JP3935691B2 - 光学薄膜の成膜装置及び成膜方法並びに光学フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学デバイスなどに用いられる多層の光学薄膜を、高精度に基板に形成する光学薄膜の成膜方法及び成膜装置に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバを用いた光通信等が盛んに行われるようになり、この光通信に使用する各種フィルタに用いられる光学デバイスの高性能化、すなわち高精度な光学特性に対する要求が高まっている。
このため、上記光学デバイスに用いられる多層薄膜を形成するため、基板表面に形成される多層の光学薄膜各々の膜厚を、高精度に制御しつつ、各薄膜の積層を行うことが重要となる。
従来、高精度な膜厚制御が要求される光学薄膜の製造において、この光学薄膜の各層の薄膜の成膜装置として、例えば、図19に示すIBS(Ion Beam Sputtering)装置が用いられている。
【0003】
IBS装置は、装置コントローラ103の制御により、イオンガン102から放射されるイオンビームの衝撃によるエネルギーで加熱し、成膜装置本体100内のターゲット207(図2)に設けられた薄膜材料を蒸発させて、これら薄膜材料のプラズマ化された分子を用いて薄膜を形成するため、形成される膜の緻密性が高く、また、高真空中での積層処理を行うため、薄膜に混入する不純物が少なく、高品質な薄膜を精度良く積層することができる。
【0004】
このIBS装置においては、成膜装置本体100において形成される膜厚の測定を行う膜厚モニタ101として、水晶振動子の固有振動数により膜厚の測定をおこなう膜厚モニタ(水晶膜厚計,以下、水晶モニタ10),及び基板に形成された薄膜の透過率(または反射率)を測定する膜厚センサ(以下、光学モニタ11)のいずれかを用いて、基板に形成される多層の光学薄膜各々の膜厚制御を行いつつ、あらかじめ設計された膜厚を有する多層薄膜を生成している。
【0005】
しかしながら、上述した薄膜の厚さを測定するための水晶モニタ10及び光学モニタ11には、高精度に多層薄膜を形成する場合に用いる膜厚モニタとして、各々以下に示す欠点がある。
水晶モニタ10は、成膜される薄膜の膜厚変化を測定する分解能が高く、相対的に膜厚の積層の制御を高い精度で行うことができる。
しかしながら、水晶モニタ10は、上述したように高い精度で、相対的な膜厚dの変化を測定できるが、水晶振動子に形成される薄膜の厚さが変化する毎に、絶対的な膜厚dの測定に誤差が発生し、検出される膜厚dが実際の膜厚とは異なっているという問題がある。
さらに、水晶モニタ10は、間接的に光学的な膜厚を測定するため、すなわち、屈折率の変動を考慮しない機械的な膜厚を測定するため、膜質によっては機械的な膜厚が同一であっても、屈折率が異なる場合があり、光学膜厚の変動に対応できないという問題がある。
【0006】
一方、光学モニタ11は、屈折率(n)の変動を含めて光学的な膜厚(dp=n・d)を直接に測定可能である。
この膜厚の測定において、光学モニタ11は、各層の光学薄膜の膜厚dpに対して、λ/4が等しくなる波長λの測定光を用いて、この測定光の信号処理を行い、図20に示す透過率などの時間変化の測定を行う。
そして、成膜制御装置103は、上記透過率の変化において、この変化が極値となった時点(例えば、時刻t1,t2等)で必要な膜厚dpの薄膜が形成されたことを検出し、イオンガン102の動作を停止させることなどにより、成膜装置本体100における薄膜の成膜処理を停止させる。
【0007】
しかしながら、薄膜の光学的な膜厚dp(=λ4/4)が薄すぎる膜を積層すると、対応する波長の測定光が設定できない場合がある。
これは、図20に示す時刻t3における停止位置となる厚さ(測定光の波長λ3に対応、すなわち光学的膜厚がλ3/4に対応しない測定光波長)となったときに相当し、時刻t3の膜厚に達しても光学モニタ11の出力が透過光の極値として観測されない。
一方、光学モニタで測定する適正(適切)な膜厚dpと、としてλ1,λ2,λ4の厚さの光学薄膜が形成される時刻t1,t2,t4においては、透過率の極値を観測することができる。
図20は、光学モニタの出力する透過率データDTと、時刻との関係を示したものであり、時刻t1,t2,t3,t4各々において、λ1/4,λ2/4,λ3/4,λ4/4の膜厚dpの光学薄膜の層が各々形成されることを示している。
ここで、λ1,λ2,λ3,λ4は、各々測定光の波長である。
すなわち、光学モニタは、指定された光学膜厚を検出するのに極値を用いずに判定することとなり、不確定要素によるバラツキが増大してしまう。
この光学モニタ11で膜厚の測定が行えない場合、この光学モニタ11に換えて水晶モニタ10を用いて、成膜を行っている光学薄膜の膜厚の測定を行うことで成膜制御を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図19に示す従来の成膜装置において、システム制御PC(プロセスコントローラ)・103は、内部の時計により膜厚モニタPC・120及び装置コントローラ121の動作を制御している。
ここで、水晶モニタ10及び光学モニタ11は、成膜の終点検出を行う場合、回帰計算や成長レートに基づいて、光学薄膜が設計値の膜厚となる時刻を推定して、この時刻に達した時点で成膜終了の判定としている。
成膜動作を行う場合、システム制御PC・103が装置コントローラ121に成膜開始の制御信号を出力すると、装置コントローラ121は、イオンガン102にイオンビームの放射を指令する。
これにより、イオンガン102はイオンビームの放射を開始するとともに、装置コントローラ121を介して、システム制御PC・103へ、イオンビーム放射の開始を通知する。
【0009】
そして、システム制御PC・103は、上記通知の入力された時点をイオンビームの開始時刻とする。
また、システム制御PC・103からの時刻信号に基づき、光学モニタ11及び水晶モニタ10が成膜の終了時刻の推定処理を行い、成膜の終了時に、例えば、水晶モニタ10により成膜の終了が検出されると、水晶モニタ10は、成膜終了を示す終了信号が膜厚モニタPC・120を介して、システム制御PC・103へ出力される。
そして、システム制御PC・103は、装置コントローラ121を介してイオンガン102にイオンビームの放射を停止させる。
光学薄膜の成膜時間としては、成膜開始の時刻にイオンビームの放射が開始され、上記終了信号によりイオンビームがリアルタイムに停止されるのが理想である。
【0010】
ここで、光学モニタ11及び水晶モニタ10においては、設計値に膜厚が達したタイミングと、イオンガン102のイオンビームの停止との一致の精度を高くするため、成膜終了の時刻を推定して、イオンガン102のイオンビームの停止の遅延を少なくする制御が行われている。
