JP3937602B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは画像の高解像度化が可能な短波長の半導体レーザーに適した電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、レーザープリンター等に代表されるレーザーを光源として使用している電子写真装置において使用されているレーザーは、800nm付近あるいは680nm付近に発振波長を有する半導体レーザーが主流である。近年、出力画像の高画質化のニーズの高まりから、高解像度化に向けた様々なアプローチがなされている。レーザーの波長もこの高解像度化に深く関わっており、特開平9−240051号公報にも記載されている様に、レーザーの発振波長が短くなるほど、レーザーのスポット径を細くすることが可能となり、高解像度の潜像形成が可能となる。
【0003】
レーザーの発振波長の短波長化には、いくつかの手法が挙げられる。一つは、非線形光学材料を利用し、第2高調波発生(SHG)を用いてレーザー光の波長を2分の1にするものである(特開平9−275242号公報、特開平9−189930号公報、特開平5−313033号公報等)。この系は、一次光源として、既に技術が確立し高出力可能なGaAs系LDやYAGレーザーを使用することができるため、長寿命化や大出力化が可能である。
【0004】
もう一つは、ワイドギャップ半導体を用いるもので、SHG利用のデバイスと比べ、装置の小型化が可能である。ZnSe系半導体(特開平7−321409号公報、特開平6−334272号公報等)や、GaN系半導体(特開平8−088441号公報、特開平7−335975号公報等)を用いたLDが、その発光効率の高さから、以前から多くの研究の対象となっている。
【0005】
しかし、これらのLDは素子構造、結晶成長条件、電極等の最適化が難しく、結晶中の欠陥等により、実用化に必須である室温での長時間発振が困難であった。しかし、基盤等の技術革新が進み、1997年10月には日亜化学工業から、GaN系半導体を用いたLDで1150時間連続発振(50℃条件)が報告される等、実用化が目前に迫っている状態である。
【0006】
従来のレーザーを用いた電子写真装置に使用される電子写真感光体は、700〜800nm付近の波長域で実用的な感度特性を発現するよう設計されてきた。従来のこれらの電子写真感光体を、400〜500nmに発振波長を有する半導体レーザーを用いた電子写真装置に組み込んでも、実用的な感度特性を得ることができない。その主な理由は、従来の長波長レーザー用感光体に使用されている電荷発生材料、具体的には無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、及び一部のアゾ顔料等は、400〜500nm付近には十分な吸収帯がなく、こうした波長域では十分なキャリアが発生しないためである。
【0007】
また、400〜500nm付近に十分な吸収帯を有する電荷発生材料を用いた場合でも、十分な感度特性が得られるとは限らない。電子写真感光体は近年、電荷キャリアの発生と電荷の移動の機能を別々の層に分担させる、いわゆる積層型(機能分離型)が高感度化に有利なことから、研究開発及び製品の主流となっている。導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層がこの順に積層された感光体では、レーザー光が電荷輸送層を透過して電荷発生層に到達した場合にのみ感度を発現する。しかし400〜500nm付近の短波長光の吸収係数の大きい電荷輸送材料を用いた感光体は、電荷発生層まで光が十分に届かないため、400〜500nmの光の吸収の大きな電荷発生材料を使用したとしても、十分な感度を示さない。
【0008】
更に、400〜500nm付近に十分な吸収帯を有する電荷発生材料を使用した感光体と400nm付近の光源を組み合わせた場合、従来の長波長光源用感光体と長波長光源を組み合わせた場合と比較して、繰り返し使用した際に感光体の電位変動が大きかったり、実機画像においてゴースト現象等の画像欠陥を生じ易い問題があることが本発明者らの検討により明らかになった。この一因として、短波長の強いエネルギーの光の照射により電荷発生層で発生した励起子、電荷キャリアの一部が、電子写真プロセスで消費されずに感光層内に蓄積していき、感光体の帯電能や感度特性を変化させることが考えられる。このような励起子やキャリアは、電荷輸送材料や他の化合物との電子移動反応により蓄積を抑えることが可能である。従って、繰り返し使用時の電位変動やメモリー現象を抑制させ、安定した高品位な画像を得るために、最適な電荷輸送材料の開発が望まれている。
【0009】
また近年、電子写真感光体を使用したプリンター等は多種多様な分野で使用される様になり、より様々な環境においても常に安定した画像を提供することが更に厳しく要求されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、380〜500nmの波長域でも高い感度特性を有し、かつ繰り返し使用や環境による電位変動の小さい電子写真感光体と短波長レーザーを使用することによって、実用的で安定して高品位な出力画像が得られる電子写真装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該感光体の表面に対して露光を行い静電潜像を形成する露光手段、及び静電潜像が形成された該感光体に対しトナーで現像する現像手段を備えた電子写真装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体であって、該電荷輸送層が下記一般式(1)及び(2)で示されるスチリル化合物の少なくとも一方を含有し、かつ該露光手段が少なくとも発振波長が380〜500nmの半導体レーザーを光源とすることを特徴とする電子写真装置が提供される。
【0012】
【化3】
【0013】
