JP3935221B2 - 原子炉監視装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の炉心流量に基づいて、原子炉出力の安定性を監視する原子炉監視装置に係わり、特に炉心流量の他に各再循環流量を用いて安定性を監視することにより、監視精度を向上し得る原子炉監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、沸騰水型原子炉においては、ウラン燃料の燃料効率を向上させる観点から、U235 の濃縮度を高めて得られる高濃縮燃料の使用が推進されつつある。
一方、沸騰水型原子炉は、その核特性の1つとして、原子炉出力に比して炉心流量の極端に低下した場合、原子炉出力が不安定となる傾向があり、高濃縮燃料を使用した場合、この傾向が若干顕著になることが指摘されている。このため、炉心流量は常に十分高い状態に保つように運用されている。
【0003】
また、高濃縮燃料を導入する際には、原子炉出力の安定性の確保のため、既存の炉心流量算出装置に対し、炉心流量の低下の有無を監視する監視装置が新たに増設される。
【0004】
図8はこの種の監視装置及び炉心流量算出装置の構成を示す回路ブロック図である。炉心流量算出装置1では、図示しないn系統の再循環流路における夫々の再循環流量に対応して各々再循環流量信号が与えられたとき、n個の電流・電圧変換回路21〜2nが各再循環流量信号を個別に電流/電圧変換して開平演算回路31〜3nに与える。
【0005】
各開平演算回路31 〜3n はこの電流・電圧変換回路21 〜2n の出力を開平演算して平均演算回路4に与え、平均演算回路4は、これら各開平演算回路31 〜3n の出力を平均演算して炉心流量信号を求めると共に、求めた炉心流量信号を監視装置5に送出する。
【0006】
監視装置5では、比較回路6がこの炉心流量信号と所定の炉心流量設定値とを比較し、炉心流量信号の示す炉心流量が炉心流量設定値よりも低い場合、信号出力回路7を介して警報を出力する。なお、炉心流量設定値としては、通常の炉心流量よりも低めに設定されているので、炉心流量の極端な低下を検出可能となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら以上のような監視装置5では、既存の炉心流量算出装置1に増設されるため、炉心流量算出装置1から出力される炉心流量信号を監視するが、この炉心流量信号が各再循環流路における再循環ポンプが正常に動作していることを前提とするため、一部の再循環ポンプが停止した場合、演算出力される炉心流量と実際の炉心流量との間に誤差が生じる問題がある。
【0008】
このため、炉心流量の監視においては、この誤差の最大値を考慮して安全度を高めるように炉心流量設定値が決定される。従って、安全上は全く問題ないが、不要な警報の発生によって原子炉の運転効率を低下させる可能性があり、監視精度の向上が求められている。
【0009】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、炉心流量の他に各再循環流量を用いて原子炉出力の安定性を監視することにより、監視精度を向上し得る原子炉監視装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に対応する発明は、複数の再循環ポンプが配設された再循環流路を有する沸騰水型原子炉に対し、前記各再循環流路毎に順次選択的に所定の時間間隔毎に測定される各々の再循環流量信号を平均して炉心流量値を算出し、この炉心流量値に基づいて、炉心流量の低下の有無を監視する原子炉監視装置であって、前記各再循環流量信号のうち、基準値に達しない再循環流量信号の個数に対応して個別に炉心流量設定値が登録された設定値登録手段と、前記各再循環流量信号毎に前記基準値に達しているか否かを判定し、前記基準値に達しない再循環流量信号の個数に基づいて、前記設定値登録手段から炉心流量設定値を取出す炉心流量取出手段と、前記炉心流量取出手段により取出された前記炉心流量設定値と前記算出された炉心流量値とを比較し、前記炉心流量設定値よりも前記炉心流量値が低いとき、異常を報知する異常報知手段とを備えたことを特徴とする原子炉監視装置である。
【0015】
【作用】
従って、請求項1に対応する発明は以上のような手段を講じたことにより、各再循環流量信号のうち、基準値に達しない再循環流量信号の個数に対応して個別に炉心流量設定値が登録された設定値登録手段を設け、炉心流量取出手段が、各再循環流量信号毎に基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達しない再循環流量信号の個数に基づいて、設定値登録手段から炉心流量設定値を取出し、異常報知手段が、炉心流量取出手段により取出された炉心流量設定値と算出された炉心流量値とを比較し、炉心流量設定値よりも炉心流量値の低いとき、異常を報知するので、炉心流量の他に各再循環流量を用いて原子炉出力の安定性を監視することにより、監視精度を向上させることができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の各実施例に係る原子炉監視装置の構成を示す機能ブロック図であり、図2はこの原子炉監視装置における第1の実施例の構成を示すブロック図である。この原子炉監視装置は、図示しないn系統の再循環流路における夫々の再循環流量に対応して各々の再循環流量信号をA/D変換及び電気/光変換して送出する信号変換装置10と、この信号変換装置10から伝送される光デジタル信号化された再循環流量信号を伝送する光伝送手段20と、この光伝送手段20により伝送される再循環流量信号とこの再循環流量信号から算出される炉心流量信号とを用いて原子炉出力の安定性を監視し、監視結果に対応して警報を出力可能な演算装置30とを備えている。