しかしながら、上述した従来の成膜装置では、成膜終了の検出により水晶モニタ11がシステム制御PC・103を介してイオンガン102を停止させるまでの遅延時間があり、この遅延時間分だけイオンガン102からイオンビームが放射され、成膜動作が継続されて余分な膜が形成されるという問題がある。
このため、光学モニタ11及び水晶モニタ10において、成膜終了の時刻を推定して、イオンガン102のイオンビームの停止の遅延を少なくする制御を行っても、上記遅延時間の影響が大きい場合には無駄となってしまう。
【0011】
また、従来の光学薄膜の成膜装置には、膜厚モニタとして、光学モニタ10及び水晶モニタ11のいずれかにより膜厚測定を行う場合、各光学薄膜の成膜開始時において、成膜制御に選択された膜厚モニタにより膜厚測定を行うように設定されるため、この選択された膜厚モニタが成膜中に故障した場合、成膜の制御が行えなくなるという問題がある。
さらに、上述の光学薄膜の成膜装置において、水晶モニタ10において膜厚制御を行っているとき、この水晶モニタ10が故障した場合、他方の光学モニタ11が使用可能であっても、このとき、光学モニタ11で測定できない厚さの光学薄膜を成膜するため、水晶モニタ10を用いて成膜制御をしているため、成膜の制御が行えなくなる。
加えて、従来の光学薄膜の成膜装置は、上述した遅延時間により、正確な開始時刻及び終了刻が得られず、成膜速度(または成膜レート)が計算することができないため、光学薄膜の成膜中に、成膜制御に用いている光学モニタ10及び水晶モニタ11が故障した場合、高い精度の成膜制御が行えなくなる。
【0012】
本発明はこのような背景の下になされたもので、従来に比較してより高い精度の成膜制御が行え、水晶モニタ及び光学モニタが故障した場合であっても、終点検出が行える光学薄膜の成膜方法及び成膜装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学薄膜の成膜装置(例えば、IBS)は、基板(基板202)の表面に材料を堆積させて薄膜を形成する薄膜形成手段(イオンガン102及び成膜装置本体100)と、この薄膜の厚さを測定し、膜厚データを出力する膜厚モニタ(水晶モニタ10及び光学モニタ11)と、光学薄膜の形成時間を測定する計時手段(タイマ108)と、膜厚データまたは形成時間のいずれかにより、前記光学薄膜の成膜を制御する成膜制御手段(成膜コントローラ12)とを設けたことにより、通常、光学モニタ(光学モニタ11)を用いて堆積される薄膜の厚さを測定するが、光学モニタによって光学的に膜厚を測定できない薄い薄膜などの測定を、この光学モニタに換え、水晶モニタ(水晶モニタ10)を用いることにより測定するが、これら双方の膜厚モニタが故障した場合、前記計時手段の形成時間と、単位時間当たりの成膜量とに基づき、膜厚測定を行い、成膜制御を行うことが可能となり、途中で多層薄膜の成膜動作を停止させて、光学フィルタの製品を無駄にすることなく、複数の不規則な膜厚の光学薄膜の層で形成される多層薄膜を構成することができる。
また、本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記成膜制御手段が、前記膜厚モニタの不良を検出した場合に、前記形成時間に基づき成膜の制御を行うことにより、多層薄膜の形成を停止させて、途中まで作製した光学フィルタなどの製品を不良品とすることなく、最後まで成膜を行えるため、光学薄膜を使用した製品の生産性を向上させることが可能となる。
【0015】
本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記膜厚モニタが、膜厚を光学的に測定する光学モニタと、膜厚を水晶振動子の固有振動数により測定する水晶モニタとから構成されており、通常、光学モニタを用いて堆積される薄膜の厚さを測定するが、光学モニタによって光学的に膜厚を測定できない薄い薄膜などの測定を、この光学モニタに換え、水晶モニタを用いることにより測定することが可能となり、複数の不規則な膜厚の光学薄膜の層で形成される多層薄膜をも構成することができる。
【0016】
また、本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記成膜制御手段が、前記薄膜形成手段に対して直接に、成膜の開始及び終了の制御を行い、この成膜している時間を前記計時手段により、高い精度で測定しているため、膜厚の測定と判定との間に不必要な遅延が存在せずに、不規則な膜厚の薄膜で形成される多層薄膜の作製において、成膜の終点を検出した後の薄膜の形成の終了、すなわちイオンガンの停止が成膜の終点検出から遅れることなく、精度の高い膜厚制御をリアルタイムに行え、設計値に対応した多層薄膜の作製を行うことができる。
【0017】
本発明の光学薄膜の成膜方法は、基板の表面に材料を堆積させて薄膜を形成する薄膜形成過程と、この薄膜の厚さを測定し、膜厚データを出力する膜厚モニタ過程と、光学薄膜の形成時間を測定する計時過程と、前記膜厚データまたは前記形成時間のいずれかにより、前記光学薄膜の成膜を制御する成膜制御過程とを有し、通常、光学モニタ(光学モニタ11)を用いて堆積される薄膜の厚さを測定するが、光学モニタによって光学的に膜厚を測定できない薄い薄膜などの測定を、この光学モニタに換え、水晶モニタ(水晶モニタ10)を用いることにより測定するが、これら双方の膜厚モニタが故障した場合、前記計時手段の形成時間と、単位時間当たりの成膜量とに基づき、膜厚測定を行い、成膜制御を行うことが可能となり、途中で多層薄膜の成膜動作を停止させて、光学フィルタの製品を無駄にすることなく、複数の不規則な膜厚の光学薄膜の層で形成される多層薄膜を構成することができる。
また、本発明の光学薄膜の成膜方法は、前記成膜制御過程において、前記膜厚モニタの不良が検出された場合に、前記形成時間に基づき成膜の制御が行われ、多層薄膜の形成を停止させて、途中まで作製した光学フィルタなどの製品を不良品とすることなく、最後まで成膜を行えるため、光学薄膜を使用した製品の生産性を向上させることが可能となる。
【0019】
上述した成膜装置及び成膜方法により製造された多層薄膜からなる光学フィルタは、各層の薄膜の厚さが不規則であっても、各層の膜厚が設計値に高い精度で対応しており、GFF(ゲイン・フラットニング・フィルタ)などの周波数毎に正確にゲインを調整する光学薄膜として最適な特性を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による成膜装置の構成例を示すブロック図である。従来例の図19の成膜装置と同様な構成については同一の符号を付し、この構成の説明を省略する。
この図において、水晶モニタ10は、成膜装置本体1の真空チャンバ3内に設けられた水晶振動子から構成された膜厚センサ206(図2参照)からの周波数信号を入力し、この周波数信号をデジタルデータに変換し、変換されたデジタルデータの周波数データDFを成膜コントローラ12へ出力する。
次に、図2は、図1における成膜装置本体100及びイオンガン102との構成を詳細に示したものである。
