JP3938644B2 - 降坂検出装置およびこれを用いた自動制動制御装置 - Google Patents

降坂検出装置およびこれを用いた自動制動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車が長い下り坂を走行していることを自動的に検出する装置に関する。本発明は、自動車が長い下り坂を走行しているときに、運転操作がなくともリターダなどの補助制動装置の制動能力を自動的に増大させることができる運転補助装置に関する。本発明は、大型バスに利用するために開発された装置であるが、大型バスに限らず運転補助装置として広く自動車に利用することができる。本発明は、内燃機関と電動発電機を併用するハイブリッド自動車あるいは電気自動車の電気制動系など制動により発生する電気エネルギをバッテリに回生させる回生制動系を制御するために利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来から補助制動装置を自動的に制御する技術として、車両が下り坂を走行していることを勾配センサにより検出する技術が知られている(特公平3−63653号公報参照)。また、下り坂を走行中に走行車速がほぼ一定になるように、補助制動装置の制動力を自動的に加減する制御装置が知られている(特開平10−264804号公報参照)。
【0003】
一方、内燃機関と電動発電機を併用するハイブリッド自動車や電気自動車が今後普及することが見込まれている。ハイブリッド自動車や電気自動車は、電動発電機を発電機として動作させて、車両に制動力を発生させるとともに、その発電機出力に現れる電気エネルギをバッテリに回生する回生制動を行うことができる。この回生制動を効率的に利用することにより燃料効率あるいは充電効率が大幅に改善される。回生制動を効率的に利用するには、回生制動の制御を運転者の運転操作にのみ頼るのではなく、長い下り坂を走行するときなどに自動的に回生制動を利用するような制御が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、勾配センサを用いて降坂状態を検出する上記技術を試験したが、勾配センサは車両の停車中に車両の勾配を有効に検出することができるが、車両の走行中には、加速時あるいは減速時に走行方向の加速度が変化して、これは勾配センサの雑音となる。そして、雑音を除去して走行路面の勾配を演算するための技術はかなり複雑になることがわかった。
【0005】
また、下り坂を走行するときにその車両速度が一定になるように補助制動装置の制動力を自動的に加減する技術は優れたものであるが、路面が屈曲するような下り坂では必ずしもこのような制御に頼ることができない。
【0006】
一方、本願出願人が製造販売する大型バスのユーザから運転をスムーズに行うための補助装置を希望する意見がある。たとえば景勝のよい観光地などに見られるカーブの多い下り坂では、運転者はリターダおよび排気ブレーキの加減操作をしばしば操舵輪の操作と同時に行うことが必要になる。ところが、リターダおよび排気ブレーキの調節レバーは操舵輪の下側に装備されていて、操舵輪の操作が忙しく、リターダおよび排気ブレーキの調節操作が遅れることがあり、また調節操作を行うことができないこともある。このようなときには必然的にフートブレーキを使用することになり、急なカーブとともに急な減速が行われて、乗客が不快になりあるいは不安になることがある。これは乗客の車酔いの原因にもなる。このような場合に、下り坂の状況に応じてリターダおよび排気ブレーキを自動的に加減してくれる装置があれば、景色のよい所を滑らかな運転で心地よく乗客を案内することができる、とのユーザの意見である。
【0007】
ハイブリッド自動車(または電気自動車)の場合には、このようなフートブレーキの使用は回生可能なエネルギを無駄にするものであって、エネルギの利用効率のうえからも望ましいことではない。
【0008】
また、高速道路などでの長い下り坂を走行するときには、有効なエネルギ回生を行うための重要な機会であり、回生制動の加減レバー、さらに具体的にはリターダの加減レバーおよび排気ブレーキの操作レバーが適正な位置に設定されていることが重要である。これを運転操作により設定することにすると、操作が遅れたり設定位置が適当でなかったりすることになる。したがってこれを運転操作にのみ頼るのではなく、走行状態を自動的に検出して回生効率を良くするために自動的な最適設定をすることが望ましい。
【0009】
