JP3942703B2 - Mqam信号復調方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は比較的高レベルのMQAM信号に対して、特にフィードバックを用いることなく、また、伝送された符号についての情報を使わずに、そのような信号を復調する方法に向けられている。
【0002】
【従来の技術】
比較的高レベルのQAM(Quadrature Amplitude Modulated)信号(たとえば、4,16,32,128,256 QAM信号)の復調を目的として、受信側では、受信された高周波信号が、送信側の搬送周波数に対応するヘテロダイン周波数を持った発振器を用いて、ベースバンド信号に変換される。変換されたベースバンド信号(複数)は、使用しているQAM変調法によってあらかじめ決められたクロック周波数でサンプリングされる。このようなMQAM信号に対する従来から公知の復調方法は、制御回路を使い、ヘテロダイン発振器の周波数と位相とを送信側の搬送波の周波数と位相とに正確に調整するものである(ドイツOS4306881、ドイツOS4446637)。このように制御される発振器を使って変換されるベースバンド信号からは、正しい位相関係にあるクロック信号が位相検出器を通じて抽出される。このクロック信号を使い、それらのベースバンド信号がそれぞれ、所定の符号周期ごとに正確にサンプリングされる。(たとえば、Hoffmann 、「QAM信号に対する新しい搬送波発生方式」、回路とシステムに関するIEEE国際シンポジウム、フィンランド、1988 年 7 月、 599 − 602ページ)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの既知の復号方法は比較的長いデータ収集時間を要するという不利な点を持っており、極端な場合には、ハングアップと称する事態にまで発展する。それらの方式は、データ取得時間があまり重要なファクターとはならない場合の非常に長い符号列に対してだけ適用可能であろう。しかし、これら既知の方法は、非常に短い符号列を持つTDMA(Time Division Multiple Access、時分割多重アクセス)と称される方式には適さない。
【0004】
本発明の目的は、伝送された符号についての情報を使わずに、短い符号列に対する速やかな同期をも可能にする、上述のようなMQAM信号についての復号方法を創り出すことである。
【0005】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
上記の目的は、本発明の原理に従う、比較的高レベルのMQAM信号を伝送された符号についての情報を使わずに復調する方法により達成される。その方法は、MQAM信号に対応するクロック周波数でベースバンド信号をサンプリングし、まず、そのクロックの位相誤差を推定(計算)し、この推定されたクロック位相誤差を用いた内挿によりそのクロック位相誤差に対応するベースバンド信号の時間的シフトを補償し(クロック同期)、つぎに、搬送波の周波数オフセットと位相オフセットとを最尤原理に従って、且つフーリエ変換又は時間領域でのコンボリューションによって、フィードバックを用いることなく計算し、それによりデータ列に対して補償を行う。
【0006】
本発明の方法は、受信されるQAM信号の速やかな同期を、調整なしで全く解析的に可能にする。したがって、データ取得時間は厳密に決定でき、ハングアップと称される事態は起こり得ない。その上、伝送される符号についての情報を必要としない。本発明の方法においては、クロック、位相、搬送波周波数オフセット、搬送波位相オフセットなどの同期に必要なパラメータは純粋に解析的に計算される。すなわち、その計算の負荷が極端に小さい。既知の復調方法との基本的な相違は、ベースバンドへの再変換を行うためのヘテロダイン発振器がもはや周波数と位相とに関して定格値に制御されるのではないこと、にある:ヘテロダイン発振器はむしろ、搬送波の周波数に符号レートの数パーセント以内で正確に設定される。一方、周波数と位相とに含まれそうな誤差は、それらについてのベースバンド信号に対する補償を通して、純粋に計算的に考慮される。
【0007】
同じことが、フリーホイール式クロック発生器についても云える。フリーホイール式クロック発生器では、クロック周波数が、そこで用いられているMQAMの方式に応じて選択され、その際のクロック位相に含まれ得る誤差は均されるのではなく、ベースバンド信号に対する補償によって除去されるのである。256QAM変調についてさえ、極めて短時間での同期が 200 符号周期に過ぎない測定間隔内で可能である。それ故、本発明による方法は、バースト一つ当たりに短い符号列しか含まないTDMA伝送法での復調に特に適している。
実施例において、搬送波に対して周波数と位相のオフセットを推定するのに適用される本発明の技術は、この目的のために適しているだけでなく、他の目的にも、たとえば、未知の周波数を持つじょう乱を受けた正弦波の周波数を推定するのにも適している。
本発明にかかるMQAM信号復調方法は、
ベースバンド信号を用いて符号をデータ列として伝送することにより生成される比較的高レベルのMQAM信号を、その伝送された符号についての情報を使わずに復調する方法であって:
