JP3941162B2 - シリアルプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字ヘッドを左右に移動させて印字を行うシリアルプリンタに関し、特に、双方向印字における印字位置の調整を容易に行うことができるシリアルプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式のシリアルプリンタでは、印字ヘッドを左右に移動させつつ、印字が行われる。このシリアルプリンタは双方向印字が可能であるが、順方向印字時と逆方向印字時とではメカ機構のバランスが異なるために双方向印字を行うと、順方向と逆方向の印字位置にズレが生じてしまう。印字位置がズレた状態で、例えば縦罫線などを双方向印字すると、縦罫線は一直線に印字されず、交互に印字されてしまうという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、双方向印字における印字位置の調整を容易に行うことができるシリアルプリンタを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載のシリアルプリンタは、印字ヘッドと、その印字ヘッドを順方向及びその順方向とは反対の逆方向に移動させる駆動手段と、その駆動手段により前記印字ヘッドを前記順方向および前記逆方向へ移動させて印字を行わせる制御手段とを備え、前記制御手段は、順方向印字時と逆方向印字時との印字位置のズレ具合を確認するための印字を行う場合、前記印字ヘッドを順方向移動させる場合には、ャラクタを複数印字するものであり、その複数印字されるキャラクタの間隔は2種類以上設けられ、その2種類以上設けられた間隔は互いに整数倍とならないようにされており、前記印字ヘッドを逆方向に移動させる場合には、前記印字ヘッドを前記順方向に移動させる場合と同一の間隔にてキャラクタを複数印字するものである。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
請求項記載のシリアルプリンタは、請求項1記載のシリアルプリンタにおいて、前記制御手段により印字されるキャラクタは縦罫線である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図11を参照して、第1実施例について説明する。図1は、本発明の第1実施例であるシリアルプリンタを搭載した画像形成装置1の斜視図である。この画像形成装置1は、ファクシミリ機能の他に、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、及び、ビデオプリンタ機能などの各種の機能を備えた、いわゆる多機能周辺装置である。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置1の装置本体2は箱状体に形成され、その上面前部には操作パネル3が配設されている。操作パネル3には、「0」〜「9」の数字ボタン3aや、スタートボタン3bのなどの各種のボタンが設けられており、これらのボタンを押下することにより、各種の操作が行われる。操作パネル3の後部には、液晶(LCD)ディスプレイ6が設けられ、画像形成装置1の設定状態や各種の操作メッセージなどが必要に応じて表示される。
【0014】
LCDディスプレイの後部には、ファクシミリ機能時に相手ファクシミリ装置51へ送信されるファクシミリ原稿や、コピー機能時に複写されるコピー原稿が、積層載置可能な原稿載置部4が設けられている。この原稿載置部4に載置された各種の原稿は、装置本体2内部へ搬送され、スキャナ19によって、その原稿の表面に描かれた画像が読み取られる。画像の読み取られた原稿は、更に搬送され、操作パネル3の下方に設けられた原稿排出部9へ積層可能に排出される。
【0015】
原稿載置部4の後部には、カセット挿嵌部5が設けられている。このカセット挿嵌部5には、複数枚の記録用紙Pを積層収納可能な用紙カセットが着脱可能に取り付けられる(図示せず)。記録用紙Pは、カセット挿嵌部5に装着された用紙カセットから供給され、後述するインクジェットプリンタ26によって印字に使用された後、原稿排出部9の下方に設けられた記録紙排出部10から排出される。記録紙排出部10の右下方部には、隣接してビデオ信号入力端子7が設けられている。このビデオ信号入力端子7に接続されたビデオカメラ等から出力されるビデオ信号(画像データ)は、画像形成装置1の内部へ取り込まれ、フルカラー印字可能なインクジェットプリンタ26等によりフルカラーで印字される。
【0016】
図2は、画像形成装置1の装置本体2内部に収納されたインクジェットプリンタ26の斜視図である。このインクジェットプリンタ26は、360dpiと720dpiの2種類の解像度で印字が可能であり、また、印字ヘッド65のノズルから吐出されるインク吐出量は、大・中・小の3段階で切替が可能になっている。即ち、インクジェットプリンタ26は、印字状態の異なる6つの印字モードを備えている(2種類×3種類=6種類)。
【0017】
プリンタ26のフレーム63には、記録用紙Pを搬送するためのプラテンローラ61が回動可能に取着されており、このプラテンローラ61と平行にガイドロッド62がフレーム63に固着されている。ガイドロッド62上には、印字ヘッド65を搭載したキャリッジ66が記録用紙Pの搬送方向と直交する方向に移動可能に支持されている。このキャリッジ66は、フレーム63の一側に設けられたキャリッジモータ67によって回転される駆動プーリ68と従動プーリ69間に掛け渡されたベルト70を介して、ガイドロッド62に沿ってプラテンローラ61と平行に移動される。
【0018】
