JP3939144B2 - 情報処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部回線を利用した通信機能を有し、通信回線接続用のコードの端末に設けられたモジュラプラグが挿し込まれるモジュラジャックを備えた情報処理装置、及びモジュラジャックに対してモジュラプラグが抜け出し不能なロック状態を解除するためのモジュラプラグのロック解除方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電話機を建物内に引き込まれた電話線と接続するため、モジュラジャックとモジュラプラグとの組み合わせによる接続構造が用いられており、この接続構造は、各種の情報処理装置と電話回線との接続の用途にも広く利用されている。また、LANなどの通信回線の接続の用途にも、電話回線と概ね同一の形態のモジュラジャックとモジュラプラグとの組み合わせよる接続構造が用いられている。
【0003】
この種の接続構造では、モジュラジャックからモジュラプラグが容易に外れないようにするため、モジュラプラグに設けられた係止レバーをモジュラジャックに係合させて、モジュラジャックからのモジュラプラグの抜け出しを阻止するロック機構が採用されており、モジュラジャックにモジュラプラグが結合された状態で先端部がモジュラジャックの外部に突出するように係止レバーが延出され、この係止レバーの先端部を指で摘むことで係止レバーのモジュラジャックに対するロック状態が解除されて、モジュラジャックからモジュラプラグを抜き取ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の係止レバーによるロック解除方法は、モジュラプラグの抜き挿しを頻繁に行わない据え置き型の装置を前提にして構成されたものであり、操作を行う係止レバーの先端部が極めて小さいために操作がし難く、モジュラプラグの抜き取りに手間取る場合が多いため、可搬性を重視した情報処理装置では使い勝手を悪化させる不都合を有している。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、モジュラジャックからモジュラプラグを容易に抜き取ることができるように構成された情報処理装置及びモジュラプラグのロック解除方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明においては、請求項1に示すとおり、上面に操作キーが配列されたベース部と所要の情報を表示させる表示パネルが設けられ前記ベース部に対し開閉自在なディスプレイ部とを備えた筐体部と、前面側から傾斜した態様で後向きに延出する係止レバーと前記係止レバーの中間部分の幅方向両側に張り出した係合段部と前記係合段部に形成された傾斜面とを有するモジュラプラグであって、回線と接続するためのモジュラプラグを挿入するために前記係止レバーの幅狭部が通過可能でかつ前記係止レバーの係合段部側の幅広部が通過不能なように形成された一対の規制部を有し前記筐体部に設けられたモジュラジャックと、前記モジュラジャックに前記モジュラプラグを挿入すると、前記係止レバーの係合段部に形成された傾斜面が前記モジュラジャックの規制部に当接しつつも前記係止レバーが内側に弾性変形することにより前記係止レバーが通過し、前記モジュラジャックの前記規制部の上側を前記係止レバーの係合段部が乗り越えて前記弾性変形が復元して挿入孔内に固定されることにより前記モジュラプラグの抜け出しを不能とするロック手段と、前記係止レバーを押圧して前記係合段部と前記規制部との係合を解除する押圧部によるロック解除手段と、オペレータの手指によって操作可能に前記筐体部の外面に設けられるとともに、前記筐体部に片持ちで支持された弾性片に形成され、該弾性片の弾発力に抗して押し込まれることで前記ロック解除手段に解除の動作を行わせる操作部とを備えたものとした。これによると、操作部で所要の操作を行うことでロック状態が解除され、モジュラプラグを容易に抜き取ることができる。
【0008】
この場合、係止レバーは、モジュラジャックの挿入孔内に設けられた規制部に係合してロック状態となり、押圧部は、操作部の操作に応じて係止レバーを押し込み、規制部に係合するロック位置からロック解除位置に係止レバーを変位させる。
【0009】
前記情報処理装置においては、請求項に示すとおり、押圧部が、操作部と一体的に形成され、オペレータの手指による操作部の押し込み操作で押圧部に解除の動作を行わせるようにした構成をとることができる。これによると、簡単な操作でロック状態を解除することができ、しかも構成を簡略化することができる。この場合、操作部の誤操作を避ける上で、筐体部と表面が略面一になるように操作部を設けると良い。
【0010】
前記情報処理装置においては、請求項に示すとおり、操作部が、筐体部に片持ちで支持された弾性片に形成され、この弾性片の弾発力に抗して操作部を押し込むことでロック解除手段にロック解除の動作を行わせるようにした構成をとることができる。これによると、ロック解除操作により変位した弾性片が弾性的に復元することで初期位置に復帰し、操作部周辺の構成を簡略化することができる。
