JP3937203B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂とビニル芳香族化合物と共役ジエンから構成されるブロック共重合体の水素添加物からなる樹脂組成物に関する。本発明の樹脂組成物は、耐衝撃強度、特に低温時の耐衝撃強度に優れているとともに、引張り伸びにも優れており、自動車の内・外装部品、各種機械部品、家庭用品、包装材料等に使用される成形材料として好適である。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン系樹脂は、一般に耐薬品性、機械的特性に優れており、機械部品、自動車部品、家庭用品、各種容器など幅広い分野に使用されている。しかしながら、従来の材料では引張り伸びが不足しており、使用目的が限定されることがあった。
【0003】
ポリオレフィン系樹脂の改質を目的として、スチレンと共役ジエンからなるブロック共重合体の水素添加物をポリオレフィン系樹脂に配合する試みが数多くなされている。例えば、特開平4−170452号公報には、耐衝撃性、表面硬度等に優れた組成物として、ポリプロピレン系樹脂にスチレン含有量の異なる2種類のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、以下、SEBSと略記する)と無機充填剤を配合してなる組成物が記載されている。また、特開平6−32947号公報には、耐衝撃性と耐熱変形性に優れた組成物としてポリプロピレン系樹脂とビニル結合含有量が相違する2種類のスチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物を配合してなる組成物が記載されている。なお、特開平6−32947号公報において、実施例として具体的に開示されているものは、共役ジエンとしてブタジエンを単独で使用してなるスチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物を構成成分とするものに限られている。
しかしながら、上記の公報に記載された組成物においても、組成物から得られる成形品の引張り伸びは十分ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、引張り伸びに優れるとともに、耐衝撃性や剛性等の物性のバランスのよいポリオレフィン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の課題は、(イ)ポリオレフィン系樹脂および、(ロ)ビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロックAと、イソプレンとブタジエンからなり、両者の重量比がイソプレン/ブタジエン=40/60〜70/30の範囲内にある混合物から構成され、イソプレンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が35〜80モル%、ブタジエンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が55〜90モル%である重合体ブロックBを有し、ビニル芳香族化合物に基づく構造単位の含有量が10〜30重量%であるブロック共重合体の、イソプレンおよびブタジエンに基づく炭素−炭素二重結合の80%以上を水素添加してなる水添ブロック共重合体を、ポリオレフィン系樹脂/水添ブロック共重合体=95/5〜50/50(重量比)の割合で含有するポリオレフィン系樹脂組成物を提供することによって解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を構成する成分(イ)であるポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンを主たる構成成分とする樹脂であればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレンブロック共重合体などが挙げられる。これらの中でも、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(イ)は、1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0007】
得られる組成物の成形性および耐衝撃性をより優れたものとするためには、ポリオレフィン系樹脂(イ)は、230℃、2.16kg荷重下でのメルトフローレート(MFR)の値が1〜100g/10分の範囲にあることが好ましい。
【0008】
一方、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を構成する成分(ロ)である水添ブロック共重合体における水素添加前の重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−、m−またはp−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これらの中でも、スチレンおよびα−メチルスチレンが好ましい。ビニル芳香族化合物は、1種類のものを使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0009】
水添ブロック共重合体(ロ)は、水素添加前の状態において、ビニル芳香族化合物に基づく構造単位の含有量が10〜30重量%であることが必要である。ビニル芳香族化合物に基づく構造単位の含有量が10重量%未満の場合、樹脂組成物から得られる成形品の剛性等が低くなり実用的ではない。一方、ビニル芳香族化合物の含有量が30重量%を超えると、得られる樹脂組成物の耐衝撃強度、特に低温における耐衝撃強度が劣り好ましくない。
