JP3934799B2 - 位置測定装置および厚み測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子部品等に多用されるセラミックス、液晶パネル等のガラス、ハードディスクの基盤、半導体(シリコン)ウェハ等を測定対象物として、光学的測定により位置(または変位)を測定する位置測定装置および厚みを測定する厚み測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の位置測定装置として、光ファイバ変位計が知られている。光ファイバ変位計では、照射ファイバや受光ファイバなどとして使用される光ファイバを多数束ねた光ファイバ束の測定端の面(測定面)を測定対象物に対向させ、測定面内の照射ファイバの端面(照射面)から測定対象物に対して光(照射光)を照射し、測定面内の受光ファイバの端面(受光面)に、照射光に対する測定対象物からの反射光を入射して受光し、その受光量に基づいて、測定面と測定対象物との距離(測定ギャップ)を求める。すなわち測定対象物の変位は、固定された測定面からの測定ギャップの変化として測定される。
【0003】
光ファイバ変位計の測定対象物は、必要な光量を反射する物であれば何でも良いので、測定対象物の適用範囲が広い。また、非接触で測定できるので、測定対象物に粉塵等の汚染や傷等の変形を与える心配がない。また、サブナノメートルオーダーの高分解能と、温度・気圧・電磁場の影響を受けない等の高安定度を有している。
【0004】
なお、所定の基準位置(例えば測定面)から測定対象物までの距離(測定ギャップ)を図る距離計は、その測定対象物の位置を測定する測位計としても機能し、また、その位置を変化させたときの変位(すなわち、基準位置からの距離の変化:位置の変化)を測定する変位計としても機能するので、以下では、これらを総括した概念として位置測定装置という。また、この位置測定装置と同等ではあるが慣用的な呼び方のあるものについては、距離計、測位計、変位計等の呼び名を適宜使用して説明する。
【0005】
次に、非接触式の従来の厚み測定装置としては、光学的測定によるものでは、三角測量タイプの(レーザ)距離計を利用したもの、光学的測定以外では、空気マイクロメータ、静電容量センサ等を利用したものが知られている。
【0006】
レーザ距離計を利用したものでは、対向する一対のレーザ距離計の間(測定面間ギャップ)に測定対象物を挿入し、各距離計から測定対象物の表裏2面の各面までの距離(測定ギャップ)を求めて測定面間ギャップから減算することにより、測定対象物の厚みを求める。
【0007】
また、空気マイクロメータでは、測定対象物を平らな定盤面に置いて、先細のノズル先端から吹き出す空気その他のガスの流量・圧力等に基づいてノズル先端からの測定ギャップを求め、定盤面までの距離との差に基づいて測定対象物の厚みを求める。
【0008】
また、静電容量センサでは、測定対象物が金属等の導電体の場合、対向する一対の測定電極間のギャップ(測定面間ギャップ)内に挿入した測定対象物と各測定電極との間の各静電容量を求め、各静電容量に基づいて各測定電極からの測定ギャップを求めて測定面間ギャップから減算することにより、測定対象物の厚みを求める。また、測定対象物が絶縁体の場合、一方の測定電極を導体定盤とし、他方の測定電極との間の静電容量が測定対象物を挿入する前後で変化することを利用して、その静電容量の変化に基づいて測定対象物の厚みを求める。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光ファイバ束の各光ファイバは円柱状なので、その測定面内の照射面や受光面は円形となり、円形相互間の接合は点接合となるので、接合(製造)しにくく、また、光ファイバ自体の単価も高いので、低価格化(コストダウン)しにくい。また、どのようにうまく接合しても、円形相互間の接合点以外の部分には間隙ができてしまい、その部分への反射光は受光できないので、その範囲の測定ギャップと受光量との関係の線形性(リニアリティ)が確保できず、測定可能な測定ギャップの実用範囲を広範囲に設定できない。また、間隙を含むサイズとなるため、必要な感度(分解能)に対してサイズ効率が悪く小型化しにくい。
【0010】
また、レーザ距離計では、レーザ光源と位置検出素子(いわゆるPSD)等の光学的な位置検出センサが必要となるが、基本的に三角測量のため、測定系が大がかりになる。すなわち、レーザ光源と位置検出センサの間隔や測定ギャップ等を小さくしにくく、小型化しにくい。また、小型化が困難であるため、光路の幾何学的配置が、温度変化による熱膨張の影響を受け易く、高安定度が得られなくなる。
【0011】
また、空気マイクロメータでは、非接触とはいっても、定盤面との接触により測定対象物に粉塵等の汚染や傷等の変形を与えるなど、接触式と同様の問題が生じる。また、空気圧等により振動等の力学的作用を測定対象物に及ぼすため、正確に測定できないこともある。また、静電容量センサでは、静電容量に基づく測定のため、測定ギャップが制限されて、製造工程中の測定に適さないばかりでなく、測定対象物が絶縁体の場合には、測定面間ギャップが制限されるため、厚みの大きな測定対象物の厚みを測定できない。
【0012】
