JP3941762B2 - 自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼 Download PDF

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本発明は、ガソリン、メタノール等の有機燃料の容器、配管部材として使用して好適なフェライト系ステンレス鋼に関し、特に自動車の燃料タンクや燃料パイプ、タンクバンドなどの燃料タンク周辺部材用のステンレス鋼に、Zn含有塗料を部材全体または主に隙間部の耐食性向上を目的として部分的に塗布してなるZn含有塗料塗布型自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼に関する。なお、ここで隙間部とは、フェライト系ステンレス鋼の燃料タンクやその周辺部材の組立てで生じる隙間部のほか、燃料タンクやその周辺部材の溶接で生じる隙間部、燃料タンクやその周辺部材におけるフェライト系ステンレス鋼と異種金属との接合で生じる隙間部などを含めたものをいう。また、燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼とは、燃料タンクまたは燃料タンク周辺部材に使用されるフェライト系ステンレス鋼であって、燃料タンクかつ燃料タンク周辺部材として、常に同時に使用することには限定されない。
自動車用燃料タンクおよびその周辺部材には、従来、軟鋼板の表面上に鉛を含むめっきを施したターンシート(Ternes steel sheet(Pb-Sn))を成形加工および溶接したものが広く用いられてきた。しかし、近年の環境問題の高まりにより、鉛を含む材料は使用が厳しく制限される方向にある。このため、ターンシートに代わる代替材料の開発が模索されている。
例えば、塩害耐食性の向上のため、無鉛めっき材として、Al−Si系合金めっきを施し、さらに化成処理した鋼板が提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、これの溶接性や長期の耐食性には不安があり、広範囲に適用されるには至っていない。また該鋼板を得るための設備が大型化されると、コスト高になり、生産性が劣ることは否めないので、大量供給の要望に十分に応えられるものではない。
さらに、加工前の鋼板にZnあるいはZnを含有する潤滑皮膜を塗布することで、抵抗溶接性、潤滑硬化によるプレス成形性、耐食性を確保した燃料タンク用ステンレス鋼が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかし、Zn含有潤滑皮膜を施したままの鋼板を抵抗溶接するため、該皮膜の樹脂成分から炭素が溶接部に混入し、鋭敏化により耐食性を低下させる可能性がある。また、Zn含有潤滑皮膜を有する状態でプレス成形すると、Znを含有しない潤滑皮膜に比べプレス時に剥離粉の発生が著しく金型の手入れが難しくなるといった問題があった。
さらに、ライニング等を施さずに使用できる鋼として、SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼を使用する試みもなされているが、燃料タンク用としては応力腐食割れ(SCC)の懸念があるため、やはり実用化に至っていない。
また、多層構造の合成樹脂製燃料タンクを使用する試みもなされているが、燃料がわずかながら燃料タンクの壁面などを透過することが避けられず、燃料蒸散という本質的な問題がある。また、合成樹脂の使用は、燃料の蒸散規制の動きや合成樹脂のリサイクル規制もあって、実用化には自ずと限界があった。
一方、フェライト系ステンレス鋼は、前記オーステナイト系ステンレス鋼に比べ、応力腐食割れの感受性が低く、しかも高価なNi含有量が少ないので、コスト的に有利である。しかし、燃料タンクや燃料パイプへ適用するに際しては、主に外面の塩害腐食に関する耐食性が不足する欠点があった。そのため、Cr、Moなどの合金元素を多量に含有させる必要があった。ところが、鋼の高合金化に伴い、加工性が低下するため、例えば、燃料パイプとしての厳しい拡管や曲げ加工に耐えられず、加工形状に制限が生じた。
特開2002−146553公報 特開2002−146557公報
