程中であることが好ましい。粒子形成50%終了までに添加し、化学増感初期に添加することが更に好ましい。
【0028】
本発明に用いられる一般式(Z)において、R31、R32で表される脂肪族基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アラルキル基を表し、炭素数1〜18のものが好ましく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、i−ブチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−デシル、アリル、3−ペンテニル、プロパルギル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ベンジル、フェネチルなどが挙げられる。
31、R32で表される芳香族基は、単環または縮環のアリール基で、炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
31とR32は互いに結合して環を形成しても良く、−S−S−と共に5〜6員環を形成するものが好ましい。
【0029】
31、R32で表される各基は置換基で置換されていても良く、これらの置換基としては以下のものが挙げられる。また、これらの置換基は、異なるものが複数個置換していても良い。
代表的な置換基としては、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、アミノ基、置換アミノ基(例えば、エチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルフェニルアミノ)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アシル基(例えば、アセチル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド)、ウレイド基(例えば、N,N−ジメチルウレイド)、ニトロ基、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、フェニルスルホニル)、スルホ基、メルカプト基、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ)、シアノ基、ホスホニル基、スルファモイル基(例えば、無置換スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、カルバモイル基(例えば、無置換カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、アルキル基(例えば、エチル)、アリール基(例えば、フェニル)、ヘテロ環基(例えば、モルホニル、ピラゾリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素)などが挙げられる。
本発明の一般式(Z)で表される具体例を以下に示すが、これによって本発明が限定されることはない。
【0030】
【化5】
Figure 0003942779
【0031】
本発明に用いられる一般式(Z)で表される化合物の添加時期は、ハロゲン化銀の調製時から化学増感を終了するまでの間、好ましくは、金増感時に存在させれば良い。
一般式(Z)で表される化合物の添加量は、使用するハロゲン化銀や添加時期などによって適宜調節すれば良いが、ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-9〜1×10-5モル、好ましくは5×10-6〜1×10-5モル用いれば良い。
一般式(Z)で表される化合物は、水又は水に混和しうる有機溶剤(例えば、エタノール)に溶解し、又は、ゼラチン溶液などに微小分散した形状で添加することができる。
【0032】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、乳剤の、あるいは感光材料の、製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させることができる。すなわちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアイジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールなど)、メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類など;例えばオキサゾリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン)ペンタアザインデン類;ベンゼンチオスルフォン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミドなどのようなかぶり防止剤または安定剤として知られた多くの化合物を加えることができる。特に好ましいのは、メルカプトテトラゾール類である。これは、かぶり防止、安定化以外に高照度感度を更に高める働きがあり好ましい。
【0033】
本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光材料には親水性バインダーとしてゼラチンを用いるが、必要に応じて他のゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドもゼラチンと併せて用いることができる。
【0034】
本発明に係わるハロゲン化銀カラー写真感光材料に用いられるゼラチンは、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンのいずれでもよく、また牛骨、牛皮、豚皮などのいずれを原料として製造されたゼラチンでもよいが、好ましくは牛骨、豚皮を原料とした石灰処理ゼラチンである。
