JP3934877B2 - 動物細胞培養用無血清培地 - Google Patents
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Description
発明の背景
本発明は、動物細胞培養用無血清培地、当該無血清培地を用いて動物細胞を培養する方法、および当該無血清培地での動物細胞の培養を利用して物質を製造する方法に関する。
【0002】
遺伝子組み換え技術を利用して、種々の蛋白質、ペプチドを人為的に生産する方法が開発され、また、それに用いられる形質転換細胞の創製とその培養方法の研究が進められている。これらの形質転換細胞のうち、宿主細胞として哺乳動物由来の細胞を用いて、医薬品に利用されるヒト由来の蛋白質等の組み換え生産が行われる。幾つかの哺乳動物由来の細胞が、宿主細胞として利用されているが、広く利用されるものの一つに、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)がある。遺伝子組み換え技術の適用に必要な、各種の選択マーカーとそれを利用した組み換え細胞株の選別法、宿主細胞としては、前記の様々な選択マーカーが有効に機能する遺伝子的な欠陥、あるいは、それに伴う栄養要求性を示すサブ−セルライン多数が確立されている。また、CHO細胞を始め、哺乳動物由来の細胞の培養には、血清、血清中から分離した蛋白質成分を添加した培地が多用されていたが、近年血清中に混入する不要物、例えばウイルスや病原性プリオン等、組み換え蛋白質等の最終製品に残留してはならない汚染物を排除するため、無血清培地の開発が進められてきた。
【0003】
血清のみでなく、血清中から分離された蛋白質、例えば、血清アルブミン、トランスフェリン、フェツイン、各種のペプチドホルモン、成長因子蛋白質類など、あるいは、血液を含む組織、例えば、牛肉の加水分解物など、前記の動物から採取された蛋白質やペプチド類の使用においても、同様な汚染が引き起こされる懸念が提起されている。従って、これらの動物から採取された蛋白質やペプチド類をも添加しない無血清培地の開発が進められている。具体的には、培地に添加される各種のペプチドホルモン、成長因子蛋白質類などのうち、遺伝子組み換え技術を利用して生産できるものについては、高度に精製された組み換え生産物への転換がなされている。その他、非動物性細胞から採取された蛋白質、ペプチド類、脂質類などを、上述の動物から採取された蛋白質やペプチド類等に換えて利用することが試みられている。
【0004】
即ち、開発が進められている無血清培地は、培養する形質転換細胞の構成物質、具体的には、培養細胞内で産生される各種蛋白質・ペプチド類、脂質類、核酸類等の生合成に利用される原料化合物(例えばアミノ酸類、核酸やヌクレオシド前駆体、脂肪酸類など)、更には、細胞質の構成成分等、細胞の生育と分裂の際、細胞外から摂取し細胞の構成要素・成分自体に利用される種々の成分(例えば、金属元素、リン酸、塩素イオンなど、酵素に対する補酵素等に利用されるビタミン類など)、細胞の増殖の際、細胞外から吸収される成分を過不足なく含む基礎培地に、細胞増殖を誘起又は促進させる各種のペプチドホルモン、成長因子蛋白質類などを加えたものとなっている。
【0005】
更に、前記の細胞増殖自体の誘起又は促進に不可欠な成分に加えて、培養速度を高い水準に維持する役割を果たす補完的な成分の添加が検討されている。加えて、培養された形質転換細胞からの目的の遺伝子生産物、具体的には、組み換え蛋白質等の産生を促進する、あるいは、高い水準に維持する役割を果たす補完的な成分の添加が検討されている。具体的には、前記の補完的な役割を持つものとして培地に添加する補完的な成分の選択とその最適化添加量の選定を進め、従前の血清添加培地と遜色のない培養性能を達成できる無血清培地の提案がなお待たれている。特に、医薬品に利用されるヒト由来の蛋白質等の組み換え生産に汎用されている哺乳動物由来細胞、特には、CHO細胞に対して、従前の血清添加培地と遜色のない培養性能を達成できる無血清培地の新たな提案が待たれている。加えて、かかる新たな無血清培地を用いて、哺乳動物由来細胞、特には、CHO細胞を培養する方法、その培養によって、目的とするヒト由来の蛋白質等の組み換え生産を高い効率で行う方法の提供も望まれている。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、本発明の目的は、動物細胞の培養に用いられる無血清培地を提供することである。
また、本発明は、前記無血清培地中にて動物細胞を培養する方法を提供することも目的とする。
さらに、本発明は、前記無血清培地中にて動物細胞を培養することによって、当該動物細胞が産生して、細胞外に分泌する物質を得る方法を提供することも目的とする。
【0007】
発明の概要
本発明者らは、前記の課題を解決すべく、鋭意研究を進めたところ、細胞外から摂取されて、細胞の構成要素・成分自体に利用される種々の成分を過不足なく含む基礎培地に、細胞増殖を誘起又は促進させる各種のペプチドホルモン、成長因子蛋白質類などを加えた無血清培地において、哺乳動物細胞、特には、CHO細胞の増殖が達成されることを見出した。さらに、増殖速度を高く維持すべく、基礎培地組成の最適化を行ったが、それでもなお、哺乳動物細胞、特には、CHO細胞の増殖速度は、前記無血清培地に血清又は血清由来の蛋白質、蛋白質加水分解物、ペプチド類などを添加した培地と比較して、未だ有意に劣るものであった。血清又は血清由来の蛋白質、蛋白質加水分解物、ペプチド類など、動物から分離される成分に換え、植物由来の成分ならびにヒト又は哺乳動物に対する病原性を示さない微生物に由来する多数種の成分から、特定の組み合わせを選択し、その添加量を最適範囲に選択することで、これら無血清培地中でも血清含有培地における増殖速度と遜色のない培養性能を達成できることを見出した。本発明者らは、かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物を含む動物細胞培養用無血清培地を提供する。本発明の無血清培地は、さらにコムギ蛋白質加水分解物を含んでもよい。本発明の無血清培地を用いれば、血清、血清由来の蛋白質、蛋白質加水分解物、ペプチド類などの動物から分離された成分を添加しなくとも、動物細胞を培養することができる。ダイズ蛋白質加水分解物の添加量は培地1L当たり1〜5g、酵母抽出物の添加量は培地1L当たり1〜5gであるとよい。このとき、コムギ蛋白質加水分解物の添加量は培地1L当たり0.5〜3gであるとよい。また、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量:酵母抽出物の添加量の重量比は80:20〜60:40であるとよい。このとき、コムギ蛋白質加水分解物の添加量は、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量を加算した重量総和の5〜60%の範囲にあるとよい。本発明の無血清培地を用いて、動物細胞、好ましくは哺乳動物細胞、より好ましくはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を培養することができる。動物細胞は、外来遺伝子が導入された形質転換細胞であってもよい。
【0009】