本発明はこのような背景に行われたものであって、車両が長い坂道を走行していることを自動的にかつ適正に検出する装置を提供することを目的とする。本発明は、カーブの多い長い坂道を走行するときなどに、リターダの調節レバーを頻繁に操作する必要のない自動制動制御装置を提供することを目的とする。本発明は、ハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動を有効に作動させてエネルギの利用効率を良くすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は勾配センサを利用するという従来の思想から離れて、運転操作により設定される補助制動装置の「オン」状態の時間を計数し、これが相応の時間に達したときに長い下り坂を走行しているものと判定するものである。さらに具体的には排気ブレーキおよびまたはリターダが「オン」状態に操作されている時間に重み係数を付して計数手段により累積加算し、一方、アクセルペダルが踏まれた時間に重み係数を付してこの計数手段から累積減算し、累積加算した計数値がある値に達したときに長い下り坂を走行していると判定するものである。
【0011】
すなわち本発明の第一の観点は降坂状態検出装置であって、排気ブレーキまたはリターダを含む制動装置が制動状態に操作されている期間にわたりフラグb(bは定数)を立てる手段と、アクセルペダルが踏まれている期間にわたりフラグa(aは定数)を立てる手段と、あらかじめ設定された周期t毎に前記フラグbおよびaを読取り(b−a)を累積加算する計数手段と、この計数手段の計数値Sがあらかじめ設定された判定値Sjを越えている期間にわたり降坂状態を示す出力信号を送出する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明では、下り勾配にあることを自動的に検出するのではなく、運転者が操作により補助制動装置を利用したこと、これが所定の時間にわたり長く利用されたことを長い下り坂を走行している状態と判定するものである。そしてアクセルペダルが踏まれたことは、下り勾配が緩やかになった状態であると判定するものである。これも運転操作にただちに反応するのではなく、時間を累積加算することにより判定するものである。
【0013】
ここで判定値Sjは、Sj1 、Sj2 、のように複数段階的に設けるとともに、下り坂検出信号をその段階的な判定値Sj1 、Sj2 越える毎にレベル(1)、レベル(2)のように送出する構成とすることができる。
【0014】
この補助制動装置は排気ブレーキおよびまたはリターダであり、フラグbを立てる手段は、排気ブレーキが制動状態に操作されている期間にわたりフラグb1 を立てる手段と、リターダが制動状態に操作されている期間にわたりフラグb2 を立てる手段とを含む構成とすることができる。この場合にフラグbの値は(b1 +b2 )となる。
【0015】
前記計数手段には計数値Sの最小値Smin (望ましくは零)が設定され、計数値が前記最小値Smin を下回るときにはこの最小値Smin を計数値Sとする手段を含む構成とすることができる。また前記計数手段には計数値Sの最大値Smax が設定され、計数値が最大値以上になるときにこの最大値を計数値とする手段を含む構成とすることができる。すなわち、計数値Sの値は
0≦S≦Smax
であり、0を下回るときは零、Smax を上回るときはSmax とする構成がよい。これは発明者が試験の結果気づいた考え方であり、長い下り坂がある程度継続したら下り坂が終わったときに、それを検出するには原則的に下り坂の継続時間の長さによらないことにするものである。
【0016】
ちなみに、実用的な数値を一例として示すと、a=3,b=1,t=10mS,S=3000、Smin =0、Smax =7000である。この一例によると、リターダがオンにされると10mS毎にカウンタに1を加算してゆく、これが30秒間継続すると下り坂検出信号が送出される。時速50kmで走行しているとこの30秒間に約420m走行することになる。70秒間継続するとそれ以上カウンタの計数値は増えない。リターダがオンのままアクセルペダルが踏まれると、この計数値は10mS毎に2づつ減算される。リターダがオフになってアクセルペダルが踏まれると、計数値は10mS毎に3づつ減算される。計数値が3000を下回ると下り坂検出信号はなくなる。そして計数値が0になるとそれより減算されることはなくなる。
【0017】
前記判定手段では、計数値Sの増大する時の判定値が減少する時の判定値より大きく設定され、すなわち判定値にヒステリシスを設けて判定結果が目まぐるしく変化しないように構成することが望ましい。すなわち、補助制動装置のオン・オフを行うと車両が前後方向にわずかに揺れるから、乗客の乗り心地のためには、その判定値にヒステリシスを設けておき頻繁にオン・オフを繰り返すことがないようにするものである。
【0018】
本発明の降坂状態検出装置では、その計数値を相応の条件により初期値(一般には零)にリセットする構成をとることが望ましい。リセットの条件は、エンジン・キースイッチが「オフ」状態になったとき、車速が零になったとき、または車速がきわめて小さく(例えば時速5km以下)になったとき、車速が小さいときにフートブレーキが使われたとき、その他であり、このような条件では長い下り坂であってもそれを検出する必要がない、あるいは補助制動装置がオンになっていても道路の渋滞であり長い下り坂ではない、とするものである。