(a)ベースバンド信号をMQAM信号に対応するクロック周波数でサンプリングするステップ、
(b)クロック位相誤差を推定し、その推定されたクロック位相誤差を用いた内挿によりそのクロック位相誤差に対応するベースバンド信号の時間的シフトを補償するステップ、及び、
(c)フーリエ変換又は時間領域でのコンボリューションにより、搬送波の周波数ずれと位相ずれとを最尤原理に従ってフィードバックによらずに計算し、それによりデータ列に対して搬送波の周波数ずれと位相ずれとを補償するステップ、
を含む方法である。
【0008】
【好適な実施例の説明】
図1はMQAM信号の送信側の編集を模式的に示している。シリアルパラレルコンバータ1において、送信対象のシリアルデータストリームがmビットずつ融合されてより多価の複素符号を形成する。複素信号空間はM個の要素からなっている。このようにして実部と虚部を持つ複素符号のワードがマッパー2で発生する。これらは、つづいて、互いに 90 度位相がシフトした搬送波発生器3の搬送波周波数によりMQAM高周波信号として一体化され、送出される。
【0009】
図2は、対応する直交受信器を示している。受信されたMQAM高周波信号は、2個のミキサー4 、 5 により、互いに90 度位相がシフトした搬送波発振器6のヘテロダイン周波数でベースバンドに再びミキシングダウンされる。このベースバンド信号は続いて、クロック発生器でサンプリングされる。そのクロック発生器のクロック周波数は、適用されるMQAM方式それぞれのクロック周波数と一致する。そのサンプリング速度はサンプリング定理が満足される程度に十分高く選ばれねばならない。
既知の復調方式とは対照的に、本発明では、発振器6 が厳密に正しい搬送周波数と搬送波位相とに再調整されることはない。むしろ、発振器6は周波数を送信側の搬送周波数に符号伝送速度の数パーセント以内で正確にセットされるだけである。クロック発生器7はまた位相については調整されない。クロック周波数が、適用されるMQAM方式での値にセットされるだけである。
【0010】
発振器 6が調整されないので、搬送波の周波数と位相とに誤差が存在し得る。本発明によれば、残留する位相誤差は以下の計算過程によって補償される。このベースバンド信号についての補償は補償段 8 で行われる。その機能と動作との詳細は後述する。
図3は図1と図2とに描かれる伝送モデルを、等価なベースバンド表示で示す。
出発点は伝送されるべき次のディジタル複素信号列s 0 (t)である。
【0011】
【数1】
【0012】
この信号は時刻t =ν T s での実部と虚部との符号値a I, ν 、 a Q, ν で重みづけされた2個のディラックパルスの和として表わされる。MQAM符号
【0013】
【数2】
a ν =a I, ν +ja Q, ν
【0014】
は、すでに述べたように、a I, ν 、a Q, ν ∈{±1,±3,±5,…}の値を仮定している。伝送フィルターを通過した信号s F (t) は s 0 (t) とパルス応答h s (t)とのコンボリューションによって与えられる。
【0015】
【数3】
【0016】
理想的なサンプリング時間に対する時間オフセットεT s (受信側では未知)は以下のようなシステムブロックで理解される。それによって、誤差の値は− 0.5 ≦ε< 0.5の範囲にはいる。s(t)は
【0017】
【数4】
【0018】
となる。復調段階で発生する周波数オフセットΔ fと位相オフセットΔΦとは指数関数 EXP(j(2 πΔ ft +ΔΦ )) を通して考慮される。このようにして、等価なベースバンド表示での送信信号s M (t) は s M (t) = s(t)EXP(j(2 πΔ ft +ΔΦ ))と表わされる。送信信号 s M (t) は伝送途上でホワイトガウス雑音(AWGN) n(t) の付加により擾乱され、受信信号 r(t) が
【0019】
【数5】
r(t)=s M (t)+n(t)
【0020】
となる。いま考えているQAM伝送において、ノイズn(t)が複素数n(t)=n I (t)+jn Q (t)であるとする。実部n I (t)と虚部n Q (t)とは両側パワー密度スペクトル(LDS)N 0 / 2 を持ち、互いに統計的に独立である。送信信号 s M (t)の平均パワーは、その期待値が時間に依存して周期T s を持つことから
【0021】
【数6】
【0022】
と表わされる。送信信号の一符号当たりの平均エネルギーは、したがって、
【0023】
【数7】
【0024】
と表わされる。図3で示された出力の列x ν についてはオーバーサンプリング係数ov = T s / T A が掛かる。ただし、T s は符号周期を、T A はサンプリング周期を表わすものとする。
図4に示すように、同期は次の3段階に分かれている。
A. クロック同期
B. ダイナミックス推定
C. 搬送波同期
【0025】
《A. クロック同期》
