JP3939356B2 - 樹脂組成物の改良 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関するの改良に係り、特に、エポキシ架橋性樹脂組成物等の熱硬化性組成物とその適切な架橋手段により当該架橋樹脂組成物の製造方法とそれにより得られる架橋生成物に関する。
熱硬化性樹脂、すなわち熱硬化物は、架橋結合により架橋性が生じ、その温度安定性により特徴づけられる。この生成物のチャー点(charring point)までの耐熱性は広範囲の応用、典型的には構造プラスチック、ラミネート、表面被覆材、接着剤などに特に適している。さらに、これらの樹脂の構造的性質は優れた機械的、電気的強度と耐薬品性(化学性)の基となる。この樹脂は重合時に収縮性が低い事も特徴の一つである。
架橋性熱硬化性樹脂中での熱可塑性成分は丈夫さ(toughness)と延性(ductility)と耐溶剤性を増進してこれらの生成物の有用性の幅を拡大する。
従来の熱硬化物はフェノール、アミノプラスチック、エポキシといくつかのポリウレタンを含む。その広範囲の有用性にもかかわらず、後架橋工程として一般に知られている架橋工程での架橋結合をさせるために架橋温度を高くする必要があるため、これらの樹脂は全て製造コストが高いことで特徴づけられる。ICIコンポジット社のヨーロッパ特許出願番号EP−A−0311349には性質改善のための熱可塑性樹脂成分とポリアリールスルホン架橋剤を含む熱硬化性樹脂組成物を含む触媒の存在下で180℃及びそれ以上の温度の架橋温度が必要なエポキシ樹脂が記載されている。架橋性樹脂は典型的には120℃のガラス転移温度を超えて(go through)、ガラス転移温度(Tg)を高めるために後架橋のための昇温された180℃又はそれ以上の温度が必要である。典型的には架橋は3から7バールの範囲での昇圧下で行われ、オートクレーブ又はそれに類似したものが必要となり、さらに設備費と操作コストが高くなる。
最高温度より低い温度で架橋をしても良いが、この場合には架橋時間を長くし、架橋結合が完全でなくなる可能性があり、その他の性質が妥協的なものになり、長い期間、選択された温度を維持するために、ほとんど又は全く経済的利益がなくなる。熱硬化生成物を架橋させるために、最高18時間にわたり加熱すること、また、なによりも高価なオートクレープ時間が必要であることは工業的に利用するには、生産性が大きく低減される。
熱硬化性樹脂は、その物理的又は機械的強度のためよりも、むしろ市場の要求の変化と外観とデザインのリニューアルにより、限られた数の「デザイナー」製品が製造され、少ない特殊な市場向けに製造され、また限られたライフサイクルを有する製品の製造のために用いられいる。その製造のために、高い製造温度が必要であるので、成型法で製造される製品の場合には、高温度に耐える成型体(鋳)とか道具(moulds or tools)が必要であることから、そのような製品の市場性が厳しく制限される。180℃を超える必要な温度でのその成型時の強度を維持することができる最も温度回復性の高い道具は典型的には、金属からなるものであり、注文主には高価であり、比較的長い期間にわたり償却される事が必要である。これは、例えば、特殊な宇宙工業又は乗り物、キャラバン、モービルハウス、又はモータバイクの車体のセル又はそれに類するものなど、典型的には厳しい競争の下でなされる移り変わる要求と流行にさらされ、さらに、より流線型にすること、道路への密着性(road holding)と他の技術的部品との両立性、重量削減などに合致するボディーのセルの形の変化に対する技術的要求等があると、なおさら厳しくなる。上記した理由で、他の製造物への応用、例えば、家庭、オフィスまたは園芸に用品等の家具類の製造が試みられている。
従って、成型材料として使用できて、限られた数の製品及び/又は限られた製品寿命を有する成形品に用いられる適切な組成物の最高の耐熱温度より低い温度で架橋する架橋性樹脂に対する要望が強い。さらに、低コストで製造可能な組成物又は製品(製造物)が得られる熱硬化性樹脂に対する要請が強い。さらに、変成された架橋性樹脂によりその機械的又は物理的性質が変わらない組成物または製品の製造に用いられる架橋性熱硬化性樹脂の応用に対する要望があり、したがって、その機械的又は物理的性質に対する高いレベルの信頼性がある。例えば、以下に記載するパネルの製造に対する応用、また特に宇宙製品、レーシングカー、自動車とモータバイクパネルなどに使用できる製品に対する要望がある。
我々は驚くべきこと、架橋性熱硬化性樹脂組成物の範囲内であり、より低温で架橋できるあるクラスの化合物を用いる上記要請に見事に合致した樹脂組成物とその製法を見いだした。
本発明によれば、最も広い観点から、次の組成からなる架橋性組成物が提供できる。
(a)熱硬化性樹脂成分、
(b)硬化剤成分、
(c)熱可塑性成分の所定量、
(d)有機金属硬化触媒成分
ここで、成分a)、b)、c)及び/又はd)は活性のモノマー化合物、特に架橋した樹脂前駆体、オリゴマーまたはれそらに類似したもの、官能基が保護されて不活性になった均等物又は当技術分野で通常用いられるあらゆる形式のものである。この発明の性質は架橋性組成物に依存しているが、通常はそれから得られる架橋物から明らかになる。
成分a)は、エキポシ樹脂、付加重合樹脂、特にビス−マレイミド樹脂、ホルムアルデヒド縮合樹脂、特にホルムアルデヒド−フェノール樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂とそれらの2つ以上の化合物から成るグループから適切に選択され、そして、芳香族ジアミン、芳香族モノ第一級アミン、アミノフェノール、多価フェノール、多価アルコール、ポリカルボン酸及びそれに類するもの、またはそれらの混合物から成る化合物のグループの1つまたはそれ以上のモノもしくはポリ−グリシジル誘導体から誘導されたエポキシ樹脂が望ましい。付加重合樹脂の例はアクリル樹脂、ビニール樹脂、ビス−マレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂である。ホルムアルデヒド縮合樹脂の例は尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂である。
さらに成分a)は、50℃で粘度10−20Pa sのN,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(例えばチバガイギーで販売されている“MY9663”、“MY720”もしくは“MY721”);(MY721はMY720より粘度を低くした改良品であり、より高い使用温度用である。);110℃で粘度18−22PoiseのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス(4−アミノフェニル)−1、4−ジイソ−プロピルベンゼン(例えばシェルケミカル社で販売されているエポン1071);110℃で粘度30−40PoiseのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニール)−1,4−ジイソ−プロピルベンゼン(例えばシェルケミカル社で販売されているエポン1072);25℃で粘度0.55−0.85Pa sのp−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル(例えばチバガイギーで販売されている“MY0510”);から選択されていて、例えば公報番号EP−A−0 311 349、すなわち出願番号PCT/GB/95/01303に開示されているような室温で液体であるような少なくとも1つのエキポシ樹脂の前駆体を含むことが望ましい。