本発明は、第1に、光ファイバ変位計と同等の利点を有しつつ、広範囲のリニアリティを確保でき、かつ、小型化やコストダウンが図れる位置測定装置を提供することを目的とし、第2に、測定対象物の導電率や厚みの大小などの属性に拘らず、また、力学的作用を及ぼすこと無く、非接触の状態で測定対象物の厚みを測定できる厚み測定装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の位置測定装置は、各6面の全てが長方形の2つの仮想の四角柱の各4つの側面のうち、互いに同一サイズの各1つの側面同士を4辺が合うように平行に対向させて、前記2つの仮想の四角柱を隣接または接合し、対向する前記各1つの側面を含む平行な4つの側面を一方の端からそれぞれ第1仮想側面、第2仮想側面、第3仮想側面および第4仮想側面とし、前記2つの仮想の四角柱のうち、前記第1仮想側面および前記第2仮想側面を側面として有する一方を仮想照射光導波路として他方を仮想反射光導波路とし、前記仮想照射光導波路の上底面および下底面のうちの一方を測定対象物に平行に対向させて照射面として他方を入射面とし、前記仮想反射光導波路の上底面および下底面のうちの前記照射面と同一側の一方を受光面として他方を検出面としたとき、内部に前記仮想照射光導波路を含み、入射光を前記入射面に入射して前記仮想照射光導波路内を伝搬させ、前記照射面から照射光として前記測定対象物に対して発射させる照射光導波路と、内部に前記仮想反射光導波路を含み、前記測定対象物からの前記照射光に対応する反射光を前記受光面に入射して前記仮想反射光導波路内を伝搬させ、前記検出面から検出光として発射させる反射光導波路と、前記入射光を発する光源と、前記検出光を受光する受光部と、前記光源を制御するとともに、前記受光部の受光結果に基づいて前記測定対象物と前記照射面との距離を求める制御部と、を備え、前記照射光導波路は、前記光源からの前記入射光を前記入射面に入射する照射制御面と、前記照射面からの前記照射光を前記測定対象物に発射する照射測定面と、前記第1仮想側面および前記第2仮想側面を含み、前記照射制御面が含む外周が閉じた面のその外周の全ておよび前記照射測定面が含む外周が閉じた面のその外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる照射側面と、を有し、前記反射光導波路は、前記測定対象物からの前記反射光を前記受光面に入射する反射測定面と、前記検出面からの前記検出光を前記受光部に発射する反射制御面と、前記第3仮想側面および前記第4仮想側面を含み、前記反射測定面が含む外周が閉じた面のその外周の全ておよび前記反射制御面が含む外周が閉じた面のそのの外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる反射側面と、を有することを特徴とする。
【0014】
この位置測定装置では、光源からの入射光を入射面に入射して仮想照射光導波路内を伝搬させ、照射面から照射光として測定対象物に対して発射(照射)し、測定対象物からの照射光に対応する反射光を受光面に入射して仮想反射光導波路内を伝搬させ、検出面から検出光として発射し、受光部で受光して、その受光結果に基づいて測定対象物と照射面との距離(測定ギャップ)を求める。この場合、照射面からの照射光に対する反射光が、測定ギャップと所定の関係を持つように変化すれば、その反射光を受光面から入射して受光することにより、反射光の変化から測定ギャップの変化(測定対象物の変位)を求められる。
【0015】
すなわち、この位置測定装置では、従来の光ファイバ変位計と同等の原理に基づいて測定ギャップやその変化を求めることができるので、測定対象物の適用範囲が広く、非接触測定のため測定対象物に汚染や変形等を与える心配がなく、高分解能・高安定度を有するなど、光ファイバ変位計と同等の利点を得られる。
【0016】
一方、第1仮想側面ないし第4仮想側面の4つの側面は、同一サイズの平行な平面であり、そのうちの第2仮想側面と第3仮想側面は、4辺が合うように平行に対向させて隣接または接合している。この場合、第2仮想側面と第3仮想側面は同一サイズの平面同士なので接合し易く、また、円柱状の光ファイバを接合する場合のような間隙は生じない。
【0017】
この位置測定装置では、照射光導波路の側面である照射側面には、仮想照射光導波路の第2仮想側面が含まれ、反射光導波路の側面である反射側面には、仮想反射光導波路の第3仮想側面が含まれるので、照射側面の第2仮想側面と反射側面の第3仮想側面とを接合すれば、円柱状の光ファイバを接合するより接合し易く、かつ線形性(リニアリティ)を害するような間隙が生じにくい。すなわち、接合(製造)し易い分だけ製造コストを抑止することができ、間隙が生じない分だけ広範囲のリニアリティを確保できる。
【0018】
なお、この場合、照射側面の第1仮想側面および第2仮想側面を除く形状や、反射側面の第3仮想側面および第4仮想側面を除く形状は、最低限、上記の第2仮想側面と第3仮想側面との近接を妨害しない形状であれば、任意の形状で良い。このため、照射側面の形状を、光源から発する入射光が入射面に誘導されるような形状にしたり、照射光を誘導して測定対象物の反射光導波路に近い位置に照射する(すなわち反射光の反射角を変える)形状にしたり、反射側面の形状を、反射光が受光面に誘導されるような形状にしたり、検出面からの検出光が受光部に誘導されるような形状にしたりすることができる。
【0019】
請求項1の位置測定装置において、前記照射測定面が前記照射面を含む平面であり、前記反射測定面が前記受光面を含む平面であることが好ましい。
【0020】
この位置測定装置では、照射測定面と反射測定面が仮想の同一平面内に位置すること(面一)になるので、それらに含まれる照射面と受光面を測定対象物に近接させることができ、これにより、微小の測定ギャップまで測定でき、測定可能範囲を広げることができる。
【0021】
請求項1または2の位置測定装置において、前記入射面の光軸に対する前記入射光の入射角は、前記照射光が前記照射面の光軸と所定の発射角を有するように定められていることが好ましい。
【0022】
一般的な光ファイバ変位計では、照射面から測定対象物に対してその光軸を中心とする円錐状の発散光線束(発散光)を照射光として照射し、測定対象物上の照射(投光)範囲と開口数(NA)で決まる受光範囲との重なった部分からの反射光を利用する。
【0023】
