JP3941361B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンター、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、画像形成装置本体の側面に開閉自在に装着される自動両面ユニット等のオプション部材で紙詰まりが発生した場合に、紙詰まりした用紙を容易に除去可能とした画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記複写機やプリンター、あるいはファクシミリ等の画像形成装置においては、例えば、画像形成装置本体の側面に、自動両面ユニット等のオプション部材を装着し、この自動両面ユニットで紙詰まり等が発生した場合には、当該自動両面ユニット等のオプション部材を、画像形成装置本体から開くことにより、自動両面ユニットの両面用の用紙搬送路及び用紙の反転搬送路の入口部を開放するように構成されている。
【0003】
かかる画像形成装置の用紙搬送路において発生した紙詰まりを容易に除去可能とする技術としては、例えば、特開平3−293255公報や特開平11−288140号公報及び特開平11−288144号公報等に開示されたものがある。
【0004】
上記特開平3−293255公報に係る用紙処理装置は、用紙に所定の処理を実行する用紙処理装置であり、用紙処理部を通った用紙を装置外へ導く第1の用紙搬送路と、用紙処理部を通った用紙を用紙処理部へ再導入する用紙再給送搬送部へ反転して導く第2の用紙搬送路と、用紙処理部を通った用紙を反転せずに前記用紙再給送搬送部へ導く第3の用紙搬送路とを含む用紙搬送部を有し、上記用紙搬送部は装置本体外へ開放可能であり、少なくとも第1の用紙搬送路は分割開放可能であるように構成したものである。
【0005】
また、上記特開平11−288140号公報に係る画像形成装置は、記録材にトナー像を形成する画像形成手段により第1面にトナー像が形成され、加熱ローラを有する定着手段を通ることによりトナー像が定着させられた記録材を、その表裏を反転して再び前記画像形成手段に返送することのできる反転返送経路が設けられたフレームが、前記画像形成手段が設けられているメインフレームに対して離間可能に構成されているとともに、前記定着手段が前記フレームに取り付けられており、かつ、定着手段には、少なくとも上記フレームがメインフレームから離間した際に、前記加熱ローラと外部とを遮るカバーが設けられるように構成したものである。
【0006】
さらに、上記特開平11−288144号公報に係る画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成手段により第1面に画像が形成された記録材を、その表裏を反転して再び前記画像形成手段に返送することのできる反転返送経路が設けられたフレームが、前記画像形成手段が設けられているメインフレームに対して水平方向に離間可能に構成されているとともに、前記フレームは水平方向に伸びる水平フレームとこの水平フレームに対して垂直方向に伸びる垂直フレームとを有し、この垂直フレームが水平フレームに対して前記メインフレームから遠ざかる方向に回動可能に取り付けられるように構成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、前者の特開平3−293255公報に係る用紙処理装置の場合には、第1の用紙搬送路と、第2の用紙搬送路と、第3の用紙搬送路とを含む用紙搬送部を、装置本体外へ開放可能と構成したものであり、第1の用紙搬送路と、第2の用紙搬送路と、第3の用紙搬送路の搬送ロールのニップを開放することができず、しかも一部しか用紙搬送路を分割することができず、紙詰まりした用紙を除去し難いばかりか、用紙の視認性が悪いという問題点を有していた。
【0008】
また、後者の特開平5−45948号公報や特開平9−22239号公報に係る画像形成装置の場合には、反転返送経路が設けられたフレームを、前記画像形成手段が設けられているメインフレームに対して離間可能に構成したものであるため、反転返送経路と他の搬送経路との受け渡し部が開放されるだけであり、搬送経路の分割は勿論のこと、搬送ロールのニップを開放することができず、紙詰まりした用紙を除去し難いばかりか、除去動作の回数が多くなり、操作性が悪いという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、紙詰まりした用紙を簡単な操作で除去することができるとともに、紙詰まりした用紙の視認性が良く、操作性を大幅に向上させることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、像担持体25に対して複数の用紙搬送路37,41,48を介して用紙30が搬送可能であり、前記複数の用紙搬送路37,41,48のうち、いずれかの用紙搬送路を介して搬送される用紙30に画像を形成する画像形成装置において、
前記複数の用紙搬送路37,41,48が合流する合流部に、少なくとも2つの用紙搬送路を分離する用紙搬送路分離部材50を設け、
前記用紙搬送路分離部材50は、前記複数の用紙搬送路37,41,48のうち、少なくとも1つの用紙搬送路で紙詰まりが発生した場合に、画像形成装置本体1に対して開閉されるカバー部材40の開閉動作に連動して、互いに分離している用紙搬送路37,41,48の合流部から退避するように構成し、
前記カバー部材40は、前記画像形成装置本体1にオプションユニット40が装着されている場合には、当該オプションユニット40によって兼用されるとともに、
前記画像形成装置本体1にオプションユニット40の着脱によって移動するストッパー部材70を設け、
前記ストッパー部材70は、前記画像形成装置本体1にオプションユニット40が装着されていない状態では、前記カバー部材40に設けられる前記用紙搬送路分離部材50が、用紙搬送路37,41,48の合流部から退避するのを阻止する位置に移動するように構成したことを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラープリンターを示すものである。また、図3はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複写機を示すものである。
