JP3937474B2 - 路面μ算出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のABS制御を行うアンチロック制御装置における、路面の摩擦係数を算出する路面μ算出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両のABS制御を行う従来のアンチロック制御装置では、制御精度を向上させるためタイヤと路面間の摩擦係数μを正確に検出する必要があり、車両の減速度から路面の摩擦係数μ(以下、路面μと呼ぶ)を算出する方法、及びホイールシリンダ液圧から路面μを算出する方法がそれぞれ提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記車両の減速度から路面μを算出する場合は、ABS制御中の車両の減速度が4輪の路面μを平均した値を示すため、路面μが均一であるときには路面μを精度よく算出することができるが、路面μが車両に対して左右で異なる路面(以下、スプリット路と呼ぶ)では、車両の減速度から算出した路面μは、左右の車輪における各路面μを平均した値でしかなく、該平均値に基づいてABS制御を行うと、高μ路側の車輪では実際よりも低μ路であるように制御が行われることから、制動力が不足するという問題があった。一方、低μ路側の車輪では実際よりも高μ路であるように制御が行われることから、車両の方向安定性が低下するという問題があった。
【0004】
また、左右の車輪の内、車輪速度が低速である側の車輪速度に基づいて制御を行う、いわゆるセレクトロー制御を後輪に適用した場合、上記スプリット路においては、高μ路側における後輪の制動力は、低μ路側の後輪に合わせて制御されるため、車両の減速度は、高μ路側の後輪を単独でABS制御を行った場合と比較して低下する。この場合、車両の減速度は、4輪の路面μを平均した平均値に基づいて算出した値よりも小さく、これに基づいて算出した路面μは、実際の路面μとのかい離が更に大きくなる。
更に、ABS制御中は、路面μとホイールシリンダ液圧がほぼ比例することを利用して路面μを算出するが、この方法では、車両の積載条件に変化があった場合に路面μとホイールシリンダ液圧間の比例定数が変化するため、路面μを正確に算出することができなくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、左右の車輪における路面μを正確に算出し、スプリット路におけるABS制御の精度を向上させることができる路面μ算出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び効果】
本発明は、路面の摩擦係数を算出する路面μ算出装置においてなされたものである。すなわち、本発明は、このような路面μ算出装置において、
車両の車体減速度(VG)を算出する車体減速度算出手段と、
単独でブレーキ液圧の加減圧制御が行われる左右の車輪、例えば左右前輪又は左右後輪のホイールシリンダ液圧をそれぞれ算出するホイールシリンダ液圧算出手段と、
左右の各路面における摩擦係数を算出する左右路面μ算出手段とを備え、
該左右路面μ算出手段は、上記車体減速度算出手段で算出された車体減速度と、上記ホイールシリンダ液圧算出手段で算出された左右の車輪、例えば左右前輪又は左右後輪における各ホイールシリンダ液圧とから、後輪セレクトロー制御時における右側路面の摩擦係数μR及び左側路面の摩擦係数μLを、次式
μR=k×2×{PR/(PR+PL)}×VG
μL=k×2×{PL/(PR+PL)}×VG
(ただし、PRは右側の車輪のホイールシリンダ液圧を、PLは左側の車輪のホイールシリンダ液圧を、VGは後輪セレクトロー制御時の車体減速度を示し、kは後輪セレクトロー制御時の左右の車輪における各ホイールシリンダ液圧に応じて設定された所定値とする。)から算出することを特徴とする路面μ算出装置を提供するものである。
【0008】
また、上記所定値kを、前後の車輪における車輪荷重の比に応じて設定してもよく、1.0以上1.7以下にするとよい。
【0009】