【0021】
ここで、信号変換装置10は、n個の電流・電圧変換手段111 〜11n と、信号切換手段12と、A/D変換手段13と、パラレル/シリアル(以下、P/Sという)変換手段14と、電気/光(E/O)変換手段15とを備えている。
【0022】
電流・電圧変換手段111 〜11n は、n系統の再循環流路毎に電流信号として測定される各再循環流量信号が入力されたとき、これら各再循環流量信号を個別に電流/電圧変換して信号切換手段12に与えるものであり、ここでは電流・電圧変換回路11a1 〜11an が使用されている。なお、各再循環流量信号は、例えば4〜20mAの電流信号から1〜5Vの電圧信号に変換される。
【0023】
信号切換手段12は、電流電圧変換手段111 〜11n から与えられる各再循環流量信号を順次選択的に所定の時間間隔毎にA/D変換手段13に与えるものであり、ここでは信号切換器(マルチプレクサ)12aが使用されている。
【0024】
A/D変換手段は、信号切換手段12から選択的に与えられる各再循環流量信号を順次A/D変換してP/S変換手段13に与えるものであり、ここではA/D変換器13aが使用されている。なお、このA/D変換器13aは、例えば入力信号幅が−10V〜+10Vであって、A/D変換後の信号のデータ長を16ビットとする場合、−10V〜+10Vを216段階、すなわち“0〜65535”の数値にて表現可能なものであり、ここでは、1〜5Vの電圧信号を“36044〜49151”のデジタル信号に変換するものである。
【0025】
P/S変換手段14は、A/D変換手段13にてA/D変換される各再循環流量信号を順次P/S変換して電気/光変換手段15に与えるものであり、ここではP/S変換器14aが使用されている。
【0026】
電気/光変換手段15は、P/S変換手段14にてP/S変換される各再循環流量信号を順次電気/光変換して光伝送手段20に送出するものであり、ここではフォトダイオード15aが使用されている。
【0027】
光伝送手段20は、電気/光変換手段15にて電気/光変換される各再循環流量信号を順次演算装置30に伝送するものであり、ここでは光ファイバ20aが使用されている。
【0028】
演算装置30は、光/電気変換手段31と、シリアル/パラレル(以下、S/Pという)変換手段32と、演算処理手段33と、警報出力手段34とを備えている。
【0029】
光/電気変換手段31は、光伝送手段20にて伝送される各再循環流量信号を順次光/電気変換してS/P変換手段32に与えるものであり、ここではフォトトランジスタ31aが使用されている。
【0030】
S/P変換手段32は、光/電気変換手段31にて光/電気変換される各再循環流量信号を順次S/P変換して演算処理手段33に与えるものであり、ここではS/P変換器32aが使用されている。
【0031】
演算処理手段33は、S/P変換手段32にてS/P変換される各再循環流量信号に基づいて、炉心流量の低下の有無を判定し、判定結果が炉心流量の低下を示すとき、異常報知指令を警報出力手段34に送出する機能を有し、ここではCPUを備えた演算処理部33aが使用されている。
【0032】
演算処理部33aは、信号記憶部41と、開平演算部42と、平均演算部43と、設定値登録部44と、設定値取出部45と、異常判定/報知部46とを備えている。
【0033】
信号記憶部41は、S/P変換器32aにてS/P変換される各再循環流量信号を一時的に記憶する機能を有し、開平演算部42からアクセス可能となっている。
【0034】
開平演算部42は、信号記憶部41に記憶された各再循環流量信号を開平演算によって規格化して平均演算部43に与える機能をもっている。
平均演算部43は、開平演算部42にて規格化された各再循環流量信号を平均演算して炉心流量値を求め、該炉心流量値を異常判定/報知部46に与える機能をもっている。
【0035】
設定値登録部44は、開平演算部42にて規格化される各再循環流量信号のうち、基準値に達しない再循環流量信号の個数に対応して個別に炉心流量設定値が登録されたものである。
【0036】
設定値取出部45は、開平演算部42にて規格化される各再循環流量信号毎に基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達しない再循環流量信号の個数に基づいて、設定値登録部44から炉心流量設定値を取出し、該炉心流量設定値を異常判定/報知部46aに与える機能をもっている。
【0037】
異常判定/報知部46aは、設定値取出部45により取出された炉心流量設定値と平均演算部43にて算出された炉心流量値とを比較し、炉心流量設定値よりも炉心流量値の低いとき、異常報知指令を警報出力手段34としての警報出力回路34aに送出する機能をもっている。
