JP5523674B2 - 植物タンパク質加水分解産物を含有する血清フリーの細胞培養液におけるポリペプチドの生産 - Google Patents

植物タンパク質加水分解産物を含有する血清フリーの細胞培養液におけるポリペプチドの生産 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、血清フリーの培養液中の真核細胞において、対象のポリペプチドを生産するための改良方法に関する。
発明の背景
たとえば第VII因子ポリペプチドなどのポリペプチドを大規模生産する方法は、当該技術分野で公知であり、たとえばWO 02/29083、WO 02/29084およびWO 03/29442が参照される。
たとえば第VII因子ポリペプチドなどのポリペプチドの大規模生産において、細胞培養の増殖に払われた努力から十分に利益を得るためには、生産段階を長期化することが、経済的な理由により望ましい。また、ポリペプチドの生産速度を長期間にわたって更に均一にすることは、翻訳後プロセス(たとえば、グリコシル化およびγ−カルボン酸の形成)が、「ノンストレス」細胞培養において更に正確に進行すると考えられるため、ポリペプチドバッチを更に均質にすると想定される。
WO 01/23527は、タンパク質フリーおよび血清フリーの細胞培養のための細胞培養培地を開示する。この培地は、ある割合のダイズ加水分解産物(ダイズペプトン)を含有する。
発明の簡単な説明
本発明は、1)増殖段階の間に最適な細胞の生長を達成し、同時に2)生産段階の性能に関して最適な長期間の培養安定性を達成するために、培養の間に細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の成分の濃度を改変することにより、たとえば第VII因子ポリペプチドなどの対象ポリペプチドの全収率を増大させることに関する。
本発明の第一の側面は、血清フリーの培養液に含有される真核細胞においてポリペプチドを大規模生産する方法であって、
(i)第一の細胞培養液中で細胞を増殖させる、細胞の増殖段階、および
(ii)第二の細胞培養液中に細胞を存在させる、細胞の生産段階
を含み、
細胞培養液の各々が、植物タンパク質加水分解産物を含み、第一の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C1)と第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)の比が、少なくとも1.5:1(C1:C2)である方法に関する。
本発明の第二の側面は、血清フリーの培養液に含有される真核細胞において第VII因子ポリペプチドを大規模生産する方法であって、
(i)第一の細胞培養液中で細胞を増殖させる、細胞の増殖段階、および
(ii)第二の細胞培養液中に細胞を存在させる、細胞の生産段階
を含み、
細胞培養液の各々が、たとえばダイズタンパク質加水分解産物などの植物タンパク質加水分解産物を含み、第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)が、0.7〜3.0 g/Lの範囲である方法に関する。
発明の詳細な説明
上述のとおり、本発明の一つの主要な側面は、血清フリーの培養液に含有される真核細胞においてポリペプチドを大規模生産する方法であって、
(i)第一の細胞培養液中で細胞を増殖させる、細胞の増殖段階、および
(ii)第二の細胞培養液中に細胞を存在させる、細胞の生産段階
を含み、
細胞培養液の各々が、植物タンパク質加水分解産物を含み、第一の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C1)と第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)の比が、少なくとも1.5:1(C1:C2)である方法に関する。
「大規模生産」の用語は、少なくとも100 Lの培養容器を用いる生産を意味する。しかし、好ましい態様においてその規模は、典型的には少なくとも250 L、たとえば少なくとも500 L、たとえば少なくとも1000 L、または5000 L以上である。「大規模」の用語は、「産業規模」および「生産規模」の用語と交換可能に使用され得る。
ポリペプチドの大規模生産方法は、典型的には、少なくとも120時間、たとえば1〜26週間にわたって行われる。
本発明は、血清フリーの培養液に含有される真核細胞においてポリペプチドを大規模生産するこれまで公知の方法の改良方法として理解すべきである。かかる方法において植物タンパク質加水分解産物を使用することは公知であるが、本発明は、かかる方法の成果を改良するためのガイドラインを提供する。
本発明の主要な側面の方法の特徴は、増殖段階および生産段階を最適化するやり方で、細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の含量をコントロールすることである。これは、(増殖段階で使用される)第一の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C1)と(生産段階で使用される)第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)の比を、少なくとも1.5:1(C1:C2)にすることにより行われる。
典型的には、細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度は、0.01〜10.0 g/Lの範囲である。幾つかの態様では、増殖段階の間に約5.0 g/Lの濃度(C1)を使用し、その後、第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)が、生産段階の開始時にたとえば1.0 g/Lとなるように、濃度を低下させることができる。その後、生産段階の間、安定な培養を維持するために、濃度を実質的に固定レベルに維持してもよいし、あるいは低い値と高い値の間、たとえば1.0 g/Lと2.0 g/Lの間を交互に増減させてもよい。
これについて述べると、C1:C2の比は、好ましくは2:1〜10:1の範囲であり、たとえば2.5:1〜8:1、または3:1〜6:1の範囲である。
更に、C2の濃度は、典型的には0.2〜3.5 g/Lの範囲であり、たとえば0.7〜3.0 g/Lの範囲、たとえば0.9〜2.5 g/Lの範囲、たとえば0.9〜2.2 g/Lの範囲であり、C1の濃度は、典型的には4.0〜10.0 g/Lの範囲であり、たとえば4.5〜8.0 g/Lの範囲である。
上述のとおり、生産段階の過程において、たとえば、上記範囲の一つの範囲内、たとえば0.2〜3.5 g/Lの範囲内、たとえば0.7〜3.0 g/Lの範囲内、たとえば0.9〜2.5 g/Lの範囲内、たとえば0.9〜2.2 g/Lの範囲内で濃度を変えることにより、植物タンパク質加水分解産物の濃度をわずかに改変することが有利な場合がある。
あるいは、濃度は、実質的に固定レベルに維持される。
植物タンパク質加水分解産物は、種々の供給源、たとえば商業源の一つから入手することができる。加水分解産物の典型的なタイプは、ダイズタンパク質加水分解産物、コムギタンパク質加水分解産物、エンドウタンパク質加水分解産物、イネタンパク質加水分解産物などである。WO 01/23527 A1は、参照により本明細書に組み込まれ、ダイズタンパク質加水分解産物の調製と一般的な使用を開示する。好ましくは、植物タンパク質加水分解産物は、ダイズタンパク質加水分解産物である。
本発明は、一般に、特定のポリペプチドの生産に限定されるものでなく、特定の真核細胞の使用に限定されるものでもない。しかし、関連のポリペプチドおよび有用な真核細胞の説明上の例を以下で提供する。しかし、現在最も関心が高く好ましい本発明の態様の幾つかにおいて、ポリペプチドは第VII因子ポリペプチドである。更に、かかる態様において真核細胞は、典型的にはCHO、BHK、HEK293、骨髄腫細胞などから選択される。
よって、本発明の主要な側面の好ましい態様は、血清フリーの培養液に含有される真核細胞において第VII因子ポリペプチドを大規模生産する方法であって、
(i)第一の細胞培養液中で細胞を増殖させる、細胞の増殖段階、および
(ii)第二の細胞培養液中に細胞を存在させる、細胞の生産段階
を含み、
第一の細胞培養液が、ダイズタンパク質加水分解産物を4.0〜10.0 g/Lの濃度で含み、第二細胞培養液が、ダイズタンパク質加水分解産物を0.2〜3.5 g/Lの濃度で含み、第一の細胞培養液中のダイズタンパク質加水分解産物の濃度(C1)と第二の細胞培養液中のダイズタンパク質加水分解産物の濃度(C2)の比が、少なくとも1.5:1(C1:C2)である方法に関する。
本発明の別の側面は、血清フリーの培養液に含有される真核細胞において第VII因子ポリペプチドを大規模生産する方法であって、
(i)第一の細胞培養液中で細胞を増殖させる、細胞の増殖段階、および
(ii)第二の細胞培養液中に細胞を存在させる、細胞の生産段階
を含み、
細胞培養液の各々が、たとえばダイズタンパク質加水分解産物などの植物タンパク質加水分解産物を含み、第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)が、0.7〜3.0 g/Lの範囲である方法に関する。好ましくは、C2の濃度は、0.9〜2.5 g/Lの範囲であり、たとえば0.9〜2.2 g/Lの範囲である。
一つの態様において、細胞培養液の各々は、植物タンパク質加水分解産物を含み、第一の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C1)と第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)の比は、少なくとも1.5:1であり、たとえば2:1〜10:1の範囲、たとえば2.5:1〜8:1、または3:1〜6:1の範囲である。好ましくは、C1の濃度は、4.0〜10.0 g/Lの範囲、たとえば4.5〜8.0 g/Lの範囲である。