したがって、本発明は、従来の高Crのフェライト系ステンレス鋼より、さらに優れた耐食性と加工性を有し、かつ低Crの自動車の燃料系統部材用に適したフェライト系ステンレス鋼を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明の目的は、フェライト系ステンレス鋼を自動車の燃料タンクや燃料パイプなどに加工、溶接して用いる際に、従来技術が抱えていた塩害による外面耐食性に関する問題を一挙に解決した、低Cr、すなわち安価なフェライト系ステンレス鋼を提供することにある。なお、本発明の自動車の燃料系統部材用フェライト系ステンレス鋼の耐食性の基準は、塩乾湿複合サイクル試験(CCT;アメリカ自動車技術者協会(SAEJ 2334)において120サイクル後も軽微な赤錆やしみ錆すら発生しないことを目安とする。
本発明者は、Znの犠牲防食効果に注目し、Zn含有塗料の活用に着眼し、フェライト系ステンレス鋼の加工品の隙間部(溶接部、異種金属接合部を含む)に部分的または全面的にZn含有塗料を塗布し、Znの犠牲防食作用により、耐食性の最も劣る部位の腐食を防止し、さらに他の部位の腐食をも防止することに成功し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、特定組成の合金元素を含有するフェライト系ステンレス鋼に、Zn含有塗料を塗布してなるZn含有塗料塗布型フェライト系ステンレス鋼であり、これは自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用として、塩害環境下においても外面耐食性を十分に確保することができるものである。
本発明は、質量でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、P:0.06%以下、S:0.03%以下、Al:0.01%以上1.0%以下、Cr:11〜20%N:0.04%以下Nb:0.002〜0.8%および/またはTi:0.01〜1.0%、Mo:3.0%以下、Cu:2.0%以下ならびにNi:2.0%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼に、平均粒子径が3μm以下のZn粒子とバインダー、添加剤および溶剤または希釈剤からなるZn含有塗料を、塗膜中のZn含有量が5質量%以上50質量%未満で、該塗膜の膜厚が5〜50μmになるように塗付したことを特徴とするZn含有塗料塗布型自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼である。
前記ステンレス鋼は、また質量%でB:0.0003〜0.005%を含有することが好ましい。
前記ステンレス鋼は、また質量%でCo:0.3%以下を含有することが好ましい。
前記ステンレス鋼は、また質量%でMg:0.0032%以下を含有することが好ましい。
本発明によると、隙間部の耐食性を塗料中のZnの犠牲防食により補うことで、高価なCr、Niなどを多量に含有させたステンレス鋼に代わり、Cr、Ni含有量を低めに抑えた安価なフェライト系ステンレス鋼を得ることができる。その結果、該ステンレス鋼は、塩害環境下での外面耐食性とガソリン耐食性に優れ、高強度および良好な加工性と、それらの良好なバランスが要求される自動車などの燃料タンクおよびその周辺部材として使用することが可能になった。
本発明の自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼の好適成分とその含有量(質量%)は下記の通りである。
Cr: 含有量11〜20%
Crは、耐酸化性および耐食性の向上に有効な元素であり、Cr含有量が11%未満であると無塗装使用された場合、赤錆の発生が著しく、塗料を塗布しても隙間部、端面での十分な耐食性確保が難しい。十分な耐酸化性および耐食性を得るためには11%以上が必要である。一方、20%を越えて含有すると、鋼そのものの耐食性が向上し、赤錆の発生が見られず、塗料塗布の必要性が少なくなる。そして、例えr値が高い場合でも、強度の増大や延性の低下などのために加工性が低下する。このため、Cr量を11〜20%の範囲と規定する。加工性を考慮すると12%〜18%とするのが好ましく、さらに、溶接部の耐食性を考慮すると、14〜18%とするのがより好ましい。