さらに望ましいのは、これを少なくとも25%がエキポシ成分である構成とすることである;例えば2,2−ビス(4,4’−ジハイドロキシフェニル)プロパン(例えばダウ社で販売されている“DE R 661”、もしくはシェル社で販売されている“エピコテ828”)というような物質に基づくビスフェノールAのジグリシジルエーテル、そして好ましくは25℃で粘度8−20Pa sであるノボラック樹脂;フェノールノボラク樹脂のグリシジルエーテル(例えばダウ社で販売されている“DEN431”もしくは“DEN438”)、本発明に従い組成物を作る際に良いとされている粘度の低い種々のもの;ジグリシジル1、2−フタレート、例えばGLYCEL A−100;粘度の低いジハイドロキシジフェニルメタンのジグリシジル誘導体(ビスフェノールF)(例えばチバガイギーで販売されている“PY306”)などである。他のエキポシ樹脂前駆体には、3’、4’−エポキシシクロヘキシル−3、4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(例えばチバガイギーで販売されている“CY179”)やユニオンカーバイド社の“ベークライト”の中のいずれかなどの脂環式化合物が含まれる。
成分a)は架橋剤や必要に応じて触媒を用いて樹脂前駆体を少なくとも部分的に架橋している生成物が望ましい。
成分b)は、例えば公報番号EP−A−0 311 349、すなわち出願番号PCT/GB95/01303で開示されているように既知の架橋剤から選択されることが望ましい。それは、ここで例として挙げられているアミノグループ当たり分子量500までのアミノ化合物、例えば芳香族アミンもしくはグアニジン誘導体である。顕著な例は3,3’−や4−,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、(“DDS”として市販されている)、メチレンジアニリン、ビス(4−アミノ−3、5−ジメチルフェニル)−1、4−ジイソプロピルベンゼン(シェルケミカル社のエポン1062として入手できる);ビス(4−アミノフェニル)−1、4−ジイソプロピルベンゼン(シェルケミカル社のEPON1061として入手できる);4−クロロフェニル−N、N−ジメチル−尿素、例えばモヌロン(Monuron);3,4−ジクロロフェニル−N、N−ジメチル−尿素、例えばジウロン(Diuron)やジシアノジアミド(パシフィックアンカーケミカル社の“アミキュアCG1200として入手できる)である。そのようなアミン架橋剤は、もしアミンを末端に有している熱可塑性のものであれば成分c)に加えられる;このようにこの組成物は、1つはアミノグループ当たり500までの分子量を有し、もう1つはアミノグループ当たり少なくとも分子量5000を有していて、全体のアミン含有量はエポキシ樹脂前駆体の量論的必要量の70−110%の範囲で含まれているようなエポキシと反応する2つのタイプのアミンを含んでいるものが好ましい。他の脂肪族ジアミン、アミド、カルボン酸無水物、カルボン酸、フェノール類というような標準的なエポキシ架橋剤は、必要に応じて使用し得る。
従来は、そして公報番号EP−A−0 311 349、すなわち出願番号PCT/GB95/01303で記載されているように、エポキシ樹脂構成成分/架橋剤との反応の触媒、典型的なものではルイス酸もしくはルイス塩基も使用される。しかしながら本発明によれば、そのような触媒は使わない方が良い。触媒の代わりに以下に定義しているように成分d)を使用する方が便利である。
成分c)は、例えば公報番号EP−A−0 311 349で定義されているように、少なくとも1つの熱可塑性ポリアリールスルホン成分単位から成ることが望ましい。熱可塑性ポリアリールスルホン成分単位はエーテル結合の繰り返し単位からなる少なくとも1つのポリアリールスルホンからなっており、さらに必要ならばチオエーテル結合の繰り返し単位も含まれ、前記単位は
−(PhSO2Ph)n
と、さらに任意に追加される
−(Ph)a−
からなるグループから選択され、
ここで、Phはフェニレンであり、n=1から2であり、nは分数として存在していてもよく(can be fractional)、a=1〜3であり、aは分数として存在していてもよく(can be fractional)、平均して少なくとも2つの前記単位−(PhSOPh)n−が前記ポリアリールスルフォンのポリマー鎖に連続して存在するような割合で前記少なくとも1つのポリアリールスルホン内に繰り返し単位−(PhSOPh)n−が存在するならば、nが1を超えると、前記フェニレンは一価の化学結合又は−SO−以外の二価グループにより線状結合しているか、又混在している(fused)。ここで、前記少なくとも1つのポリアリールスルホンは、A’が二価の炭化水素基で、Yが活性水素、エポキシ、シアネート、イソシアネート、ビニル、アリル、エチニル、マレイミド官能性基を有するグループから選択される化学式−A’−Yの反応性ペンダント基及び/又は末端基を有する化合物である。
ポリアリールスルホン構成成分は、好ましくはポリエーテルスルホンから、更に好ましくは繰り返し単位と結びついたポリエーテルスルホンとポリエーテルエーテルスルホンの組み合わせから成る。そして前記単位において、フェニレングループはメタ−もしくはパラ−、好ましくはパラであるが、フェニレンは一価の化学結合もしくはスルホン以外の二価グループと線状結合しているか、ないしは共に混在している(fused)。様々な数値のnないしはaを有する単位を含む、ここで挙げた高分子鎖の平均的な前記値は、部分的サンプルにより決定される(by fractional reference is made)。
加えて、既に述べられているように、前記少なくとも1つのポリアリールスルホンにおいて、平均して少なくとも2つの単位(PhSO2Ph)nが、各々の高分子鎖の中で隣接位置にあり(immediate mutual succession)、前記繰り返し単位−(PhSO2Ph)n−対−(Ph)a−の相対割合は、各々1:99と99:1、特に10:90と90:10の範囲であることが望ましい。その比は典型的には25−50(Ph)a/(PhSO2Ph)n(25-50(Ph)a,balance(PhSO2Ph)n)である。好ましいポリアリールスルホンにおいて、繰り返し単位は
I XPhSO2PhXPhSO2Ph(”PES”)と
II X(Ph)aXPhSO2Ph(”PEES”)と
であり、ここでXはO又はSであり、これらは各繰り返し単位の間で異なり、IのIIに対する比は(それぞれ)10:90と80:20の間、特に10:90と55:45の間である。
好ましいポリアリールスルホンの繰り返し単位の相対割合はSO2の重量%で表されて、(SO2の重量)/(平均的な繰り返し単位の重量)の100倍として定義される。好ましいSO2の含有量は少なくとも22%、好ましくは23−25%である。これはa=1である時、PES/PEESの比が少なくとも20:80、好ましくは35:65と65:35の範囲にあることに相当する。
上記比率は既に述べられている繰り返し単位にのみ当てはまる。そのような単位に加えて、ポリアリールスルホンは他の繰り返し単位の最高50%、特に最高25%モルまで含まれている。好ましいSO2の含有量の範囲は(必要に応じて)高分子全体に適用される。そのような単位は、例えば以下の構造式で表される。
Figure 0003939356
ここでAは直接結合(direct link)、酸素、硫黄、−CO−もしくは二価炭化水素ラジカルである。ポリアリールスルホンが求核的合成(nucleophilic synthesis)の生成物である場合、その単位は、例えば1つもしくはそれ以上のビスフェノール及び/又はハイドロキノン、4,4’−ジハイドロキシビフェニル、レゾルシノール、ジハイドロキシナフタレン(2,6−及び他の異性体)、4,4’−ジハイドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジ(4−ハイドロキシフェニル)プロパン及び2,2’−ジ(4−ハイドロキシフェニル)−メタンから選択される、対応するビスチオールもしくはフェノール−チオールから誘導される。