多層膜が形成される基板202は、基板ホルダ回転機構2に接続された基板ホルダ201へ固定されている。
基板ホルダ回転機構2は、モータなどから構成されており、ターゲット207から照射される原子及び分子が平均して、基板202へ堆積されるように、基板ホルダ201を回転させる。
【0021】
イオンガン102は、発生させたイオンを加速させ、ターゲット207の堆積させる材料へイオンビームを照射させ、このイオンビームのエネルギーによりターゲットの材料を基板202へ照射させる。
ここで、ターゲット207は、回転軸208に沿って回転自在な構造になっており、イオンガン102からのイオンビームに対して、所定の材料の面を向けることにより、複数の薄膜の材料を基板202へ照射することができる。
真空チャンバ3は、図示しない真空ポンプにより、排気口150から空気及びガス(ターゲット207から照射され、どこにも堆積しなかった材料)を排出し、真空度が調整されている。
光学による膜厚測定系において、光学モニタセンサ205は、図3に示す構成をしている。図3は、光学モニタセンサ205の詳細な構成を示す概念図である。
投光部203は、真空チャンバ3(図2参照)内に設けられ、光ファイバF1を介して送られてくる所定の波長(波長の1/4、すなわちλ/4が膜厚dpに対応する)の測定光を、基板ホルダ201の測定光を透過させるために明けられた穴である窓部201Hより、基板202の裏面に照射する。
【0022】
受光部204は、集光レンズなどから構成されており、受光した透過光を光ファイバF2を介して、光学モニタ11へ出力する。
図1に戻り、光学モニタ11は、真空チャンバ3内に設けられた光学モニタセンサ205の受光部204(図3参照)からの透過光を入力し、透過光の強度に応じた電圧の検出信号を生成する。
また、光学モニタ11は、上記検出信号をA/D変換し、このA/D変換された強度と、薄膜が形成されていないときの検出信号の強度との比から、デジタルデータとなる透過率データDTを算出し、膜厚制御PC・105及び成膜コントローラ12へ出力する。
【0023】
水晶モニタ10は、水晶振動子よりなる膜厚センサ206から入力される周波数信号を、所定の時間毎にデジタルデータに変換し、変換結果を周波数データDFとして、膜厚制御PC・105及び成膜コントローラ12へ出力する。
膜厚制御PC・103は、水晶モニタ10及び光学モニタ11から各々入力される周波数データDF,透過率データDTに基づき、それぞれが正常に動作しているか否かの判定を行う。
また、装置コントローラ106は、イオンガン102における放電に必要な電源の制御及び真空チャンバ3の真空度の制御等を行う。
成膜コントローラ12は、膜厚制御PC・105の制御により、イオンガン102にイオンビームの照射を開始させ、入力される上記透過率データDT及び周波数データDFに基づき、成膜中の薄膜が設計値の膜厚となったか否かの判定を行い、イオンガン102のイオンビームのターゲット207(図2参照)に対する照射を停止させる。
【0024】
ここで、成膜コントローラ12には、イオンガン102にイオンビームの放射を開始させた時点からカウントを開始し、放射が終了した時点でカウントを停止するタイマ108が内蔵されている。
このタイマ108は、イオンビームの放射されている時間を正確に測定し、成膜コントローラ12が薄膜の成膜速度(成膜レート)を演算するときの時間として用いられる。
また、成膜コントローラ12は、成膜途中において、膜厚制御に使用している水晶モニタ10または光学モニタ11が故障した場合、タイマ108のカウントしている時間に基づき、時間管理により光学薄膜の成膜制御を行う。
すなわち、成膜コントローラ12は、膜厚制御PC・105から、水晶モニタ10または光学モニタ11の故障を示す制御信号を入力すると、記憶されている成膜速度で膜厚dを除算し、光学薄膜の成膜時間を算出して、この成膜時間とタイマ108のカウントしている時間とが一致した時点で、イオンガン102のイオンビームの放射を停止させ、成膜の動作を終了させる。
【0025】
また、成膜コントローラ12は、光学モニタ11からの透過率データDTから換算される膜厚dpに基づいて、水晶モニタ10から入力される周波数データDFから求める膜厚dの補正を行う。
すなわち、成膜コントローラ12は、図4に示すように、所定の時間毎(A/D変換による透過率のサンプリング周期毎)に、水晶モニタ10から入力される周波数データDFから求まる膜厚dの数値を、透過率データDTの示す膜厚dpから求められる膜厚dtの数値に合わせる補正を行う。
図4は、成膜時間と周波数データDFの示す周波数(膜厚センサ206における水晶振動子の振動周波数(固有振動数)であり、膜厚dに対応するものである)との対応関係を示す図である。
この図4において、横軸は成膜時間であり、縦軸は周波数データDFの周波数値を示し、また、実測値は線αで示しており、水晶モニタ10が成膜コントローラ12へ送信する誤差を含んだ周波数データDFである。
また、図4において、本来の値は点線βで示しており、透過率データDTから求めた、誤差のない周波数データDFの数値を示している。
したがって、膜厚dは周波数データDFに対応する数値であり、膜厚dtは透過率データDTにより補正された膜厚の数値である。
【0026】
そして、成膜コントローラ12は、周波数データDFから求めた膜厚dと、透過率データDTから求めた膜厚dtとを比較し、この比較の結果により、膜厚dを膜厚dtの値に変更することで補正し、常に、周波数データDFから求まる膜厚dと透過率データDTから求まる膜厚DFから求まる膜厚dtとが同等であるように調整処理を行う。
これにより、周波数データDFから算出される膜厚dに誤差が蓄積されずに、常に補正された膜厚dtに近い値を得ることが可能となる。
ここで、図4に示すように、成膜コントローラ12は、周波数データDFの補正において、膜厚dを膜厚dt(光学膜厚dpと同等)に対応させるとともに、各実測値の周波数データに乗ずることにより、線αが点線βに重なる補正係数を求める。
これにより、周波数データDFと時刻との関数、すなわち上記補正係数により補正した点線βに基づいた、設計膜厚となる時刻の推定を、光学モニタ11による設計膜厚の検出に近い精度で行うことができる。
また、このとき、成膜コントローラ12は、成膜処理において、各層の薄膜の成長が終了する毎に、すなわち、各薄膜の形成毎に、膜厚dが一定時間毎に増加する成長レート(成長割合)を計算し、成長レートを随時更新する。
これにより、成膜コントローラ12は、図4に示す点線βの関数により、すなわち周波数データDFと、上記補正係数とに基づき、成膜開始時点において測定された膜厚dから、設計値の膜厚となるまでの時間が高い精度で演算により推定することができる。
このとき、成膜コントローラ12は、透過率データDTから求められる膜厚dpを屈折率nで除算し、機械的な膜厚dtに変換した後に、この膜厚dtを、水晶モニタ10からの膜厚dとすることにより、膜厚dを実際の膜厚の数値に補正している。