式中、Ar1及びAr2は置換基を有してもよいアリール基を示す、Ar3は置換基を有してもよいアリーレン基を示し、R1は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R2は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、nは1又は2であり、またn=1の場合は、R1とR2は直接又は他の−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−O−、−S−等の有機残基を介して環を形成してもよい。
【0014】
【化4】
【0015】
式中、Ar4、Ar5、Ar9及びAr10は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar3、Ar7及びAr8は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。Ar4とAr5又はAr9とAr10が環を形成する場合、Ar4とAr5又はAr9とAr10は例えば直接結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−O−、−S−等によって結ばれる。
【0016】
上記表現のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ピレニル等の芳香族炭化水素基、ピリジル、キノリル、チエニル、フリル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル等の複素環基が挙げられる。アリーレン基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン等の芳香族炭化水素又はピリジン、キノリン、チオフェン、フラン等の複素環から2個の水素原子を除いた、2価の芳香族炭化水素基又は複素環基が挙げられる。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等の基が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、フルフリル等の基が挙げられる。
【0017】
また、これらの基が有してもよい置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、フェニル、ナフチル等の芳香族炭化水素基、ピリジル、キノリル、チエニル、フリル等の複素環基、アセチル、ベンジル等のアシル基、ジメチルアミノ等のアルキルアミノ基、トリフルオロメチル等のハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等がある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に一般式(1)又は一般式(2)で示されるスチリル化合物についてその代表例を挙げる。構造式は一般式(1)及び一般式(2)のAr1〜Ar10、R1、R2及びnに相当する部分のみを記載した。但し、これらの化合物に限定されるものではない。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】
【表11】
【0030】
【表12】
【0031】
【表13】
【0032】
次に本発明で用いる電子写真感光体について詳しく説明する。
【0033】
感光体の構成は、図1〜図に示される様に、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層が、この順に積層された構成を有する積層型である。導電性支持体と感光層の間にバリヤー機能や接着機能を有する下引き層を設けたり、感光層を外部からの機械的及び化学的悪影響から保護すること等を目的として感光層上に保護層を設けたりしてもよい。
【0034】
以下に導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型感光体について、その作成方法を述べる。
【0035】
本発明における導電性支持体としては、例えば以下に示した形態のものを挙げることができる。
(1)アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、銅等の金属を板形状又はドラム形状にしたもの。
(2)ガラス、樹脂、紙等の非導電性支持体や前記(1)の導電性支持体上にアルミニウム、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属を蒸着 もしくはラミネートすることにより薄膜形成したもの。
(3)ガラス、樹脂、紙等の非導電性支持体や前記(1)の導電性支持体上に導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性化合物の層を蒸着あるいは塗布することにより形成したもの。
【0036】
本発明に用いられる有効な電荷発生材料としては、例えば以下のような材料が挙げられる。これらの電荷発生材料は単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
(1)モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ系顔料
(2)インジゴ、チオインジゴ等のインジゴ系顔料
(3)金属フタロシアニン、非金属フタロシアニン等のフタロシアニン系
(4)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレン系顔料
(5)アンスラキノン、ピレンキノン等の多環キノン系顔料
(6)スクアリリウム色素
(7)ピリリウム塩、チオピリリウム塩類
(8)トリフェニルメタン系色素
(9)セレン、非晶質シリコン等の無機材料
【0037】
電荷発生材料を含有する層、即ち電荷発生層は前記のような電荷発生材料を適当なバインダー樹脂に分散し、これを導電性支持体上に塗工することにより形成することができる。また、導電性支持体上に蒸着、スパッタ、CVD等の乾式法で薄膜を形成することによっても形成することができる。
【0038】
上記バインダー樹脂としては、広範囲なバインダー樹脂から選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独又は共重合体ポリマーとして1種又は2種以上混合して用いてもよい。
