JP3935826B2 - 吊荷の積み付け制御方法及び制御装置並びに荷役機械 - Google Patents

吊荷の積み付け制御方法及び制御装置並びに荷役機械 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナ等の吊荷を積み付けるために用いられる積み付け制御方法及び積み付け制御装置並びに荷役機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンテナ等の特定形状をなす吊荷の積み付けを行う荷役機械には、門型のトランスファークレーンなどがあり、その構成としては、門型のフレームの上部にて水平方向に移動するトロリと、トロリより吊りロープによって吊り下げられ、巻上装置による吊りロープの巻き上げ、繰り出しにより昇降するスプレッダ等の吊具と、門型のフレームの下部に配されて走行を実現する走行装置などを有している。
【0003】
吊具あるいは、吊具に把持された吊荷を予め定めた目標に対して位置決めし、吊具または吊荷を着床、積み付けする場合、着床、積み付けされた時点で吊具あるいは吊荷と目標位置との位置関係に水平ずれがないように制御する必要がある。なお、この種の積み付け制御と同意である着床制御を行う技術としては、以下に説明するものが既に先行技術として開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この特許文献1に記載された着床制御装置は、吊荷の水平方向における刻々の振れ量を検出器によって計測し、振れ量の時間変化によって演算した吊荷の振れ速度を用いて、吊荷の水平運動が単振子における正弦波的運動であるとの仮定のもとで将来の水平位置を予測演算する。このようにして演算した吊具の将来位置が、目標位置に合致すると予測されるタイミングに合わせて吊具の下降速度を制御し、吊荷が正しく目標位置に到達するよう制御を行うものである。
なお、この着床制御装置は、吊荷の将来の水平位置を予測するモデルとして、吊点が固定されている単振子を想定しており、この着床制御においては、トロリが定位置にあると仮定するため、吊荷の水平方向の位置制御には関与しないものとされている。
【0005】
上述した特許文献1における着床制御においては、吊りロープと吊荷からなる系を単振子モデルで近似する方法であり、荷役機械の機体の剛性が十分に高く、トロリ上の吊りロープの吊点が実質的に固定されていると見なされる場合には問題ない。しかし、機体の剛性が低く、トロリ上のロープ支持点を固定点と見なせない場合に、吊荷とロープ系との運動を単純な単振子モデルで近似すると、将来の吊荷位置予測値に大きい誤差を生じてしまい、着床時の吊荷と下方の荷の水平方向相対位置に許容できないズレを生ずることが予想される。さらに、吊りロープに対して傾斜を付けて配置した補助ロープ等を付加して吊荷に水平方向の力を与えて振れ止めの効果を得るように構成しているものがあり、これを単純な単振子のモデルを想定した場合、吊荷の位置予測に大きい誤差を生ずることが考えられる。さらに、この着床制御では、トロリ位置と着床の目標となる地上のコンテナ位置の間に大きい水平方向偏差がある場合にトロリの位置補正を併せて行う必要があるが、この場合、トロリ位置補正に伴う新たな吊具の水平運動が発生してしまいかねず、上述した吊具の将来位置予測に影響を与えることとなって結果として着床制御に要する時間が長くなる可能性が高い。
【0006】
これらのことを解決すべく、吊具の水平位置の周期的変位を予測し、周期的変位の振幅が最大になる時点で速度成分を零として吊具または該吊具に把持された吊荷を目標位置に着床するように吊具の降下速度を制御する方法が既に開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
これによれば、吊具に吊荷を吊り下げた状態での吊具の横振れを予測し、吊具の水平位置の周期的変位の振幅が最大になる時点、すなわち、吊具の振れ速度が零になる吊具の横振れの最大時点で着床がなされ、上記問題が解決されて迅速な着床制御が実施可能であるとされている。
【0007】
また、着床制御に用いられる他の方法として、目標位置となる蔵置されたコンテナ上に荷役中のコンテナを積み付けるために吊具に設置したカメラなどの撮像手段で荷役中のコンテナとともに蔵置されたコンテナを捉える方法がある(例えば、特許文献3参照、及び特許文献4参照。)。
これによると、吊具に把持されたコンテナと、該コンテナの積み付け目標となる蔵置コンテナとの実際のずれ量が検出され、このずれ量を零にするように着床制御することで積み付けの精度を高めることが可能とされている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−120362号公報(第11−14段落、第1図)