また、本発明は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物を含む無血清培地で動物細胞を培養する工程を含む動物細胞の培養方法を提供する。動物細胞は、好ましくは哺乳動物細胞であり、より好ましくはCHO細胞である。動物細胞は、外来遺伝子が導入された形質転換細胞であってもよい。
【0010】
さらに、本発明は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物を含む無血清培地で動物細胞を培養して、当該動物細胞に物質を産生させ、細胞外に分泌させる工程、および当該物質を当該無血清培地から単離する工程を含む物質の製造方法を提供する。物質は蛋白質またはペプチドであってもよい。動物細胞は外来遺伝子が導入された形質転換細胞であってもよく、当該動物細胞が産生して、細胞外に分泌する物質は導入された外来遺伝子の遺伝子産物、例えば、組み換え蛋白質またはペプチドであってもよい。また、動物細胞は、好ましくは哺乳動物細胞、より好ましくはCHO細胞である。
本明細書は、本願の優先権の基礎である米国特許出願第09/113,357号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
【0011】
図面の簡単な説明
(図面の説明については下記参照)
【0012】
好ましい態様の説明
以下、本発明の一態様について説明する。
本発明の無血清培地は、動物細胞、好ましくは哺乳動物細胞、より好ましくはCHO細胞の培養に用いることができる。本明細書において、「無血清培地」とは、培地成分として、血清、血清から分離される蛋白質等の血清中成分の何れをも含有しない培地をいうものとする。加えて、本発明の無血清培地は、前記の血清、血清から分離される蛋白質等の血清中成分に限らず、動物から分離される成分を全く含まないものである。
【0013】
本発明の無血清培地で培養することができる動物細胞としては、CHO細胞、HELA細胞、baby hamster kidney (BHK)細胞、rodent myeloma細胞などの哺乳類動物細胞、ショウジョウバエの細胞系などの昆虫細胞、およびそれらの細胞に外来遺伝子を導入した形質転換細胞を挙げることができる。
【0014】
本発明の無血清培地は、基礎培地成分として、培養すべき動物細胞がその細胞外から摂取し、且つ細胞の構成要素・成分自体に利用される種々の無機物、合成物、植物由来の成分から選択される各種養分成分の所定量、当該動物細胞に直接作用し、その細胞増殖を誘起又は促進する作用を示す、合成又は遺伝子組み換え法で生産されたペプチドホルモンないしは細胞成長因子の所定量を含み、更に、補完的成分として、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物を含む。加えて、補完的成分として添加される、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物に加えて、更に好ましくは、コムギ蛋白質加水分解物をも添加する。
【0015】
本発明の無血清培地は、哺乳動物から分離される成分を含有しないが、この哺乳動物から分離される成分とは、血清のみでなく、血清中から分離された蛋白質、例えば、血清アルブミン、トランスフェリン、フェツイン、各種のペプチドホルモン、成長因子蛋白質類など、あるいは、血液を含む組織、例えば、牛肉の加水分解物など、前記の哺乳動物から採取された蛋白質やペプチド類をはじめ、脂質類、炭水化物類など哺乳動物源から採取された有機物成分などを意味する。
【0016】
本発明の無血清培地において、基礎培地成分として添加される、培養すべき動物細胞、好ましくは哺乳動物細胞、より好ましくはCHO細胞がその細胞外から摂取し、且つ細胞の構成要素・成分自体に利用される種々の無機物、合成物、植物由来の成分から選択される各種養分成分としては、例えば、下記の表1に列記される成分が具体例として挙げられる。即ち、基礎培地成分としては、各種のアミノ酸類、核酸類又はその前駆体類、必須な金属や無機イオン類、脂質類、ビタミン類、補酵素や補因子類、エネルギー源、炭素源、窒素源として利用される有機物類が挙げられる。これらの成分は、動物細胞を構成する種々の生体物質の生合成の課程で利用される。その他、基礎培地成分には、種々のペプチドホルモンや成長因子蛋白質であって、動物から直接分離されないもの、具体的には、組み換え技術で作成されるもの、あるいは、人為的に合成されるもの、植物から採取されるものを含み、更に、所望のpHを維持するために、種々の緩衝剤成分、また、所定の浸透圧に制御するため、無機の浸透圧調整剤を添加する。
特に、CHO細胞培養において、この基礎培地成分として添加される各種養分成分の添加量のより好ましい一例として、表1に具体例を示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【0019】
【0020】
上記表1において、鉄源として、無機鉄塩に加えて、鉄EDTA錯体をも利用するが、その添加量は、培地の調製が終了した際、培地中に表中に記載された濃度で溶解する量を意味する。上記の基礎培地成分は、当該CHO細胞が必要とする必須アミノ酸と可欠アミノ酸類、炭素源あるいはエネルギー源として利用する単糖類、各種核酸類、ビタミン類と必要とされる脂質、脂肪酸類、細胞質中に含まれる電界質イオン類、金属イオン類、酸類、酵素蛋白質に利用される各種金属元素、補酵素類など、当該細胞を構成するのに必要となる物質、例えば、細胞膜、核膜等、ペプチド、蛋白質類、各種のDNA、RNA等の生合成に利用される種々の養分成分を不足無く含有するものである。前記の養分成分は、当該細胞が、培地より細胞内に取り込み・吸収し、細胞の維持、分裂に際し、利用するものである。更には、基礎培地成分として、当該培地のpHを培養に適する値に保持する緩衝剤成分、適度な浸透圧を維持する浸透圧調製剤成分も適量含有されている。なお。上記表1の基礎培地において、pHは、7.0〜7.5の範囲に、浸透圧は、280〜320の範囲に調節されている。特に好ましくは、基礎培地において、pHは、7.2〜7.4の範囲に、浸透圧は、290〜300の範囲になるべく、緩衝剤成分のNaHCO3等と浸透圧調整成分のNaCl等の添加量を調節するとよい。
【0021】
加えて、本発明の培地に利用できる基礎培地として、例えば、この表1に示す組成は代表的なものの一つではあるが、それに含まれる種々の成分をそれと等価な成分と置き換えたものを用いることもできる。例えば、アミノ酸のシステインとシスチンなど互いに等価なものを置き換えを行うことができ、各種金属元素などは、水溶性の無機酸塩であり、動物細胞の培地に使用可能である限り、この表1に記載される塩以外の塩を用いることができる。あるいは、単糖類として汎用されるグルコースの一部をフルクトースに置き換えることもでき、また、ビタミン類の内、ビタミンB12のように幾種かの化合物が同様の作用を持ち、互いに代替可能なものについては、一部を置き換えることもできる。その他、培養されるCHO細胞が要求する栄養素、あるいは、当該組み換えCHO細胞において、遺伝子組み換えに利用されるマーカー遺伝子の存在を検定するために添加される付加的な成分は、適用される組み換えCHO細胞の性状に従い適量を添加するとよい。更には、遺伝子組み換えに利用されるマーカー遺伝子の存在を検定するため、その妨げになる成分は、例えば、表1に記載されているものであっても、その目的に沿って添加を省くこともできる。
