JP3937140B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池外装体にセラミックス・ハーメチックシールによって端子を取り付けた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解質二次電池に用いられるセラミックス・ハーメチックシールの構造例を図8に示す。この非水電解質二次電池は、長円筒形の巻回型の発電要素1を長円筒形容器状の金属容器2内に収納し、この金属容器2の上端開口部に長円形の蓋板3を嵌め込んで嵌合部を溶接することにより封止固着したものである。
【0003】
上記発電要素1の正負の電極に接続された端子4には、それぞれセラミックス製の絶縁筒5を介して、蓋板3と同様の金属板からなる小円板状の端子支持板6が取り付けられている。そして、図9に示すように、絶縁筒5と端子支持板6との間は、金属ロウ7によってロウ付けされる。ただし、金属製の端子4と絶縁筒5との間も同様に金属ロウで直接ロウ付けすると、この端子4の金属が絶縁筒5のセラミックスよりも熱膨張係数が非常に大きいために、温度変化に伴う歪みが絶縁筒5に集中することになる。即ち、端子支持板6は、金属板の撓みによって自身の熱膨張や収縮による歪みを吸収できるが、端子4は導電率を高めるためにある程度大きな断面積が必要であるため、熱膨張や収縮による半径方向への変形が金属ロウを介して絶縁筒5に直接伝わることになり、これによって塑性変形や弾性変形の生じ難いセラミックス製の絶縁筒5にクラックを発生させるおそれがある。
【0004】
そこで、図9に示したように、絶縁筒5の内筒に挿入した端子4に金属リング8を外嵌し、この金属リング8と端子4や絶縁筒5との間をそれぞれ金属ロウ9でロウ付けすることにより、端子4の熱膨張や収縮による歪みを金属リング8で吸収して絶縁筒5には直接伝えないようにする発明が既に提案されている。
【0005】
ここで、正極の端子4には、正極電位で非水電解液に溶解しないアルミニウム合金が用いられ、同じ正極電位となる金属リング8の金属ロウ9のロウ材もアルミニウムロウが用いられる。また、負極の端子4には、負極電位で電気化学的に腐食し難い銅合金等が用いられ、同じ負極電位となる金属リング8の金属ロウ9のロウ材も銀銅ロウ(Ag−Cuロウ)や金銅ロウ(Au−Cuロウ)のような銅を含む合金が用いられる。これに対して、端子支持板6は、正負極とは絶縁されるので、アルミニウム合金やステンレス鋼、鉄板にニッケルメッキを施したもの等の適宜の金属材料が用いられ、絶縁筒5との間の金属ロウ7のロウ材も同様に適宜の金属が用いられる。
【0006】
上記正負の端子4,4を絶縁筒5,5を介して封止固着した端子支持板6,6は、蓋板3の両端部に設けられた開口孔にそれぞれ嵌め込まれて溶接により封止固着される。そして、このようにして蓋板3の下方に取り付けた発電要素1を金属容器2の内部に挿入し、蓋板3をこの金属容器2の上端開口部に嵌め込んで溶接を行うことにより電池外装体内部を密閉する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、端子4と絶縁筒5との間に取り付けられる金属リング8は、端子4を支持するための十分な強度を有すると共に、この端子4と絶縁筒5との間の熱膨張係数の差による歪みを吸収するために、主に弾性による変形が比較的容易な金属材料を用いる必要があるので、正負共に端子4の金属材料よりは耐食性の劣るコバール(鉄・ニッケル・コバルト合金)や42%ニッケル・鉄合金等を用いることが多かった。また、正極側の金属リング8にアルミニウム合金を用いたとしても、強度や弾性の特性を考慮して端子4に用いるアルミニウム合金よりは耐食性の劣るものを用いざるを得ず、負極側の金属リング8に銅合金を用いたとしても、強度や弾性の特性を考慮して端子4に用いる銅合金よりは耐食性の劣るものを用いざるを得なかった。さらに、この金属リング8を端子4や絶縁筒5にロウ付けするための金属ロウ9のロウ材も、端子4や金属リング8の金属材料よりは融点が低い必要があり、端子4に用いる金属材料よりは耐食性の劣るものを用いざるを得なかった。
【0008】
このため、従来は、端子4と絶縁筒5とを封止固着する金属リング8や金属ロウ9が正負極の電位で非水電解液に接触するために、使用に伴い腐食が進行することにより電池の気密性が低下し寿命が短くなるおそれがあるという問題が発生していた。