このため、レーザ光などの集束性の強い平行光線束(平行光、視準光、コリメート光)を光軸に沿って照射したのでは、照射面と受光面が仮に隣接していても投光範囲と受光範囲に重なりが生じないので、照射光として利用できない。また、レーザ光などを利用したのでは、その集束性、可干渉性、高輝度・単色性、指向性など(以下「集束性等」)の強さにより、光軸上で全面反射して元の照射面に戻って干渉し合ってしまう。
【0024】
この位置測定装置において、入射面の光軸に対する入射光の入射角は、照射光が照射面の光軸と所定の発射角を有するように定められているため、平行光線束を入射光とし、それを伝搬させた平行光線束を照射光として利用しても、(前述のように照射側面の形状を照射光を誘導して反射光の反射角を変える形状にすることなく、また、照射測定面と反射測定面が面一であっても、)測定対象物から所定の反射角の反射光が得られ、この反射光は測定ギャップと所定の関係を持つように変化することになるので、その反射光の変化に基づいて測定ギャップおよびその変化を求めることができる。
【0025】
すなわち、この位置測定装置では、レーザ光などの集束性等の強い種類の光を照射光として利用できる。また、集束性等の強い種類の光を入射光として利用すれば、仮想照射光導波路内に閉じこめた状態で伝搬させ易くなり、また、それを照射面から照射光として照射すれば、発散光を利用する場合より、反射光を仮想反射光導波路の受光面に入射し易くなり、高分解能などの光ファイバ変位計と同等の利点をさらに向上させ、かつ、広範囲のリニアリティをさらに確保し易くなる。
【0026】
請求項3の位置測定装置において、前記光源は、レーザ光を発するレーザ光源であることが好ましい。
【0027】
この位置測定装置では、光源がレーザ光源なので、集束性等の強いレーザ光を照射光として使用でき、高密度の照射ができる。すなわち、レーザ光は、光量を大きくすることが容易なので、光量を大きくすることにより、分解能を向上させ、帯域幅を広げることができる。また、レーザ光の利用により、仮想照射光導波路内に閉じこめた状態で伝搬させ易くなり、また、それを照射面から照射光として照射することにより、反射光を仮想反射光導波路の受光面に入射し易くなる。
【0028】
すなわち、照射光(レーザ光)やその反射光の光路とそれ以外との光量の差が顕著となって他の光の影響を受けにくくなるばかりでなく、減衰しても結果的な受光量が多いので、高分解能などの光ファイバ変位計と同等の利点をさらに向上させ、かつ、広範囲のリニアリティをさらに確保し易くなる。
【0029】
なお、光路における透過率の高い波長(例えば多成分系ガラスの場合830nm程度)の単色光を利用することにより、減衰を少なくすることもできる。また、レーザ光源としては、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザでも、アルゴンレーザ、金属イオンレーザ等のガスレーザでも、ラマンレーザ、ダイレーザ等の液体レーザでも、その発光と入射面への入射角が制御できれば、適用は可能であるが、小型化等のためには、レーザダイオード等の半導体レーザが好ましい。
【0030】
請求項4の位置測定装置において、前記レーザ光源は、レーザダイオードであることが好ましい。
【0031】
この位置測定装置では、レーザ光を利用する利点、すなわち、光ファイバ変位計と同等の利点の他、広範囲のリニアリティを確保できるという利点を有し、かつ、レーザ光源がレーザダイオードなので、小型化が可能になるとともに、大量生産が可能になるので、材料(資材コスト)や製造(製造コスト)などに関して、コストダウンが図れる。
【0032】
請求項5の位置測定装置において、前記レーザ光源を、前記照射光導波路および前記反射光導波路とともに一体化して、1つのパッケージ内に納めたことが好ましい。
【0033】
この位置測定装置では、一般的な電子部品を樹脂等によりモールドしてパッケージ化するのと同様に、レーザ光源であるレーザダイオードを照射光導波路および反射光導波路とともに一体化して、1つのパッケージ内に納めるので、さらに小型化が可能になり、また、扱い易いものとなる。
【0034】
請求項1ないし6のいずれかの位置測定装置において、前記照射側面を構成する前記照射光導波路の外周部位および前記反射側面を構成する前記反射光導波路の外周部位には、内部に伝搬する光を反射させるクラッド領域が形成され、このクラッド領域に囲まれる部位には、光を伝搬するためのコア領域が形成されていることが好ましい。
【0035】
この位置測定装置では、照射光導波路や反射光導波路が、光ファイバ変位計の光ファイバと同様の構成を有するので、光を問題なく伝搬させることができ、光ファイバ変位計と同様の利点を問題なく得られる。
【0036】
請求項7の位置測定装置において、前記コア領域は、石英系ガラス、多成分系ガラスおよびプラスチックのいずれかから成ることが好ましい。
【0037】
この位置測定装置では、光を伝搬させるコア領域が、光ファイバのコア領域と同等の材質から成るので、光を問題なく伝搬させることができる。
【0038】
請求項7または8の位置測定装置において、前記クラッド領域は、光を反射する金属系の物質または前記コア領域より屈折率の低い誘電体から成ることが好ましい。
【0039】
この位置測定装置では、内部に伝搬する光を反射させるクラッド領域が、例えば金などの光を反射する金属系の物質や、コア領域より屈折率の低い誘電体から成るので、内部の光をコア領域とクラッド領域の境界で反射させることができ、これにより、光を問題なく伝搬させることができる。
【0040】
請求項7ないし9のいずれかの位置測定装置において、前記照射光導波路および前記反射光導波路は、電気めっき法、物理気相合成法および化学気相合成法のいずれかを含む作製方法により作製されることが好ましい。
【0041】