仮にビス−チオールが使用される場合には、該チオールに対応するもの(in situ)が形成される。すなわち、例えば以下に記述されているようなジハライドは、アルカリハライドもしくはポリハライドもしくはチオサルファイトと反応する可能性がある。
前述の付加した単位の他の例は以下の構造式である。
Figure 0003939356
ここでQとQ’は、同じであるか異なっているが、COもしくはSO2である。Arは二価の芳香族ラジカルであり、nは0,1,2もしくは3であり、nはQがSO2ある場合にはゼロではない。Arはフェニレン、ビフェニレンもしくはターフェニレンから選択される少なくとも1つの二価の芳香族ラジカルであることが好ましい。特別な単位は次の構造式を有する。
Figure 0003939356
ここでmは1、2もしくは3である。高分子が求核的合成の生成物である場合には、そのような単位は、例えば4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,4’ビス(4−クロロフェニルスルフォニル)ビフェニル、1,4ビス(4−ハロベンゾイル)ベンゼンと4,4’−ビス(4−ハロベンゾイル)ビフェニールから選択される1つ以上のジハライドから誘導される。
それらは、もちろん、対応するビフェニールから部分的に誘導される。
ポリアリールスルホンはハロフェノール及び/又はハロチオフェノールからの求核的合成の生成物である。求核的合成において、塩素もしくは臭素などのハロゲンが銅触媒の存在下において活性化される。そのような活性化は、仮にハロゲンが電子吸引基により活性化されるのであれば、しばしば不必要である。どのような場合にも、フッ化物は通常塩化物より活性が高い。いかなるポリアリールスルホンの求核的合成も、化学量論的量を超えて最高10%モルまでの1以上のアルカリ金属カーボネートの存在下に、150〜350℃の温度範囲で、芳香族スルホン溶剤中で行なわれるのが好ましい。
必要に応じて、ポリアリールスルホンは電子求引的な合成の生成物でもよい。既に述べているように、前記した少なくとも1つのポリアリールスルホンは化学式−A’−Yの末端基及び/又はペンダント基を有し、ここでのA’は二価の炭化水素基であり、好ましくは芳香族である。そしてYはエポキシグループもしくは架橋剤もしくは他の高分子の類似したグループと反応するグループである。Yの例は、活性水素、特にOH、NH2、NHRもしくは−SHを有するグループである。ここでRは最高8つの炭素原子を含むか、または他の架橋結合反応のある、特にエポキシ、シアネート、イソシアネート、アセチレンもしくはビニル、アリルまたはマレイミドとしてのエチレンを有する炭化水素グループである。
ポリアリールスルホンの数平均分子量は2000から60000の範囲内にあることが望ましい。好ましくは9000とくに10000以上、例えば11000から25000の範囲がよく、それと同様に架橋結合された複数の熱硬化ゾーンの間に丈夫な熱可塑性ゾーンを設けることによってのみ、構造的なことだけでなく、化学的相互作用によって、熱硬化樹脂のみの場合と比靱して強靭さ(toughness)が増加する。別の有効な下位概念に相当する分子量の範囲は3000〜11000、特に3000〜9000であり、この範囲のものは、架橋結合を分離し、希釈して構造を丈夫にして、熱硬化樹脂の鎖を広げるもの(chain-extender)として働く。上記ポリアリールスルホンの定義の中で、適切なエポキシ樹脂前駆体と相溶性があるものが好ましく、そのようなポリアリールスルホンは、高い弾性係数(modulus)とTgを持ち、丈夫である。
組成物内の熱可塑性成分の重量割合は典型的には5から90%、特に20から50%、例えば25から40%の範囲である。
成分d)は熱硬化性樹脂のエポキシもしくはハイドロ基や熱可塑性樹脂のA’Y基といった、反応性ペンダント(pendant)基及び/又は反応性末端基と架橋結合を生成可能な有機金属化合物もしくは化合物から選択されるのが望ましく、望ましくは昇温された望ましい条件下におかれた時にのみ、本発明の樹脂組成物が有利な反応性を示す。成分(d)は以下の構造式I
(I) M(R)n
の有機金属錯体化合物のクラスからなり、
ここで、Mは有機配位座の配位子(organic ligand)を配位できる適切な金属であり、Rは既知のモノ−、ジ−、トリ−有機配位座の配位子(organic ligand)から選択され、nは金属や活性中間生成物もしくはそれらの混合物の配位数である。好ましくは、Mは遷移族(transition element)やランタニド、好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、セリウム、バナジウム、ニオブ、更に好ましくはチタンとジルコニウムから選択され、そのためnは4か6である。
Rは、1またはそれ以上の求核基又は成分、例えば直鎖又は分岐鎖、短鎖又は長鎖のアルコール、アミン、酸、エステル、リン酸塩(phosphate)、ケトン及び無水物又はそれらの類似物から選択され、これらは必要に応じて反応性を付与され(be additionally functionalised)、そしてモノ−、ジ−、トリ−及び/又はテトラ−配位座の配位子の組み合わせ、好ましくは1またはそれ以上のジ−、トリ−またはテトラ−配位座の配位子とモノ−配位座の配位子の混合物からなり、望ましくは多重配位子座又はキレートの配位子は、例えばグリコール、アルカノールアミン、α−ヒドロキシ酸、β−ケト−エステル及び酸フォスフェートとそれらの組み合わせである。具体的には成分d)はオルガノチタネートから成り、その中で有機配位座の配位子の2つはアルコールなどのモノ−配位座の配位子から成り、さらに2つは以前定義したようにジ−配位座キレート配位子から成っている。しかしながら、配位子は多様なタイプと組み合わせ(multiplicity and type)で存在しても良い。
成分d)は少なくとも一部分は、多重核錯体、オリゴマー的またはそれらの組み合わせ生成物(multinuclear complex oligometric or combination products)を形成するために予め反応された以前定義した化学式Iの化合物のある量から成っている。
オルガノチタネートは既知であり、例えばTioxides Specialities社から入手でき、合成・自然製品の製造及び加工において多くの出願で用いられている。しかしながらそのような化合物の広い範囲の出願は、広い範囲の効用と相関性があり、それにより詳細な実験を行うことなく、特定の用途におけるそれらの性質もしくはそれらの効果を予想することは不可能である。本発明によれば、適切な方法で特に以前定義したようにオルガノチタネートを含む場合、適切な方法で成分d)を用いることで、特に低い温度で、有利に機械的そして物理的特性を悪化させることなく好ましい実施の形態で、有利に以前定義した熱硬化性樹脂を架橋することができることが発見された。本発明の特に好ましい実施の形態において、あるオルガノチタネートは熱硬化性樹脂を以前定義したように、オルガノチタネートを用いないで製造した対応する樹脂より優れた形態学的特徴(morphologies)を有すことが可能である。
特に本発明の有利な実施の形態において、有機金属化合物d)は、以前定義した成分a)、b)そしてc)の性質、もしくは条件に合った製造時の温度・時間・機械的もしくは物理的特性などのどちらかにより、その特定の用途に合うものが選択される。