【0038】
警報出力手段34は、演算処理手段33における異常判定/報知部46aから異常報知指令を受けたとき、原子炉出力の安定性の低下を示す警報を出力する機能をもち、ここではトランジスタのスイッチング作用を用いた警報出力回路34aが使用されている。
【0039】
次に、以上のように構成された原子炉監視装置の動作を説明する。
いま、信号変換装置10aにおいては、電流・電圧変換回路11a1 〜11an が、n系統の再循環流路毎に電流信号として測定される各再循環流量信号が入力されたとき、これら各再循環流量信号を個別に電流/電圧変換して信号切換器12aに与える。
【0040】
信号切換器12aは、各電流・電圧変換回路11a1 〜11an から与えられる各再循環流量信号を順次選択的に所定の時間間隔毎にA/D変換器13aに与える。
【0041】
A/D変換器13aは、選択的に与えられる各再循環流量信号を順次A/D変換して“36044〜49151”の数値にて表現し、このA/D変換された各再循環流量信号をP/S変換器14aに与える。
【0042】
P/S変換器14aは、これら各再循環流量信号を順次P/S変換してフォトダイオード15aに与え、フォトダイオード15aは、各再循環流量信号を順次電気/光変換して光ファイバ20aに送出する。
【0043】
光ファイバ20aは、電気/光変換された各再循環流量信号を順次演算装置30aに伝送する。
演算装置30aにおいては、フォトトランジスタ31aが光ファイバ20aにて伝送される各再循環流量信号を順次光/電気変換してS/P変換器32aに与える。
【0044】
S/P変換器32aは、光/電気変換される各再循環流量信号を順次S/P変換して演算処理部33aに与える。
演算処理部33aにおいては、信号記憶部41がS/P変換器32aにてS/P変換される各再循環流量信号を一時的に記憶する。
【0045】
以下同様に、他の再循環流量信号が信号切換器12a乃至S/P変換器32aを介して信号記憶部41に記憶される。結果的に、信号記憶部41では、全ての再循環流量信号が一時的に記憶される。
【0046】
続いて、開平演算部42は、信号記憶部41に記憶された各再循環流量信号を開平演算によって規格化して平均演算部43に与える。
例えば、記憶された再循環流量信号をf(36044〜49151)とすると、規格化された再循環流量信号F(0%〜125%)は次の(1)式に示すように求められる。
再循環流量信号F={(f−オフセット)/フルスケール}1/2 ×125%…(1)
但し、フルスケール=13107(=49151−36044)
オフセット =36044
平均演算部43は、開平演算部42にて規格化された各再循環流量信号Fを次の(2)式に示すように平均演算して炉心流量値CFを求め、該炉心流量値CFを異常判定/報知部46に与える。
【0047】
【数4】
【0048】
一方、設定値取出部45は、開平演算部42にて規格化される各再循環流量信号F毎に基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達しない再循環流量信号の個数に基づいて、設定値登録部44から炉心流量設定値を取出し、該炉心流量設定値を異常判定/報知部46に与える。
【0049】
例えば、各再循環流量信号が全て基準値以上の場合、炉心流量設定値を40%とし、各再循環流量信号のうちの1つが基準値未満の場合、炉心流量設定値を43%とし、各再循環流量信号のうちの2つが基準値未満の場合、炉心流量設定値を50%とする。このように、各再循環流量信号の状態に基づいて異なる炉心流量設定値が異常判定/報知部46に与えられる。
【0050】
異常判定/報知部46は、この炉心流量設定値と炉心流量値CFとを比較し、炉心流量設定値よりも炉心流量値CFの低いとき、異常報知指令を警報出力回路34aに送出する。
【0051】
警報出力回路34aは、この異常報知指令を受けたとき、原子炉出力の安定性の低下を示す警報を出力する。
上述したように第1の実施例によれば、各再循環流量信号のうち、基準値に達しない再循環流量信号の個数に対応して個別に炉心流量設定値が登録された設定値登録部44を設け、設定値取出部45が、各再循環流量信号毎に基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達しない再循環流量信号の個数に基づいて、設定値登録部44から炉心流量設定値を取出し、異常判定/報知部46が、取出された炉心流量設定値と算出された炉心流量値とを比較し、炉心流量設定値よりも炉心流量値の低いとき、異常を報知するので、炉心流量の他に各再循環流量を用いて原子炉出力の安定性を監視することにより、監視精度を向上させることができる。
【0052】
また、本実施例によれば、信号変換装置10aを簡易な構成としたので、信頼性の向上を図ることができる。
なお、本実施例と同様の演算処理を従来の装置に実行させる場合、図3に示すように、n系統の各再循環流量信号を個別に監視するためのn個の比較回路511 〜51n 、設定値の選択ロジック回路52並びに設定値の切換スイッチ回路53等を追加して設置スペースの増大を招くので、既存の装置の限定されたスペースに納まらない可能性が生じ、結果的に炉心流量の監視のみしか実現できなかった。
