JP3937834B2 - 機能液滴吐出ヘッドの保管装置 - Google Patents

機能液滴吐出ヘッドの保管装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3937834B2
JP3937834B2 JP2001388318A JP2001388318A JP3937834B2 JP 3937834 B2 JP3937834 B2 JP 3937834B2 JP 2001388318 A JP2001388318 A JP 2001388318A JP 2001388318 A JP2001388318 A JP 2001388318A JP 3937834 B2 JP3937834 B2 JP 3937834B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
head
functional liquid
connection attachment
nozzle
individual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001388318A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003182110A (ja
Inventor
良一 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2001388318A priority Critical patent/JP3937834B2/ja
Publication of JP2003182110A publication Critical patent/JP2003182110A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3937834B2 publication Critical patent/JP3937834B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットに代表される機能液滴吐出ヘッドの保管装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタのインクジェットヘッド(機能液滴吐出ヘッド)は、微小なインク滴(液滴)をドット状に精度良く吐出することができることから、例えば吐出液に特殊なインクや感光性の樹脂等の機能液を用いることにより、各種製品の製造分野への応用が期待されている。
【0003】
例えば、図1ないし図3に示す如く、単一のキャリッジ2に複数の機能液滴吐出ヘッド3を搭載して成るヘッドユニット1を用い、このヘッドユニット1を図4に示す描画装置Aに投入して、液晶表示装置や有機EL表示装置等のカラーフィルタを製造することが考えられている。この描画装置Aは、ヘッドユニット1を搭載しこれをY軸方向およびθ軸方向に移動させるヘッド移動部101と、ヘッド移動部101に対峙し、カラーフィルタの基板といったワークWをX軸方向に移動させるワーク移動部102と、ヘッドユニット1の機能液滴吐出ヘッド3を保全するメンテナンス部103とを備えている。ヘッド移動部101は、これに搭載したヘッドユニット1を、ワーク移動部102を挟んでユニット投入部104とメンテナンス部103との間で移動させる。ヘッドユニット1を投入セットする場合には、ヘッド移動部101がユニット投入部104側に移動し、その仮置き台105がユニット投入部104に臨んでいる。ヘッドユニット1は、この仮置き台105上に仮置きされ配管および配線を繋ぎこんだ後、ヘッド移動部101に送り込むようにしてセットされる。そして、ヘッドユニット1の初期位置決めを行う準備工程では、ヘッドユニット1のθ軸方向への微小移動(角度補正)が行われるが、フィルタ材料(機能液)を吐出する描画工程では、ワークWがX軸方向に且つヘッドユニット1がY軸方向に移動して、機能液滴吐出ヘッド3の主走査および副走査が行われる。尚、メンテナンス部103には吸引キャップ106が配置され、描画工程開始前に機能液滴吐出ヘッド3に残留する液体を吸引キャップ106により吸引除去するクリーニングを行う。
【0004】
上記ヘッドユニット1は、X軸方向に二分して6個宛計12個の機能液滴吐出ヘッド3を備えており、各機能液滴吐出ヘッド3は各ヘッド保持部材4を介してキャリッジ2に固定されている。キャリッジ2は、X軸方向両側の長辺部分に取り付けた一対の支持部材2a,2aと、両支持部材2a,2aの端部に立設した一対のハンドル2b,2bとを備えており、ハンドル2b,2bを手持ち部位としてヘッドユニット1を描画装置A等に投入できるようにしている。また、キャリッジ2には、二分された機能液滴吐出ヘッド群の上側に位置させて、これら機能液滴吐出ヘッド3に接続される一対の導入口接続アタッチメント5,5および一対の配線接続アタッチメント6,6が搭載されている。各導入口接続アタッチメント5は、描画装置Aのフィルタ材料供給系に配管接続され、同様に各配線接続アッセンブリ6は、描画装置Aの制御系に配線接続されるようになっている。各導入口接続アタッチメント5は、キャリッジ2上にスペーサ5aを介して架設したプレート5bと、このプレート5bに搭載した6組の配管アダプタ5cとで構成されている。各配管アダプタ5cは、上端の配管接続部5dと下端のヘッド接続部5eとを備えており、ヘッド接続部5eをプレート5bの下方に突出させた状態でプレート5bに固定されている。また、各配線接続アッセンブリ6は、キャリッジ2の長辺部分の上方に屈曲支持部材6aを介して架設したコネクタベース6bと、コネクタベース6b上に取り付けた配線コネクタ6c付きのヘッド中継基板6dとで構成されている。そして、配線接続アッセンブリ6はカバー6e(図2にのみ図示)で上方から覆われている。尚、図1は、一方の導入口接続アタッチメント5を省略して、描かれている。
【0005】
上記機能液滴吐出ヘッド3はいわゆる2連のものであり、図5ないし図7に示す如く、2連の針状の機能液導入口3aを有する液体導入部3bと、液体導入部3bの側方に連なる2連のヘッド基板3cと、液体導入部3bの下方に連なる2連のポンプ部3dと、ポンプ部3dに連なるノズル形成プレート3eとを備えている。上記導入口接続アタッチメント5のプレート5bをスペーサ5a上にねじ5f止めすると、導入口接続アタッチメント5の2連の配管アダプタ5cのヘッド接続部5eが機能液導入口3aに嵌合接続される。また、ヘッド基板3cには、上記配線接続アタッチメント6のヘッド中継基板6dから導出されるフレキシブルフラットケーブル(図示せず)が接続されている。一方、上記ポンプ部3dとノズル形成プレート3eとにより、キャリッジ2に形成したヘッド装着開口2cを通してその裏面側に突出する方形のヘッド本体が構成されている。また、ノズル形成プレート3eには、多数の吐出ノズル3fが2列に形成されている。ポンプ部3dは、シリコンゴム等の弾性体3gに形成したノズル数に対応する圧力室33と圧電素子3iとを有し、各圧力室33は対応する吐出ノズル3fに連通している。そして、圧電素子3iへの通電による圧電素子3iを介しての圧力室33の伸縮で吐出ノズル3fから液滴が吐出される。また、ポンプ部3dの基部側は、液体導入部3bを受けるべく方形フランジ状に形成され、このフランジ部3jには、機能液滴吐出ヘッド3をヘッド保持部材4に固定する小ねじ用の一対のねじ孔3kが形成されている。そして、ヘッド保持部材4に機能液滴吐出ヘッド3を固定した状態でヘッド保持部材4をキャリッジ2の下面に固定して、機能液滴吐出ヘッド3をキャリッジ2に搭載する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如くカラーフィルタ等の製品を製造する場合、吐出する機能液の粘性が高くなって機能液滴吐出ヘッド3の耐久性に大きな影響を与えるものも想定されため、新たなヘッドユニット1を随時供給することが必要となる。また、描画装置Aで複数種の製品を製造する場合にも、製品に合わせてヘッドユニット1を交換することが必要になる。
【0007】
ところで、機能液滴吐出ヘッド3は非常に精密な構造になっており、ヘッドユニット1の供給、交換に備えて、ヘッドユニット1を単純に保管しておいたのでは、ヘッド内部の酸化や大気中の異物の侵入等により機能液を精度良く吐出できなくなる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、機能液の吐出不良を生じないように機能液滴吐出ヘッドを保管液を用いて良好に保管し得るようにした機能液滴吐出ヘッドの保管装置を提供することをその課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の保管装置は、キャリッジに機能液滴吐出ヘッドを複数搭載したヘッドユニットに適用され、機能液滴吐出ヘッドの機能液導入口側から吐出ノズルに至るヘッド内流路に保管液を充填して保管する機能液滴吐出ヘッドの保管装置であって、機能液導入口に接続される導入口接続アタッチメントと、吐出ノズルに接続されるノズル接続アタッチメントと、導入口接続アタッチメントおよびノズル接続アタッチメントを介してヘッド内流路に保管液を通液する通液手段とを備え