【0022】
本発明の無血清培地に添加され、動物細胞に直接作用し、その細胞増殖を誘起又は促進する作用を示すペプチドホルモンないしは細胞成長因子は、合成又は遺伝子組み換え法で生産されたものを用いる。即ち、合成又は遺伝子組み換え法で生産され、十分に高い精製がなされ、好ましからざる汚染、例えば、ウイルス、マイコプラズム、病原性プリオン等の混入のないものを用いる。動物細胞に直接作用し、その細胞増殖を誘起又は促進する作用を示すことが既に報告されているペプチドホルモンないしは細胞成長因子は、従来から培地に添加されているが、本発明でも同様に利用される。具体的には、細胞増殖を誘起又は促進するペプチドホルモン、細胞成長因子の一例として、組み換えインシュリン、ないしは天然インシュリンと同等の生理活性を示すアミノ酸配列に改変のある組み換えインシュリン類、あるいは、組み換えインシュリン様成長因子を挙げることができる。組み換えインシュリン類としては、組み換えヒトインシュリンを用いるとよく、例えば、商品名nucellin等の市販されている組み換えヒトインシュリンを用いることができる。
【0023】
本発明の無血清培地を最も特徴付ける成分、ダイズ蛋白質加水分解物および酵母抽出物、ならびにコムギ蛋白質加水分解物の本発明における作用に関して説明する。本来、この三種の補完的成分は、動物細胞の培養に必須な成分ではないが、前記の細胞増殖を誘起又は促進する作用を示すペプチドホルモンないしは細胞成長因子により誘起・促進された細胞増殖の速度を高い水準に維持する作用を有するものである。あるいは、増殖速度を一層高める効果を示すものである。更には、組み換え動物細胞の培養により達成される、目的とする組み換え蛋白質またはペプチドの産生を促進する、あるいは、産生速度を高い水準に維持する効果を示すものである。
【0024】
換言するならば、本発明の無血清培地から、ダイズ蛋白質加水分解物および酵母抽出物、ならびにコムギ蛋白質加水分解物を除いた基礎培地成分のみでも、培養速度は低いながらも細胞培養は達成されるものではある。しかしながら、本発明の無血清培地の技術的な意義は、基礎培地成分に、更に、補完的成分として、ダイズ蛋白質加水分解物および酵母抽出物、更にはコムギ蛋白質加水分解物を適量添加することで、より高い培養効率を達成させる効果を示すものである。その作用から、上記の三成分は基礎培地に対する補完的成分とされる。
【0025】
本発明において、前記三種の補完的成分のうち、増殖速度を高い水準に維持する、あるいは一層の向上に主に利する成分は、ダイズ蛋白質加水分解物であり、目的とする組み換え蛋白質またはペプチドの産生速度を高い水準に維持する、あるいは、その産生促進に主に利する成分は、酵母抽出物である。一方、コムギ蛋白質加水分解物は、目的とする組み換え蛋白質またはペプチドの産生に伴う、当該組み換え動物細胞の死滅率を低減させる効果を有する。従って、コムギ蛋白質加水分解物は、単独に培地に添加するよりも、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物と併せて添加することにより、その効果が発揮される。
【0026】
ダイズ蛋白質加水分解物は、いかなる品質のダイズから得られたダイズ蛋白質加水分解物でもよいが、微生物の培養に利用される市販品、例えば、商品名DMV SE50MK (DMV社)、DMVSE50MAF(DMV社)、商品名HyPep 1601 (Quest 社) 、Soy Protein Hydrolysate: HySoy (Quest 社)等のダイズ蛋白質加水分解物を用いると好ましい。ダイズ蛋白質加水分解物は各種、例えば、消化酵素による部分的水解による可溶性ポリペプチドとして、得ることができる。
【0027】
酵母抽出物も、同じく微生物の培養に利用されるものとして市販されており、例えば、商品名 HyYeast 455 (refined yeast extract Quest 社)、商品名 Springer Yeast Extract UF10 (Bio Springer 社)、商品名 Fermax 5902AG (Red Star 社)等の酵母抽出物を用いると好ましい。酵母抽出物は、乾燥酵母を破砕し、抽出により細胞内可溶性画分を分離したもので、各種補酵素や補因子類などを含むものとして、得ることができる。
【0028】
コムギ蛋白質加水分解物は、いかなる品質のコムギから得られたコムギ蛋白質加水分解物でもよいが、微生物の培養に利用される市販品、例えば、商品名HyPep 4402 (Quest 社)等のコムギ蛋白質加水分解物を用いると好ましい。コムギ蛋白質加水分解物は、例えば、コムギ胚芽等に含まれる蛋白質を各種消化酵素で部分的水解による可溶性ポリペプチドとして、得ることができる。
【0029】
なお、ダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物、コムギ蛋白質加水分解物は、各種の形態で市販されており、そのような市販品を用いると簡便であり、特には、微生物の培養用途に市販されているものを利用するのがよい。本発明の培地組成においては、これら成分の添加量は、乾燥状態における重量により表記する。ダイズ蛋白質加水分解物の添加量は、培養開始時の動物細胞密度に依存して、選択するものであるが、少なくとも1〜6g/Lの範囲、通常1〜5g/Lの範囲から選択し、好ましくは、2〜4g/Lの範囲に選択する。一方、酵母抽出物の添加量は、培養による動物細胞密度の上昇率に応じて選択するものであるが、少なくとも、0.5〜5g/Lの範囲、通常1〜5g/Lの範囲から選択し、好ましくは、1〜3g/Lの範囲に選択する。加えて、培養を促進し、動物細胞密度を所望する値より高くすることが、培養細胞からの組み換え蛋白質の産生量を増すために必要であり、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量を酵母抽出物の添加量より多くすることが好ましい。従って、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量との比率(重量比)を50:50以上、好ましくは60:40以上とするとよい。一方、酵母抽出物の添加量が少なくなると、培養細胞からの組み換え蛋白質の産生を促進する効果が充分に得られない。その点を考慮すると、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量との比率(重量比)を90:10以下、好ましくは80:20以下とするとよい。前記の二条件を総合すると、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量との比率(1量比)を50:50〜90:10の範囲に選ぶとよく、より好ましくは、60:40〜80:20の範囲に選択するとよい。
【0030】