C: 含有量0.1%以下
Cは、粒界を強化し、耐二次加工脆性を向上させるので0.0005%以上含有させることが好ましいが、一方、多過ぎると炭化物となって粒界に析出して、耐二次加工脆性および粒界腐食性に悪影響を及ぼす元素である。特にCの含有量が0.1%を超えると、この悪影響が顕著に現れるので、0.1%以下に限定する。なお、耐二次加工脆性の向上の観点からは、0.002%超、0.008%以下とするのが好ましい。
Si: 含有量1.0%以下
Siは、耐酸化性および耐食性の向上に有効な元素であり、0.2%以上含有されるのが好ましい。一方、1.0%を超えて含むと鋼が脆化し、溶接部の耐二次加工脆性も劣化するので、1.0%以下の範囲で含有させる。より好適なのは0.75%以下である。
Mn: 含有量1.5%以下
Mnは、耐酸化性を改善するのに有効な元素であり、0.5%以上の含有が好ましいが、過剰に含有すると鋼の靭性を劣化させ、また溶接部の耐二次加工脆性をも劣化させる。よって、その含有量は1.5%以下とする。より好適なのは1.3%以下である。
P: 含有量0.06%以下
Pは、粒界に偏析しやすく、燃料タンクの深絞り成形等の強加工を施した後の粒界の強度を低減させる元素である。したがって、耐二次加工脆性(強加工した後にわずかな衝撃により割れる現象)の向上のためには、できる限り少なくするのが望ましいが、余りに低く制限すると製鋼コストの上昇を招く。このため、P含有量は0.06%以下とする。より好適なのは0.03%以下である。
S: 含有量0.03%以下
Sは、ステンレス鋼の耐食性に有害な元素であるが、製鋼時の脱硫コストを考慮して、0.03%を上限として許容することができる。より好適なのは、MnやTiで固定できる0.01%以下である。
Al: 含有量1.0%以下
Alは、製鋼上の脱酸剤として必要な元素である。その効果を得るためには、0.01%以上の含有が好ましいが、過度に含有されると介在物に起因する表面外観や耐食性の劣化を招くので、1.0%以下とする。より好適なのは0.50%以下である。
N: 含有量0.04%以下
Nは、粒界を強化してタンク等に加工した際の耐二次加工脆性を向上させる。その効果を得るためには、0.0005%以上の含有が好ましいが、過度に含有すると、窒化物となって粒界に析出し、耐食性に悪影響を及ぼす元素である。このため、Nの含有量は0.04%以下とする。より好適なのは0.02%以下である。
Nb: 含有量0.002〜0.8%、
Ti: 含有量0.01〜1.0%
NbおよびTiは、固溶状態のCおよびNを化合物として固定することによりr値を向上させる元素である。これらの効果はNbの含有量を0.002%以上、Tiの含有量を0.01%以上として、単独含有または複合含有することにより発現する。一方、Nbが0.8%を超えると靭性の劣化が顕著となり、また、Tiが1.0%を超えると表面外観および靭性の劣化を招くので、これらの値を上限とする。より好適なのはNbは0.003〜0.4%であり、Tiは0.05〜0.4%である。
上記の主要成分に加えて、下記成分をさらに単独または複合で含有するのが好ましい。
Mo: 含有量3.0%以下
Moは、耐食性向上に有効な元素であり、外面塩害腐食性を向上させる。そのためには、Mo含有量は0.5%以上とするのが好ましいが、3.0%を超えると、加工性の劣化を招く。このため、Mo含有量は3.0%以下とする。好適範囲は、加工性および耐食性の観点から0.5〜1.6%である。
Ni: 含有量2.0%以下
Niは、ステンレス鋼の耐食性を向上させる元素であり、0.2%以上の含有が好ましい。2.0%を超えて含有すると、鋼が硬質化し、またオーステナイト相の生成により、応力腐食割れが発生しやすくなる。このため、Niの含有量は2.0%以下である。より好適なのは0.2〜0.8%である。
Cu: 含有量2.0%以下
Cuは、耐食性向上に有効な元素である。その効果を得るためには、0.05%以上の含有が好ましいが、鋼を硬質化するとともに生産性を低下させるので2.0%を上限とする。なお、加工性、耐食性の観点から好適範囲は0.5%未満である。
B: 含有量0.0003〜0.005%