【0014】
図2及び図3において、1はタンデム型のデジタルカラープリンター及び複写機の本体を示すものであり、デジタルカラー複写機の場合には、図3に示すように、本体1の上部に、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
【0015】
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとしてIPS(Image Processing System)12に送られ、このIPS12では、原稿2の反射率データに対して、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。また、IPS12は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに対しても、所定の画像処理を行なうようになっている。
【0016】
そして、上記の如くIPS12で所定の画像処理が施された画像データは、同じくIPS12によって、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)(各8ビット)の4色の原稿再現色材階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13KのROS(Raser Output Scanner)14に送られ、この画像露光装置としてのROS14では、所定の色の原稿再現色材階調データに応じてレーザ光LBによる画像露光が行われる。
【0017】
ところで、上記タンデム型のデジタルカラープリンター及び複写機本体1の内部には、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されている。
【0018】
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、すべて同様に構成されており、大別して、所定の速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置としてのROS14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像する現像器17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。これらの感光体ドラム15と周辺に配置される画像形成部材は、一体的にユニット化されており、プリンター及び複写機本体1から個別に交換可能に構成されている。
【0019】
上記ROS14は、図2及び図3に示すように、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通に構成されており、図示しない4つの半導体レーザを各色の原稿再現色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、上記ROS14は、複数の画像形成ユニット毎に個別に構成しても勿論よい。上記半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないf−θレンズを介してポリゴンミラー19に照射され、このポリゴンミラー19によって偏向走査される。上記ポリゴンミラー19によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない結像レンズ及び複数枚のミラーを介して、感光体ドラム15上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光される。
【0020】
上記ROS14は、図2に示すように、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するものであるため、このROS14には、上方に位置する4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17などからトナー等が落下して、汚損される虞れを有している。そのため、ROS14は、その周囲が直方体状のフレーム20によって密閉されているとともに、当該フレーム20の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に露光するため、シールド部材としての透明なガラス製のウインドウ21Y、21M、21C、21Kが設けられている。
【0021】
上記IPS12からは、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通して設けられたROS14に、各色の画像データが順次出力され、このROS14から画像データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として現像される。
【0022】
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって配置された転写ユニット22の中間転写ベルト25上に、4つの一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kによって多重に転写される。これらの一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15に対応した中間転写ベルト25の裏面側に配設されている。この実施の形態における一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kの体積抵抗値は、105 〜108 Ωcmに抵抗調整されたものを使用している。そして、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kには、転写バイアス電源(図示しない)が接続されており、所定のトナー極性とは逆極性(本実施の形態では正極性)の転写バイアスが所定のタイミングで印加されるようになっている。
【0023】