このように、本発明の路面μ算出装置は、車体減速度と、左右前輪の各ホイールシリンダ液圧又は左右後輪の各ホイールシリンダ液圧とから、左右の路面μをそれぞれ正確に算出することができるため、スプリット路においてもABS制御の精度を向上させることができ、車両の制動性能及び車両の方向安定性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における路面μ算出装置をアンチロック制御装置に使用した例を示した概略のブロック図である。
図1において、車両のABS制御を行うアンチロック制御装置1は、各車輪に設けられた車輪速センサ2a,2b,2c,2dを備えており、車輪速度算出部3と、車輪速度選択部4と、推定車体速度算出部5と、車体減速度算出部6と、アンチロック制御部7と、各車輪ごとに設けられたソレノイド指令出力部8a,8b,8c,8dと、各車輪ごとに設けられたアクチュエータ9a,9b,9c,9dとを備える。
【0011】
更にアンチロック制御装置1は、右前輪におけるホイールシリンダのブレーキ液圧(以下、ホイールシリンダ液圧と呼ぶ)を算出する右前輪液圧算出部10と、左前輪におけるホイールシリンダ液圧を算出する左前輪液圧算出部11と、車両における左右の路面μを算出する路面μ算出部12とを備える。なお、上記車輪速センサ、ソレノイド指令出力部及びアクチュエータの符号において、aは右前輪を、bは左前輪を、cは右後輪を、dは左後輪を示している。また、上記車体減速度算出部6は車体減速度算出手段をなし、上記右前輪液圧算出部10及び左前輪液圧算出部11はホイールシリンダ液圧算出手段をなし、上記路面μ算出部12が左右路面μ算出手段をなし、車体減速度算出部6、右前輪液圧算出部10、左前輪液圧算出部11及び路面μ算出部12で本発明の路面μ算出装置が構成されている。
【0012】
上記各車輪速センサ2a,2b,2c,2dはそれぞれ上記車輪速度算出部3に接続され、該車輪速度算出部3は車輪速度選択部4とアンチロック制御部7に接続されている。また、車輪速度選択部4は、推定車体速度算出部5と車体減速度算出部6に接続され、推定車体速度算出部5はアンチロック制御部7に接続される。アンチロック制御部7は、上記各ソレノイド指令出力部8a,8b,8c,8dにそれぞれ接続され、各ソレノイド指令出力部8a,8b,8c,8dは、対応するアクチュエータ9a,9b,9c,9dにそれぞれ接続される。
【0013】
また、ソレノイド指令出力部8aは右前輪液圧算出部10に、ソレノイド指令出力部8bは左前輪液圧算出部11に接続され、右前輪液圧算出部10及び左前輪液圧算出部11はそれぞれ路面μ算出部12に接続される。更に、上記車体減速度算出部6が路面μ算出部12に接続され、路面μ算出部12は、アンチロック制御部7に接続される。
【0014】
上記車輪速度算出部3は、各車輪速センサ2a〜2dからの信号に基づいてそれぞれの車輪の速度を算出し、該算出した各車輪速度を車輪速度選択部4とアンチロック制御部7に出力する。車輪速度選択部4は、車輪速度算出部3で算出された各車輪速度から最高速度、最低速度等を状況に応じて選択するもので、例えば、車両が加速過程にある場合は、各車輪速度のうち最低速度を選択車輪速度とし、車両が減速過程にあるときは、各車輪速度のうち最高速度を選択車輪速度とし、加速減速の判断がつかないときは前回の制御サイクルのときの値をそのまま据え置く。
【0015】
このようにして、車輪速度選択部4で選択された選択車輪速度は、推定車体速度算出部5と車体減速度算出部6に出力され、推定車体速度算出部5は、車輪速度選択部4から入力された選択車輪速度に基づいて推定車体速度を算出し、該算出した推定車体速度をアンチロック制御部7に出力する。また、上記車体減速度算出部6は、車輪速度選択部4から入力された選択車輪速度に基づいて車体減速度を算出し、該算出した車体減速度を路面μ算出部12に出力する。なお、上記車体減速度及び推定車体速度を算出する方法は公知であり、ここではその説明を省略する。
【0016】