本発明の培地において、コムギ蛋白質加水分解物は、培養速度の向上効果と培養細胞からの組み換え蛋白質またはペプチドの産生に伴う細胞死滅の低減効果を有する。従って、コムギ蛋白質加水分解物の添加量は、前記ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量に応じて選択されるものである。特に、酵母抽出物の添加量に応じて、その添加量を選択するとよい。酵母抽出物の添加量が、1〜5g/Lの範囲にあるとき、0.5〜3g/Lの範囲から選択するとよく、特には、酵母抽出物の添加量が、1〜3g/Lの範囲に選択される時には、0.5〜2g/Lの範囲に選択するとより好ましく、1g/L前後に選択すると特に好ましい。あるいは、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量との比率(重量比)を60:40〜80:20の範囲に選択する条件においては、前記ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量を加算した重量総和の5〜60%、特には、10〜40%範囲に選択するのが好ましい。また、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量を2〜4g/Lの範囲に、酵母抽出物の添加量を1〜3g/Lの範囲にそれぞれ選択する際も、コムギ蛋白質加水分解物を、前記ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量を加算した重量総和の10〜40%範囲から選択するとより好ましい。
【0031】
本発明の培地においては、上記の好ましい添加量でダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加することにより、培養速度の促進・維持並びに培養細胞からの組み換え蛋白質またはペプチド産生の促進が達成される。更に、前記ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加に加えて、コムギ蛋白質加水分解物を上記の好ましい添加量で添加することで、この両者の効果をより高めることができる。特に、培養速度の促進・維持において、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物に加えて、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することで、細胞増殖を誘起・促進するために添加されるペプチドホルモン、細胞成長因子の添加量の許容範囲を広くする効果も得られる。具体的には、ペプチドホルモン、細胞成長因子の添加量をより低い値としても、充分な培養速度が達成され、加えて、その培養細胞からの組み換え蛋白質またはペプチドの産生量も高い水準に安定化することができる。例えば、前記の細胞増殖を誘起・促進するために添加されるペプチドホルモン、細胞成長因子として添加される組み換え型インシュリンについて、その添加量は通常5mg/L程度であるが、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物に加えて、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することで、その添加量を1mg/Lまで減じても、充分な培養速度を維持することができる。
【0032】
本発明の無血清培地は、適量の水に上記した各添加成分を加えて、溶解または懸濁させ、培地中に均一化する処理を施し、最終的にその培地容積を所定量とすべく、少量の水を加えて調製することができる。本発明の無血清培地は、酵母抽出物を除き、それに添加される各種成分は、無機物、合成物、あるいは、植物由来の成分、植物由来の蛋白質加水分解物、遺伝子組み換え技術を利用して生産された組み換え蛋白質又はペプチドの何れかを主に用いて調製する。一部のアミノ酸には、微生物またはその産生する酵素を利用し、酵素反応により合成原料から合成され、その後、精製されたものを用いることもできる。
【0033】
上に述べたダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物、所望により、コムギ蛋白質加水分解物を添加した本発明の無血清培地を用いて、動物細胞、好ましくは哺乳動物、より好ましくはCHO細胞を培養することができる。動物細胞の具体例は既に述べたとおりである。例えば、CHO細胞を培養する方法では、培養に際し、培地中に当初細胞密度1〜5×105 細胞/ml、好ましくは、2〜4×105 細胞/mlで播種し、37℃、5%CO2の雰囲気下で培養を行うとよい。種々の組み換え蛋白質またはペプチドの生産を行わせる形質転換CHO細胞に当該無血清培地を用いる培養方法は適用できる。その培養により当該形質転換CHO細胞に産生させる組み換え蛋白質またはペプチドとしては、ヒトt−PA、ヒト免疫インターフェロンγ、ヒトインターフェロンβ、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、エリスロポエチン、IL-1、IL-6等のインターロイキン、ウロキナーゼ、アルブミン、血液凝固第VIII因子、ヒト型化抗ヒトIL−6レセプター抗体などの各種の組み換え抗体等が挙げられ、それらは、細胞から分泌され、培地中に蓄積する。培養後、細胞を分離し、培地から目的の組み換え蛋白質を常法により単離、精製する。
【0034】
以下に、具体例により、本発明の無血清培地、それを用いて、CHO細胞を培養する方法、ならびに、形質転換CHO細胞を培養して、組み換え蛋白質を生産する方法について説明する。なお、以下に記載する具体例においては、形質転換CHO細胞として、ヒト型化抗ヒトIL−6レセプター抗体産生形質転換CHO細胞株を用い、組み換え蛋白質として、ヒト型化抗ヒトIL−6レセプター抗体産生させる系を示すが、本発明の無血清培地は、DHFR遺伝子欠損CHO細胞株を宿主細胞とするDHFR遺伝子マーカーを用いた形質転換CHO細胞のみでなく、他の遺伝子マーカー、例えば、グルタミンシンセターゼ選択マーカーを用いた形質転換CHO細胞に対しても、同様に利用でき、且つ同様に極めて効率的な細胞増殖とその安定化が達成できる。
【0035】
調製例
ヒト型化抗ヒト IL −6レセプター抗体産生形質転換 CHO 細胞株の調製
ヒト型化抗ヒトIL−6レセプター抗体産生形質転換CHO細胞株は、DHFR遺伝子欠損CHO細胞株(KI株を3Hデオキシウリジンで処理し、分離されたジヒドロ葉酸還元酵素欠損株(DXB11細胞):文献 L. H. Grof, L. A. Chasin, Mol. Cell Biol. 2, 93(1982)に記載)を宿主細胞として、特開平8−99902号公報中に参考例2として記載された方法に準じ、抗ヒトIL−6レセプター抗体をヒト型化した組み換え蛋白質(ヒト型化PM-1抗体)をコードする遺伝子(文献 Koh Sato et al, Cancer Research, 53, 851-856(1993)に記載)を導入することによって、形質転換した。この形質転換CHO細胞において、目的とするヒト型化PM-1抗体への転写・翻訳は、WO92/19759中の実施例10に記載されるヒトエロゲーションファクターIαのプロモーターの下流に当該ヒト型化PM-1抗体をコードする遺伝子を組み込むことによって、前記プロモーターの支配下に行われる。
【0036】
簡単に説明すると、エレクトロポレーション法により発現ベクターをDXB11細胞に導入後、選択培地(ウシ血清を含み、ヌクレオチドを含まない)で生き残ってくるコロニーを選抜した。