それゆえ、本発明によれば以前定義されたように成分a)、b)そしてc)そして成分d)から成る熱硬化性樹脂組成物が用いられる。ここで成分d)は1またはそれ以上の化学式IIで表されるオルガノチタネートからなる。
(II) Ti(R’)4
ここで、R’はRを参考に以前定義された有機配位子から選択され、好ましくは例えば、n−又はi−プロピル、n−,i−又はt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルもしくはオクチル部分(moieties),そして活性中間生成物もしくはそれらの混合物などの第1級、第2級及び第3級のC2−C18の部分から選択される。
本発明の特に好ましい実施の形態においては、以前定義された化学式IIの化合物は、以前定義されたアルコールやアミンから選択された1またはそれ以上のモノ(monodentate)配位座の配位子と任意に以前定義されたようにグリコール、アルコール、アミン、α−ヒドロキシ酸、β−ケトエステル及び酸フォスフェート(acid phosphates)から選択される1つまたはそれ以上の二配位座の配位子との組み合わせから成っている。好ましくは、化合物の他の成分と相性が良く、架橋結合の望ましい強度(rigidity)とを有しているような、以前定義されたC2−C18の適切なカーボン鎖結合から成る配位子からなることである。
好ましくは成分d)は溶剤や同様のものを加えず活性樹脂として計算して(calculated)、15部重量までの量の内で、好ましくは0.5部を超えた量で用いられ、例えば1から12部重量の範囲、さらには成分a)からc)の全重量に対して3から10重量部の範囲で存在する。成分d)の量は架橋結合している成分a),b),c)や例えばオルガノチタネートといった特別な成分d)の性質により決定される。
本発明の特に有利な実施の形態において、優れた形態学特性(morphological properties)、典型的には連続した優れた形態学特性を有する、公報番号EP−A−0 311 349で記載されているような熱可塑性成分のある量を含む熱硬化性樹脂は、以前定義されたある成分d)の使用で得られる。
さらにガラス転移(transition)温度のような他の特性や、降伏圧力(yield stress)、弾性率(modulus)、延性(ductility)、その他の同様の機械的特性は、本発明により優れたものとなる。特に、以前定義された成分d)から成る化合物は、優れた機械的・物理的特性を有する架橋生成物を提供することを見出した。その中で少なくとも1つ、好ましくは2つのグループRが、求核的なキレート配位子から成り、特にはキレートアルコールアミン、β−ケト酸、−エステル及び−ケト及びそれに類似したものから選択される2又はそれ以上の配位子から成るものが良い。
以前定義された成分a)からd)は市販されており、又は成分a)からc)の使用は、既に記述した公報番号EP−A−0 311 349すなわち出願番号PCT/GB/95/01303で開示されている。
以前定義した成分d)は、例えば市販されているテトラクロロ化合物から、アルコールとの置換反応やさらに適当なもので置換することにより入手できる。事実、化合物n−プロピル、イソプロピル、t−ブチルチタネートは,工業的に製造される。それにより、望ましい成分d)の製造は以下の反応式により製造される。
Ti(O−iC374+4ROH→Ti(OR)4+4iC37OH
ここでRは以前定義したように成分d)と同様に定義される。
本発明のさらなる実施の形態において、以前定義したように成分d)で定義した有機金属化合物からなる成分d)を含む成分a)、b)及びc)で以前定義した熱硬化性樹脂の架橋に使用される組成物を提供する。
本発明のさらなる実施の形態において、以前定義した熱可塑性樹脂で変性させた熱硬化性樹脂の架橋に以前定義した成分d)の製造の際に、以前定義した化学式Iの化合物が使用される。
本発明のさらなる実施の形態において本発明に従い、以前定義した熱可塑性樹脂で変性した熱硬化性樹脂の架橋に以前定義した成分d)を使用するために、以前定義した化学式Iの化合物の製造の際に前駆体もしくは中間生成物が使用される。
その組成物は,荷重、又は耐衝撃性の構造を含む,構造体の組み立てに特に適している。この目的のために繊維のような増強剤を含んでも良い。繊維は,例えば約6mm、平均繊維長は2cmを以下、またはさらに短くされうる。あるいは、そしてむしろ、繊維は連続的であり,例えば、一方向に方向付けられた繊維、または織り繊維である。即ち、この複合物はプレプレグから成る。短い、及び/又は、さらに短くされた繊維と、連続的繊維との組み合わせは有用である。この繊維は、サイズ化又は非サイズ化される。繊維は大抵5〜35重量%濃度で、好ましくは最低20重量%で添加される。構造体に応用するには、例えばガラス繊維又はカーボン繊維のような連続繊維を使うことが望ましく、特に30から70容量%、50から70容量%の濃度が望ましい。
その繊維は、特にポリパラフェノレンチレフタルアミドのような硬いポリマーからなる有機物でありうる。或いは無機物でもありうる。無機繊維ガラスのなかで、「E」や「S」のような繊維、又はアルミナ、ジルコニア、シリコンカーバイドや他のセラミクスや金属などの化合物が使用可能である。もっとも相応しい強化繊維は、カーボン、特にグラファイト繊維である。この発明において特に有用であることが発見されたグラファイト繊維は、アムコ社の商品名T650−35、T650−42、T300;東レによる商品名T800−HB;及びヘラキュールスによる商品名AS4、AU4、IM8及びIM7がある。
有機繊維又はカーボン繊維は望ましくはサイズ化されないか、もしくは望ましくない反応をすることなく液体前駆体組成物に溶け、本発明の熱硬化性/熱可塑性組成物の両方に結合するという意味で、本発明の組成物と相性(compatible)な物質でサイズ化される。特に、非サイズ化されたまたはエポキシ前駆体又はポリアリールサルフォンのような熱可塑性物でサイズ化されたカーボン繊維又はグラフィト繊維が好ましい。無機繊維は好ましくは、繊維とポリマー組成物の両方に結合した物質でサイズ化されたものである;例えばガラス繊維に適用される有機−シランカップリング剤がある。
その組成物は、例として反応性グループをもつ液状ゴムのような従来の強化剤(toughening agents)を含み、ガラスビーズ、ゴム粒子、ゴムで覆われたガラスビーズのような骨材(増量剤;aggregates)、ポリテトラフルオレチレン、シリカ、グラファイト、ボロンナイトライド、マイカ、タルクとバーミキュライト、顔料のような充填剤、核生成剤(nucleating agent)、またフォスフェートのような安定剤が含まれる。ポリスルフォン/熱硬化性混合物の合計の容量%として、そのような物質のグループ及びいかなる繊維状の増強剤も、少なくとも20容量%になっていなければならない。繊維とそのような他の物質の割合は、以下に定義される温度で架橋された後の組成物の合計で計算される。
第一の前駆体組成物はポリスルフォンと熱硬化性前駆体と(場合によっては)繊維性増強剤と他の物質を混合して得られる。溶剤も使用される。その溶剤とその配合割合は選択され、ポリマーと樹脂前駆体の混合物は少なくとも安定したエマルジョン、好ましくは安定した外見上は単一の相溶液が形成される。ポリスルフォンに対する溶剤の重量割合は5:1から20:1の間が好ましい。溶剤の混合物を使用することが好ましく、例えばハロゲン化された炭化水素とアルコールを99:1から85:15の間の割合で使用する。そのような混合物の中の溶剤は1気圧、100℃のもとで沸騰させ、また使用される混合割合では、相互に溶けて混ざり合わせなければならない。それに代えて、ポリサルフォンと熱硬化性又は前駆体は、ホットメルト及び/又は高せん断(high shear mixing)により混合される。