、通液手段は、流入パイプを介して、導入口接続アタッチメントに接続される保管液タンクと、流出パイプを介して、ノズル接続アタッチメントに接続される吸引ポンプとを有し、導入口接続アタッチメントおよびノズル接続アタッチメントは、これら複数の機能液滴吐出ヘッドに対応する複数の接続部を備えており、導入口接続アタッチメントには、該導入口接続アタッチメントの複数の接続部に個別に連通する複数本の個別流入パイプが接続され、且つ複数本の個別流入パイプには流入側マニホールドを介して流入パイプが接続され、ノズル接続アタッチメントには,該ノズル接続アタッチメントの複数の接続部に個別に連通する複数本の個別流出パイプが接続され、且つ複数本の個別流出パイプには流出側マニホールドを介して流出パイプが接続され、各個別流入パイプおよび/または各個別流出パイプには、開閉弁が介設され、各個別流入パイプおよび/または各個別流出パイプは、液流を外部から視認可能な樹脂チューブで構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、保管時、ヘッド内流路は保管液で満たされて大気に晒されず、ヘッド内部の酸化やヘッド内への異物の侵入が確実に防止される。従って、その後機能液滴吐出ヘッドを使用する際、機能液を精度良く吐出できる。特に、上記保管装置においては、機能液滴吐出ヘッドを保管装置に投入して、通液手段を作動させることにより、ヘッド内流路に保管液を充填して機能液滴吐出ヘッドをそのまま保管でき、取り扱いが容易になる。
【0011】
また、これによれば、保管液タンク内の保管液を、流入パイプと導入口接続アタッチメントと機能液滴吐出ヘッドとノズル接続アタッチメントと流出パイプとを介して吸引ポンプで吸引し、ヘッド内流路に保管液を通液できる。この場合、吸引ポンプの吐出側に、保管液タンクに連通する回収パイプを接続しておけば、保管液の通液時、吸引ポンプで吸引された保管液を保管液タンクに戻して、保管液を循環使用することができ、ランニングコストの削減を図れる。更に、流入パイプを、保管液タンクの近傍において、大気に開放する大気開放弁を設けておけば、機能液滴吐出ヘッドを保管装置から取り出す際、大気開放弁を開弁した状態で吸引ポンプを駆動することにより、流入パイプからヘッド内流路を介して流出パイプに至る全経路内の保管液を保管液タンクに回収することができ、ランニングコストの一層の削減を図れる。
【0012】
ところで、キャリッジに複数の機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニットに適用される保管装置では、前記導入口接続アタッチメントおよび前記ノズル接続アタッチメントを、ヘッドユニットの複数の機能液滴吐出ヘッドに対応する複数の接続部を備えるものに構成し、複数の機能液滴吐出ヘッドに対する導入口接続アタッチメントやノズル接続アタッチメントの接続作業を纏めて簡便に行うことができるようにする。この場合、導入口接続アタッチメントには、該導入口接続アタッチメントの前記複数の接続部に個別に連通する複数本の個別流入パイプを接続し、ノズル接続アタッチメントには、該ノズル接続アタッチメントの前記複数の接続部に個別に連通する複数本の個別流出パイプを接続するが、配管構造をすっきりさせるには、前記複数本の個別流入パイプに流入側マニホールドを介して前記流入パイプを接続すると共に、前記複数本の個別流出パイプに流出側マニホールドを介して前記流出パイプを接続することが望ましい。
【0013】
また、各個別流入パイプおよび/または各個別流出パイプに開閉弁を介設しておけば、ヘッドユニットの複数の機能液滴吐出ヘッドのうちの何れかの機能液滴吐出ヘッドに対する保管液の充填ミスを生じた場合、他の機能液滴吐出ヘッドに対応する開閉弁を閉弁して、充填ミスを生じた機能液滴吐出ヘッドにのみ保管液をリトライ充填でき、使い勝手が良くなる。更に、各個別流入パイプおよび/または各個別流出パイプが液流を外部から視認可能な樹脂チューブで構成されていれば、個々の機能液滴吐出ヘッドに対する保管液の通液充填具合を目視確認でき、有利である。また、各個別流入パイプを、流入側マニホールドに接続される上流側部分と、導入口接続アタッチメントに接続される下流側部分とに分離し、キャリッジに各個別流入パイプの上流側部分を前記各個別流入パイプの下流側部分に接続するワンタッチジョイントを搭載しておけば、流入側マニホールドと導入口接続アタッチメントとの間の配管作業が容易になると共に、描画装置にヘッドユニットを投入したときに、描画装置の機能液用配管部材をこのワンタッチジョイントを介して導入口接続アタッチメントに接続できるため、描画装置にワンタッチジョイントを設ける必要がなく、コストダウンを図る上で有利である。
【0014】
また、保管装置に、ノズル接続アタッチメントを支持するアタッチメント支持部材と、機能液滴吐出ヘッドを搭載したキャリッジをアタッチメント支持部材で支持されるノズル接続アタッチメントの上に重ねるようにして支持するキャリッジ支持部材とを設け、キャリッジ支持部材にキャリッジを支持させることで機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルがノズル接続アタッチメントに接続されるようにしておけば、機能液滴吐出ヘッドに対するノズル接続アタッチメントの接続作業を別途行わずに済み、作業能率が向上する。
【0015】
また、上記本発明の保管装置によれば、機能液滴吐出ヘッドを良好に保管でき、吐出ノズルから機能液を確実に精度良く吐出できる。そのため、本発明の保管方法や保管装置により保管した機能液滴吐出ヘッドを用いることにより、液晶表示装置、有機EL装置、電子放出装置、PDP装置、電気泳動表示装置といった種々の製品を精度良く製造でき、更に、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法にも本発明の保管装置により保管した機能液滴吐出ヘッドを用いることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図3に示したヘッドユニット1のキャリッジ2に搭載されている複数の機能液滴吐出ヘッド3の保管に本発明を適用した実施形態について説明する。
【0032】
図8ないし図11は、上記機能液滴吐出ヘッド3の保管装置Bの全体構造を示している。この保管装置Bは、架台200を備えており、架台200内には保管液を入れる保管液タンク201が設けられている。そして、図5ないし図7に示した機能液滴吐出ヘッド3の機能液導入口3aから吐出ノズル3fに至るヘッド内流路に、保管液タンク201からの保管液を充填する。そのために、保管装置Bには、機能液導入口3aに接続される先に説明した導入口接続アタッチメント5および吐出ノズル3fに接続されるノズル接続アタッチメント7(後述する)を介して、ヘッド内流路に保管液を通液する通液手段が設けられている。そして、図12に示す如く、同様の構成の2台の保管装置B,Bを上下に積み重ねてユニット化し、このユニットをケースBaに収納して、図4に示した描画装置Aの近傍に配置している。
【0033】
ノズル接続アタッチメント7は、図13に示す如く、支持板70に、機能液滴吐出ヘッド3に対する接続部となるキャップ71を装着して成るもので、機能液滴吐出ヘッド3がヘッドユニット1に6個宛2列に配設されているのに合わせて、キャップ71を支持板70に6個宛2列に配設している。各キャップ71は、図14に示す如く、支持板70に対する取付けベース72と、取付けベース72にばね73で上方に付勢して支持させたキャップ本体74と、キャップ本体74の上面の窪み74aの開口部周縁に装着したパッキン75とを備えており、機能液滴吐出ヘッド3のノズル形成プレート3eの周辺部にパッキン75が密着する。キャップ本体74には、窪み74aに連通するエルボ管76が連結されており、ノズル形成プレート3eに形成した多数の吐出ノズル3fがキャップ本体74を介してエルボ管76に接続される。尚、本実施形態では、キャップ71を、描画装置Aに設ける吸引キャップ106の流用品で構成しているため、窪み74aに多孔質の吸液板77が装着され、また、窪み74aに連通する大気開放弁78が設けられているが、これらは必要不可欠ではない。
【0034】
前記架台200の上面に装着する天板202には、比較的短い柱状のアタッチメント支持部材203が前後(Y軸方向)に離間して左右(X軸方向)各一対に立設されると共に、比較的長い柱状のキャリッジ支持部材204が左右に離間して前後各3本立設されている。そして、ノズル接続アタッチメント7の支持板70の前後に左右各一対に形成した位置決め孔70aをアタッチメント支持部材203の上端部に嵌合させることにより、ノズル接続アタッチメント7をアタッチメント支持部材203で位置決めして支持し、また、ヘッドユニット1のキャリッジ2の左右の各支持部材2aに前後3個形成した位置決め孔2dをキャリッジ支持部材204の上端部に嵌合させることにより、キャリッジ2、即ち、ヘッドユニット1をキャリッジ支持部材204で位置決めして支持し得るようにした。この状態では、ノズル接続アタッチメント7の上にヘッドユニット1が重なり、上記キャップ本体74がばね73の付勢力に抗して押し下げられ、機能液滴吐出ヘッド3のノズル形成プレート3eの周辺部にキャップ本体74がパッキン75を介して密着する。尚、機能液滴吐出ヘッド3とキャップ71との接続をより確実にするため、キャリッジ2をキャリッジ支持部材204の上端に螺合するねじ204aで上方から押さえるようにしている。また、左右各側のキャリッジ支持部材204に外側からアングル材204bを取り付け、このアングル材204b上のプレート204cに、ヘッドユニット1のキャリッジ2の左右の各支持部材2aの外側縁に当接するサイドガイド204dと、各支持部材2aの後端縁に当接するエンドガイド204eとを固定している。そして、これらガイド204d,204eによりキャリッジ支持部材204に対するヘッドユニット1の位置合わせを容易に行い得られるようにしている。