Bは、二次加工脆性改善に有効な元素である。特に燃料タンク周辺部材は複雑な成形加工が施され、しかも氷点下の寒冷地で使用されることも多い。また、Bは粒界強度を高めることにも有効である。ただし、その効果を得るには0.0003%以上の含有が必要である。一方、0.005%超の含有は鋼の加工性、靭性を損なうのでその範囲は0.0003〜0.005%である。好ましいのは0.0005〜0.0010%である。
Co: 含有量0.3%以下
Coは、二次加工脆性、鋼板の靭性改善に有効な元素である。特に燃料タンクやフィラーパイプ、燃料タンクバンドなどの燃料系周辺部材は複雑な成形加工が施され、しかも氷点下の寒冷地で使用されることも多い。ただし、その効果は含有量が0.3%以上になると鋼が硬質化し、特に加工性が低下するので、上限を0.3%とした。好ましいのは0.05〜0.2%である。
Mg: 含有量0.0032%以下
Mgは、酸化物系介在物となりTiNの晶出核として働き、TiNがδ−フェライトの晶出核として働くため、スラブの等軸結晶率に有効に働く。その結果、鋼板の加工性、靭性、リジングの改善に有効な元素である。しかし、含有量が0.0032%超になると過剰Mgが酸化物系介在物として鋼中に分散し、耐食性や加工性を損なうため、その上限を0.0032%とした。好ましいのは0.0015〜0.0030%である。
なお、本発明のステンレス鋼においては、上記の各成分のほかに、不可避的不純物として、Zrを0.5%以下、Caを0.1%以下、Taを0.3%以下、Wを0.3%以下、Snを0.3%以下の範囲で含有していても本発明の効果が特に減じることはない。
本発明の自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼は、フェライト系ステンレス鋼の一般的な製造方法をそのまま適用して製造することができるが、熱間圧延工程および冷間圧延工程の一部条件を特定条件とするのが好ましい。製鋼においては、前記必須成分および必要に応じて添加される成分を含有する鋼を、転炉あるいは電気炉等で溶製し、VOD法により二次精錬を行うのが好ましい。溶製した溶鋼は、公知の製造方法に従って鋼素材とすることができるが、生産性および品質の観点から、連続鋳造法によるのが好ましい。連続鋳造して得られた鋼素材は、例えば、1000〜1250℃に加熱され、熱間圧延により所望の板厚の熱延板とされる。もちろん、板材以外として加工することもできる。
得られた熱延板は、要求される強度レベルに応じて600〜900℃の温度範囲で箱焼鈍または800〜1100℃、好ましくは900〜1100℃の温度範囲で連続焼鈍(熱延板焼鈍)した後、酸洗、冷間圧延工程を経て冷延板とされる。この冷間圧延工程では、生産上の都合により、必要に応じて中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を行ってもよい。この場合、r値の高い鋼板を得るには、前述した熱間圧延の最終パスの線圧を確保するとともに、1回または2回以上の冷間圧延からなる冷延工程の総圧下率を75%以上、好ましくは82%以上とする。
冷延板は700〜1050℃、より好ましくは850〜1000℃の連続焼鈍(冷延板焼鈍)、次いで酸洗を施されて、冷延焼鈍板となる。また、用途によっては、冷延焼鈍後に軽度の圧延を加えて、鋼板の形状、品質調整を行うこともできる。冷延焼鈍板または品質調整された冷延焼鈍板が、Zn含有塗料の塗布に供される。
本発明に使用されるZn含有塗料は、通常、バインダー、添加剤および溶剤または希釈剤からなるが、その組成、調製方法は特に限定されない。Zn含有塗料を塗布して常温放置または必要に応じて加熱(焼付け)して乾燥すると、バインダー、添加剤とZnとからなる硬化した塗膜が形成される。前記添加剤は、塗料の分散または塗膜の乾燥、硬化、諸物性の改良のために添加されるものであり、乾燥剤、硬化剤、可塑剤、乳化剤等である。
Zn含有塗料には、硬化剤の種類によって常温硬化型と加熱硬化型がある。
バインダーとしては、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等やこれらの樹脂の組合わせ等が用いられる。無機バインダーとしては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、ケイ酸ソーダ等が用いられる。