【0011】
この場合、弾性片が、弾性を有する合成樹脂材にて筐体部と一体に形成された構成とすると、部品点数及び製造工数を削減して製造コストを低減することができる。また、押圧部などのロック解除手段を操作部と共に弾性片に一体的に形成した構成とすると、より一層の構成の簡略化を図ることができる。
【0012】
前記情報処理装置においては、請求項に示すとおり、操作部が、筐体部の底部に設けられた構成をとることができる。これによると、操作部が通常の操作の邪魔にならない上に、操作部の誤操作を避けることができ、さらに操作部やモジュラジャックの配置に関する設計自由度が向上する。なお、ベース部に対してディスプレイ部をヒンジ結合して不使用時にはディスプレイ部をベース部に重なり合うように閉じて可搬性を高めた構成の情報処理装置では、ベース部のハウジングの底部に操作部を設ければ良い。
【0013】
この場合、モジュラプラグの挿入孔を筐体部の側面に開口させた態様で、係止レバーなどの抜け止め手段が筐体部の底部側に位置するようにモジュラジャックを配置すれば、抜け止め手段のロック状態を解除するためにこれに対向配置されるロック解除手段を操作部の直近に設け、操作部によりロック解除手段を動作させる機構を簡略化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の構成を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明による情報処理装置の底面側を示す斜視図である。この情報処理装置は、上面に操作キーが配列され、内部に所要の情報処理を行うためのCPUやメモリが格納されたベース部1と、所要の情報を表示させる表示パネル2が設けられたディスプレイ部3とを備え、ディスプレイ部3がベース部1とヒンジ結合されて開閉自在となっている。
【0017】
ベース部1には、通信回線と接続するためのコード5の端末に設けられたモジュラプラグ6が挿し込まれるモジュラジャック7がベースハウジング(筐体部)4に収容された状態で設けられおり、ベースハウジング4の側面にモジュラプラグ6の挿入孔8が開口している。
【0018】
図2は、図1に示した情報処理装置の要部を一部破断して詳細に示す斜視図である。モジュラプラグ6は、モジュラジャック7の挿入孔8内に設けられた規制部11に係合する係止レバー(抜け止め手段)12を備えている。この係止レバー12は、モジュラプラグ6の前面側から傾斜した態様で後向きに延出し、その中間部分には、幅方向両側に張り出してモジュラジャック7の規制部11に係合する係合段部13が形成されている。係止レバー12の先端部分は、モジュラジャック7に結合された状態で外部に突出し、手指で摘むことで係止レバー12をロック解除位置に変位させることができる。なお、ここでは図示しないが、モジュラプラグ6及びモジュラジャック7には所要数のコンタクトが設けられる。
【0019】
モジュラジャック7の規制部11は、互いに対向する側壁に内向きに突出した態様で一対形成され、この一対の規制部11は、その間の間隙を係止レバー12の係合段部13より先端側の幅狭部が通過可能で、かつ係止レバー12の係合段部13より基端側の幅広部が通過不能なように形成されており、係止レバー12の係合段部13が規制部11を避けてその内側(図中上側)を通過するように係止レバー12が内側に変形することでモジュラプラグ6がモジュラジャック7の挿入孔8内に挿入される。
【0020】
図3は、図1に示したモジュラジャックに対するモジュラプラグの挿し込みの要領を示す断面図である。図3(A)に示すように、モジュラジャック7の挿入孔8にモジュラプラグ6を挿入すると、係止レバー12の係合段部13に形成された傾斜面13aがモジュラジャック7の規制部11に突き当たり、このときの押し込み力で係止レバー12が内向き(図中上向き)に弾性変形して係止レバー12の通過が許容され、図3(B)に示すように、係合段部13が規制部11の内側面に乗り上げてこれに沿って摺動しつつモジュラプラグ6が挿入され、係合段部13が規制部11を乗り越えたところで、図3(C)に示すように、係止レバー12が弾性的に復元する。これにより、係合段部13が規制部11に係止され、抜き出し方向のモジュラプラグ6の移動が不能になる。
【0021】
図2に示したように、ベースハウジング4には、モジュラジャック7に対するモジュラプラグ6の抜け出しを不能とする係止レバー(抜け止め手段)12のロック状態を解除する押圧部(ロック解除手段)15が設けられており、この押圧部15に所要の動作を行わせるための操作部16が、オペレータの手指によって操作可能にベースハウジング4の底部4aの外面に設けられている。押圧部15は、モジュラジャック7にモジュラプラグ6が結合された状態で、ベースハウジング4の底部4a側に位置する係止レバー12に対向配置され、操作部16の押し込み操作に応じて係止レバー12を押圧してこれをロック解除位置に変位させる。