この位置測定装置では、照射光導波路および反射光導波路が、金などの金属等の電気めっき法、真空蒸着やスパッタリングなどの物理気相合成法、および、熱CVDやプラズマCVDなどの化学気相合成法のいずれかを含む作製方法で作製される。すなわち、これらの作製方法によれば、いわゆる薄膜化されたコア領域やクラッド領域を作製でき、小型化に有効であるとともに、各光導波路を薄くできることにより、感度を向上させ、さらに高分解能・広帯域の特性を有する位置測定装置とすることができる。
【0042】
また、これらの作製方法は、他の装置や部品等を作製するためにも一般的に用いられる作製方法であるため、他の目的で購入した既存の設備等を使用して作製し易く、この場合、特別な設備投資等が不要となる。また、いずれの方法も光導波路の表面を平面化し易いので、例えば照射光導波路の第2仮想側面を含む照射側面と反射光導波路の第3仮想側面を含む反射側面とを接合する場合も接合し易い。
【0043】
請求項1ないし10のいずれかの位置測定装置において、前記入射面および前記検出面を含む仮想の平面と前記照射面および前記受光面を含む仮想の平面の2つの平行な仮想の平面間において、前記照射側面の前記第1仮想側面と前記第2仮想側面の間を連結する側面および/または前記反射側面の前記第3仮想側面と前記第4仮想側面の間を連結する側面が、複数の平面から成ることが好ましい。
【0044】
この位置測定装置では、照射側面の前記第1仮想側面と前記第2仮想側面の間を連結する側面および/または前記反射側面の前記第3仮想側面と前記第4仮想側面の間を連結する側面が、複数の平面から成るので、照射光導波路の仮想照射光導波路を含む部位および/または反射光導波路の仮想反射光導波路を含む部位は、複数の平側面を有する角柱形状となる。このため、光ファイバ等のように曲面を含む場合に比べて、製造が容易になるので、製造コストを低減できる。
【0045】
請求項11の位置測定装置において、前記複数の平面は、4つの平面であることが好ましい。
【0046】
この位置測定装置では、仮想照射光導波路を含む部位および/または反射光導波路の仮想反射光導波路を含む部位が四角柱形状となり、角柱の中でも最も扱い易く製造し易いものとなるので、さらに製造コストを低減でき、コストダウンが図れる。
【0047】
請求項1ないし12のいずれかの位置測定装置において、前記照射制御面および前記反射制御面のそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められていることが好ましい。
【0048】
仮想照射光導波路の光軸と仮想反射光導波路との光軸は、双方を含む仮想の平面内において平行なので、それらと一致する入射面の光軸と検出面の光軸とは平行となるが、この位置測定装置では、照射制御面および反射制御面のそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められている。すなわち、照射制御面の光軸が入射面の光軸と所定の角度を有するように定められているか、反射制御面の光軸が検出面の光軸と所定の角度を有するように定められているか、または双方とも所定の角度にかつ相互に異なるように定められている。
【0049】
光源が発する入射光の光軸が照射制御面の光軸に合うようにあるいは所定の入射角となるように光源を配置し、反射制御面から発射される検出光を受光しやすいように反射制御面の光軸に合わせて受光部を配置する場合、照射制御面の光軸と反射制御面の光軸の方向を同じにすると、光源と受光部を同じ方向に配置する必要があり、配置し難い。この位置測定装置では、照射制御面および反射制御面のそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められているので、光源と受光部を配置し易くなる。
【0050】
この場合、光源や受光部をそれぞれ照射制御面や反射制御面に近接して配置し易いように、照射制御面および反射制御面のそれぞれの光軸を定めておけば、光源や受光部を近接して配置することにより、装置全体を小型化できる。なお、請求項1で前述のように、照射側面の形状を光源から発する入射光が入射面に誘導されるような形状にしたり、反射側面の形状を検出面からの検出光が受光部に誘導されるような形状にしたりすることができるので、照射制御面の光軸が入射面の光軸と方向が異なったり、反射制御面の光軸が検出面の光軸と方向が異なっても、問題は生じない。
【0051】
請求項13の位置測定装置において、前記照射制御面および前記反射制御面の一方の光軸は、前記仮想照射光導波路および前記仮想反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面内において、前記仮想照射光導波路の光軸と交差する関係となるように定められていることが好ましい。
【0052】
この位置測定装置では、照射制御面および反射制御面の一方の光軸が、仮想照射光導波路および仮想反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面内において、仮想照射光導波路の光軸と交差する関係となるように定められている。すなわち、照射制御面の光軸を仮想照射光導波路の光軸と交差する関係となるように定めれば、他方の反射制御面の光軸を仮想反射光導波路の光軸と合わせても、照射制御面および反射制御面のそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められ、逆に反射制御面の光軸を仮想照射光導波路の光軸と交差する関係となるように定めれば、他方の照射制御面の光軸を仮想照射光導波路の光軸と合わせても、同様に相互に異なる方向に定められる。
【0053】