これまでに得られた結果によれば、生産段階において高すぎる濃度の植物タンパク質加水分解産物は、不可逆的に培養に悪影響を与え、これにより効果的な生産段階をかなり短期間なものにするが(たとえば図2、菱形、5.0 g/L加水分解産物を参照)、低すぎる濃度の植物タンパク質加水分解産物は、培養にとって不利であるが、可逆的な手法であることが示されている。生産段階において低すぎる濃度の植物タンパク質加水分解産物は、細胞数の減少を引き起こし、これにより生成物の濃度の減少を引き起こすが、これは、植物タンパク質加水分解産物の濃度を僅かに上昇させることにより回復できることが示されている。特定の理論に縛られることなく、植物タンパク質加水分解産物の濃度に関するプロフィールは、以下のプロフィール:
増殖段階における高濃度(C1);
生産段階における低濃度 − 低レベルA(C2A);
生産段階における低濃度 − 低レベルB(C2B);
生産段階における低濃度 − 低レベル(C2A );
生産段階における低濃度 − 低レベルB(C2B);
などを有し、
1>>C2B>C2Aであり、C2AおよびC2Bの濃度は、C2に関して規定される濃度の範囲内であり、細胞数の緩やかな減少が、たとえば2〜5日間にわたって観察されたときに、低レベルA(C2A)から低レベルB(C2B)への最初の切替えが行われ、かかる減少前のレベルにおおよそ相当するレベルまで細胞数が回復したときに、低レベルB(C2B)から低レベルA(C2A)への次の切替えが行われると考えられる。
好ましくは、C2Aの濃度は、0.2〜2.0 g/Lの範囲、たとえば0.7〜1.5 g/Lの範囲、たとえば0.9〜1.3 g/Lの範囲、たとえば0.9〜1.2 g/Lの範囲であり、C2Bの濃度は、好ましくは1.0〜3.5 g/Lの範囲であり、たとえば1.1〜3.0 g/Lの範囲、たとえば1.2〜2.5 g/Lの範囲、たとえば1.2〜2.2 g/Lの範囲である。
「培養液」の用語は、適切な液体培地中に真核細胞の培養物を含む液体を意味することを意図する。一つの重要な態様において、細胞は、固体マイクロキャリアの表面への付着により、あるいはマクロ孔質マイクロキャリアの内部構造内への物理的捕捉により固定される。これは、以下で更に詳細に説明される。
大規模生産のためのポリペプチド
上述のとおり、本発明は、内在性遺伝子により、またはタンパク質をコードする組換え遺伝子の細胞への導入により、一または複数の対象タンパク質を発現する真核細胞の改良型大規模培養に関連した方法に関する。かかるタンパク質には、以下のものが含まれるがこれらに限定されない:第VII因子ポリペプチド;第VIII因子;第IX因子;第X因子;プロテインC;組織因子;レンニン;成長ホルモン、たとえばヒト成長ホルモン;ウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;アルファ-1-アンチトリプシン;インスリンA-鎖;インスリンB-鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性剤;プラスミノゲンアクチベータ、たとえばウロキナーゼまたはヒト尿または組織型プラスミノゲンアクチベータ(t-PA);ボンベシン;トロンビン;造血増殖因子;腫瘍壊死因子-アルファおよびベータ;エンケファリナーゼ;ヒトマクロファージ炎症タンパク質(MIP-1-アルファ);血清アルブミン、たとえばヒト血清アルブミン;ミュラー阻害物質;レラキシンA-鎖;レラキシンB-鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;微生物タンパク質、たとえばベータ-ラクタマーゼ;DNase;インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞増殖因子(VEGF);ホルモンまたは増殖因子のレセプター;インテグリン;プロテインAまたはD;リウマチ因子;神経栄養因子、たとえば骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3、-4、-5、または-6 (NT-3、NT-4、NT-5、またはNT-6)、または神経成長因子、たとえばNGF-β、血小板由来増殖因子(PDGF);線維芽細胞増殖因子、たとえばα-FGFおよびβ-FGF;上皮増殖因子(EGF);トランスフォーミング増殖因子(TGF)、たとえばTGF-アルファおよびTGF-ベータ、インスリン様増殖因子-Iおよび-II (IGF-IおよびIGF-II);CDタンパク質、たとえばCD-3、CD-4、CD-8、およびCD-19;エリスロポエチン;骨誘導性因子(osteoinductive factors);イムノトキシン;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン、たとえばインターフェロン-アルファ、ベータ、およびガンマ;コロニー刺激因子(CSFs)、たとえばM-CSF、GM-CSF、およびG-CSF;インターロイキン(ILs)、たとえばIL-1ないしIL-10;スーパーオキシドジスムターゼ;T-細胞レセプター;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原、たとえばAIDSエンベロープの一部;ホーミングレセプター;アドレッシン(addressin);調節タンパク質;抗体;および上記ポリペプチドの何れかの断片。
本発明の好ましい態様において、ポリペプチドは、第VII因子ポリペプチドである。
これについて幾つかの態様において、本発明を実施する際に使用される細胞は、内在性第VII因子遺伝子を発現するヒト細胞である。これらの細胞において、内在性遺伝子は、完全な状態のものであってもよいし、原位置で(in situ)改変されていてもよいし、あるいは第VII因子以外の配列が、内在性第VII因子遺伝子の発現を変えるように原位置で(in situ)改変されていてもよい。
他の態様において、任意の真核生物源からの細胞は、ヒト第VII因子を発現するように組換え遺伝子により操作されている。
本明細書で使用される「第VII因子ポリペプチド」および「FVIIポリペプチド」の用語は、野生型ヒト第VIIa因子のアミノ酸配列1〜406を含む任意のタンパク質(すなわち、米国特許第4,784,950号に開示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド)、その変異体、並びに第VII因子関連ポリペプチド、第VII因子誘導体および第VII因子結合体(conjugates)を意味する。これには、野生型ヒト第VIIa因子に対して実質的に同じかまたは改良された生物学的活性を示す、FVII変異体、第VII因子関連ポリペプチド、第VII因子誘導体および第VII因子結合体が含まれる。
「第VII因子」の用語は、未切断(酵素前駆体)の形態の第VII因子ポリペプチド、並びにタンパク分解処理を受け、それぞれの生物活性な形態を産生した第VIIa因子と称されるものを包含することが意図される。典型的には、第VII因子は、残基152と153の間で切断され、第VIIa因子を産生する。
かかる第VII因子の変異体は、ヒト第VII因子に対して、安定性、リン脂質結合、変化した比活性など、異なる特性を示してもよい。
本明細書で使用される「野生型ヒトFVIIa」は、米国特許第4,784,950号に開示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
本明細書で使用される「第VII因子関連ポリペプチド」は、野生型第VIIa因子の活性に対して、第VIIa因子の生物学的活性が実質的に改変された、たとえば減少したポリペプチド(変異体を含む)を包含する。これらのポリペプチドには、ポリペプチドの生物活性を改変するかまたは崩壊させる特定のアミノ酸配列の変化が導入された第VII因子または第VIIa因子が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「第VII因子誘導体」の用語は、元のペプチドの一または複数のアミノ酸が、たとえばアルキル化、グリコシル化、PEG化、アシル化、エステル形成、またはアミド形成などにより、遺伝的および/または化学的および/または酵素的に改変されているが、野生型第VII因子に対して実質的に同じかまたは改良された生物学的活性を示すFVIIポリペプチドを指すことを意図する。これには、PEG化ヒト第VIIa因子、システイン-PEG化ヒト第VIIa因子、およびその変異体が含まれるが、これらに限定されない。第VII因子誘導体の非限定的な例には、WO 03/31464およびUS特許出願US 20040043446、US 20040063911、US 20040142856、US 20040137557、およびUS 20040132640 (Neose Technologies, Inc.) に開示されるようなグリコPEG化FVII誘導体;WO 01/04287、US特許出願20030165996、WO 01/58935、WO 03/93465 (Maxygen ApS) およびWO 02/02764、US特許出願20030211094 (University of Minnesota) に開示されるようなFVII結合体が含まれる。
「改良された生物学的活性」の用語は、i)組換え野生型ヒト第VIIa因子と比較して実質的に同じかまたは増大したタンパク分解活性を備えたFVIIポリペプチド、ii)組換え野生型ヒト第VIIa因子と比較して実質的に同じかまたは増大したTF結合活性を備えたFVIIポリペプチド、またはiii)組換え野生型ヒト第VIIa因子と比較して実質的に同じかまたは増大した血漿中の半減期を備えたFVIIポリペプチドを指す。「PEG化ヒト第VIIa因子」の用語は、ヒト第VIIa因子ポリペプチドに結合(conjugate)したPEG分子を有するヒト第VIIa因子を意味する。PEG分子が、第VIIa因子ポリペプチドの任意のアミノ酸残基または炭水化物部分などの第VIIa因子ポリペプチドの任意の部分に付着し得ることが理解される。「システイン-PEG化ヒト第VIIa因子」の用語は、ヒト第VIIa因子に導入されたシステインのスルフヒドリル基に結合(conjugate)したPEG分子を有する第VIIa因子を意味する。