また、上記路面μ算出部12は、右前輪液圧算出部10で算出された右前輪のホイールシリンダ液圧と、左前輪液圧算出部11で算出された左前輪のホイールシリンダ液圧及び車体減速度算出部6で算出された車体減速度とに基づいて、左右の路面μを算出する。更に、路面μ算出部12は、算出した左右の路面μをそれぞれ上記アンチロック制御部7に出力する。
【0017】
ここで、上記右前輪液圧算出部10は、アンチロック制御部7からソレノイド指令出力部8aに出力される加減圧出力指令をモニタしており、加圧出力指令が出力された加圧時間と減圧出力指令が出力された減圧時間を積算し、あらかじめ設定された初期値である所定の液圧値に、積算された加圧時間と積算された減圧時間に応じて算出される液圧値を加算又は減算して右前輪のホイールシリンダ液圧を算出する。なお、ABS制御での減圧及び加圧による各液圧変動ノイズを除去するために、上記算出したホイールシリンダ液圧を、更にローパスフィルタを通して右前輪のホイールシリンダ液圧として使用してもよい。このようなホイールシリンダ液圧を算出する方法は公知であり、例えば特開平5−246317号公報等で開示されており、ここでは詳細な説明を省略する。同様にして、上記左前輪液圧算出部11は、左前輪のホイールシリンダ液圧を算出する。
【0018】
アンチロック制御部7は、上記車輪速度算出部3で算出された各車輪速度と、上記推定車体速度算出部5で算出された推定車体速度と、路面μ算出部12で算出された路面μに基づいて各車輪のロック兆候を判別し、各車輪のホイールシリンダ液圧を加減圧するための加減圧出力指令を各ソレノイド指令出力部8a〜8dに出力する。各ソレノイド指令出力部8a〜8dは、アンチロック制御部7からの加減圧出力指令に基づいてホイールシリンダ液圧を制御するソレノイドに送る加減圧信号を出力するもので、各アクチュエータ9a〜9dは、ソレノイドを駆動するアクチュエータである。
【0019】
以上のような構成において、アンチロック制御装置1におけるABS制御の動作を説明する。上記車輪速度算出部3は、上記各車輪速センサ2a〜2dから入力されたそれぞれの交流信号を矩形波に波形処理し、これらの矩形波の電圧の変化するエッジ間の時間をそれぞれ計測し、これらを基に各車輪速度を算出した後、該各車輪速度を車輪速度選択部4及びアンチロック制御部7にそれぞれ出力する。車輪速度選択部4は、車輪速度算出部3から入力された各車輪速度から選択車輪速度を選択し、該選択した選択車輪速度を推定車体速度算出部5及び車体減速度算出部6に出力する。推定車体速度算出部5は、選択車輪速度部4から入力された選択車輪速度に基づいて推定車体速度を算出しアンチロック制御部7に出力する。上記車体減速度算出部6は、選択車輪速度部4から入力された選択車輪速度に基づいて車体減速度を算出し路面μ算出部12に出力する。
【0020】
上記アンチロック制御部7は、例えば、上記車輪速度算出部3から入力された右前輪の車輪速度と推定車体速度算出部5から入力された推定車体速度との差が路面μ算出部12から入力される右側の路面μに応じて設定された設定値を上回ると、該右前輪に車輪ロックが生じたと判断して、該右前輪に対応したソレノイド指令出力部8aに、該車輪のブレーキ圧を減圧する減圧出力指令を出力する。ソレノイド指令出力部8aは、該減圧出力指令に従って減圧信号をアクチュエータ9aに出力し、アクチュエータ9aは、該当車輪である右前輪のホイールシリンダ液圧を減圧させる。
【0021】
また、上記右前輪のホイールシリンダ液圧の減圧により、例えば、右前輪の車輪速度と推定車体速度との差が、路面μ算出部12から入力される右側の路面μに応じて設定された設定値よりも小さくなると、アンチロック制御部7は車輪のロックが回避されたと判断して、ソレノイド指令出力部8aに対して右前輪のブレーキ圧を加圧する加圧出力指令を出力し、ソレノイド指令出力部8aは、該加圧出力指令に従って加圧信号をアクチュエータ9aに出力し、アクチュエータ9aは、該当車輪である右前輪のホイールシリンダ液圧を加圧させる。同様にして、このようなABS制御が各車輪ごとに行われ、この際、右側の前後輪に対するABS制御には、上記路面μ算出部12で算出された右側の路面μが使用され、左側の前後輪に対するABS制御には、上記路面μ算出部12で算出された左側の路面μが使用される。
