JP2003342728A - 光学薄膜の成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

光学薄膜の成膜装置及び成膜方法

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JP2003342728A JP2002151279A JP2002151279A JP2003342728A JP 2003342728 A JP2003342728 A JP 2003342728A JP 2002151279 A JP2002151279 A JP 2002151279A JP 2002151279 A JP2002151279 A JP 2002151279A JP 2003342728 A JP2003342728 A JP 2003342728A
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optical
measurement
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Yuichi Umeda
裕一 梅田
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層膜の成膜制御を高精度で行え、従来の光
学モニタでは制御が困難な測定波長のλ/4以下の厚さの
薄膜の成膜制御を可能とする成膜装置を提供する。 【解決手段】 本発明の成膜装置は、複数の波長の測定
光を用い、成膜中の膜における、各々の測定光の透過す
る光量、または測定光の反射する光量を計測する光学モ
ニタ11と、各々の測定光の波長において、予想される、
所望の膜厚に到達するまでの上記各光量の周期的な変化
と、該周期の位相の関係から、所望の膜厚に対応する点
の位相を求め、前記周期的な変化と、前記光学的測定手
段によりモニタされた前記各光量の変化と、の比較か
ら、所望の膜厚に対応する点の位相に対する、前記成膜
中の膜の膜厚に対応する点の位相の割合を示す、位相進
行度合いを求める位相推定部12と、各々の測定波長の位
相進行度合いから複合的に成膜終了点を算出し、この点
で成膜を終了させる成膜制御装置13とが設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学デバイスなど
に用いられる多層の光学薄膜を、高精度に基板に形成す
る光学薄膜の成膜方法及び成膜装置に係わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバを用いた光通信等が盛
んに行われるようになり、この光通信に用いられる各種
フィルタに用いられる光学デバイスの高性能化、すなわ
ち高精度な光学特性に対する要求が高まっている。この
ため、上記光学デバイスに用いられる多層薄膜を形成す
るため、基板表面に形成される多層の光学薄膜各々の膜
厚を、高精度に制御しつつ、各薄膜の積層を行うことが
重要となる。従来、高精度な膜厚制御が要求される光学
薄膜の製造において、この光学薄膜の各層の薄膜の成膜
装置として、例えば、図16に示すIBS(Ion Beam S
puttering)装置が用いられている。
【0003】IBS装置は、成膜制御装置103の制御
により、イオンガン102から放射されるイオンビーム
の衝撃によるエネルギーで加熱し、成膜装置本体100
内のターゲット207に設けられた薄膜材料を蒸発させ
て、これら薄膜材料のプラズマ化された分子を用いて薄
膜を形成するため、形成される膜の緻密性が高く、ま
た、高真空中での積層処理を行うため、薄膜に混入する
不純物が少なく、高品質な薄膜を精度良く積層すること
ができる。
【0004】このIBS装置においては、成膜装置本体
100において形成される膜厚の測定を行う膜厚モニタ
101として、基板に形成された薄膜の透過率(または
反射率)を測定する膜厚センサ(以下、光学モニタ)を
用いて、基板に形成される多層の光学薄膜各々の膜厚制
御を行いつつ、あらかじめ設計された膜厚を有する多層
薄膜を生成している。
【0005】上記光学モニタにおいては、成膜中におけ
る薄膜の膜厚の変化(増加)に伴い、透過率(または反
射率)が周期的に変化し、膜厚(物理的)に対して屈折
率を乗算した積の形で表される光学膜厚の所定の膜厚
(測定光の波長のλ/4の整数倍に対応する膜厚)毎
に、測定結果として、透過率(または反射率)の数値の
ピークもしくはボトムが観測される。従来の光学モニタ
においては、 このピークまたはボトム(以下、双方を
合わせて極値と言う)を検出することにより、成膜にお
ける膜厚(以下、膜厚としたとき、光学膜厚を指すもの
とする)の制御の目標の基準として用いている。
【0006】ここで、光学モニタは、屈折率(n)の変
動を含めて光学的な膜厚(dp=n・d)を直接的に測
定可能である。すなわち、光学モニタは、各層の光学薄
膜の膜厚dpが測定光の波長λに対してλ/4の整数倍
となるように、各層における測定光の波長λを選択して
用い、この測定光の信号処理を行い、図17に示す透過
率などの時間変化(透過率の周期的な位相変化)の測定
を行う。そして、成膜制御装置103は、上記透過率の
変化において、この変化が極値となった時点(例えば、
時刻t1,t2等)で必要な膜厚dpの薄膜が形成されたこ
とを検出し、イオンガン102の動作を停止させること
などにより、成膜装置本体100における薄膜の成膜処
理を停止させる。
【0007】このとき、従来の光学モニタにおいては、
測定光の光源としてレーザ光源などが用いられ、単色光
である測定光により膜厚の測定が行われる場合が多い。
また、広帯域の白色光源を回折格子などの分光手段によ
り、特定の波長の光を抽出して、この光を測定光として
用いるものもある。上述した2つの測定方法は、成膜す
る薄膜の透過率のピークを、所定の薄膜に対して、成膜
の終了点として検出できる波長を選択して行うという点
について、全く同様の構成である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た薄膜の厚さを測定するための従来の光学モニタには、
高精度に多層薄膜を形成する場合に用いる膜厚モニタと
して、以下に示す欠点がある。 <成膜終了点を極値で判定するという従来技術において
>上記光学モニタには、透過率の極値の検出を成膜の終
了の基準としているため、近似曲線を用いた時間による
位相変化に基づき、この近似曲線の極値近傍において限
られた範囲の透過率の測定値を基に、成膜の終了点を得
るため、極値に到達する時間の推定、または所定の膜厚
となる極値からの経過時間の推定等の演算を行うので、
外乱等により生じる透過率の僅かな変動や、ガラス基板
等における測定光の干渉などにより、算出される極値へ
の上記到達時間及び経過時間の誤差(例えば推定するた
めの近似曲線の歪みが生じる)が増大することとなり、
正確な成膜制御が困難であるという問題がある。
【0009】また、従来の光学モニタには、成膜の制御