【0035】
本発明において、支持体よりハロゲン化銀乳剤層を塗設した側にある支持体から最も離れた親水性コロイド層までの感光性ハロゲン化銀乳剤層および非感光性親水性コロイド層中に含有される親水性バインダーの総量は、迅速処理の観点から、8.0g/m2以下、最も好ましくは7.0g/m2以下でかつ4.0g/m2以上である。親水性バインダー量が少ないと、特に発色現像と水洗工程の迅速化に有効である。
【0036】
本発明の感光材料は、イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有してなることが好ましく、そのうち少なくとも1層が本発明に規定するハロゲン化銀乳剤を含有していればよいが、各層がそれぞれ本発明に規定するハロゲン化銀乳剤を含有しているのが好ましい。
本発明においてイエロ−カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層は支持体上のいずれの位置に配置されてもかまわないが、該イエローカプラー含有層にハロゲン化銀平板粒子を含有する場合は、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層またはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層よりも支持体から離れた位置に塗設されていることが好ましい。また、発色現像促進、脱銀促進、増感色素による残色の低減の観点からは、イエロ−カプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハロゲン化銀乳剤層より、支持体から最も離れた位置に塗設されていることが好ましい。更に、Blix退色の低減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハロゲン化銀乳剤層の中央の層が好ましく、光退色の低減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は最下層が好ましい。また、イエロー、マゼンタおよびシアンのそれぞれの発色性層は2層または3層からなってもよい。例えば、特開平4−75055号、同9−114035号、同10−246940号、米国特許第5,576,159号等に記載のように、ハロゲン化銀乳剤を含有しないカプラー層をハロゲン化銀乳剤層に隣接して設け、発色層とすることも好ましい。
【0037】
イエロ−カプラー含有ハロゲン化銀乳剤層において、親水性バインダー量は好ましくは1.55g/m2以下、更に好ましくは1.45g/m2以下、最も好ましくは1.35g/m2以下0.60g/m2以上である。また、ハロゲン化銀乳剤厚は立方体粒子を用いる場合の辺長は、好ましくは0.80μm以下、更に好ましくは0.75μm以下、最も好ましくは0.70μm以下0.30μm以上であり、平板状粒子を用いる場合の辺長は、好ましくは0.40μm以下0.02μm以上、更に好ましくは0.30μm以下が好ましく、更に好ましくは0.20μm以下、最も好ましくは0.15μm以下0.05μm以上である。平板状粒子のアスペクト比は2〜10が好ましく、更に好ましくは3〜8である。また、ハロゲン化銀乳剤は感度や階調その他の写真性能を制御するためには大きさや形状の異なるものを混合して使用することが好ましい。
【0038】
本発明において、ハロゲン化銀乳剤の塗布量は0.70g/m2以下0.10g/m2以上が好ましく、更に好ましくは0.65g/m2以下0.20g/m2以上、最も好ましくは0.55g/m2以下0.25g/m2以上である。
【0039】
シアン発色性層およびマゼンタ発色性層に対して立方体のハロゲン化銀乳剤粒子を用いる場合、その辺長は好ましくは0.70μm以下、更に好ましくは0.50μm以下0.10μm以上である。
【0040】
本発明において、写真層構成の膜厚とは、支持体よりも上層の写真層構成の処理前の厚さを表す。具体的には以下のいずれかの方法により求めることができる。まず第一には、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を支持体に対して垂直に切断し、その切断面を顕微鏡で観察することで求められる。第二の方法としては、写真層構成中の各成分の塗設量(g/m2)と比重から膜厚を計算する方法である。
例えば、写真用に使用される代表的なゼラチンの比重は1.34g/ml、塩化銀の比重は5.59g/mlであり、その他の親油的添加剤についても塗布前に測定しておくことで、第二の方法で膜厚を算出することができる。
【0041】
本発明において、写真層構成の好ましい膜厚は、10.0μm以下であり、更に好ましくは9.5μm以下、最も好ましくは9.0μm以下3.5μm以上である。
【0042】
本発明において用いられる疎水性写真用素材としては、色素形成カプラーを除く油溶分があげられ、油溶分とは、処理後に感光材料中に残存する親油性成分である。具体的には色素形成カプラー、高沸点有機溶媒、混色防止剤、紫外線吸収剤、親油性添加剤、親油性ポリマーないしはポリマーラテックス、マット剤、すべり剤等であり、通常、親油性微粒子として写真構成層に添加されているものである。従って、水溶性染料、硬膜剤、水溶性添加剤、ハロゲン化銀乳剤などは油溶分には該当しない。また通常、親油性微粒子を調製する際に界面活性剤が用いられるが、界面活性剤は油溶分としては扱わない。
【0043】