【特許文献2】
特開2002−241079号公報(第27−34段落、第1図)
【特許文献3】
特開2002−205891号公報(第40−42段落、第1図)
【特許文献4】
特開2001−220087号公報(第10−14段落、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述した特許文献2において、例えば、目標位置である蔵置されたコンテナ上に荷役中のコンテナを着床させようとすると、これらコンテナにおける実際のずれ量が検出されていないため、荷役中のコンテナの周期的変位を考慮して着床させても実際にはこれらの積み付けにずれが生じていた。
このことは、蔵置されたコンテナの位置を荷役機械は予め定義された座標系で捉えているためであり、蔵置されたコンテナは上記の座標系における予定座標値に対して現実には座標値がずれているからに他ならないからである。
【0010】
また、上述した特許文献3,4においては、蔵置されたコンテナと荷役中のコンテナとの実際のずれ量を検出することが可能とされているため、このずれ量を零とするように吊具の移動を制御すれば、ずれが生じないコンテナの積み付けを実施できると考えられていた。しかし、ずれ量を検出できない場合には上記の着床制御が困難となった。
【0011】
蔵置されたコンテナと荷役中のコンテナとの実際のずれ量が検出できなくなる要因としては、荷役中のコンテナの影に目標となる蔵置されたコンテナが隠れてしまうことがあり、この場合、ずれ量の計測結果が零以下となって吊具の移動を制御する判断材料が消去されてしまうからである。
このことを解決する方法としては、特許文献3にも記載されているが、吊具の両側(吊荷の振れ方向における左右側)にずれ量を検出可能とする目標位置検出器(先行技術に開示のカメラ等)を備えれば、一方側が検出不可能になっても他方側にてずれ量の計測ができることになるので、得られたずれ量を適宜用いることで積み付けの制御は可能であると考えられる。
【0012】
しかし、吊具の両側にずれ量の目標位置検出器を備える場合において、互いから得られるずれ量が共に零であることが検出されると、このずれ量が真に零であるか、あるいは検出が不可能とされた状況下における零であるか、が制御装置上で判断できない場合がある。さらに、ずれ量が零であるが故に、万が一に目標位置検出器が他の物体を着床対象として新たにずれ量を検出してしまうことも考えられる。また、上述の構成では、カメラなどの検出器を多数備える必要性が生じる点もコストの面から問題ともなりうる。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、コンテナ等の吊荷を積み付ける際の着床における精度を高めるとともに積み付けに要する時間を短縮し、吊荷の積み付けにおける自動化を的確に実現する吊荷の積み付け制御方法及び制御装置並びに荷役機械を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、水平方向に移動するトロリと、前記トロリより吊りロープによって吊り下げられ、巻上装置による前記吊りロープの巻き上げ、繰り出しにより昇降する吊具とを有する荷役機械による吊荷の積み付け制御方法において、前記吊具に対する目標位置のずれ量を、一時刻にて実際に計測された基準位置に対する前記トロリの離間距離と、前記トロリに対する前記吊具の第2ずれ量と、前記吊具に取り付けられた目標位置検出器で検出した前記吊具に対する前記目標位置のずれ量との合算値から、前記離間距離と前記第2ずれ量とを時系列に従って随時差し引いて算出される演算値として検出するとともに、前記トロリに対する前記吊具の水平位置の周期的変位を予測し、前記ずれ量が許容範囲内となるように前記吊具又は該吊具に把持された吊荷を目標位置に着床させるべく該吊具の移動を制御することを特徴とする。
【0015】
このような制御方法により、吊具に吊荷を吊り下げた状態での吊具の横振れが予測されながら吊具に対する目標位置の実際のずれ量が許容範囲内となる時点で目標位置に対しての着床が行われる。