また、上記中間転写ベルト25は、図2に示すように、ドライブロール27と、テンションロール24と、バックアップロール28との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール27により、矢印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト25は、例えば、チャージアップを起こさないべルト素材(ゴムまたは樹脂)にて構成されており、その体積抵抗値は、105 〜1012Ωcm程度に抵抗調整されたものが使用されている。
【0024】
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、バックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、圧接力及び電界で記録媒体としての記録用紙30上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙30は、上方に位置する定着器31へと搬送される。上記二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に圧接しており、下方から上方に搬送される記録用紙30上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙30は、定着器31によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール32によって本体1の上部に設けられた排出トレイ33上に排出される。
【0025】
上記記録用紙30は、図2及び図3に示すように、給紙カセット34から所定のサイズのものが、給紙ローラ35及び用紙分離搬送用のローラ対36により用紙搬送路37を介して、レジストロール38まで一旦搬送され、停止される。給紙された記録用紙30の搬送経路37は、垂直方向上向きとなっている。上記給紙カセット34から供給された記録用紙30は、所定のタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト25の二次転写位置へ送出される。
【0026】
なお、上記デジタルカラープリンター及び複写機において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙30を、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のローラ対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット40では、搬送径路41に沿って設けられた図示しない搬送用のローラ対により、記録用紙30の表裏が反転された状態で、再度レジストロール38へと搬送され、今度は、当該記録用紙30の裏面に画像が転写・定着された後、排出トレイ33上に排出される。
【0027】
図2及び図3中、44Y、44M、44C,44Kは、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像器17に、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示している。
【0028】
図4は上記デジタルカラープリンター及び複写機の各画像形成ユニットを示すものである。
【0029】
上記イエロー色、マジェンタ色、シアン色及びブラック色の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、図4に示すように、すべてが同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マジェンタ色、シアン色及びブラック色のトナー像が所定のタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y、13M,13C、13Kは、上述したように、感光体ドラム15を備えており、これらの感光体ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム15の表面は、ROS14から画像データに応じて出射される画像形成用のレーザ光LBが走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に走査露光されるレーザ光LBは、当該感光体ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から露光されるように設定されている。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17の現像ロール17aによってそれぞれイエロー色、マジェンタ色、シアン色、ブラック色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール26の帯電によって中間転写ベルト25上に順次多重に転写される。
【0030】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置18は、クリーニングブレード42を備えており、このクリーニングブレード42によって、感光体ドラム15上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト25の表面は、図2及び図3に示すように、クリーニング装置43によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置43は、クリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bを備えており、これらのクリーニングブラシ43a及びブレード42によって、中間転写ベルト25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0031】
ところで、この実施の形態では、像担持体に対して複数の用紙搬送路を介して用紙が搬送可能であり、前記複数の用紙搬送路のうち、いずれかの用紙搬送路を介して搬送される用紙に画像を形成する画像形成装置において、
前記複数の用紙搬送路が合流する合流部に、少なくとも2つの用紙搬送路を分離する用紙搬送路分離部材を設け、前記用紙搬送路分離部材は、前記複数の用紙搬送路のうち、少なくとも1つの用紙搬送路で紙詰まりが発生した場合に、装置本体に対して開閉されるカバー部材の開閉動作に連動して、互いに分離している用紙搬送路の合流部から退避するように構成されている。
【0032】