キャリッジ66に搭載される印字ヘッド65は、4色のインクタンク65a〜65dを備えており、各インクタンク65a〜65dには、図2の左から順に、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色のインクが充填されている。これら4色のインクは、印字ヘッド65に設けられたノズルから吐出され、記録用紙Pにフルカラーの印字が行われる。各インクタンク65a〜65dはそれぞれ個別に着脱可能にされており、インクの不足したインクタンク65a〜65dのみを個別に取り替えられるようにされている。なお、図2中、矢印A方向の印字が順方向印字であり、反矢印A方向の印字が逆方向印字である。
【0019】
図3は、画像形成装置1の電気的構成を示したブロック図である。画像形成装置1は、ファクシミリユニットFUおよびプリンタユニットPUの2つのユニットがインターフェイス30により相互に接続されて形成されている。ファクシミリユニットFUは、CPU11、ROM12、RAM13、EEPROM14、ネットワーク・コントロール・ユニット(以下、「NCU」と称する)15、モデム16、符号器17、復号器18、スキャナ19、操作パネル3、LCDディスプレイ6、ビデオ信号入力端子7、原稿センサ8を備えており、これらはファクシミリ制御回路20を介して相互に接続されている。
【0020】
CPU11は、NCU15を介して送受信される各種の信号に基づいて、ファクシミリ制御回路20に接続された各部を制御し、ファクシミリ動作などを実行するものである。ROM12は、この画像形成装置1で実行される各種の制御プログラム12aを記憶する書換不能なメモリであり、RAM13は各種のデータを記憶するための書換可能なメモリである。EEPROM14は書換可能な不揮発性のメモリであり、このEEPROM14に記憶されたデータは、画像形成装置1の電源オフ後も保持される。
【0021】
NCU15は電話網(電話回線52)に対するダイヤル信号の送出や、電話網(電話回線52)からの呼出信号の応答等の動作を行うものである。モデム16は、NCU15を介して、画像データを変調及び復調し、相手ファクシミリ装置51へ伝送すると共に、伝送制御用の各種手順信号を送受信するためのものである。符号器17は、スキャナ19により読み取られた原稿の画像データなどを圧縮するために符号化するものであり、復号器18は、受信されたファクシミリデータなどの符号化されたデータを復号化するものである。スキャナ19は、原稿載置部4から装置内部へ挿入された原稿の画像を読み取るためのものである。原稿センサ8は、原稿載置部4に原稿が載置されているか否か、即ち、原稿の有無を検出するセンサである。なお、この画像形成装置1のファクリミリユニットFUは、NCU15、電話回線52を介して、相手ファクシミリ装置51と接続されている。
【0022】
プリンタユニットPUは、演算装置であるCPU21と、そのCPU21の制御プログラム22aや図6に示す補正ステップ数テーブル22b等を記憶するROM22と、CPU21の実行時に参照および更新される補正値メモリ23aを始めとする各種のワークメモリや印字用データを記憶するプリントメモリ等を備えたRAM23と、主装置としてのパーソナルコンピュータ(以下「PC」と称す)53が接続されるパソコン用インターフェイス24と、印字用の文字等のベクトルフォントを記憶するキャラクタジェネレータ(以下「CG」と称す)25と、インクジェットプリンタ26とを備えている。これらはプリンタ制御回路27を介して相互に接続されている。
【0023】
前記した通りRAM23には、ワークメモリとして、補正値メモリ23a、差分メモリ1〜5(23b〜23f)、モードカウンタ23g、および、退避用メモリ23hが設けられている。
【0024】
図7に示すように、補正値メモリ23aは、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モードについて、逆方向印字における印字開始位置の補正値を記憶するメモリである。補正値メモリ23aの値は、検査工程における印字位置補正処理(図8)およびユーザーが行う印字位置補正処理(図10)により更新され、1ライン印字処理(図11)において参照される。この補正値メモリ23aの値は、他の印字モード(印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」以外の印字モード)の逆方向印字における印字開始位置の基準値とされている。よって、この補正値メモリ23aの値を変更するだけで、他の印字モードにおける逆方向印字の印字開始位置を一度に変更することができる。
【0025】
図7に示すように、差分メモリ1(23b)は、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「小」の印字モードについて、補正値メモリ23aの値と逆方向における印字開始位置の補正値との差を記憶するメモリである。即ち、差分メモリ1(23b)には、補正値メモリ23aの値に対応する相対的な補正値が記憶される。同様に、差分メモリ2(23c)は、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「大」の印字モードについて、差分メモリ3(23d)は、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「小」の印字モードについて、差分メモリ4(23e)は、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「中」の印字モードについて、差分メモリ5(23f)は、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「大」の印字モードについて、補正値メモリ23aの値と、それぞれの逆方向における印字開始位置の補正値との差を記憶するメモリである。これらの差分メモリ1〜5(23b〜23f)の値は、検査工程における印字位置補正処理(図8)において一旦設定されると、後は、1ライン印字処理(図11)において参照されるのみである。
