JP3941859B2 - 除湿機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、除湿水をためる排水タンク内にフロートを回動自在に支持した除湿機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の除湿機における排水タンクの上面図である。
【0003】
図10に示す排水タンク7には、対向する両側壁にフロート10の左右の支軸10b(被支持部)が挿入される左右の軸穴7a(支持部)が設けられている。フロート10は浮子8と、一端にマグネット9が取り付けられている腕部10aとを有し、前記左右の支軸10bは浮子8より広い幅の部分に設けられ、フロート10の支軸10bは排水タンク7を横断するように回動自在に支持されている。
【0004】
図11は従来の除湿機における排水タンクの他の例を示す上面図である。
図11に示す排水タンク7には、該排水タンク7の一側壁とタンク内に突出形成したフロート支持壁7bとにフロート10の左右の支軸10b(被支持部)が挿入される左右の軸穴7a(支持部)が設けられている。フロート10は浮子8と、一端にマグネット9が取り付けられている腕部10aとを有し、前記左右の支軸10bは浮子8とほぼ同じ幅の部分に設けられ、フロート10を軸支するフロート支持壁7aは排水タンク7の中央よりに位置している。
図10及び図11に示されるフロート10の取り付けは、フロートの両側に設けた左右の支軸10bの片側を、排水タンク7の側壁に設けられた片側の軸穴7aに挿入しておき、排水タンク7の他方の側壁又はフロート支持壁7bの間隔を広げるように変形させて、反対側のフロート10の支軸10bをもう片側の軸穴7aに挿入することにより行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、いずれも排水タンク7の開口部に比べてフロート10が大きく、フロート10の支軸10bが排水タンク7を横断していたり、フロート10を軸支するフロート支持壁7aが排水タンク7の中央よりに位置したりするため、フロート10や支軸10bやフロート支持壁7bが邪魔となり、手や清掃用のスポンジ等が入りにくく、排水タンク7の内面の清掃がしづらいという問題点があった。
【0006】
また、上記のように、排水タンク7及びフロート支持壁7bの弾性を利用してフロート10を取り付けるようにしているため、排水タンク7内にたまった除湿水を捨てる時や排水タンク7を誤って落下させてしまったときに、水の重さや外力により排水タンク7が変形し、図12に示すの如く、この変形によって左右の軸穴7a、7aの間隔M0が間隔M1に広がってしまい、このときの広がり量(M1−M0)が大きいため、フロート10の支軸10bが軸穴7aから外れてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、フロートを取り外さなくても容易に清掃できるとともに、水の重さや外力が付与されてもフロートが外れにくい排水タンクを有する、使い易い除湿機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る除湿機は、除湿水をためる排水タンク内にフロートを回動自在に支持した除湿機において、前記フロートに設けた被支持部を浮子の幅より狭い腕部の両側に設け、このフロートの被支持部を支持する排水タンクの左右の支持部を、該排水タンクの一側壁と該一側壁に近接する前記排水タンク内に突出形成したフロート支持壁に設け、前記排水タンクに設けた左右の支持部の間隔を前記フロートの浮子の幅より狭くしたものである。
【0009】
また、前記フロート支持壁を、排水タンクの底面より突出形成したものである。
【0010】
また、前記フロート支持壁を、排水タンクの一側壁より突出形成したものである。
【0011】
また、前記排水タンクの支持部が外れ止め突起を設けたU字状の溝で構成されたものである。
【0012】
さらに、前記フロートの被支持部の近傍に設けた突起と、前記排水タンクの支持部の近傍に設けた突起により、フロートを回転させて倒立させた状態で係止できるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1における排水タンク7の上面図、図2は同実施の形態1における排水タンク7の断面図、図3は同実施の形態1における排水タンク7のフロート支持部の断面図、図4は同実施の形態1における除湿機の断面図を示す。
図4において、1は本体ケースであり、内部には圧縮機(図示せず)、蒸発器2、凝縮器3、送風ファン4、ドレンパン5などの部品が収納されている。湿った空気は空気吸込口6より取り込まれ、蒸発器2を通過して結露し、除湿された水はドレンパン5を伝い、その下部に位置して設置されている着脱自在の排水タンク7にたまる。乾燥された空気は凝縮器3、送風ファン4を通過して吹出口11から放出される。
【0014】
図1〜図3において、排水タンク7には、浮子8と、一端にマグネット9が取り付けられている腕部10aとを有するフロート10が支持されている。フロート10の腕部10aの両側には支軸10b(被支持部)が設けられている。フロート10の腕部10aの両側に設けた支軸10bは、排水タンク7の一側壁と、排水タンク7内の底面より突出形成したフロート支持壁7bに設けた軸穴7a(支持部)にそれぞれ挿入されて軸支されている。排水タンク7の一側壁と排水タンク7の底面より突出形成したフロート支持壁7bとの間隔L0は浮子8の幅より狭く設定されている。また、フロート支持壁7bは略L字形状であり、排水タンク7の底面を通して排水タンク7の一側壁と繋がっている。