【0037】
実施例1
ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加
無血清培地において、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加することで、形質転換CHO細胞の培養速度、ならびに、培養細胞からの組み換え蛋白質の産生量の顕著な向上が達成されること、また、その向上とダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量との相関を検証した。ダイズ蛋白質加水分解物として、市販されているSoy Protein Hydrolysate: HySoy (Quest 社)を、酵母抽出物として、市販されているYeast Extract: UF10 (Bio Springer社)を利用した。
【0038】
無血清培地として、下記の表2に示す組成の基礎培地に、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加したものを調製した。ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量の総和を5g/Lとした。ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量の比率(重量比)を種々に換え、培養開始後第4日目以降の細胞数、その後第7日目に至る間の細胞生存率、第7日目までに培地中に蓄積する組み換え蛋白質の総量を対比した。
【0039】
【表2】
【0040】
【0041】
【0042】
上記表2において、鉄源として、無機鉄塩に加えて、鉄EDTA錯体をも利用するが、その添加量は、培地の調製が終了した際、培地中に表中に記載された濃度で溶解する量を意味する。
【0043】
培養条件は、125ml容のフラスコに30mlの培地を入れ、3.0×105細胞/mlを播き、160rpm攪拌、37℃、5%CO2の雰囲気下で培養を行った。得られた結果、培養開始後第4日目以降の細胞数、その後第7日目に至る間の細胞生存率、第7日目までに培地中に蓄積する組み換え蛋白質の総量をそれぞれ図1、図2、図3に示す。
【0044】
図2に示す結果より、培養開始後第6日目における細胞生存率は、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量の比率(重量比)を60:40又は80:20に選択すると50%を超えることが判る。その際、図3に示す結果より、添加量の比率を50:50以上とすると、組み換え蛋白質の産生総量が高い水準になることが判る。但し、添加量の比率が80:20を超えると、産生総量は減少傾向にあることが示される。
【0045】
実施例2
コムギ蛋白質加水分解物の添加
無血清培地において、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物を添加することにより、形質転換CHO細胞の培養速度、ならびに、培養細胞からの組み換え蛋白質の産生量の顕著な向上が達成されるばかりでなく、培養細胞からの組み換え蛋白質の産生に付随する細胞生存率の低下を大幅に抑制できることを検証した。また、細胞生存率の低下の抑制に好適なコムギ蛋白質加水分解物の添加量と、同時に添加されるダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量と比率の至適範囲を検証した。コムギ蛋白質加水分解物として、市販されているWheat protein hydrolysate: HyPep 4402 (Quest社)を利用した。
【0046】
無血清培地として、上記の表2に示す組成の基礎培地Bに、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加したものを調製した。ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量の総和を5g/Lとし、前記の実施例1に述べた結果に基づき、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量の比率(重量比)を60:40に選択した。この組成に、更にコムギ蛋白質加水分解物を添加した培地を用い、培養開始後第4日目以降の細胞数、その後第7日目に至る間の細胞生存率、第7日目までに培地中に蓄積する組み換え蛋白質の総量を対比した。
【0047】
培養条件は、125ml容のフラスコに30mlの培地を入れ、3.0×105細胞/mlを播き、160rpm攪拌、37℃、5%CO2の雰囲気下で培養を行った。得られた結果、培養開始後第4日目以降の細胞数、その後第7日目に至る間の細胞生存率、第7日目までに培地中に蓄積する組み換え蛋白質の総量をそれぞれ図4、図5、図6に示す。
【0048】
図4に示す通り、培養開始後第4日目における細胞数は、コムギ蛋白質加水分解物の添加の有無による差異は僅かである。培養開始後第4日目以後においては、コムギ蛋白質加水分解物を添加した場合は、細胞数の維持または増加がみられるが、コムギ蛋白質加水分解物を添加しない場合は、細胞数は、若干の減少を示している。また、図5に示す通り、コムギ蛋白質加水分解物を添加した場合は、培養細胞の生存率は、培養開始後第4日目以降も変化は見出されないが、コムギ蛋白質加水分解物を添加しない場合は、培養細胞の生存率は、有意な低下を示している。なお、その際、第7日目までに培地中に蓄積する組み換え蛋白質の総量は、コムギ蛋白質加水分解物の添加の有無、添加量による差異は見出されない。
【0049】
上記の結果より、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量の総和を5g/Lとし、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加量の比率(重量比)を60:40で添加することに加え、コムギ蛋白質加水分解物を2g/Lまでの範囲で更に培地に添加することで、組み換え蛋白質の産生量を維持しつつ、培養細胞の生存率の低下を顕著に抑制できることが判る。なお、コムギ蛋白質加水分解物の添加量を更に増しても、培養細胞数の更なる増加は見出されなかった。特に、コムギ蛋白質加水分解物を0.5〜3g/Lの範囲、多くの場合1〜2g/Lの範囲で添加する際、前記の改善が最も効果的に達成されることが判明した。より一般的には、コムギ蛋白質加水分解物を、同時に添加するダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量を加算した重量総和の10〜40%範囲に選択するとより好ましいことが判明した。
【0050】
上記の例に示されるように、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量を加算した重量総和を5g/L程度とする際には、コムギ蛋白質加水分解物の添加量を1g/L前後とすることで、十分にその効果が達成されることが判明した。
【0051】
実施例3
ダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物、コムギ蛋白質加水分解物の添加時におけ る組み換えインシュリンの添加量の許容範囲