の基準として透過率の極値を用いているため、複数の層
からなる多層膜において、各層において透過率の極値を
必ず検出する必要があり、各層の薄膜の膜厚を測定光の
波長λのλ/4の膜厚を越える値としなければならない
制限がある。したがって、従来の光学モニタには、多層
膜光フィルタを設計・製造する場合、測定光の波長λに
対してλ/4を越える膜厚として、各層の薄膜の膜厚を
調整する必要があるため、λ/4以下の膜厚で形成でき
れば薄く設定できるときでも、透過率の極値を得るため
に、膜厚が不必要に厚い薄膜を形成しなければならない
場合等が生じ、上記制限がフィルタ全体の薄膜の製造時
間の短縮化の制約となり、製造の効率が非常に悪くな
り、製造コストが上昇してしまうという欠点がある。
【0010】<層毎に透過率が極値となる測定光を選択
して用いる従来技術において>従来の光学モニタには、
GFF(ゲイン・フラットニング・フィルタ)のような
広帯域な波長の光の透過率特性が要求される多層膜光フ
ィルタにおいて、所定の層の薄膜の膜厚制御が所定の単
色光の測定光を用いて正確に行われたとしても、この所
定の層の前に成膜された他層の膜厚が設計値に対して成
膜誤差を持つ場合、この成膜誤差をこの所定の層の膜厚
において補正することとなるために、この所定の層の光
学的膜厚に設計値に対する歪みが生じ、この所定の層の
膜厚にも設計値に対する誤差を発生させる欠点がある。
加えて、従来の光学モニタには、上記歪みにより、所定
の単色光以外の測定光を用いた場合、すなわち、各層毎
に測定波長を変更して行くことにより、いずれかの測定
波長における外乱が対応する層の膜厚に誤差を発生させ
た場合、この層の以降に順次成膜される層の薄膜の透過
率に累積的な誤差が生じ、測定される透過率から推定さ
れる他の層の透過率の変化を示す近似曲線に歪みが発生
することになり、各層の成膜の終点の推定の精度が悪く
なることで最適な膜厚制御が行えず、多層膜の各層の成
膜精度に限界が生じてしまい、多層膜フィルタにおける
波長特性(分光特性)に対する誤差が大きくなるという
欠点がある。
【0011】本発明はこのような背景の下になされたも
ので、従来の光学モニタでは制御が困難である測定波長
のλ/4以下の厚さの薄膜の成膜制御を可能とし、か
つ、多層膜における各層の成膜制御を高い精度で行うこ
とが可能な光学薄膜の成膜方法及び成膜装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光学薄膜の成膜
装置は、複数の波長の測定光を用い、成膜中の膜におけ
る、各々の測定光の透過する光量、または測定光の反射
する光量を計測する光学的測定手段(光学モニタ11)
と、各々の測定光の波長において、予想される、所望の
膜厚に到達するまでの前記各光量の周期的な変化と、該
周期の位相の関係から、前記所望の膜厚に対応する点の
位相を求め、前記周期的な変化と、前記光学的測定手段
によりモニタされた前記各光量の変化と、の比較から、
前記所望の膜厚に対応する点の位相に対する、前記成膜
中の膜の膜厚に対応する点の位相の割合を示す、位相進
行度合いを求める位相推定手段(位相推定部12)と、
前記各々の測定波長における位相進行度合いから複合的
に成膜終了点を算出し、該成膜終了点で成膜を終了させ
る成膜制御手段(成膜制御装置13)とを設けたことに
より、単色光でなく、波長の異なる複数の測定光によ
り、成膜終了点に対応する光量変化の位相を求め、その
位相がどこまで進んでいるかを、各測定波長に対応した
目標位相(測定波長に対応した成膜終了点の位相)との
比較により、1波長に対する外乱の影響を低減し、単色
光のみで推定する場合に比較して成膜終了点をより正確
に求める(推定精度を向上させ)ことにより、各層の誤
差を低減させることができ、多層膜フィルタにおける波
長特性(分光特性)を向上させることが可能となる。
【0013】また、本発明の光学薄膜の成膜装置は、外
乱などにより透過率の測定値が揺らいだとしても、全て
の測定光の透過率(透過する光量)に基づき、この測定
された透過率によりフィッティングされた各々の波長に
対応した近似曲線(透過率の逆数に基づく余弦または正
弦波の関数)の位相変化に基づいて、各測定光による位
相進行度合いにより総合的に成膜終了点を推定するた
め、各層における成膜終了点の推定精度を向上させるこ
とができ、単色光で成膜の膜厚制御を行う場合に比較し
て、外乱などのノイズに強い制御を行うことができる。
【0014】さらに、本発明の光学薄膜の成膜装置は、
波長の異なる複数の測定光による成膜制御により、いず
れかの測定光の透過率が他の層の影響により誤差が生じ
たとしても、他の複数の測定光の各透過率から総合的に
求まる成膜終了点により成膜制御を行うことができるた
め、多層膜の各層の成膜における膜厚制御の精度を大幅
に向上させることが可能である。加えて、本発明の光学
薄膜の成膜装置は、各透過率から求まる位相進行度合い
を、全ての測定光において総合的に判定して成膜終了点
を推定するため、極値を通過しなくても成膜終了の点の
推定が可能であり、測定波長λに対してλ/4以下の膜
厚の薄膜を生成することが可能である。
【0015】本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記位相
推定手段が、複数層の膜を成膜する場合、前記複数層の
膜構成から予想される前記周期的な変化と、前記光学的
測定手段にモニタされた前記光量の変化と、の比較から
前記位相の進行度合いを求めているため、測定された透
過率によりフィッティングされた、各々の測定光に対応
する近似曲線の位相変化に基づいて、各測定光による位
相進行度合いにより成膜制御を行うため、極値を通過せ
ずとも、位相進行度合いを求めるための近似曲線を高い
精度でフィッティングすることができるため、従来では
高い精度で成膜が行えなかった、測定波長λに対してλ
/4以下の膜厚の薄膜を成膜することを可能とする。
【0016】本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記位相
推定手段が、各々定波長の光量の逆数を求め、余弦関数
または正弦関数で回帰された前記周期的な変化と、前記
光学的測定手段にモニタされた前記光量の変化と、の比
較から前記位相進行度合いを求めるため、極値以外の広
範囲の点において透過率の測定を行い、位相進行度合い
を求めるための近似曲線を高い精度でフィッティングす
ることができるため、成膜終了の点における位相推定の
精度を向上させ、各層の膜厚の成膜精度を向上させると
ともに、高い精度でλ/4以下の膜厚の薄膜を生成する
ことが可能である。
【0017】本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記光学
的測定手段が、一対の波長可変光源と光量検出手段とか
ら構成され、時分割に順次異なった測定波長の位相を検
出しているため、複数の波長の測定光を上記波長可変光
源から放射するという簡易な構成により、測定波長の異