【0053】
これに対して本実施例装置は、1系統の開平演算部42並びに異常判定/処理部46などによって順次、演算処理を実行する形式なので、設置スペースを増大させず、既存の限定されたスペースであっても設置することができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施例に係る原子炉監視装置について説明する。
図4はこの原子炉監視装置の構成を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付しほぼ同一部分にはbの添字を付してその詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0055】
すなわち、本実施例装置は、n系統の再循環流量信号並びに炉心流量値CFのうちのいずれかが異常のときに警報を出力するものであり、具体的には図2に示す装置に比べて設定値登録部44及び設定値取出部45を省略し、開平演算部42にて規格化される各再循環流量信号毎に基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達しない再循環流量信号のあるとき、異常報知指令を警報出力回路34aに送出する循環流量判定部47を設けている。
【0056】
また、図2に示す異常判定/報知部46に代えて、予め設定される炉心流量設定値と平均演算部にて算出された炉心流量値とを比較し、炉心流量設定値よりも炉心流量値の低いとき、異常報知指令を警報出力回路34aに送出する異常判定/報知部46bを備えている。
【0057】
ここで、前述同様に開平演算部42にて各再循環流量信号が規格化されたとする。循環流量判定部47は、各再循環流量信号毎に基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達しない再循環流量信号のあるとき、異常報知指令を警報出力回路34aに送出する。
【0058】
また、前述同様に平均演算部43にて炉心流量値CFが算出されたとする。異常判定/報知部46bは、予め設定される炉心流量設定値と平均演算部43にて算出された炉心流量値とを比較し、炉心流量設定値よりも炉心流量値の低いとき、異常報知指令を警報出力回路34aに送出する。
【0059】
警報出力回路34aは、循環流量判定部47又は異常判定/報知部46bから異常報知指令を受けたとき、原子炉出力の安定性の低下を示す警報を出力する。このように、n系統の再循環流量信号並びに炉心流量値CFのうちのいずれかが異常のときに警報を出力することができる。
【0060】
上述したように第2の実施例によれば、循環流量判定部47が、各再循環流量信号毎に所定の基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達しない再循環流量信号の有るとき、異常を報知し、異常判定/報知部46bが、算出された炉心流量値と予め設定される炉心流量設定値とを比較し、炉心流量設定値よりも炉心流量値の低いとき、異常を報知するので、炉心流量の他に各再循環流量を用いて原子炉出力の安定性を監視することにより、監視精度を向上させることができる。
【0061】
また、第1の実施例と同様に、信号変換装置10aを簡易な構成としたので、信頼性の向上を図ることができる。
なお、本実施例と同様の演算処理を従来の装置に実行させる場合、図5に示すように、n系統の各再循環流量信号を個別に監視するためのn個の比較回路511 〜51n 並びにOR回路54を追加して設置スペースの増大を招くので、前述した通り、炉心流量の監視のみしか実現できなかった。
【0062】
これに対して本実施例装置は、前述した通り、設置スペースを増大させず、既存の限定されたスペースであっても設置することができる。
【0071】
次に、本発明の第3の実施例に係る原子炉出力監視装置について説明する。
【0072】
図6はこの原子炉出力監視装置の構成を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付しほぼ同一部分にはmの添字を付してその詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0073】
すなわち、本実施例装置は、図2に示す装置の冗長化を図るものであり、具体的には図2に示す装置に比べ、P/S変換器14aに代えて、再循環流量信号をP/S変換して並列出力するP/S変換器14mとし、P/S変換器14aの後段のフォトトランジスタ15a乃至警報出力回路14aを並列に冗長化させて設け、且つP/S変換器14mの並列出力を各フォトトランジスタ15aに個別に入力させるようにしている。
【0074】
ここで、前述同様にA/D変換器13aにて再循環流量信号がA/D変換され、この再循環流量信号がP/S変換器14mに与えられたとする。
P/S変換器14mは、再循環流量信号をP/S変換して各フォトダイオード15aに並列出力する。各フォトダイオード15aは、夫々前述同様に、再循環流量信号を順次電気/光変換して個別に光ファイバ20aに送出する。
【0075】
各光ファイバ20aは、夫々、電気/光変換された各再循環流量信号を個別に対応する演算装置30aに伝送する。