【0035】
通液手段の回路構成は図15に示す通りであり、保管液タンク201に連通する流入パイプ205を介して導入口接続アタッチメント5に保管液を供給するように構成されている。流入パイプ205には、保管液タンク201の近傍に位置させて、大気開放弁206が介設されている。この大気開放弁206は、流入パイプ205を開通する状態と、流入パイプ205を遮断する状態と、流入パイプ205を大気開放する状態とに切り換え自在な多方切替弁で構成されている。
【0036】
導入口接続アタッチメント5には、その複数の配管アダプタ5cに個別に連通する複数本の個別流入パイプ207が接続されており、これら複数本の個別流入パイプ207に流入側マニホールド208を介して前記流入パイプ205が接続されている。尚、導入口接続アタッチメント5は左右一対に設けられているため、流入側マニホールド208も左右一対に設け、流入パイプ205をその下流側の中継マニホールド209で2つのパイプ205a,205bに分岐して、一方のパイプ205aを一方の流入側マニホールド208、他方のパイプ205bを他方の流入側マニホールド208に接続している。また、各1個の機能液滴吐出ヘッド3に各2個の配管アダプタ5c,5cが接続されるため、各1本の個別流入パイプ207をY字継ぎ手(図示せず)を介して各2個の配管アダプタ5c,5cに接続している。
【0037】
保管装置Bには、更に、吸引ポンプ210が設けられており、この吸引ポンプ210をノズル接続アタッチメント7に流出パイプ211を介して接続している。吸引ポンプ210は単一であって、その吐出側には、保管液タンク201に連通する回収パイプ212が接続されている。そして、回収パイプ212には、再生フィルタ213が介設されている。
【0038】
前記ノズル接続アタッチメント7には,その複数のキャップ71に個別に連通する複数本の個別流出パイプ214が接続されている。そして、これら複数本の個別流出パイプ214に流出側マニホールド215を介して前記流出パイプ211が接続されている。また、各個別流出パイプ214には開閉弁216が介設されている。尚、ノズル接続アタッチメント7の複数のキャップ71は左右2列に分設されているため、流出側マニホールド215も左右一対に設けており、左右の流出側マニホールド215,215からのパイプ215a,215aを中継マニホールド217を介して流出パイプ211に合流接続している。
【0039】
上記吸引ポンプ210は、空気圧で駆動されるダイヤフラム式ポンプで構成されている。そして、エア源218から残圧開放用の3ポート弁219を介して各保管装置Bに供給されるエアを、減圧弁220と開閉式のポンプ駆動弁221とを介して、パイロットエアとして吸引ポンプ210に供給することにより、吸引ポンプ210が駆動されるようにしている。尚、吸引ポンプ210からのパイロットエアは排気クリーナー222を介して排出される。
【0040】
図8ないし図11を参照して、吸引ポンプ210、中継マニホールド209,217および再生フィルタ213は、架台200内の保管液タンク201よりも奥側に配置され、流入側と流出側の各一対のマニホールド208,215は、架台200内の保管液タンク201の左右両側に配置され、減圧弁220と排気クリーナー222は、架台200の裏面に配置されている。また、架台200の前面に門形の操作板223を取り付け、この操作板223の上辺部中央に大気開放弁206、操作板223の左右の各側辺部に各6個の開閉弁216、操作板223の右辺部の開閉弁216の配置部外側にポンプ駆動弁221を配置し、これら弁を手動で開閉操作するようにしている。
【0041】
架台200の天板202には、左右一対の配管用の開口224,224が形成されており、架台200内の左右の各流出側マニホールド215から操作板223の左右の各側辺部の開閉弁216を経由してのびる個別流出パイプ214を左右の各開口224を通してノズル接続アタッチメント7の左右各列のキャップ71に接続すると共に、架台200内の左右の各流入側マニホールド208からのびる個別流入パイプ207を左右の各開口224を通して左右の各導入口接続アタッチメント5の配管アダプタ5cに接続する。
【0042】
また、天板202上には、開口224を跨ぐようにして導入口接続アタッチメント5用の置き台225が左右一対に設けられており、この置き台225に導入口接続アタッチメント5を載置した状態で、配管アダプタ5cに対する個別流入パイプ207の接続作業を行えるようにしている。尚、置き台225は、前後両端の各左右一対の支柱225aを介して天板202に支持され、また、置き台225の上面には、導入口接続アタッチメント5のプレート5bを受ける前後一対の支持片225bが設けられている。更に、置き台225の外側縁には、複数のバンド取り付け穴225cが形成されており、これら各バンド取り付け穴225cに取り付ける各バンド(図示せず)により各個別流入パイプ207を緩く挿通支持し得るようにしている。
【0043】
ここで、個別流入パイプ207と個別流出パイプ214との少なくとも一方は、液流を外部から視認可能な樹脂チューブで構成され、保管液の通液具合を目視確認できるようにしている。
【0044】
上記保管装置Bによるヘッドユニット1の保管に際しては、先ず、置き台225に導入口接続アタッチメント5を載置した状態で、導入口接続アタッチメント5の各配管アダプタ5cに各個別流入パイプ207を接続する。次に、キャリッジ2に複数の機能液滴吐出ヘッド3を装着して組み立てたヘッドユニット1を、キャリッジ支持部材204でキャリッジ2が支持されるように保管装置Bにセットし、キャリッジ2をねじ204aでキャリッジ支持部材204上に固定する。これによれば、アタッチメント支持部材203で支持されているノズル接続アタッチメント7の各キャップ71に各機能液滴吐出ヘッド3の吐出ノズル3fが接続される。その後、導入口接続アタッチメント5をキャリッジ2に装着して、各配管アダプタ5cを各機能液滴吐出ヘッド3の機能液導入口3aに接続する。
【0045】
次に、大気開放弁206を流入パイプ205の開通位置に切り換えると共に、全ての開閉弁216を開弁させ、この状態でポンプ駆動弁221を開弁して吸引ポンプ210を駆動する。これによれば、保管液タンク201内の保管液が流入パイプ205から各機能液滴吐出ヘッド3を介して流出パイプ211に至る経路を経由して吸引ポンプ210に吸引され、吸引ポンプ210から再生フィルタ213を介して保管液タンク201に戻される。このようにして、保管液を循環使用しつつ、各機能液滴吐出ヘッド3の機能液導入口3aから吐出ノズル3fに至るノズル内流路に保管液が通液される。
【0046】
そして、所定時間の通液後、ポンプ駆動弁221を閉弁して吸引ポンプ210を停止する。これによれば、保管液の通液が停止されて、各機能液滴吐出ヘッド3のノズル内流路に保管液が充填された状態になる。ここで、ノズル内流路に保管液が良好に充填されていれば、個別流入パイプ207および個別流出パイプ214も保管液で満たされている。そこで、通液停止後、上記樹脂チューブで構成される個別流入パイプ207または個別流出パイプ214を見て、各機能液滴吐出ヘッド3の保管液の充填具合を確認し、充填ミスを生じた機能液滴吐出ヘッド3が有る場合は、それ以外の機能液滴吐出ヘッド3に対応する開閉弁216を閉弁として、吸引ポンプ210を再度駆動する。これによれば、充填ミスを生じた機能液滴吐出ヘッド3にのみ保管液を通液して、この機能液滴吐出ヘッド3にリトライ充填できる。
【0047】
全ての機能液滴吐出ヘッド3に保管液が充填されたときは、全ての開閉弁216を閉弁すると共に、大気開放弁206を流入パイプ207の遮断位置に切り換え、この状態でヘッドユニット1を保管する。尚、保管中も、定期的に上記樹脂チューブで構成される個別流入パイプ207または個別流出パイプ214を見て、各機能液滴吐出ヘッド3の保管液の充填具合を確認し、保管液の漏れ等の充填不良を生じた機能液滴吐出ヘッド3が有る場合は、この機能液滴吐出ヘッド3に対応する開閉弁216を開弁し、大気開放弁206を流入パイプ207の開通位置に切り換えると共に吸引ポンプ210を駆動して、充填不良を生じた機能液滴吐出ヘッド3に保管液を再充填する。
【0048】
ヘッドユニット1を描画装置Aで使用するために保管装置Bから取り出す際は、全ての開閉弁216を開弁すると共に、大気開放弁206を流入パイプ207の大気開放位置に切り換え、この状態で吸引ポンプ210を駆動する。これによれば、流入パイプ207から各機能液滴吐出ヘッド3を介して流出パイプ211に至る全経路内の保管液が流入パイプ207からの空気の流入で保管液タンク201に回収され、保管液を効率良く循環使用することができる。
【0049】
ところで、上記実施形態では、大気開放弁206、開閉弁216およびポンプ駆動弁221を手動操作式のものとしたが、これらを自動制御式の弁で構成し、各機能液滴吐出ヘッド3への通液を検出するセンサを設けて、各機能液滴吐出ヘッド3への保管液の通液充填を自動化することも可能である。また、上記実施形態では、開閉弁216を個別流出パイプ214に介設したが、個別流入パイプ207に開閉弁216を介設しても良い。