これにより、成膜コントローラ12は、膜厚dに屈折率nを乗じた光学的膜厚と、光学モニタ11からの透過率データDTから求まる膜厚dpとが常に同等の数値となるように補正を行い、単位時間毎に成長する膜厚(薄膜の成長レート)の補正(例えば、周波数(膜厚)と時刻との関係を示す関数に対して、周波数に基づきこの関数から得られる膜厚の変化量を補正、すなわち周波数データDFに補正係数等を乗ずることにより行われる)も、上述したように、膜厚dの補正と同時に行う(ツーリング補正)。
【0027】
また、膜厚制御PC・105は、システム制御PC。103からの制御信号により、システム制御PC・103に設定されている多層薄膜の各層の設計値としての膜厚を、各層を形成する前に読み出し、基板202に形成する薄膜の厚さが測定可能か否か、または光学モニタ11が正常に動作しているか否かを検出する。
膜厚に規則性が無くとも、形成される薄膜の膜厚が光学モニタ11において測定可能な場合、成膜コントローラ12は、膜厚制御PC・105の制御により、光学モニタ11から得られる透過率データDTに基づき透過率の極値の検出、すなわち成膜の終点検出を行う。
すでに述べたように、光学モニタ11は、基板202において形成される多層薄膜各々の膜厚に規則性が無く、薄い膜厚の場合や、正常に動作していない場合に薄膜の厚さが設定値となったか否かの判定が行えない。
【0028】
したがって、成膜コントローラ12は、形成される薄膜が所定の膜厚より薄い場合、または膜厚制御PC・105から光学モニタ11が正常に動作していないとの制御信号を入力した場合に、薄膜の形成処理における終点検出を、水晶モニタ10から得られる周波数データDF(補正後の)に基づき膜厚dを算出し、図4に示す補正後の周波数データDF(膜厚)と時刻との関係を示す点線βの関数に基づき、設計値の機械的な膜厚となる時刻を推定して、この推定された推定時刻となったとき、イオンガン102からのイオンビームの放射を停止させ、成膜処理を終了する。
この結果、成膜コントローラ12は、推定時刻になった時点で薄膜の形成処理を終了するため、精度の高い膜厚を形成することが出来る。
【0029】
上述したように、成膜コントローラ12は、薄膜の厚さが光学モニタ11において測定可能、すなわち透過率の極値の検出が可能である場合、上述したように透過率データDTの極値を検出することにより、設計値の光学的な膜厚となったと判定し、薄膜形成の処理を終了する。
しかしながら、成膜コントローラ12が極値を検出した時点でイオンガン102のイオン照射を停止したとしても、極値の検出処理の間に薄膜が形成され、設定された膜厚を越えてしまう。
このため、成膜コントローラ12は、入力される透過率データDTに対して信号処理を行い、極値に到達する時刻tpを推定し、この推定した時刻Tpにイオンガンを停止させることにより、透過率の極値検出からイオンガン102の照射を停止させるまでのディレイ時間を低減させる。
上述した理由により、形成している薄膜における透過率の極値の測定を行うが、例えば、以下に示す2種類の方法により推定処理を行っており、以下にその極値となる時刻tpの推定方法に付いて順次述べる。
【0030】
成膜コントローラ12において行われる透過率の傾き検出による成膜時刻(最低及び最高としての極値をとる時刻tp)の推定演算の方法として、以下に示す2次回帰関数を用いた方法がある。
受光部204は、入射した測定光に基づき、基板202及び形成された薄膜を介して出射される透過光の光強度を、この強度に対応した電圧に変換して検出信号として出力する。
成膜コントローラ12は、この検出信号に基づいて、光学モニタ11がA/D変換して出力する透過率データDTを、透過光の強度を示す数値として読み込む。
この読み込まれた透過率データDTは、成膜コントローラ12により透過率に換算され、図5(横軸:光学膜厚,縦軸:透過率)に示すように、形成される薄膜の膜厚dpに基づく透過率と、測定光の波長λとに対応して、周期性の曲線を描くことになる。
【0031】
この曲線は、透過率が極値となる近傍では、通常、以下に示すような多項式(1)により近似することができ、4次項以降を省略しても近似が可能である。
y = a0+a1・t +a2・t2+a3・t4+a4・t6+… … (1)
式(1)において、a0,a1,a2,a3,a4は、回帰計算の対象となる係数である。
このとき、基板202及び形成された薄膜の透過率は、実際には、積層された多層の薄膜の形成過程で生じる複雑性や薄膜屈折率の不均一性及び受光部204や光学モニタ11での電流増幅の直線性のため、より複雑な関数となる。
【0032】
しかしながら、極値近傍においては、式(1)の4次項以下を省略して近似することが可能である。
y = a0+a1・t +a2・t2 … (2)
図6(横軸:光学膜厚,縦軸:透過率)に示すように、理論的透過率の変化(実線)の式(1)に対して、式(2)は、この式(1)に対して2次回帰線(波線)、すなわち2次回帰関数による近似となる。a0〜a2は、係数である。
また、入力される透過率データDTは、図7(横軸:時刻,縦軸:透過率)に示すように、サンプリングされた透過光にはノイズが重畳されるため、このノイズを含んだ値として求められ、図7の2次回帰線が波線で示されている。
【0033】
成膜コントローラ12は、以下の式(3)により、式(2)の2次回帰関数の微分値、すなわち接線の傾きを求める。
dy/dt = a1 + 2・a2・t … (3)
そして、成膜コントローラ12は、この波線の傾きが「0」となる時刻を演算して、測定する層の薄膜の厚さに対応する波長の測定光において、透過率が極値を持つ時刻tpを推定することとなる。
すなわち、時刻tpは、「tp = −a1/(2・a2)」と求められる。
【0034】
また、成膜コントローラ12において行われる透過率の極値検出による成膜時刻(最低及び最高としての極値をとる時刻tp)の推定演算の他の方法として、以下に示す回帰計算による傾きの変化の計算を用いた方法がある。
透過率を所定の時間間隔の時刻毎にT0,T1,T2,T4,…と測定すると図8の様にノイズの重畳された値として検出される。
このため、透過率の傾きの変化が0となる時刻を回帰計算を用いて推定する方法が考えられる。
すなわち、デジタルフィルタにより、図8(横軸:時刻,縦軸:透過率)において示すノイズの重畳された透過率から、高周波成分を除去する。
このとき、式(4)に基づき、デジタルフィルタによるフィルタ計算が行われる。
【数1】
式(4)において、n及びlは整数であり、xは入力信号、すなわち添えられた数字に対応する透過率の数値である。
【0035】
ここで、フィルタ計算の範囲であるタイムウィンドウの一例として、このタイムウィンドウにハニングウィンドウ(Hanning window)を用いる。
上述した式(4)で用いられるハニングウィンドウは、次の式(5)のような構成になる。
【数2】
すなわち、データ数N(Nは整数)が平均化(フィルタ計算)区間に相当しており、例えば、一定時間毎に測定された任意の範囲の透過率Ti,Ti+1,…,Ti+N-1が平均化される。