【0022】
次に、上記路面μ算出部12による路面μの算出方法について説明する。
上記車体減速度算出部6で算出された車体減速度をVGとし、車両の重量をW、右前輪の荷重をW1、左前輪の荷重をW2、右後輪の荷重をW3、左後輪の荷重をW4とし、車両の右側の路面μをμR、車両の左側の路面μをμLとすると、各車輪の制動力の総和が車両の制動力になるので下記(1)式が成り立つ。
W×VG=μR×(W1+W3)+μL×(W2+W4) …………(1)
上記(1)式において、(μR×W1)が右前輪の制動力、(μL×W2)が左前輪の制動力、(μR×W3)が右後輪の制動力、(μL×W4)が左後輪の制動力を示している。
【0023】
左右前輪、及び左右後輪の車輪荷重がそれぞれ等しい(W1=W2及びW3=W4)と仮定すると、
W=W1+W2+W3+W4
であることから、
W1+W3=W2+W4=W/2 …………………………(2)
となる。
【0024】
上記(2)式を上記(1)式に代入すると、(1)式は、
W×VG=μR×W/2+μL×W/2
となり、下記(3)式が導き出せる。
VG=(μR+μL)/2 …………………………………(3)
上記(3)式から、車体減速度VGは、左右の路面μの平均値を示していることが分かる。
【0025】
一方、ホイールシリンダ液圧と制動力とは、ほぼ比例の関係があり、上記右前輪液圧算出部10から入力された右前輪のホイールシリンダ液圧をPFRとし、上記左前輪液圧算出部11から入力された左前輪のホイールシリンダ液圧をPFLとすると、右前輪の制動力FBRと左前輪の制動力FBLは、下記(4)式及び(5)式のようになる。
FBR=W1×μR=C×PFR …………………………(4)
FBL=W2×μL=C×PFL …………………………(5)
なお、上記(4)式及び(5)式において、Cは比例定数を示している。
上記(4)式及び(5)式からCを消去し、W1=W2と仮定すると、下記(6)式のようになる。
μR=(PFR/PFL)×μL …………………………(6)
【0026】
上記(3)式及び(6)式から、下記(7)式及び(8)式が導き出せる。
μR=2×VG×PFR/(PFR+PFL) …………(7)
μL=2×VG×PFL/(PFR+PFL) …………(8)
【0027】
上記(7)式及び(8)式は、各車輪が路面μを最大限利用した制御が行われている仮定のもとに導かれているが、通常、ABS制御においては、後輪をよりロック傾向の大きい側の車輪に従って制御するいわゆるセレクトロー制御が行われる。この場合、後輪において、高μ側の車輪の制動力は低μ側の車輪の制動力相当に低下することから、右側の路面が高μ路であるとすると、上記(1)式は、下記(9)式のようになる。
W×VG=μR×W1+μL×W3+μL×(W2+W4)
=μR(W1+W3)+μL×(W2+W4)−μR×W3+μL×W3 ……………………(9)
【0028】
上記(9)式に上記(6)式を代入すると、下記(10)式が導き出せる。
μR=2×VG×PFR×W/{(PFR+PFL)×W−2×W3×(PFR−PFL)} …………………………(10)
ここで、上記(7)式と上記(10)式との比であるkを求めると、下記(11)式のようになる。
k=W×(PFR+PFL)/{(PFR+PFL)×W−2×(PFR−PFL)×W3} …………………………(11)
【0029】
上記(11)式において、4輪の荷重がそれぞれ等しい、すなわちW3=W/4のときの上記kをk4とすると、k4は下記(12)式のようになる。
k4=2×(PFR+PFL)/(PFR+3×PFL) …………(12)
また、W3=W/5のときの上記kをk5とすると、k5は下記(13)式のようになる。
k5=5×(PFR+PFL)/(3×PFR+7×PFL) ……(13)
また、W3=W/6のときの上記kをk6とすると、k6は下記(14)式のようになる。
k6=3×(PFR+PFL)/(2×PFR+4×PFL) ……(14)