【0050】
更に、上記実施形態では、流入側マニホールド208からのびる個別流入パイプ207を導入口接続アタッチメント5の配管アダプタ5cに直接接続したが、個別流入パイプ207を流入側マニホールド208に接続される上流側部分と配管アダプタ5cに接続される下流側部分とに分離し、図16(a)(b)(c)に示す如く、ヘッドユニット1のキャリッジ2にワンタッチジョイント8を搭載して、個別流入パイプ207の上流側部分と下流側部分とをワンタッチジョイント8を介して接続するようにしても良い。このワンタッチジョイント8は、キャリッジ2のY軸方向一端部(ハンドル2b側の端部)にブラケット80を介して取り付けられている。図17(a)(b)に明示されているように、ワンタッチジョイント8は、ブラケット80にねじ止めされるX軸方向に長手のプレート81を備えており、このプレート81に、上下2列で計12個のソケット82を嵌合固定し、各ソケット82に、導入口接続アタッチメント5の各配管アダプタ5cに接続される各個別流入パイプ207の下流側部分を管継手83を介して接続するように構成されている。尚、配管アダプタ5cは各1個の機能液滴吐出ヘッド3に対し2個宛設けられているため、各個別流入パイプ207をY字継ぎ手(図示せず)を介して2個の配管アダプタ5cに接続する。各ソケット82には、プラグ84が着脱自在に嵌合しており、各プラグ84に、流入側マニホールド208に接続される各個別流入パイプ216の上流側部分をエルボ管85を介して接続しておく。かくて、各ソケット82に各プラグ84を着脱するだけで、各個別流入パイプ207の下流側部分にその上流側部分を接続、分離できる。そして、描画装置Aの機能液用の配管部材に上記と同様のプラグを取り付けておくことにより、機能液用の配管部材を上記ワンタッチジョイント8を介して配管アダプタ5cに接続することができる。そのため、描画装置Aに別途ワンタッチジョイントを設ける必要がなく、コストダウンを図れる。尚、上記プラグ84は、プレート81に両端のねじ86で着脱自在に取り付けられる押えバー87により抜け止めされている。また、図1ないし図3に示すものでは、プレート5bに複数の配管アダプタ5cを固定し、プレート5bをキャリッジ2上のスペーサ5aにねじ5f止めすることで、各配管アダプタ5cを各機能液滴吐出ヘッド3に接続するようにしたが、図16に示すものでは、プレート5bを省略して、各機能液滴吐出ヘッド3に各配管アダプタ5cを個別に接続している。
【0051】
ところで、上記保管装置Bによれば、機能液滴吐出ヘッド3をこれに保管液を充填したまま保管でき、ヘッド内部の酸化や異物の侵入等による吐出不良を生ずることなく、吐出ノズル3fから機能液を確実に精度良く吐出できる。そのため、上記の如く保管した機能液滴吐出ヘッド3を用いることにより、液晶表示装置、有機EL装置、電子放出装置、PDP装置、電気泳動表示装置といった種々の製品を精度良く製造できる。以下、上記の如く保管した機能液滴吐出ヘッド3(ヘッドユニット1)を用いた製造方法を、液晶表示装置の製造方法および有機EL装置の製造方法を例に、説明する。
【0052】
図18は、液晶表示装置のカラーフィルタの部分拡大図である。図18(a)は平面図であり、図18(b)は図18(a)のB−B´線断面図である。断面図各部のハッチングは一部省略している。
【0053】
図18(a)に示されるように、カラーフィルタ400は、マトリクス状に並んだ画素(フィルタエレメント)412を備え、画素と画素の境目は、仕切り413によって区切られている。画素412の1つ1つには、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかのインク(フィルタ材料)が導入されている。この例では赤、緑、青の配置をいわゆるモザイク配列としたが、ストライプ配列、デルタ配列など、その他の配置でも構わない。
【0054】
図18(b)に示されるように、カラーフィルタ400は、透光性の基板411と、遮光性の仕切り413とを備えている。仕切り413が形成されていない(除去された)部分は、上記画素412を構成する。この画素412に導入された各色のインクは着色層421を構成する。仕切り413及び着色層421の上面には、オーバーコート層422及び電極層423が形成されている。
【0055】
図19は、本発明の実施形態によるカラーフィルタの製造方法を説明する製造工程断面図である。断面図各部のハッチングは一部省略している。
【0056】
膜厚0.7mm、たて38cm、横30cmの無アルカリガラスからなる透明基板411の表面を、熱濃硫酸に過酸化水素水を1重量%添加した保管液で保管し、純水でリンスした後、エア乾燥を行って清浄表面を得る。この表面に、スパッタ法によりクロム膜を平均0.2μmの膜厚で形成し、金属層414´を得る(図19:S1)。
【0057】
この基板をホットプレート上で、80℃で5分間乾燥させた後、金属層414´の表面に、スピンコートによりフォトレジスト層(図示せず)を形成する。この基板表面に、所要のマトリクスパターン形状を描画したマスクフィルムを密着させ、紫外線で露光をおこなう。次に、これを、水酸化カリウムを8重量%の割合で含むアルカリ現像液に浸漬して、未露光の部分のフォトレジストを除去し、レジスト層をパターニングする。続いて、露出した金属層を、塩酸を主成分とするエッチング液でエッチング除去する。このようにして所定のマトリクスパターンを有する遮光層(ブラックマトリクス)414を得ることができる(図19:S2)。遮光層414の膜厚は、およそ0.2μmである。また、遮光層414の幅は、およそ22μmである。
【0058】
この基板上に、さらにネガ型の透明アクリル系の感光性樹脂組成物415´をやはりスピンコート法で塗布する(図19:S3)。これを100℃で20分間プレベークした後、所定のマトリクスパターン形状を描画したマスクフィルムを用いて紫外線露光を行なう。未露光部分の樹脂を、やはりアルカリ性の現像液で現像し、純水でリンスした後スピン乾燥する。最終乾燥としてのアフターベークを200℃で30分間行い、樹脂部を十分硬化させることにより、バンク層415が形成され、遮光層414及びバンク層415からなる仕切り413が形成される(図19:S4)。このバンク層415の膜厚は、平均で2.7μmである。また、バンク層415の幅は、およそ14μmである。
【0059】
得られた遮光層414およびバンク層415で区画された着色層形成領域(特にガラス基板411の露出面)のインク濡れ性を改善するため、ドライエッチング、すなわちプラズマ処理を行なう。具体的には、ヘリウムに酸素を20%加えた混合ガスに高電圧を印加し、プラズマ雰囲気でエッチングスポットに形成し、基板を、このエッチングスポット下を通過させてエッチングする。
【0060】
次に、描画装置Aに投入した保管済みのヘッドユニット1を用い、仕切り413で区切られて形成された画素412内に、上記R(赤)、G(緑)、B(青)の各インクをインクジェット方式により導入する(図19:S5)。この際、機能液滴吐出ヘッド3から微小インク滴を着色層形成領域毎に10滴、選択的に飛ばす。駆動周波数は14.4k3z、すなわち、各インク滴の吐出間隔は69.5μ秒に設定する。ヘッドとターゲットとの距離は、0.3mmに設定する。ヘッドよりターゲットである着色層形成領域への飛翔速度、飛行曲がり、サテライトと称される分裂迷走滴の発生防止のためには、インクの物性はもとよりヘッドの圧電素子を駆動する波形(電圧を含む)が重要である。従って、あらかじめ条件設定された波形をプログラムして、インク滴を赤、緑、青の3色を同時に塗布して所定の配色パターンにインクを塗布する。
【0061】
インク(フィルタ材料)としては、例えばポリウレタン樹脂オリゴマーに無機顔料を分散させた後、低沸点溶剤としてシクロヘキサノンおよび酢酸ブチルを、高沸点溶剤としてブチルカルビトールアセテートを加え、さらに非イオン系界面活性剤0.01重量%を分散剤として添加し、粘度6〜8センチポアズとしたものを用いる。
【0062】
次に、塗布したインクを乾燥させる。まず、自然雰囲気中で3時間放置してインク層416のセッティングを行った後、80℃のホットプレート上で40分間加熱し、最後にオーブン中で200℃で30分間加熱してインク層416の硬化処理を行って、着色層421が得られる(図19:S6)。
【0063】
上記基板に、透明アクリル樹脂塗料をスピンコートして平滑面を有するオーバーコート層422を形成する。さらに、この上面にITO(Indium Tin Oxide)からなる電極層423を所要パターンで形成して、カラーフィルタ400とする(図19:S7)。なお、このオーバーコート層422を、機能液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)によるインクジェット方式で、形成するようにしてもよい。
【0064】
図20は、上記の如く製造されるカラーフィルタ400を使用した電気光学装置(フラットディスプレイ)の一例であるカラー液晶表示装置の断面図である。断面図各部のハッチングは一部省略している。
【0065】