【0039】
電荷発生層中に含有するバインダー樹脂は、好ましくは80重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。また、電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.01μm〜2μmである。また、電荷発生層には種々の増感剤を添加してもよい。
【0040】
電荷輸送材料を含有する層、即ち電荷輸送層は、前記一般式(1)又は一般式(2)で示されるスチリル化合物を少なくとも1種含む電荷輸送材料と、適当なバインダー樹脂とを組み合わせて形成することができる。ここで電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂としては、前記電荷発生層に用いられているものが挙げられ、更にポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン等の光導電性高分子が挙げられる。
【0041】
電荷輸送材料は、電子輸送性材料と正孔輸送性材料があり、電子輸送性材料としては、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノキノジメタン等の電子吸引性材料やこれら電子吸引性材料を高分子化したもの等が挙げられる。
【0042】
正孔輸送性材料としては、前記一般式(1)又は一般式(2)で示されるスチリル化合物の他に、例えば、ピレン、アントラセン等の多環芳香族化合物、カルバゾール系、インドール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジアゾール系、トリアゾール系化合物等の複素環化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スチルベン系化合物、あるいは、これらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有するポリマー(例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン等)が挙げられる。
【0043】
使用する電荷輸送材料は、前記一般式(1)又は一般式(2)で示されるスチリル化合物を1種類単独で用いても2種類以上組み合わせてもよく、また先に挙げた他の構造の電荷輸送材料と組み合わせてもよい。
【0044】
バインダー樹脂と電荷輸送材料との配合割合は、バインダー樹脂100重量部あたり電荷輸送材料を10〜500重量部とすることが好ましい。電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的に接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キャリアを受け取ると共に、これらの電荷キャリアを表面まで輸送できる機能を有している。この電荷輸送層は、電荷キャリアを輪送できる限界があるので、必要以上に膜厚を厚くすることができないが、好ましくは5μm〜40μm、より好ましは10μm〜30μmの範囲である。更に、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤又は公知の電荷輸送材料を必要に応じ添加することもできる。
【0045】
このような電荷輸送層を形成する際は、適当な有機溶媒を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法等のコーティング法を用いて行うことができる。
【0046】
に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、レーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0047】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0048】
像転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0049】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジをレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。また、画像露光光4は、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査により照射される光である。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例中「部」とあるは「重量部」を示す。
【0051】
(実施例1−1)
アルミニウム支持体上に、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(重量平均分子量30000)5.5部とアルコール可溶性共重合ナイロン樹脂(重量平均分子量28000)8部をメタノール30部/ブタノール80部の混合溶液に溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が約1μmの下引き層を設けた。
【0052】
次に、下記構造式(3)で示されるアゾ化合物20部とブチラール樹脂(ブチラール化度65mol%、重量平均分子量30000)10部をテトラヒドロフラン400部に添加し、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で20時間分散した。この分散液を先に作成した下引き層の上にマイヤーバーで塗布し、乾燥することによって、膜厚が約0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0053】
【化5】
【0054】