【0015】
上記構成の排水タンク7において、除湿機の運転により、除湿された水がドレンパン5のドレンロから流下し、排水タンク7内にためられると、水位の上昇と共にフロート10が支軸10bを支点として回動して浮上し、フロート10の一端に取り付けられたマグネット9が下降する。マグネット9が下がると除湿機本体側に設置されたリードスイッチとの間隔が大きくなり、この間隔が所定の値を超えると、リードスイッチの接点が動作して、制御回路にて排水タンク7内に溜まった除湿水が満水となったことを検知し、除湿運転を自動的に停止させて排水タンク7からの水の溢れを防ぐ。排水タンク7内にたまった除湿水は、排水タンク7を本体ケース1から取り出して外部に捨てる。
フロート10を軸支する一側壁とフロート支持壁7bの間隔L0を浮子8の幅より狭くし、フロート10を小さくして排水タンク7の一方に寄せることができるため、排水タンク7の内側を清掃するときにフロート10やフロート支持壁7bが手や清掃用スポンジの邪魔になりにくく、フロート10を外さなくても清掃が容易に行える。
【0016】
また、フロート10を外さなくても排水タンク7の清掃がし易いため、フロート10の取り付け不良により満水を検知できずに排水タンク7の水を溢れさせてしまうということもない。
【0017】
排水タンク7の一壁面と底面より形成した略L字形状の対向するフロート支持壁7bに設け、また、排水タンク7は、フロート10を軸支するための軸穴7aを設けた、排水タンク7の一側壁と底面より形成したロート支持壁7bの間隔L0を浮子8の幅より小さくしたことと、一側面と底面の2面に限定することにより、排水タンク7にたまった除湿水を捨てる時や清掃時などに、さらに排水タンク7を誤って落下させてしまったときにも、排水タンク7の変形量は同じであるが、図5に示す如く、変形時の排水タンク7の一側壁とフロート支持壁7bに設けた軸穴7aの間隔の広がり量(L1−L0)を小さくすることができるため、フロート10の支軸10bが排水タンク7、フロート支持壁7bに設けた軸穴7aから外れることを防ぐことができる。
【0018】
本例では、排水タンク7の支持部を軸穴7aで構成し、フロート10の被支持部を支軸10bで構成した例で説明したが、フロート10の被支持部を軸穴で構成し、排水タンク7の支持部を支軸で構成してもよい。また、フロート10の被支持部の片側を軸穴、もう片側を支軸で構成し、排水タンク7の支持部の片側を支軸、もう片側を軸穴で構成するようにしてもよい。
【0019】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図6は本発明の実施の形態2を示す排水タンクの要部断面図である。
この実施の形態2において、基本的な構成については実施の形態1と同一であり、軸穴7aを形成したフロート支持壁7bの構成のみが異なる。
【0020】
図6において、10bはフロート10の両側に設けた支軸、7aは排水タンク7の一側壁と同じ壁より突出形成したフロート支持壁7bに設けた軸穴であり、排水タンク7の一側壁と同じ壁より形成したフロート支持壁7bの間隔L0は浮子8の幅より狭く設定されている。フロート支持壁7bは排水タンク7の底面より突出形成せずに、排水タンク7の一側壁より突出形成させているため、フロート支持壁7bがより邪魔になりにくく、実施の形態1よりもさらに清掃性を向上させることができる。
また、フロート10の軸支は排水タンク7の一側壁のみに限定されるため、排水タンク7にたまった除湿水を捨てる時や清掃時などに、さらに排水タンク7を誤って落下させてしまったときにも、変形時の排水タンク7の一側壁とフロート支持壁7bに設けた軸穴7aの間隔L1の広がり量(L1−L0)を前述の実施の形態1よりもさらに小さくすることができるため、フロート10の支軸10bが排水タンク7、フロート支持壁7bに設けた軸穴7aから外れることをさらに防ぐことができるものである。
【0021】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図7は本発明の実施の形態3を示す排水タンクの要部断面図である。
この実施の形態3は、フロート10の取り付け性を向上させるため、排水タンク7に形成した軸穴の形状が異なる。
【0022】
図7において、7fは軸穴7aの代替に設けたもので、フロート10の支軸10bが容易に抜けないように突起7eを具備したU字状の溝である。
上記構成によれば、フロート10の腕部10aの両側に設けた支軸10bをU字状の溝7fに設けた突起7eの上に乗せ、圧入することによりフロート10が容易に抜けないよう軸支され、フロート10の組み立て性を向上させ、より安価な除湿機を提供できる。
【0023】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4について説明する。
図8は本発明の実施の形態4を示す排水タンクの上面図である。
図8において、10dはフロート10の片方の支軸10b側に設けた突起、7dは排水タンク7の一側壁の軸穴7a側に設けた突起である。その他の基本的な構成については実施の形態1〜3と同一である。