【0010】
水添ブロック共重合体(ロ)において、水素添加前の重合体ブロックBを構成するイソプレンとブタジエンの混合物中、イソプレンとブタジエンの重量比は、イソプレン/ブタジエン=40/60〜70/30の範囲内にあることが必要である。重合体ブロックBを構成するイソプレンとブタジエンの混合物中、イソプレンの重量比が40重量%未満の場合、すなわちブタジエンの重量比が60重量%を超える場合には、樹脂組成物から得られる成形品の引張り伸びが劣り、また、上記混合物中のイソプレンの重量比が70重量%を超える場合、すなわちブタジエンの重量比が30重量%未満の場合、樹脂組成物から得られる成形品の低温における耐衝撃性が劣る。
【0011】
また、上記重合体ブロックBは、イソプレンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が35〜80モル%、ブタジエンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が55〜90モル%である必要がある。イソプレンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が35モル%未満の場合、樹脂組成物から得られる成形品の引張り伸びは十分であるものの、低温における耐衝撃性が劣り好ましくない。また、イソプレンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が80モル%を超える場合、樹脂組成物から得られる成形品の引張り伸びが十分ではない。さらに、ブタジエンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が55モル%未満の場合、樹脂組成物から得られる成形品の引張り伸びは十分であるが、低温における耐衝撃性が劣り好ましくない。また、ブタジエンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が90モル%を超える場合、樹脂組成物から得られる成形品の引張り伸びが十分ではない。
【0012】
水添ブロック共重合体(ロ)は、イソプレンおよびブタジエンに基づく炭素−炭素二重結合の80%以上が水素添加されていることが必要であり、90%以上が水素添加されていることが好ましい。イソプレンおよびブタジエンに基づく炭素−炭素二重結合の水素添加率が80%未満の場合、得られる組成物は耐熱性および耐候性が十分ではない。
【0013】
水添ブロック共重合体(ロ)の水素添加前の状態での数平均分子量は、特に制限されるものではないが、通常、10,000〜1,000,000、好ましくは30,000〜400,000、より好ましく40,000〜200,000の範囲内である。ここでいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の分子量に基づくものである。
【0014】
さらに、水添ブロック共重合体(ロ)は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中に、または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物、アミノ基、エポキシ基などの官能基を含有していてもよい。
【0015】
水添ブロック共重合体(ロ)の製造方法としては、例えば、次のような公知のアニオン重合法を採用することができる。すなわち、有機リチウム化合物等を開始剤としてヘキサン等の不活性有機溶媒中で、ビニル芳香族化合物、イソプレンとブタジエンの混合物を逐次重合させてブロック共重合体を形成する。この際、イソプレンとブタジエンの1,4−結合量が所望の範囲内となるようにルイス塩基を使用することができる。ルイス塩基としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等のアミン類などが挙げられるが、これらの中でもテトラヒドロフランが好ましい。ルイス塩基は、重合開始剤のリチウムのモル数に対して概ね0.1〜100倍モルの範囲内で使用される。次いで、得られたブロック共重合体を、公知の方法に従って不活性有機溶媒中で公知の水素添加触媒の存在下に水素添加して、水添ブロック共重合体(ロ)を製造することが出来る。水添ブロック共重合体(ロ)における重合体ブロックB中の不飽和二重結合の水素添加率は、ヨウ素価測定、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置等により測定することができる。
【0016】
水添ブロック共重合体(ロ)のブロック形態としては、重合体ブロックAをAで、重合体ブロックBをBで表すと、例えば、A−B型のジブロック共重合体、(A−B)n−A型のブロック共重合体(nは1〜10の整数を表す)、(A−B)m−X型のブロック共重合体(Xはm価のカップリング剤の残基を表し、mは2〜15の整数を表す)などが挙げられる。この中でも、(A−B)n−A型のブロック共重合体が好ましく、特にA−B−A型のトリブロック共重合体が好ましい。
【0017】