そして、この制御方法では、吊具に対する目標位置のずれ量が演算によって継続的に算出されるため、吊具と目標位置とが如何なる位置関係であっても、これらのずれ量が必ず導かれる。すなわち、吊具に対する目標位置のずれ量が吊具の位置条件などによって実際に計測できないことがあっても、このずれ量を計測した際のデータを用いて上記演算を行うことで、時系列に従った吊具に対する目標位置のずれ量を実際の計測と同等に随時得ることができる。このことは、基準位置に対するトロリの離間距離と、トロリに対する吊具の第2ずれ量と、前記吊具に対する前記目標位置のずれ量との合算値が常に一定であることによるものである。そして、時系列に従って合算値から基準位置に対するトロリの離間距離、及びトロリに対する吊具の第2ずれ量の両方を差し引くことで、その時刻における吊具に対する目標位置のずれ量が演算結果として求められることになる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、水平方向に移動するトロリと、前記トロリより吊りロープによって吊り下げられ、巻上装置による前記吊りロープの巻き上げ、繰り出しにより昇降する吊具とを有する荷役機械の制御装置において、前記トロリに対する前記吊具の水平位置の周期的変位を予測するとともに、前記吊具に対する目標位置のずれ量が許容範囲内となるように前記吊具又は該吊具に把持された吊荷を目標位置に着床させるべく該吊具の移動を制御する制御装置が、一時刻にて実際に計測された基準位置に対する前記トロリの離間距離と、前記トロリに対する前記吊具の第2ずれ量と、前記吊具に取り付けられた目標位置検出器で検出した前記吊具に対する前記目標位置のずれ量との合算値から、前記離間距離と前記第2ずれ量とを時系列に従って随時差し引いて前記吊具に対する前記目標位置のずれ量を算出するずれ量演算手段を備えていること特徴とする。
【0019】
このような制御装置により、吊具に吊荷を吊り下げた状態での吊具の横振れが予測されながら吊具に対する目標位置の実際のずれ量が許容範囲内となる時点で目標位置に対しての着床が行われる。
そして、この制御装置では、吊具に対する目標位置のずれ量が、ずれ量演算手段の演算によって演算値として算出されるため、吊具と目標位置とが如何なる状態であっても、これらのずれ量が適宜導かれる。すなわち、吊具に対する目標位置のずれ量が吊具の位置条件などによって実際に計測できない場合であっても、このずれ量を計測した際のデータを用いて上記の演算を行うことで、時系列に沿った吊具に対する目標位置のずれ量を演算値として随時得ることができる。このことは、基準位置に対するトロリの離間距離と、トロリに対する吊具の第2ずれ量と、前記吊具に対する前記目標位置のずれ量との合算値が常に一定であることによるものである。そして、時系列に従って合算値から基準位置に対するトロリの離間距離、及びトロリに対する吊具の第2ずれ量の両方を差し引くことで、その時刻における吊具に対する目標位置のずれ量が演算結果として求められることになる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、水平方向に移動するトロリと、前記トロリより吊りロープによって吊り下げられ、巻上装置による前記吊りロープの巻き上げ、繰り出しにより昇降する吊具とを有する荷役機械において、基準位置に対する前記トロリの離間距離を検出するトロリ位置検出器と、前記トロリに対する前記吊具の第2ずれ量を検出する吊具位置検出器と、前記吊り具に取り付けられて前記吊具に対する目標位置のずれ量を検出する目標位置検出器と、請求項2に記載の制御装置とを備えてなることを特徴とする。
【0023】
このような荷役機械により、各検出器で得られた離間距離やずれ量の値が制御装置に送られ、この制御装置による吊具の移動が制御されることにより、吊具に吊荷を吊り下げた状態での吊具の横振れが予測されながら吊具に対する目標位置の実際のずれ量が許容範囲内となる時点で目標位置に対しての着床が行われる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明における積み付け制御方法及び制御装置を備える荷役機械の一実施形態としてトランスファークレーンに適用した場合を以下に説明する。
図1は本実施形態のトランスファークレーンの全体構成図である。このトランスファークレーンは、吊荷であるコンテナCを段積みするタイヤ式橋形クレーンであり、タイヤ式走行装置11によって無軌道面上を走行する門形のクレーン走行機体10を有している。クレーン走行機体10の水平な上部梁12には上部梁12に沿って水平方向に移動するトロリ13が設けられている。
【0025】
トロリ13には巻上装置14が搭載されており、巻上装置14が吊りロープ15を巻き上げ、繰り出しを行うことによってコンテナ用の吊具であるスプレッダ16が昇降可能に吊り下げられている。なお、スプレッダ16は、コンテナC上面の4つの端部にて該コンテナCを係脱可能に保持することができる。
【0026】