【0026】
モードカウンタ23gは、設定されている印字モードを記憶するカウンタである。モードカウンタ23gの値は、ユーザーが操作パネル3を操作することにより、或いは、PC53から所定のデータを送信することにより、印字解像度やインク吐出量が変更された場合に更新される。前記した通りインクジェットプリンタ26は、印字状態の異なる6つの印字モードを備えているので、モードカウンタ23gの値は「0」〜「5」の範囲で更新される。具体的にモードカウンタ23gには、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モードでは「0」が設定される。また、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「小」の印字モードでは「1」が、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「大」の印字モードでは「2」が、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「小」の印字モードでは「3」が、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「中」の印字モードでは「4」が、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「大」の印字モードでは「5」が、それぞれ設定される。退避用メモリ23hは、モードカウンタ23gの値が一時的に退避(保存)されるメモリである。検査工程における印字位置補正処理(図8)およびユーザーが行う印字位置補正処理(図10)において使用される。
【0027】
なお、パソコン用インターフェイス24は、例えば、セントロニクス規格に準拠したパラレルインターフェイスであり、画像形成装置1は、このインターフェイス24に接続されたケーブル54を介して、PC53とデータの送受信が可能にされている。
【0028】
次に、図4から図6を参照して、順方向および逆方向印字時における印字位置のズレ具合を確認するため、サンプルデータ印字処理(図9)で印字されるサンプルデータ80について説明する。図5に示すように、サンプルデータ80は、順方向印字と逆方向印字とを10種類の異なったパターンで印字したものである。工場での製品出荷前における検査者またはユーザーによって、このサンプルデータ80の10パターンの中から双方向印字時における印字位置のズレ具合の最も小さいパターンが選択される。
【0029】
なお、選択されたパターンの補正ステップ数は、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モードの場合には、補正値メモリ23aに書き込まれる。一方、上記以外の他の印字モードの場合には、補正値メモリ23aの値とその選択されたパターンの補正ステップ数との差が、各印字モードに対応する差分メモリ1〜5(23b〜23f)に書き込まれる。これらの各メモリの値は、1ライン印字処理(図11)における逆方向印字の開始時に参照され、その印字開始位置が補正される。これにより順逆両方向の印字において、印字位置のズレが解消される。
【0030】
図4(a)は、サンプルデータ80を印字する場合の矢印A方向に行われる順方向の印字パターンを示した図である。この順方向印字では、複数のノズルが縦方向に配列された印字ヘッド65を使用して、複数本の縦罫線が2種類の印字ピッチW1,W2で印字される。間隔の大きな印字ピッチW1は、間隔の小さな印字ピッチW2の整数倍以外の間隔にされている。これにより順逆両方向の印字位置が、丁度一方の印字ピッチW2(又はW1)分ズレている場合でも、他方の印字ピッチW1(又はW2)で印字された部分を確認することにより、そのズレを確実に認識することができるようになっている。また、縦罫線のうち、点線で表された略半分の部分81はシアン色により印字され、実線で表された他の略半分の部分82はシアン色とマゼンダ色とにより印字される。よって、実線で表される部分82は、シアン色とマゼンダ色との混色により青色が印字される。この部分82が順逆両方向の印字位置が一致した場合の基準色部分となるのである。
【0031】
図4(b)は、図4(a)の順方向印字に重ねて印字される逆方向の印字パターンを示した図である。反矢印A方向、即ち、矢印B方向に印字される。逆方向印字も、順方向印字と同様に、2種類の印字ピッチW1,W2を備えており、略半分の長さの縦罫線83が、マゼンダ色によって順方向印字のシアン色の部分81に印字される。
【0032】
図4(c)は、図4(a)および(b)の順逆両方向印字が同一の位置に行われた状態を示している。順方向印字のシアン色の部分81に、逆方向印字のマゼンダ色83が重ねられるので、順逆両方向の印字が同一の位置に行われた場合には、シアン色とマゼンダ色とが混色して青色となる。順方向印字では、シアン色とマゼンダ色とを混色した部分82が印字されているので、その部分82が印字位置のズレ具合を判断する基準の青色となる。よって、同一の青色で全ての縦罫線が印字された場合には、順逆両方向の印字位置にズレのないことが確認される。また、基準色となる部分82とズレ具合の確認される部分81,83とが、ノズルの配列方向に略半分ずつ、所定の間隔毎に交互に配列されているので、印字位置のズレ具合を上側と下側とで個別に確認することができる。よって、ノズルの上下で印字位置が一致しない場合にも、一方に偏ることなく、適当な補正位置を検出することができる。このように混色の具合によって印字位置のズレ具合を確認することができるので、印字位置に微妙なズレがある場合にも、そのズレを容易に確認することができる。