【0009】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、端子と絶縁筒との間を封止固着する金属リングや金属ロウを保護材で覆ったり塞ぐことにより、電解液による腐食を防止することができる電池を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、金属製の電池外装体の開口部に封止固着されたセラミックス製の絶縁筒に、金属製の端子が挿入されると共に、この端子に金属リングが外嵌されて、この金属リングと端子との間と、この金属リングと絶縁筒との間とが金属ロウによって封止固着された非水電解質二次電池において、少なくとも金属リングにおける電池外装体の内部側に露出する表面を、及び/又は、少なくともこの金属リングを封止固着するための金属ロウにおける電池外装体の内部側に露出する表面を、電解液による腐食を防止することができる保護材の皮膜で覆ったことを特徴とする。
【0011】
請求項1の発明によれば、金属リングや金属ロウの内部側の表面が保護材の皮膜に覆われるので、正負極の電位となるこれらの金属リングや金属ロウが電解液と接触して腐食するようなことがなくなり、気密性の低下によって電池寿命が短縮されるのを防止することができるようになる。これらの金属リングと金属ロウのうち、より耐食性の劣る方の表面だけを保護材の皮膜で覆うこともできる。
【0012】
請求項2の発明は、金属製の電池外装体の開口部に封止固着されたセラミックス製の絶縁筒に、金属製の端子が挿入されると共に、この端子に金属リングが外嵌されて、この金属リングと端子との間と、この金属リングと絶縁筒との間とが金属ロウによって封止固着された非水電解質二次電池において、金属リングの封止固着部よりも電池外装体の内部側に位置する端子と絶縁筒との間隙に、電解液による腐食を防止することができる保護材が充填されたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明によれば、端子と絶縁筒との間隙に保護材が充填されるので、電解液がこの保護材の充填位置よりも外部側にある金属リングに接触することがなくなる。このため、正負極の電位となるこれらの金属リングが腐食するようなおそれがなくなり、気密性の低下によって電池寿命が短縮されるのを防止することができるようになる。また、この金属リングを端子と絶縁筒に封止固着するための金属ロウに電解液が接触することもなくなるので、この金属ロウも同様に腐食のおそれがなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1〜図2は本発明の第1実施形態を示すものであって、図1は非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図、図2は金属リングの形状が異なる非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。なお、図8〜図9に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0016】
本実施形態は、従来例と同様の非水電解質二次電池に用いられる端子4のセラミックス・ハーメチックシールの構造について説明する。この非水電解質二次電池の電池外装体は、図8に示したものと同様に、長円筒形容器状の金属容器2と、この金属容器2の上端開口部に嵌め込んで溶接により封止固着される蓋板3と、この蓋板3の開口孔に嵌め込んで溶接により封止固着される端子支持板6,6とから構成される。そして、正負の端子4,4は、これらの端子支持板6,6に絶縁筒5,5を介してそれぞれ封止固着される。
【0017】
上記正負の各端子4は、図1に示すように、セラミックス製の絶縁筒5の内筒に下方から挿入される。これらの端子4は、図8に示したように、上方に向けて突出する円柱状のピンであり、発電要素1の正極又は負極に集電板を介して接続されている。各端子4には、上下から金属リング8,8が外嵌されている。即ち、下方の金属リング8は、絶縁筒5に挿入する前から端子4に外嵌され、上方の金属リング8は、絶縁筒5に挿入した後に上方に突出した端子4に外嵌される。そして、各金属リング8の内周縁部と端子4との間が金属ロウ9によってロウ付けされると共に、これら各金属リング8の外周縁部と絶縁筒5との間も金属ロウ9によってロウ付けされる。セラミックス製の絶縁筒5は、非水電解液に負食されにくいことを特徴とする99%アルミナであり、金属ロウ9とのロウ付け部にはメタライズ層が被着されている。
【0018】