また、次に平均化される区間としては、上述と同様に一定時間毎に測定された透過率Ti+1,Ti+2,…,Ti+Nが相当する。
【0036】
そして、フィルタ計算区間が、時刻t1から時刻t3までの時間Tsの範囲(透過率Ti,Ti+1,…,Ti+N-1の範囲に相当)であると、最新の透過率は時刻t3に測定されたものであるが、フィルタ計算の結果としては、時刻t3より時間「Ts/2」前の時刻t2の透過率の値として、図9(横軸:時刻,縦軸:透過率)のようにスムージング(平均化されて高周波成分が除去)された状態で出力される。
次に、成膜コントローラ12は、上述のフィルタ計算の結果として得られた透過率において、所定の範囲、例えば、透過率Tj,Tj-1,…,Tj+m-1(j及びmは自然数)の範囲で、図10(横軸:時刻,縦軸:透過率)に示すように、例えば直線回帰を行い、透過率Tj,Tj-1,…,Tj+m-1の範囲(直線回帰区間)における平均傾斜を求める。
この直線回帰により、上述した範囲での透過率の平均傾斜として、以下に示す式(6)が得られる。
y = a0+a1・t … (6)
【0037】
次に、成膜コントローラ12は、上記式(6)で求まる平均傾斜を図11(横軸:時刻,縦軸:透過率の傾き)に示すように、上記直線回帰区間毎にプロットし、このプロットされた平均傾斜に対して、所定の区間における直線回帰を行い、以下に示す式(7)を求める。
a = b0+b1・t … (7)
式(7)において、傾きaが「0」となる時刻を計算して、この計算結果を透過率が極値(ピーク値)となる時刻tpの推定値として出力する。
すなわち、「a=b0+b1・tp=0」から、「tp=−(b0/b1)」が推定値として求められる。
なお、回帰区間に対し、透過率変化の曲率が無視できない場合はより高次の多項式による曲線回帰計算を行い、極値となる時刻tpの推定を行うようにしてもよい。
【0038】
次に、図1、図2,図3,図12及び図13を参照し、一実施形態の動作例を説明する。図12及び13は、図1の成膜装置の動作例を説明するフローチャートである。
例えば、図14の様に、ガラス基板(セラミック)である基板202表面に、各層の膜厚及び材料の異なる複数の光学薄膜(数十層)を堆積し、GFFを形成する場合を説明する。図14(a)はGFFの斜視図であり、図14(b)は図14(a)の線分Aで切断した断面図である。
基板202の裏面には、表面における多層膜形成後に、所定の波長の光に対する反射防止膜が堆積される。
ステップS1において、作業者は、上述した多層膜を形成する薄膜各々の材料と膜厚(ここでは、例えば、光学的な膜厚dp)とのデータを、システム制御PC・103に入力し、成膜装置の動作準備を行う。
ここで入力される薄膜各々の材料及び膜厚は、ファイバアンプの特性に対応させて予め他の計算機により設計されたGFFの各層の数値である。
そして、作業者は、上述のGFFの各層の設計値を入力した後、順次、光学薄膜の形成処理を開始させる。
これにより、システム制御PC・103は、成膜制御を行い堆積させる薄膜の厚さ及び材料のデータを制御信号とともに、膜厚制御PC・105及び装置コントローラ106へ出力し、成膜処理を開始する。
ここでは、システム制御PC・103は、i層目の光学薄膜を形成させることとし、i層目の光学薄膜の成膜処理を開始させる。
【0039】
次に、ステップS2において、装置コントローラ106は、成膜装置本体100の真空チャンバ3(図2参照)の真空度を所定の値とするため、図示しない真空ポンプを動作させ、真空チャンバ3の排気を開始する。
また、装置コントローラ106は、イオンガン102に対する駆動用の電源を供給させ、放電を開始させる。
次に、ステップS3において、膜厚制御PC・105は、i層目の光学薄膜を形成させるとすると、入力された設計値の膜厚di(機械的な膜厚)から形成する薄膜の目標(設計値としての)膜厚dpに対応する波長λiを演算して(膜厚dpとλi/4が等しくなる波長λiを演算して)、この波長λiの波長を図示しない光源に対して設定し、この光源から光学モニタセンサ205に対して、この波長λiの測定光を射出させる。
また、膜厚制御PC・105は、水晶モニタ10及び光学モニタ11に対して、光学薄膜の膜厚測定の動作を開始させ、成膜コントローラ108に対してタイマ108をリセットする制御信号を出力する。
【0040】
そして、ステップS4において、膜厚制御PC・105は、水晶モニタ10及び光学モニタ11の動作が正常に行われ、かつ、光源の出力する測定光の強度や波長が安定したか否かの判定を行い、安定していないと判定された場合、ステップS3の処理を再度行い、すなわち、上記測定光の強度や波長などが安定するまでステップS3の処理を繰り返して行う。
そして、成膜制御装置103は、光源の出力する測定光の強度や波長が安定したと判定すると、処理をステップS4へ進める。
【0041】
次に、ステップS5において、膜厚制御PC・105は、薄膜の膜厚測定が可能となったと判定すると、システム制御PC・103に対して、膜厚測定の開始が可能であることを通知する。
これにより、システム制御PC・103は、基板ホルダ回転機構2に所定の速度における回転動作を開始させる。
そして、システム制御PC・103は、膜厚制御PC・105に対して、膜厚測定を開始させる制御信号を出力する。
次に、膜厚制御PC・105は、成膜コントローラ12を介して水晶モニタ10と光学モニタ11とに動作を開始させる制御信号を出力し、成膜コントローラ12に対して、水晶モニタ10及び光学モニタ11各々からの周波数データDF,透過率データDTに基づく成膜終了時刻の推定、すなわち設計値の膜厚に達したか否かの判定処理を開始させ、処理をステップS6へ進める。
【0042】
そして、ステップS6において、水晶モニタ10及び光学モニタ11は、成膜コントローラ12を介して、測定動作の開始を膜厚制御PC・105へ通知する。
次に、ステップS7において、膜厚制御PC・105は、測定準備が整ったことが検出されたため、システム制御PC・103を介して、成膜動作の開始要求を装置コントローラ106へ出力する。
これにより、ステップS8において、装置コントローラ106は、成膜装置本体100の成膜動作の準備が完了しているか否かの判定を行う、すなわち真空チャンバ3内の真空度や温度が所定の値となったか否か等の判定を行う。
そして、装置コントローラ106は、成膜装置本体100の成膜動作の準備が完了したと判定した場合、システム制御PC・103及び膜厚制御PC・105を介して、成膜コントローラ12へ成膜動作の準備が完了したことを通知する。
【0043】
次に、ステップS9において、成膜コントローラ12は、装置コントローラ106からの成膜動作の準備完了の通知が入力されると、イオンガン102に対して成膜開始の制御信号を出力し、イオンガン102にターゲット207に対するイオンビームの照射を開始させるとともに、タイマ108による時間のカウント動作を開始させる。