【0033】
図5は、一の印字モード(例えば、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モード)において、図4のパターンが10通り印字されたサンプルデータ80を図示している。10パターンの各データには、それぞれ先頭に「1」〜「0」のラインナンバー85が付与されており、このラインナンバー85により、ユーザーや検査者が所望のパターンを選択するようにされている。各データは逆方向印字の印字開始位置が2ステップずつ異なるようにされており、丁度、ラインナンバー85の「5」のパターンが逆方向印字の補正ステップ数が「0」となっている。よって、順逆両方向の印字位置にズレのない機械では、図5に示すように、ラインナンバー85「5」のパターンで青色一直線の縦罫線が印字される。
【0034】
図6は、ラインナンバー85と補正ステップ数との関係を示した補正ステップ数テーブル22bである。前記した通り、この補正ステップ数テーブル22bはROM22に記憶されている。図6に示すように、ラインナンバー85が「1」の場合は、逆方向印字時の補正ステップ数、即ち、逆方向印字における印字開始位置の補正ステップ数は「−8ステップ」であり、ラインナンバー85が「2」の場合「−6ステップ」、ラインナンバー85が「3」の場合「−4ステップ」、・・・、ラインナンバー85が「5」の場合「0ステップ」、ラインナンバー85が「6」の場合「2ステップ」、・・・、ラインナンバー85が「0」の場合「10ステップ」となっている。補正ステップ数がマイナスの場合には、そのステップ数分、逆方向の印字開始位置が図4の矢印B方向(図2の反矢印A方向)に移動され、プラスの場合には、そのステップ数分、逆方向の印字開始位置が図2および図4の矢印A方向に移動される。
【0035】
次に、上記のように構成された画像形成装置1で実行される各処理について、図8から図11のフローチャートを参照して説明する。これらの各処理は、いずれも画像形成装置1のプリンタユニットPUで実行される。図8は、検査工程における印字位置補正処理のフローチャートである。この印字位置補正処理は、製品出荷前の工場において、検査者が操作パネル3上のボタンを操作することにより実行される。
【0036】
検査工程における印字位置補正処理では、まず、モードカウンタ23gの値を退避用メモリ23hへ退避し(S1)、そのモードカウンタ23gの値を「0」とした後に(S2)、図9のサンプルデータ印字処理を実行する(S3)。
【0037】
図9のサンプルデータ印字処理では、まず、カセット挿嵌部5に装着された用紙カセットから記録用紙Pを所定の印字位置まで搬送する(S21)。この記録用紙Pにラインナンバー85を印字し(S22)、そのラインナンバー85に続いて、縦罫線により図4(a)に示す順方向印字を行う(S23)。順方向印字の後、記録用紙Pを搬送することなく同一ラインに、略半分の長さの縦罫線により図4(b)に示す逆方向印字を行う(S24)。これらのS22からS24の各処理により、1つのパターンが記録用紙Pに印字される。なお、これら順逆両方向の印字は、モードカウンタ23gに示される印字モードに従って行われる。例えば、モードカウンタ23gの値が「0」であれば、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の状態で印字が行われ、「1」であれば、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「小」の状態で印字が行われる。
【0038】
記録用紙Pに1つのパターンを印字した後、プラテンローラ61を所定量回転させて、記録用紙Pを所定量搬送し(S24)、10パターンの全ラインが印字されたか否かを調べる(S26)。全ラインの印字が未完了であれば(S26:No)、10パターンの全ラインの印字を完了するまで、S22からS25の処理を繰り返す。一方、10パターンの全ラインの印字が完了した場合には(S26:Yes)、プラテンローラ61を回転させて、記録用紙Pを装置本体2外部へ排出し(S27)、図5に示すサンプルデータ80を検査者(又はユーザー)へ提供して、このサンプルデータ印字処理を終了する。
【0039】
サンプルデータ印字処理の終了後(図8のS3)、LCDディスプレイ6に「選択するラインナンバーを入力して下さい」と表示して(S4)、検査者に対して、順逆両方向の印字位置が最も一致する印字パターンの選択を促す。前記した通り、この選択はシアン色とマゼンダ色との混色の具合により判断できるので、印字位置の微妙なズレも色の違いにより容易に確認することができる。よって、検査者は最適な印字パターンを容易に選択することができるのである。
【0040】
LCDディスプレイ6へのメッセージの表示後、「0」から「9」の数字ボタン3aの押下を待機する(S5:No)。「0」から「9」のいずれかの数字ボタン3aが押下された場合(S5:Yes)、モードカウンタ23gの値が「0」であれば(S6:Yes)、押下された数字ボタン3aのラインナンバー85に対応する補正ステップ数を補正ステップ数テーブル22bから読み出して、補正値メモリ23aへ書き込む(S7)。例えば、数字ボタン3aの「5」が押下された場合には、補正値メモリ23aに「0」が書き込まれ、数字ボタン3aの「7」が押下された場合には、補正値メモリ23aに「4」が書き込まれる。
【0041】