これにより、請求項13で前述のように、照射制御面の光軸に合わせてあるいは所定の入射角となるように光源を近接して配置し、反射制御面の光軸に合わせて受光部を近接して配置し易くなり、装置全体を小型化できる。なお、この場合、光軸の交差する角度を直角、すなわち直交するようにすれば、光源や受光部を第1仮想側面等と平行に配置でき、さらに配置し易くなる。
【0054】
請求項13の位置測定装置において、前記照射制御面および前記反射制御面の一方の光軸は、前記仮想照射光導波路および前記仮想反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面に対して交差する関係となるように定められていることが好ましい。
【0055】
この位置測定装置では、照射制御面および反射制御面の一方の光軸が、仮想照射光導波路および仮想反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面に対して交差する関係となるように定められている。すなわち、照射制御面の光軸を上記の仮想平面と交差するように定めれば、他方の反射制御面の光軸を仮想反射光導波路の光軸と合わせても、照射制御面および反射制御面のそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められ、逆に反射制御面の光軸を上記仮想平面と交差するように定めれば、他方の照射制御面の光軸を仮想照射光導波路の光軸と合わせても、同様に相互に異なる方向に定められる。
【0056】
これにより、請求項13で前述のように、照射制御面の光軸に合わせてあるいは所定の入射角となるように光源を近接して配置し、反射制御面の光軸に合わせて受光部を近接して配置し易くなり、装置全体を小型化できる。なお、この場合、光軸の交差する角度を直角、すなわち直交するようにすれば、光源や受光部を上記の仮想の平面と平行に配置できる。これは、特に請求項12で前述の仮想照射光導波路や仮想反射光導波路を含む部位が四角柱形状の場合に、光源や受光部を第1仮想側面等と直角な側面に対向して平行に配置でき、配置し易い。
【0057】
請求項1ないし15のいずれかの位置測定装置において、前記受光部を、前記照射光導波路および前記反射光導波路とともに一体化して、1つのパッケージ内に納めたことが好ましい。
【0058】
受光部が例えばフォトダイオード等のように小型化が可能なもので構成されている場合、一般的な電子部品と同様に樹脂等によりモールドしてパッケージ化できる。この位置測定装置では、受光部を照射光導波路および反射光導波路とともに一体化して、1つのパッケージ内に納めるので、さらに小型化が可能になり、扱い易くなるとともに、大量生産が可能になるので、材料(資材コスト)や製造(製造コスト)などに関して、コストダウンが図れる。特に請求項13ないし15で上述のように、受光部を反射光導波路に近接できる場合には、小型化し易くパッケージ化し易い。
【0059】
請求項1ないし16のいずれかの位置測定装置において、仮に前記反射光導波路が前記照射光導波路の左側に配置されていると見て、前記反射光導波路を左反射光導波路としたとき、この左反射光導波路に対して前記照射光導波路を挟んで反対側の右側の位置に配設され、前記左反射光導波路と同等の構成を有する右反射光導波路をさらに備えたことが好ましい。
【0060】
請求項1ないし16で前述の位置測定装置において、仮に前記反射光導波路が照射光導波路の左側に配置されていると見ると、前述の平行な4つの側面のうちの第1仮想側面が最も右側の側面、第4仮想側面が最も左側の側面となる。ここで、照射面から例えば発散光を照射すると、その照射(投光)範囲と左側の前記反射光導波路(左反射光導波路)の受光範囲との重なった部分からの反射光が、左反射光導波路の受光面に入射され、測定ギャップの測定に使用されるが、照射光の右側への反射光は測定に使用されず、測定に対する照射効率が低い。
【0061】
そこで、この位置測定装置では、反対側(右側)にも同等の構成を有する反射光導波路(右反射光導波路)を配設し、照射光の右側への反射光も測定に使用できるようにすることにより、測定に対する照射効率を向上させ、感度(分解能等)をより高くすることができる。
【0062】
また、レーザ光などの集束性等の強い種類の光を照射光として利用する場合、入射面から所定の入射角で入射した入射光を、第1仮想側面と第2仮想側面との間を反射させながら伝搬させ、照射光として左側の第2仮想側面側に照射面の光軸と所定の発射角で照射することになるが、この場合、入射光の入射角や照射光導波路の光路長が(例えば設計値と)僅かに異なれば、本来左側に照射されるべき照射光の一部または全部が、反対側の右側に照射されるので、測定に支障が生じる。
【0063】
この位置測定装置では、右反射光導波路を配設するため、逆方向の反射光も受光でき、入射光の入射角や照射光導波路の光路長が設計値と僅かに異なっても高分解能を維持できるので、製作し易くなり、パッケージ化するような場合にもその歩留まりが向上する。特に全体が小型化され反射光導波路の材料が安価な(資材コストが低い)のに対してその製造コストが比較的に高い場合に、コストダウンが図れる。
【0064】
請求項17の位置測定装置において、前記左反射光導波路および前記右反射光導波路は、前記仮想照射光導波路の光軸を含み前記第1仮想側面と平行な平面を対称面として、面対称の関係となるように配設されたことが好ましい。
【0065】
この位置測定装置では、左反射光導波路および右反射光導波路が、仮想照射光導波路の光軸を含み第1仮想側面と平行な平面を対称面(鏡映面)として、面対称(平面対称)の関係となるように配設されているので、反射制御面の光軸や反射測定面の光軸も、同様の面対称の関係となる。この場合、例えば左反射光導波路の反射測定面の光軸を仮想照射光導波路側に傾けて、反射光を受光面に入射し易くしていれば、反対側の右反射光導波路でも、反射光を受光面に入射し易くなっている。
【0066】