次に、例示スチリル化合物1−3を10部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート(重量平均分子量45000)10部をモノクロルベンゼン65部に溶解した電荷輸送層溶液を調製し、この溶液を電荷発生層上にマイヤーバーで塗布し、100℃で1時間乾燥し、膜厚22μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0055】
(実施例1−2〜1−5)
上記実施例1−1で用いた例示スチリル化合物の代わりに下記の表1−1に示した化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様に電子写真感光体を作成した。
【0056】
(比較例1)
上記実施例1−1で用いた例示スチリル化合物の代わりに下記構造式(4)で示される比較化合物1を用いた以外は、実施例1−1と同様に電子写真感光体を作成した。
【0057】
【化6】
【0058】
(比較例2)
上記実施例1−1で用いた例示スチリル化合物の代わりに下記構造式(5)で示される比較化合物2を用いた以外は、実施例1−1と同様に電子写真感光体を作成した。
【0059】
【化7】
【0060】
以上の様にして作成した実施例1−1〜1−5及び比較例1及び2の感光体の電子写真特性は、静電複写紙試験装置(川口電機製:EPA−8100)を用いて以下の様に測定した。
【0061】
(初期特性)
感光体の表面電位を−700Vになる様にコロナ帯電器で帯電し、次いでモノクロメータで分離した450nmの単色光で露光し、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、半減露光感度(E1/2)を求めた。また、露光30秒後の残留表面電位(Vr)を測定した。
【0062】
(繰り返し特性及び環境特性)
常温常湿下(23℃、湿度55%RH:N/N)で初期暗部電位(Vd)及び初期明部電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200V付近に設定し、450nmの単色光を用いて帯電、露光を5000回繰り返し、Vd及びVlの変動量(ΔVd、ΔVl)を測定した。その後環境を高温高湿(33℃、湿度85%RH:H/H)に変え、Vlの常温常湿下からの変動量を測定した。電位変動における負符号は電位の絶対値の低下を表し、正符号は電位の絶対値の増加を表す。
【0063】
(光メモリー)
感光体の初期Vd、450nmの単色光での初期Vlをそれぞれ−700V、−200V付近に設定した。次に感光体の一部に光強度20μW/cm2の450nmの単色光を20分間照射した後、再度感光体のVd、Vlを測定し、光メモリーとして非照射部と照射部のVdの差(ΔVd)及び非照射部と照射部のVlの差(ΔVl)を測定した。電位差における負符号は照射部電位が非照射部より絶対値が低いことを表し、正符号はその逆を表す。以上の結果を表1−1に示す。
【0064】
(実施例2−1〜2−4)
上記実施例1−1で用いた例示スチリル化合物の代わりに表2−1に示した化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様に電子写真感光体を作成し、同様に評価を行った。結果を表2−1に示す。
【0065】
【表14】
【0066】
【表15】
【0067】
(実施例1−6〜1−8及び比較例3)
上記実施例1−1で用いた電荷発生材料を下記構造式(6)で示される化合物に代え、また電荷輸送材料を表1−2に示した例示スチリル化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様に電子写真感光体を作成し、実施例1−1と同様に評価を行った。以上の結果を表1−2に示す。
【0068】
【化8】
【0069】
(実施例2−5〜2−7)
上記実施例1−6で用いた電荷輸送材料を表2−2に示した例示スチリル化合物に代えた以外は、実施例1−6と同様に電子写真感光体を作成し、実施例1−1と同様に評価を行った。以上の結果を表2−2に示す。
【0070】
【表16】
【0071】
【表17】
【0072】
この結果から本発明の電子写真感光体は、比較例の感光体に比べ短波長露光光源を用いた電子写真装置に組み込んだ場合に、優れた感度を発現し、繰り返し使用時の電位や感度の安定性に優れ、環境依存性が小さく、短波長光に対する光メモリーが小さいことがわかる。
【0078】
(実施例1−〜1−11及び比較例
10%酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して導電層塗料を調製し、この塗料をアルミニウムシリンダー(30mmφ×261mm)上に浸漬塗布し、140℃で30分乾燥させ、膜厚が20μmの導電層を形成した。
【0079】
この導電層の上に、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(重量平均分子量52000)5部とアルコール可溶性共重合ナイロン樹脂(重量平均分子量48000)10部をメタノール95部に溶解した液を浸漬塗布し、乾燥して膜厚が0.8μmの下引き層を形成した。
【0080】
次に、実施例1−1で用いたアゾ化合物20部を、ポリビニルブチラール(商品名エスレックBM−S、積水化学(株)製)10部をシクロヘキサノン200部に溶解した液に添加し、1mmφのガラスビーズを用いたサンドミル装置で20時間分散し、これに200部の酢酸エチルを加えて希釈した後回収して、これを下引き層上に浸漬塗布し、95℃で10分間乾燥し、膜厚が0.4μmの電荷発生層を形成した。
【0081】
次に、表1−に示した例示スチリル化合物又は比較化合物9部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート(重量平均分子量45000)10部をモノクロロベンゼン65部に溶解した溶液を調製し、この溶液を電荷発生層上に浸漬塗布し、100℃で1時間乾燥し、膜厚が22μmの電荷輸送層を形成し、実施例1−〜1−11及び比較例の電子写真感光体を作成した。
【0082】