なる複数の測定光による透過光量の測定を可能とし、上
述してきた複数の測定光による成膜終了点の総合的な推
定を容易に行うことができ、波長特性(分光特性)を有
する薄膜の成膜を可能とする。
【0018】本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記光学
的測定手段が、一対の、波長可変光源と光量検出手段
と、から構成され、測定波長を周期的に掃引し、複数の
波長における前記光量の変化を測定して、並列的なデー
タ処理により前記複数の波長のそれぞれにおける前記光
量を決定する構成のため、複数の測定光で測定する毎
に、測定された各透過率に基づき位相進行度合いの演算
を行うのではなく、測定光を一定の時刻経過後に、周期
的に掃引して測定された複数の透過率を、周期毎に一括
して(並列的に)処理を行うことにより、この周期を調
整することにより、使用できる波長の数を調整すること
が可能となるため、波長設定の自由度が向上する。
【0019】本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記光学
的測定手段が、複数の異なった波長の光源と、光量検出
手段との対から構成され、被測定面の垂直軸に対して互
いに微小角となる光軸を取り、被測定面の同一点を通過
するように配置されているため、複数の測定光における
測定地点を合わせることにより、薄膜における同一の領
域の膜厚を、同一時刻に測定する事になるため、上述し
た時分割で測定する構成に比較して、測定光の種類を増
加させることが可能となり、測定される透過率の数を測
定位置及び測定時刻のずれに基づく各測定光間の透過率
の誤差を抑えることができ、成膜終了点の推定精度を向
上させることが可能となる。
【0020】本発明の光学薄膜の成膜装置は、前記光学
的測定手段が、広帯域波長を有する光を放射する光源と
分光手段とから構成されており、この広帯域波長を有す
る測定光の薄膜を透過した透過光を分光するため、この
分光された各々の測定波長の光量を並列に測定すること
により、分光する波長の数を増加させることが容易に行
えるので、得られる透過率のデータを増加させることが
でき、また、全ての透過する光量が同一時刻に測定され
たものであるため、成膜終了点の推定精度を向上させる
ことが可能となる。
【0021】本発明の光学薄膜の成膜方法は、複数の波
長の測定光を用い、成膜中の膜における、各々の測定光
の透過する光量、または測定光の反射する光量を計測す
る光学的測定過程と、各々の測定光の波長において、予
想される、所望の膜厚に到達するまでの前記各光量の周
期的な変化と、該周期の位相との関係から、前記所望の
膜厚に対応する点の位相を求め、前記周期的な変化と、
前記光学的測定過程によりモニタされた前記各光量の変
化と、の比較から、前記所望の膜厚に対応する点の位相
に対する、前記成膜中の膜の膜厚に対応する点の位相の
割合を示す、位相進行度合いを求める位相推定過程と、
前記各々の測定波長における位相進行度合いから複合的
に成膜終了点を算出し、該成膜終了点で成膜を終了させ
る成膜制御過程とを備えている。
【0022】本発明の光学薄膜の成膜方法は、前記成膜
終了点が、前記各々の測定波長における前記所望の膜厚
に対応する点の位相と、前記成膜中の膜の膜厚に対する
点の位相との位相差を求め、全測定波長の前記位相差の
自乗和が最小となる点として算出される。本発明の光学
薄膜の成膜方法は、複数層の膜を成膜する場合、前記位
相推定過程において、前記複数層の膜構成から予想され
る前記周期的な変化と、前記光学的測定過程においてモ
ニタされた前記光量の変化と、比較から前記位相進行度
合いを求める。
【0023】本発明の光学フィルタは、上記成膜装置の
いずれか、または上記成膜方法のいずれかにより成膜さ
れた多層薄膜から構成されているため、各層の薄膜の厚
さが不規則であっても、各層の膜厚が設計値に高い精度
で対応しており、GFF(ゲイン・フラットニング・フ
ィルタ)などの周波数毎に正確にゲインを調整する光学
薄膜として最適な特性を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形
態による光学薄膜の成膜装置の構成を示すブロック図で
ある。従来例の16の成膜装置と同様な構成については
同一の符号を付し、この構成の説明を省略する。光学モ
ニタ11は、後に述べるように、成膜装置本体100の
真空チャンバ3内に設けられた投光部及び受光部から構
成される光学モニタセンサ205(図2及び3参照)か
ら、成膜中の薄膜を透過する光量(透過光の光量)のデ
ジタルデータが入力される。
【0025】光学モニタセンサ205は、波長可変光源
を有する投光部から、時分割(所定の時間毎に時系列)
に異なる波長の測定光を放射し、受光部が入力される薄
膜を透過した測定光の光量を、測定光の波長が切り替わ
る時に同期して、順次、透過する光量の強度に対応する
測定電圧値を光学モニタ11へ出力する。この測定光の
波長は、例えば、フィルタに使用される波長領域を所定
の割合の間隔で分割し、この分割点の波長を使用する。
なお、測定光の波長は、一般的には等間隔でなくとも良
い。
【0026】ここで、光学モニタ11は、光学モニタセ
ンサ205から順次入力される上記測定電圧値をデジタ
ルデータに変換し、変換されたデジタルデータの透過率
データDT{DT1,DT2,…}を、時系列に位相推定
部12へ出力する。ここで、{DT1,DT2,…}は、
時系列に入力される、異なった複数の波長の測定光によ
る透過率データを示している。以下、透過率データDT
としたときは、透過率データDT{DT1,DT2,…}
のデータ列を示すものとする。
【0027】次に、図2は、図1における成膜装置本体
100及びイオンガン102との構成を詳細に示したも
のである。多層膜が形成される基板202は、基板ホル
ダ回転機構2に接続された基板ホルダ201へ固定され
ている。基板ホルダ回転機構2は、モータなどから構成
されており、ターゲット207から照射される原子及び
分子が平均して、基板202へ堆積されるように、基板
ホルダ201を回転させる。
【0028】イオンガン102は、発生させたイオンを
加速させ、ターゲット207の堆積させる材料へイオン
ビームを照射させ、このイオンビームのエネルギーによ
りターゲットの材料を基板202へ照射させる。ここ
で、ターゲット207は、回転軸208に沿って回転自
在な構造になっており、イオンガン102からのイオン
ビームに対して、所定の材料の面を向けることにより、
複数の薄膜の材料を基板202へ照射することができ
る。真空チャンバ3は、図示しない真空ポンプにより、
排気口150から空気及びガス(ターゲット207から
照射され、どこにも堆積しなかった材料)を排出し、真
空度が調整されている。
【0029】次に、光学による膜厚測定系において、光
学モニタセンサ205は、例えば、図3に示す構成をし
ている。図3は、光学モニタセンサ205の詳細な構成