正極の端子4は、正極電位で非水電解液に溶解しないアルミニウム若しくはアルミニウム合金又はチタニウム若しくはチタニウム合金製であり、この端子4と絶縁筒5との間に金属リング8,8を封止固着する金属ロウ9も、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウムロウが用いられる。また、負極の端子4は、負極電位で非水電解液に溶解しない銅若しくは銅合金又はニッケル若しくはニッケル合金製であり、この端子4と絶縁筒5との間に金属リング8,8を封止固着する金属ロウ9も、銀銅ロウ(Ag−Cuロウ)や金銅ロウ(Au−Cuロウ)等の銅を含む合金からなるロウ材が用いられる。
【0019】
金属リング8は、端子4を支持するための十分な強度を有すると共に、この端子4と絶縁筒5との間の温度変化による歪みを吸収するためのわずかな変形が比較的容易な金属材料である必要があり、熱膨張係数が端子4の金属材料と絶縁筒5のセラミックスとの中間であることが望ましい。また、金属リング8の変形は、塑性変形が主になると強度的に弱くなるので、主に弾性変形によるものとする。このような金属リング8の金属材料として、本実施形態では、コバール、42%ニッケル・鉄合金又はステンレス鋼を用いている。コバールは、セラミックスとほぼ同様の熱膨張係数を有する鉄・ニッケル・コバルト合金であり、SUS430、SUS304、SUS316等のステンレス鋼は、このセラミックスとアルミニウムとの中間の熱膨張係数を有する。
【0020】
上記端子4に下側から外嵌された金属リング8の下方側の表面には、保護皮膜10が形成されている。この保護皮膜10は、金属リング8の下方側の表面だけでなく、金属ロウ9の下方側の表面も共に覆って形成されることが好ましく、本実施形態では、さらに金属ロウ9の周囲の端子4の表面や絶縁筒5の表面も一部を覆って形成されている。もっとも、この保護皮膜10は、金属ロウ9の下方側の表面だけを覆い、金属リング8の表面は覆わないように形成することもできる。また、この保護皮膜10は、これらの金属リング8と金属ロウ9の双方又はいずれか一方の、少なくとも下方側の表面を覆う必要があり、他の表面を覆うかどうかは任意である。
【0021】
上記保護皮膜10としては、金属皮膜や樹脂皮膜、セラミックス皮膜等が用いられる。金属皮膜による保護皮膜10は、金属リング8や金属ロウ9よりも耐食性が高い金属材料を用いた皮膜であり、端子4の金属材料と同等以上の耐食性を有することが好ましい。また、皮膜形成は、メッキによる方法が一般的であるが、電気メッキによる場合には絶縁筒5の表面にはメッキ層が形成されない。このようなメッキ層として例えば耐食性の高い金メッキを用いることにより、正極側の端子4の保護皮膜10とすることができる。また、負極側の端子4の保護皮膜10には、ニッケルメッキを用いることができる。樹脂皮膜による保護皮膜10は、ポリイミドやパリレン、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ素樹脂等の耐食性の高い皮膜をコーティングしたものである。セラミックス皮膜による保護皮膜10は、耐食性の高いセラミックスを主体とした材料による皮膜であり、溶射コートやスプレーコート等の方法を用いることにより、比較的低温で形成するのができる。しかも、これらの皮膜材料は、2種以上を組み合わせることもでき、例えばセラミックス皮膜や金属皮膜の表面に、耐食性の高い樹脂皮膜をコーティングすれば、単体の皮膜材料だけを用いた場合よりも信頼性の高い保護皮膜10を得ることができる。
【0022】
上記絶縁筒5は、従来例と同様に、端子支持板6の開口孔に挿入されて、この嵌合部を金属ロウ7でロウ付けすることにより封止固着される。この金属ロウ7は、正負極とは絶縁されるので、セラミックス製の絶縁筒5と金属製の端子支持板6との間を確実に封止固着することができるロウ材の中から任意に選択することができる。上記保護皮膜10は、この金属ロウ7や端子支持板6の下方側の表面まで覆うように形成してもよい。このようにして絶縁筒5を介し端子4をそれぞれ封止固着した端子支持板6,6は、従来例と同様に、蓋板3の両端部に設けられた開口孔にそれぞれ嵌め込まれて溶接により封止固着される。そして、発電要素1を金属容器2の内部に収納すると共に、この蓋板3を金属容器2の上端開口部に嵌め込んで溶接を行うことにより電池外装体内部が密閉される。
【0023】