ここで、成膜コントローラ12は、イオンガン102に対して、所定の成膜速度で薄膜が堆積するエネルギーで、イオンビームをターゲット207へ放射させる。
すなわち、イオンエネルギーを調整することにより、形成される薄膜の単位時間当たりの堆積量である堆積速度を制御することができる。
そして、ステップS10において、成膜コントローラ12は、膜厚制御PC・105,水晶モニタ10及び光学モニタ11に対して、成膜動作を開始したことを通知する。
【0044】
このように、ステップS9からi層目の光学薄膜の成膜動作が開始されるが、成膜動作を終了、すなわち設計値の膜厚となったか否かの判定方法のフローが、成膜する膜厚及び成膜装置の状態等によって異なる。
以下、上記成膜する膜厚及び成膜装置の状態等の場合分けを行い、これら場合分けにおける成膜動作の終了の説明を行う。
【0045】
<typeA>測定すべき薄膜の膜厚が測定に適切な厚さである場合
ステップS11において、膜厚制御PC・105は、測定すべき薄膜の膜厚が測定可能、すなわち、透過率の極値が測定に適切な膜厚であると判定した場合、光学モニタ11が出力する透過率データDTに基づいて、光学薄膜の成膜動作の終了を検出することを、成膜コントローラ12に対して通知する。
これにより、成膜コントローラ12は、光学モニタ11から出力される透過率データDTに基づき、形成している薄膜の膜厚の変化を示すため、所定の時刻毎(A/D変換のタイミング毎)にこの透過率データDTをプロットする。
そして、ステップS12において、成膜コントローラ12は、光学モニタ11からの透過率データDTの上記プロットに基づき、この透過率データDTが極値をとる時刻tpを推定する。
すなわち、成膜コントローラ12は、光学モニタ11から入力される透過率データDTに基づき、既に述べた透過率の極値の推定方法により、透過率の極値(ピーク値)に到達する時刻tpを推定し、内部に時刻の設定値としてこの時刻tpを記憶する。
【0046】
次に、ステップS16において、成膜コントローラ12は、システム制御PC・103からの時刻信号が上記時刻tpに達するタイミングを検出する。
そして、ステップS17において、成膜コントローラ12は、この時刻tpに達した時点で、光学薄膜の成膜を終了するため、イオンガン102に対して、イオンビームを停止させる停止信号を出力する。
また、成膜コントローラ12は、水晶モニタ10に対して、この時点における透過率データDTに基づく膜厚dpを機械的な膜厚dtに変更し、現在の膜厚diがこの膜厚dtと同様となるように、薄膜の膜厚diと対応する周波数データDFとの関係を補正するツーリング補正を行う。
【0047】
<typeB>測定すべき薄膜の膜厚が測定に不適切な厚さである場合
ステップS12において、膜厚制御PC・105は、測定すべき薄膜の膜厚が測定不適切、すなわち、光学モニタ11により透過率データDTのプロットされた曲線(関数曲線)の極値が測定不適切な膜厚であると判定した場合、膜厚測定処理を水晶モニタ10により行うことを成膜コントローラ12に対して通知する。
これにより、成膜コントローラ12は、水晶モニタ10から出力される周波数データDFに基づき、形成している光学薄膜の膜厚dの測定を行い、薄膜形成の制御を行う。
次に、成膜コントローラ12は、水晶モニタ10から出力される周波数データDFに基づき、i層目の薄膜の膜厚が設計値の機械的な膜厚di(設定された光学的な膜厚dp)となったか否かの判定を行う。
【0048】
すなわち、成膜コントローラ12は、水晶モニタ10の周波数データDFから求めた膜厚dの時間変化を求め、設計値の機械的な膜厚の成長にかかる残り時間を演算し、この残り時間を上記周波数データDFの入力された時刻に加算することにより、成膜処理を終了する時刻tpを推定し、内部に時刻の設定値としてこの時刻tpを記憶する。
次に、ステップS16において、成膜コントローラ12は、システム制御PC・103からの時刻信号が上記時刻tpに達するタイミングを検出する。
そして、ステップS17において、成膜コントローラ12は、イオンガン102に対して、この時刻tpに達した時点で、光学薄膜の成膜を終了するため、イオンビームを停止させる停止信号を出力し、ステップS22へ処理を進める。
【0049】
<typeC>イオンガン102にエラーが発生し、成膜不可能となった場合
成膜中に、イオンガン102に何らかの異常が発生したとする。
これにより、ステップS13において、イオンガン102は、イオンビームの発生を停止するとともに、装置コントローラ106へ異常信号を出力する。
そして、装置コントローラ106は、イオンガン102からの異常信号を入力することにより、イオンガン102に異常が発生したことを検知し、イオンガン102に対する電力の供給を停止する。
また、装置コントローラ106は、システム制御PC・103及び膜厚制御PC・105を介して、成膜コントローラ12へ、イオンガン102のエラー発生を通知する。
【0050】
次に、ステップS19において、成膜コントローラ12は、タイマ108に対して、成膜時間のカウント動作を停止させる。
そして、成膜コントローラ12は、カウントされていた時刻から、イオンガン102が停止した時点の膜厚を計算し、内部に記憶して、処理をステップS22へ進める。
【0051】
<typeD>水晶モニタ10においてエラーが発生し、成膜不可能となった場合このとき、光学モニタ11による測定を行っていないため、成膜コントローラ12内のタイマ108のカウントしている成膜時間により光学薄膜の成膜制御を行うこととなる。
ステップS14において、膜厚制御PC・105は、水晶モニタ10からの周波数データDF等の信号により、膜厚センサ206等に故障が発生し、膜厚の測定が正常に行われていないことを検知する。
そして、ステップS20において、膜厚制御PC・105は、成膜コントローラ12へ、水晶モニタ10による膜厚測定が停止されたことを通知する。
【0052】
次に、ステップS21において、成膜コントローラ12は、タイマ108による膜厚測定に基づく成膜制御を切り替える。
そして、成膜コントローラ12は、タイマ108のカウントする時間が、設計値の膜厚から算出された成膜時間に達した時点で、イオンガン102に対して、光学薄膜の成膜を終了するため、イオンビームを停止させる停止信号を出力し、ステップS22へ処理を進める。
【0053】
<typeE>光学モニタ11においてエラーが発生し、成膜不可能となった場合このとき、水晶モニタ10による測定を行っていないため、成膜コントローラ12内のタイマ108のカウントしている成膜時間により光学薄膜の成膜制御を行うこととなる。
ステップS15において、膜厚制御PC・105は、光学モニタ11からの周波数データDF等の信号により、光学モニタセンサ205等に故障が発生し、膜厚の測定が正常に行われていないことを検知する。
そして、ステップS20において、膜厚制御PC・105は、成膜コントローラ12へ、光学モニタ11による膜厚測定が停止されたことを通知する。