組換え野生型ヒト第VIIa因子と比較して実質的に同じかまたは増大したタンパク分解活性を有する第VII因子変異体の非限定的な例には、以下のものが含まれる:S52A-FVIIa、S60A-FVIIa (Lino et al., Arch. Biochem. Biophys. 352: 182-192, 1998);米国特許第5,580,560号に開示されるような増大したタンパク分解安定性を示すFVIIa変異体;タンパク分解により残基290と291の間または残基315と316の間で切断された第VIIa因子 (Mollerup et al., Biotechnol. Bioeng. 48: 501-505, 1995);第VIIa因子の酸化型 (Kornfelt et al., Arch. Biochem. Biophys. 363: 43-54, 1999);PCT/DK02/00189 (WO 02/077218に相当) に開示されるようなFVII変異体;およびWO 02/38162 (Scripps Research Institute) に開示されるような増大したタンパク分解安定性を示すFVII変異体;WO 99/20767、US特許US 6017882およびUS 6747003、US特許出願20030100506 (University of Minnesota)、およびWO 00/66753、US特許出願US 20010018414、US 2004220106、およびUS 200131005、US特許US 6762286およびUS 6693075 (University of Minnesota) に開示されるような、改変されたGla-ドメインを有し、かつ向上した膜結合を示すFVII変異体;並びにWO 01/58935、US特許US 6806063、US特許出願20030096338 (Maxygen ApS)、WO 03/93465 (Maxygen ApS)、WO 04/029091 (Maxygen ApS)、WO 04/083361 (Maxygen ApS)、およびWO 04/111242 (Maxygen ApS)、並びにWO 04/108763 (Canadian Blood Services) に開示されるようなFVII変異体。
野生型FVIIaと比較して増大した生物学的活性を有するFVII変異体の非限定的な例には、以下のものが含まれる:WO 01/83725、WO 02/22776、WO 02/077218、PCT/DK02/00635 (WO 03/027147に相当)、デンマーク特許出願PA 2002 01423 (WO 04/029090に相当)、デンマーク特許出願PA 2001 01627 (WO 03/027147に相当)、WO 02/38162 (Scripps Research Institute) に開示されるようなFVII変異体;およびJP 2001061479 (Chemo-Sero-Therapeutic Res Inst.) に開示されるような向上した活性を有するFVIIa変異体。
第VII因子の変異体の例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない:
L305V-FVII, L305V/M306D/D309S-FVII, L305I-FVII, L305T-FVII, F374P-FVII,
V158T/M298Q-FVII, V158D/E296V/M298Q-FVII, K337A-FVII, M298Q-FVII,
V158D/M298Q-FVII, L305V/K337A-FVII, V158D/E296V/M298Q/L305V-FVII,
V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII, V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A-FVII, K157A-FVII,
E296V-FVII, E296V/M298Q-FVII, V158D/E296V-FVII, V158D/M298K-FVII, および
S336G-FVII, L305V/K337A-FVII, L305V/V158D-FVII, L305V/E296V-FVII,
L305V/M298Q-FVII, L305V/V158T-FVII, L305V/K337A/V158T-FVII,
L305V/K337A/M298Q-FVII, L305V/K337A/E296V-FVII, L305V/K337A/V158D-FVII,
L305V/V158D/M298Q-FVII, L305V/V158D/E296V-FVII, L305V/V158T/M298Q-FVII,
L305V/V158T/E296V-FVII, L305V/E296V/M298Q-FVII, L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII,
L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII, L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII,
L305V/V158T/E296V/K337A-FVII, L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII,
L305V/V158D/E296V/K337A-FVII, L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII,
L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, S314E/K316H-FVII, S314E/K316Q-FVII,
S314E/L305V-FVII, S314E/K337A-FVII, S314E/V158D-FVII, S314E/E296V-FVII,
S314E/M298Q-FVII, S314E/V158T-FVII, K316H/L305V-FVII, K316H/K337A-FVII,
K316H/V158D-FVII, K316H/E296V-FVII, K316H/M298Q-FVII, K316H/V158T-FVII,
K316Q/L305V-FVII, K316Q/K337A-FVII, K316Q/V158D-FVII, K316Q/E296V-FVII,
K316Q/M298Q-FVII, K316Q/V158T-FVII, S314E/L305V/K337A-FVII,
S314E/L305V/V158D-FVII, S314E/L305V/E296V-FVII, S314E/L305V/M298Q-FVII,
S314E/L305V/V158T-FVII, S314E/L305V/K337A/V158T-FVII,
S314E/L305V/K337A/M298Q-FVII, S314E/L305V/K337A/E296V-FVII,
S314E/L305V/K337A/V158D-FVII, S314E/L305V/V158D/M298Q-FVII,
S314E/L305V/V158D/E296V-FVII, S314E/L305V/V158T/M298Q-FVII,
S314E/L305V/V158T/E296V-FVII, S314E/L305V/E296V/M298Q-FVII,
S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII,
S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII,
S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII, S314E/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII,
S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII,
S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, K316H/L305V/K337A-FVII,
K316H/L305V/V158D-FVII, K316H/L305V/E296V-FVII, K316H/L305V/M298Q-FVII,
K316H/L305V/V158T-FVII, K316H/L305V/K337A/V158T-FVII,
K316H/L305V/K337A/M298Q-FVII, K316H/L305V/K337A/E296V-FVII,
K316H/L305V/K337A/V158D-FVII, K316H/L305V/V158D/M298Q-FVII,
K316H/L305V/V158D/E296V-FVII, K316H/L305V/V158T/M298Q-FVII,
K316H/L305V/V158T/E296V-FVII, K316H/L305V/E296V/M298Q-FVII,
K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII,
K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII,
K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII, K316H/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII,
K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII,