本発明において好ましい油溶分の総量は5.5g/m2以下であり、更に好ましくは5.0g/m2以下、最も好ましくは4.5g/m2以下3.0g/m2以上である。本発明において、色素形成カプラー含有層に含まれる疎水性写真用素材の質量(g/m2)を該色素形成カプラーの質量(g/m2)で除した値は4.5以下であることが好ましく、更に好ましくは3.5以下であり、最も好ましくは3.0以下である。
【0044】
本発明において、写真層構成中の油溶分の親水性バインダーに対する比率は任意に設定できる。保護層以外の写真層構成における好ましい比率は質量比で0.05〜1.50、更に好ましくは0.10〜1.40である。各層の比率を最適化することで、膜強度や耐傷性、カール特性を調節することができる。
【0045】
本発明に係わる感光材料には、画像にシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許第337,490A2号の第27〜76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール系染料)を該感光材料の680nmにおける光学反射濃度が0.50以上になるように添加したり、支持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリメチロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを12質量%以上(より好ましくは14質量%以上)含有させるのが好ましい。
【0046】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、その他従来公知の写真用素材や添加剤を使用できる。
例えば写真用支持体としては、透過型支持体や反射型支持体を用いることができる。透過型支持体としては、セルロースナイトレートフィルムやポリエチレンテレフタレートなどの透過フィルム、更には2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)とエチレングリコール(EG)とのポリエステルやNDCAとテレフタル酸とEGとのポリエステル等に磁性層などの情報記録層を設けたものが好ましく用いられる。反射型支持体としては特に複数のポリエチレン層やポリエステル層でラミネートされ、このような耐水性樹脂層(ラミネート層)の少なくとも一層に酸化チタン等の白色顔料を含有する反射型支持体が好ましい。
【0047】
更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤を含有するのが好ましい。また、蛍光増白剤は感光材料の親水性コロイド層中に分散してもよい。蛍光増白剤として、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、ピラゾリン系が用いる事ができ、更に好ましくは、ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサゾリルスチルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特に限定されないが、好ましくは1〜100mg/m2である。耐水性樹脂に混合する場合の混合比は、好ましくは樹脂に対して0.0005〜3質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.5質量%である。
反射型支持体としては、透過型支持体、または上記のような反射型支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイド層を塗設したものでもよい。
また、反射型支持体は、鏡面反射性または第2種拡散反射性の金属表面をもつ支持体であってもよい。
【0048】
前記の反射型支持体、ハロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中にドープされる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保存安定剤またはカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、分光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼンタ、イエローカプラーおよびその乳化分散法、色像保存性改良剤(ステイン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼラチン種、感光材料の層構成や感光材料の被膜pHなどについては、表1〜2の特許に記載のものが本発明に好ましく適用できる。
【0049】
【表1】
Figure 0003942779
【0050】
【表2】
Figure 0003942779
【0051】
本発明において併用されたシアン、マゼンタおよびイエローカプラーとしては、その他、特開昭62−215272号の第91頁右上欄4行目〜121頁左上欄6行目、特開平2−33144号の第3頁右上欄14行目〜18頁左上欄末行目と第30頁右上欄6行目〜35頁右下欄11行目や欧州特許第355、660A2号の第4頁15行目〜27行目、5頁30行目〜28頁末行目、45頁29行目〜31行目、47頁23行目〜63頁50行目、特開平8−122984号、特開平9−222704号等に記載のカプラーも有用である。また、シアンカプラーとしては、ピロロトリアゾール系カプラーが好ましく用いられ、特開平5−313324号の一般式(I)又は(II)で表されるカプラーおよび特開平6−347960号の一般式(I)で表されるカプラー並びにこれらの特許に記載されている例示カプラーが特に好ましい。
【0052】
本発明においては公知の混色防止剤を用いることができるが、その中でも以下に挙げる特許に記載のものが好ましい。