すなわち、上記デジタルカラープリンター及び複写機では、図2及び図3に示すように、給紙カセット34から所定のサイズの記録用紙30が供給され、この記録用紙30は、用紙搬送路37を介してレジストロール38まで一旦搬送され、中間転写ベルト25上に形成されたトナー像と同期して、当該レジストロール38によって中間転写ベルト25の二次転写位置へと搬送される。上記中間転写ベルト25からトナー像が転写された記録用紙30は、定着装置31によって定着処理を施された後、片面プリント等の場合には、そのまま排出トレイ33上に排出される。
【0033】
一方、上記デジタルカラープリンター及び複写機において、記録用紙30の両面に画像を形成する場合には、片面に画像が形成された記録用紙30を、そのまま排出トレイ33上に排出せずに、当該記録用紙30の後端を排出ロール32が挟持している間に、この排出ロール32を反転させて、用紙搬送用のローラ対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット40では、両面用搬送径路41に沿って設けられた複数の搬送用のローラ対(図示せず)により、記録用紙30の表裏が反転された状態で、再度レジストロール38へと搬送され、今度は、当該記録用紙30の裏面に画像が転写・定着された後、排出トレイ33上に排出される。
【0034】
また、上記デジタルカラープリンター及び複写機本体1の側面(図示例では、左側面)には、手差しトレイ47が取り付けられており、この手差しトレイ47からは、記録用紙30等の所望のシートを給紙可能となっている。上記手差しトレイ47から給紙された記録用紙30等の所望のシートは、給紙ローラ対によってレジストロール38へと搬送されるように構成されている。
【0035】
この実施の形態では、図1(a)に示すように、給紙カセット34からの搬送経路37と、両面用搬送ユニット40からの両面用搬送経路41と、手差しトレイ47からの手差し搬送経路48と、が、1つの用紙搬送路分離部材50によって互いに分割されている。この用紙搬送路分離部材50は、図1に示すように、略三日月形状に形成されており、その左側の端部50aが両面用搬送ユニット40の下端部に揺動自在に取り付けられている。
【0036】
上記用紙搬送路分離部材50の上側の面50bは、図1に示すように、上向きに凹形状となるように大きな曲率半径で略円弧状に形成されており、両面用搬送ユニット40の搬送径路41に沿って搬送されたきた記録用紙30を、レジストロール38へと搬送するように構成されている。また、上記両面用搬送ユニット40の下端面には、ガイド板51、52が設けられており、これらガイド板51、52は、両面用搬送ユニット40の搬送径路41に沿って搬送されたきた記録用紙30を、レジストロール38へ導くように、用紙搬送路分離部材50の上面50aとの間で、所定の間隙の両面用搬送経路41を形成するように構成されている。
【0037】
また、上記用紙搬送路分離部材50の下側の面50cは、図1(b)に示すように、その先端部分50c' が上向き凹形状となるように大きな曲率半径で略円弧状に形成されており、当該用紙搬送路分離部材50の上側の面50bとの間で、先端部分に行くに従って略テーパ状に薄肉となるように形成されている。さらに、上記用紙搬送路分離部材50の下側の面50cは、その中間部分50c" が略直線状に形成されており、その先端部分50c' との間にR形状の角部50dが形成されるようになっている。そして、この用紙搬送路分離部材50は、その基端部分50aが支点を中心にして揺動自在となるように、両面用搬送ユニット40の下端部に軸支されている。
【0038】
さらに、上記用紙搬送路分離部材50の上側の面50bと、両面用搬送ユニット40の下端面に設けられたガイド板51との間には、比較的間隙の大きな両面用搬送経路41が形成されており、当該両面用搬送経路41の比較的間隙の大きな部分によって、記録用紙30の撓みが形成され、レジストロール38によってスキューが補正されるように構成されている。
【0039】
また、上記用紙搬送路分離部材50の先端部の下面50c ' は、図1に示すように、手差しトレイ47から手差し搬送路48を搬送される記録用紙30と、給紙カセット34からカセット搬送路37を搬送される記録用紙30とを、レジストロール38へ導くように、用紙搬送路分離部材50の先端部下面50c ' と装置本体1側のガイド板53との間で、所定の間隙の用紙搬送経路48、37を形成するように構成されている。
【0040】
さらに、上記装置本体1側のガイド板53の下端部に位置する用紙搬送経路38は、比較的間隙の大きな搬送経路37となっており、当該搬送経路37の比較的間隙の大きな部分によって、記録用紙30の撓みが形成され、レジストロール38によってスキューが補正されるように構成されている。
【0041】
そして、上記両面用搬送経路41と、手差し搬送路48と、カセット搬送路37とが、レジストロール38の手前側で互いに合流するように構成されている。
【0042】
なお、上記手差しトレイ47から記録用紙30を搬送する手差し搬送路48と、給紙カセット34から記録用紙30を搬送するカセット搬送路37とは、搬送ロール対54に沿って取り付けられたマイラーフィルム等のフィルム部材55によって互いに分割されている。
【0043】
また、この実施の形態では、両面用搬送ユニット40の開閉動作に伴って、当該両面用搬送ユニット40の下端部に揺動自在に取り付けられた用紙搬送路分離部材50が、プリンター及び複写機本体1の側面に突設されたオプションユニット用の取付部56の上面に沿って(図示例では、図中左方向に沿って)摺動するように構成されている。
【0044】
上記両面用搬送ユニット40は、装置本体1に対して、ユーザーが希望する場合に取り付けるオプションとなっており、両面用搬送ユニット40がカバー部材の機能を兼ねている。この両面用搬送ユニット40は、図5に示すように、その下端部に取り付けられたアーム57によって、装置本体1に対して支点47を中心にして、開閉自在に取り付けられている。
【0045】
図1中、60は用紙搬送路分離部材50の先端に固着されたスペーサーを示している。
【0046】