列x ν (図3も参照)がまず、未知である規格化時間オフセットεのクロック位相の推定に利用される。クロック同期の方法は、フィードバックを使わないものが知られている(K.Schmidt:Digitale Taktruckgewinnung fur bandbreiteneffiziente Mobilfunksysteme、学位論文、通信技術学会(Inst.Nachrichtentechnik )、ダルムシュタット、1993年12月、ならびに、Oerder:Algorithmen zur digitalen Taktsynchronisation bei Datenubertragung、アーヘン大学電気制御技術講座、1989年)。次に、推定された時間オフセット
【外1】
(カレットは一般に、推定値を表すのに用いられる。)が内挿フィルターによって相殺される。次に、アンダーサンプリングがオーバーサンプリング係数ov に従って実行され、列y ν が、符号周期ごとに位相が回転するサンプル値を表すことになる。
【0026】
その総量の情報を評価することによって未知の係数c(図3参照)に対するダイナミックス推定が引き続いて実行され、推定値
【外2】
の逆数の乗算により未知の係数 c が相殺される。得られた列z ν が更に周波数と位相との推定に利用される。周波数と位相との推定値を用いて実行された周波数と位相とについての補償により列w ν が得られる。これは、理想的な場合には、伝送された符号列a ν と等しい。この補償についての基礎的な考察は次の文献に見られる。K.Schmidt:Digitale Taktruckgewinnung fur bandbreiteneffiziente Mobilfunksysteme、学位論文、通信技術学会(Inst.Nachrichtentechnik )、ダルムシュタット、1993年12月、及び、Kammeyer:"Nachrichtenubertragung" 、 Teubner出版、シュトットガルト、1992年。
【0027】
N符号周期の測定間隔がすべての推定について仮定されている。
《B. ダイナミックス推定》
ダイナミックス推定が必要になるのは、MQAM伝送における符号の位相にも、また、符号の量にも情報が含まれているからである。ダイナミックス推定は次の3段階で実行される。
1.予備推定:まず最初に、大まかなダイナミックス推定が、有用な信号の量から計算される平均値を、対応するMQAM変調の符号量の統計的平均値と比較することによって解析的に実行される。
2.粗推定:次に、推定すべき定係数をある探索法に従って変化させ、対数尤度関数を最大にするようにその定係数を選ぶ。ダイナミックス推定についてのこの方法はまた、受信された信号量についての分布密度関数と符号量の静的な分布密度関数との相関であるとも解釈できる。
3.精細推定:この係数値から更に続けて、精細な推定値が最尤原理にもとづいて解析的に計算される。
使用される段階の数は所望の精度に依存している。たとえば、測定される N 個の符号が長い場合には予備推定だけで十分であり、一方、測定される符号が短くかつステップ数がM = 256と大きい場合には、3段階すべてが必要である。
【0028】
《予備推定》
まず、ダイナミックスの最初の推定は、対応するMQAMコンステレーションでの符号量の理想的な期待値と有用な信号量の平均値との比較によって実行される。MQAM符号のアルファベットとして M個の異なる符号A α を用いれば、符号量の理想的な期待値Betr id は
【0029】
【数8】
【0030】
で計算される。
詳しくは、種々の変調レベルに対して、以下の値が導かれる。
【0031】
【表1】
【0032】
測定される N 個の符号から推定される平均値は次式で与えられる。
【0033】
【数9】
【0034】
次式による第1段階での推定値
【外3】
は、したがって、予備推定値を与える。
【0035】
【数10】
【0036】
《粗推定》
粗推定の方法は最尤原理にもとづいて作られたものである。ダイナミックスを推定する原理は、読み込まれた符号量の相対周波数と理想的なMQAM信号の分布密度関数との相関に基づく。
最尤関数に対する以下のアプローチから始める。有限な数の符号に対して無限の測定時間が与えられているものとする。期待値は一連の測定全体で最大にされるべきである。
【0037】
【数11】
【0038】
推定パラメータが含まれていないので、r(t) を x ν による展開に置き換えても良い。規格化
【0039】
【数12】
【0040】
を用い、
【0041】
【数13】
【0042】
の計算を経て、次式が得られる。
【0043】
【数14】
【0044】
指数の部分の和を真数部の積に直して、次式が得られる。
【0045】
【数15】
【0046】
各符号a ν は互いに統計的に独立なので、積は期待値を形成してから実行できる。すなわち、
【0047】
【数16】
【0048】
Δf、ΔΦは未知であるからテストパラメータとして導入されるべきではない。対数尤度関数の最大値を探すので、信号対雑音比を十分大きく与えることで、図5に示される通り、偏差
【0049】
【数17】
【0050】
が非常に小さい。その結果、次の近似が許される。この近似に対して、Δf、ΔΦが既知である必要はない。
【0051】
【数18】
【0052】
周波数オフセットと位相オフセットとが未知であるので、 e ν t が同様に未知である。従って、この近似が必要である。データに依存する推定誤差は、この近似によっては起こらない。何故なら、信号対雑音比の増大、 E s / N 0 →∞に伴い、列が