例えば、特開平5−333501号に記載の高分子のレドックス化合物、特願平9−140719号、米国特許第4,923,787号等に記載のフェニドンやヒドラジン系化合物、特開平5−249637号、同10−282615号、独国特許第19629142A1号等に記載のホワイトカプラーを用いることができる。また、特に、現像液のpHを上げ、現像の迅速化を行う場合には、独国特許第19618786A1号、同第19806846A1号、欧州特許第839,623A1号、同第842,975A1、仏国特許第2760460A1号等に記載のレドックス化合物を用いることも好ましい。
【0053】
本発明においては、紫外線吸収剤として、モル吸光係数の高い紫外線吸収剤を用いることが好ましい。このような化合物としては、例えば、トリアジン骨核を有する化合物が挙げられ、特開昭46−3335号、同55−152776号、特開平5−197074号、同5−232630号、同5−307232号、同6−211813号、同8−53427号、同8−234364号、同8−239368号、同9−31067号、同10−115898号、同10−147577号、同10−182621号、特表平8−501291号、欧州特許第711,804A号及び独国特許第19739797A号等に記載のものが好ましい。
【0054】
本発明に用いうる防菌・防黴剤としては特開昭63−271247号に記載のものが有用である。感光材料を構成する写真層に用いられる親水性コロイドとしては、ゼラチンが好ましく、特に鉄、銅、亜鉛、マンガン等の不純物として含有される重金属は、好ましくは5ppm以下、更に好ましくは3ppm以下である。
また、感光材料中に含まれるカルシウム量は、好ましくは20mg/m2以下、更に好ましくは10mg/m2以下、最も好ましくは5mg/m2以下である。
【0055】
本発明の感光材料は、通常のネガプリンターを用いたプリントシステムに使用される以外に、陰極線(CRT)を用いた走査露光方式にも適している。
陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。
画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種、あるいは2種以上が混合されて用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。
【0056】
陰極線管が複数のスペクトル領域の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカットするフィルムを通して露光する方法(面順次露光)を採っても良く、一般には、面順次露光の方が、高解像度の陰極線管を用いることができるため、高画質化のためには好ましい。
【0057】
本発明の感光材料は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式に好ましく使用される。システムをコンパクトで、安価なものにするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用することが好ましい。
【0058】
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られるSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできるので、青色光、緑色光が得られる。従って、通常の青、緑、赤の3つの波長領域に分光感度極大を持つ感光材料を用いて画像を得ることが可能である。このような走査露光における露光時間は、画素密度を400dpiとした場合の画素サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光時間としては10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以下である。
【0059】
本発明に適用できる好ましい走査露光方式については、前記の表に掲示した特許に詳しく記載されている。
また本発明の感光材料を処理するには、特開平2−207250号の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄9行目、及び特開平4−97355号の第5頁左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や処理方法が好ましく適用できる。また、この現像液に使用する保恒剤としては、前記の表に掲示した特許に記載の化合物が好ましく用いられる。
【0060】
本発明の感光材料を露光後、現像する方式としては、従来のアルカリ剤と現像主薬を含む現像液で現像する方法、現像主薬を感光材料に内蔵し現像主薬を含まないアルカリ液などのアクチベーター液で現像する方法などの湿式方式のほか、処理液を用いない熱現像方式などを用いることができる。特に、アクチベーター方法は、現像主薬を処理液に含まないため、処理液の管理や取扱いが容易であり、また廃液処理時の負荷が少なく環境保全上の点からも好ましい方法である。
アクチベーター方法において、感光材料中に内蔵される現像主薬またはその前駆体としては、例えば、特開平8−234388号、同9−152686号、同9−152693号、特開平9−211814号、特開平9−160193号に記載されたヒドラジン型化合物が好ましい。
【0061】
また、感光材料の塗布銀量を低減し、過酸化水素を用いた画像増幅処理(補力処理)する現像方法も好ましく用いられる。特に、この方法をアクチベーター方法に用いることは好ましい。具体的には、特開平8−297354号、特開平9−152695号に記載された過酸化水素を含むアクチベーター液を用いた画像形成方法が好ましく用いられる。