トロリ13の下面には、下方に向かって撮像を行う2台のCCDカメラ25(吊具位置検出器)が備わり、スプレッダ16の上面にそれぞれ設けられたターゲット18を画像として捉えている。これらCCDカメラ25は、トロリ13を基準とした場合におけるスプレッダ16の振れによる相対的な変位差を捉えることでトロリ13に対するスプレッダ16の第2ずれ量を実際の計測によって検出している。
【0027】
また、スプレッダ16の一つの辺16aの両端部には、それぞれ吊具下方を撮像する2台のCCDカメラ19(目標位置検出器)が下向きに取り付けられ、この辺16aと平行な他方の辺16bの両端部にもそれぞれ吊具下方を撮像する2台のCCDカメラ19(目標位置検出器)が下向きに取り付けられている。これらCCDカメラ19は、スプレッダ16を基準とした場合における着床の目標位置と該スプレッダ16との相対的な変位差を捉えることで、スプレッダ16に対する目標位置のずれ量を実際の計測によって検出している。
【0028】
さらに説明すると、スプレッダ16に備わる各CCDカメラ19は、このスプレッダ16を平面視した場合に該スプレッダ16に把持されるコンテナCa(以下、「吊コンテナ」と称す。)よりも外側に位置するように設置されており、吊コンテナCaの側面を捉えつつ、この側面の延在方向に撮像される物体、すなわち、着床位置(目標位置)とされる蔵置されたコンテナ(以下、「蔵置コンテナ」と称す。)の側面を同時に捉えることが可能である。
【0029】
また、トロリ13には、上部梁12に沿って水平方向に移動する際の移動量を検出する図示しないエンコーダ(図2に示される「トロリ位置検出器24」を指す。)が設けられており、クレーン走行機体10の基準となる位置(図示の▼に示される位置。)からトロリ13までの離間距離が実際の計測により随時検出されている。
【0030】
次に、図2,3を用いて上記のトランスファークレーンの駆動制御系、及び本発明に係る制御装置の形態について説明する。
トランスファークレーンは、トロリ13を横行駆動するトロリ台車横行モータ20及びこのモータに連結されたロータリエンコーダ等により構成されたトロリ位置検出器24と、巻上装置14を駆動する巻きモータ22及びこのモータに連結されたロータリエンコーダ等により構成された巻高さ検出器26と、トロリ13とスプレッダ16との水平位置の第2ずれ量を検出する吊具位置検出器25と、着床させる目標位置とスプレッダ16とのずれ量を検出する目標位置検出器19とが設けられている。なお、これら検出器の一部(符号19,24,25)は、図1にて既に説明したCCDカメラやエンコーダなどと同一であるため、同一符号を付して図示している。
【0031】
トロリ台車横行モータ20、巻きモータ22の各々は、トロリモータ駆動装置21、巻きモータ駆動装置23による電力制御により駆動制御され、これら駆動装置21、23は、制御装置30から各々に対して与えられるトロリ速度指令信号、巻下げ速度指令信号によって制御されている。
【0032】
制御装置30には、トロリ13の位置情報である基準位置に対する離間距離と、トロリ13とスプレッダ16との相対変位差である第2ずれ量と、を入力してスプレッダ16の横振れを予測演算する予測計算器31が備えられている。また、同制御装置30には、図2、図3のそれぞれに示すように吊荷位置制御器32と、着床時間計算器33と、巻下げ遅延時間決定器34と、巻下げ速度決定器35とが備えられている。また、同制御装置30には、目標位置とスプレッダとの相対変位差であるずれ量が随時入力されている。
【0033】
予測計算器31は、トロリ位置検出器24により検出されるトロリ位置、このトロリ位置の信号を微分器36によって微分することにより得られるトロリ速度、吊具位置検出装置25により検出されるスプレッダ16の振れ変位、振れ変位の信号を微分器37によって微分することにより得られる振れ速度、吊荷位置制御器32が出力するトロリ速度指令を入力し、これを変数としてスプレッダ16にコンテナCaを吊り下げた状態でのスプレッダ16の水平位置変化(横振れ)を予測演算する。
【0034】
さらに、予測計算機31は、目標位置とスプレッダとの相対変位差であるずれ量を後述するように演算によって求める機能も有しており、ずれ量の演算値から予測演算を校正することも同時に行う。すなわち、予測計算機31は、本発明に係るずれ量演算手段をなすものでもある。
なお、吊荷位置制御器32に示される符号38,39は、ゲイン定数を表しており、予測シミュレーションを行うための出力調整ゲインが決定されている。
【0035】
次に、以上のように構成されたトランスファークレーン、及びこれに備わる制御装置30におけるコンテナの積み付け制御について図4、及び図5を用いて説明する。