【0054】
次に、ステップS21において、成膜コントローラ12は、タイマ108による膜厚測定に基づく成膜制御を切り替える。
そして、成膜コントローラ12は、タイマ108のカウントする時間が、設計値の膜厚から算出された成膜時間に達した時点で、イオンガン102に対して、光学薄膜の成膜を終了するため、イオンビームを停止させる停止信号を出力し、ステップS22へ処理を進める。
【0055】
次に、ステップS22において、成膜コントローラ12は、上述したtypeA〜Eのいずれかの状態により成膜動作が終了したことを、膜厚制御PC・105,システム制御PC・103及び装置コントローラ106へ出力する。
これにより、ステップS23において、膜厚制御PC・105は、成膜コントローラ12を介して、膜厚測定の停止を要求する測定停止信号を、膜厚測定を行っている膜厚モニタ、すなわち、水晶モニタ10または光学モニタ11のいずれかへ出力する。
【0056】
次に、ステップS24において、水晶モニタ10または光学モニタ11は、成膜している光学薄膜の膜厚測定の動作を終了させる。
また、成膜コントローラ12は、最終の測定データを膜厚制御PC・105へ出力する。
ここで、typeCの場合、成膜コントローラ12は、成膜途中であるため、タイマ108のカウントした時間と、単位時間当たりの成長レートとから求まる(この時間と成長レートとの乗算処理により求まる)膜厚を、膜厚制御PC・105へ出力する。
また、typeD及びEの場合、成膜コントローラ12は、光学モニタ11及び水晶モニタ10による測定が行えないため、膜厚制御PC・105へ、設計値の膜厚を出力する。
【0057】
次に、ステップS25において、膜厚制御PC・105は、光学モニタ11及び水晶モニタ10による膜厚測定が終了したことを、システム制御PC・103へ通知する。
そして、システム制御PC・103は、i層目の成膜が終了したことを検知し、次に成膜する光学薄膜の有無を確認し、もし次に成膜するi+1層目の光学薄膜が有れば、この光学薄膜の膜厚及び材料などの情報を読み出し、ステップS1に処理を進める。
一方、システム制御PC・103は、次に成膜する光学薄膜の有無の確認において、もし次に成膜するi+1層目の光学薄膜が無ければ、GFFの生成の処理を終了する。
【0058】
上述してきたように、本発明の光学薄膜の成膜装置は、成膜コントローラ12が、イオンガン102に対して直接に、イオンビームの放射/停止の制御を行うため、成膜している光学薄膜の膜厚の測定と、この膜厚が設計値の膜厚となったか否かの判定との間に不必要な遅延が存在せず、不規則な膜厚の薄膜で形成される多層薄膜の作製において、成膜の終点を検出した後の薄膜の形成の終了、すなわちイオンガンの停止を成膜の終点検出から遅らせることなく行えるので、設計値に対応した精度の高い膜厚制御をリアルタイムに行え、設計値の特性となるGFF等の複数の光学薄膜から形成される光学製品の作製を行うことができる。
【0059】
また、本発明の光学薄膜の成膜装置は、成膜コントローラ12が、イオンガン102に対して直接に、イオンビームの放射/停止の制御を行うため、タイマ108でカウントされる時間が、光学薄膜の成膜している時間を正確に反映するので、成膜中における光学薄膜の膜厚の測定を、タイマ108のカウントしている時間と、単位時間当たりの成膜量レートとに基づく時刻管理により行えるため、水晶モニタ10及び光学モニタ11の双方が突然の故障などにより、成膜制御に使用できない場合でも、常に校正された単位時間当たりの成膜量(成膜速度)を使用することで、光学モニタ11及び水晶モニタ10を用いたと同様な精度の高い膜厚の測定が行え、複数の不規則な膜厚の多層薄膜を設計値に対応させて形成させることができる。
【0060】
さらに、本発明の光学薄膜の成膜装置は、成膜コントローラ12が水晶モニタ10及び光学モニタ11の双方が設けられているので、薄膜の膜厚が設計値となったとき、イオンガン102にイオンビームの放射を停止させ、薄膜の形成を終了させるとき、この設計値になったか否かの判定を、通常、光学モニタ11を用いて堆積される薄膜の厚さを測定することで行うが、光学モニタ11によって光学的に膜厚を測定できない薄い薄膜などの測定を、この光学モニタ11に換え、膜厚によらずに測定が行える水晶モニタ10を用いることにより、複数の不規則な膜厚の光学薄膜の層で形成される多層薄膜をも構成することができる。
【0061】
加えて、本発明の光学薄膜の成膜装置は、上記成膜コントローラ12が、形成される光学薄膜の厚さを光学モニタ11で測定可能な場合、透過率データを用い、光学モニタ11で測定不適切な場合、水晶モニタ10の周波数データを用い、成膜の制御を行うことにより、多層薄膜の各層の膜厚があらかじめフィルタなどの設計値として成膜制御装置103に設定されているので、光学モニタ11では測定不適切な膜厚の薄膜を形成させるとき、この薄膜の成膜開始時から、光学モニタ11に換えて水晶モニタ10の測定値により膜厚制御を行うため、不規則な膜厚の薄膜で形成される多層薄膜の作製において、薄膜の形成の終了、すなわちイオンガン102の停止が遅れることなく、精度の高い膜厚制御をリアルタイムに行え、設計値に対応した多層薄膜の作製を行うことができる。
【0062】
さらに、また、本発明の光学薄膜の成膜装置は、上記成膜コントローラ12が、透過率から求まる膜厚データdpに基づき、水晶モニタ10の周波数信号に基づく膜厚データの補正を行う係数を得て、この係数により周波数データDFと機械的な膜厚dとの関係を、各層の形成後毎に校正することにより、水晶モニタの膜厚の測定の分解能は高いが、膜厚センサである水晶振動子に薄膜が成長することで、水晶モニタ11の周波数データDFが実際の値(光学モニタ11が測定した透過率データDTに基づく膜厚dp)とずれてしまうという欠点を補い、常に、水晶モニタ10が光学モニタ11と同等の膜厚データ、すなわち、精度の高い膜厚測定を行えるように調整することができ、上述した光学モニタ11が測定できない膜厚の薄膜の成膜時に、光学モニタ11に換え水晶モニ10タを用いても、光学モニタ11を用いたと同様な精度の高い膜厚の測定を行え、複数の不規則な膜厚の多層薄膜を設計値に対応させて形成させることができる。
なお、上述の実施形態において、光学モニタ11が測定光の透過率を利用するものとして説明したが、光学モニタ11が測定光の反射率を利用するものであっても良い。
【0063】
次に、上述した本発明の光学薄膜の成膜方法及び成膜装置により生成された多層薄膜を応用した光学デバイスについて説明する。
図15は、多層薄膜を用いた光学フィルタである光BPF(バンドパスフィルタ)の断面図を示している。
図15の光BPFは、媒質に本発明の装置または方法により製造された多層薄膜の光BPF・50,51,52,53,54が貼着されて構成されたバンドパスフィルタである。
例えば、図15に示すバンドパスフィルタには波長λ1〜λ8の光信号が入力され、BPF・50,51,52,53,54で各々波長λ1,λ2,λ3,λ4,λ5の光信号に分離して出力する。