請求項18の位置測定装置において、前記左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面は、前記仮想照射光導波路の光軸と両方の仮想反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して、各反射制御面の光軸が交差する関係となるように設けられていることが好ましい。
【0067】
この位置測定装置では、左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面が、仮想照射光導波路の光軸と両方の仮想反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して、各反射制御面の光軸が交差する関係となるように設けられている。このため、照射制御面の光軸が上記の仮想の平面内にあり、それに合わせて光源が近接して配置されていても、各反射制御面をその仮想の平面外に設けることができるので、各反射制御面の光軸に合わせて受光部を近接して配置し易い。
【0068】
請求項19の位置測定装置において、前記各反射制御面の光軸の交差する角度が直角であることをが好ましい。
【0069】
この位置測定装置では、仮想照射光導波路の光軸と両方の仮想反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して、各反射制御面の光軸が交差する角度が直角、すなわち、直交するので、各反射制御面の光軸は、第1仮想側面ないし第4仮想側面等を含む平面等と平行な平面内に含まれ、かつ、仮想照射光導波路や反射光導波路の光軸と直交する関係となる。
【0070】
この場合、上記の仮想の平面に平行な平面内に各反射制御面を設ければ、各反射制御面と平行かつ対向するように、双方の受光部を配置できる。また、受光部と双方の反射制御面との距離を同一距離にできるので、双方からの受光量などの受光結果を同等に扱え、受光部を簡易な構成にし易くなる。
【0071】
また、特に請求項12で前述のように、仮想照射光導波路や仮想反射光導波路を含む部位が四角柱形状の場合、上記の仮想の平面に平行な側面を有するので、その側面を含む平面またはそれと平行な少し内側の平面内に各反射制御面を設ければ、左反射光導波路および右反射光導波路と近接して、双方の受光部を配置でき、装置全体を小型化できる。
【0072】
請求項19または20の位置測定装置において、前記各反射制御面は、前記仮想の平面の相互に同一の前後いずれかの方向に向かって、各検出光を発射するように設けられていることが好ましい。
【0073】
この位置測定装置では、左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面が、上記の仮想照射光導波路の光軸と両方の仮想反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して各反射制御面の光軸が交差する関係となる相互に同一の前後いずれかの方向に向かって、各検出光を発射するように設けられているので、その方向に各検出光を受光する受光部を配置できる。この場合、相互に同一の方向なので、双方の検出光を受光する同一の受光部でも良い。
【0074】
請求項17の位置測定装置において、前記右反射光導波路は、前記仮想照射光導波路の光軸を対称中心軸として前記左反射光導波路を180°回転させた関係となるように配設されたことが好ましい。
【0075】
請求項1で前述のように、(左)反射光導波路の反射側面の第3仮想側面および第4仮想側面を除く形状は、任意の形状とすることができるため、例えばその反射制御面の光軸や反射測定面の光軸を仮想反射光導波路の光軸と異なる方向に配設して、検出面からの検出光を受光部で検出し易くしたり反射光を受光面に入射し易くしたりすることができる。
【0076】
この位置測定装置では、右反射光導波路が、仮想照射光導波路の光軸を対称中心軸として左反射光導波路を180°回転させた関係となるように配設されているので、反射制御面の光軸や反射測定面の光軸も、仮想照射光導波路の光軸を中心軸として180°回転させた関係となる。この場合、請求項18の位置測定装置と同様に、例えば左反射光導波路の反射測定面の光軸を仮想照射光導波路側に傾けて反射光を受光面に入射し易くしていれば、反対側の右反射光導波路でも反射光を受光面に入射し易くなっている。
【0077】
請求項18または22の位置測定装置において、前記左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面は、前記照射光導波路側を内側としたときの外側に向かって、各検出光を発射するように設けられていることが好ましい。
【0078】
この位置測定装置では、左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面が、照射光導波路側を内側としたときの外側に向かって、各検出光を発射するように設けられているので、各検出光を受光する受光部をそれぞれ個別に外側に配置できる。
【0079】
請求項23の位置測定装置において、前記左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面は、前記仮想照射光導波路の光軸と両方の仮想反射光導波路の光軸を含む仮想の平面内において、各反射制御面の光軸が各仮想反射光導波路の光軸と直交する関係となるように設けられていることが好ましい。
【0080】
この位置測定装置では、左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面が、仮想照射光導波路の光軸と両方の仮想反射光導波路の光軸を含む仮想の平面内において、各反射制御面の光軸が各仮想反射光導波路の光軸と直交する関係となるように設けられている。
【0081】