無血清培地にダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加することに加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することで、培養細胞の細胞数の維持又は増加、並びに、細胞生存率の低下を抑制することが可能であることが判明した。この効果は、当該形質転換CHO細胞の増殖を誘起する成長因子の添加量に依らず、見出されることを検証した。この例では、CHO細胞の増殖を誘起する成長因子として、組み換えヒトインシュリンを用いた無血清培地において、組み換えヒトインシュリンの添加量を減じても、培養細胞数並びに形質転換CHO細胞が産生する組み換え蛋白質の総量に有意な差異を生じさせないことを検証した。
【0052】
培養に用いた無血清培地は、組み換えヒトインシュリンの添加量を除き、他の成分は表3に記載される基礎培地Aと同じ組成とし、それにダイズ蛋白質加水分解物3g/L、酵母抽出物2g/L、コムギ蛋白質加水分解物1g/Lをそれぞれ添加した培地を用いた。組み換えヒトインシュリンの添加量を、5mg/L、2.5mg/L、1.25mg/L、ならびに0mg/L(無添加)の四条件にとり、それぞれ培養条件は前記実施例2に記載される条件と同じにした。なお、各無血清培地に培養開始時に3.0×105細胞/mlを播いたが、そのCHO細胞は、表3に記載される基礎培地Aにダイズ蛋白質加水分解物3g/L、酵母抽出物2g/L、コムギ蛋白質加水分解物1g/Lを添加した無血清培地中で前記実施例2に記載の条件で培養したものを用いた。
【0053】
【表3】
【0054】
【0055】
【0056】
図7のaに培養開始後8日間の培養細胞数を、図8のaにその間の培養細胞が産生する組み換え蛋白質の総量の変化を、組み換えヒトインシュリンの添加量の異なる四条件を対比して示す。図7のbならびに図8のbには、培養開始後8日間が経過した細胞を新たな培地に植え継ぎ、更に培養した結果も併せて示す。
【0057】
図7に示す通り、組み換えヒトインシュリンの添加量を1/4に減じても、培養細胞数に有意な差異はなく、それに付随して、図8に示す通り、その間の培養細胞が産生する組み換え蛋白質の総量においても、有意な差異は見出されない。なお、組み換えヒトインシュリンの添加量を、0mg/L(無添加)とした条件においても、細胞増殖が見られているが、これは播種した細胞が予め組み換えヒトインシュリン添加培地で培養されたものであり、その経歴が在留した影響によると考えられる。
【0058】
加えて、培養開始後8日経過した後、新たな培地に植え継いだ際にも、前記の結果とほぼ同じ結果が得られている。即ち、無血清培地にダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加することに加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することで、培養細胞の細胞数の維持又は増加、並びに、細胞生存率の低下を抑制することが可能であるばかりでなく、この効果は、逐次的に新たな培地に植え継いだ際にも、維持されることが確認される。
【0059】
ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加することに加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することで、安定な細胞増殖が達成できるため、新たな培地に植え継いだ際、細胞密度が低い環境下ではCHO細胞の増殖を誘起する成長因子が必要であるものの、成長因子の添加量が多少変動があっても、再現性のよい細胞増殖が行えることが判明した。具体的には、成長因子として、組み換えヒトインシュリンを利用する場合、その添加量は1.25 mg/L〜5mg/L、好ましくは2mg/L〜5mg/Lの範囲内であれば、培養効率自体に影響を与えないと判断される。加えて、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加することに加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することで、細胞生存率を高く維持できるため、継代培養を続ける際にも、各代における培養効率の安定化が果たされ、且つその際に培養細胞が産生する組み換え蛋白質の総量も安定したものとなる。
【0060】
実施例4
グルコースのフルクトースへの置き換え
本発明の無血清培地において、汎用されるエネルギー源である単糖類が利用されるが、グルコースに換えてフルクトースをも利用できることを検証した。
実施例2に記載するダイズ蛋白質加水分解物3g/L、酵母抽出物2g/L、コムギ蛋白質加水分解物1g/Lを表2の基礎培地に添加した無血清培地中のグルコース8g/Lに換えて、グルコース1.6g/Lおよびフルクトース6.4g/Lを添加した無血清培地を調製した。前記するグルコース8g/Lを含有する培地とグルコース1.6g/Lおよびフルクトース6.4g/Lを含有する培地に加え、それぞれ組み換えヒトインシュリンの添加量を5mg/Lから10mg/Lに増した培地を調製した。この計4種類の無血清培地を用いて、形質転換CHO細胞を培養した。培養条件は、125ml容のフラスコに30mlの培地を入れ、3.0×105細胞/mlを播き、160rpm攪拌、37℃、5%CO2の雰囲気下で培養を行った。
【0061】
培養開始後4日間以降の培養細胞数、培養細胞の生存率並びに培養開始後7日目までに形質転換CHO細胞が産生する組み換え蛋白質の総量を測定し、組み換えヒトインシュリンの添加量を5mg/Lから10mg/Lに増した際の影響、単糖類として、グルコースをフルクトースへ置き換えた際の影響を評価した。図9に培養開始後4日間以降の培養細胞の生存率を対比した結果、図10に培養開始後7日目までに形質転換CHO細胞が産生する組み換え蛋白質の総量を比較した結果を示す。図10に示す通り、組み換えヒトインシュリンの添加量を増すと、若干培養速度が増し、それに伴い形質転換CHO細胞が産生する組み換え蛋白質の総量も若干の増加が見られた。一方、組み換え蛋白質の産生量に対して、グルコースのフルクトースへの置き換えは、その産生量を有意に増大することが確認される。なお、このグルコースのフルクトースへの置き換えの効果は、組み換えヒトインシュリンの添加量に依らず達成されると判断される。
【0062】
他方、図9に示す通り、グルコースのフルクトースへの置き換えに伴い、培養開始後4日間以降の培養細胞の生存率は有意に低下することが判明した。この培養細胞の生存率の低下は、形質転換CHO細胞が産生する組み換え蛋白質総量の増加に付随して生じていることが判明した。また、グルコースのフルクトースへの置き換え比率が増すにつれ、前記の影響が比例的に増すことも別途確認されている。このことから、形質転換CHO細胞を新たな培地に植え継ぎ、継続的に組み換え蛋白質の生産を行わせる場合には、培養細胞の生存率低下は必ずしも好ましいものではないが、グルコースのフルクトースへの置き換え比率を80%以下にすることで、培養細胞の生存率を20%以上に保つことができることが確認された。細胞の生存率を20%以上に保つ限り、新たな培地に植え継ぎ、細胞培養を継続する際、極端な悪影響を及ぼすことはなく、継代培養による継続的な組み換え蛋白質の生産における総合的な生産性の低下には至らないと判断される。