上記構成によれば、端子4の下側に外嵌された金属リング8における電池外装体の内部側に露出する下方側の表面に保護皮膜10が形成されるので、正極電位や負極電位となるこの金属リング8に非水電解液が接触して腐食するようなことがなくなる。端子4の上側に外嵌された金属リング8は、下側の金属リング8によって端子4と絶縁筒5との隙間が塞がれるので、非水電解液に接触するおそれはない。また、端子4の下側に外嵌された金属リング8の上方側の表面も、この金属リング8の内周部と外周部が金属ロウ9によって封止固着されることにより、非水電解液に接触するおそれはない。従って、本来はこの下側に外嵌された金属リング8の下方側の表面だけが電池外装体の内部側に露出することになるが、本実施形態では、この表面を保護皮膜10が覆うので、金属リング8が非水電解液に接触することは全くなくなる。また、この金属リング8を端子4や絶縁筒5に封止固着する金属ロウ9の内部側に露出する表面も、保護皮膜10によって同様に覆われるので、非水電解液に接触して腐食するようなことがなくなる。このため、本実施形態の非水電解質二次電池は、端子4のセラミックス・ハーメチックシールの封止固着部の気密性が低下して電池寿命が短縮されるようなことがなくなる。
【0024】
なお、上記実施形態では、金属リング8が直接非水電解液に接触することはなくなるので、正極電位で非水電解液に対する耐食性が端子4よりは低下するコバール、42%ニッケル・鉄合金又はステンレス鋼を用いたが、正極の金属リング8には、正極の端子4と同様のアルミニウム合金等を用いることもできる。また、負極の金属リング8にも、負極の端子4と同様の銅合金等を用いることができる。さらに、これらの金属材料に限らず、強度と弾性等を考慮した他の金属材料からなる金属リング8を用いることもできる。さらに、この金属リング8を端子4や絶縁筒5に封止固着する金属ロウ9の表面に保護皮膜10が形成されている場合には、この金属ロウ9のロウ材も任意に選択することができ、端子4側の金属ロウ9と絶縁筒5側の金属ロウ9を異なる金属材料のロウ材とすることもできる。ただし、高信頼性が求められる用途では、耐食性の高い金属ロウ9の表面にさらに保護皮膜10を形成することが好ましい。
【0025】
また、上記実施形態では、絶縁筒5の材質として99%アルミナを用いる場合を説明したが、92%アルミナ等の純度の低いセラミックスを用いることもできる。
【0026】
また、上記実施形態では、円筒形の一方の端部を内周側に屈曲させた断面L字形状の金属リング8を用いる場合を示したが、図2に示すように、円筒形の一方の端部を外周側に屈曲させた断面L字形状の金属リング8を用いることもできる。この金属リング8の形状は、端子4と絶縁筒5の挿入部の間隙の変化を撓み等の変形によって吸収できるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、2個の金属リング8,8を絶縁筒5の両端部に配置した例を示したが、この端子4と絶縁筒5の間に介在させる金属リング8の個数は限定されない。例えば、この金属リング8を絶縁筒5の内側の端部(図示下端部)に1個だけ配置するようにしてもよく、逆に絶縁筒5の外側の端部(図示上端部)に1個だけ配置することもできる。ただし、金属リング8を外側の端部だけに配置する場合には、保護皮膜10は、この金属リング8や金属ロウ9の入り組んだ裏側の表面に形成する必要が生じる。
【0028】
図3〜図5は本発明の第2実施形態を示すものであって、図3は非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図、図4は金属リングの形状が異なる非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図、図5は金属リングの形状がさらに異なる非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。なお、図1〜図2に示した第1実施形態と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記して説明を省略する。
【0029】
本実施形態は、保護皮膜10に代えて、絶縁筒5と端子4との間隙に保護充填材11を充填する場合を示す。第1実施形態の図1〜図2では、絶縁筒5の両端部に金属リング8,8を配置する場合について示したが、図3〜図5に示すように、1個の金属リング8をこの絶縁筒5の外側の端部だけに配置してもよいことは上述の通りである。図3は、円筒形の上端部を内周側に屈曲させた断面L字形状の金属リング8を用いた場合を示し、図4は、円筒形の下端部を外周側に屈曲させた断面L字形状の金属リング8を用いた場合を示し、図5は、リング状の円板の内外周端部をそれぞれ下方に屈曲させた断面コの字形状の金属リング8を用いた場合を示す。
【0030】