このカラー液晶表示装置450は、カラーフィルタ400と対向基板466とを組み合わせ、両者の間に液晶組成物465を封入することにより製造される。液晶表示装置450の一方の基板466の内側の面には、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示せず)と画素電極463とがマトリクス状に形成されている。また、もう一方の基板として、画素電極463に対向する位置に赤、緑、青の着色層421が配列するようにカラーフィルタ400が設置されている。
【0066】
基板466とカラーフィルタ400の対向するそれぞれの面には、配向膜461、464が形成されている。これらの配向膜461、464はラビング処理されており、液晶分子を一定方向に配列させることができる。また、基板466およびカラーフィルタ400の外側の面には、偏光板462、467がそれぞれ接着されている。また、バックライトとしては蛍光燈(図示せず)と散乱板の組合わせが一般的に用いられており、液晶組成物465をバックライト光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う。
【0067】
なお、電気光学装置は、本発明では上記のカラー液晶表示装置に限定されず、例えば薄型のブラウン管、あるいは液晶シャッター等を用いた小型テレビ、EL表示装置、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ、FED(Field Emission Display)パネル等の種々の電気光学手段を用いることができる。
【0068】
次に、図21ないし図33を参照して、有機EL装置の有機EL(表示装置)とその製造方法(製造プロセス)を説明する。この製造プロセスは、バンク部形成工程と、プラズマ処理工程と、正孔注入/輸送層形成工程及び発光層形成工程からなる発光素子形成工程と、対向電極形成工程と、封止工程とを具備して構成されている。
【0069】
バンク部形成工程では、基板501に予め形成した回路素子部502上及び電極511(画素電極ともいう)上の所定の位置に、無機物バンク層512aと有機物バンク層512bを積層することにより、開口部512gを有するバンク部512を形成する。このように、バンク部形成工程には、電極511の一部に、無機物バンク層512aを形成する工程と、無機物バンク層の上に有機物バンク層512bを形成する工程が含まれる。
【0070】
まず無機物バンク層512aを形成する工程では、図21に示すように、回路素子部502の第2層間絶縁膜544b上及び画素電極511上に、無機物バンク層512aを形成する。無機物バンク層512aを、例えばCVD法、コート法、スパッタ法、蒸着法等によって層間絶縁層514及び画素電極511の全面にSiO2、TiO2等の無機物膜を形成する。
【0071】
次にこの無機物膜をエッチング等によりパターニングして、電極511の電極面511aの形成位置に対応する下部開口部512cを設ける。このとき、無機物バンク層512aを電極511の周縁部と重なるように形成しておく必要がある。このように、電極511の周縁部(一部)と無機物バンク層512aとが重なるように無機物バンク層512aを形成することにより、発光層510の発光領域を制御することができる。
【0072】
次に有機物バンク層512bを形成する工程では、図22に示すように、無機物バンク層512a上に有機物バンク層512bを形成する。有機物バンク層512bをフォトリソグラフィ技術等によりエッチングして、有機物バンク層512bの上部開口部512dを形成する。上部開口部512dは、電極面511a及び下部開口部512cに対応する位置に設けられる。
【0073】
上部開口部512dは、図22に示すように、下部開口部512cより広く、電極面511aより狭く形成することが好ましい。これにより、無機物バンク層512aの下部開口部512cを囲む第1積層部512eが、有機物バンク層512bよりも電極511の中央側に延出された形になる。このようにして、上部開口部512d、下部開口部512cを連通させることにより、無機物バンク層512a及び有機物バンク層512bを貫通する開口部512gが形成される。
【0074】
次にプラズマ処理工程では、バンク部512の表面と画素電極の表面511aに、親インク性を示す領域と、撥インク性を示す領域を形成する。このプラズマ処理工程は、予備加熱工程と、バンク部512の上面(512f)及び開口部512gの壁面並びに画素電極511の電極面511aを親インク性を有するように加工する親インク化工程と、有機物バンク層512bの上面512f及び上部開口部512dの壁面を、撥インク性を有するように加工する撥インク化工程と、冷却工程とに大別される。
【0075】
まず、予備加熱工程では、バンク部512を含む基板501を所定の温度まで加熱する。加熱は、例えば基板501を載せるステージにヒータを取り付け、このヒータで当該ステージごと基板501を加熱することにより行う。具体的には、基板501の予備加熱温度を、例えば70〜80℃の範囲とすることが好ましい。
【0076】
つぎに、親インク化工程では、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。このO2プラズマ処理により、図23に示すように、画素電極511の電極面511a、無機物バンク層512aの第1積層部512e及び有機物バンク層512bの上部開口部512dの壁面ならびに上面512fが親インク処理される。この親インク処理により、これらの各面に水酸基が導入されて親インク性が付与される。図23では、親インク処理された部分を一点鎖線で示している。
【0077】
つぎに、撥インク化工程では、大気雰囲気中で4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行う。CF4プラズマ処理により、図24に示すように、上部開口部512d壁面及び有機物バンク層の上面512fが撥インク処理される。この撥インク処理により、これらの各面にフッ素基が導入されて撥インク性が付与される。図24では、撥インク性を示す領域を二点鎖線で示している。
【0078】
次に、冷却工程では、プラズマ処理のために加熱された基板501を室温、またはインクジェット工程(液滴吐出工程)の管理温度まで冷却する。プラズマ処理後の基板501を室温、または所定の温度(例えばインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却することにより、次の正孔注入/輸送層形成工程を一定の温度で行うことができる。
【0079】
次に発光素子形成工程では、画素電極511上に正孔注入/輸送層及び発光層を形成することにより発光素子を形成する。発光素子形成工程には、4つの工程が含まれる。即ち、正孔注入/輸送層を形成するための第1組成物を各前記画素電極上に吐出する第1液滴吐出工程と、吐出された前記第1組成物を乾燥させて前記画素電極上に正孔注入/輸送層を形成する正孔注入/輸送層形成工程と、発光層を形成するための第2組成物を前記正孔注入/輸送層の上に吐出する第2液滴吐出工程と、吐出された前記第2組成物を乾燥させて前記正孔注入/輸送層上に発光層を形成する発光層形成工程とが含まれる。
【0080】
まず、第1液滴吐出工程では、インクジェット法(液滴吐出法)により、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を電極面511a上に吐出する。なお、この第1液滴吐出工程以降は、水、酸素の無い窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。(なお、画素電極上にのみ正孔注入/輸送層を形成する場合は、有機物バンク層に隣接して形成される正孔注入/輸送層は形成されない)
【0081】
図25に示すように、インクジェットヘッド(機能液滴吐出ヘッド)3に正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を充填し、インクジェットヘッド3の吐出ノズルを下部開口部512c内に位置する電極面511aに対向させ、インクジェットヘッド3と基板501とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された第1組成物滴510cを電極面511a上に吐出する。
【0082】
ここで用いる第1組成物としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、繃−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。なお、正孔注入/輸送層形成材料は、R・G・Bの各発光層510bに対して同じ材料を用いても良く、発光層毎に変えても良い。
【0083】
図25に示すように、吐出された第1組成物滴510cは、親インク処理された電極面511a及び第1積層部512e上に広がり、下部、上部開口部512c、512d内に満たされる。電極面511a上に吐出する第1組成物量は、下部、上部開口部512c、512dの大きさ、形成しようとする正孔注入/輸送層の厚さ、第1組成物中の正孔注入/輸送層形成材料の濃度等により決定される。また、第1組成物滴510cは1回のみならず、数回に分けて同一の電極面511a上に吐出しても良い。
【0084】