【0063】
即ち、コムギ蛋白質加水分解物の添加による培養細胞の生存率低下の抑制作用を利用することで、グルコースをフルクトースに置き換えた培地を用いて、実用上、エネルギー源としてグルコースを用いた培地を用いる際と遜色のない継代培養による継続的な組み換え蛋白質の生産効率を達成できることが確認された。
【0064】
実施例5
動物由来蛋白質添加無血清培地との比較
本発明の無血清培地において、その特徴的な成分である、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物、加えて、コムギ蛋白質加水分解物の三成分に代えて、従来より無血清培地への添加物として汎用される動物由来蛋白質を添加した動物由来蛋白質添加無血清培地と、本発明の無血清培地とを比較した。即ち、この無血清培地両者間で、培養結果に有意な差はなく、本発明の無血清培地における、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物、加えて、コムギ蛋白質加水分解物の三成分添加は、汎用される添加物の動物由来蛋白質の添加効果と対比させると、より勝る、少なくとも同じ効果があることを検証した。
【0065】
具体的には、動物由来蛋白質添加無血清培地として、ウシ血清アルブミン、ウシのフェチュイン、プライマトン(牛肉の加水分解物)の三種を、下記する表4の基礎培地Cに添加したものを用いた。ウシ血清アルブミンは、ウイルス等の検定を経て、ウイルス等に汚染されていないものとして市販されるものを用いた。フェチュイン、プライマトン(牛肉の加水分解物)も、同じくウイルス等に汚染されていないものとして市販されるものを用い調製した。その添加量は、培地1L当たり、ウシ血清アルブミン(Albumin, Bovine Virus Free)を100mg、フェチュイン(Fetuin)を200mg、ヒトトランスフェリン(Human transferrin)を5mg,プライマトン(Primatone)を2500mgとした。
【0066】
【表4】
【0067】
【0068】
【0069】
上記表4において、鉄源として、無機鉄塩に加えて、鉄EDTA錯体をも利用するが、その添加量は、培地の調製が終了した際、培地中に表中に記載された濃度で溶解する量を意味する。
【0070】
一方、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物、加えて、コムギ蛋白質加水分解物の三成分を添加した無血清培地は、表1に記載される基礎培地Aにダイズ蛋白質加水分解物3g/L、酵母抽出物2g/L、コムギ蛋白質加水分解物1g/Lを添加したものである。更に、実施例4に倣い表1の組成において、グルコース8000mg/Lに換えて、グルコース1400mg/Lとフルクトース6600mg/Lを添加した基礎培地に、ダイズ蛋白質加水分解物3g/L、酵母抽出物2g/L、コムギ蛋白質加水分解物1g/Lを添加したものについても、同様に比較を行った。その他、前記のフルクトース含有培地成分から、グルタミンのみを省いた培地についても、同様に比較を行った。この計4種類の無血清培地を用いて、形質転換CHO細胞を培養した。培養条件は、125ml容のフラスコに30mlの培地を入れ、3.0×105細胞/mlを播き、160rpm攪拌、37℃、5%CO2の雰囲気下で培養を行った。
【0071】
得られた結果、培養開始後第3日目以降の細胞数、その後第7日目に至る間の細胞生存率、第7日目までに培地中に蓄積する組み換え蛋白質の総量をそれぞれ図11、図12、図13に示す。
【0072】
図13に示す通り、培養開始後第3日目における細胞数は、動物由来蛋白質添加無血清培地を用いた場合と、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物、加えて、コムギ蛋白質加水分解物の三成分を添加した無血清培地を用いた場合とでは、有意な差異はない。それ以降においても、上の実施例4に示す通り、グルコースのフルクトースへの置き換えの影響を除くと、培養細胞数に関して、何れも良好な結果である。
【0073】
特に、動物由来蛋白質添加無血清培地と表1に記載される基礎培地にダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物、コムギ蛋白質加水分解物の三成分を添加した無血清培地との比較においては、図11に示す通り、第7日目までに培地中に蓄積する組み換え蛋白質の総量に関しても、両者は遜色のないものであった。同じく、図12に示す培養開始後第3日目以降、第7日目に至る間の細胞生存率においても、互いの差異は僅かである。即ち、ダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物、コムギ蛋白質加水分解物の三成分を添加した無血清培地は、ウシ血清アルブミン、ウシのフェチュイン、プライマトン(牛肉の加水分解物)の三種の動物由来蛋白質を添加した無血清培地と、培養速度並びに組み換え蛋白質の産生においても、ほぼ等しく好ましい結果を示す。
【0074】
以上の実験結果から、次のことが言える。本発明の無血清培地は、動物から分離された成分を含まない基礎培地に、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物を添加することで、当該無血清培地に添加される組み換え成長因子により誘起される形質転換CHO細胞等の細胞増殖の更なる促進と安定化とを行い、培養速度を高い水準に保つことができる。加えて、その際に、形質転換CHO細胞等の培養細胞が産生する組み換え蛋白質の総量をも高くすることができる。加えて、ダイズ蛋白質加水分解物と酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することで、細胞生存率を高く維持できるため、継代培養を続ける際にも、各代における培養効率の安定化が果たされ、且つその際に培養細胞が産生する組み換え蛋白質の総量も安定したものとする利点を有する。従って、前記する利点を用いて、本発明の無血清培地を用いた形質転換動物細胞の増殖法を適用することで、目的とする組み換え蛋白質を高い効率で安定且つ再現性よく生産を行うことができる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
【0075】
産業上の利用可能性
本発明の無血清培地は、動物細胞の培養の点で、従来の血清含有培地と比較して遜色のない性能を達成できるので、有用である。本発明の無血清培地を利用して、所望の動物細胞を培養し、所望の組換えタンパク質を生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加量が形質転換CHO細胞の増殖速度に及ぼす効果を示す図である。
【図2】 図2は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加量が形質転換CHO細胞の細胞生存率に及ぼす効果を示す図である。
【図3】 図3は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加量が形質転換CHO細胞より産生される組み換え蛋白質量に及ぼす効果を示す図である。