その混合物は充分均一に混合されるまでかき混ぜられる。従って、濃縮された第一組成物前駆体を作り出すため、蒸発によりすべての溶剤は取り除かれる。蒸発は50〜200℃が適し、その最終段階では、例えば13.33Paから1333Pa(0.1から10mmHg)の範囲の大気圧に近い気圧(subatmospheric pressure)でよい。濃縮された第一組成物前駆体は、繊維が成分として含まれる場合の混合物の流れを補助するため、最高5%w/wの揮発性溶媒を含んでいることが好ましい。この残りの溶媒は混合機(impregnating machine)のホットローラから接触させることで取り除ける。
安定したエマルジョンは適切に貯蔵される。次に、適切な状態(suitable nature)と量で架橋剤の添加及び/又は温度の変化や溶剤の付加又は除去によって、エマルジョンは望ましい程度にまで非安定化(destabilized)されなければならない。そこで、架橋触媒成分d)が添加される。その液体は、両成分の統一された分配を確保するためかき混ぜられ、そして冷やされて安定したエマルジョンとして貯蔵される。
以上、成分d)が室温で又は室温に近い温度で大抵液状であるということが、本発明の利点である。
既知の方法により、この発明の組成物は架橋される。樹脂液体の形を取るその組成物は、パネル、プレプレグかそれに類似したものの製造のために、適当な脱気温度に予め温められた適当な鋳型か器具に移されることが好ましい。
その安定したエマルジョンは、増強(reinforcing),強化(toughening)、充填,求核用の物質か剤かまたはそれに類似したものと混ぜ合わされ、そして温度は架橋温度まで上げられる。適度な架橋は最高150℃まで昇温して行われ、好ましくは100から130℃の範囲が好ましく、さらには約120から125℃がより好ましい。また、ガスの抜けによる変形効果を抑えるため、また空隙ができるのを抑制するため、最高10バールまで、望ましくは3〜7バール(abs)まで昇圧される。
好ましくは架橋温度は、例えば2℃から3℃/秒のように、最高5℃/秒で高められ、そして例えば3〜4時間など、最高9時間、好ましくは6時間その温度を保つ。例えば3℃/秒など、最高5℃/秒の割合で冷されて、その間に圧力も低下される。大気圧において150℃〜180℃の範囲の温度で、後架橋が行われる。生成物のガラス化温度その他を改善するために適度な加熱速度が保たれる。
すでに存在するか又は新たに添加された揮発性溶剤を含んでいる可能性のある濃縮された第一組成物前駆体は、発泡状態で成形することにより、例えば接着剤又は表面被被覆剤又は固形構造体を作るのに使用される。短い繊維増強剤は、それらの架橋より前に組成物前駆体と混合される。繊維により増強された組成物は、本質的に連続した繊維を、前記前駆体組成物と接触させながら通すことにより製造される。その結果生成された繊維を含む増強剤は、単独もしくは、例えば同一又は異なったポリマー、又は樹脂前駆体又は混合物などの他の物質と共に、成形品を形成するために使用される。この技術は、EP−A−56703,102158又は102159により詳しく記述されている。
更なる方法は、完全には架橋されていない組成物を以下のようにフィルムにすることから成る。例えば、圧力成形、押し出し成形,溶融成形,又はベルト成形(belt−casting)をし、混合物を流動化し、繊維を含ませ、また最後に得られるラミネートを架橋させるために充分な温度と圧力のもとに、例えば比較的短い繊維の不織マット、織布又は実質的に連続した繊維などの形にして、繊維により補強された剤(agent)の形にしたフィルムをラミネートする。
特にEP−A56703,102158,102159の一つ,又はそれ以上の製法により製造された、繊維で増強された剤(agent)の層(plies)は、例えばオートクレーブ、バキューム又は圧力成型器又は温められたローラーによって、熱硬化性樹脂の架橋温度より高い温度で、もしくは架橋がすでに行われている場合であれば混合物のガラス化温度より高温で、継続して少なくとも120℃、特に150℃で、特に1バール、好ましくは1から10バールの範囲のもとで、熱と圧力によりラミネート化される。
得られた多重層のラミネートは異方性(anisotropic)であり、その中で繊維は連続性を持ち、一方向性であり、実質的に互いに平行に向くか又は疑似等方性(quasi-isotropic)に方向付けられ、大抵の疑似等方性ラミネートでは、繊維が、上下の層の中で互いに、望ましくは45°の角度に方向付けられ、しかし、例えば30°か60°か90°、又は中間の角度もとりうるように配向されている。異方性と疑似等方性の中間、又はラミネートの組み合わせの方向性を持つようにすることができる。
ラミネートは少なくとも4、好ましくは少なくとも8つ層を含む。層の数はラミネートの用途に依存するものであり、例えば強さが必要であれば、32かそれ以上、例えば数百のような層を含むラミネートが望ましい。ラミネートの中(interlaminar regions)では上記に述べたように,集合が起こり得る(be aggregate)。織布繊維は、疑似等方性、又は異方性と等方性の中間の例である。
本製法により入手された安定なエマルジョンは、商業的に取り扱われ得る寿命長さのポットライフを持つ。
したがって、本発明の架橋性樹脂組成物の製造方法に従い、成分a)とc)が適当な方法により組み合わされ、次に成分b)が適当な方法で混合され、続いて適切な溶剤,希釈剤(diluents),加熱及びそれに類似した適切な条件下での成分d)の混合が行われる。場合により、増強剤又は強化剤(reinforcing agent or strengthening agent)、充填剤及びその他の添加物が適切な方法で混合される。
製法は、その成分と望ましい結果に相応しいように行われる方がよい。例えば、架橋結合に先立ち、2つ又はそれ以上の成分と残る成分とを前もって反応させておくことが望ましい。しかしながら、前に定義したよう方法を採用することにより最善の結果が得られる。
前に定義されたように成分a)とc)を含む組成物と、前に定義された成分b)とd)を含む組成物又はその他追加的な物質又は剤(agents)から成る組成物とその架橋を始めることが、本発明の更なる実施の形態として挙げられる。
好ましくは、前に定義した方法は成分a)、b)及びc)だけからなる対応する組成物に必要な温度以下で、しかし架橋に必要な時間と等しい時間の間、架橋するすることで、架橋樹脂組成物を得る事に特徴がある。特にその中又は上で樹脂組成物を架橋させる成型体(鋳型)又は道具を構成する物質はどのような場合でも熱に敏感になる温度より低い温度で架橋させることが望ましく、昇圧下に150℃と等しいかそれ以下の温度で、さらに3〜7バールの範囲の圧力で135℃と等しいかそれ以下の温度で架橋させる事が望ましい。
前記組成物は、6時間又はそれ以下、好ましくは4時間又はそれ以下、最も好ましくは3時間又はそれ以下の時間の間架橋されることが望ましい。
本発明の他の実施の形態では、適切な成型体(鋳型:mould)又は器具(tool)の中、又は、例えば、大気圧と必要な時間、温度を維持するなど、適当な圧力で望ましい架橋温度に組成物をおくことで架橋させるに等しい状態において、架橋性の樹脂組成物を得ることからなる架橋した熱硬化性樹脂を製造する方法を提供する。望ましくは、架橋温度は前に定義したように、昇圧下で150℃と等しいかそれ以下とすることが好ましいが、使用される成型体又はそれに類似したものの感熱度に基づき選択される。望ましくは、架橋時間は前に定義したようにして決められる。