を示す概念図である。投光部203は、真空チャンバ3
(図2参照)内に設けられ、光ファイバF1を介して送
られてくる所定の波長の測定光を、基板ホルダ201の
測定光を透過させるために明けられた穴である窓部20
1Hより、基板202の裏面に照射する。
【0030】受光部204は、集光レンズなどから構成
されており、基板202を透して受光する透過光を光フ
ァイバF2を介して、光学モニタ11へ出力する。な
お、本実施形態においては、光学モニタセンサ205と
真空チャンバ3の内部に配置した例を図示したが、投光
部203及び受光部204を真空チャンバ3の外部に配
置して、図示しない真空チャンバ3に設けられたガラス
窓を通して、真空チャンバ3の外部において、基板20
2からの透過光の光量を測定するようにしても良い。図
1に戻り、光学モニタ11は、真空チャンバ3内に設け
られた光学モニタセンサ205の受光部204(図3参
照)からの透過光を入力し、透過光の強度に応じた電圧
の検出信号を生成する。また、光学モニタ11は、上記
検出信号をA/D変換し、薄膜が形成されていない時の
検出信号の強度との比から、デジタルデータとなる透過
率データDTを算出して、位相推定部12へ出力する。
【0031】成膜制御装置13は、光学モニタ11から
入力される透過率データDTに基づき、光学モニタ11
が正常に動作しているか否かの判定を行う。また、成膜
制御装置13は、イオンガン102における放電に必要
な電源の制御及び真空チャンバ3の真空度の制御を行
う。位相推定部12は、成膜制御装置13の制御によ
り、イオンガン102にイオンビームの照射を開始さ
せ、入力される上記透過率データDTに基づき、成膜中
の薄膜が設計値の膜厚となったか否かの判定を行い、イ
オンガン102のイオンビームのターゲットに対する照
射を停止させる。
【0032】また、位相推定部12は、入力される各測
定光毎の透過率データDT{DT1,DT2,DT3,
…}を、透過率T{T1,T2,T3,…}に変換して、
この透過率Tに基づいて、順次、各々の測定光(すなわ
ち、各々の透過率T)に対応させて、成膜中の薄膜の膜
厚に対応する点の位相の割合、すなわち位相進行度合い
を求める。以下に説明する位相進行度合いを求めるため
の(1)〜(6)式の演算は、位相推定部12により行
われる。ここで、成膜中の薄膜の膜厚に対応する点の位
相とは、図17に示したように、透過率(薄膜を透過す
る測定光の光量)の変化が時間に対して周期関数となる
ので、三角関数内の値を示している。
【0033】すなわち、多層膜理論においては、入射光
が多層膜の膜表面に対して垂直に入射されるとすると、
多層膜の第j層の特性行列Mjが以下の(1)式により表
される。
【数1】
【0034】この(1)式において、iは複素数を表
し、njは第j層の屈折率であり、位相角δjは以下の
(2)式により表される。
【数2】 この(2)式において、λは入射光の波長を示し、dj
(すなわちr・t)は第j層の物理的な膜厚である。
【0035】そして、多層膜を構成する全N層での特性
行列Mは、以下の(3)式により表される。
【数3】 この要素をm11,m12,m21,m22と表すと、多層膜の
透過率Tは、エネルギー透過率を示す、以下の(4)式
により表される。
【0036】
【数4】 この(4)式において、τ*はτの複素共役であり、τ
は以下の(5)式により表される。
【数5】 この(5)式において、n0は媒質の屈折率であり、ns
は薄膜を成長させている基板の屈折率である。
【0037】上述した各式を用いることにより、成膜中
の層の透過率Tの変化を算出して推定することができ
る。ここで、すでに成膜が終了している層全体を、1つ
の特性行列で表し、この特性行列の各要素を定数とする
ことにより、現在成膜中の層の特性行列の時間変化が透
過率Tの変化に反映させることができる。すなわち、上
述した(2)式,(3)式,(4)式から判る様に、成
膜中の層の薄膜の透過率Tの変化を物理的な膜厚の変化
で表すことが可能となる。
【0038】また、成膜中の層における成膜レートrと
屈折率とが一定であると仮定すると、物理的な膜厚dj
が成膜時間tに比例するため、成膜中の膜に対して「d
j=r・t」と表し、物理的な膜厚の変化を成膜時間t
に置き換えることが可能である((2)式において、成
膜後の膜に対しては膜厚djそのものとなる)。そし
て、以下の(6)式に示すように、透過率Tの逆数が余
弦関数で表されるため、成膜中の透過率Tの変化を時間
の関数として非線形なフィッティング(測定される透過
率Tによる合わせ込み)を行うことが容易にできる。
【数6】
【0039】このため、複数の透過率Tの測定点におい
てフィッティングされた(6)式の余弦関数により回帰
された、時間に対して周期的に変化する周期関数によ
り、成膜中の現在時間の測定位相PSをリアルタイムに
求めることができる。そして、成膜予定の薄膜の物理膜
厚に基づき、(1)〜(6)式の理論式から、成膜を終
了する目標位相PT(すなわち、「a2・t+a3」を求
めるため、(6)式の係数a0〜a3)を、多層膜の設計
時点において予め演算しておき、この目標位相と上記リ
アルタイムに求められる測定位相(測定された透過率T
の逆数に基づき、(6)式から求められる「a2・t+a
3」)とを、透過率Tの測定点(サンプリング時刻)に
おいて順次比較し、目標位相と測定位相との割合を示す
位相進行度合いを求める。
【0040】また、このとき、理論式である(6)式の
時刻に基づいて演算される透過率Tの逆数と、測定され
た透過率Tの数値とが一致するように、係数a0〜a3を
調整して、(6)式のフィッティングを行う。そして、
位相推定部12は、位相進行度合いを、目標位相に対す
る測定位相との差である位相差(「PTn−PSn=ΔP
n」)の2乗(「(ΔPn)2」)として求めて、成膜制御
装置13へ出力する。ここで、nは、波長の異なる測定
光各々の付番である。
【0041】例えば、図4に示す、時刻(横軸)と透過
率Tの逆数(1/T;縦軸)との関係において、測定波
長毎(λ1,λ2,λ3,…)に対応する透過率Tの逆数
の周期関数は、理想的には同一の時刻tTにおいて、各
々の測定光に対応して設定された目標位相となる。しか
しながら、問題点で述べたように、波長によって、透過
率Tの測定誤差や、薄膜による測定光の干渉などによ
り、各測定光毎に目標位相となる時刻が時刻tTの前後
にばらついてしまう。
【0042】すなわち、位相推定部12において、位相
の進行が測定光の波長の違いにより、誤差が生じること
となり、位相進行度合いが各々ずれたものとして算出さ
れることになる。このため、成膜制御装置13は、上述
したように、単色光によってはこれらの誤差を吸収する
ことが出来ないので、各測定光毎に得られる位相差によ
り、総合的に成膜終了点の判定を行うこととなる。
【0043】成膜制御装置13は、位相推定部12から
測定光毎の位相進行度合いを入力し、この複数の位相進
行度合いに基づき、成膜を終了する成膜終了点(成膜終