次に正孔注入/輸送層形成工程では、図26に示すように、吐出後の第1組成物を乾燥処理及び熱処理して第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、電極面511a上に正孔注入/輸送層510aを形成する。乾燥処理を行うと、第1組成物滴510cに含まれる極性溶媒の蒸発が、主に無機物バンク層512a及び有機物バンク層512bに近いところで起き、極性溶媒の蒸発に併せて正孔注入/輸送層形成材料が濃縮されて析出する。
【0085】
これにより図26に示すように、乾燥処理によって電極面511a上でも極性溶媒の蒸発が起き、これにより電極面511a上に正孔注入/輸送層形成材料からなる平坦部510aが形成される。電極面511a上では極性溶媒の蒸発速度がほぼ均一であるため、正孔注入/輸送層の形成材料が電極面511a上で均一に濃縮され、これにより均一な厚さの平坦部510aが形成される。
【0086】
次に第2液滴吐出工程では、インクジェット法(液滴吐出法)により、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐出する。この第2液滴吐出工程では、正孔注入/輸送層510aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層510aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
【0087】
しかしその一方で正孔注入/輸送層510aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐出しても、正孔注入/輸送層510aと発光層510bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層510bを均一に塗布できないおそれがある。そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層510aの表面の親和性を高めるために、発光層を形成する前に表面改質工程を行うことが好ましい。
【0088】
そこでまず、表面改質工程について説明する。表面改質工程は、発光層形成の際に用いる第1組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質用溶媒を、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法またはディップ法により正孔注入/輸送層510a上に塗布した後に乾燥することにより行う。
【0089】
例えば、インクジェット法による塗布は、図27に示すように、インクジェットヘッド3に、表面改質用溶媒を充填し、インクジェットヘッド3の吐出ノズルを基板(すなわち、正孔注入/輸送層510aが形成された基板)に対向させ、インクジェットヘッド3と基板501とを相対移動させながら、吐出ノズル3から表面改質用溶媒510dを正孔注入/輸送層510a上に吐出することにより行う。そして、図28に示すように、表面改質用溶媒510dを乾燥させる。
【0090】
次に第2液滴吐出工程では、インクジェット法(液滴吐出法)により、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐出する。図29に示すように、インクジェットヘッド3に、青色(B)発光層形成材料を含有する第2組成物を充填し、インクジェットヘッド3の吐出ノズルを下部、上部開口部512c、512d内に位置する正孔注入/輸送層510aに対向させ、インクジェットヘッド3と基板501とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された第2組成物滴510eとして吐出し、この第2組成物滴510eを正孔注入/輸送層510a上に吐出する。
【0091】
発光層形成材料としては、ポリフルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、あるいは上記高分子に有機EL材料をドープして用いる事ができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープすることにより用いることができる。
【0092】
非極性溶媒としては、正孔注入/輸送層510aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。このような非極性溶媒を発光層510bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層510aを再溶解させることなく第2組成物を塗布できる。
【0093】
図29に示すように、吐出された第2組成物510eは、正孔注入/輸送層510a上に広がって下部、上部開口部512c、512d内に満たされる。第2組成物510eは1回のみならず、数回に分けて同一の正孔注入/輸送層510a上に吐出しても良い。この場合、各回における第2組成物の量は同一でも良く、各回毎に第2組成物量を変えても良い。
【0094】
次に発光層形成工程では、第2組成物を吐出した後に乾燥処理及び熱処理を施して、正孔注入/輸送層510a上に発光層510bを形成する。乾燥処理は、吐出後の第2組成物を乾燥処理することにより第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発して、図30に示すような青色(B)発光層510bを形成する。
【0095】
続けて、図31に示すように、青色(B)発光層510bの場合と同様にして、赤色(R)発光層510bを形成し、最後に緑色(G)発光層510bを形成する。なお、発光層510bの形成順序は、前述の順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。
【0096】
次に対向電極形成工程では、図32に示すように、発光層510b及び有機物バンク層512bの全面に陰極503(対向電極)を形成する。なお,陰極503は複数の材料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料を形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiF等を薄く形成した方が良い場合もある。また、上部側(封止側)には下部側よりも仕事関数が高いものが好ましい。これらの陰極(陰極層)503は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、発光層510bの熱による損傷を防止できる点で好ましい。
【0097】
また、フッ化リチウムは、発光層510b上のみに形成しても良く、更に青色(B)発光層510b上のみに形成しても良い。この場合、他の赤色(R)発光層及び緑色(G)発光層510b、510bには、LiFからなる上部陰極層503bが接することとなる。また陰極12の上部には、蒸着法、スパッタ法、CVD法等により形成したAl膜、Ag膜等を用いることが好ましい。また、陰極503上に、酸化防止のためにSiO2、SiN等の保護層を設けても良い。
【0098】
最後に、図33に示す封止工程では、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中で、有機EL素子504上に封止用基板505を積層する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極503にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極503に侵入して陰極503が酸化されるおそれがあるので好ましくない。そして最後に、フレキシブル基板の配線に陰極503を接続するとともに、駆動ICに回路素子部502の配線を接続することにより、本実施形態の有機EL装置500が得られる。なお、上記の撥インク膜、陰極503、画素電極511等においても、それぞれ液体材料を用い、インクジェット法で形成するようにしてもよい。
【0099】
なお、画素電極511および陰極(対向電極)503の形成において、インクジェットヘッドHによるインクジェット方式を採用してもよい。すなわち、液体の電極材料をインクジェットヘッドHにそれぞれ導入し、これをインクジェットヘッドHから吐出して、画素電極511および陰極503をそれぞれ形成する(乾燥工程を含む)。
【0100】
同様に、本実施形態のヘッドユニットは、電子放出装置の製造方法、PDP装置の製造方法および電気泳動表示装置の製造方法等に、適用することができる。
【0101】
電子放出装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド3にR、G、B各色の各色の蛍光材料を導入し、ヘッドユニット1を介して複数の機能液滴吐出ヘッド3を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出して、電極上に多数の蛍光体を形成する。なお、電子放出装置は、FED(電界放出ディスプレイ)を含む上位の概念である。
【0102】
PDP装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド3にR、G、B各色の各色の蛍光材料を導入し、ヘッドユニット1を介して複数の機能液滴吐出ヘッド3を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出して、背面基板上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成する。