【0053】
【数19】
【0054】
と漸近するからである。
式(3)は、したがって、
【外4】
で最小になり、推定誤差は生じない。すなわち、
【0055】
【数20】
【0056】
式(3)を対数尤度関数に代入することによって、
【0057】
【数21】
【0058】
が得られる。
対数尤度関数と称されるものは、対数をとって得られる。このことは、何等、積をとる必要がなく、ただ和をとるだけでよいという利点を提供する。この簡単化は、対数関数が狭義に単調な増加を示し、したがって、最大点が変らないからである。すなわち、
【0059】
【数22】
【0060】
この表式は、したがって、受信された符号の量にだけ依存している。周波数オフセット及び位相オフセットは、これまでに行ってきた近似のゆえにこの式中には入ってこない。
符号のアルファベット{ A α }( a ν ∈{ A α })に含まれる M 個の可能な符号 A α すべてについて、量 |A α | を用いて期待値が形成される、
【0061】
【数23】
【0062】
この非線形性は図6に例示される。次の目標はその非線形性
【外5】
の簡単化である。
次の関係が項T s / N 0 と信号対雑音比E s / N 0 との間に存在する。
【0063】
【数24】
【0064】
ただし、
【0065】
【数25】
【0066】
である。
これらの測定では信号対雑音比が自由に選べる定数として表される。以下では、信号対雑音比が1 より十分に大きく、E s / N 0 ≫ 1、従って、 |x ν | が図5に示される最大値の領域に収斂する、
【外6】
、と仮定する。
【0067】
【数26】
【0068】
この近似において、n α は、符号アルファベットのM個の値にわたる和の中で量 |A α | がどの程度の頻度で起こるかを示している。さらに、全ての信号量 |x ν | についてそれぞれに割り当てられる理想的な推定値
【外7】
がある。
図6に示される個々の「ローブ」の間の重なりは非線形性の計算では無視される。何故なら、次式が|A α |≠|a ν |に対して成立するからである。
【0069】
【数27】
【0070】
対数尤度関数の近似については、
【0071】
【数28】
【0072】
と置く。和の各項に係数 n α / M で重み付けしても何の利点もないことがシミュレーションで示されている。したがって、結局、
【0073】
【数29】
【0074】
が対数尤度関数の近似として得られる。多くの識別誤差が推定対象の cから切り離されるので、テストパラメータ
【外8】
の全てについて
【外9】
が推定し直されねばならない。256QAMについて、 c = 1 と推定されるべき場合のシミュレーションの一例を図7に示す。
ループ中で、テストパラメータ
【外10】
は予備推定の最大誤差をカバーする範囲で変化する。ここで実行されたシミュレーションでは、短い符号長の測定でも誤差が最大 10 %であった。すなわち、予備推定値
【外11】
に対してテストパラメータ
【外12】
を
【0075】
【数30】
【0076】
の範囲で変化させるだけで十分であった。不正確な
【外13】
が可能な限り決定されないように、ステップ幅 dc は変調方法に応じて細かく選ばれなければならない。次のステップ幅が目安として得られている。
【0077】
【表2】
【0078】
係数
【外14】
は対数尤度関数、式(4)、を最大化するように選ばれる。これは、受信された符号量のヒストグラムと図8に示される理想的なコンステレーションのヒストグラムとの相関関係に対応している。こうして、粗推定値
【外15】
が得られる。
【0079】
《精細推定》
精細推定はデータを利用することで機能する。すなわち、それ以前に得られた推定値
【外16】
による補償の後、符号量
【外17】
がまず推定される。式(2)によりデータを利用する方法では、対数尤度関数については期待値が計算できないので、この場合には(近似を伴わずに)、式(4)による対数尤度関数
【外18】
を最大化しなければならない。既知の
【外19】
が与えられるとき、
【外20】
はそれぞれ、高確率で正しく推定されるので、最大点は次式の計算により発見できる。
【0080】
【数31】
【0081】
【外21】
の最大点では、
【外22】
が成立する。したがって、精細推定の計算ルールが次の式(5)によって表される。
【0082】
【数32】
【0083】
ダイナミックス推定値
【外23】
を与えた先の粗推定から、推定値
【外24】
が利用される。
この推定値は簡単にチェックできる。無限に大きい信号対雑音比E s / N 0 =∞を仮定すると、|x ν | → |a ν |c となる。そのとき、符号量の割当てには常に誤差がないことが保証される。すなわち、
【外25】
であり、式(5)による精細推定が
【0084】
【数33】
【0085】
に従って正確な値を提供する。
こうして、ダイナミックス補正の実行過程は、変調段、目標の精度、信号対雑音比の実態、更に、使用されるデータ長に合わせることができる。必要な推定段さえ使われれば良い。
推定される係数
【外26】
の標準偏差
【0086】
【数34】
【0087】
はダイナミックス補正法の品質に対する評価基準として見ることもできる。