【図4】 図4は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することに伴う、形質転換CHO細胞の増殖速度に及ぼす効果を示す図である。
【図5】 図5は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することに伴う、形質転換CHO細胞の細胞生存率に及ぼす効果を示す図である。
【図6】 図6は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加することに伴う、形質転換CHO細胞より産生される組み換え蛋白質量に及ぼす効果を示す図である。
【図7】 図7aおよび7bは、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加する条件下、継代培養時における形質転換CHO細胞の増殖速度に及ぼすインシュリン添加量の効果を示す図である。
【図8】 図8aおよび8bは、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加する条件下、継代培養時における形質転換CHO細胞より産生される組み換え蛋白質量に及ぼすインシュリン添加量の効果を示す図である。
【図9】 図9は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加する条件下、継代培養時における形質転換CHO細胞の細胞生存率に及ぼすインシュリン添加量の効果を示す図である。
【図10】 図10は、ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物の添加に加え、コムギ蛋白質加水分解物をも添加する条件下、グルコースをフルクトースに置き換えた際の形質転換CHO細胞より産生される組み換え蛋白質量を比較する図である。
【図11】 図11は、ダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物、コムギ蛋白質加水分解物の三成分の添加と、ウシ血清アルブミン、フェチュイン、ヒトトランスフェリン、プライマトンの動物由来蛋白質の添加との、形質転換CHO細胞より産生される組み換え蛋白質量に及ぼす効果を示す図である。
【図12】 図12は、ダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物、コムギ蛋白質加水分解物の三成分の添加と、ウシ血清アルブミン、フェチュイン、ヒトトランスフェリン、プライマトンの動物由来蛋白質の添加との、形質転換CHO細胞の細胞生存率に及ぼす効果を示す図である。
【図13】 図13は、ダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物、コムギ蛋白質加水分解物の三成分の添加と、ウシ血清アルブミン、フェチュイン、ヒトトランスフェリン、プライマトンの動物由来蛋白質の添加との、形質転換CHO細胞の増殖速度に及ぼす効果を比較する図である。
Claims (21)
- ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物を含む動物細胞培養用無血清培地であって、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量:酵母抽出物の添加量の重量比が90:10〜50:50である前記無血清培地。
- ダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物及びコムギ蛋白質加水分解物を含む動物細胞培養用無血清培地であって、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量:酵母抽出物の添加量の重量比が90:10〜50:50である前記無血清培地。
- 哺乳動物から分離された成分を含まない請求項1又は2記載の無血清培地。
- ダイズ蛋白質加水分解物の添加量が培地1L当たり1〜5g、酵母抽出物の添加量が培地1L当たり1〜5gである請求項1又は2記載の無血清培地。
- コムギ蛋白質加水分解物の添加量が培地1L当たり0.5〜3gである請求項2記載の無血清培地。
- ダイズ蛋白質加水分解物の添加量:酵母抽出物の添加量の重量比が80:20〜60:40である請求項4記載の無血清培地。
- コムギ蛋白質加水分解物の添加量が、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量と酵母抽出物の添加量を加算した重量総和の5〜60%の範囲にある請求項5記載の無血清培地。
- 動物細胞が外来遺伝子の導入された形質転換細胞である請求項1〜7のいずれか1項記載の無血清培地。
- 動物細胞が哺乳動物細胞である請求項1〜7のいずれか1項記載の無血清培地。
- 哺乳動物細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である請求項9記載の無血清培地。
- ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物を含む無血清培地であって、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量:酵母抽出物の添加量の重量比が90:10〜50:50である前記無血清培地で動物細胞を培養する工程を含む動物細胞の培養方法。
- ダイズ蛋白質加水分解物、酵母抽出物及びコムギ蛋白質加水分解物を含む無血清培地であって、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量:酵母抽出物の添加量の重量比が90:10〜50:50である前記無血清培地で動物細胞を培養する工程を含む動物細胞の培養方法。
- 動物細胞が外来遺伝子の導入された形質転換細胞である請求項11又は12記載の方法。
- 動物細胞が哺乳動物細胞である請求項11又は12記載の方法。
- 哺乳動物細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である請求項14記載の方法。
- ダイズ蛋白質加水分解物及び酵母抽出物を含む無血清培地であって、ダイズ蛋白質加水分解物の添加量:酵母抽出物の添加量の重量比が90:10〜50:50である前記無血清培地で動物細胞を培養して、当該動物細胞に物質を産生させ、細胞外に分泌させる工程、および当該物質を当該無血清培地から単離する工程を含む物質の製造方法。
- 物質が蛋白質またはペプチドである請求項16記載の方法。
- 動物細胞が外来遺伝子の導入された形質転換細胞であり、当該動物細胞が産生して、細胞外に分泌する物質が導入された外来遺伝子の遺伝子産物である請求項16記載の方法。
- 遺伝子産物が組み換え蛋白質またはペプチドである請求項18記載の方法。
- 動物細胞が哺乳動物細胞である請求項16記載の方法。
- 哺乳動物細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である請求項20記載の方法。
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