前述の架橋の間は前に定義したように,本発明による組成物を含むか又は支持するための混成成型体(composite mould)又は器具(tool)の使用を提供することが、本発明の更なる実施の形態である。そのような混成器具(composite tool)は、高すぎる架橋温度が用いられた時の高すぎる架橋温度に対する耐熱性が施されたエポキシ又はビス−マレイドなどの適当な不飽和ポリエステル又は熱硬化性樹脂により構成されていることが望ましい。ガラス繊維を加えて強度を高める。本発明による通常の使用形態で混成成型体が製造される。
本発明の更なる実施の形態は、前に定義した方法により、前に定義し得られた組成物を含むプレプレグを生成することである。
本発明の更なる実施の形態は、前に定義した方法により得られた熱可塑性変性の熱硬化性樹脂の成形された製造物である。そのような製造物は,前に定義された車、モーターバイク、キャラバン又はモービルホームパネルから選択され、又は限定された数又は限定された期間のみ製造される、前に定義した家具組成から選択される。さらに好ましいのはそのような物質が例えばレーシングカーの車体のように、乗り物の本体であることである。
本発明は,以下の実施例を参照しながら説明するが、これらの実施例だけに制限されたものでない方法として、説明される。
実施例1−本発明の樹脂組成物成分(neat resin)の製造
適切な樹脂組成物は、重量部単位で表される以下の方法に従い製造された。各エポキシ樹脂成分のMY0510とPY306のそれぞれ24.8部と25.8部が500cm3のスズ容器(tin)内で約40℃に温められる。溶解の過程において、以下に述べる方法により生成された、40:60のPES:PEESの割合、RV0.26と-NH2末端のポリアリールスルフォンを含んだ熱可塑性樹脂成分の30部は、ジクロロメタンにあらかじめ溶解しており、これは前記2つの混ぜ合わされたエポキシに加えられた。そして沈殿したポリマーの溶解を促進させるために温められた。分散を助けるため、他のいくつかの溶剤とともに、触媒成分DDSの19.6部が加えられた。樹脂溶液の製造のため、この段階で溶剤量を減少させ、チタネート架橋成分(活性重量)の5部が混合された。
280℃まで上昇させた温度のもとで、場合によっては炭酸ナトリウムと共に炭酸カリウムの存在下に、ハイドロキイノン(10〜40部)と4,4‘-ジヒドロキシジフェニルスルフォン(40〜10モル部)が4,4‘-ジクロロジフェニルスルフォン(DCDPS)(50モル部)で例示されるように、適当な芳香族ジハロ-化合物とジハイドリックフェノールを互いに反応させることにより、この実施例で使用されるポリアリールスルフォンは合成された。過剰のDCDPSが使用された合成物と前述の生産物は、アミノ末端グループを生成するため、m−アミノフェノールとさらに反応させた。ポリアリールスルフォンは、40:60RES:PEES割合と0.26RVとアミノ末端グループが特徴である。
以下に示す有機チタネートを使用して実施例1の製法によって、必要ならば溶剤を加えて、それぞれ活性な5重量部ずつの、実施例1の架橋成分としての組成物が得られた。
1a.Tilcom TIPT (テトライソプロピルチタネート)
1b.Tilcom I0T (イソオクチルチタネート)
1c.Tilcom TNBT (テトラ-n-ブチルチタネート)
1d.Tilcom OGT (オクチレングリコールチタネート)
1e.Tilcom TET (トリエタノールアミンチタネート)
1f.Tilcom AT23 (アルカノールアミンチタネート)
1g.Tilcom TAA (チタニウムアセチルアセトン)
1h.Tilcom IA10 (チタニウムキレート溶液)
1i.Tilcom P12 (チタニウムアセチルアセトン(非結晶))
実施例2.
本発明による後架橋樹脂成形物の製造である。
実施例1で述べた樹脂は、望ましいガス抜き温度に前もって温められた15cm×10cmの金属鋳型に流し込まれる。そして樹脂液体は真空下で45分間ガス抜きされ、その後オーブンの温度は125℃の架橋温度まで高められ、真空状態から解放する。
樹脂の架橋は、スパチョラでその表面を突くことにより、30分おきに確認される。樹脂の表面がゲル状になったことをもって、架橋が完了したものとする。
実施例2の方法は、組成物1aから1iにすべて実施された。
比較例1
実施例1の過程は、前に定義した有機金属成分d)を除いて、繰り返された。
このようにして得られた組成物は、実施例2の方法に従い、125℃の架橋温度で、比較対象の樹脂成分の製造のために使用された。180℃の架橋温度の下にこの比較例が繰り返された。
組成物1a−1i、また比較例1のために得られた架橋温度と架橋時間を説明する以下の表1に、結果が示される。
Figure 0003939356
表1において使用されたチタネート量は、チタネート成分に関し、活性を与える5重量部となるように計算された値が使用されている。
表1から,工業的的生産上、多大な可能性を秘めた劇的に架橋時間を短縮することを示しているという点において、本発明の組成物が比較例のそれよりも優れているということは明らかである。
例1e、1fおよび1gにより得られた架橋物質は、既知の実験に従い昇温下で架橋された比較例のそれと比較され得る、又は区別不可能なほど、品質の完全さを示している。
実施例3
組成物1e、1fおよび1gの使用とともに実施例2の方法が繰り返されたが、各有機金属成分d)の量は変えた。得られた組成物は実施例2の方法に従い125℃の温度で架橋され、また樹脂パネルを架橋する際、その変化が監視された。
表2にその結果を示す。
Figure 0003939356
実施例4
多様な機械的、熱的性質を測定するため架橋時間を種々変化させて、組成物1e、1f、1gおよび比較例を使用し、実施例2の方法が繰り返された。表3と表4にその結果を示す。
Figure 0003939356
Figure 0003939356
表3より、成分d)と架橋時間の適切な選択により、ガラス転移温度が影響されることは明らかである。好都合なことにガラス転移温度(Tg)は相応しい成分d)の選択をすることで架橋温度とは関連性がなくなる(decoupled)。成分d)をそれぞれ含む組成物を125℃で6時間架橋した後の組成物1eと1gの架橋樹脂成分はそれぞれ133℃と139℃のTgを示す。
表4より、架橋された樹脂の降伏応力(yield stress)、弾性係数(modulus)、Kc,Gcおよび延性(ductility)の機械的性質の変化は使用する成分d)に典型的で依存し、架橋時間についてはほとんど変化を示していないことが明らかである。このことにより実質的に架橋は、より短時間で完成され、また連続した熱にさらされてもほとんどあるいは全く劣化することがないことが示されている。
実施例5
既知のようにTEMを使用することにより、組成物の形態学的性質(morphology)が決定される。形態学的性質(morphology)は共連続性(co-continuous)、相転化(phase inverted)およびそれらの組合せ、さらに架橋樹脂の強度(toughness)効果として分類される。
図1と図2には、本発明によるそれぞれ比較例1と組成物1eの形態学的性質が示される。比較例1の樹脂の共連続性(co-continuous)に関する形態学的性質に、成分d)が何の変化も引き起こさなかったということは明らかである。しかしながら、そのなかに含まれる相転化(phase inverted)タイプのミクロ構造に基づく別の(additional)魅力的な特徴が導きだされた。
実施例6−本発明の組成物のプレプレグの製造