この目的のために、256QAM(c = 1 がセットされる)に対するダイナミックス推定を、その3段階すべてを使い、測定される符号長(=符号数 N )を様々に変化させてシミュレートした。そのダイナミックス推定の標準偏差を図9に示す。11ページの表1によれば、
【0088】
【数35】
【0089】
が成立しておれば、誤りのない符号の決定が可能である。256符号という短い長さで測定する場合でも信号対雑音比 E s / N 0 ≒ 30dB からは2乗平均誤差が小さい。その結果、
【外27】
に関わらず、ダイナミックス推定の誤差に基づく誤った決定は起こらない。
【0090】
《C.搬送波ならびに位相の同期》
搬送波と位相の同期はNDA法(Non Data Aided、すなわち、伝送された符号a ν についての情報を使わない方法)に従って、最尤原理にもとづいて実行される。以下のDA法(Data Aided、すなわち、推定された符号a ν を用いる方法)はオプションであって、推定された周波数ならびに位相の誤差の理論上到達可能な分散値にまで到達できる。この方法は、最高の精度が要求される場合(たとえば、符号数Nが小さい場合)にのみ使うようにすべきである。
【0091】
《NDA法》
以下のアルゴリズムにより、周波数オフセットの推定値
【外28】
及び位相オフセットの推定値
【外29】
が与えられる。従来から公知の方法とは対照的に、ここで述べるアルゴリズムは、「オープンループ」構造で、解析的に実現される。
周波数と位相の推定に対して最大化されるべき尤度関数は(c=1、ε=0とセットした場合)次式で表される。
【0092】
【数36】
【0093】
ただし、各信号は図3中に定義されている。表式
【外30】
はN個の伝送された符号a ν についての期待値を表している。尤度関数が最大になるときのテストパラメータ
【外31】
(一般に、上付き波型記号で示される)のそれぞれの値が推定値として採用される。MQAM伝送においては、M 個の符号A α が等頻度で発生する。多少、長目の計算の後、尤度関数は次式のように簡単化される。
【0094】
【数37】
【0095】
ここで、定数 const はもはや関心のない定数である。尤度関数にはアナログ的な時間変化は起こらず、サンプルの列z ν (図3参照)が符号周期間隔で存在するだけである。
対数関数は単調に増加するので、その最大点は変わらない。したがって、次の式(6)によって尤度関数が得られる。
【0096】
【数38】
【0097】
以下のステップでは、入力列が次式(7)により極座標表示に変換されねばならない。
【0098】
【数39】
【0099】
一般に複素数である変数 zを用いて、非線形性を
【0100】
【数40】
【0101】
と定義する。式(8)を式(6)に代入することによって、対数尤度関数
【0102】
【数41】
【0103】
が得られる。実行可能な方法に到達するために以下の処理を行う: NL(z)のフーリエ級数展開を位相について行う。
【0104】
【数42】
【0105】
という複素変数の極座標表示を用いて、非線形性は次式(9)のフーリエ級数で表される。
【0106】
【数43】
【0107】
ここで、第β項目のフーリエ係数は|z| のみに依存しており、次式(10)に式(8)の非線形性を代入することで計算される。
【0108】
【数44】
【0109】
以下のことを注意すべきである。
・ 位相の偶対称性により、K β (|z|)は実数である。
・ 位相π/2に対する対称性により、係数は4番目毎、β=0,±4,±8,・・・でのみゼロでない。
・ 係数はFFT(高速フーリエ変換)で計算できる。
・ K β (|z|)は前もって計算しておき、適当に小さなΔ|z| 刻みでテーブルにしておく。調べた範囲で明らかなことだが、理想的な符号量|z| = |A α | では係数 K 4 (|z|) だけで十分である。
対数尤度関数は、したがって、次のように書くことができる。
【0110】
【数45】
【0111】
第一項は推定すべきパラメータには依らないので、周波数と位相の推定に無関係である。
次式(12)による最初の近似では、4次のフーリエ係数K 4 (|z|) のみを残す。
【0112】
【数46】
【0113】
式(12)の右辺が最大になる領域では全体の位相がほぼ正確に正の実軸上にあるので、 Re{ … } ≒ | … | と近似できる。こうして、次式(13)のような簡単化が許される。
【0114】
【数47】
【0115】
その結果、テスト位相
【外32】
に独立な表式が得られる。したがって、2次元の推定の問題が2個の1次元の問題に帰着された。求めるべき最大点は式(13)の2乗でシフトするものではない。むしろ、この2乗によって更なる解析が可能となる。すなわち、
【0116】
【数48】
【0117】
を最大化しなければならない。そこで、この式に次の式(14)を代入する。
【0118】
【数49】
【0119】
|x| 2 = x ・ x * の関係を用いて、次式が得られる。
【0120】
【数50】
【0121】
第1項は
【外33】
に対して独立であり、したがって、考慮する必要はない。次の式(16)による極座標表示を用いれば、
【0122】
【数51】
【0123】