K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, K316Q/L305V/K337A-FVII,
K316Q/L305V/V158D-FVII, K316Q/L305V/E296V-FVII, K316Q/L305V/M298Q-FVII,
K316Q/L305V/V158T-FVII, K316Q/L305V/K337A/V158T-FVII,
K316Q/L305V/K337A/M298Q-FVII, K316Q/L305V/K337A/E296V-FVII,
K316Q/L305V/K337A/V158D-FVII, K316Q/L305V/V158D/M298Q-FVII,
K316Q/L305V/V158D/E296V-FVII, K316Q/L305V/V158T/M298Q-FVII,
K316Q/L305V/V158T/E296V-FVII, K316Q/L305V/E296V/M298Q-FVII,
K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII,
K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII,
K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII, K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII,
K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII,
K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII, F374Y/K337A-FVII, F374Y/V158D-FVII,
F374Y/E296V-FVII, F374Y/M298Q-FVII, F374Y/V158T-FVII, F374Y/S314E-FVII,
F374Y/L305V-FVII, F374Y/L305V/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158D-FVII,
F374Y/L305V/E296V-FVII, F374Y/L305V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/V158T-FVII,
F374Y/L305V/S314E-FVII, F374Y/K337A/S314E-FVII, F374Y/K337A/V158T-FVII,
F374Y/K337A/M298Q-FVII, F374Y/K337A/E296V-FVII, F374Y/K337A/V158D-FVII,
F374Y/V158D/S314E-FVII, F374Y/V158D/M298Q-FVII, F374Y/V158D/E296V-FVII,
F374Y/V158T/S314E-FVII, F374Y/V158T/M298Q-FVII, F374Y/V158T/E296V-FVII,
F374Y/E296V/S314E-FVII, F374Y/S314E/M298Q-FVII, F374Y/E296V/M298Q-FVII,
F374Y/L305V/K337A/V158D-FVII, F374Y/L305V/K337A/E296V-FVII,
F374Y/L305V/K337A/M298Q-FVII, F374Y/L305V/K337A/V158T-FVII,
F374Y/L305V/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/E296V-FVII,
F374Y/L305V/V158D/M298Q-FVII, F374Y/L305V/V158D/S314E-FVII,
F374Y/L305V/E296V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/E296V/V158T-FVII,
F374Y/L305V/E296V/S314E-FVII, F374Y/L305V/M298Q/V158T-FVII,
F374Y/L305V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158T/S314E-FVII,
F374Y/K337A/S314E/V158T-FVII, F374Y/K337A/S314E/M298Q-FVII,
F374Y/K337A/S314E/E296V-FVII, F374Y/K337A/S314E/V158D-FVII,
F374Y/K337A/V158T/M298Q-FVII, F374Y/K337A/V158T/E296V-FVII,
F374Y/K337A/M298Q/E296V-FVII, F374Y/K337A/M298Q/V158D-FVII,
F374Y/K337A/E296V/V158D-FVII, F374Y/V158D/S314E/M298Q-FVII,
F374Y/V158D/S314E/E296V-FVII, F374Y/V158D/M298Q/E296V-FVII,
F374Y/V158T/S314E/E296V-FVII, F374Y/V158T/S314E/M298Q-FVII,
F374Y/V158T/M298Q/E296V-FVII, F374Y/E296V/S314E/M298Q-FVII,
F374Y/L305V/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/E296V/K337A/S314E-FVII,
F374Y/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A-FVII,
F374Y/L305V/E296V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII,
F374Y/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158D/K337A/S314E-FVII,
F374Y/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII,
F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A-FVII,
F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158D/M298Q/S314E-FVII,
F374Y/L305V/V158D/E296V/S314E-FVII, F374Y/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII,
F374Y/V158T/E296V/M298Q/S314E-FVII, F374Y/L305V/V158T/K337A/S314E-FVII,
F374Y/V158T/M298Q/K337A/S314E-FVII, F374Y/V158T/E296V/K337A/S314E-FVII,
F374Y/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII, F374Y/L305V/V158T/M298Q/K337A-FVII,
F374Y/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII, F374Y/L305V/V158T/M298Q/S314E-FVII,
F374Y/L305V/V158T/E296V/S314E-FVII, F374Y/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII,
F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII,
F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII,
F374Y/L305V/E296V/M298Q/V158T/S314E-FVII,
F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T-FVII,
F374Y/L305V/E296V/K337A/V158T/S314E-FVII,
F374Y/L305V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII,
F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII,
F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII,
F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII,
F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII,
F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII, S52A-第VII因子,
S60A-第VII因子; R152E-第VII因子, S344A-第VII因子, T106N-FVII,
K143N/N145T-FVII, V253N-FVII, R290N/A292T-FVII, G291N-FVII, R315N/V317T-FVII,
K143N/N145T/R315N/V317T-FVII; および233Thrから240Asnまでのアミノ酸配列に置換、付加または欠失を有するFVII; 304Argから329Cys までのアミノ酸配列に置換、付加または欠失を有するFVII; および153Ileから223Argまでのアミノ酸配列に置換、付加または欠失を有するFVII。