一方、モードカウンタ23gの値が「0」でなければ(S6:No)、補正値メモリ23aに記憶される補正ステップ数と、押下された数字ボタン3aのラインナンバー85に対応する補正ステップ数との差を、モードカウンタ23gの値に対応する差分メモリ1〜5(23b〜23f)へ書き込む(S8)。具体的には、補正値メモリ23aの値が「0」である場合に、例えば、数字ボタン3aの「5」が押下された場合には、「0−0」故に「0」が、数字ボタン3aの「7」が押下された場合には、「0−4」故に「−4」が、モードカウンタ23gの値に対応する差分メモリ1〜5(23b〜23f)へ書き込まれる。即ち、モードカウンタ23aの値が「1」の場合には差分メモリ1(23b)へ、「2」に場合には差分メモリ2(23c)へ、かかる差が書き込まれる。
【0042】
補正値メモリ23a又は差分メモリ1〜5(23b〜23f)への書き込み後(S7,S8)、モードカウンタ23gの値が「5」であるか否かを調べる(S9)。モードカウンタ23gの値が「5」でなければ(S9:No)、6つの印字モードの全てについて、補正位置の設定が未終了であるので、モードカウンタ23gの値を1加算して(S10)、処理をS3へ移行する。以降は、モードカウンタ23gの値が「5」となるまで、S3からS10の各処理を繰り返す。
【0043】
一方、モードカウンタ23gの値が「5」であれば(S9:Yes)、6つの印字モードの全てについて、補正位置の設定が終了したので、S1の処理で退避した退避用メモリ23hの値をモードカウンタ23gへ戻して(S11)、この検査工程における印字位置補正処理を終了する。この処理の実行により、逆方向印字の印字開始位置の補正量が6つの各印字モードの全てについて設定される。
【0044】
図10は、ユーザーが行う印字位置補正処理のフローチャートである。この印字位置補正処理は、製品出荷後の客先において、ユーザーが操作パネル3上のボタンを操作することにより実行される。一般に、印字ヘッド65のインクタンク65a〜65dを交換した場合や、使用による印字機構の経年変化により順方向と逆方向との印字位置が不一致となった場合に実行される。
【0045】
ユーザーが行う印字位置補正処理では、まず、モードカウンタ23gの値を退避用メモリ23hへ退避し(S31)、そのモードカウンタ23gの値を「0」とした後に(S32)、前記した図9のサンプルデータ印字処理を実行する(S33)。モードカウンタ23gの値が「0」であるので、サンプルデータ印字処理により、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モードで、図5に示すサンプルデータ80が印字され、そのサンプルデータ80がユーザーへ提供される。
【0046】
その後、LCDディスプレイ6に「選択するラインナンバーを入力して下さい」と表示して(S34)、ユーザーに対して、順逆両方向の印字位置が最も一致する印字パターンの選択を促す。前記した通り、この選択はシアン色とマゼンダ色との混色の具合により判断できるので、印字位置の微妙なズレも色の違いにより容易に確認することができる。
【0047】
LCDディスプレイ6へのメッセージの表示後、ユーザーによる「0」から「9」の数字ボタン3aの押下を待機する(S35:No)。「0」から「9」のいずれかの数字ボタン3aが押下された場合(S35:Yes)、押下された数字ボタン3aのラインナンバー85に対応する補正ステップ数を補正ステップ数テーブル22bから読み出して、補正値メモリ23aへ書き込む(S36)。例えば、数字ボタン3aの「5」が押下された場合には、補正値メモリ23aに「0」が書き込まれ、数字ボタン3aの「7」が押下された場合には、補正値メモリ23aに「4」が書き込まれる。
【0048】
その後は、S31の処理で退避した退避用メモリ23hの値をモードカウンタ23gへ戻して(S37)、この処理の実行前に設定されていた印字モードに復帰し、この処理を終了する。このようにユーザーが行う印字位置補正処理では、逆方向印字の印字開始位置の補正を一の印字モードについて行うだけで、他の5つの印字モードについても印字位置の補正が完了する。よって、ユーザーは煩雑な操作を強いられることなく、容易に印字位置の補正を行うことができる。
【0049】
図11は、1ライン印字処理のフローチャートである。この1ライン印字処理は、インクジェットプリンタ26により1ライン印字が行われる度に実行される。なお、図9のサンプルデータ印字処理では、この1ライン印字処理は実行されない。
【0050】
1ライン印字処理では、まず、順方向印字であるか逆方向印字であるかを調べ(S41)、順方向印字であれば(S41:Yes)、印字開始位置を補正することなく、そのまま1ライン印字を行う(S45)。この1ラインの印字は、モードカウンタ23gの値に基づいた印字モードで行われる。例えば、モードカウンタの値が「0」であれば、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モードで印字が行われ、モードカウンタの値が「5」であれば、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「大」の印字モードで印字が行われる。
【0051】
一方、逆方向印字であれば(S41:No)、モードカウンタ23gの値を調べ(S42)、その値が「0」であれば(S42:Yes)、補正値メモリ23aに記憶されるステップ数分、逆方向の先頭の印字位置を補正し(S43)、その補正後に1ラインの印字を行う(S45)。
【0052】
モードカウンタ23gの値が「0」でなければ(S42:No)、即ち、モードカウンタ23gの値が「1」〜「5」のいずれかであれば、補正値メモリ23aの値と、モードカウンタ23gの値に対応する差分メモリ1〜5(23b〜23f)の値との差を補正ステップ数として、そのステップ数分、逆方向の先頭の印字位置を補正し(S44)、その補正後に1ラインの印字を行う(S45)。例えば、補正値メモリ23aの値が「0」である場合、モードカウンタ23gの値に対応する差分メモリ1〜5(23b〜23f)の値が「0」であれば「0−0」故に「0」が補正ステップ数となる。また、補正値メモリ23aの値が「4」である場合、モードカウンタ23gの値に対応する差分メモリ1〜5(23b〜23f)の値が「2」であれば「4−2」故に「2」が補正ステップ数となる。