【0019】
本発明の第二の観点は自動制動制御装置であって、上記降坂状態検出装置と、前記降坂状態を示す出力信号にしたがって補助制動装置の制動力を増大させる制御手段とを備えたことを特徴とする。この補助制動装置は、制動により発生する電気エネルギをその車両に搭載された電池に回生させる手段を含むものでは、このような制御はさらに有効である。
【0020】
この制動力を増大させる制御手段は、前記降坂状態を示す出力信号が送出されている期間にわたり、補助制動装置の制動力を操作位置にかかわらず最大値に設定する手段を含む構成とすることができる。
【0021】
本発明の装置は本質的に、勾配センサなどの計測された物理量に基づいて長い下り坂を走行していることを判定するのではなく、運転操作により操作された補助制動装置の設定操作とその継続時間に基づいて判定を行うものである。本発明の降坂状態検出装置の検出出力は、そのまま検出出力として利用するほかに、利用目的に応じて、勾配センサの出力、車輪回転速度(車速)、内燃機関の回転速度、設定されているギヤ位置、サービスブレーキ(フートブレーキ)の利用信号、ヨーレイト検出信号、その他の信号を併せて補助制動制御装置の制御に利用することができる。
【0022】
本発明の装置は走行試験の結果、長い下り坂を走行している状態を相当程度に正しく認識することができることがわかった。本発明の装置を適正に動作させるための上記定数(a,b,t,Sの判定値など)は、適応車種に応じて異なるものであり、それぞれ試験により設定することが望ましい。本発明の装置を利用すると、運転者はカーブにさしかかったときに補助制動装置をオン・オフする操作から解放されることになり、余裕をもってスムーズな運転をすることができることが確かめられた。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明実施例装置のハードウエアブロック構成図である。この実施例装置は観光用の大型バスに実施するための設計であり、本発明実施例の降坂状態検出装置と、この降坂状態検出装置の出力信号により作動するリターダ制御装置とを備えた構成である。
【0024】
制御装置ECU(Electronic Control Unit) はプログラム制御回路により構成され、これに本発明の降坂状態検出装置が実装されている。リターダスイッチRSWは操舵輪の下に設けられたレバーにより運転者によって切替操作されるスイッチであり、OFF、レベル(1)〜(4)のポジションがあり、運転者の判断操作によりこのいずれかが選択設定される。リターダ制御回路RCはこのリターダスイッチのポジションにしたがって、リターダの界磁巻線(図外)に電流を供給する。このリターダを使用することにより発生する電気エネルギは、この車両に搭載されている電池に回生される。
【0025】
アクセルスイッチASWは運転者がアクセルペダルを解放しているときにON状態になり、アクセルペダルを踏んだときにOFF状態となるスイッチである。図1には連動する2系統のスイッチが描かれている。排気ブレーキスイッチESWは、同じく運転者により操作されるスイッチであり、これをON状態に操作することにより、排気ブレーキバルブ用コイルEVに電流が供給されて、内燃機関の排気通路に設けられた排気ブレーキバルブが閉じて排気ブレーキが作動状態となる。
【0026】
リレーRy1およびRy2は制御装置ECUが送出する下り坂検出信号Dにより入出力回路I/Oを介して付勢される。この実施例装置では、リレーRy1が付勢されるとリターダスイッチRSWのポジションがどこに設定されていても、制動力が最大となるポジション(4)に強制的に転換されるように構成されている。リターダRy2が付勢されると排気ブレーキスイッチESWが操作されてなくとも、排気ブレーキバンクーバEVに電流が供給され、排気ブレーキが作動状態になる。
【0027】
制御装置ECUはその入力に入出力回路I/Oを介して、フートブレーキの作動表示brk、アクセルペダルの作動表示acc、リターダの作動表示ret、排気ブレーキの作動表示exhなどの信号を取込む。これらの作動表示は作動表示ランプを点灯させる電流を分岐することにより得られる。また制御装置ECUはその入力に、車速センサの出力Vref操舵角センサの出力δ、ヨーレイトセンサの出力φを取込む。これらのセンサ出力は、姿勢制御装置の入力信号を利用することができる。この実施例では、車両に姿勢制御装置を備えていて、これらのセンサ出力はその姿勢制御装置の入力信号を分岐して利用するものである。
【0028】