また、この実施の形態では、前記カバー部材が、画像形成装置本体にオプションで装着されるオプションユニットからなり、前記画像形成装置本体にオプションユニットが装着されていない場合には、前記用紙搬送路分離部材は、用紙搬送路の合流部から退避する動作を行わないように構成されている。
【0047】
すなわち、この実施の形態では、図6に示すように、両面用搬送ユニット40がオプションで着脱可能となっており、用紙搬送路分離部材50の基端部の上部に、ストッパー部材70が設けられている。 このストッパー部材70は、水平方向に沿って摺動自在となっており、通常は、圧縮スプリング71によって図中左方向に付勢されている。そして、上記両面用搬送ユニット40が装着されていない状態では、ストッパー部材70に用紙搬送路分離部材50の腕部72が当接し、当該用紙搬送路分離部材50が自重によって用紙搬送路の合流部から退避する動作を行わないように構成されている。
【0048】
一方、両面用搬送ユニット40がオプションで装着されている場合には、図6に示すように、当該両面用搬送ユニット40の下端部にストッパー部材70の突起73が係合し、ストッパー部材70の貫通穴74に用紙搬送路分離部材50の腕部72が挿通するように構成されている。その結果、両面用搬送ユニット40がオプションで装着されている場合には、用紙搬送路分離部材50が自重で回動して用紙搬送路の合流部から退避する動作を行わようになっている。
【0049】
以上の構成において、この実施の形態に係るデジタルカラープリンター及び複写機では、次のようにして、紙詰まりした用紙を簡単な操作で除去することができるとともに、紙詰まりした用紙の視認性が良く、操作性を大幅に向上させることが可能となっている。
【0050】
すなわち、この実施の形態に係るデジタルカラープリンター及び複写機では、図1に示すように、給紙カセット34からのカセット用搬送経路37、または手差しトレイ47からの手差し用搬送経路48のいずれから、記録用紙30が給紙され、これらのカセット用搬送経路37または手差し用搬送経路48から給紙される記録用紙30上に、中間転写ベルト25から所望の色のトナー像が転写され、画像が形成される。また、上記記録用紙30の両面に対して画像を形成する場合には、片面に画像が形成された記録用紙30の表裏を、両面用搬送ユニット40によって反転した状態で、当該両面用搬送ユニット40の両面用搬送経路41を介して、当該両面用搬送ユニット40の両面用搬送経路41から再度給紙される記録用紙30上に、中間転写ベルト25から所望の色のトナー像が転写され、両面に画像が形成される。
【0051】
ところで、上記両面用搬送経路41、手差し搬送路48、カセット搬送路37の3つの搬送路のうちの何れかから給紙される記録用紙30が、レジストロール38の手前側の近傍で紙詰まりした場合には、図1(b)に示すように、両面用搬送ユニット40を装置本体1から開くとともに、当該両面用搬送ユニット40の開放動作に連動して、用紙搬送路分離部材50をレジストロール38の手前側近傍から退避させるとともに、両面用搬送経路41、手差し搬送路48、カセット搬送路37の3つの搬送路を開放した状態とする。このとき、レジストロール38の片方のロールは、両面用搬送ユニット40側に取り付けられているため、当該レジストロール38のニップ状態も同時に解除される。
【0052】
このように、上記実施の形態では、紙詰まりした用紙を簡単な操作で除去することができるとともに、紙詰まりした用紙の視認性が良く、操作性を大幅に向上させることが可能となっている。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、紙詰まりした用紙を簡単な操作で除去することができるとともに、紙詰まりした用紙の視認性が良く、操作性を大幅に向上させることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)(b)はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の要部をそれぞれ示す構成図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタを示す構成図である。
【図3】 図3はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのデジタルカラー複写機を示す構成図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の画像形成部を示す構成図である。
【図5】 図5は両面用ユニットを開いた状態を示す構成図である。
【図6】 図6はオプションユニットである両面用ユニットを着脱した状態を示す構成図である。
【符号の説明】
37:カセット搬送路、40: 両面用ユニット、41:両面用搬送経路、48:手差し搬送路、50:用紙搬送路分離部材。
Claims (1)
- 像担持体25に対して複数の用紙搬送路37,41,48を介して用紙30が搬送可能であり、前記複数の用紙搬送路37,41,48のうち、いずれかの用紙搬送路を介して搬送される用紙30に画像を形成する画像形成装置において、
前記複数の用紙搬送路37,41,48が合流する合流部に、少なくとも2つの用紙搬送路を分離する用紙搬送路分離部材50を設け、
前記用紙搬送路分離部材50は、前記複数の用紙搬送路37,41,48のうち、少なくとも1つの用紙搬送路で紙詰まりが発生した場合に、画像形成装置本体1に対して開閉されるカバー部材40の開閉動作に連動して、互いに分離している用紙搬送路37,41,48の合流部から退避するように構成し、
前記カバー部材40は、前記画像形成装置本体1にオプションユニット40が装着されている場合には、当該オプションユニット40によって兼用されるとともに、
前記画像形成装置本体1にオプションユニット40の着脱によって移動するストッパー部材70を設け、
前記ストッパー部材70は、前記画像形成装置本体1にオプションユニット40が装着されていない状態では、前記カバー部材40に設けられる前記用紙搬送路分離部材50が、用紙搬送路37,41,48の合流部から退避するのを阻止する位置に移動するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
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