了時刻)を演算する。このとき、成膜制御装置13は、
全ての測定光に基づく位相進行度合い(この実施形態で
は位相差の2乗)の積算値(各波長の測定光における位
相差の2乗和、Σ(ΔPn)2)が極小値となる成膜終了時
刻tpを、成膜開始から現在までにプロットされた積算
値で形成される変化曲線に基づく回帰により求める。こ
こで、上記積算値、すなわち位相差の2乗和は、サンプ
リング毎に得られる各測定光の透過率T{T1,T2,T
3,…}の逆数から求められる測定位相と、設計時に求
められた各測定光毎の目標位相との、それぞれの位相差
の2乗和である。
【0044】そして、成膜制御装置13は、位この成膜
終了時刻tpを成膜終了点として、この時刻において設
計値の光学的な膜厚となった判定し、薄膜形成の処理を
終了する。ここで、成膜制御装置13は、この成膜終了
時刻tpが、次のサンプリングの行われる(開始され
る)時刻より早い時刻の場合に、正式な成膜終了時刻と
して設定されて、イオンガン102のイオン照射を停止
させる。
【0045】すなわち、成膜制御装置13上記変化曲線
の極値が検出された時点でイオンガン102のイオン照
射を停止したとしても、極値の検出処理の間に薄膜が形
成され、設定された膜厚を越えてしまう。このため、成
膜制御装置13は、入力される位相進行度合いに対して
信号処理を行い、極値に到達する時刻を推定し、この推
定した時刻にイオンガンを停止させることにより、透過
率の極値検出からイオンガン102の照射を停止させる
までのディレイ時間を低減させている。上述した理由に
より、形成している薄膜における透過率の極値の測定を
行うが、例えば、以下に示す方法により推定処理を行っ
ている。
【0046】成膜制御装置13において行われる上記変
化曲線の極値検出による成膜終了点(最低値としての極
値をとる時刻)の推定演算の方法として、以下に示す2
次回帰関数を用いた方法がある。成膜制御装置13に対
して入力される、各々の測定値に対応する位相差の2乗
は図5に示すような2次曲線となる。そして、成膜制御
装置13は、これらの入力される位相差の2乗を2乗和
として演算し、この位相差の2乗和による変化曲線が極
小値をとる成膜終了時刻tpを推定する。
【0047】この変化曲線は、上記位相差の2乗和が極
値となる近傍では、通常、以下に示すような多項式
(7)により近似することができ、4次項以降を省略し
ても近似が可能である。 y = b0+b1・t +b2・t2+b3・t4+b4・t6+… … (7) 式(7)において、b0,b1,b2,b3,b4,…は、
回帰計算の対象となる係数である。このとき、基板20
2及び形成された薄膜の透過率は、実際には、積層され
た多層の薄膜の形成過程で生じる複雑性や薄膜の屈折率
の不均一性及び受光部204や光学モニタ11での電流
増幅の直線性のため、より複雑な関数となる。
【0048】しかしながら、極値近傍においては、式
(7)の4次項以下を省略して近似することが可能であ
る。 y = b0+b1・t +b2・t2 … (8) 図6(横軸:時刻,縦軸:位相差の2乗和)に示すよう
に、理論的な位相差の2乗和の変化(実線)の式(7)
に対して、式(8)は、この式(7)に対して2次回帰
線(破線)、すなわち2次回帰関数による近似となる。
b0〜b2は、係数である。また、位相差の2乗和は、図
7(横軸:時刻,縦軸:位相差の2乗和)に示すよう
に、サンプリングされた透過光には実測値T(t)のよ
うにノイズが重畳されるため、このノイズを含んだ値と
して求められ、図7の2次回帰線が破線で示されてい
る。
【0049】成膜制御装置13は、以下の式(9)によ
り、式(8)の2次回帰関数の微分値、すなわち接線の
傾きを求める。 dy/dt = b1 + 2・b2・t … (9) そして、成膜制御装置13は、この破線の傾きが「0」
となる時刻を演算して、測定する層の薄膜の厚さに対応
する波長の測定光において、位相差の2乗和が極値を持
つ時刻tpを推定することとなる。すなわち、時刻tp
は、「tp = −b1/(2・b2)」と求められる。
【0050】次に、図1、図2および図8を参照し、一
実施形態の動作例を説明する。図8は、本発明の成膜装
置の動作例を示すフローチャートである。例えば、図9
の様に、ガラス基板(セラミック)である基板202表
面に、各層の膜厚及び材料の異なる複数の薄膜(数十
層)を堆積し、GFFを形成する場合を説明する。図9
(a)はGFFの斜視図であり、図9(b)は図9
(a)の線分Aで切断した断面図である。基板202の
裏面には、表面における多層膜形成後に、所定の波長の
光に対する反射防止膜が堆積される。
【0051】ステップS1において、位相推定部12
は、形成する多層膜における各層の膜厚に基づき、
(1)〜(6)式により、使用する測定光毎の目標位相
の演算を行い、演算された目標位相を内部に記憶してお
く。次に、ステップS2において、成膜制御装置13
は、イオンガン102の動作を開始して、所定の層(基
板202表面の第1層目から順番に形成)の薄膜の成膜
を開始する。
【0052】次に、ステップS3において、位相推定部
12は、内部のタイマの計時データに基づき、透過率T
の測定を行うサンプリング時間(膜厚制御の精度から任
意に設定される)となったか否かの判定を行う。このと
き、位相推定部12は、サンプリング時間となっていな
いことを検出した場合、所定の時間後にステップS3へ
処理を戻す。一方、位相推定部12は、サンプリング時
間となったことを検出すると、処理をステップS4へ進
める。
【0053】次に、ステップS4において、位相推定部
12は、光学モニタ11に対して、透過率の測定を開始
させる。これにより、光学モニタ11は、光学モニタセ
ンサ205を制御して、順次、測定光の波長を換えて、
透過する光量を測定して、時系列に透過率データDT
{DT1,DT2,…}を位相推定装置12へ出力する。
そして、位相推定部12は、透過率データDTが時系列
に入力される毎に、透過率Tに変換して、(6)式に基
づき測定位相を演算し、対応する測定波長の目標位相と
の位相差の2乗を求めて成膜制御装置13へ出力する。
【0054】次に、ステップS5において、成膜制御装
置13は、時系列に入力される測定波長毎の上記位相差
に基づき、成膜終了点の推定を(7)〜(9)式に基づ
き行う。そして、ステップS6において、成膜制御装置
13は、得られた成膜終了点(成膜終了時刻)が、次の
透過率Tのサンプリング時刻に達しない(現在時刻にサ
ンプリング時間を加算した値より小さい)場合、この得
られた成膜終了点を最終的な成膜終了点として設定し、
処理をステップS7へ進める。次に、ステップS7にお
いて、成膜制御装置13は、上記成膜終了点にタイマの
時刻が達したことを検出すると、イオンガン102を停
止させ、所定の層の薄膜の成膜処理を終了する。
【0055】一方、ステップS6において、成膜制御装
置13は、得られた成膜終了点(成膜終了時刻)が、次
の透過率Tのサンプリング時刻を超える(現在時刻にサ