図4に示される符号Aは、トロリ13に備わるエンコーダによって検出される基準位置からトロリ13までの離間距離を表している。また、符号Bは、トロリ13に対するスプレッダ16の相対変位差である第2ずれ量を表している。また、符号Cは、スプレッダ16に把持されて吊コンテナCaと、これを着床させる目標位置とされた蔵置コンテナCbとの相対変位差であるずれ量を表している。
なお、目標位置検出手段であるCCDカメラ19によって検出できるずれ量は、両コンテナCa,Cbの端部同士のずれ量Cである。図の符号cに示されるずれ量は、両コンテナCa,Cbの真ん中同士のずれ量であるが、コンテナは規格化された同一な大きさであるので、ずれ量を指す「C」と「c」とは同一な大きさである。
【0036】
また、各コンテナは、トランスファークレーンに対して所定の位置に積み付け等がなされるため、位置情報さえあれば本来、各コンテナの正確な位置が認識できる。しかしながら、このトランスファークレーンがタイヤ式走行装置11を用いている場合であれば、自重や吊り上げによる負荷によって、例えば図4に示すように右側にひずんでしまうことがある。これによって、トランスファークレーンと蔵置コンテナCbとの相対位置がずれてしまうことがある。また、鉄道のような車輪式の走行装置を用いる場合であっても、吊コンテナCaが所定の位置よりもずれた位置に積み付け等がなされた場合、CCDカメラ19でスプレッダ16に対する目標位置、すなわち、蔵置コンテナCbの位置を検出してずれ量Cを実測した上で制御する必要がある。
【0037】
まず、図4に示される状態を一例として、このような状態とされた時刻における基準位置からトロリ13までの離間距離A、トロリ13に対するスプレッダ16の第2ずれ量B、吊コンテナCaと蔵置コンテナCbとのずれ量Cとを検出する。この作業は図5に示されるステップ1(S1)である。
なお、実際の計測による検出に用いられる機器は、図1にて説明したエンコーダやCCDカメラなどである。
そして、さらに図5に示す流れ図に沿って積み付け制御を以下の説明のように継続する。
【0038】
まず、ずれ量Cを検出した段階である時刻t1における離間距離A、第2ずれ量B、及びずれ量Cの合算値Xを算出する(S2)。
この合算値Xは積み付けを完了するまでの間で常に一定に保たれるため、実際のずれ量の計測ができなくなる前に、一旦コンテナ同士のずれ量Cの実測による検出を停止し(S3)、時刻t1以降の時刻t2,t3,t4における蔵置コンテナCbと吊コンテナCaとのずれ量Cをステップ4(S4)に示すように下記式(1)、
(t)=X−{B(t)+A(t)} …(1)
のように時間tの経過に従ってすれ量Cを随時演算によって求める。
【0039】
この演算によって算出されるずれ量Cは積み付けが完了するまで算出され、この値は、制御装置30の予測計算器31にて吊コンテナCaを把持したスプレッダ16の水平位置の周期的変位の予測値を校正することになる。
この結果、スプレッダ16が把持した吊コンテナCaを蔵置コンテナCbに着床させるための着床制御において、実際のコンテナ同士が如何なる位置関係であっても確実にずれ量Cが導かれ、校正されたスプレッダ16の周期的変位によってトロリ13の速度やスプレッダ16の降下速度などが決定されることとなる。なお、スプレッダ16の水平位置の周期的変位を予測する作業は特許文献2と同様であるため詳しい説明は省略する。
【0040】
以上説明した本実施形態のコンテナの積み付け制御方法及びこの制御方法を実行する予測計算機31を有する制御装置30、並びに制御装置30を備えるトランスファークレーンによれば以下の効果を奏することができる。
吊コンテナCaを把持したスプレッダ16の振幅、及び目標位置である蔵置コンテナCbと吊コンテナCaとのずれ量を常に得て確認しながら吊コンテナCaの積み付けを制御することにより、積み付け時の精度として必要とされる約25mm程度の許容範囲以内にて確実な積み付けが迅速に実行される。これにより、トランスファークレーンの運転にて実際のずれ量を再度確認して積み付けを行うような労力を必要としなくなり、荷役効率の向上を図ることができる。そして、このことによればコンテナの積み付けにおける自動化をより具体的に実現することも可能となる。また、タイヤ及びクレーン走行機体11の変形や、振れ止め構造による吊りロープ15が単振り子と見なせない場合であっても、高い精度でコンテナの積み付けを実施することが可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明した本発明の吊荷の積み付け制御方法及び制御装置並びに荷役機械においては以下の効果を奏する。