次の式(17)で式(15)第2項の和の実部が得られる。
【0124】
【数52】
【0125】
ここで、非常に小さな偏角については次の近似表式
【0126】
【数53】
【0127】
がコサイン関数に対して成立する。
式(17)の偏角は推定値
【外34】
の領域では小さいので、この近似が許される。したがって、次の式(18)が得られる。
【0128】
【数54】
【0129】
コサイン関数の周期性のために、式(17)中の位相β( μ )は不連続性を含み得る一方、この不連続性が式(18)中では起こらないことに注意してほしい。その理由は、「折り畳まれていない位相」β u ( μ ) が近似式中では定義されているからである。この状況は図10中に図示して示した。
続いて、
【外35】
による表式の1次微分が対数尤度関数の最大点で(すなわち、探索している場所
【外36】
で)ゼロにならなければならないことから、
【0130】
【数55】
【0131】
を代入する。したがって、次式が成立する。
【0132】
【数56】
【0133】
この式を
【外37】
に対して解くと、最後に、次の式(19)に従う周波数オフセットの解析的推定値を得ることができる。すなわち、
【0134】
【数57】
【0135】
この推定式で用いられる N sum については後述する。こうして、求めるべき周波数オフセットは重み付けされた線形回帰計算によって導かれる。式(15)中の sum( μ )
【0136】
【数58】
【0137】
はFFTを用いて非常に効率的に計算できる。k( ν )は式(11)により因果的であるから(図11参照)、和の下限はゼロにセットできる。こうして、次式が得られる。
【0138】
【数59】
【0139】
この表式において、z変換を行うと、
【0140】
【数60】
【0141】
が導かれる。
FFTの長さについて、
【0142】
【数61】
【0143】
が成立するとき、FFTによる巡回的なコンボリューションがz変換による線形なコンボリューションと一致する。
この目的のために、対応するベクトルには変換に先立ってゼロを満たしておかなければならない。sum( μ ) はそれ故、次の式(20)の手続きに従って計算できる。
【0144】
【数62】
【0145】
項 sum( μ )の「折り畳まれていない」位相を発生させるため、2つの隣り合う要素の位相差Δβ( μ )∈[−π,+π]がまず決定され、それらの位相差が更に合計される。連続的な位相の計算についての回路のブロック図が図12に示してある。
実際に実行する場合には、データに依存する誤差がsum( μ )に不確定性を与えることが問題である。その不確定性は、連続的な位相曲線β u ( μ ) の計算では、図13に示すように2 πの跳び、すなわち「サイクルスリップ」を起こし得るので好ましくない。そのような不確定性は、線形回帰とそれによる推定値
【外38】
とを使用不能にする。推定された位相曲線は理想的な位相曲線とはかなり異なる。
サイクルスリップを検出し、位相曲線β u ( μ ) から2πの不連続性を除去するという戦略はほとんど有用でなく、しかも不確かであることがわかっている。よりよい解決法は、サイクルスリップを回避することである。このことはsum( μ )中のk( ν )を一度ならず、何度でも繰り返しそれ自身とコンボリューションを取ることで達成される。これは周波数領域では冪数の増大に相当し、計算は容易である。この結果、より顕著な平均化が生じ、グリッチが回避される。こうして、式(20)の手順が次式(21)に拡張される。ただし、パラメータ potは冪数を示している。
【0146】
【数63】
【0147】
研究の結果、大きくじょう乱を受けた256QAMに対してさえpot ≦ 5で十分であり、それ以上冪数を大きくしても、改善は見られなかった。
「サイクルスリップ」を抑圧するこの方法について、発明者は、これまで知られていなかった技術であると確信しており、特許請求範囲の構成要素となっている。「サイクルスリップ」を回避するこの方法はMQAM同期に限られるものではなく、より広範囲に特許されるべきものである。この方法を用いて、大きなグリッチ(列glitch( ν )でモデル化される)と大きなじょう乱(ノイズ列n( ν )でモデル化される)を含む一般的な列k( ν ) について、周波数Δfは次の式(22)で高精度に推定できる。
【0148】
【数64】
【0149】
この推定の分散は理論的に可能なCraner-Raoの極限まで到達する。さらに、次に示す位相についての推定を用いれば、位相ΔΦも推定できる。
その動作特性が図14と図15に示してある。両図において、sum( ν )は256QAMに対して、測定される符号長が N = 1024 符号にわたるとき、Δf=ΔΦ=0で大きなじょう乱Es/N0=15dBを仮定して、示してある。図14では、pot=2が、図15では、pot=5がそれぞれ選ばれている。これら2つの図の比較から理解できるように、サイクルスリップが高いべき乗での平均化の効果によって消えるので、グリッチがsum(μ)中にはもはや起こらない。それ故、位相が定格値ゼロ(Δf=ΔΦ=0)からはもはや大きくずれることがない。この方法はまた、信号対雑音比が低い状況に対しても、非常に高い耐力があることがわかった。