ンプリング時間を加算した値より大きい)場合、この得
られた成膜終了点を最終的な成膜終了点として設定せ
ず、処理をステップS3へ進める。
【0056】次に、ステップS8において、成膜制御装
置13は、例えば、多層膜光フィルタにおける多層膜の
全ての層の成膜処理が終了したか否かの検出を行い、全
ての層の薄膜の成膜が終了したことを検出した場合、基
板202上への成膜処理を終了し、一方、全ての層の薄
膜の成膜が終了していないことを検出した場合、処理を
ステップS9へ進める。次に、ステップS9において、
成膜制御装置13は、ターゲット207を回転させて所
定の成膜材料にイオンガン102からのイオンが照射さ
れるように制御し、処理をステップS1へ戻す。そし
て、成膜制御装置13は、ステップS8において、多層
薄膜の全ての層の薄膜の成膜処理が終了したことが検出
されるまで、ステップS1からステップS8まで処理を
繰り返して行い、多層薄膜フィルタにおける複数の薄膜
の成膜制御を行う。
【0057】上述した本発明の光学薄膜の成膜装置は、
光学モニタセンサ206において、測定光の光源とし
て、波長可変光源を用いたため、波長の異なる複数の測
定光を薄膜の透過率Tの測定に用いることが可能とな
り、位相推定部12が波長の異なる複数の測定光による
複数の透過率から、それぞれの測定波長毎の位相進行度
合い(目標位相差と測定位相差との位相差の2乗)を求
め、成膜制御装置13がこれらの位相進行度合いが最小
となる時刻を成膜終了時刻とすることで、所定の層の薄
膜の成膜を終了するため、単色光だけでは防止できない
透過率の測定誤差及び干渉などの影響を、上述したよう
に、複数の透過率のサンプリングを同様のタイミングで
行い総合判断し、成膜終了点を求めることで低減してい
る。
【0058】したがって、本発明の光学薄膜の成膜装置
は、外乱などにより透過率の測定値が揺らいだとして
も、全ての測定光の透過率(透過する光量)に基づき、
この測定された透過率によりフィッティングされた各々
の波長に対応した近似曲線の位相変化に基づいて、各測
定光による位相進行度合いにより総合的に成膜終了点を
推定するため、単色光で成膜の膜厚制御を行う場合に比
較して、外乱などのノイズに強い制御を行うことがで
き、かつ、成膜制御装置13が各透過率から求まる位相
進行度合いを、全ての測定光において総合的に判定して
成膜終了点を推定するため、極値を通過しなくても成膜
終了の点が推定できるので、測定波長λに対してλ/4
以下の膜厚の薄膜を生成することが可能である。
【0059】本発明の光学薄膜の成膜装置は、光学モニ
タセンサ205が一対の波長可変光源である投光部20
3と、光量検出を行う受光部204とから構成され、光
学モニタ11が、時分割に順次異なった測定波長の位相
を検出しているため、複数の波長の測定光を上記波長可
変光源から放射するという簡易な構成により、容易に測
定波長を複数にすることができ、装置の製造コストを低
減させることができる。
【0060】以上、本発明の一実施形態を図面を参照し
て詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限ら
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設
計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、第2の
実施形態として、図8のステップS4において、光学モ
ニタ11が波長可変光源の放射する測定光の波長を時系
列に変化させて、透過率データDTを測定して、順次、
位相推定部12へ送信するのではなく、所定の波長帯域
(例えば、形成する多層膜フィルタによって使用される
波長帯域)において測定光の波長を掃引し、薄膜を透過
する測定光の、所定の波長の透過光の光量を測定し、ま
とめて位相推定部12へ送信させるようにしても良い。
【0061】上述した構成により、本発明の光学薄膜の
成膜装置は、第1の実施形態の効果に加えて、光学モニ
タセンサ205が一対の波長可変光源である投光部20
3と、光量検出を行う受光部204とから構成され、測
定波長を周期的に掃引し、上記波長帯域内において予め
設定した、所定の複数の測定波長における透過光の光量
の変化を測定して、並列的なデータ処理により複数の波
長のそれぞれにおける光量を決定する構成のため、複数
の測定光で測定する毎に、測定された各透過率Tに基づ
き位相進行度合いの演算を行うのではなく、測定光を一
定の時刻経過後に、周期的に掃引して測定された複数の
透過率Tを、周期毎に一括して(並列的に)処理を行う
ことで、この周期を調整することが可能となり、使用で
きる波長の数を調整することができ、測定光の波長を順
次調整して設定するのに比較して測定波長設定の自由度
が向上する。
【0062】また、第3の実施形態において、図8のス
テップS4において、光学モニタ11が波長可変光源の
放射する測定光の波長を時系列に変化させて、透過率デ
ータDTを測定して、順次、位相推定部12へ送信する
のではなく、図示しない複数の光源と、複数の投光部2
03及び複数の受光部204を配置し、各々において、
周期的に測定された複数の透過率Tを、周期毎に一括し
て(並列的に)処理を行う。ここで、光学モニタセンサ
205を、図10(a)に示すように、基板202表面
に対して垂直な垂直軸に対して、所定の微少角αを有す
るように、異なる波長(λ1,λ2,λ3,…)の複数の
投光部203を設置し、この投光部203に各々対応さ
せて受光部204を設置する構成としても良い。また
は、複数の投光部203に対し、1つの受光部204を
兼用し、この受光部204を時分割的に、何れかの投光
部203に対して切り替えて使用する構成としても良
い。
【0063】また、このとき、図10(b)に示すよう
に、基板202上面から観て、各波長の測定光の光軸
が、垂直軸を中心とした円周上に配置されるように設置
する。これにより、本願発明の成膜装置においては、各
光軸が垂直軸に対して各々微少角αを有するように配置
することができ、測定光間における測定条件の差を減少
させることができる。また、光学モニタ11は、測定光
間の干渉を防止するために、順次、波長毎に測定を行う
が、測定する順番は、サンプリング周期毎に変更させて
もよい。
【0064】例えば、光学モニタ11は、波長λ1,λ
2,λ3,λ4,λ5,λ6,…とした次のサンプリング時
において、波長λ2,λ3,λ4,λ5,λ6,…,λ1、次
は、波長λ3,λ4,λ5,λ6,…,λ1,λ2として、波
長を操作する順番を入れ替える。これにより、第3の実
施形態は、第1及び第2の実施形態の効果に加えて、サ
ンプリングにおける時間軸で測定位置による偏りを無く
し、常にランダムな条件で透過率の測定を行うため、フ
ィッティング処理における時間依存の誤差の偏りを無く
し、位相進行度合いの演算を高い精度で行い、成膜制御
を高精度に行うことが可能である。
【0065】さらに、第4の実施形態において、図8の