本発明の樹脂組成物におけるポリオレフィン系樹脂(イ)と水添ブロック共重合体(ロ)の割合は、ポリオレフィン系樹脂/水添ブロック共重合体=95/5〜50/50(重量比)であることが必要である。ポリオレフィン系樹脂(イ)の割合が上記の範囲より少ない場合、樹脂組成物から得られた成形品の剛性が低くなり実用的ではない。また、ポリオレフィン系樹脂(イ)の割合が上記の範囲を超える場合は、樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃強度、特に低温における耐衝撃強度が低下し、好ましくない。ポリオレフィン系樹脂(イ)と水添ブロック共重合体(ロ)の割合は、ポリオレフィン系樹脂/水添ブロック共重合体=85/15〜60/40(重量比)であることが好ましい。
【0018】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、その特性を損なわない範囲で、無機充填剤を添加することができる。かかる無機充填剤の具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス繊維、カーボン繊維、マイカ、カオリン、酸化チタンなどが挙げられるが、これらの中でもタルクが好ましい。
【0019】
さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、その改質を目的として他の添加剤、例えば、熱老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、発泡剤、顔料、染料、増白剤などを添加することができる。
【0020】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(イ)、水添ブロック共重合体(ロ)および必要に応じて使用される他の成分をドライブレンドした後、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどの混練機を用いて溶融混練することにより製造することができる。
【0021】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、従来からの各種成形法、例えば、射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形、カレンダー成形などにより、シート状、板状等の種々の形状の成形品に成形することが可能であり、特に、ハイサイクルの射出成形に適している。
【0022】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、引張り伸びに優れ、しかも耐衝撃性、中でも低温における耐衝撃性に優れており、日用品、包装材料から自動車内外装品等の自動車部品、例えば大型のバンパー、インスツルメントパネル等まで広範囲に利用できる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0024】
なお、以下の実施例および比較例における物性の測定方法は以下のとおりである。
【0025】
(引張り伸び)
JIS K7113に記載された方法に従って測定した。すなわち、JIS1号に規定されたダンベル状の試験片を樹脂組成物から作製し、室温にてインストロン万能試験機を使用して引張速度5mm/分で引張試験を行い、試験片が破断した時の伸度(%)を測定した。
【0026】
(低温耐衝撃性)
アイゾッド耐衝撃試験をJIS K7110に準じて行い、低温耐衝撃性の指標とした。すなわち、射出成形機を用いて試験片(サイズ:64mm×12.7mm×3.2mm)を樹脂組成物から作製し、−20℃においてノッチ付きアイゾッド衝撃強度を測定した。
【0027】
(曲げ弾性率)
射出成形機を用いて試験片(サイズ:110mm×10mm×4mm)を樹脂組成物から作製し、JIS K7203に準じて三点曲げ法にて曲げ弾性率を測定し、剛性の指標とした。
【0028】
参考例1(水添ブロック共重合体の製造)
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン1500gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)382gを加え、50℃で60分間重合した後テトラヒドロフラン164gを加え、次いで予め調製したイソプレン6800gとブタジエン10200gの混合物を加えて60分間重合を行い、さらにスチレンを1500g加えて60分間重合し、最後にメタノールを加えて反応を停止し、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体(以下ブロック共重合体1と略記する)をシクロヘキサン溶液として調製した。GPC測定によって求めた数平均分子量(以下、Mnと略記する)、1H−NMRスペクトル測定によって求めたスチレン含有量、イソプレンおよびブタジエンの混合物からなる重合体ブロックのミクロ構造は表1に示すとおりであった。
【0029】
上記で得られたブロック共重合体1に対し、シクロヘキサン溶液中、Ziegler系触媒を用い、水素雰囲気下、80℃で4時間水素添加反応を行い、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロックにおいて、炭素−炭素二重結合が水素添加されてなる水添ブロック共重合体1を得た。1H−NMRスペクトル測定により求めた水素添加率は95.3%であった。
【0030】
参考例2(水添ブロック共重合体の製造)