さらに、全部の列sum(μ)を推定のために使う必要はない。むしろ、式(19)において和の項数 N sum は
【0150】
【数65】
N sum ≦ 0.75 × N
【0151】
で十分である( N は符号周期で表された測定時間である)。和の項数を大きくしても、推定の結果を改善することはできない。かなり小さなN sum でも、同程度の誤差の分散が得られる。シミュレーションではN sum = 0.25 × Nを採用した。
推定値
【外39】
が計算された後、式(19)によって推定された周波数オフセットはそれに引き続く位相オフセット
【外40】
の推定を行う前に導かれていなければならず、それによって位相決定のための1次元推定の問題が
【0152】
【数66】
【0153】
のように再び得られる。
この式は、オーバーオールの表示gesがこの式中で実数であるときに最大になる。位相オフセットは、したがって、次式(23)による偏角の計算から得られる。
【0154】
【数67】
【0155】
もちろん、符号アルファベットがπ/2の回転対称性を持つので、ΔΦが mod π/ 2 で決定されるに過ぎない。
同期を評価するために、推定結果
【外41】
それぞれの目標値に対する標準偏差
【0156】
【数68】
【0157】
が使用される。
図16と図17は、周波数オフセットと位相オフセットのシミュレーション結果をそれぞれ、信号対雑音比Es/N0の関数として、様々な符号長について示している。式(12)に従って最初のフーリエ係数だけが使われているために、Es/N0が15dB以上になると、オフセットの改善に停滞が見られる。これはデータ依存形の推定誤差によるものである。もし、図中に破線で示したような理論的に到達可能な限度にまで到達したければ、次章で説明するDA推定法を行なう必要がある。
まとめると以下のようになる。高レベルのMQAM変調では周波数と位相の両方のオフセットを、伝送されてきた符号についての情報を使わずに解析的に計算する方法は、現在までなかった。その実行方法を図18にまとめて示して置く。数値的に扱える方法に到達するために、尤度関数の非線形性についてフーリエ級数展開が行われる。そのフーリエ級数の係数をただ一つ使うだけで十分であることがわかっている。その結果、周波数オフセットを、次に位相オフセットを、位相についての回帰計算を用いたオープンループ法で、2段階で計算できる。さらに、その位相についての回帰計算では、サイクルスリップと称される問題(折り畳まれていない連続的な位相についての計算における2πの不連続性)が解決されねばならない。それは複素数の偏角のグリッチにより生じる。これらのサイクルスリップは、複数回のコンボリューション操作によって効果的に抑圧される。すなわち変動がコンボリューション毎に明らかに減少する。位相についてのこの重み付けされた回帰計算の結果、周波数オフセットの推定値が得られる。次に、受信信号が推定された周波数を使って補償され、その出力のデータセットが位相オフセットの推定に使われる。位相オフセットの推定では再び、尤度関数の最初のフーリエ係数が使用される。引き続いて、改良されたDA推定法がオプションとして実行されても良い。
【0158】
《DA法》
位相の推定に対するDA法は、たとえば、QPSK変調方式に対して、既に文献中で議論されている(F.M.Gardner:ディジタルでの実施に適した復調器基準回復技術、ESAレポート、1988年)。しかし、これは位相推定についてだけであって、周波数と位相の両方についてではない。しかし、その基礎は与えている。そこで、この文献から知られる方法を拡張することによって、周波数と位相の両方についての推定が可能となった。
DA法では推定された符号の列が存在しなければならない。図19によれば、
決定ユニットによって推定されていなければならない。まだ推定されていなかった精細推定値ΔffineとΔΦfineが、対数類似度関数
【0159】
【数69】
【0160】
の最大化によって決定される。
ここで、式(24)で定義されたポインター
【0161】
【数70】
【0162】
は実軸上に回転引き戻しされ、周波数と位相についての正確な推定値が得られる。さらに導出をすすめてゆくためには、次の式(26)による極座標表示
【数71】
【0163】
の採用が推奨される。
これを式(24)に代入することによって、次式が得られる。
【0164】
【数72】
【0165】
コサイン中の偏角は最大の領域では非常に小さいので、次の近似
【0166】
【数73】
【0167】
が許される。NDA推定が既に非常によい結果を与えているので、求めている位相は数度に過ぎないことに注意してほしい。したがって、NDA法と違って、折り畳まれていない位相を計算する必要もなく、上の近似を適用することができて、
【0168】
【数74】
【0169】
が得られる。
中まで計算しておき、それらを次のようにゼロと置く。
【0170】
【数75】
【0171】
マトリックスで書けば、上の式は
【0172】
【数76】
【0173】
となる。
これを位相と周波数のオフセットについて解けば、探している解は次の式(27)で得られる。
【0174】
【数77】
【0175】
図19はDA法の回路のブロックダイアグラムである。