【0053】
なお、補正ステップ数がマイナスの場合には、そのステップ数分、印字開始位置が図4の矢印B方向(図2の反矢印A方向)に移動され、プラスの場合には、そのステップ数分、印字開始位置が図2および図4の矢印A方向に移動される。
【0054】
以上説明したように第1実施例では、検査工程における印字位置補正処理(図8)により、6つの印字モードについて、それぞれ印字位置の補正が行われた後は、ユーザーが行う印字位置補正処理(図10)により、一の印字モードについて印字位置を補正するだけで、他の5つの印字モードの印字位置も相対的に補正することができる。よって、客先において、複数の印字モードについての印字位置の補正を一回の操作で容易に行うことができる。
【0055】
次に、図12から図16を参照して、第2実施例について説明する。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の番号を付し、その説明は省略する。
【0056】
図12は、第2実施例の画像形成装置1の電気的構成を示したブロック図である。プリンタユニットPUのRAM123には、ワークメモリとして、補正値メモリ0〜5(123a〜123f)、モードカウンタ23g、および、退避用メモリ23hが設けられている。
【0057】
図13に示すように、補正値メモリ0(123a)は、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モードについて、逆方向印字における印字開始位置の補正値を記憶するメモリである。同様に、補正値メモリ1(123b)は、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「小」の印字モードについて、補正値メモリ2(123c)は、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「大」の印字モードについて、補正値メモリ3(123d)は、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「小」の印字モードについて、補正値メモリ4(123e)は、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「中」の印字モードについて、補正値メモリ5(123f)は、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「大」の印字モードについて、それぞれ逆方向印字における印字開始位置の補正値を記憶するメモリである。
【0058】
これら補正値メモリ0〜5(123a〜123f)の値は、まず、検査工程における印字位置補正処理(図14)により個別に設定される。その後は、ユーザーが行う印字位置補正処理(図15)により、一の補正値メモリ0〜5(123a〜123f)の値が更新されると、その更新された差分に応じて、他の補正値メモリ0〜5(123a〜123f)の値も連動して更新される。各補正値メモリ0〜5(123a〜123f)の値は、1ライン印字処理(図16)において個別に参照され、その補正値メモリ0〜5(123a〜123f)の値に基づいて、逆方向の印字開始位置が補正される。
【0059】
次に、第2実施例の画像形成装置1で実行される各処理について、図14から図16のフローチャートを参照して説明する。これらの各処理は、いずれも画像形成装置1のプリンタユニットPUで実行される。図14は、検査工程における印字位置補正処理のフローチャートである。この印字位置補正処理は、製品出荷前の工場において、検査者が操作パネル3上のボタンを操作することにより実行される。
【0060】
検査工程における印字位置補正処理では、まず、モードカウンタ23gの値を退避用メモリ23hへ退避し(S51)、そのモードカウンタ23gの値を「0」とした後に(S52)、図9のサンプルデータ印字処理を実行する(S53)。モードカウンタ23gの値が「0」であるので、サンプルデータ印字処理により、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モードで、図5に示すサンプルデータ80が印字され、そのサンプルデータ80が検査者へ提供される。
【0061】
サンプルデータ80の提供後、LCDディスプレイ6に「選択するラインナンバーを入力して下さい」と表示して(S54)、検査者に対して、順逆両方向の印字位置が最も一致する印字パターンの選択を促す。前記した通り、この選択はシアン色とマゼンダ色との混色の具合により判断できるので、印字位置の微妙なズレも色の違いにより容易に確認することができる。よって、検査者は最適な印字パターンを容易に選択することができるのである。
【0062】
LCDディスプレイ6へのメッセージの表示後、「0」から「9」の数字ボタン3aの押下を待機する(S55:No)。「0」から「9」のいずれかの数字ボタン3aが押下されると(S55:Yes)、押下された数字ボタン3aのラインナンバー85に対応する補正ステップ数を補正ステップ数テーブル22bから読み出して、モードカウンタ23gの値に対応する補正値メモリ0〜5(123a〜123f)へ書き込む(S56)。例えば、モードカウンタ23gの値が「0」であり、数字ボタン3aの「4」が押下された場合には、補正値メモリ0(123a)に「−2」が書き込まれ、数字ボタン3aの「7」が押下された場合には、補正値メモリ0(123a)に「4」が書き込まれる。
【0063】