よって、第VII因子ポリペプチドの置換変異体には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない:位置P10, K32, L305, M306, D309, L305, L305, F374, V158, M298, V158, E296, K337, M298, M298, S336, S314, K316, K316, F374, S52, S60, R152, S344, T106, K143, N145, V253, R290, A292, G291, R315, V317における置換、およびT233からN240まで、またはR304からC329まで、またはI153からR223まで、またはこれらの組合せのアミノ酸配列における置換、付加または欠失、とりわけP10Q, K32E, L305V, M306D, D309S, L305I, L305T, F374P, V158T, M298Q, V158D, E296V, K337A, M298Q, M298K, S336G, S314E, K316H, K316Q, F374Y, S52A, S60A, R152E, S344A, T106N, K143N, N145T, V253N, R290N, A292T, G291N, R315N, V317Tなどの変異体、およびT233からN240まで、またはR304からC329まで、またはI153からR223まで、またはこれらの組合せのアミノ酸配列における置換、付加または欠失。
幾つかの態様において、第VII因子ポリペプチドは、ヒト第VIIa因子(hFVIIa)、好ましくは組換えにより作成されたヒト第VIIa因子(rhVIIa)である。
他の態様において、第VII因子ポリペプチドは、第VII因子配列変異体である。
幾つかの態様において、第VII因子ポリペプチドは、野生型ヒト第VII因子とは異なるグリコシル化を有する。
細胞
本発明の実施において、細胞は、真核細胞であり、より好ましくは樹立真核細胞株であり、CHO (たとえばATCC CCL 61)、COS-1 (たとえばATCC CRL 1650)、ベビーハムスター腎細胞 (BHK)、およびHEK293 (たとえばATCC CRL 1573; Graham et al., J. Gen. Virol. 36: 59-72, 1977) の細胞株が含まれるが、これらに限定されない。好ましいBHK細胞株は、tk- ts13 BHK細胞株 (Waechter and Baserga, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79: 1106-1110, 1982) であり、以下においてBHK 570細胞と称される。BHK 570細胞株は、American Type Culture Collection, 12301 Parklawn Dr., Rockville, MD 20852から、ATCCアクセッション番号CRL 10314で入手可能である。また、tk- ts13 BHK細胞株は、ATCCからアクセッション番号CRL 1632で入手可能である。好ましいCHO細胞株は、ATCCからアクセッション番号CCl61で入手可能なCHO K1細胞株である。
他の適切な細胞株には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない:Rat Hep I (ラットヘパトーム; ATCC CRL 1600)、Rat Hep II (ラットヘパトーム; ATCC CRL 1548)、TCMK (ATCC CCL 139)、ヒト肺 (ATCC HB 8065)、NCTC 1469 (ATCC CCL 9.1);DUKX細胞 (CHO細胞株) (Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 4216-4220, 1980) (DUKX細胞はDXB11細胞とも称される)、およびDG44 (CHO細胞株) (Cell, 33: 405, 1983、およびSomatic Cell and Molecular Genetics 12: 555, 1986)。また、3T3細胞、Namalwa細胞、骨髄腫、および骨髄腫と他の細胞の融合細胞も有効である。幾つかの態様において、細胞は、突然変異体であっても組換え細胞であってもよく、たとえば、タンパク質の翻訳後修飾を触媒する酵素であって、由来の細胞タイプとは質的または量的に異なる範囲の酵素 (たとえば、グリコシル化酵素、たとえばグリコシルトランスフェラーゼおよび/またはグリコシダーゼ、またはプロセシング酵素、たとえばプロペプチド) を発現する細胞である。また、適切な昆虫細胞株には、Lepidoptera細胞株、たとえばSpodoptera frugiperda細胞、またはTrichoplusia ni細胞が含まれるが、これらに限定されない (たとえばUS 5,077,214を参照)。
幾つかの態様において、本発明を実施する際に使用される細胞は、懸濁培養で生育することが可能である。本発明で使用される懸濁−適格細胞は、大きな堅い集合体をつくらず、懸濁状態で生長することが可能な細胞であり、すなわち単分散であるか、または集合体ごとに僅かな細胞のみを含む緩い集合体で生長する細胞である。懸濁−適格細胞には、適応も操作もなく懸濁状態で生長する細胞(たとえば、造血細胞またはリンパ球様細胞)、および付着依存性細胞を懸濁生長に徐々に適応させることにより懸濁−適格にした細胞(たとえば、上皮細胞または線維芽細胞)が含まれるが、これらに限定されない。
本発明を実施する際に使用される細胞は、接着細胞(足場依存性または付着依存性細胞としても公知)であり得る。本発明で使用される接着細胞は、増殖および生長のために、細胞自体を適切な表面に接着または固定することが必要な細胞である。本発明の一つの態様において、使用される細胞は、接着細胞である。これらの態様において、増殖段階および生産段階のいずれも、マイクロキャリアの使用を含む。使用される接着細胞は、増殖段階の間にキャリアへ(マクロ孔質キャリアを使用する場合、キャリアの内部構造へ)移動することが可能で、生産バイオリアクターに移されたときには新たなキャリアへ移動することが可能でなければならない。接着細胞が、細胞自身で新たなキャリアに移動することが十分にできない場合、細胞含有マイクロキャリアをタンパク分解酵素またはEDTAと接触させることにより、接着細胞をキャリアから遊離させてもよい。使用される培地は、(特に、動物由来の成分を含まない場合)接着細胞をサポートするのに適した成分を更に含有すべきであり;接着細胞の培養に適した培地は、たとえばSigmaなどの販売業者から入手可能である。
また、細胞は、懸濁−適応細胞であっても懸濁−適格細胞であってもよい。かかる細胞を使用する場合、細胞の増殖は、懸濁状態で行われてもよく、このためマイクロキャリアは、生産培養容器における最終の増殖段階、および生産段階で使用されるだけである。懸濁−適応細胞の場合、使用されるマイクロキャリアは、典型的には、キャリアの内部構造内への物理的捕捉により細胞を付着させるマクロ孔質キャリアである。
かかる態様において真核細胞は、典型的には、CHO、BHK、HEK293、骨髄腫細胞などから選択される。
細胞培養の手順
本発明の方法は、典型的には撹拌培養容器で行われ、好ましくはマイクロキャリアベースの手法タイプが採用される。マイクロキャリアベースの手法において、細胞は、キャリア(マクロ孔質キャリア)の内部構造へ移動するか、またはキャリア(固体キャリア)の表面に付着するか、またはその両方である。マイクロキャリアベースの手法では、真核細胞、マイクロキャリア、および細胞培養液が、初めに培養容器に供給される。次の日、培養体積が、最初から容器の最終作動体積に達していなかった場合、追加の細胞培養液を供給してもよい。次のピリオドでは、培養が最終的に終了するまで、生成物を含有する培養上清の定期的な回収および新たな培養液との交換が行われる。生成物を含有する上清を回収する際には、培養の撹拌、たとえばかき混ぜを停止させ、細胞含有キャリアを沈殿させ、その後、生成物を含有する細胞培養上清の部分を取り出す。
この手順の全ての成果を改良するために、生成物を含有する上清を回収する前に、冷却工程を好ましくは適用してもよい。たとえばWO 03/029442を参照。幾つかの態様において、キャリアを沈殿させる前に、培養液を約18℃〜約32℃、または約20℃〜約30℃、または約22℃〜約28℃の温度に冷却する。
その他の適用可能な細胞培養の手順の変形は、WO 02/29084に開示される。
増殖工程
生成物を含有する培養上清を更なる後続プロセシングのために定期的に回収する生産段階に入る前に、細胞を、対象の特定細胞に適切であると考えられる任意のスキームまたはルーチンに従って増殖させる。増殖段階は、単一工程または複数工程の手順の何れでもよい。単一工程の増殖手順では、細胞は、貯蔵庫から取り出し、生産が行われるマイクロキャリアを含有する培養容器に直接接種する。複数工程の増殖手順では、細胞は、貯蔵庫から取り出し、生産が行われるマイクロキャリアを含有する最終の培養容器に達するまで、徐々に増大するサイズの幾つかの培養容器を経て増殖させる。増殖工程の間、生長に最適な条件下で細胞を生長させる。培養条件、たとえば温度、pH、溶存酸素圧、溶存CO2の濃度などは、特定細胞に最適であることが知られている培養条件であり、この分野内の当業者に明らかである(たとえばAnimal Cell Culture: A Practical Approach 2nd Ed., Rickwood, D. and Hames, B.D., eds., Oxford University Press, New York (1992)を参照)。
あるアプローチにおいて、細胞培養プロセスは、一つの培養容器で行われる:細胞を、生産が行われるマイクロキャリアを含有する培養容器に直接接種し;適切な細胞密度に達するまで増殖させ、生産段階を開始する。