本実施形態は、このように絶縁筒5の外側の端部に金属リング8を1個だけ配置した場合に、この絶縁筒5と端子4との間隙に保護充填材11を充填したものである。保護充填材11は、保護皮膜10と同様に、金属、樹脂若しくはセラミックス等、又は、これらから選ばれる2種類以上の材料の組み合わせからなる保護材を用いることができる。もっとも、充填作業の容易さを考慮すれば、一般的には金属よりも樹脂やセラミックスの保護材を用いる方が好ましい。
【0031】
上記のように、端子4と絶縁筒5との間隙がこのような保護充填材11で塞がれれば、非水電解液がこの間を通って上方の金属リング8の封止固着部に達することがなくなるので、正極電位や負極電位となるこの金属リング8や金属ロウ9に非水電解液が接触して腐食するようなことがなくなる。
【0032】
なお、本実施形態では、1個の金属リング8を絶縁筒5の外側の端部に配置した例を示したが、この金属リング8を端子4と絶縁筒5との隙間に介在させることもでき、この絶縁筒5の外側の端部や端子4との隙間に配置する金属リング8の個数は限定されない。ただし、保護充填材11は、これらの金属リング8のうちの最も内部側に配置されたものよりもさらに内部側に位置する端子4と絶縁筒5との間隙に充填される。
【0033】
図6〜図7は本発明の第3実施形態を示すものであって、図6は金属リング部を設けた非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図、図7は形状の異なる金属リング部を設けた非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。なお、図1〜図5に示した第1と第2の実施形態と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記して説明を省略する。
【0034】
本実施形態は、端子4に金属リング8を外嵌する代りに、図6〜図7に示すように、この端子4に金属リング部4aを設けている。金属リング部4aは、端子4の外周面から鍔状に突出した円板状の部位であり、図6に示す金属リング部4aの場合には、この円板状の外周端部を下方に屈曲させて、図1や図3に示した金属リング8と同様に断面L字形状としている。また、図7に示すように、金属リング部4aの円板状の外周端部を下方に屈曲させて、この内側に絶縁筒5の上端部を抱え込むようにすることもできる。このような金属リング部4aを用いた場合にも、温度変化に伴って金属とセラミックスとの熱膨張係数の差による端子4と絶縁筒5の挿入部の間隙に変化が生じても、金属リング8の場合と同様に、この歪みを金属リング部4aの撓みによって吸収することができるようになる。また、このような金属リング部4aであれば、端子4との間を金属ロウ9でロウ付けする必要がなくなるので、ロウ付け作業の手間が軽減されると共に、セラミックス・ハーメチックシールの信頼性を向上することもできるようになる。
【0035】
本実施形態は、上記金属リング部4aに金属ロウ9でロウ付けされた絶縁筒5と端子4との間隙に保護充填材11を充填する。保護充填材11は、第2実施形態の場合と同じ構成である。このように保護充填材11が充填されると、非水電解液がこの端子4と絶縁筒5の隙間を通って金属ロウ9による封止固着部に達することがなくなるので、正極電位や負極電位となるこの金属ロウ9に非水電解液が接触して腐食するようなことがなくなる。
【0036】
なお、本実施形態は、端子4と絶縁筒5との間隙に保護充填材11を充填する場合を示したが、金属リング部4aと絶縁筒5との間をロウ付けする金属ロウ9が内部側に露出する表面に第1実施形態で説明した保護皮膜10を形成するようにしてもよい。この場合も、非水電解液が金属ロウ9に接触するのをこの保護皮膜10が遮るので、この金属ロウ9の腐食を防止することができる。
【0037】
また、本実施形態では、金属リング部4aを絶縁筒5の外側の端部に配置する場合を示したが、この金属リング部4aの形成位置は限定されない。
【0038】
また、上記第1と第2の実施形態では、金属リング8の内周縁部と外周縁部を端子4と絶縁筒5にロウ付けする場合を示したが、この金属リング8の相対的に内周側の内周部を端子4にロウ付けし、相対的に外周側の外周部を絶縁筒5にロウ付けすれば足り、必ずしも縁部でロウ付けを行う必要はない。さらに、第3実施形態の場合も、金属リング部4aの外周部を絶縁筒5にロウ付けすれば足り、必ずしも外周縁部でロウ付けを行う必要はない。
【0039】