補正値メモリ0〜5(123a〜123f)への書き込み後(S56)、モードカウンタ23gの値が「5」であるか否かを調べる(S57)。モードカウンタ23gの値が「5」でなければ(S57:No)、6つの印字モードの全てについての補正値の設定が未終了であるので、モードカウンタ23gの値を1加算して(S58)、処理をS53へ移行する。以降は、モードカウンタ23gの値が「5」となるまで、S53からS58の各処理を繰り返す。
【0064】
一方、モードカウンタ23gの値が「5」であれば(S57:Yes)、6つの印字モードの全てについて、補正値の設定が終了したので、S51の処理で退避した退避用メモリ23hの値をモードカウンタ23gへ戻して(S59)、この検査工程における印字位置補正処理を終了する。この処理の実行により、逆方向印字の印字開始位置の補正値が、6つの各印字モードの全てについて設定される。
【0065】
図15は、ユーザーが行う印字位置補正処理のフローチャートである。この印字位置補正処理は、製品出荷後の客先において、ユーザーが操作パネル3上のボタンを操作することにより実行される。一般に、印字ヘッド65のインクタンク65a〜65dを交換した場合や、使用による印字機構の経年変化により順方向と逆方向との印字位置が不一致となった場合に実行される。
【0066】
ユーザーが行う印字位置補正処理では、まず、設定されている印字モードに基づいて(モードカウンタ23gの値に基づいて)、図9のサンプルデータ印字処理を実行する(S61)。このサンプルデータ印字処理により、図5に示すサンプルデータ80が設定されている印字モードによって印字され、そのサンプルデータ80がユーザーへ提供される。その後、LCDディスプレイ6に「選択するラインナンバーを入力して下さい」と表示して(S62)、ユーザーに対して、順逆両方向の印字位置が最も一致する印字パターンの選択を促す。前記した通り、この選択はシアン色とマゼンダ色との混色の具合により判断できるので、印字位置の微妙なズレも色の違いにより容易に確認することができる。
【0067】
LCDディスプレイ6へのメッセージの表示後、ユーザーによる「0」から「9」の数字ボタン3aの押下を待機する(S63:No)。「0」から「9」のいずれかの数字ボタン3aが押下されると(S63:Yes)、押下された数字ボタン3aのラインナンバー85に対応する補正ステップ数と、モードカウンタ23gの値に対応する補正値メモリ0〜5(123a〜123f)の値との差を求め(S64)、この差を各補正値メモリ0〜5(123a〜123f)の値に加算して、各補正値メモリ0〜5(123a〜123f)の値を更新する(S65)。例えば、モードカウンタ23gの値が「0」で、補正値メモリ0(123a)の値が「2」である場合に、数字ボタン3aの「3」が押下されると、「−4−2」故に「−6」の値が各補正値メモリ0〜5(123a〜123f)に加算される。この結果、補正値メモリ0(123a)の値は「2−6」故に「−4」に更新される。
【0068】
このようにユーザーが行う印字位置補正処理では、逆方向印字の印字開始位置の補正を一の印字モードについて行うだけで、他の5つの印字モードについても、その印字位置の補正を連動して行うことができる。よって、ユーザーは煩雑な操作を強いられることなく、容易に印字位置の補正を行うことができる。
【0069】
図16は、1ライン印字処理のフローチャートである。この1ライン印字処理は、インクジェットプリンタ26により1ライン印字が行われる度に実行される。なお、図9のサンプルデータ印字処理では、この1ライン印字処理は実行されない。
【0070】
1ライン印字処理では、まず、順方向印字であるか逆方向印字であるかを調べ(S71)、順方向印字であれば(S71:Yes)、印字開始位置を補正することなく、そのまま1ライン印字を行う(S73)。この1ラインの印字は、モードカウンタ23gの値に基づいた印字モードで行われる。例えば、モードカウンタの値が「0」であれば、印字解像度が360dpi、インク吐出量が「中」の印字モードで印字が行われ、モードカウンタの値が「5」であれば、印字解像度が720dpi、インク吐出量が「大」の印字モードで印字が行われる。
【0071】
一方、逆方向印字であれば(S71:No)、モードカウンタ23gの値に対応する補正値メモリ0〜5(123a〜123f)に記憶されるステップ数分、逆方向の先頭の印字位置を補正し(S72)、その補正後に1ラインの印字を行う(S73)。補正値メモリ0〜5(123a〜123f)に記憶される補正ステップ数がマイナスの場合には、そのステップ数分、印字開始位置が図4の矢印B方向(図2の反矢印A方向)に移動され、プラスの場合には、そのステップ数分、印字開始位置が図2および図4の矢印A方向に移動される。これにより逆方向の印字位置が各印字モードにおいてそれぞれ補正されるので、順逆両方向の印字位置のズレを解消することができる。
【0072】
以上説明したように第2実施例においても、検査工程における印字位置補正処理(図14)により、6つの印字モードについて、それぞれ印字位置の補正が行われた後は、ユーザーが行う印字位置補正処理(図15)により、一の印字モードについて印字位置を補正するだけで、他の5つの印字モードの印字位置も相対的に補正することができる。よって、客先において、複数の印字モードについての印字位置の補正を一回の操作で容易に行うことができる。また、図15の処理では、その処理の実行時に設定されている印字モードによってサンプルデータ80が印字されるので、補正の基準となる印字モードを任意に変更することができる。よって、ユーザー自身が最も頻繁に使用する印字モードを基準として、印字位置の補正を行うことができる。
【0073】
【0074】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0075】