別のアプローチにおいて、細胞培養プロセスは、少なくとも2つの別個の培養容器で行われる:一または複数のシード培養容器(最初の増殖工程)、その後の生産培養容器(最後の増殖工程、その後の生産段階)。最初の増殖工程では、所望のポリペプチドを発現する細胞を、培養培地を含有するシード培養容器に接種し、細胞が最小クロスシーディング密度に達するまで増殖させる。その後、増殖させたシード培養を、(a)培養培地および(b)マイクロキャリアを含有する生産培養容器に移す。この培養容器において細胞は、固体キャリアの表面またはマクロ孔質キャリアの外部および内部表面に移動する条件下で培養され、キャリアが細胞により完全にコロニー形成されるまで、この最後の増殖工程で細胞の生長を継続する。この最後の増殖工程の間、マイクロキャリアを培養容器の底に沈降させることにより培地交換を行い、その後、タンク体積の所定のパーセンテージの培地を取り出し、対応するパーセンテージタンク体積の新たな培地を容器に添加する。その後、マイクロキャリアを培地に再懸濁し、この培地の取出しと置換のプロセスを、所定の間隔で、たとえば24時間ごとに繰り返す。置換される培地の量は、以下の表1に示されるとおり、細胞密度に依存し、典型的にはタンク体積の10〜95%、好ましくは25%〜80%であり得る。
増殖段階が複数工程の手順であるプロセスにおいて、増殖は、最終の培養容器に入るために充分な細胞数が得られるまで、段階的に増大するサイズの培養容器で行われてもよいことが理解される。たとえば、5 L、50 L、100 Lまたは500 Lの一または複数のシード培養容器を順次使用してもよい。シード培養容器は、典型的には、5 L〜1000 Lの容量を有する。典型的には、細胞は、0.2〜0.4×106 細胞/mLの初期密度でシード培養容器に接種され、その培養物が約1.0×106 細胞/mLの細胞密度に達するまで増殖させる。典型的には、最小クロスシーディング密度は、約0.8〜約1.5×106 細胞/mLである。
たとえば第VII因子などの所望のポリペプチドの生産に適した設定ポイントの幾つかは、シード培養における細胞の初期生長またはマイクロキャリア上の細胞の初期生長に必ずしも適していない。たとえば、温度、溶存酸素圧、溶存CO2濃度、およびpHは、二つの段階において異なっていてもよい。増殖の間の培地交換は、後続プロセシング用の培養上清を回収するためではなく、細胞の生存と生長を維持するために行われる。
(マイクロキャリアを含有する)最終の培養容器における最後の増殖工程に可能な培養条件を、以下の表1にまとめて示す。
Figure 0005523674
生産段階
本発明の方法について規定される特徴および手段に加えて、以下で説明されるとおり、満足な成果を得るために生産において幾つかの他の手段をとることが必要である。
細胞密度が、生産段階の開始のため、すなわち、生成物を含有する培養上清に後続プロセシングを施すために適した値に達したときに、60〜95%、好ましくは80%の培養上清を24時間ごとに回収する。この細胞密度の値は、典型的には1〜12×106 細胞/mLである。設定ポイントは、この時点で変更してもよいし、所望のポリペプチドの生産に適した値に設定してもよい。
培地交換は、マイクロキャリアをタンクの底に沈降させることにより行われ、その後、タンク体積の選択パーセンテージの培地を取り出し、対応するパーセンテージタンク体積の新たな培地を容器に添加する。典型的には、25〜90%のタンク体積を置換し、好ましくは、80%のタンク体積を新たな培地と置換する。その後、マイクロキャリアを培地に再懸濁し、この培地の取出しと置換のプロセスを、典型的には10〜48時間ごとに、好ましくは24時間ごとに繰り返す。
プロセスのこの側面の概略を表2に示す。
Figure 0005523674
生産段階に入るとき、および生産段階の間、必要に応じて培養の温度設定ポイントを低下させてもよい。
生産段階に入るとき、温度、溶存酸素圧、溶存CO2濃度、オペレーティングpH、および培地の交換頻度を、典型的には、生産に最適な値に変更する。生長および生産段階における温度の範囲と値の例は、それぞれ表1および2から理解することができる。生産段階の間、CHO細胞株にとっては約36℃の温度が好ましい。
マイクロキャリア
本明細書で使用されるマイクロキャリアは、(細胞に重大な切断ダメージを引き起こさない撹拌速度での)懸濁培養で使用可能なほど十分に小さい粒子である。マイクロキャリアは、固体、多孔質、または表面にコーティングを備えた固体コアを有する。マイクロキャリアは、たとえば、セルロース−またはデキストラン−ベースであり得るが、これらに限定されず、その表面(多孔質キャリアの場合には外部と内部表面)が正に荷電していてもよい。更なる詳細は、WO 02/29083および“Microcarrier cell culture, principles and methods. Amersham Pharmacia Biotech. 18-1140-62. Edition AA”に見出すことができる。
ある一連の態様において、マイクロキャリアは、約150〜350 umの粒子全径を有し、約0.8〜2.0 meq/gの正電荷密度を有する。ある一連の態様において、マイクロキャリアは、固体キャリアである。有用な固体マイクロキャリアには、Cytodex 1TMおよびCytodex 2TM (GE Healthcare) が含まれるが、これらに限定されない。固体キャリアは、接着細胞(足場依存性細胞)に特に適している。
別の一連の態様において、マイクロキャリアは、マクロ孔質キャリアである。本明細書で使用されるマクロ孔質キャリアは、以下の特性を有する粒子であり、たとえばセルロースベースである:(a)(細胞に重大な切断ダメージを引き起こさない撹拌速度での)懸濁培養で使用可能なほど十分に小さい;および(b)粒子の内部空間に細胞が移動可能なほどの十分なサイズの孔と内部空間を有する。これらの表面(外部と内部)は、一つの態様において、正に荷電していてもよい。ある一連の態様において、キャリアは、(a)約150〜350 umの粒子全径を有し;(b)約15〜約40 umの平均孔開口径の孔を有し;(c)約0.8〜2.0 meq/gの正電荷密度を有する。幾つかの態様において、正電荷は、DEAE(N,N,-ジエチルアミノエチル)基により付与される。有用なマクロ孔質キャリアには、Cytopore 1TMおよびCytopore 2TM (GE Healthcare) が含まれるが、これらに限定されない。Cytopore 1TMキャリアが特に好ましく、これは、230 umの平均粒径、30 umの平均孔径、および1.1 meq/gの正電荷密度を有する。
大規模培養の条件
本明細書で使用される大規模培養の容器は、少なくとも約100 L、好ましくは少なくとも約500 L、より好ましくは少なくとも約1000 L、最も好ましくは少なくとも約5000 Lの容量を有する。細胞培養プロセスが、少なくとも2つの別個の培養容器、たとえば一または複数のシード培養容器(最初の増殖工程)、その後の生産培養容器(最後の増殖工程、その後の生産段階)で行われる場合、プロセスは、典型的には、(約1.0×106 細胞/mLを有する)約50 Lの増殖シード培養を、150 Lの培養培地を含有する500 Lの培養容器に移し替えることを伴う。大規模培養は、たとえば温度、pH、溶存酸素圧(DOT)、溶存CO2濃度、および撹拌速度など、適切な条件の下で維持され、その体積は、培養容器に培地を添加することにより徐々に増大する。マイクロキャリアプロセスの場合、培養容器は、1〜10 g/Lの範囲の最終マイクロキャリア濃度に相当する量のマイクロキャリアを更に含む。細胞は、移し替えた後、典型的には、最初の24時間以内にキャリアの表面またはキャリアの内部に移動する。
培地
「細胞培養液」および「培養培地(culture medium)」(または単に「培地(medium)」)の用語は、以下のカテゴリーの一または複数から少なくとも一の成分を典型的に提供する、真核細胞を生長させるために用いられる栄養溶液を指す:(1)培地の浸透圧に寄与するナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウムなどの塩;(2)通常グルコースなどの炭水化物の形態のエネルギー源;(3)すべての必須アミノ酸、通常、基本セットの20アミノ酸;(4)ビタミンおよび/または低い濃度で必要とされる他の有機化合物;および(5)微量元素、ここで微量元素は、典型的には非常に低い濃度、通常マイクロモルの範囲で必要とされる無機化合物と規定される。栄養溶液は、必要に応じて、以下のカテゴリーの何れかから一または複数の成分を補充してもよい:(a)ホルモンおよび他の増殖因子、たとえばインスリン、トランスフェリン、および上皮増殖因子;および(b)タンパク質および組織の加水分解産物。好ましくは、細胞培養培地は、動物起源の成分を含有しない。
重要なことは、細胞培養液が、上記に規定された植物タンパク質加水分解産物を含むことである。