アクチベーター方法において、アクチベーター液で処理後、通常脱銀処理されるが、低銀量の感光材料を用いた画像増幅処理方法では、脱銀処理を省略し、水洗または安定化処理といった簡易な方法を行うことができる。また、感光材料から画像情報をスキャナー等で読み取る方式では、撮影用感光材料などの様に高銀量の感光材料を用いた場合でも、脱銀処理を不要とする処理形態を採用することができる。
【0062】
本発明で用いられるアクチベーター液、脱銀液(漂白/定着液)、水洗および安定化液の処理素材や処理方法は公知のものを用いることができる。好ましくは、リサーチ・ディスクロージャー Item 36544(1994年9月)第536頁〜第541頁、特開平8−234388号に記載されたものを用いることができる。
【0063】
本発明において、発色現像時間とは、感光材料が発色現像液中に入ってから次の処理工程の漂白定着液に入るまでの時間をいう。例えば、自動現像機などで処理される場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬されている時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色現像液を離れ次の処理工程の漂白定着浴に向けて空気中を搬送されている時間(いわゆる空中時間)との両者の合計を発色現像時間という。同様に、漂白定着時間とは、感光材料が漂白定着液中に入ってから次の水洗又は安定浴に入るまでの時間をいう。また、水洗又は安定化時間とは、感光材料が水洗又は安定化液中に入ってから乾燥工程に向けて液中にある時間(いわゆる液中時間)をいう。
本発明においては迅速処理する場合が好ましく、該迅速処理においては、発色現像時間は好ましくは60秒以下、更に好ましくは50秒以下6秒以上である。同様に、漂白定着時間は好ましくは60秒以下、更に好ましくは50秒以下6秒以上である。また、水洗又は安定化時間は、好ましくは150秒以下、更に好ましくは130秒以下6秒以上である。
【0064】
本発明に関する乾燥方法はカラー写真感光材料の迅速な乾燥に関する従来知られている方法ならばいかなる方法でもよいが、本発明の目的から、カラー写真感光材料を20秒以内、好ましくは15秒以内、最も好ましくは5秒〜10秒で乾燥できることが好ましい。
乾燥方式としては接触加熱方式又は温風吹き付け方式のいずれの方式でもよいが、接触加熱方式と温風吹き付け方式の組み合わせによる構成が、いずれか一方の方式による場合と比較して迅速な乾燥が可能になるため好ましい。乾燥方法に関する本発明における更に好ましい態様は、感光材料をヒートローラによって接触加熱した後に、多孔板又はノズル群から感光材料に向けて吹き出される温風によって送風乾燥する方式である。送風乾燥部分においては感光材料の受熱面積単位面積当たりに吹き付ける温風の質量速度が1000kg/m2・hr以上であることが好ましい。また、送風吹き出し口形状としては、圧力損失の少ない形状であることが好ましく、例えば、特開平9−33998号に記載の第7〜第15図が挙げられる。
【0065】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0066】
赤感光性乳剤の調製
石灰処理ゼラチンの5.5%水溶液700mlに塩化ナトリウム2.5gを加え、N,N−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン(1%水溶液)を0.8ml添加し溶液Iを調製した。この溶液I中に硝酸銀を0.14モル含む水溶液(溶液II)と塩化ナトリウム0.15モルを含む水溶液(溶液III)とを激しく撹拌しながら59℃で添加、混合した。添加終了後、48℃に降温し、引き続き硝酸銀を0.99モル含む水溶液(溶液IV)と塩化ナトリウム1.05モルを含む水溶液(溶液V)とを激しく撹拌しながら48℃で添加、混合した。更に硝酸銀を0.28モル含む水溶液(溶液VI)と、塩化ナトリウム0.30モルと臭化カリウム0.01モルとを含む水溶液(溶液VII)とを激しく撹拌しながら48℃で添加、混合した。また、上記溶液VII中にフェロシアン化カリウムをハロゲン化銀1モル当たり3.00×10-5モル乳剤粒子中に含有せしめた。48℃で5分間保った後、降温し、脱塩および水洗を施した。更に、石灰処理ゼラチン113gを加え、pHを6.2、pAgを7.8にそれぞれ調節し、赤感光性増感色素Hをハロゲン化銀1モル当たり3.60×10-5モル加え分光増感を施した後、チオシアン酸カリウム水溶液と塩化金酸カリウム水溶液を添加し、更にトリエチルチオ尿素を添加して最適に金硫黄増感を施し、更に塩臭化銀微粒子(Cl:Brが4:6、平均粒子サイズが0.05μm、微粒子の銀量1モル当たり3×10-4モルのヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを含む)をハロゲン化銀1モル当たり0.10モル%添加し、引き続き塩臭化銀微粒子(Cl:Brが7:3、平均粒子サイズが0.05μm、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを含まない)をハロゲン化銀1モル当たり0.3モル%添加して乳剤粒子表面に臭化銀局在相を形成させた。更に化合物Iを1.3×10-3モル添加した。こうして得られた赤感光性塩臭化銀乳剤を乳剤Aとした。乳剤Aのハロゲン化銀は粒子辺長の平均値が0.40μm、粒子サイズ分布の変動係数が0.09の立方体粒子であった。
【0067】