請求項1から請求項3記載の発明によれば、吊具の振幅、及び目標位置と吊具とのずれ量を確認しながら吊荷の積み付けを制御することにより、吊荷の積み付けにてこれらが許容範囲以上にずれることはなく、より適切で素早い積み付けが実施可能となる。これにより、荷役機械の運転に多大な労力を必要としなくなり、荷役効率の向上を図ることができるとともに吊荷の積み付けにおける自動化を図ることも可能となる。勿論、荷役機械の変形や、吊りロープが単振り子と見なせない場合であっても高い精度で着床させることが可能となる。
【0042】
さらに、吊具に対する目標位置のずれ量が直接得られない場合であっても演算によって確実に得ることができるので、このずれ量の算出により上述した効果を確実に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における荷役機械の一例をなすトランスファークレーンの全体構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態における制御装置による吊具の位置制御系を説明するブロック図である。
【図3】 本発明の一実施形態における制御装置による吊具の降下速度制御系を説明するブロック図である。
【図4】 本発明の一実施形態におけるコンテナの積み付け制御を説明する概念図である。
【図5】 本発明の一実施形態におけるコンテナの積み付け制御の流れを説明する流れ図である。
【符号の説明】
10 クレーン走行機体
11 走行装置
13 トロリ
14 巻上装置
15 吊りロープ
16 スプレッダ(吊具)
19 CCDカメラ(目標位置検出器)
24 エンコーダ(トロリ位置検出器)
25 CCDカメラ(吊具位置検出器)
30 制御装置
31 予測計算機(一部は、「ずれ量演算手段」をなす。)
C コンテナ
Ca 吊コンテナ
Cb 蔵置コンテナ(目標位置)
A 基準位置に対するトロリの離間距離
B トロリに対する吊具の第2ずれ量
C 吊具に対する目標位置のずれ量

Claims (3)

  1. 水平方向に移動するトロリと、前記トロリより吊りロープによって吊り下げられ、巻上装置による前記吊りロープの巻き上げ、繰り出しにより昇降する吊具とを有する荷役機械による吊荷の積み付け制御方法において、
    前記吊具に対する目標位置のずれ量を、一時刻にて実際に計測された基準位置に対する前記トロリの離間距離と、前記トロリに対する前記吊具の第2ずれ量と、前記吊具に取り付けられた目標位置検出器で検出した前記吊具に対する前記目標位置のずれ量との合算値から、前記離間距離と前記第2ずれ量とを時系列に従って随時差し引いて算出される演算値として検出するとともに、
    前記トロリに対する前記吊具の水平位置の周期的変位を予測し、
    前記ずれ量が許容範囲内となるように前記吊具又は該吊具に把持された吊荷を目標位置に着床させるべく該吊具の移動を制御することを特徴とする吊荷の積み付け制御方法。
  2. 水平方向に移動するトロリと、前記トロリより吊りロープによって吊り下げられ、巻上装置による前記吊りロープの巻き上げ、繰り出しにより昇降する吊具とを有する荷役機械の制御装置において、
    前記トロリに対する前記吊具の水平位置の周期的変位を予測するとともに、前記吊具に対する目標位置のずれ量が許容範囲内となるように前記吊具又は該吊具に把持された吊荷を目標位置に着床させるべく該吊具の移動を制御する制御装置が、一時刻にて実際に計測された基準位置に対する前記トロリの離間距離と、前記トロリに対する前記吊具の第2ずれ量と、前記吊具に取り付けられた目標位置検出器で検出した前記吊具に対する前記目標位置のずれ量との合算値から、前記離間距離と前記第2ずれ量とを時系列に従って随時差し引いて前記吊具に対する前記目標位置のずれ量を算出するずれ量演算手段を備えていること特徴とする制御装置。
  3. 水平方向に移動するトロリと、前記トロリより吊りロープによって吊り下げられ、巻上装置による前記吊りロープの巻き上げ、繰り出しにより昇降する吊具とを有する荷役機械において、
    基準位置に対する前記トロリの離間距離を検出するトロリ位置検出器と、
    前記トロリに対する前記吊具の第2ずれ量を検出する吊具位置検出器と、
    前記吊具に取り付けられて前記吊具に対する目標位置のずれ量を検出する目標位置検出器と、
    請求項2に記載の制御装置とを備えてなることを特徴とする荷役機械。
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