ステップS4において、光学モニタ11が波長可変光源
の放射する測定光の波長を時系列に変化させて、透過率
データDTを測定して、順次、位相推定部12へ送信す
るのではなく、図11に示すように、投光部203をハ
ロゲンなどが用いられた白色光源で構成し、薄膜及び基
板202を透過した測定光を、回折格子(またはプリズ
ム)などにより分光して、この分光された各々の波長の
光量を、複数の受光器を有する検出器列(ディテクタア
レイ)の受光部204により測定して、透過率データD
Tを得るようにしても良い。
【0066】この構成により、本願発明の第4の実施形
態は、第1の実施形態の効果に加えて、白色光を測定光
として用い、基板202を透過した透過光を分光して、
複数の波長ごとの光量を求めているため、分光する波長
の数を増加させることが容易に行えることにより、得ら
れる透過率のデータの数を増加させることが簡単に行
え、また、全ての透過する光量が同一時刻に測定された
ものであるため、位相進行度合いが同一タイミングのも
のであり、測定波長毎の透過率T相互における時間的な
測定差(成膜している膜の測定値の時間差)を排除する
ことが可能なため、成膜終了点の推定精度を向上させる
ことが可能となる。
【0067】次に、上述した本発明の光学薄膜の成膜方
法及び成膜装置により生成された多層薄膜を応用した光
学デバイスについて説明する。図12は、多層薄膜を用
いた光学フィルタである光BPF(バンドパスフィル
タ)の断面図を示している。図12の光BPFは、媒質
に本発明の装置または方法により製造された多層薄膜の
光BPF・50,51,52,53,54が貼着されて
構成されたバンドパスフィルタである。例えば、図12
に示すバンドパスフィルタには波長λ1〜λ8の光信号が
入力され、BPF・50,51,52,53,54で各
々波長λ1,λ2,λ3,λ4,λ5の光信号に分離して出
力する。したがって、図12のバンドパスフィルタは、
入力された複数の波長を有する光信号を、各々波長の光
信号に分離して出力する。
【0068】また、次に、図13は、光通信を行う場
合、伝搬する光信号の強度が減衰するときに、減衰した
光強度を増幅する中継局に用いられる光学フィルタであ
るZフィルタ(エッジフィルタ)及びGFFを示す図で
あるZフィルタ101〜102は、所定の波長の反射率
が調整されたものであり、各波長の光信号の透過を制御
する。例えば、Zフィルタ101は、C帯及びL帯の波
長に対する反射率が高く、S帯のみが透過して、ファイ
バアンプ(S帯の波長に対応した光アンプ)104へ光
信号を入射させる。また、Zフィルタ102は、図14
に示すように、S帯及びC帯の波長に対する反射率を高
くして、L帯の光信号のみを透過させる。
【0069】これにより、Zフィルタ102は、ファイ
バアンプ105(C帯の波長に対応した光アンプ)へ、
S帯及びC帯の波長の光信号を入射させるが、S帯の光
がZフィルタ101によりファイバアンプ104へ入射
させられているため、実質的にC帯のみの光信号がファ
イバアンプ105へ入射される。Zフィルタ103は、
S帯,C帯及びL帯の波長に対する反射率を高くして、
S帯,C帯及びL帯の光信号を反射させる。ここで、S
帯は1450〜1485nmの波長の帯域の光信号を示
し、C帯は1530〜1560nmの波長の帯域の光信
号を示し、L帯は1565〜1610nmの波長の帯域
の光信号を示している。
【0070】ファイバアンプ104〜106は、各々S
帯,C帯,L帯の波長の光信号の増幅を行うが、各々帯
域のなかの波長によりゲインが異なる。例えば、図15
に示すように、ファイバアンプ105のゲイン(Gain)
の特性は平坦なものでなく、波長により変動している。
このため、GFF・107〜109は、光学フィルタで
あり、図15に示す様にファイバアンプ105のゲイン
の特性とは逆のゲイン特性を有しており、各々のファイ
バアンプ104,105、106の増幅した光強度を平
坦にするために用いられる。本発明の成膜装置により、
高い精度で薄膜を成膜することができるため、高い精度
の周波数特性を有する上述したBPF,Zフィルタ及び
GFFを製造することが可能となる。
【0071】また、第1〜第4の実施形態において、薄
膜の厚さを測定するために、透過率を用いていたが、成
膜中の薄膜から反射される反射光の光量を測定して、こ
の反射光の光量から求めた反射率を、第1〜第4の実施
形態の各処理及び演算に用い、上記透過率に変えて薄膜
の成膜制御に用いても、同様の効果が得られることはい
ううまでもない。さらに、第1〜第4の実施形態におい
て、複数の測定光の目標位相と測定位相との差である各
位相差の2乗和が最小となる点(時刻)を成膜終了点と
して推定するようにしたが、他の成膜終了点の推定方法
として、上記各位相差の絶対値の和が最小となる点(時
刻)を成膜終了点として推定するようにしても、同様の
効果が得られる。
【0072】
【発明の効果】本発明の成膜装置によれば、測定光とし
て、単色光でなく、波長の異なる複数の測定光により、
成膜の終点を推定しているため、単色光だけでは防止で
きない透過率の測定誤差及び干渉などの影響を、複数の
標本を同様のタイミングで取得して総合判断し、成膜終
了点を求めることにより低下させることができる。ま
た、本発明の成膜装置によれば、波長の異なる複数の測
定光により、成膜の終点を推定するため、外乱などによ
り透過率の測定値が揺らいだとしても、この測定された
透過率によりフィッティングされた、各々の波長に対応
した近似曲線の位相変化に基づいて、各測定光による位
相進行度合いにより成膜制御するため、誤差が低減され
る効果がある。
【0073】さらに、本発明の成膜装置によれば、波長
の異なる複数の測定光により成膜終了点を推定するた
め、所定の測定光の透過率の測定結果が他の層の影響に
より誤差を生じたとしても、複数の測定光の各透過率か
ら求まる成膜終了点により成膜制御するため、多層膜の
形成における膜厚の制御の精度を大幅に向上させること
が可能である。加えて、本発明の成膜装置によれば、測
定された透過率によりフィッティングされた各々の波長
に対応した近似曲線の位相変化に基づいて、各透過率か
ら求まる位相進行度合いを、全ての測定光において総合
的に判定して成膜終了点を推定するため、極値を通過し
なくても成膜終了の点が高い精度により推定できるの
で、測定波長λに対してλ/4以下の膜厚の薄膜を生成
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による成膜装置の構成例
を示すブロック図である。
【図2】 図1における成膜装置本体100の構成例を
示すブロック図である。
【図3】 図2における光学モニタセンサ205の構成
例を示す概念図である。
【図4】 透過率Tの逆数が時間(横軸)に対して周期
的に変動することを示すグラフである。
【図5】 位相差の2乗(縦軸)と時間(横軸)との関
係を示すグラフである。
【図6】 理論的な位相差の2乗和の変化(実線)と、