次に、化学増感時のpH、金化合物を表3のようにし、かつ、(X)、(Y)又は(Z)で表わされる化合物をpH、pAg調節の後、増感色素添加の前に添加した以外は乳剤Aと全く同様にして、乳剤B〜Tを調製した。なお各乳剤の調整は、富士写真フイルム社製デジタルプリンター「フロンティア350」にて15℃に調温された部屋で最高出力のとき、その発色濃度が、X−RITE社製Photograhpic Densitometer 310で測定したビジュアル濃度で2.5になるように塩臭化銀微粒子乳剤中のヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムの量を調節することにより行った。
【0068】
乳剤塗布液の調製
次にシアンカプラー(ExC−101)9.6gおよび色像安定剤(Cpd−102)0.6g、色像安定剤(Cpd−104)5.4g、色像安定剤(Cpd−101)12g、色像安定剤(Cpd−105)1.5g、色像安定剤(Cpd−103)0.4gに酢酸エチル25.0mlおよび溶媒(Solv−101)4.2gを加え溶解し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム20.0mlを含む10%ゼラチン水溶液402mlに乳化分散させ乳化分散物Aを調製した。
上記乳化分散物Aと前記の乳剤A〜Tとをそれぞれ混合溶解し、下記組成となるように乳剤層塗布液を調製した。
【0069】
前記ハロゲン化銀乳剤A〜T 銀換算400mg/m2
ゼラチン 1000mg/m2
シアンカプラー(ExC−101) 320mg/m2
色像安定剤(Cpd−102) 30mg/m2
色像安定剤(Cpd−103) 20mg/m2
色像安定剤(Cpd−104) 18mg/m2
色像安定剤(Cpd−101) 40mg/m2
色像安定剤(Cpd−105) 5mg/m2
溶媒(Solv−101) 140mg/m2
【0070】
保護層塗布液
0.1%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムと8%のゼラチンを含む塗布液を調製した。
【0071】
セルロース紙支持体の作製
漂白した硬材クラフト50%、漂白した硬材サルファイト25%、及び漂白した軟材サルファイトからなるパルプ完成紙料を、ダブルディスクリファイナー、その後ジョルダンコニカルリファイナーで、200mlのカナダ標準ろ水度(Canadian Standard Freeness)になるまで精製して、写真用紙支持体を作成した。得られたパルプ完成紙料に、乾量基準で、アルキルケテンダイマー0.4%、カチオン性コーンスターチ1.0%、ポリアミドエピクロルヒドリン0.5%、アニオン性ポリアクリルアミド0.26%、及びTiO2 5.0%を加えた。160シェフィールド単位のシェフィールド間隙率及び見かけ密度0.70g/mlになるまでプレスして得た紙ベースを、バーチカルサイズプレスを用いて10%ヒドロキシエチル化したコーンスターチ溶液で表面糊付けし、3.3質量%のスターチ充填量を達成した。この表面糊付けした支持体を見かけ密度1.04g/mlまでカレンダーにかけて厚さ145μmのセルロース紙支持体を得た。この紙支持体に以下の組成のポリマー層を形成させ乳剤面側にコロナ放電処理を施した後、下塗りをして反射型支持体を作製した。また乳剤面側のポリマー層中には4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリル)スチルベンを10mg/m2と群青を含有させた。
【0072】
反射型支持体の作製
上記セルロース紙支持体の両面に以下のポリマー層をラミネートして反射型支持体を得た。
乳剤面側ポリマー組成物:
酸化チタンを20重量%含有するポリエチレン層(35μm)
バック面側ポリマー組成物:
ポリエチレン層(30μm)
【0073】
上記支持体上に、表3に示す乳剤を含有する前記乳剤層塗布液と、前記保護層(ゼラチン塗布量8.0g/m2)とを順次塗設することにより、ハロゲン化銀写真感光材料試料101〜124を作成した。なお、前記乳剤層および保護層を塗布した側のポリエチレンには、二酸化チタンおよび微量の群青を含有する。各層の硬膜剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。
【0074】
これらの試料について露光時の気温による濃度変化を調べるために、富士写真フイルム社製デジタルプリンタープロセッサー「フロンティア350」(一画素あたり10-7秒、青光40μW、緑光300μW、赤光2mW程度の出力)にて、15℃に調温された部屋で発色濃度がX−RITE社製Photograhpic Densitometer 310で測定したビジュアル濃度が0.7になるようにグレー露光したのと同一の露光条件で室温を35℃に調温して露光を行い、発色現像後に濃度測定を行なった。また、かぶり濃度を調べるために、未露光条件で「フロンティア350」により発色現像を行った。
結果を表3に示す。本発明に規定する(X)または(Y)で表わされる化合物を用いない場合はかぶりが高く好ましくない(試料101〜105)。本発明に規定する化合物を用いた場合でも、化学増感時のpHが5.6よりも高い場合はカブリが高い(試料107〜109、113および121〜123)。本発明に規定する化合物の添加量を多くすればかぶりは低くなるが、この場合は温度による濃度変化が大きく好ましくない(試料106、114および120)。本発明によって始めて、かぶりが低く、温度による濃度変化が小さい感光材料を提供することができる。(試料110〜112、115〜119および124)
【0075】
【化6】
Figure 0003942779
【0076】
【化7】
Figure 0003942779
【0077】
【化8】
Figure 0003942779
【0078】
【表3】
Figure 0003942779
【0079】
実施例2