【0022】
押圧部15及び操作部16は、ベースハウジング4の底部4aに片持ちで支持された弾性片17に設けられて一体的に動作し、この弾性片17は、弾性を有する合成樹脂材にてベースハウジング4の底部4aと一体に形成され、弾性片17全体が底部4aの表面と面一になっている。操作部16は、オペレータの手指により弾性片17の弾発力に抗して押し込み操作を行うことで押圧部15にロック解除の動作を行わせることができ、手指で簡単に押し込み操作ができるように所要の径の円形状に形成されている。
【0023】
図4は、図1に示したモジュラジャックに対するモジュラプラグの抜き取りの要領を示す断面図である。図4(A)に示すように、手指で操作部16を押し込むと弾性片17が内向き(図中上向き)に弾性変形し、この弾性片17に操作部16と共に一体に形成された押圧部15が係止レバー12に当接してこれを内向きに押し込み、これによりモジュラジャック7の規制部11に係合段部13が係止されたロック位置から、規制部11から係合段部13が外れたロック解除位置に係止レバー12が変位してロック状態が解除され、モジュラプラグ6の抜き出し方向の移動が可能となる。
【0024】
そして、この状態で図4(B)に示すように、モジュラプラグ6を引き出すと、係止レバー12の係合段部13が規制部11の内側(図中上側)を通過し、図4(C)に示すように、モジュラジャック7からモジュラプラグ6を取り外すことができる。操作部16から手指を離して押し込み操作力がなくなると、弾性片17はベースハウジング4の底部4aの表面と面一となる初期位置に弾性的に復元する。
【0025】
【発明の効果】
このように本発明によれば、筐体部に設けた操作部で所要の操作を行うことでモジュラプラグのロック状態が解除されて、モジュラジャックからモジュラプラグを容易に抜き取ることが可能になり、可搬性を重視した情報処理装置の利便性を高める上で大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報処理装置の底面側を示す斜視図
【図2】図1に示した情報処理装置の要部を一部破断して詳細に示す斜視図
【図3】図1に示したモジュラジャックに対するモジュラプラグの挿し込みの要領を示す断面図
【図4】図1に示したモジュラジャックに対するモジュラプラグの抜き取りの要領を示す断面図
【符号の説明】
1 ベース部
3 ディスプレイ部
4 ベースハウジング(筐体部)、4a 底部
6 モジュラプラグ
7 モジュラジャック
8 挿入孔
11 規制部
12 係止レバー(抜け止め手段)
13 係合段部、13a 傾斜面
15 押圧部(ロック解除手段)
16 操作部
17 弾性片

Claims (3)

  1. 上面に操作キーが配列されたベース部と所要の情報を表示させる表示パネルが設けられ前記ベース部に対し開閉自在なディスプレイ部とを備えた筐体部と、前面側から傾斜した態様で後向きに延出する係止レバーと前記係止レバーの中間部分の幅方向両側に張り出した係合段部と前記係合段部に形成された傾斜面とを有するモジュラプラグであって、回線と接続するためのモジュラプラグを挿入するために前記係止レバーの幅狭部が通過可能でかつ前記係止レバーの係合段部側の幅広部が通過不能なように形成された一対の規制部を有し前記筐体部に設けられたモジュラジャックと、前記モジュラジャックに前記モジュラプラグを挿入すると、前記係止レバーの係合段部に形成された傾斜面が前記モジュラジャックの規制部に当接しつつも前記係止レバーが内側に弾性変形することにより前記係止レバーが通過し、前記モジュラジャックの前記規制部の上側を前記係止レバーの係合段部が乗り越えて前記弾性変形が復元して挿入孔内に固定されることにより前記モジュラプラグの抜け出しを不能とするロック手段と、前記係止レバーを押圧して前記係合段部と前記規制部との係合を解除する押圧部によるロック解除手段と、オペレータの手指によって操作可能に前記筐体部の外面に設けられるとともに、前記筐体部に片持ちで支持された弾性片に形成され、該弾性片の弾発力に抗して押し込まれることで前記ロック解除手段に解除の動作を行わせる操作部とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記押圧部が、前記操作部と一体的に形成され、オペレータの手指による前記操作部の押し込み操作で前記押圧部に解除の動作を行わせるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記操作部が、前記筐体部の底部に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の情報処理装置。
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