Zn粒子: 平均粒子径3μm以下
Znは、犠牲防食によりステンレス鋼等のFe−Cr系合金の耐食性を確保するために、特に重要な元素である。その平均粒子径は3μm以下である。平均粒子径が3μmを超えると、塗膜が薄い場合には、塗膜のステンレス鋼への密着性が悪くなる。またZn粒子が塗膜中に微細に分散していた方が、Znの犠牲防食性能が向上する傾向にあり、この点からも平均粒子径が3μm以下であるのが好ましい。より好ましい平均粒子径は0.5〜2.5μmであり、さらに好ましい平均粒子径は1.0〜2.0μmである。
なお、Zn粒子の粒子径は、1個のZn粒子の最大粒子径と最小粒子径を測定し、これを加算して2で除した数値である。平均粒子径はZn含有塗料の塗布後の乾燥塗膜の断面を顕微鏡観察(倍率400倍)で各5視野観察し、視野中の全てのZn粒子の粒子径を前記に従って測定し、これらの粒子径を算術平均して求めた数値である。
ステンレス鋼の耐食性は、孔食指数(Cr+3.3Mo)と正の相関があることが知られている。そこで、本発明者は、塗膜中のZn含有量とステンレス鋼の孔食指数の関係を調査した結果から、図1に示すように、塗膜中のZn含有量が、70−{2.7×(Cr+3.3Mo)}以上である場合に、耐食性が十分に発揮され、ステンレス鋼の加工品の隙間部に要求される塩害外面耐食性をも十分満足できることを見出した。
一方、Zn含有量が、塗膜全体の質量で70%を超えるとステンレス鋼表面への一次密着性が乏しくなる。特に飛び石等を受けた場合、塗膜そのものが剥離しやすく、また密着性も乏しくなり有効Zn量を確保することが難しい。また、Zn含有量が多くなると、塗料の調製時にZnが塗料の下に沈殿し、絶えず攪拌しないと塗料が不均一になるため、塗布作業の効率が悪くなる。そこで、効率よくZnを用いるためにZn含有量は耐食性と密着性の観点からその上限を70%と決定し、合わせて70−{2.7×(Cr+3.3Mo)}以上を満たす範囲に決定した。
以上の状況から、塗膜中のZn含有量(X)は下記の実験式(1)式で規定される範囲であることが重要である。
70≧X≧70−{2.7×(Cr+3.3Mo)}・・・・・(1)
ただし、Xは塗膜中のZnの含有量(質量%)で、
Crはステンレス鋼のCr含有量(質量%)であり、
Moはステンレス鋼のMo含有量(質量%)である。
塗膜中のZn含有量は、前記したように孔食指数、換言すれば、ステンレス鋼(Fe−Cr系合金)の耐食性に依存するので、耐食性の高い場合には、塗膜中のZn含有量をより少なくできるが、耐食性の低い場合には、塗膜中のZn含有量をより多くする必要がある。塗膜中のZn含有量を低減することができれば塗料の比重が軽くなり、作業性やコスト面でも有利であるのは言うまでもない。好適なZn含有量は5質量%以上50質量%未満の範囲である
ただし、ステンレス鋼中のCr含有量が20質量%を超えると、中性塩化物環境での耐食性が十分となり、塗膜が不要となるので、本発明が対象とするステンレス鋼は、前述したように、Cr含有量が20質量%以下の場合に限られる。
なお、乾燥塗膜中のZn含有量は、乾燥塗膜が鋼板に付着した状態で鋼板の質量W1 を測定した後、塗膜剥離剤:ネオリバー(登録商標;関西ペイント株式会社製)を用いて、塗膜を鋼板から剥離し、鋼板を乾燥させた。その後、再び鋼板の質量W2 を測定した。続いて、除却した塗膜を硫酸または過塩素酸に溶解し、その溶液を原子吸光法で分析し、Zn含有量W3 を求めた。W3 /(W1 −W2 )×100(質量%)から乾燥塗膜中のZn含有量が計算される。
塗膜: 膜厚5〜50μm
塗膜の膜厚は乾燥膜厚で5〜50μmである。これは、ステンレス鋼の耐食性とZn含有塗料の塗膜のステンレス鋼に対する密着性の観点から決定される。すなわち、膜厚が5μm未満だとZn含有量が多くなるのに伴い密着性を確保することが難しくなる。また、Znの犠牲防食能力は塗膜の単位面積当たりのZn含有量に依存するが、膜厚が5μm以下であると有効Zn含有量を十分確保できない。一方、膜厚が50μmを超えると、品質過剰になるとともに、塗膜の乾燥時間が長くなり作業効率を低下させる。なお、過度な膜厚は密着性にも悪影響を及ぼすことがある。好ましい膜厚は10〜30μm、特に好ましい膜厚は15〜25μmである。