この実施の形態4では、フロート10の片方の支軸10b側に設けた突起10dと、排水タンク7の軸穴7aの近傍に設けた突起7dにより、フロート10を支軸10bを中心に鉛直方向に回転させた時、倒立させた状態で係止するように設定してある。
【0024】
フロート10は排水タンク7に回動自在に軸支され、フロート10と排水タンク7にそれぞれ設けた突起10d、7dは互いに干渉せず、排水タンク7の満水を検知するために支障のない位置に設けてある。
【0025】
図9は本実施の形態4の清掃時における断面図である。
フロート10を支軸10bを中心に鉛直方向に回転させると、フロート10に設けた突起10dが排水タンク7に設けた突起7dを乗り越え、フロート10を倒立させた状態で係止することができる。
【0026】
このように、フロート10を鉛直方向に回転させると、倒立させた状態で係止できるため、フロート10の下方を清掃するときにフロート10を抑えておく必要がなく、より容易に排水タンク7内の清掃が可能になる。
【0027】
清掃後は、倒立状態で係止したフロート10を再び水平方向に回転させ、フロート10に設けた突起10dが排水タンク7に設けた突起7dを再び乗り越え、フロート10を回動自在にしてから、本体ケース1に排水タンク7をセットする。また、万一、フロート10が倒立状態で係止されたまま本体ケース1に排水タンク7をセットしても、本体ケース1の排水タンク7出し入れ口部にフロート10が当たり、上記手順と同様にフロート10の倒立状態の係止が解除され、再びフロート10に回動自在に支持されるようになっている。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1〜3によれば、フロートが排水タンクの清掃の邪魔になりにくく、フロートを外さなくても清掃が容易な排水タンクを有する除湿機を提供できる。また、排水タンク内の除湿水を捨てる時や誤って排水タンクを落下させた時でも、フロートを支持している排水タンクのフロート支持壁の変形量が少なく、フロートが外れにくくなるため、信頼性が高く、使いやすい除湿機を提供できる。
【0029】
また、本発明の請求項3によれば、さらに排水タンクの清掃性を向上させることができる。
【0030】
また、本発明の請求項4によれば、組み立て性を向上させ、安価な除湿機を提供することができる。
【0031】
また、本発明の請求項5によれば、さらに排水タンクの清掃性が向上し、コストを上げることなく、より使いやすい除湿機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における排水タンクの上面図である。
【図2】 同実施の形態1における排水タンクの断面図である。
【図3】 同実施の形態1における排水タンクのフロート支持部の断面図である。
【図4】 同実施の形態1における除湿機の全体構成を示す断面図である。
【図5】 同実施の形態1における排水タンクの変形時の状態を示す上面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2における排水タンクのフロート支持部の断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態3における排水タンクの軸穴部分の部分側面図である。
【図8】 本発明の実施の形態4における排水タンクの上面図である。
【図9】 同実施の形態4における排水タンクの清掃時の状態を示す断面図である。
【図10】 従来の除湿機における排水タンクの上面図である。
【図11】 従来の除湿機における排水タンクの他の例を示す上面図である。
【図12】 従来の除湿機における排水タンクの変形状態を示す上面図である。
【符号の説明】
7 排水タンク、7a 軸穴(支持部)、7b フロート支持壁、7d 突起、7e 抜け止め突起、7f U字状溝、8 浮子、9 マグネット、10 フロート、10a 腕部、10b 支軸(被支持部)、10d 突起。
Claims (5)
- 除湿水をためる排水タンク内にフロートを回動自在に支持した除湿機において、
前記フロートに設けた被支持部を浮子の幅より狭い腕部の両側に設け、このフロートの被支持部を支持する排水タンクの左右の支持部を、該排水タンクの一側壁と該一側壁に近接する前記排水タンク内に突出形成したフロート支持壁に設け、前記排水タンクに設けた左右の支持部の間隔を前記フロートの浮子の幅より狭くしたことを特徴とする除湿機。 - 前記フロート支持壁を、排水タンクの底面より突出形成したことを特徴とする請求項1に記載した除湿機。
- 前記フロート支持壁を、排水タンクの一側壁より突出形成したことを特徴とする請求項1に記載した除湿機。
- 前記排水タンクの支持部が外れ止め突起を設けたU字状の溝で構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載した除湿機。
- 前記フロートの被支持部の近傍に設けた突起と、前記排水タンクの支持部の近傍に設けた突起により、フロートを回転させて倒立させた状態で係止できるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載した除湿機。
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