以下の構成の第五層に含有させる各ハロゲン化銀乳剤について、実施例1で用いた乳剤Aにかえて、そのサイズ等を以下のように調整した下記乳剤を用いること以外は、実施例1と全く同様にして作成した。
実施例1で用いた支持体上に、第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料の各試料を作製し、これらの試料を用いた以外は実施例1と全く同様にして試験を行ったところ、本発明の感光材料試料は実施例1と同様の優れた結果を示した。
各写真構成層用の塗布液は、以下のようにして調製した。
【0080】
第五層塗布液調製
シアンカプラー(ExC−1)50g、シアンカプラー(ExC−2)200g、シアンカプラー(ExC−3)20g、色像安定剤(Cpd−1)220g、色像安定剤(Cpd−9)10g、色像安定剤(Cpd−10)10g、色像安定剤(Cpd−12)20g、紫外線吸収剤(UV−1)140g、紫外線吸収剤(UV−3)30gおよび紫外線吸収剤(UV−4)60gを、溶媒(Solv−6)200gおよび酢酸エチル350mlに溶解し、この液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム200mlを含む10%ゼラチン水溶液6500gに乳化分散させて乳化分散物Cを調製した。
一方、塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.40μmの大サイズ乳剤A’と0.35μmの小サイズ乳剤a’との2:2混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数は、それぞれ0.09と0.11。各サイズ乳剤とも実施例1の乳剤Aとは、溶液II、IIIを添加するときの溶液Iの温度を調節し目的のサイズに合わせ、赤感性増感色素GおよびHを、銀1モル当り、大サイズ乳剤A’に対してはそれぞれ1.8×10-5モル、また小サイズ乳剤a’に対してはそれぞれ2.1×10-5モル添加し、小サイズ乳剤a’の塩臭化銀微粒子添加量を乳剤Aの1.14倍にした以外は全く同様とした。)を調製した。
前記乳化分散物Cとこの塩臭化銀乳剤Cとを混合溶解し、後記組成となるように第五層塗布液を調製した。乳剤塗布量は銀量換算塗布量を示す。
【0081】
第一層〜第四層および第六層〜第七層用の塗布液も第五層塗布液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。
また、各層にAb−1、Ab−2、Ab−3およびAb−4をそれぞれ全量が15.0mg/m2、60.0mg/m2、5.0mg/m2および10.0mg/m2となるように添加した。
【0082】
【化9】
Figure 0003942779
【0083】
各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には以下の分光増感色素をそれぞれ用いた。
青感性乳剤層
【0084】
【化10】
Figure 0003942779
【0085】
(増感色素A、BおよびCをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ1.4×10-4モル、小サイズ乳剤に対してはそれぞれ1.7×10-4モル添加した。)
緑感性乳剤層
【0086】
【化11】
Figure 0003942779
【0087】
(増感色素Dをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては3.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては3.6×10-4モル、また、増感色素Eをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては4.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては7.0×10-5モル、また、増感色素Fをハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤に対しては2.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては2.8×10-4モル添加した。)
赤感性乳剤層
【0088】
【化12】
Figure 0003942779
【0089】
(増感色素GおよびHを、ハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ1.8×10-5モル、小サイズ乳剤に対してはそれぞれ2.1×10-5モル添加した。)
【0090】
また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層および赤感性乳剤層に対し、1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールと1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールとを、それぞれハロゲン化銀1モル当り3.3×10-4モル、1.0×10-3モルおよび5.9×10-4モル添加した。
さらに、第二層、第四層、第六層および第七層にも、それぞれ0.2mg/m2、0.2mg/m2、0.6mg/m2、0.1mg/m2となるように添加した。
また、青感性乳剤層および緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを、それぞれハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル、2×10-4モル添加した。