例えば、本実施例では、シリアルプリンタとしてフルカラー印字が可能なインクジェットプリンタ26を用いて説明した。しかし、シリアルプリンタであれば、フルカラー印字が不可能なプリンタであっても、或いは、ドットプリンタやサーマルプリンタであっても、当然に本発明を適用することができる。一色のみの印字しかできないプリンタにあっては、図5のサンプルデータ80は一色の縦罫線により印字する。この場合、印字位置のズレ具合は縦罫線のズレ具合により判断する。更に、本実施例では、印字モードを決定する要素として、印字解像度およびインク吐出量を挙げて説明したが、印字モードを決定する要素として、これら以外の例えば、印字速度などを用いるようにしても良い。
【0076】
図9のサンプルデータ印字処理では、現在設定されている補正ステップ数に拘わらず、サンプルデータ80は、図6に示す補正ステップ数テーブル22bに基づいて、逆方向印字時の補正ステップ数がライン毎に固定されて印字された。しかし、現在設定されている補正ステップ数を基準にして(ラインナンバー5に位置するようにして)、補正ステップ数を変更したサンプル印字データを印字するようにしても良い。
【0077】
【発明の効果】
請求項1記載のシリアルプリンタによれば、制御手段による順方向印字および逆方向印字においては、所定のキャラクタが2種類以上の間隔を空けて複数印字される。キャラクタの印字間隔が1種類であると、丁度その間隔分、印字位置がズレた場合には隣の印字キャラクタと印字位置が重なってしまい、その結果、印字位置のズレを確認することができない。しかし、キャラクタの印字間隔を2種類以上備え、しかも、その2種類以上設けられた間隔は互いに整数倍とならないようにされているので、1種類の間隔分、印字位置がずれている場合でも他の種類の印字間隔の部分でそのズレを確認することができる。よって、印字位置のズレ具合を正しく確認することができるという効果がある。
【0078】
【0079】
請求項記載のシリアルプリンタによれば、請求項1記載のシリアルプリンタの奏する効果に加え、順逆両方向の印字位置のズレ具合を縦罫線の印字により確認するので、ズレ具合の確認を一層高精度に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のインクジェットプリンタを搭載した画像形成装置の斜視図である。
【図2】 上記画像形成装置の内部に収納されたインクジェットプリンタの斜視図である。
【図3】 第1実施例の画像形成装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】 サンプルデータの印字パターンを示した図であり、(a)は、サンプルデータの順方向印字パターンを示した図であり、(b)は、サンプルデータの逆方向印字パターンを示した図であり、(c)は、サンプルデータの順逆両方向の印字パターンが重ねられた状態を示した図である。
【図5】 10通りのパターンが印字されたサンプルデータを示した図である。
【図6】 ラインナンバーと補正ステップ数との関係を示した補正ステップ数テーブルである。
【図7】 第1実施例における補正値メモリおよび各差分メモリ1〜5と各印字モードとの関係を示した図である。
【図8】 第1実施例の検査工程における印字位置補正処理のフローチャートである。
【図9】 サンプルデータ印字処理のフローチャートである。
【図10】 第1実施例のユーザーが行う印字位置補正処理のフローチャートである。
【図11】 第1実施例の1ライン印字処理のフローチャートである。
【図12】 第2実施例の画像形成装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図13】 第2実施例における各補正値メモリ0〜5と各印字モードとの関係を示した図である。
【図14】 第2実施例の検査工程における印字位置補正処理のフローチャートである。
【図15】 第2実施例のユーザーが行う印字位置補正処理のフローチャートである。
【図16】 第2実施例の1ライン印字処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
22b 補正ステップ数テーブル
23a 補正値メモリ
23b〜23f 差分メモリ1〜5
23g モードカウンタ
23f 退避用メモリ
26 インクジェットプリンタ(シリアルプリンタ)
65 印字ヘッド
65a〜65d インクタンク
67 キャリッジモータ(駆動手段の一部)
68 駆動プーリ(駆動手段の一部)
69 従動プーリ(駆動手段の一部)
70 ベルト(駆動手段の一部)
123a〜123f 補正値メモリ0〜5
FU ファクシミリユニット
PU プリンタユニット(制御手段)

Claims (2)

  1. 印字ヘッドと、
    その印字ヘッドを順方向及びその順方向とは反対の逆方向に移動させる駆動手段と、
    その駆動手段により前記印字ヘッドを前記順方向および前記逆方向へ移動させて印字を行わせる制御手段とを備えたシリアルプリンタにおいて、
    前記制御手段は、順方向印字時と逆方向印字時との印字位置のズレ具合を確認するための印字を行う場合、前記印字ヘッドを順方向移動させる場合には、ャラクタを複数印字するものであり、その複数印字されるキャラクタの間隔は2種類以上設けられ、その2種類以上設けられた間隔は互いに整数倍とならないようにされており、前記印字ヘッドを逆方向に移動させる場合には、前記印字ヘッドを前記順方向に移動させる場合と同一の間隔にてキャラクタを複数印字するものであることを特徴とするシリアルプリンタ。
  2. 前記制御手段により印字されるキャラクタは縦罫線であることを特徴とする請求項1記載のシリアルプリンタ。
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