また、上記第1〜第3の実施形態では、正負双方の端子4と絶縁筒5との間の金属リング8の表面に保護皮膜10を形成したり、正負双方の端子4と絶縁筒5との間隙に保護充填材11を充填する場合について説明したが、特に腐食が進行し易い片方の極性側にのみ保護皮膜10を形成したり保護充填材11を充填するようにしてもよい。また、正負いずれか片方の端子4と絶縁筒5との間は、金属リング8や金属リング部4aを介在させることなく直接金属ロウ9によってロウ付けを行うようにすることも可能である。さらに、電池外装体自体を片方の極性の端子とし、他方の極性の端子4だけを金属リング8や金属リング部4aを介して絶縁筒5に封止固着してセラミックス・ハーメチックシールとすることもできる。
【0040】
また、上記第1〜第3の実施形態では、電池外装体が金属容器2と蓋板3と端子支持板6とからなる場合を示したが、この電池外装体の構成は任意であり、端子支持板6を用いることなく、蓋板3の開口孔に直接絶縁筒5をロウ付けしてもよく、金属容器2側に端子4を配置することもできる。さらに、金属容器2と蓋板3の組み合わせ以外の構成の電池外装体にも同様に実施可能である。
【0041】
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の非水電解質二次電池によれば、正負極の電位となる金属リングや金属ロウが保護材に遮られることにより、電解液と接触し腐食するようなことがなくなるので、気密性の低下によって電池寿命が短縮されるのを防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態を示すものであって、金属リングの形状が異なる非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態を示すものであって、金属リングの形状が異なる非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態を示すものであって、金属リングの形状がさらに異なる非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図6】 本発明の第2実施形態を示すものであって、金属リング部を設けた非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態を示すものであって、形状の異なる金属リング部を設けた非水電解質二次電池の端子のセラミックス・ハーメチックシール部分の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図8】 従来例を示すものであって、非水電解質二次電池の構造を示す組み立て斜視図である。
【図9】 従来例を示すものであって、非水電解質二次電池の正極端子のセラミックス・ハーメチックシール部分を示す部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 発電要素
2 金属容器
3 蓋板
4 端子
4a 金属リング部
5 絶縁筒
6 端子支持板
9 金属ロウ
10 保護皮膜
11 保護充填材
Claims (2)
- 金属製の電池外装体の開口部に封止固着されたセラミックス製の絶縁筒に、金属製の端子が挿入されると共に、この端子に金属リングが外嵌されて、この金属リングと端子との間と、この金属リングと絶縁筒との間とが金属ロウによって封止固着された非水電解質二次電池において、
少なくとも金属リングにおける電池外装体の内部側に露出する表面を、及び/又は、少なくともこの金属リングを封止固着するための金属ロウにおける電池外装体の内部側に露出する表面を、電解液による腐食を防止することができる保護材の皮膜で覆ったことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 金属製の電池外装体の開口部に封止固着されたセラミックス製の絶縁筒に、金属製の端子が挿入されると共に、この端子に金属リングが外嵌されて、この金属リングと端子との間と、この金属リングと絶縁筒との間とが金属ロウによって封止固着された非水電解質二次電池において、
金属リングの封止固着部よりも電池外装体の内部側に位置する端子と絶縁筒との間隙に、電解液による腐食を防止することができる保護材が充填されたことを特徴とする非水電解質二次電池。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002021488A JP3937140B2 (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | 非水電解質二次電池 |
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