種々の変更や変形は当該分野に精通した何人によっても提案され得るであろうが、そのようなすべての変更や変形は、本発明者の当該分野への寄与の範囲内に正当かつ適宜に入るべきものとして、ここに承認されるべき特許の範囲内で実施できるということが本発明者の意図である。
【図面の簡単な説明】
【図1】MQAM信号の送信側の編集を示すブロックダイアグラム。
【図2】図1の送信器とともに使用され、これに連動する直交受信機のブロックダイアグラム。
【図3】本発明の原理に従う図1、2の送受信器の配列のための等価ベースバンド表示による伝送モデルを説明するブロックダイアグラム。
【図4】本発明の方法で生起する同期を図示するブロックダイアグラム。
【図5】模範的な推定に対するポインターダイアグラムを示す図。
【図6】信号対雑音比Es/N0=40dBの場合の64QAMに対する類似度関数の計算における非線形性を示す図。
【図7】Tbeab=512・Ts,信号対雑音比Es/N0=40dBの256QAMに対する式(4)による類似度関数の発生を示す図。
【図8】異なるクラスを示す符号値に対するヒストグラム。
【図9】256QAMに対する信号対雑音比とダイナミック推定の標準偏差との間の関係を示す図。
【図10】連続的な位相の値の計算を示す図。
【図11】sum(μ)の和の表式の計算を示す図。
【図12】連続的な位相の値の計算を図示するブロックダイアグラム。
【図13】「サイクルスリップ」の現象を示す図。
【図14】pot=2についての位相対256QAM(規格化)のsum(μ)を示す図。
【図15】pot=5についての位相対256QAM(規格化)のsum(μ)を示す図。
【図16】pot=5についての位相対256QAMの周波数オフセットの推定を示す図。
【図17】pot=5についての位相対256QAMの位相オフセットの推定を示す図。
【図18】本発明を要約するフローチャート。
【図19】DA方式における推定符号列を図示するブロックダイアグラム。
【符号の説明】
1 シリアルパラレルコンバータ
2 マッパー
3 搬送波発生器
4 ミキサー
5 ミキサー
6 発振器
7 クロック発生器
8 補償段
Claims (6)
- ベースバンド信号を用いて符号をデータ列として伝送することにより生成される比較的高レベルのMQAM信号を、その伝送された符号についての情報を使わずに復調する方法であって:
(a)前記ベースバンド信号を前記MQAM信号に対応するクロック周波数でサンプリングするステップ、
(b)クロック位相誤差を推定し、その推定されたクロック位相誤差を用いた内挿によりそのクロック位相誤差に対応するベースバンド信号の時間的シフトを補償するステップ、及び、
(c)フーリエ変換又は時間領域でのコンボリューションにより、搬送波の周波数ずれと位相ずれとを最尤原理に従ってフィードバックによらずに計算し、それにより前記データ列に対して前記周波数ずれと前記位相ずれとを補償するステップ、
を含む、MQAM信号復調方法。 - 符号周期毎にサンプリングされた符号量から計算された平均値の、MQAM変調の符号量の統計的平均値に対する比、をダイナミックス誤差として求め、サンプリングされたデータ列のダイナミックス補償に使うダイナミックス予備推定、を前記ステップ(b)の次に含む、請求項1に記載のMQAM信号復調方法。
- サンプリングされた符号量の相対的な発生頻度と符号量の統計的分布密度関数との相関関係により、最尤原理に従ってデータ列のダイナミックスを計算するダイナミックス粗推定、を前記ダイナミックス予備推定の後に含む、請求項2に記載のMQAM信号復調方法。
- 前記ダイナミックス粗推定につづいて、最尤原理によりダイナミックス精細推定を行うステップ、を含む、請求項3に記載のMQAM信号復調方法。
- クロック位相とダイナミックスとについて補償された前記データ列を極座標表示に変換し、最尤原理から生ずる非線形性のフーリエ係数であってテーブルに格納された前記フーリエ係数、を用いた乗算により前記データ列を新しいデータ列に変換するステップ、
前記新しいデータ列をフーリエ変換し、そのフーリエ変換量の自乗を計算し、更にその自乗を逆フーリエ変換し、ある和を作るステップ、
前記和を極座標表示に変換した後に、前記和の位相を2πの不連続性を考慮せずに計算するステップ、及び、
前記位相から搬送波の周波数オフセットと位相オフセットとを計算し、それらを用いて前記データ列に対して補償をするステップ、
を有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載のMQAM信号復調方法。 - クロック位相、ダイナミックス、及び搬送波の周波数と位相、についての補償に続いて、
推定された符号列の共役複素数を前記データ列に乗算して実軸方向に引き戻すステップ、
前記乗算の結果を極座標表示に変換するステップ、及び、
前記乗算の結果から得られた連立方程式を解いて搬送波の周波数オフセットと位相オフセットとの夫々の精細推定値を得て、それらを用いて前記データ列に対して精細な補償をするステップ、
を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載のMQAM信号復調方法。
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