各エポキシ樹脂成分のMY0510とPY306のそれぞれ24.8部と25.8部と40:60のPES:PEESの割合、RV0.26と-NH2末端のポリアリールスルフォン30部(全固体重量に対して)を含んだメチレンクロライド55%(固体含有量)溶液はポリアリールスルフォンの溶液をメチレンクロライド中で撹拌することで、2つのエポキシ樹脂前駆体と80〜120℃で溶融溶解(melt-mixing)して製造される。
余計な溶剤を取り除き、透明な液体が得らるために80〜120℃に温められる。そこで架橋剤DDSの19.6部が加えられ,均一に分散するまで撹拌され、5部の活性重量部と同等のティタネート架橋成分6.66部が加えられる。得られた粘性のある液体混合物は冷やされ、そして使用されるまで0℃で貯蓄される。
サイズ化されていない連続性のコリメート(continuous collimated)カーボン繊維(ハレキュール社のAS4グレードと同様に入手できる)には、36%w/wの樹脂を含み、また1%w/w%以下の揮発性のプレプレグテープを生成するために、この液体と蒸発させた溶剤を含ませる。プレプレグは基準の真空袋技術と以下のような架橋サイクルを使用し、適切な積み重ね技術(lay-up)を用いて、オートクレーブ中でパネルへ成形される。
3〜7バール(abs)に保たれた圧力で2℃/分、125℃で熱する;
真空袋を通気した状態で3−7バール(abs)に保たれた圧力で125℃に6時間保つ;
3℃/分以下で室温まで冷やす。
実施例6の架橋成分としての次の有機チタネートを使用して実施例6の方法により、架橋された組成物が得られた。
6:
6e:チルコンTFT(トリエタノールアミン チタネート)
6g:TAA(チタネート アセチルアセトン)
6i:P12(チタニュームアセツルアセトン(非結晶))
比較例2
本発明によらない比較の架橋生成物を得るために、以前定義した有機金属成分d)を用いないで実施例6と同様の方法を実施した。
実施例7
種々の機械的及び熱的性質を決定するために、使用するチタネートの量と架橋時間を変えて成分6eと6iを使用して実施例6の方法を繰り返した。
一方向性の組成物(uni-directional composites)の機械的、熱的性質が決定される。組成物(composites)は125℃で5時間の条件で架橋され(以下架橋1とする)、試験結果が得られた。組成物は更に180℃で2時間の条件で後架橋され(以下架橋2とする)、更に試験結果が得られた。その結果は表5と6に示される。
Figure 0003939356
Figure 0003939356
TFS(Trans Flexural Strength)とSBS(Short Beam Shear)の値はマトリックス樹脂の樹脂間結合(interfacial bonding)と密着力(cohesive strength)が共に低いことを示している。40から50の間のMPaSBSの値は弱い樹脂間結合(被膜間(inter laminar)のクラッキングの原因となる)とマトリックス樹脂のもろさを示す。これは架橋1に属する生成物が不完全に架橋されているということである。明らかに比較例と組成物6eのSBSの値は低い。このシステムでは、組成物6iのチタネートの量が増加するにつれ、被膜間の強度の増加を示唆するSBSの値も増加する。
よって、この結果は組成物6iは対応する比較例2よりも架橋1の後に、さらに急激にゲル化ポイントへ到達することを示している。
全ての例から得られるこの弾性係数値(modulus values)は同様である。
架橋2の後の弾性係数とTFSの値に関しては、全ての場合において弾性係数が増加していることは、架橋結合密度(cross-linked density)が後架橋で増加することを強く示唆していることは明白である。TFSの値は、また、後架橋の間に架橋の程度と架橋結合密度が非常に増加することを示唆して、全ての場合で十分に高くなっている。この架橋の程度の増加はマトリックスの密着力(cohesive strength)と繊維マトリックスの樹脂間結合(interfacial bond)を促進する。
従って、この発明の組成物は、好ましい機械的性質を持つ架橋システムを提供するために第一段階、第二段階の架橋と後架橋をすることが適していることは明らかである。注目すべきは架橋1の後に得られる中間の性質で、これはこの発明の組成物がオートクレーブから取り除かれるように十分にゲル化され、通常の気圧下での架橋装置で後架橋されることを意味する。これに対し、比較例の組成物は、樹脂や組成物の構造を悪化させることなしにオートクレーブから取り除かれるにはゲル化が不十分である。
表6を参照すると、ガラス転移点(Tg)は125℃で5時間の架橋された組成物の組織(composite systems)でDMTAを使用することで決定された。この発明の組成物は比較例2の触媒を用いないものより高いガラス転移点を示す。しかしながら、一般に、組成物6i/5の例外はあるが、このガラス転移点は低い。これは従来のデータと一致し、不完全な架橋とエポキシネットワークの架橋結合の程度が低いことを示唆する。
さらに、TFSの後架橋された樹脂の機械的特性の変化は使用される成分d)によるところが多く、成分d)の量が変わっても少ししか変化せず、前架橋とオートクレーブを用いない後架橋の組み合わせで十分に完了することを示すように思われる。後架橋された弾性係数の特性は同じ条件のもとで架橋された比較例と比べて、悪化が無いかあるいは少なく、これは商業ベースの適用に十分に適することを示している。
よって、ガラス転移温度が架橋時間と成分d)の性質と量の適切な選択に影響されることは明らかである。好都合なことにガラス転移温度は適切な成分d)の選択すれば、架橋温度とは関連づけなくする(decoupled)ことができる。強固に架橋した樹脂6iは、125℃で5時間架橋した後には、それぞれ成分d)の1から5重量部からなる組成物において、約20度のガラス転移温度の変化を示す。
実施例 8
既知の方法によって、前の実施例の組成物の形態学的特徴(morphology)はTEMを使って決定された。形態学的特徴(morphology)は相互連続性(co-continuous)と相転化(phase inverted)とそれらの組合せに分類され、それからは架橋された樹脂の強さに影響を及ぼす。図1と図2はそれぞれ比較例2とこの発明による組成物6eの形態を示す。SEMは、成分d)の結合が、比較例2と比較した時に、組成物6i/1の樹脂の相互連続性(co-continuous)に関しては変化を引き起こさないということを示しているが、さらに魅力ある機械的特徴が、その中に相転化(phase inverted)タイプが含まれる微細構造(microstructure)によって誘導される。
組成物6iの3重量または5重量の形態学的特徴(morphology)は熱可塑性が多い相が連続して存在するようにすべての相が転化していることである。これは連続して存在する熱可塑性が多い相中に存在する多くのエポキシの粒子の形態学的特徴(morphology)からなるものと推定される。これらの構成では連続して存在する熱可塑性が多い相がマトリックスの機械的特性を支配する傾向がある。この結果、弾性係数(modulus)は低下し、マトリックスの密着強度は低くなる。相が転化した形態学的特徴(morphology)は溶剤に対する抵抗の弱さを示す。
しかしながら架橋2における組成物の機械的特性の進化(advance)が、その形態学的特徴の進化と改良(advancing and improvement)に影響することは注目すべきことと思われる。従って、通常の気圧でのフリースタンディングオーブンにおけるこの発明の組成物を後架橋する能力は、形態学的特徴(morphology)の発展を阻害することなしに成し遂げられようである。
従って、以前に定義されたようなこの発明による組成物と、実施例による組成物は、5時間に及んで180℃以上の、あるいはさらに15時間にまで延長された期間、例えば5時間を超えて、125℃の熱抵抗を持つ、組成物を鋳型中で作るのに非常にふさわしいということが明らかであろう。これはこの発明の新しい特徴である。