すなわち、各反射制御面の光軸は、第1仮想側面や第4仮想側面等を含む平面等と直交する関係となるので、外側の第4仮想側面を含む平面内またはそれと平行な少し内側の平面内に各反射制御面を設ければ、左反射光導波路および右反射光導波路と近接して、各検出光を受光する受光部を個別に配置でき、装置全体を小型化できる。
【0082】
請求項1ないし20のいずれかの位置測定装置において、前記仮想反射光導波路を前記第1仮想側面と平行な平面で複数に分割したそれぞれを仮想部分反射光導波路とし、複数の仮想部分反射光導波路の各4つの側面のうちの前記第1仮想側面と平行な各2つの側面のそれぞれを仮想部分平行側面とし、複数の仮想部分平行側面のうちの前記第3仮想側面および前記第4仮想側面以外の他の側面のそれぞれを仮想部分接合側面とし、前記仮想反射光導波路は前記複数の仮想部分反射光導波路の各1つの仮想部分接合側面同士を4辺が合うように平行に対向させて隣接または接合して構成されたものとし、各仮想部分反射光導波路についてその上底面および下底面のうちの前記受光面を構成する方を部分受光面として前記検出面を構成する方を部分検出面としたとき、前記反射光導波路は、それぞれ前記複数の仮想部分反射光導波路のうちの各1つに対応してそれを内部に含む複数の部分反射光導波路を有して、それらの全てを隣接または接合して構成され、前記複数の部分反射光導波路のそれぞれは、前記反射光の一部または全部を部分反射光として前記部分受光面に入射して内部の仮想部分反射光導波路内を伝搬させ、伝搬させた前記部分反射光に対応する前記検出光の一部または全部を部分検出光として前記部分検出面から発射させるとともに、前記部分反射光を前記部分受光面に入射する部分反射測定面と、前記部分検出面からの前記部分検出光を前記受光部に発射する部分反射制御面と、前記内部の仮想部分反射光導波路の前記仮想部分平行側面を含み、前記部分反射測定面が含む閉じた面のその外周の全ておよび前記部分反射制御面が含む外周が閉じた面のその外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる部分反射側面と、を有し、前記反射側面は、前記複数の部分反射光導波路の前記部分反射側面の全てを含み、かつ、それらに含まれる前記仮想部分接合側面の全てを前記仮想反射光導波路に対応するように隣接または接合して構成され、前記反射測定面は、前記複数の部分反射光導波路の部分反射測定面の全てを含み、前記反射制御面は、前記複数の部分反射光導波路の部分反射制御面の全てを含むことが好ましい。
【0083】
この位置測定装置において、複数の部分反射光導波路の部分反射側面に含まれる仮想部分平行側面は、同一サイズの平行な平面であり、そのうちの第3仮想側面および第4仮想側面以外の側面である仮想部分接合側面は、それぞれ他の1つの仮想部分接合側面と4辺が合うように平行に対向させて隣接または接合している。この場合、各仮想部分接合側面は同一サイズの平面同士なので接合し易く、また、円柱状の光ファイバを接合する場合のような間隙は生じない。
【0084】
この位置測定装置では、反射側面が、複数の部分反射光導波路の部分反射側面の全てを含み、かつ、それらに含まれる仮想部分接合側面の全てを仮想反射光導波路に対応するように隣接または接合して構成されるため、反射光導波路が、複数の部分反射光導波路の全てを隣接または接合して構成されても、円柱状の光ファイバを接合するより接合し易く、かつリニアリティを害するような間隙が生じにくい。
【0085】
一方、各部分反射光導波路は、反射光の一部または全部を部分反射光として部分受光面に入射して内部の仮想部分反射光導波路内を伝搬させ、伝搬させた部分反射光に対応する検出光の一部または全部を部分検出光として部分検出面から発射させ、反射光導波路は、それらの部分反射光導波路の全てを隣接または接合して構成される。
【0086】
このため、この位置測定装置における反射光導波路も、仮想反射光導波路の全てを含み、反射光を受光面に入射して仮想反射光導波路内を伝搬させ、検出面から検出光として発射させることになるので、請求項1ないし23で前述の位置測定装置における反射光導波路と同等の機能を果たすことができる。また、部分反射光導波路単位で製造できるので、製造単位を小さくでき、その分扱い易く、製造コストの低減が可能になる。
【0087】
また、この位置測定装置では、複数の部分反射光導波路からの各部分検出光の受光結果による差分を得ることができる。すなわち、差動型光ファイバ変位計(精密工学会春季大会学術講演会講演論文集、p365〜366(1997)参照)と同様の原理により、入射光量等の影響による光導波路内での光の減衰や測定対象物の反射率に依存せずに、測定ギャップおよびその変化を求められる。
【0088】
請求項25の位置測定装置において、前記複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路は、それぞれの部分検出面から部分反射制御面までの光路長が相互に異なることが好ましい。
【0089】
この位置測定装置では、複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路において、それぞれの部分検出面から部分反射制御面までの光路長が異なるため、個別に受光しやすい。すなわち、受光部分(例えばフォトダイオード等のディテクタ)を(少なくとも)2つ有する受光部で一括して受光するにしても、個別に配置した受光部でそれぞれを受光するにしても、各部分反射光導波路からの受光量を区別できる。このため、各部分反射光導波路からの受光量の光量差を求め、差動型光ファイバ変位計と同様の原理により、入射光量等の影響による光導波路内での光の減衰や測定対象物の反射率に依存せずに、測定ギャップおよびその変化を求められる。
【0090】