本発明は、動物由来の成分を欠く培地で真核細胞を培養することを包含する。本明細書で使用される「動物由来の」成分は、完全な動物で産生される任意の成分(たとえば、血清から単離、精製されるタンパク質)、または完全な動物で産生される成分を使用することにより作成される任意の成分(たとえば、動物から単離、精製された酵素を用いて植物原材料を加水分解することにより作成されるアミノ酸)である。対照的に、動物タンパク質の配列を有する(すなわち、動物のゲノム起源である)タンパク質であるが、完全な動物で産生、単離、精製される成分を欠く培地中で細胞培養において(たとえば組換え酵母または細菌細胞において、または組換えもしくは組換えでない樹立された連続継代真核細胞株において)インビトロで産生されるタンパク質は、「動物由来の」成分ではない(たとえば、酵母または細菌細胞で産生されるインスリン、またはCHO、BHKもしくHEK細胞などの樹立された哺乳類細胞株で産生されるインスリン、またはNamalwa細胞で産生されるインターフェロン)。たとえば、動物タンパク質の配列を有する(すなわち、動物のゲノム起源である)タンパク質であるが、動物由来の成分を欠く培地中で組換え細胞において産生されるタンパク質(たとえば、酵母または細菌細胞で産生されるインスリン)は、「動物由来の成分」ではない。したがって、動物由来の成分を欠く細胞培養培地は、組換えで産生される動物タンパク質を含有していてもよい培地であるが、かかる培地は、たとえば動物血清または動物血清から精製されるタンパク質もしくは他の生成物を含有しない。かかる培地は、たとえば、植物に由来する一または複数の成分を含有していてもよい。本発明の条件の下で細胞の生長と維持をサポートする任意の細胞培養培地、とりわけ動物由来の成分を欠く培地が使用され得る。典型的には、培地は、水、浸透圧調節剤、緩衝剤、エネルギー源、アミノ酸、無機または組換え鉄源、一または複数の合成または組換え増殖因子、ビタミン、および補助因子を含有する。一つの態様において、培地は、動物由来の成分を欠き、タンパク質を欠く(「タンパクフリー」)。動物由来の成分および/またはタンパク質を欠く培地は、たとえばSigma、SAFC Biosciences、GibcoおよびGeminiなどの販売業者から入手可能である。
慣用的な成分に加えて、第VII因子または第VII因子関連ポリペプチドの産生に適した培地は、約0.1〜50 mg/L、好ましくは約0.5〜25 mg/L、より好ましくは約1〜10 mg/L、最も好ましくは約5 mg/Lの濃度でビタミンKを含有し、これは、第VII因子のグルタミン酸残基のγ−カルボキシル化に必要である。
本発明で使用される適切な培地は、たとえばGibcoおよびSAFC Biosciencesなどの販売業者から入手可能である。
一つの態様において、培地は、表3aに示されるとおり構成される。
以下の表(表3a)は、本発明での使用に適した培地の組成である。
Figure 0005523674
Figure 0005523674
Figure 0005523674
一つの態様において、培地は、表3bに示されるとおり構成される。
以下の表(表3b)は、本発明での使用に適した培地の組成である。
Figure 0005523674
Figure 0005523674
Figure 0005523674
培地は、好ましくは、動物由来の成分を欠く培地である。
一つの態様において、培地は、動物由来の成分を欠く市販のタンパクフリーCHO培地である(SAFC Biosciences)。
幾つかの態様において、本発明を実施する際に使用される細胞は、たとえば血清を欠く培地などの動物由来の成分を欠く培地での懸濁生長に適応させる。かかる適応の手順は、たとえば、Scharfenberg, et al., Animal Cell Technology Developments towards the 21st Century, E. C. Beuvery et al. (Eds.), Kluwer Academic Publishers, pp. 619-623, 1995 (BHKおよびCHO細胞); Cruz, Biotechnol. Tech. 11: 117-120, 1997 (昆虫細胞); Keen, Cytotechnol. 17: 203-211, 1995 (骨髄腫細胞); Berg et al., Biotechniques 14: 972-978, 1993 (ヒト腎臓293細胞) に記載される。特に好ましい態様において、宿主細胞は、ヒト第VII因子を発現するように操作され、かつ血清または動物由来の成分の非存在下で生長するように適応させた、BHK 21またはCHOまたはHEK 293細胞である。
培養容器
本発明の範囲内で適用可能な培養容器は、たとえば、慣用的な羽根車タイプにより撹拌を達成する慣用的な撹拌タンクリアクター(CSTR)、または容器の底から空気を導入することにより撹拌を達成するエアリフトリアクターに基くものであり得る。特定の範囲内で典型的に制御される更なるパラメーターには、pH、溶存酸素圧(DOT)、溶存CO2の濃度、および温度がある。溶存酸素圧は、たとえば純酸素を吹き込むことにより維持され得る。溶存CO2の濃度は、空気を吹き込むことにより維持され得る。温度制御培地は、典型的には水であり、必要に応じて加熱または冷却される。水は、容器を取り囲むジャケットを通して、または培養液に浸された配管コイルを通して通過させることができる。
「培養容器」の用語は、「タンク」、「リアクター」、「発酵槽」および「バイオリアクター」と交換可能に使用され得る。
後続プロセシング
培地を培養容器から取り出したら、所望のタンパク質を得るために一または複数のプロセシング工程を行うことができ、たとえば、キャリアに固定されていない細胞を取り出すための遠心分離または濾過;アフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー;イオン交換クロマトグラフィー;サイズ排除クロマトグラフィー;電気泳動手段(たとえば、調製用等電点電気泳動(IEF)、ディファレンシャル溶解度(たとえば、硫酸アンモニウム沈殿)、または抽出などが含まれるが、これらに限定されない。一般には、Scopes, Protein Purification, Springer-Verlag, New York, 1982; およびProtein Purification, J.-C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989が参照される。
第VII因子または第VII因子関連ポリペプチドの精製は、たとえば、抗第VII因子抗体カラムでのアフィニティークロマトグラフィー(たとえば、Wakabayashi et al., J. Biol. Chem. 261: 11097, 1986; およびThim et al., Biochem. 27: 7785, 1988を参照)、および第XIIa因子またはトリプシン様の特異性を有する他のプロテアーゼ、たとえば第IXa因子、カリクレイン、第Xa因子、およびトロンビンを用いたタンパク分解切断による活性化を伴ってもよい。たとえば、Osterud et al., Biochem. 11: 2853 (1972); Thomas, 米国特許第4,456,591号; およびHedner et al., J. Clin. Invest. 71: 1836 (1983)が参照される。あるいは、第VII因子は、Mono Q(登録商標)(Pharmacia)などのイオン交換クロマトグラフィーカラムを通すことにより活性化されてもよい。
以下の実施例は、本発明の非限定的な実例を意図するものである。
実施例
例1:第VII因子の血清フリー生産(小パイロット規模培養)
以下の実験は、小パイロット規模培養(20 L)で第VII因子を生産するために行った。培養プロセスのフローチャートを図1に示す。プロセスの生産パートは、細胞がマイクロキャリアにより発酵槽内に保持される高細胞密度(HCD)プロセスである。
細胞は、FVIIプロデューサー細胞株の細胞バンクから解凍した。FVIIプロデューサー細胞株は、第VII因子をコードする遺伝子をトランスフェクトし、かつ動物由来の成分の非存在下において血清フリー懸濁状態で生長するように適応させたCHO K1細胞株である。細胞は、解凍後、動物由来の成分を含まない液体培地中で、増大するサイズのスピナーボトルで連続的に増殖させた。増殖のために使用した培地は、約5.0 g/Lの濃度のダイズタンパク質加水分解産物を含んでいた。細胞数の増大に伴って、新たな培地の添加によりその体積を徐々に増大させた。使用した培地は、血清および他の動物由来の成分を含んでいなかった。体積が4 Lに達し、細胞数が〜0.8*106/mlに達したとき、スピナーボトルの中味を20 L撹拌タンクリアクター(小パイロット規模生産発酵槽)に移した。生産発酵槽は、マクロ孔質Cytoporeキャリア(GE Healthcare)を含有しており、細胞は、生産発酵槽に移された後、24時間以内にキャリアに固定された。細胞数の増大に伴って、新たな培地の添加により生産発酵槽における体積を徐々に増大させた。数日後、体積が20 Lに達したとき、生産段階を開始した。生産発酵槽で使用した培地は、1.25 g/L(態様a)または5.0 g/L(レファレンス)の濃度のダイズタンパク質加水分解産物を含んでいた。
生産段階の間、24時間ごとに培地の交換を行った:撹拌を停止してキャリアの沈降を許容し、その後、約80%の培養上清を回収し、新たな培地と置換した。回収された培養上清は、後続プロセシングのために移した。このプロセスは、数週間にわたってこのようなやり方で生産段階において実施した。生産発酵槽における培養液は、約36℃の温度、空気飽和の約50%の溶存酸素レベル、および約100−150 mmHgの溶存CO2レベルで維持した。生産段階の間、細胞密度は、1−2×107細胞/mlに達し、毎日の回収においてFVII濃度は10−20 mg/Lであった。pHは、6.70より高く保持した。
図2のグラフは、20 L発酵槽(小パイロット規模発酵槽)でのマイクロキャリア培養から得た結果を示す。グラフは、生産発酵槽において5.0 g/Lのダイズ加水分解産物の代わりに1.25 g/Lダイズ加水分解産物を用いた場合の、第VII因子生産性に関する安定性の違いを示す。
例2:第VII因子の血清フリー生産(大パイロット規模培養)