なお、乾燥膜厚は、塗布後の乾燥塗膜の断面を顕微鏡(倍率400倍)で各5視野観察し、各視野について3箇所の膜厚を求め、これらを平均したものを平均膜厚とし、さらに5視野の平均膜厚を平均して求めた。
本発明に使用される塗料のステンレス鋼への塗布方法は、スプレー塗装、刷毛塗り、塗料中への浸漬など、特に限定されない。具体的には、フィラーパイプや燃料タンクなどの加工品の生産ラインに合わせて適宜選択すればよい。
例えば、鋼板を燃料タンクや、燃料パイプ、燃料バンド等の燃料タンク周辺部材に油圧プレス、対向液圧成形、スピニング加工、パイプ加工等所定の手法で成形加工し、その後、シーム溶接、レーザー溶接、スポット溶接等により所定の構造形状に組み立てた部材に部分的もしくは全面的にZn含有塗料を塗布する。
常温硬化型の場合は、塗料を塗布後、常温放置する。また加熱硬化型の場合は、塗料を塗布後、加熱して乾燥(焼付け)する。その結果、バインダーとZn粒子と添加剤からなる硬化膜、すなわち、耐食性に優れる塗膜が形成される。
本発明においては、Zn粒子を含有する塗膜をステンレス鋼の加工品表面に形成するが、その範囲は加工品に形成された隙間部を全て含む範囲であれば、加工品の局部の面であっても、加工品の全面であっても構わない。前記塗膜によって耐食性を高める必要があるのは隙間部であるから、その部分が最低限被覆されていれば、ステンレス鋼の加工品全体の耐食性も十分保持できる。
このように、Zn含有塗料をステンレス鋼に塗布して得られたZn含有塗料塗布型ステンレス鋼は、強度、溶接部特性、加工性および耐食性に優れ、かつこれらのバランスがよいので、自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材への適用が可能である。
以下、発明例、参考例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(例1〜37
表1に示す成分組成の12種類のステンレス鋼を連続鋳造し、通常の熱間圧延条件で5.0mm厚の熱延板を製造した。この熱延板を980℃で1時間連続焼鈍した後、酸洗し、板厚2.3mmまで冷延し、900℃の中間焼鈍−酸洗後、0.8mmまで冷間圧延し、920℃の仕上げ焼鈍−酸洗を施した冷延焼鈍板を得た。
この冷延焼鈍板を、図2に示すL字型試験片1(幅80mm、長辺150mm、短辺50mm)にプレス加工し、試験片2枚の短辺から構成される面(幅80mm、短辺50mm)の上部から20mmを中心としてシーム溶接し、シーム溶接部7を有する試験片1を調製した。この試験片1の全面に、乾燥塗膜中のZn含有量が表2に示す量になる塗料を表2に示す乾燥平均膜厚になるようにスプレー塗布し、1時間放置し乾燥して、塗膜を硬化させ、Zn含有塗料塗布型ステンレス鋼の試験片1を得た。なお、乾燥塗膜の膜厚とZn含有量および平均粒子径の測定は前述した通りである。
次に、試験片2枚を突き合せた部分に、隙間部2を形成するために、プラスチッククリップ3を被せた。
この試験片1に、耐食性などを測定するための加工、処理を下記の要領で実施した。
隙間部2の耐食性は、試験片1の表面(塗料の塗布あり)に、プラスチックと金属の隙間部を形成するために、プラスチッククリップ3を被せて評価した。
エリクセン試験は、試験片1の底面表面に、JIS B7729およびJIS B7777に規定されたエリクセン試験機と試験方法に準拠し、直径15mm、高さ8mmのポンチを使用して、ドーム状の張出し4を設けて、評価した。
また、クロスカット試験は、試験片1の底面表面に、図2に示すように、長さ60mm、幅80mmの矩形の中に描いた長さ115mmの対角線上に、両端から20mm空けて、クロスカットし、クロスカット部5を設けて評価した。
グラベロ試験は、試験片1の底面の表面(幅40mm、長さ100mm)に、玄武岩(平均砕石、平均粒子径8〜12mm)100gを、常温(20℃)、圧力7kgf/cm2 で、垂直に投石して、底面の表面に飛び石による傷を付け、グラベロ試験部6を設けて評価した。グラベロ試験部6の形成はASTM D3170に準じた装置を用いて実施した。