Claims (19)

  1. (a)エポキシ樹脂成分、
    (b)硬化剤成分、
    (c)所定量の反応性ペンダント基及び/又は末端基を有する熱可塑性ポリアリールスルホン成分、さらに、
    (d)有機金属硬化触媒成分からなり、
    成分(c)は、(i)エーテル結合の繰り返し単位又は(ii)エーテル結合の繰り返し単位及びチオエーテル結合の繰り返し単位からなる少なくとも1つのポリアリールスルホンを含み、前記繰り返し単位は
    −(PhSO2Ph)n−
    からなるグループ(A)から、または
    −(PhSO2Ph)n−

    −(Ph)a−
    を加えたグループ(B)から選択され、
    ここで、Phはフェニレンであり、n=1〜2で、分数として存在してもよく(can be fractional)、a=1〜3で、分数として存在してもよく(can be fractional)、aが1を超えると前記フェニレンは一価の化学結合または−SO2−以外の二価グループにより線状結合するか、もしくは共に混在し(fused)、
    前記ポリアリールスルホンの高分子鎖には、平均して少なくとも2つの前記繰り返し単位−(PhSO2Ph)n−が連続して(sequence)存在し、
    前記少なくとも1つのポリアリールスルホンは、A’が二価の炭化水素基で、Yが活性水素、エポキシ、シアネート、イソシアネート、ビニル、アリル、エチニル、マレイミド官能性基を有するグループから選択される化学式−A’−Yの反応性ペンダント基及び/又は末端基を有し、
    また、成分(d)は前記(a)のエポキシ樹脂成分と前記(c)の熱可塑性成分の反応性ペンダント基及び/又は末端基と架橋結合させるために用いられる化学式I
    (I) M(R)n
    の有機金属錯体化合物を含み、
    ここで、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、セリウム、バナジウム、ニオブから選択され、Rはモノ−、ジ−、トリ及び/またはテトラ配位座の有機配位子(organic ligands)から選択され、nは4または6である、
    架橋性組成物。
  2. 前記ポリアリールスルホン高分子鎖には前記グループ(B)に含まれる前記繰り返し単位(PhSO2Ph)nが平均して少なくとも2つ隣接位置にあり(immediate mutual succession)、前記繰り返し単位−(PhSO2Ph)n−対−(Ph)a−の相対割合は前記高分子鎖で各々1:99と99:1の範囲である請求の範囲1記載の組成物。
  3. 前記繰り返し単位は
    I XPhSO2PhXPhSO2Ph(”PES”)と
    II X(Ph)aXPhSO2Ph(”PEES”)で、
    ここで、XはOまたはSであり単位ごとに異なってもよく、IのIIに対する比は各々10:90と80:20の間である請求の範囲1又は2記載の組成物。
  4. 前記ポリアリールスルホンは前記単位−(PhSO2Ph)n−及び−(Ph)a−以外の他の繰り返し単位を最高50モル%まで含む請求の範囲1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記ポリアリールスルホンの数平均分子量は2000から60000の範囲内にある請求の範囲1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. 成分(a)は、芳香族ジアミン、芳香族モノ第1級アミン、アミノフェノール、多価フェノール、多価アルコール、ポリカルボン酸及びそれらの混合物からなる1又はそれ以上の成分のグループのモノ−又はポリ−グリシジル誘導体から誘導されるエポキシ樹脂である請求の範囲1から5のいずれかに記載の組成物。
  7. 成分(b)は、アミノ基当たり500までの分子量を有するアミノ化合物を含む請求項の範囲1から6のいずれかに記載の組成物。
  8. 成分(d)のMはチタンとジルコニウムから選択される請求の範囲1から7のいずれかに記載の組成物。
  9. 成分(d)のRは、
    (i)直鎖状又は分岐状の、短鎖又は長鎖のアルコール、アミン、酸、エステル、フォスフェート、ケトン及び無水物及び
    (ii)更に反応性が付与された前記(i)
    及び
    (iii)これら(i)及び/又は(ii)の組み合わせ
    から選択された1またはそれ以上の求核基(nucleophilic units or moieties)を含む有機配位子である請求の範囲1から8のいずれかに記載の組成物。
  10. 成分(d)のRは、単座配位子と1またはそれ以上の2座配位子、3座配位子又は4座配位子との組み合わせからなり、これらの配位子はグリコール、アルキルアミン、アルファ(α)−ヒドロキシ酸、α−ケト−エステル及びリン酸とそれらの組み合わせから選択される請求の範囲1から9のいずれかに記載の記載の組成物。
  11. 成分(d)は、前記配位子は請求の範囲10に定義した前記有機配位子のうちの2つが単座配位子を含み、さらに2つは2座配位子のキレート配位子を含む有機チタネートからなる請求の範囲10に記載の組成物。
  12. 成分(d)は、少なくとも部分的に予め反応させた多核錯体、オリゴマーまたはこれら多核錯体やオリゴマーの組み合わせ生成物を形成した、前記に定義した化学式Iの化合物を含む請求の範囲8から11のいずれかに記載の組成物。
  13. 成分(d)は、化学式IIで表される1またはそれ以上のオルガノチタネートからなる、
    (II) Ti(R’)
    ここで、R’は請求の範囲9または10でRで定義された有機配位子から選択され、炭素数が2から18の第1級、第2級及び第3級炭素を含む配位子から選択される請求の範囲1から12のいずれかに記載の組成物。
  14. 成分(d)は、(i)請求の範囲9または10で定義されたアルコールとアミンから選択された1またはそれ以上の単座配位子、又は
    (ii)前記単座配位子とグリコール、アルコール、アミン、α−ヒドロキシ酸、α−ケトンエステル及びリン酸から選択される1つまたはそれ以上の2座配位子との組み合わせ
    を含む請求の範囲13記載の組成物。
  15. 更に、反応基を有する液状ゴム、骨材(増量剤;aggregataes)、ガラスビーズ、ゴム粒子、ゴム被覆ガラスビーズから選択される増強剤(toughning
    agent)、ポリテトラフルオロエチレン、シリカ、グラファイト、ボロンナイトライド(窒化ホウ素)、雲母、タルク及びバーミキュライト、ピグメントから選択される充填剤、核生成剤(nucleating agents)、及び安定剤を含む請求の範囲1から14のいずれかに記載の組成物。
  16. 請求項1記載の架橋性組成物を
    最初に最高150°までの昇温・昇圧下にゲル状態になるまで架橋し、次に最高180℃までの昇温・大気圧下で後架橋が行われる、
    ことを特徴とする成形物の製造方法。
  17. 請求項1記載の架橋性組成物に繊維増強剤(reinforcement)を加えて、
    最初に最高150°までの昇温・昇圧下にゲル状態になるまで架橋し、次に最高180℃までの昇温・大気圧下で後架橋が行われる、
    ことを特徴とする成形物の製造方法。
  18. 前記請求項16又は17記載の方法で得られる成形物。
  19. 架橋は100〜130℃の範囲の昇温下で行われ、後架橋は150〜180℃の範囲の昇温下で行われる請求の範囲16又は17記載の製造方法。
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