以下、各演算装置30aは、前述した通り、開平演算並びに平均演算等を実行し、炉心流量の低下の有無を監視する。
【0076】
上述したように第3の実施例によれば、信号変換装置10aにて電流・電圧変換、A/D変換及び伝送処理等のように演算以外の処理を実行し、複数の演算装置30aにて開平演算並びに平均演算等を実行し、且つ信号変換装置10aと各演算装置30aとの間を光伝送させているので、各演算装置30aの独立性を保ちながら冗長化を実現でき、もって、原子力システムに要求される,装置の冗長化と各冗長系の独立性の確保とを実現させることができる。
【0077】
また、本実施例によれば、信号変換装置10aを簡易な構成としたので、信頼性の向上を図ることができる。
なお、上記第3の実施例では、図2に示す装置を図6に示すように冗長化させる場合について説明したが、これに限らず、図4に示す装置を図7に示すように冗長化させた構成としても、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることができる。
【0079】
その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、複数の再循環ポンプが配設された再循環流路における各再循環流量信号のうち、基準値に達しない再循環流量信号の個数に対応して個別に炉心流量設定値が登録された設定値登録手段を設け、炉心流量取出手段が、各再循環流量信号毎に基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達しない再循環流量信号の個数に基づいて、設定値登録手段から炉心流量設定値を取出し、異常報知手段が、炉心流量取出手段により取出された炉心流量設定値と算出された炉心流量値とを比較し、炉心流量設定値よりも炉心流量値の低いとき、異常を報知するので、炉心流量の他に各再循環流量を用いて原子炉出力の安定性を監視することにより、監視精度を向上できる原子炉監視装置を提供できる。また、各再循環流路毎に順次選択的に所定の時間間隔毎に流量を測定するので、計測装置の設置スペースを増大させず、既存の限定されたスペースであっても設置することができる原子炉監視装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係る原子炉監視装置の構成を示す機能ブロック図、
【図2】本発明の第1の実施例に係る原子炉監視装置の構成を示すブロック図、
【図3】同実施例における構成と従来技術の延長構成とを比較するためのブロック図、
【図4】本発明の第2の実施例に係る原子炉監視装置の構成を示すブロック図、
【図5】同実施例における構成と従来技術の延長構成とを比較するためのブロック図、
【図6】本発明の第3の実施例に係る原子炉監視装置の構成を示すブロック図、
【図7】 同実施例に対する変形構成を示すブロック図、
【図8】 従来の原子炉監視装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
10a…信号変換装置、11a1〜11an…電流・電圧変換回路、12…信号切換器、13a…A/D変換器、14a…P/S変換器、15a…フォトダイオード、20a…光ファイバ、30a…演算装置、31a…フォトトランジスタ、32a…S/P変換器、33a…演算処理部、34a…警報出力回路、41…信号記憶部、42…開平演算部、43…平均演算部、44…設定値登録部、45…設定値取出部、46…異常判定/報知部。
Claims (1)
- 複数の再循環ポンプが配設された再循環流路を有する沸騰水型原子炉に対し、前記各再循環流路毎に順次選択的に所定の時間間隔毎に測定される各々の再循環流量信号を平均して炉心流量値を算出し、この炉心流量値に基づいて、炉心流量の低下の有無を監視する原子炉監視装置であって、
前記各再循環流量信号のうち、基準値に達しない再循環流量信号の個数に対応して個別に炉心流量設定値が登録された設定値登録手段と、
前記各再循環流量信号毎に前記基準値に達しているか否かを判定し、前記基準値に達しない再循環流量信号の個数に基づいて、前記設定値登録手段から炉心流量設定値を取出す炉心流量取出手段と、
前記炉心流量取出手段により取出された前記炉心流量設定値と前記算出された炉心流量値とを比較し、前記炉心流量設定値よりも前記炉心流量値が低いとき、異常を報知する異常報知手段と
を備えたことを特徴とする原子炉監視装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP5299695A JP3935221B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 原子炉監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5299695A JP3935221B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 原子炉監視装置 |
Publications (2)
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1995
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