制御装置ECUの内部には、ソフトウエアにより次のように本発明の実施例装置が設定される。すなわち、排気ブレーキスイッチESWが操作されたことにより、排気ブレーキ作動表示exhがONになると、フラグb1 =0.5が立つ。リターダスイッチRSWが操作され、これがOFF以外のポジションに設定されると、リターダ作動表示retがONになり、フラグb2 =0.5が立つ。アクセルペダルが踏まれるとアクセルペダルの作動表示accがONになり、フラグa=3が立つ。そしてこの実施例では周期t=10mS毎にこれらのフラグを読取り、(b1 +b2 −a)を演算してこれをカウンタSに累積加算する。
【0029】
このカウンタSの計数値が3000(Sj)を越えると、下り坂検出信号Dを連続的に送出する。そしてこのカウンタSの計数値が3000を下回ると下り坂検出信号Dの送出を停止する。、厳密にはこの下り坂検出信号Dの送出停止にはややヒステリシスを持たせてあり、カウンタSの計数値が2800を下回ると下り坂検出信号Dを送出停止するようになっていて、カウンタSの計数値が3000付近で変動するような場合に、頻繁に下り坂検出信号の送出および停止がが繰り返されないように配慮されている。このカウンタSの計数値の最大値(Smax)は7000であり、これを越えても加算は行われない。このカウンタSの計数値の最小値(Smin)は零であり、これを下回ることはない。この動作については図2にフローチャートにより表示する。
【0030】
このカウンタSは車速センサ出力Vref が時速5km以下になったときには自動的にリセットされる。これは運転者がリターダあるいは排気ブレーキを継続的にONに操作している状態であっても、下り坂を走行しているものではなく、例えば渋滞道路を走行しているような場合であり、このときには下り坂走行の判定を行わないようにするものである。
【0031】
このように構成された装置の動作を説明すると、本発明実施例装置を装備した大型バスは、運転者が排気ブレーキスイッチESW(およびまたはリターダスイッチRSW)をONに操作すると、制御装置ECUの内部に設けられたカウンタSが計数を開始する。この計数入力は、排気ブレーキスイッチESWがON状態のときには毎10mSに0.5であり、リターダスイッチRSWがON状態のときにはさらに毎10mSに0.5であり、アクセルペダルが踏まれると各10mSに3だけ減算される。
【0032】
このカウンタSの計数値が3000を越えると下り坂検出信号Dが送出されて、リレーRy1 およびRy2 が作動する。これにより運転者の運転操作にかかわらず、自動的にリターダ制御回路RCはリターダの最大レベル(4)に設定され、排気ブレーキがON状態となる。この回路Sの計数値が2800を下回ると、下り坂検出信号Dは送出を停止し、この状態は解除されて運転者が操作により設定してある状態に戻る。
【0033】
運転状態に併せてこれを説明すると、運転者が下り坂であることを意識して、アクセルペダルを放した状態にしたまま走行し、排気ブレーキスイッチESWをONに操作したものとする。その状態で運転者がアクセルペダルを踏むことなく、30秒経過すると下り坂検出信号Dが送出されてリターダレベルが自動的に最大レベル(4)に切替えられる。この30秒は車速が時速36kmのときは車両が300mを走行する時間であり、車速が時速72kmのときには車両が150mを走行する時間である。このリターダレベルが最大レベル(4)に設定された状態で走行をつづけ、運転者がアクセルペダルを踏むと下り坂検出信号Dは消滅して運転者が操作設定してある状態に復帰する。アクセルペダルをただちに解放した場合にはすぐに、またリターダレベルが最大レベル(4)に戻る。アクセルペダルを長く踏みつづけると、その時間に応じてリターダレベルが最大レベル(4)に戻るまでの時間が長くなる。
【0034】
この実施例装置では、図1に示すように車速センサの出力Vref 、操舵輪の操舵角センサの出力δ、ヨーレイトセンサの出力φ、およびフートブレーキの使用状態brkなどを制御装置ECUの入力として取込むように設計されていて、これら入力により制御論理が一時的に変更されるなど、制御論理のバリエーションを設定できるようになっている。例えば、
(1)車速が時速5km以下になったときには、ただちにカウンタSをリセットするのではなく、大きい数値の負のフラグを立てて(例えば−100)周期t毎にカウンタSの計数値を減算する、
(2)車速が零になったときにはただちにカウンタSをリセットする、
(3)運転者がフートブレーキを放した後の所定時間内に(例えば3秒)操舵輪を所定角度以上回転させたときには、屈曲路面を走行しているものとして、正のフラグ(例えば+5)を立ててこれを周期t毎にカウンタSの計数値に加算計数する、
(4)ヨーレイトセンサの出力が所定値を越えるときには大きい正のフラグを立て、これも周期t毎にカウンタSの計数値に加算計数する、
(5)下り坂検出信号Dの送出後に車速が所定割合だけ(例えば10%)減速した場合には下り坂検出信号Dの送出を停止する、