式(8)による2次回帰線との関係を示す図である。
【図7】 2次回帰線の特性を示す図である。
【図8】 本発明の一実施形態による成膜装置の動作例
を示すフローチャートである。
【図9】 GFFの構成を示す概念図である。
【図10】 第3の実施形態における光学モニタセンサ
205の構成例を示す概念図である。
【図11】 第4の実施形態における光学モニタセンサ
205の構成例を示す概念図である。
【図12】 多層薄膜を用いた光学フィルタである光B
PF(バンドパスフィルタ)の断面図である。
【図13】 伝搬する光信号の強度が減衰するときに、
減衰した光強度を増幅する中継局に用いられるZフィル
タ(エッジフィルタ)及びGFFの応用例を示す概念図
である。
【図14】 バンドパスフィルタの特性を示す、反射率
と入射光の波長との関係を示すグラフである。
【図15】 GFFの波長に対する増幅の特性を示す図
である。
【図16】 従来の成膜装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図17】 成膜における、透過率(縦軸)と時間(横
軸)との対応関係、すなわち透過率の周期的な位相変化
のグラフである。
【符号の説明】
2 基板ホルダ回転機構 3 真空チャンバ 11 光学モニタ 12 位相推定部 13 成膜制御部 100 成膜装置本体 102 イオンガン 150 排気口 201 基板ホルダ 201H 窓部 202 基板 203 投光部 204 受光部 205 光学モニタセンサ 207 ターゲット 208 回転軸 F1,F2 光ファイバ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の波長の測定光を用い、成膜中の膜
    における、各々の測定光の透過する光量、または測定光
    の反射する光量を計測する光学的測定手段と、 各々の測定光の波長において、予想される、所望の膜厚
    に到達するまでの前記各光量の周期的な変化と、該周期
    の位相の関係から、前記所望の膜厚に対応する点の位相
    を求め、前記周期的な変化と、前記光学的測定手段によ
    りモニタされた前記各光量の変化と、の比較から、前記
    所望の膜厚に対応する点の位相に対する、前記成膜中の
    膜の膜厚に対応する点の位相の割合を示す、位相進行度
    合いを求める位相推定手段と、 前記各々の測定波長における位相進行度合いから複合的
    に成膜終了点を算出し、該成膜終了点で成膜を終了させ
    る成膜制御手段とを備えることを特徴とする成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記位相推定手段が、複数層の膜を成膜
    する場合、前記複数層の膜構成から予想される前記周期
    的な変化と、前記光学的測定手段にモニタされた前記光
    量の変化と、の比較から前記位相の進行度合いを求める
    ことを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 【請求項3】 前記位相推定手段が、各々の測定波長の
    光量の逆数を求め、余弦関数または正弦関数で回帰され
    た前記周期的な変化と、前記光学的測定手段にモニタさ
    れた前記光量の変化と、の比較から前記位相進行度合い
    を求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記光学的測定手段が、一対の波長可変
    光源と光量検出手段とから構成され、時分割に順次異な
    った測定波長の位相を検出することを特徴とする請求項
    1から請求項3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】 前記光学的測定手段が、一対の、波長可
    変光源と光量検出手段と、から構成され、 測定波長を周期的に掃引し、複数の波長における前記光
    量の変化を測定して、変化的なデータ処理により前記複
    数の波長のそれぞれにおける前記光量を決定することを
    特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の成
    膜装置。
  6. 【請求項6】 前記光学的測定手段が、複数の異なった
    波長の光源と、光量検出手段との対から構成され、被測
    定面の垂直軸に対して互いに微小角となる光軸を取り、
    被測定面の同一点を通過するように配置されることを特
    徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の成膜
    装置。
  7. 【請求項7】 前記光学的測定手段が、広帯域波長を有
    する光を放射する光源と分光手段とから構成されてお
    り、分光された各々の測定波長の光量を並列に測定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記
    載の成膜装置。
  8. 【請求項8】 複数の波長の測定光を用い、成膜中の膜
    における、各々の測定光の透過する光量、または測定光
    の反射する光量を計測する光学的測定過程と、 各々の測定光の波長において、予想される、所望の膜厚
    に到達するまでの前記各光量の周期的な変化と、該周期
    の位相との関係から、前記所望の膜厚に対応する点の位
    相を求め、前記周期的な変化と、前記光学的測定過程に
    よりモニタされた前記各光量の変化と、の比較から、前
    記所望の膜厚に対応する点の位相に対する、前記成膜中
    の膜の膜厚に対応する点の位相の割合を示す、位相進行
    度合いを求める位相推定過程と、 前記各々の測定波長における位相進行度合いから複合的
    に成膜終了点を算出し、該成膜終了点で成膜を終了させ
    る成膜制御過程とを備えることを特徴とする成膜方法。
  9. 【請求項9】 前記成膜終了点が、前記各々の測定波長
    における前記所望の膜厚に対応する点の位相と、前記成
    膜中の膜の膜厚に対する点の位相との位相差を求め、全
    測定波長の前記位相差の自乗和が最小となる点として算
    出されることを特徴とする請求項8記載の成膜方法。
  10. 【請求項10】 複数層の膜を成膜する場合、前記位相
    推定過程において、前記複数層の膜構成から予想される
    前記周期的な変化と、前記光学的測定過程においてモニ
    タされた前記光量の変化と、比較から前記位相進行度合
    いを求めることを特徴とする請求項9記載の成膜方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項7のいずれか成膜装
    置、または請求項8から請求項9のいずれかの成膜方法
    により成膜された多層薄膜からなる光学フィルタ。
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