この様にして作成した電子写真感光体を、パルス変調装置を搭載しているキヤノン製プリンターLBP−2000改造機(光源として日立金属(株)製全固体青色SHGレーザーICD−430/発振波長430nmを搭載;また、反転現像系で600dpi相当の画像入力に対応できる帯電−露光−現像−転写−クリーニングからなるカールソン方式の電子写真システムに改造)に装着し、以下の画像評価を行った。
【0083】
(ドット、文字再現性の評価)
暗部電位Vd=−650V、明部電位Vl=−200Vに設定し、1ドット1スペース画像と文字(5ポイント)画像の出力を行った。
【0084】
(ゴーストの評価)
常温常湿下(23℃、湿度55%RH:N/N)で、初期に、ドラム一周分適当な文字パターンを印字し、その後全面ハーフトーン画像を取りゴースト現象が出ているかどうかを確認した。次に、下記耐久パターンを5000枚連続プリントし耐久後に全面ハーフトーン画像を取り耐久後のゴースト現象が出ているかどうかを確認した。耐久パターンは約2mm幅の線を縦横7mmおきに印字した。画像サンプルは全面黒と、1ドット1スペースのドット密度の画像を用い、機械の現像ヴォリューム、F5(中心値)とF9(濃度薄い)で各々サンプリングした。評価基準は、ゴーストが見えないものをランク5とし、1ドット1スペースF9で見えるものをランク4、1ドット1スペースF5で見えるものをランク3、全面黒F9で見えるものをランク2、全面黒F5で見えるものをランク1とした。
【0085】
(比較例
実施例1−で用いた電荷発生材料を下記構造式(7)の化合物に代えた以外は、実施例1−と同様にして比較例の電子写真感光体を作成した。
【0086】
【化9】
【0087】
(比較例
比較例で用いた電荷輸送材料を前記比較化合物1に代えた以外は、比較例と同様にして比較例の電子写真感光体を作成した。
【0088】
比較例及び比較例で作成した感光体を、実施例1−で用いた評価機の光源を発振波長780nmのGaAs系半導体レーザーに代えた以外は、同様の評価機を用いて、実施例1−と同様に画像評価を行った。以上の結果を表1−に示す。
【0089】
(実施例2−〜2−10
実施例1−で用いた電荷輸送材料を表2−に記載の例示スチリル化合物に代えた以外は、実施例1−と同様に実施例2−〜2−10の電子写真感光体を作成した。実施例1−と同様に画像評価を行った。その結果を表2−に示す。
【0090】
(比較例
実施例2−で用いた電荷発生材料を構造式(7)の化合物に代えた以外は、実施例2−と同様にして比較例の電子写真感光体を作成した。
【0091】
比較例で作成した感光体を、実施例1−で用いた評価機の光源を発振波長780nmのGaAs系半導体レーザーに代えた以外は、同様の評価機を用いて、実施例1−と同様に画像評価を行った。以上の結果を表2−に示す。
【0092】
【表18】
【0093】
【表19】
【0094】
これらの結果から、本発明の電子写真装置は、ドットの再現性や文字の再現性に優れ高解像度の出力画像が得られることがわかる。また、欠陥がなく鮮明な画像が安定して得られることが知られる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明で用いる電子写真感光体は、400〜500nm付近の短波長の半導体レーザーの発振波長領域において、高感度であり、また繰り返し帯電、露光による連続画像形成及び環境の変化に際して明部電位と暗部電位の変動が小さく、高品位な画像が安定して得られるという顕著な効果を奏する。また、この電子写真感光体と上記半導体レーザーを組み合わせることにより、高解像度の画像形成が可能で繰り返し使用や環境変化にも安定して使用しうる電子写真装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子写真感光体の層構成の例を示す断面図である。
【図】 電子写真感光体の層構成の例を示す断面図である。
【図】 電子写真感光体の層構成の例を示す断面図である。
【図】 電子写真感光体の層構成の例を示す断面図である。
【図】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
a 導電性支持体
b 電荷発生層
c 電荷輸送層
d 感光層(単層)
e 下引き層
f 保護層

Claims (2)

  1. 電子写真感光体、電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該感光体の表面に対して露光を行い静電潜像を形成する露光手段、及び静電潜像が形成された該感光体に対しトナーで現像する現像手段を備えた電子写真装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体であって、該電荷輸送層が下記一般式(1)及び(2)で示されるスチリル化合物の少なくとも一方を含有し、かつ該露光手段が少なくとも発振波長が380〜500nmの半導体レーザーを光源とすることを特徴とする電子写真装置。
    (上記式(1)中、Ar 1 及びAr 2 は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar 3 は置換基を有してもよいアリーレン基を示し、R 1 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R 2 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、nは1又は2であり、またn=1の場合は、R 1 とR 2 は直接又は他の有機残基を介して環を形成してもよい)、
    (上記式(2)中、Ar 4 、Ar 5 、Ar 9 及びAr 10 は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar 6 、Ar 7 及びAr 8 は置換基を有してもよいアリーレン基を示す;Ar 4 とAr 5 又はAr 9 とAr 10 は直接又は他の有機残基を介して環を形成してもよい)
  2. 半導体レーザーの発振波長が400〜450nmの範囲にある請求項に記載の電子写真装置。
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