【0103】
電気泳動表示装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド3に各色の泳動体材料を導入し、ヘッドユニット1を介して複数の機能液滴吐出ヘッド3を主走査および副走査し、インク材料を選択的に吐出して、電極上の多数の凹部にそれぞれ泳動体を形成する。尚、帯電粒子と染料とから成る泳動体は、マイクロカプセルに封入されていることが、好ましい。
【0104】
また、保管済みのヘッドユニット1は、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法等にも、適用可能である。
【0105】
スペーサ形成方法は、2枚の基板間に微小なセルギャップを構成すべく多数の粒子状のスペーサを形成するものであり、複数の機能液滴吐出ヘッド3にスペーサを構成する粒子材料を導入し、ヘッドユニット1を介して複数の機能液滴吐出ヘッド3を主走査および副走査し、粒子材料を選択的に吐出して少なくとも一方の基板上にスペーサを形成する。例えば、上記の液晶表示装置や電気泳動表示装置における2枚の基板間のセルギャップを構成する場合に有用であり、その他この種の微小なギャップを必要とする半導体製造技術に適用できることはいうまでもない。
【0106】
金属配線形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド3に液状金属材料を導入し、ヘッドユニット1を介して複数の機能液滴吐出ヘッド3を主走査および副走査し、液状金属材料を選択的に吐出して、基板上に金属配線を形成する。例えば、上記の液晶表示装置におけるドライバと各電極とを接続する金属配線や、上記の有機EL装置におけるTFT等と各電極とを接続する金属配線に適用することができる。また、この種のフラットディスプレイの他、一般的な半導体製造技術に適用できることはいうまでもない。
【0107】
レンズ形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド3にレンズ材料を導入し、ヘッドユニット1を介して複数の機能液滴吐出ヘッド3を主走査および副走査し、レンズ材料を選択的に吐出して、透明基板上に多数のマイクロレンズを形成する。例えば、上記のFED装置におけるビーム収束用のデバイスとして適用可能である。また、各種の光デバイスに適用可能であることはいうまでもない。
【0108】
レジスト形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド3にレジスト材料を導入し、ヘッドユニット1を介して複数の機能液滴吐出ヘッド3を主走査および副走査し、レジスト材料を選択的に吐出して、基板上に任意形状のフォトレジストを形成する。例えば、上記の各種表示装置おけるバンクの形成は元より、半導体製造技術の主体を為すフォトリソグラフィー法において、フォトレジストの塗布に広く適用可能である。
【0109】
光拡散体形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド3に光拡散材料を導入し、ヘッドユニット1を介して複数の機能液滴吐出ヘッド3を主走査および副走査し、光拡散材料を選択的に吐出して多数の光拡散体を形成する。この場合も、各種の光デバイスに適用可能であることはいうまでもない。
【0110】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の保管方法および保管装置によれば、機能液滴吐出ヘッドをヘッド内流路に保管液を充填した状態で保管できるため、ヘッド内部の酸化やヘッド内への異物の侵入が確実に防止され、その後機能液滴吐出ヘッドを使用する際、吐出ノズルから機能液を確実に精度良く吐出できる。そのため、本発明の保管方法や保管装置により保管した機能液滴吐出ヘッドを用いることにより、液晶表示装置、有機EL装置、電子放出装置、PDP装置、電気泳動表示装置といった種々の製品を精度良く製造でき、更に、スペーサ、金属配線、レンズ、レジストおよび光拡散体も精度良く形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の保管対象物となるヘッドユニットの一例の平面図である。
【図2】 図1のヘッドユニットの正面図である。
【図3】 図1のヘッドユニットの側面図である。
【図4】 ヘッドユニットを用いてカラーフィルタ等の製品を製造する描画装置の模式図である。
【図5】 ヘッドユニットに搭載した機能液滴吐出ヘッド廻りの断面図である。
【図6】 機能液滴吐出ヘッドを模式的に表した斜視図である。
【図7】 機能液滴吐出ヘッドの拡大断面図である。
【図8】 本発明に係わる保管装置の一例を示す全体斜視図である。
【図9】 保管装置の平面図である。
【図10】 保管装置の正面図である。
【図11】 保管装置の側面図である。
【図12】 保管装置を積み重ねたユニットを示す斜視図である。
【図13】 ノズル接続アタッチメントを示す斜視図である。
【図14】 ノズル接続アタッチメントに装着するキャップの断面図である。
【図15】 通液手段の構成を示す回路図である。
【図16】 (a)ヘッドユニットの他の例を示す平面図、(b)その正面図、(c)その側面図である。
【図17】 (a)図16のヘッドユニットに搭載するワンタッチジョイントを示す斜視図、(b)その断面図である。
【図18】 (a)カラーフィルタの製造方法により製造されるカラーフィルタの部分拡大図、(b)その断面図である。
【図19】 (S1)〜(S7)カラーフィルタの製造方法を模式的に示す製造工程断面図である。
【図20】 カラーフィルタの製造方法により製造される液晶表示装置の断面図である。
【図21】 有機EL製造プロセスのバンク形成工程における無機物バンク層の形成工程を示す断面図である。
【図22】 有機EL製造プロセスのバンク形成工程における有機物バンク層の形成工程を示す断面図である。
【図23】 有機EL製造プロセスのプラズマ処理工程における親インク化工程を示す断面図である。
【図24】 有機EL製造プロセスのプラズマ処理工程における撥インク化工程を示す断面図である。
【図25】 有機EL製造プロセスの発光素子形成工程における第1液滴吐出工程を示す断面図である。
【図26】 有機EL製造プロセスの発光素子形成工程における正孔注入/輸送層形成工程を示す断面図である。
【図27】 有機EL製造プロセスの発光素子形成工程における表面改質工程での表面改質用溶媒の吐出状態を示す断面図である。
【図28】 有機EL製造プロセスの発光素子形成工程における表面改質工程での表面改質用溶媒の乾燥状態を示す断面図である。
【図29】 有機EL製造プロセスの発光素子形成工程における第2液滴吐出工程を示す断面図である。
【図30】 有機EL製造プロセスの発光素子形成工程における発光層形成工程を示す断面図である。
【図31】 有機EL製造プロセスの発光素子形成工程における発光層形成工程の完了状態を示す断面図である。
【図32】 有機EL製造プロセスの対向電極形成工程を示す断面図である。
【図33】 有機EL製造プロセスの封止工程を示す断面図である。
【符号の説明】
A 描画装置 B 洗浄装置
1 ヘッドユニット 2 キャリッジ
3 機能液滴吐出ヘッド 3a 機能液導入口
3f 吐出ノズル 5 導入口接続アタッチメント
5c 配管アダプタ(接続部) 7 ノズル接続アタッチメント
71 キャップ(接続部) 8 ワンタッチジョイント
201 保管液タンク 203 アタッチメント支持部材
204 キャリッジ支持部材 205 流入パイプ
206 大気開放弁 207 個別流入パイプ
208 流入側マニホールド 210 吸引ポンプ
211 流出パイプ 212 回収パイプ
214 個別流出パイプ 215 流出側マニホールド
216 開閉弁

Claims (5)

  1. キャリッジに機能液滴吐出ヘッドを複数搭載したヘッドユニットに適用され、前記機能液滴吐出ヘッドの機能液導入口側から吐出ノズルに至るヘッド内流路に保管液を充填して保管する機能液滴吐出ヘッドの保管装置であって、
    前記機能液導入口に接続される導入口接続アタッチメントと、
    前記吐出ノズルに接続されるノズル接続アタッチメントと、
    前記導入口接続アタッチメントおよび前記ノズル接続アタッチメントを介して前記ヘッド内流路に保管液を通液する通液手段とを備え、
    前記通液手段は、
    流入パイプを介して、前記導入口接続アタッチメントに接続される保管液タンクと、
    流出パイプを介して、前記ノズル接続アタッチメントに接続される吸引ポンプとを有し、
    前記導入口接続アタッチメントおよび前記ノズル接続アタッチメントは、これら複数の機能液滴吐出ヘッドに対応する複数の接続部を備えており、
    前記導入口接続アタッチメントには、該導入口接続アタッチメントの前記複数の接続部に個別に連通する複数本の個別流入パイプが接続され、且つ前記複数本の個別流入パイプには流入側マニホールドを介して前記流入パイプが接続され、
    前記ノズル接続アタッチメントには,該ノズル接続アタッチメントの前記複数の接続部に個別に連通する複数本の個別流出パイプが接続され、且つ前記複数本の個別流出パイプには流出側マニホールドを介して前記流出パイプが接続され、