また、赤感性乳剤層にメタクリル酸とアクリル酸ブチルの共重合体(質量比1:1、平均分子量200000〜400000)を0.05g/m2を添加した。
また、第二層、第四層および第六層にカテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウムをそれぞれ6mg/m2、6mg/m2、18mg/m2となるように添加した。
また、イラジエーション防止のために、乳剤層に以下の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。
【0091】
【化13】
Figure 0003942779
【0092】
(層構成)
以下に、各層の構成を示す。数字は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
第一層(青感性乳剤層)
Figure 0003942779
【0093】
第二層(混色防止層)
ゼラチン 1.00
混色防止剤(Cpd−4) 0.05
混色防止剤(Cpd−5) 0.07
色像安定剤(Cpd−6) 0.007
色像安定剤(Cpd−7) 0.14
色像安定剤(Cpd−13) 0.006
溶媒(Solv−1) 0.06
溶媒(Solv−2) 0.22
【0094】
第三層(緑感性乳剤層)
Figure 0003942779
【0095】
第四層(混色防止層)
ゼラチン 0.71
混色防止剤(Cpd−4) 0.04
混色防止剤(Cpd−5) 0.05
色像安定剤(Cpd−6) 0.005
色像安定剤(Cpd−7) 0.10
色像安定剤(Cpd−13) 0.004
溶媒(Solv−1) 0.04
溶媒(Solv−2) 0.16
【0096】
第五層(赤感性乳剤層)
Figure 0003942779
【0097】
第六層(紫外線吸収層)
ゼラチン 0.46
紫外線吸収剤(UV−1) 0.14
紫外線吸収剤(UV−2) 0.05
紫外線吸収剤(UV−3) 0.05
紫外線吸収剤(UV−4) 0.04
紫外線吸収剤(UV−5) 0.03
紫外線吸収剤(UV−6) 0.04
溶媒(Solv−7) 0.18
第七層(保護層)
ゼラチン 1.00
ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.04
流動パラフィン 0.02
界面活性剤(Cpd−14) 0.01
界面活性剤(Cpd−15) 0.01
【0098】
【化14】
Figure 0003942779
【0099】
【化15】
Figure 0003942779
【0100】
【化16】
Figure 0003942779
【0101】
【化17】
Figure 0003942779
【0102】
【化18】
Figure 0003942779
【0103】
【化19】
Figure 0003942779
【0104】
【化20】
Figure 0003942779
【0105】
【化21】
Figure 0003942779
【0106】
【発明の効果】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、かぶりが低く、レーザー走査露光適性を備え、システムの生産性と安定性を高めることができ、露光時の気温の変化による濃度変動が小さいという優れた効果を奏する。

Claims (6)

  1. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料において該乳剤層に含有されるハロゲン化銀乳剤が、銀1モル当たり1.0×10-9モル以上1.0×10-5モル以下の、一般式(X)または(Y)で表される化合物の少なくとも1種の存在下、pH4.0以上5.6以下で金化合物により化学増感された塩化銀90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
    一般式(X)
    R21−SO2S−M21
    一般式(Y)
    R22−SO2−M22
    式中、R21およびR22は互いに独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、M21及びM22は互いに独立に陽イオンを表す。
  2. 該金化合物が水易溶性化合物であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有してなる請求項1または2記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料において該乳剤層に含有されるハロゲン化銀乳剤が、銀1モル当たり1.0×10-9モル以上1.0×10-5モル以下の一般式(Z)で表される化合物の少なくとも1種の存在下、pH4.0以上5.6以下で金化合物により化学増感された塩化銀90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
    一般式(Z)
    R31−S−S−R32
    式中、R31とR32は、互いに独立に脂肪族基または芳香族基を表す。ここで、R3 1とR32は互いに結合して環を形成してもよい。
  5. 該金化合物が水易溶性化合物であることを特徴とする請求項4記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  6. イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも一層ずつ有してなる請求項4または5記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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