(6)下り坂検出信号Dの送出後に所定時間(例えば7秒)が経過したときには下り坂検出信号Dの送出をいったん中止して運転者の新たな操作を促す
などである。これらの制御論理はこの装置の運転試験による運転者の意見により採用したものであり、車両の使用目的にしたがって適宜設定変更することができる。
また上記実施例では下り坂検出信号Dは一種類として二つのリレーRy1 およびRy2 が同時に作動するものとしたが、カウンタSの判定値Sjを複数設定し、二つのリレーを別の判定値で作動させるように構成することも有効である。下り坂検出信号Dにより自動制動制御を行うに限らず、下り坂検出信号Dを姿勢制御装置の入力として利用することもできる。下り坂検出信号Dが送出されていることにより、リターダの制動レベルが増強されることを考慮して、姿勢制御装置の作動閾値を変更するなどの姿勢制御装置の制御論理の変更を行うこともできる。
【発明の効果】
本発明は勾配センサなどの物理量を計測し下り坂走行を検出するものではなく、運転者の操作に基づく量を判定の基礎とするものであり、運転者はこれを認識して運転操作を行うことにより、判定は正確になるとともに、リターダなど補助制動装置のこまかい操作からかなりの程度解放されることがわかった。長い下り坂であってカーブの多い道路では、本発明の装置を装備することにより、フートブレーキを使用する頻度はいちじるしく小さくなることがわかった。本発明の装置を使用することにより、速度の急激な変動や前後方向の揺れが小さくなることがわかった。長い坂道を走行していることを、勾配センサなどから判定するものに比べて、本発明は雑音成分の除去など複雑なロジックを必要としないことから装置構成が簡単かつ安価になる。本発明の装置を装備した車両では、ハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動を有効に作動させてエネルギの利用効率を大きく改善することができる。特にエネルギの回生効率が、運転者の個性によらずに大きく改善することができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置のハードウエアブロック構成図。
【図2】本発明実施例装置の制御論理を説明するフローチャート。
【符号の説明】
ECU 制御装置
S カウンタ(カウンタSの計数値もSと表わす)
RC リターダ制御回路
RSW リターダスイッチ
ESW 排気ブレーキスイッチ
ASW アクセルペダルスイッチ
EV 排気ブレーキバルブ

Claims (8)

  1. 補助制動装置が制動状態に操作されている期間にわたりフラグb(bは定数)を立てる手段と、アクセルペダルが踏まれている期間にわたりフラグa(aは定数)を立てる手段と、あらかじめ設定された周期t毎に前記フラグbおよびaを読取り、(b−a)を累積加算する計数手段と、この計数手段の計数値Sがあらかじめ設定された判定値Sjを越えている期間にわたり降坂状態を示す出力信号を送出する判定手段とを備えたことを特徴とする降坂状態検出装置。
  2. 補助制動装置は排気ブレーキおよびまたはリターダであり、前記フラグbを立てる手段は、排気ブレーキが制動状態に操作されている期間にわたりフラグb1 を立てる手段と、リターダが制動状態に操作されている期間にわたりフラグb2 を立てる手段とを含み、前記フラグbの値はb=b1 +b2とする請求項1記載の降坂状態検出装置。
  3. 前記計数手段には計数値Sの最小値Smin が設定され、計数値Sが最小値Sminを下回るときは最小値S min を計数値Sとする請求項1または2記載の降坂状態検出装置。
  4. 前記計数手段には計数値Sの最大値Smax が設定され、前記計数値Sが最大値S max を上回るときは最大値S max を計数値Sとする請求項1または2記載の降坂状態検出装置。
  5. 前記判定手段は、計数値Sが増大する時の判定値が減少する時の判定値より大きく設定されて判定値にヒステリシスが設けられた請求項1ないし4のいずれか記載の降坂状態検出装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の降坂状態検出装置と、前記降坂状態を示す出力信号が送出されている期間にわたり補助制動装置の制動力を増大させる制御手段とを備えたことを特徴とする自動制動制御装置。
  7. 前記補助制動装置は、制動により発生する電気エネルギをその車両に搭載された電池に回生させる手段を含む請求項6記載の自動制動制御装置。
  8. 制動力を増大させる制御手段は、前記降坂状態を示す出力信号が送出されている期間にわたり補助制動装置の制動力を操作にかかわらず最大値に設定する手段を含む請求項6記載の自動制動制御装置。
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