細胞は、FVIIプロデューサー細胞株の細胞バンクから解凍した。FVIIプロデューサー細胞株は、第VII因子をコードする遺伝子をトランスフェクトし、かつ動物由来の成分の非存在下において血清フリー懸濁状態で生長するように適応させたCHO K1細胞株である。細胞は、解凍後、動物由来の成分を含まない液体培地中で、増大するサイズのスピナーボトルで連続的に増殖させた。増殖のために使用した培地は、約5.0 g/Lの濃度のダイズタンパク質加水分解産物を含んでいた。細胞数の増大に伴って、新たな培地の添加によりその体積を徐々に増大させた。使用した培地は、血清および他の動物由来の成分を含んでいなかった。体積が4 Lに達し、細胞数が〜0.8*106/mlに達したとき、スピナーボトルの中味を50 L撹拌タンクリアクター(シード発酵槽)に移した。50 L発酵槽で増殖のために使用した培地は、約5.0 g/Lの濃度のダイズタンパク質加水分解産物を含んでいた。細胞数の増大に伴って、新たな培地の添加によりその体積を徐々に増大させた。使用した培地は、血清および他の動物由来の成分を含んでいなかった。体積が50 Lに達し、細胞数が〜1.0*106/mlに達したとき、50 L発酵槽の中味を500 L撹拌タンクリアクター(大パイロット規模生産発酵槽)に移した。生産発酵槽は、マクロ孔質Cytoporeキャリア(GE Healthcare)を含有しており、細胞は、生産発酵槽に移された後、24時間以内にキャリアに固定された。細胞数の増大に伴って、新たな培地の添加により生産発酵槽における体積を徐々に増大させた。数日後、体積が450 Lに達したとき、生産段階を開始した。生産発酵槽の増殖段階で使用した培地は、5 g/Lの濃度のダイズタンパク質加水分解産物を含み、生産段階で使用した培地は、1 g/Lの濃度のダイズタンパク質加水分解産物を含んでいた(態様a)。レファレンスの実施では、培地は、増殖段階および生産段階において、同一濃度のダイズタンパク質加水分解産物を含んでいた。
生産段階の間、24時間ごとに培地の交換を行った:撹拌を停止してキャリアの沈降を許容し、その後、約80%の培養上清を回収し、新たな培地と置換した。回収された培養上清は、後続プロセシングのために移した。このプロセスは、数週間にわたってこのようなやり方で生産段階において実施した。生産発酵槽における培養液は、約36℃の温度、空気飽和の約50%の溶存酸素レベル、および約100−150 mmHgの溶存CO2レベルで維持した。生産段階の間、細胞密度は、1−2×107細胞/mlに達し、毎日の回収においてFVII濃度は10−20 mg/Lであった。pHは、6.70より高く保持した。
図3のグラフは、500 L発酵槽(大パイロット規模発酵槽)でのマイクロキャリア培養から得た結果を示す。グラフは、生産発酵槽の生産段階において5.0 g/Lのダイズ加水分解産物の代わりに1 g/Lダイズ加水分解産物を用いた場合の、第VII因子生産性に関する安定性の違いを示す。
例3:第VII因子の血清フリー生産(大規模)
細胞は、FVIIプロデューサー細胞株の細胞バンクから解凍する。FVIIプロデューサー細胞株は、第VII因子をコードする遺伝子をトランスフェクトし、かつ血清フリー懸濁状態で生長するように適応させたCHO細胞株である。細胞は、解凍後、増大するサイズのスピナーボトルで連続的に増殖させる。細胞数の増大に伴って、新たな培地の添加によりその体積を徐々に増大させる。使用した培地は、血清および他の動物由来の成分を含まない。最終的に、4 Lのスピナー培養液を、第一のシード発酵槽ステップ(50 L発酵槽)に移す。細胞数の増大に伴って、シード発酵槽における体積を50 Lまで徐々に増大させる。その後、50 Lのシード培養液を、第二のシード発酵槽ステップ(500 L発酵槽)に移す。500 Lシード発酵槽では細胞数の増大に伴って、その体積を500 Lまで徐々に増大させる。生産発酵槽(5000 L)は、マクロ孔質Cytoporeキャリア(GE Healthcare)を含有しており、細胞は、生産発酵槽に移された後、24時間以内にキャリアに固定される。細胞数の増大に伴って、新たな培地の添加により生産発酵槽における体積を徐々に増大させる。スピナーボトル、シード発酵槽、および生産発酵槽の増殖段階における培地は、約5 g/Lの濃度(C1)のダイズ加水分解産物を含む。数日後、体積が4500 Lに達したとき、生産段階を開始する。生産段階の間、24時間ごとに培地の交換を行う:撹拌を停止してキャリアの沈降を許容し、その後、約80%の培養上清を回収し、新たな培地と置換する。生産段階における培地は、約1 g/Lの濃度(C2)のダイズ加水分解産物を含む。回収された培養上清は、後続プロセシングのために移す。このプロセスは、数週間にわたってこのようなやり方で生産段階において実施する。生産発酵槽における培養液は、約36℃の温度、空気飽和の約50%の溶存酸素レベル、および約100−180 mmHg、たとえば100−150 mmHgの範囲の溶存CO2レベルで維持する。バイオリアクター(50 L、500 L、5000 L)はすべて、温度、溶存酸素(ミクロスパージャーによる酸素の吹き込み)、撹拌速度、ヘッドスペースエアレーション速度、およびpH(ヘッドスペースへのCO2ガスの添加による下降コントロール、塩基の添加による上昇コントロールはない)のコントロールのための機器を備える。更に、生産発酵槽(5000 L)は、溶存CO2のコントロールのための機器を備える。オンラインCO2測定は、YSI 8500 CO2-装置により行われる。CO2のレベルは、CO2シグナルに従って、チューブを通して大気の空気を培養液に吹き込むことによりコントロールする。吹き込み速度は、CO2濃度が設定ポイント以下であるとき、培養液1 Lあたり0 L/分に設定し、CO2濃度が設定ポイントより高いとき、培養液1 Lあたり0.01−0.05 L/分に設定する。生産段階の間、細胞密度は、1−2×107細胞/mlに達し、毎日の回収においてFVII濃度は10−20 mg/Lである。pHは、6.70より高く保持する。
図1は、培養プロセスのフローチャートを示す。 図2は、20 L発酵槽でのマイクロキャリア培養から得た結果のグラフを示す。例1参照。 図3は、500 L発酵槽でのマイクロキャリア培養から得た結果のグラフを示す。例2参照。

Claims (12)

  1. 血清フリーの培養液に含有される真核細胞においてポリペプチドを大規模生産する方法であって、
    (i)第一の細胞培養液中で細胞を増殖させる、細胞の増殖段階、および
    (ii)第二の細胞培養液中に細胞を存在させる、細胞の生産段階
    を含み、
    細胞培養液の各々が、植物タンパク質加水分解産物を含み、第一の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C1)と第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)の比が、少なくとも1.5:1(C1:C2)である方法。
  2. 1:C2の比が、2:1〜10:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 2の濃度が、0.2〜3.5 g/Lの範囲である、請求項1〜2の何れか1項に記載の方法。
  4. 1の濃度が、4.0〜10.0 g/Lの範囲である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 植物タンパク質加水分解産物が、ダイズタンパク質加水分解産物である、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. ポリペプチドが、第VII因子ポリペプチドである、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. 血清フリーの培養液に含有される真核細胞において第VII因子ポリペプチドを大規模生産する方法であって、
    (i)第一の細胞培養液中で細胞を増殖させる、細胞の増殖段階、および
    (ii)第二の細胞培養液中に細胞を存在させる、細胞の生産段階
    を含み、
    第一の細胞培養液が、ダイズタンパク質加水分解産物を4.0〜10.0 g/Lの濃度で含み、第二細胞培養液が、ダイズタンパク質加水分解産物を0.2〜3.5 g/Lの濃度で含み、第一の細胞培養液中のダイズタンパク質加水分解産物の濃度(C1)と第二の細胞培養液中のダイズタンパク質加水分解産物の濃度(C2)の比が、少なくとも1.5:1(C1:C2)である方法。
  8. 血清フリーの培養液に含有される真核細胞において第VII因子ポリペプチドを大規模生産する方法であって、
    (i)第一の細胞培養液中で細胞を増殖させる、細胞の増殖段階、および
    (ii)第二の細胞培養液中に細胞を存在させる、細胞の生産段階
    を含み、
    細胞培養液の各々が、植物タンパク質加水分解産物を含み、第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C2)が、0.7〜2.2 g/Lの範囲であり、第一の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C 1 )と第二の細胞培養液中の植物タンパク質加水分解産物の濃度(C 2 )の比が、少なくとも1.5:1である、方法。
  9. 前記植物タンパク質加水分解産物が、ダイズタンパク質加水分解産物である、請求項8に記載の方法。
  10. 2の濃度が、0.9〜2.2 g/Lの範囲である、請求項8または9に記載の方法。
  11. 1の濃度が、4.0〜10.0 g/Lの範囲である、請求項8〜10の何れか1項に記載の方法。
  12. 植物タンパク質加水分解産物の濃度が、以下のプロフィール:
    増殖段階における高濃度(C1);
    生産段階における低濃度 − 低レベルA(C2A);
    生産段階における低濃度 − 低レベルB(C2B);
    生産段階における低濃度 − 低レベルA(C2A);
    生産段階における低濃度 − 低レベルB(C2B);
    を有し、
    1>>C2B>C2Aであり、C2AおよびC2Bの濃度が、C2に関して規定される濃度の範囲内であり、細胞数の減少が観察されたときに、低レベルA(C2A)から低レベルB(C2B)への最初の切替えが行われ、かかる減少前のレベルにおおよそ相当するレベルまで細胞数が回復したときに、低レベルB(C2B)から低レベルA(C2A)への次の切替えが行われる、請求項1〜6、7および8〜11の何れか1項に記載の方法。
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