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン1700gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)183gを加え、50℃で60分間重合した後テトラヒドロフラン65gを加え、次いで予め調製したイソプレン9296gとブタジエン7304gの混合物を加えて60分間重合を行い、さらにスチレンを1700g加えて60分間重合し、最後にメタノールを加えて反応を停止し、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体(以下ブロック共重合体2と略記する)をシクロヘキサン溶液として調製した。GPC測定によって求めた数平均分子量、1H−NMRスペクトル測定によって求めたスチレン含有量、イソプレンおよびブタジエンの混合物からなる重合体ブロックのミクロ構造は表1に示すとおりであった。
【0031】
上記で得られたブロック共重合体2を参考例1と同様にして水素添加することにより、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロックにおいて、炭素−炭素二重結合が水素添加されてなる水添ブロック共重合体2を得た。1H−NMRスペクトル測定により求めた水素添加率は98.2%であった。
【0032】
参考例3(水添ブロック共重合体の製造)
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン2500gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)132gを加え、50℃で60分間重合した後テトラヒドロフラン34gを加え、次いで予め調製したイソプレン10500gとブタジエン4500gの混合物を加えて60分間重合を行い、さらにスチレンを2500g加えて60分間重合し、最後にメタノールを加えて反応を停止し、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体(以下ブロック共重合体3と略記する)をシクロヘキサン溶液として調製した。GPC測定によって求めた数平均分子量、1H−NMRスペクトル測定によって求めたスチレン含有量、イソプレンおよびブタジエンの混合物からなる重合体ブロックのミクロ構造は表1に示すとおりであった。
【0033】
上記で得られたブロック共重合体3を参考例1と同様にして水素添加することにより、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロックにおいて、炭素−炭素二重結合が水素添加されてなる水添ブロック共重合体3を得た。1H−NMRスペクトル測定により求めた水素添加率は89.3%であった。
【0034】
参考例4(水添ブロック共重合体の製造)
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン1800gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)181gを加え、50℃で60分間重合した後テトラヒドロフラン164gを加え、次いで予め調製したイソプレン9840gとブタジエン6560gの混合物を加えて60分間重合を行い、さらにスチレンを1800g加えて60分間重合し、最後にメタノールを加えて反応を停止し、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体(以下ブロック共重合体4と略記する)をシクロヘキサン溶液として調製した。GPC測定によって求めた数平均分子量、1H−NMRスペクトル測定によって求めたスチレン含有量、イソプレンおよびブタジエンの混合物からなる重合体ブロックのミクロ構造は表1に示すとおりであった。
【0035】
上記で得られたブロック共重合体4を参考例1と同様にして水素添加することにより、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロックにおいて、炭素−炭素二重結合が水素添加されてなる水添ブロック共重合体4を得た。1H−NMRスペクトル測定により求めた水素添加率は98.9%であった。
【0036】
参考例5(水添ブロック共重合体の製造)
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン3500gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)107gを加え、50℃で60分間重合した後テトラヒドロフラン503gを加え、次いで予め調製したイソプレン9750gとブタジエン3250gの混合物を加えて60分間重合を行い、さらにスチレンを3500g加えて60分間重合し、最後にメタノールを加えて反応を停止し、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体(以下ブロック共重合体5と略記する)をシクロヘキサン溶液として調製した。GPC測定によって求めた数平均分子量、1H−NMRスペクトル測定によって求めたスチレン含有量、イソプレンおよびブタジエンの混合物からなる重合体ブロックのミクロ構造は表1に示すとおりであった。
【0037】
上記で得られたブロック共重合体5を参考例1と同様にして水素添加することにより、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロックにおいて、炭素−炭素二重結合が水素添加されてなる水添ブロック共重合体5を得た。1H−NMRスペクトル測定により求めた水素添加率は93.1%であった。
【0038】
参考例6(水添ブロック共重合体の製造)