また、W3=W/8のときの上記kをk8とすると、k8は下記(15)式のようになる。
k8=4×(PFR+PFL)/(3×PFR+5×PFL) ……(15)
【0030】
以上より、セレクトロー制御を行ったときのμRは、上記(10)式及び(11)式から下記(16)式のようになる。
μR=k×2×{PFR/(PFR+PFL)}×VG ……………(16)
また同様に、μLは下記(17)式のようになる。
μL=k×2×{PFL/(PFR+PFL)}×VG ……………(17)
なお、上記(16)式及び(17)式において、PFRが前記PRを示し、PFLが前記PLを示す。
【0031】
上記kは、上記(12)式から(15)式で示したように、前後輪の荷重及び左右前輪のホイールシリンダ液圧比で定まる定数であり、上記(7)式及び(8)式、並びに上記(16)式及び(17)式より、左右の路面μの比は、左右前輪のホイールシリンダ液圧比であることから、上記(12)式から上記(15)式を用いて、左右の路面μの比に相当する(PFR/PFL)が1、2、4、5、10及び100のときのそれぞれのkの値を算出して表にしたものが下記表1である。
【0032】
【表1】
Figure 0003937474
【0033】
通常、後輪の荷重はW/4からW/6の範囲にあり、左右の路面μの比は、片側の路面がアイスバーンでもう片側の路面がドライアスファルトのような場合10であることから、実用上1〜10の範囲内にあるとみなせる。このため、上記表1より、kの値を1〜1.7の範囲内で選択すればよいことが分かる。
【0034】
図2は、上記図1で示したアンチロック制御装置1におけるABS制御の動作例を示したフローチャートである。
図2において、最初にステップS1で、車輪速度算出部3は、各車輪速センサ2a〜2dからの信号に基づいてそれぞれの車輪の速度を算出した後、ステップS2で、車輪速度選択部4は、上記車輪速度算出部3で算出された各車輪速度から選択車輪速度を選択する。次にステップS3で、車体減速度算出部6は、車輪速度選択部4で選択された選択車輪速度に基づいて車体減速度を算出し、ステップS4で、推定車体速度算出部5は、車輪速度選択部4で選択された選択車輪速度に基づいて推定車体速度を算出する。
【0035】
次に、ステップS5で、右前輪液圧算出部10が右前輪のホイールシリンダ液圧を算出し、ステップS6で、左前輪液圧算出部11が左前輪のホイールシリンダ液圧を算出した後、ステップS7で、路面μ算出部12は、右前輪液圧算出部10及び左前輪液圧算出部11で算出された左右前輪の各ホイールシリンダ液圧と、上記車体減速度算出部6で算出された車体減速度に基づいて左右の路面μをそれぞれ算出する。
【0036】
次に、ステップS8で、アンチロック制御部7は、上記車輪速度算出部3で算出された各車輪速度と、上記推定車体速度算出部5で算出された推定車体速度と、路面μ算出部10で算出された路面μに基づいて各車輪のロック兆候を判別し、各車輪のホイールシリンダ液圧を加減圧するための加減圧出力指令を各ソレノイド指令出力部8a〜8dに出力してABS制御を行う。次に、ステップS9で、各ソレノイド指令出力部8a〜8dは、アンチロック制御部7からの加減圧出力指令に基づいてホイールシリンダ液圧を制御するソレノイドに送る加減圧信号を、対応する各アクチュエータ9a〜9dに出力した後、ステップS1に戻る。
【0037】
上記のように、車体減速度算出部6で算出された車体減速度、右前輪液圧算出部10で算出された右前輪のホイールシリンダ液圧、及び左前輪液圧算出部11で算出された左前輪のホイールシリンダ液圧から、路面μ算出部12は、左右の路面μをそれぞれ正確に算出することができるため、スプリット路においてもABS制御の精度を向上させ、車両の制動性能及び車両の安定性を向上させることができる。
【0038】