次に、試験片1の6部分、すなわち、飛び石試験(常温)によるグラベロ試験部6、15mmφの張出し(エリクセン)4、クロスカット部5、プラスチッククリップ3による隙間部2および端面を対象に、SAE J2334に準拠した塩乾湿複合サイクル試験(CCT)により、図3に示す条件のサイクルを120サイクル繰返した後の、錆発生状況を目視観察し、下記のような5段階で耐食性(腐食性)を評価した。結果を表2に示した。
1: 赤錆(直径2mmを超える点錆)・・・・・不合格
2: 軽微な赤錆(直径2mm以下の点錆)・・・不合格
3: しみ錆(直径2mmを超える点錆)・・・・合格
4: 軽微なしみ錆(直径2mm以下の点錆)・・合格
5: 錆なし・・・・・・・・・・・・・・・・合格
成形加工性の調査は、JIS 13B号試験片を用いる引張試験を、JIS Z2254に準拠して行い、深絞り性の指標であるr値、張出し性の指標である伸びElで評価した。
さらに、ポンチ径33mmφ、ブランク径70mmの条件で円筒深絞り加工し、割れの有無を観察した。
また、前記深絞り加工品を1200ppm の蟻酸と450ppm の酢酸を含む劣化ガソリンに20日間浸漬する腐食試験を行い、試験後の表面外観および質量変化から、質量変化が0.05g/m2以下で、外観に赤変のない場合を合格○、それ以外を不合格×として評価した。
耐食性試験において不合格が3個以上ある場合、またはガソリン腐食試験が不合格の場合を総合評価で不合格とした。
得られた試験結果を、表2に併せて示す。その結果、発明例はすべて、特に塩害環境下での外面耐食性に優れるのみならず、合金元素低減により加工性に優れる上に、さらに劣化ガソリン中における耐食性も十分であることがわかる。
Figure 0003941762
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耐食性の合否判定に及ぼす鋼板の孔食指数(Cr+3.3Mo)と塗膜中のZn含有量との関係を示すグラフ。 試験片の表面に耐食性等の評価のために施した前処理状況を示す説明図(b)と側面図(a)。 試験片の塩乾湿複合サイクル試験のフローと条件を示す図。
符号の説明
1: L字型試験片
2: 隙間部
3: プラスチッククリップ
4: エリクセンによるドーム状張出し
5: クロスカット部
6: グラベロ試験部
7: シーム溶接部

Claims (4)

  1. 質量でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、P:0.06%以下、S:0.03%以下、Al:0.01%以上1.0%以下、Cr:11〜20%N:0.04%以下Nb:0.002〜0.8%および/またはTi:0.01〜1.0%、Mo:3.0%以下、Cu:2.0%以下ならびにNi:2.0%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼に、平均粒子径が3μm以下のZn粒子とバインダー、添加剤および溶剤または希釈剤からなるZn含有塗料を、塗膜中のZn含有量が5質量%以上50質量%未満で、該塗膜の膜厚が5〜50μmになるように塗付したことを特徴とするZn含有塗料塗布型自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼。
  2. 前記ステンレス鋼が、さらに質量%でB:0.0003〜0.005%を含有することを特徴とする請求項に記載のZn含有塗料塗布型自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼。
  3. 前記ステンレス鋼が、さらに質量%でCo:0.3%以下を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のZn含有塗料塗布型自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼。
  4. 前記ステンレス鋼が、さらに質量%でMg:0.0032%以下を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のZn含有塗料塗布型自動車燃料タンクおよび燃料タンク周辺部材用フェライト系ステンレス鋼。
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