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン500gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)183gを加え、40℃で60分間重合した後テトラヒドロフラン347gを加え、次いで予め調製したイソプレン11400gとブタジエン7600gの混合物を加えて60分間重合を行い、さらにスチレンを500g加えて60分間重合し、最後にメタノールを加えて反応を停止し、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体(以下ブロック共重合体6と略記する)をシクロヘキサン溶液として調製した。GPC測定によって求めた数平均分子量、1H−NMRスペクトル測定によって求めたスチレン含有量、イソプレンおよびブタジエンの混合物からなる重合体ブロックのミクロ構造は表1に示すとおりであった。
【0039】
上記で得られたブロック共重合体6を参考例1と同様にして水素添加することにより、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロックにおいて、炭素−炭素二重結合が水素添加されてなる水添ブロック共重合体6を得た。1H−NMRスペクトル測定により求めた水素添加率は94.8%であった。
【0040】
参考例7(水添ブロック共重合体の製造)
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン2000gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)184gを加え、50℃で60分間重合した後テトラヒドロフラン34gを加え、次いで予め調製したイソプレン4800gとブタジエン11200gの混合物を加えて60分間重合を行い、さらにスチレンを2000g加えて60分間重合し、最後にメタノールを加えて反応を停止し、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン型のブロック共重合体(以下ブロック共重合体7と略記する)をシクロヘキサン溶液として調製した。GPC測定によって求めた数平均分子量、1H−NMRスペクトル測定によって求めたスチレン含有量、イソプレンおよびブタジエンの混合物からなる重合体ブロックのミクロ構造は表1に示すとおりであった。
【0041】
上記で得られたブロック共重合体7を参考例1と同様にして水素添加することにより、イソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロックにおいて、炭素−炭素二重結合が水素添加されてなる水添ブロック共重合体7を得た。1H−NMRスペクトル測定により求めた水素添加率は96.7%であった。
【0042】
【表1】
Figure 0003937203
【0043】
実施例1〜3および比較例1〜5
表2に示した配合に従い、ポリプロピレンおよび水添ブロック共重合体1〜7をドライブレンドした後、二軸押出機を用いて、シリンダー温度220℃の条件下に溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られたペレットを用いて、射出成形により所定の形状の試験片を作製し、各種物性の測定を行った。結果を表2に示す。
【0044】
比較例6
ポリプロピレン単独の場合として、IZOD衝撃強度と曲げ弾性率についてカタログ値を示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003937203
【0046】
表2から明らかなとおり、本発明の範囲内である実施例1〜3の樹脂組成物は、低温耐衝撃性、剛性が良好であり、引張り伸びが改良されていることがわかる。一方、本発明の範囲外である比較例1および5の樹脂組成物では、低温耐衝撃性は良好であるが、引張り伸びに劣る。また、本発明の範囲外である比較例2および4の樹脂組成物では、引張り伸びは改良されているが、低温耐衝撃性に劣る。さらに、本発明の範囲外である比較例3の樹脂組成物では、引張り伸びおよび低温耐衝撃性は優れているが、剛性に劣る。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、充分な引張り伸びを有すると共に、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れ、物性のバランスが良好なポリオレフィン系樹脂組成物が提供される。

Claims (1)

  1. (イ)ポリオレフィン系樹脂および、
    (ロ)ビニル芳香族化合物から構成される重合体ブロックAと、イソプレンとブタジエンからなり、両者の重量比がイソプレン/ブタジエン=40/60〜70/30の範囲内にある混合物から構成され、イソプレンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が35〜80モル%、ブタジエンに基づく全構造単位中の1,4−結合の割合が55〜90モル%である重合体ブロックBを有し、ビニル芳香族化合物に基づく構造単位の含有量が10〜30重量%であるブロック共重合体の、イソプレンおよびブタジエンに基づく炭素−炭素二重結合の80%以上を水素添加してなる水添ブロック共重合体を、
    ポリオレフィン系樹脂/水添ブロック共重合体=95/5〜50/50(重量比)の割合で含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
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