なお、上記実施の形態1においては、左右の前輪におけるホイールシリンダ液圧をそれぞれ算出して左右の路面μを算出したが、左右後輪が独立して制御される場合には、左右の後輪におけるホイールシリンダ液圧をそれぞれ算出して左右の路面μを算出するようにしてもよい。また、左右の前輪における各ホイールシリンダ液圧、又は左右の後輪における各ホイールシリンダ液圧を得るために液圧センサを使用してもよい。この場合、左右の前輪にそれぞれ液圧センサを設けるか、左右の後輪にそれぞれ液圧センサを設ければよく、各液圧センサの出力にローパスフィルタを接続し、該ローパスフィルタを通して得られた値を基にしてホイールシリンダ液圧を算出すればよい。
【0039】
更に、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサを使用して車体減速度を算出するようにしてもよい。上記液圧センサを使用してホイールシリンダ液圧を算出する方法、及び前後加速度センサを使用して車体減速度を算出する方法は公知であるのでその説明を省略する。
上記のように、本発明は、様々な変形例が考えられ、本発明の範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められるべきものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における路面μ算出装置をアンチロック制御装置に使用した例を示した概略のブロック図である。
【図2】 図1で示したアンチロック制御装置1におけるABS制御の動作例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 アンチロック制御装置
2a,2b,2c,2d 車輪速センサ
3 車輪速度算出部
4 車輪速度選択部
5 推定車体速度算出部
6 車体減速度算出部
7 アンチロック制御部
8a,8b,8c,8d ソレノイド指令出力部
9a,9b,9c,9d アクチュエータ
10 右前輪液圧算出部
11 左前輪液圧算出部
12 路面μ算出部

Claims (5)

  1. 路面の摩擦係数を算出する路面μ算出装置において、
    車両の車体減速度(VG)を算出する車体減速度算出手段と、
    単独でブレーキ液圧の加減圧制御が行われる左右の車輪のホイールシリンダ液圧をそれぞれ算出するホイールシリンダ液圧算出手段と、
    左右の各路面における摩擦係数を算出する左右路面μ算出手段とを備え、
    該左右路面μ算出手段は、上記車体減速度算出手段で算出された車体減速度と、上記ホイールシリンダ液圧算出手段で算出された左右の車輪における各ホイールシリンダ液圧とから、後輪セレクトロー制御時における右側路面の摩擦係数μR及び左側路面の摩擦係数μLを、次式
    μR=k×2×{PR/(PR+PL)}×VG
    μL=k×2×{PL/(PR+PL)}×VG
    (ただし、PRは右側の車輪のホイールシリンダ液圧を、PLは左側の車輪のホイールシリンダ液圧を、VGは後輪セレクトロー制御時の車体減速度を示し、kは後輪セレクトロー制御時の左右の車輪における各ホイールシリンダ液圧に応じて設定された所定値とする。)から算出することを特徴とする路面μ算出装置。
  2. 請求項1に記載の路面μ算出装置にして、上記所定値kは、更に前後の車輪における車輪荷重の比に応じて設定されることを特徴とする路面μ算出装置。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の路面μ算出装置にして、上記所定値kは、 . 0以上1 . 7以下であることを特徴とする路面μ算出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の路面μ算出装置にして、上記左右の車輪は、左右の前輪であることを特徴とする路面μ算出装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載の路面μ算出装置にして、上記左右の車輪は、左右の輪であることを特徴とする路面μ算出装置。
JP13178996A 1996-05-27 1996-05-27 路面μ算出装置 Expired - Fee Related JP3937474B2 (ja)

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