    前記各個別流入パイプおよび/または前記各個別流出パイプには、開閉弁が介設され、
    前記各個別流入パイプおよび/または前記各個別流出パイプは、液流を外部から視認可能な樹脂チューブで構成されていることを特徴とする機能液滴吐出ヘッドの保管装置。
  2. 前記吸引ポンプの吐出側には、前記保管液タンクに連通する回収パイプが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の機能液滴吐出ヘッドの保管装置。
  3. 前記流入パイプを、前記保管液タンクの近傍において、大気に開放する大気開放弁を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の機能液滴吐出ヘッドの保管装置。
  4. 前記各個別流入パイプを、前記流入側マニホールドに接続される上流側部分と、前記導入口接続アタッチメントに接続される下流側部分とに分離し、前記キャリッジに前記各個別流入パイプの上流側部分を前記各個別流入パイプの下流側部分に接続するワンタッチジョイントを搭載することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の機能液滴吐出ヘッドの保管装置。
  5. 前記ノズル接続アタッチメントを支持するアタッチメント支持部材と、
    前記機能液滴吐出ヘッドを搭載したキャリッジを前記アタッチメント支持部材で支持される前記ノズル接続アタッチメントの上に重ねるようにして支持するキャリッジ支持部材とを備え、
    前記キャリッジ支持部材に前記キャリッジを支持させることで前記機能液滴吐出ヘッドの前記吐出ノズルが前記ノズル接続アタッチメントに接続されるようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の機能液滴吐出ヘッドの保管装置。
JP2001388318A 2001-12-20 2001-12-20 機能液滴吐出ヘッドの保管装置 Expired - Lifetime JP3937834B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001388318A JP3937834B2 (ja) 2001-12-20 2001-12-20 機能液滴吐出ヘッドの保管装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001388318A JP3937834B2 (ja) 2001-12-20 2001-12-20 機能液滴吐出ヘッドの保管装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003182110A JP2003182110A (ja) 2003-07-03
JP3937834B2 true JP3937834B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=27596874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001388318A Expired - Lifetime JP3937834B2 (ja) 2001-12-20 2001-12-20 機能液滴吐出ヘッドの保管装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3937834B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4876398B2 (ja) * 2004-01-08 2012-02-15 セイコーエプソン株式会社 描画装置および電気光学装置の製造方法
JP2005331619A (ja) 2004-05-18 2005-12-02 Sharp Corp パターン部材およびその製造方法
CN114536982A (zh) * 2020-11-19 2022-05-27 细美事有限公司 用于处理基板的头部维护单元和设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003182110A (ja) 2003-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3925257B2 (ja) 気密チャンバにおける接続ラインの貫通構造およびこれを備えた吐出装置、並びに液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法
JP3890973B2 (ja) ヘッドユニット
JP3985559B2 (ja) 吐出装置、並びに液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法
JP4066661B2 (ja) 有機el装置の製造装置および液滴吐出装置
US6910762B2 (en) Head unit for ejection apparatus and ejection apparatus equipped therewith; method of manufacturing lcd device, organic el device, electron emission device, pdp device, electrophoretic display device, color filter, and organic el; method of forming spacer, metallic wiring, lens, resist, and light diffusion member
TW200408551A (en) Head cap, droplet ejection apparatus, manufactures of LCD device, organic EL device, electron emission device, PDP device, electrophoretic display device, color filter, and organic EL, methods of forming spacer, wiring, lens, resist, and light diffusion
JP2004230660A (ja) 液滴吐出ヘッド、吐出方法およびその装置、電気光学装置、その製造方法およびその製造装置、カラーフィルタ、その製造方法およびその製造装置、ならびに基材を有するデバイス、その製造方法およびその製造装置
TW200526425A (en) Droplet ejecting device, electrooptical device producing method, electrooptical device, and electronic equipment
JP3937833B2 (ja) 機能液滴吐出ヘッドの洗浄方法および洗浄装置、並びに液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法
JP3937834B2 (ja) 機能液滴吐出ヘッドの保管装置
JP2003191462A (ja) 描画装置、並びにこれを用いた液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法
JP4192480B2 (ja) 描画装置および描画方法
JP2003275646A (ja) 吐出装置における機能液滴吐出ヘッドのクリーニングユニットおよびこれを備えた吐出装置、並びに液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法
JP3894000B2 (ja) ヘッドユニットの組立方法、機能液滴吐出ヘッドの位置決め装置およびヘッドユニットの組立装置
JP3901119B2 (ja) 描画装置、有機el装置の製造方法および製造装置、並びに有機el装置および電子機器
JP2003275647A (ja) 機能液滴吐出装置、並びにこれを用いた液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法
JP2006082080A (ja) 機能液滴吐出ヘッドへの液体充填方法および吐出装置、並びに液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法
JP4385682B2 (ja) 機能液滴吐出ヘッドの保管装置におけるセット治具、これを備えた機能液滴吐出ヘッドの保管装置および液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法
JP4385683B2 (ja) 機能液滴吐出ヘッドの保管装置および液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法
JP2005185899A (ja) チャンバ用貫通構造、液滴吐出装置および装置製造方法
JP2004087303A (ja) 製膜装置とその液状体充填方法及びデバイス製造方法とデバイス製造装置並びにデバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3937834

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term