したがって、図15のバンドパスフィルタは、入力された複数の波長を有する光信号を、各々波長の光信号に分離して出力する。
【0064】
また、次に、図16は、光通信を行う場合、伝搬する光信号の強度が減衰するときに、減衰した光強度を増幅する中継局に用いられる光学フィルタであるZフィルタ(エッジフィルタ)及びBFFを示す図である
Zフィルタ101〜102は、所定の波長の反射率が調整されたものであり、各波長の光信号の透過を制御する。
例えば、Zフィルタ101は、C帯及びL帯の波長に対する反射率が高く、S帯のみが透過して、ファイバアンプ(S帯の波長に対応した光アンプ)104へ光信号を入射させる。
また、Zフィルタ102は、図17に示すように、S帯及びC帯の波長に対する反射率を高くして、L帯の光信号のみを透過させる。
【0065】
これにより、Zフィルタ102は、ファイバアンプ105(C帯の波長に対応した光アンプ)へ、S帯及びC帯の波長の光信号を入射させるが、S帯の光がZフィルタ101によりファイバアンプ104へ入射させられているため、実質的にC帯のみの光信号がファイバアンプ105へ入射される。
Zフィルタ102は、S帯,C帯及びL帯の波長に対する反射率を高くして、S帯,C帯及びL帯の光信号を反射させる。
ここで、S帯は1450〜1485nmの波長の帯域の光信号を示し、C帯は1530〜1560nmの波長の帯域の光信号を示し、L帯は1565〜1610nmの波長の帯域の光信号を示している。
【0066】
ファイバアンプ104〜106は、各々S帯,C帯,L帯の波長の光信号の増幅を行うが、各々帯域のなかの波長によりゲインが異なる。
例えば、図18に示すように、ファイバアンプ105のゲイン(Gain)の特性は平坦なものでなく、波長により変動している。
このため、BFF・107〜109は、光学フィルタであり、図18に示す様にファイバアンプ105のゲインの特性とは逆のゲイン特性を有しており、の各々ファイバアンプ104,105、106の増幅した光強度を平坦にするために用いられる。
【0067】
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0068】
【発明の効果】
この発明によれば、基板の表面に材料を堆積させて薄膜を形成する薄膜形成手段と、この薄膜の厚さを測定し、膜厚データを出力する膜厚モニタと、光学薄膜の形成時間を測定する計時手段と、膜厚データまたは形成時間のいずれかにより、前記光学薄膜の成膜を制御する成膜制御手段とを設けたことにより、通常、光学モニタを用いて堆積される薄膜の厚さを測定しており、光学モニタによって光学的に膜厚を測定できない薄い薄膜などの測定を、この光学モニタに換え、水晶モニタを用いることにより測定するが、これら双方の膜厚モニタが故障した場合、前記計時手段の形成時間と、単位時間当たりの成膜量とに基づき、膜厚測定を行い、成膜制御を行うことが可能となり、途中で多層薄膜の成膜動作を停止させて、光学フィルタの製品を無駄にすることなく、複数の不規則な膜厚の光学薄膜の層で形成される多層薄膜を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による成膜装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】 図1における成膜装置本体100及びイオンガン102の構成例を示す概念図である。
【図3】 図2における光学モニタセンサ205の構成例を示す概念図である。
【図4】 水晶モニタ10にセンサ205から入力される周波数信号と成膜時間との関係を示すグラフである。
【図5】 形成される光学薄膜の膜厚とこの膜厚に基づく透過率との対応を示すグラフである。
【図6】 形成される光学薄膜の膜厚とこの膜厚に基づく透過率との対応を示すグラフである。
【図7】 光学薄膜の形成時間とこの膜厚に基づく透過率との対応を示すグラフである。
【図8】 光学薄膜の形成時間とこの膜厚に基づく透過率との対応を示すグラフである。
【図9】 光学薄膜の形成時間とこの膜厚に基づく透過率との対応を示すグラフである。
【図10】 光学薄膜の形成時間とこの膜厚に基づく透過率との対応を示すグラフである。
【図11】 光学薄膜の形成時間とこの膜厚に基づく透過率の関数の傾きとの対応を示すグラフである。
【図12】 図1の成膜装置の動作例を説明するフローチャートである。
【図13】 図1の成膜装置の動作例を説明するフローチャートである。。
【図14】 形成する多層薄膜(例えば、GFF)の構造を示す概念図である。
【図15】 本願発明の光学デバイスへの応用としてバンドパスフィルタの構成例を示す概念図である。
【図16】 Zフィルタ及びBFFの使用される光通信の中継局を示す概念図である。
【図17】 Zフィルタの特性例を示すグラフである。
【図18】 ファイバアンプとBFFとの各々のゲイン特性を示すグラフである。
【図19】 従来の成膜装置の構成を示すブロック図である。
【図20】 光学薄膜の形成時間とこの膜厚に基づく透過率との対応を示すグラフである。
【符号の説明】
2 基板ホルダ回転機構
3 真空チャンバ
10 水晶モニタ
11 光学モニタ
12 成膜コントローラ
100 成膜装置本体
102 イオンガン
103 システム制御PC
105 膜厚制御PC
106 装置コントローラ
108 タイマ
150 排気口
201 基板ホルダ
201H 窓部
202 基板
203 投光器
204 受光部
205 光学モニタセンサ
206 膜厚センサ
207 ターゲット
F1,F2 光ファイバ
Claims (3)
- 基板の表面に材料を堆積させて薄膜を形成する薄膜形成手段と、この薄膜の厚さを測定し、膜厚データを出力する膜厚モニタと、光学薄膜の形成時間を測定する計時手段と、膜厚データまたは形成時間のいずれかにより、前記光学薄膜の成膜を制御する成膜制御手段とを具備し、
前記成膜制御手段が、前記膜厚モニタの不良を検出した場合に、前記形成時間に基づき成膜の制御を行うことを特徴とする光学薄膜の成膜装置。 - 前記膜厚モニタが、膜厚を光学的に測定する光学モニタと、膜厚を水晶振動子の固有振動数により測定する水晶モニタとから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学薄膜の成膜装置。
- 基板の表面に材料を堆積させて薄膜を形成する薄膜形成過程と、この薄膜の厚さを測定し、膜厚データを出力する膜厚モニタ過程及び、光学薄膜の形成時間を測定する計時過程とを有し、さらに、前記膜厚データまたは前記形成時間のいずれかにより、前記光学薄膜の成膜を制御する成膜制御過程とを有し、
前記成膜制御過程において、前記膜厚モニタの不良が検出された場合に、前記形成時間に基づき成膜の制御が行われることを特徴とする光学薄膜の成膜方法。
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