請求項25または26の位置測定装置において、前記複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面の光軸は、それぞれの仮想部分反射光導波路の光軸を含む仮想の平面内に含まれることが好ましい。
【0091】
この位置測定装置では、少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面の光軸が、それぞれの仮想部分反射光導波路の光軸を含む仮想の平面内に含まれるので、各部分反射制御面の光軸に合わせて双方の部分検出光を一括して受光する受光部を配置するのに適している。
【0092】
請求項25または26の位置測定装置において、前記複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面は、それぞれの部分検出光が相互に異なる方向に発射するように設けられていることが好ましい。
【0093】
この位置測定装置では、少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面が、それぞれの部分検出光が相互に異なる方向に発射するように設けられているので、それぞれの部分検出光を受光する受光部を個別に近接して配置するのに適している。
【0094】
請求項28の位置測定装置において、前記複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面は、対応する少なくとも2つの仮想部分反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して、各部分反射制御面の光軸が交差する関係となるように設けられていることが好ましい。
【0095】
この位置測定装置では、少なくとも2つの部分反射制御面が、対応する仮想部分反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して、各部分反射制御面の光軸が交差する関係となるように設けられている。このため、請求項19と同様に、照射制御面の光軸が上記の仮想の平面内にあり、それに合わせて光源が近接して配置されていても、各部分反射制御面をその仮想の平面外に設けることができるので、各反射制御面の光軸に合わせて受光部を近接して配置し易い。
【0096】
なお、この場合、上記の各部分反射制御面の光軸が交差する関係となるように設けられた少なくとも2つの部分反射光導波路は、請求項28のそれぞれの部分検出光が相互に異なる方向に発射するように設けられた少なくとも2つの部分反射制御面と一致していてもいなくとも良い。
【0097】
請求項29の位置測定装置において、前記各部分反射制御面の光軸の交差する角度が直角であることが好ましい。
【0098】
この位置測定装置では、少なくとも2つの仮想部分反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して、各部分反射制御面の光軸が直交するので、各部分反射制御面の光軸は、第1仮想側面ないし第4仮想側面等を含む平面等と平行な平面内に含まれ、かつ、仮想照射光導波路や各仮想部分反射光導波路の光軸と直交する関係となる。
【0099】
このため、請求項20と同様に、上記の仮想の平面に平行な平面内に各部分反射制御面を設ければ、各部分反射制御面と平行かつ対向するように、双方の受光部を配置できる。また、受光部と双方の反射制御面との距離を同一距離にすれば、双方からの受光量などの受光結果を同等に扱え、受光部を簡易な構成にし易くなる。特に請求項12で前述の仮想照射光導波路や仮想反射光導波路を含む部位が四角柱形状の場合、上記の仮想の平面に平行な側面を含む平面またはそれと平行な少し内側の平面内に各部分反射制御面を設ければ、各部分反射光導波路と近接して、双方の受光部を配置でき、装置全体を小型化できる。
【0100】
請求項28ないし30のいずれかの位置測定装置において、前記部分検出光の相互に異なる方向は、その部分検出光を発射する少なくとも2つの仮想部分反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面の互いに反対面側の方向であることが好ましい。
【0101】
この位置測定装置では、少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面が、それらの仮想部分反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面の互いに反対面側に各部分検出光を発射するように設けられているので、それぞれ他方と反対面側に、各部分反射制御面の光軸に合わせて近接して受光部を個別に配置でき、さらに装置を小型化できる。
【0102】
また、上記の仮想の平面の互いに反対面側に各部分検出光を発射するように設けられた少なくとも2つの部分反射光導波路が、請求項29や請求項30において、各部分反射制御面の光軸が仮想の平面に交差する関係となるように設けられた少なくとも2つの部分反射光導波路と一致する場合、これらの2つの部分反射光導波路を同一形状として互いに反対側に向けるだけで実現できるので、この場合、大量生産等に適し、さらに製造コストの低減が可能になる。
【0103】
本発明の請求項32の厚み測定装置は、請求項1ないし31のいずれかに記載の位置測定装置を有して、その位置測定装置の照射面が測定対象物の表裏2面のうちの一方に対向するように設けられ、自己の前記照射面から前記表裏2面のうちの一方までの第1距離を求める第1変位計と、請求項1ないし31のいずれかに記載の位置測定装置を有して、その位置測定装置の照射面が前記測定対象物の表裏2面のうちの他方に対向し、かつ、その照射面と前記第1変位計の照射面との相互間が前記測定対象物を非接触で挿入可能な所定距離となるように設けられ、自己の前記照射面から前記表裏2面のうちの他方までの第2距離を求める第2変位計と、前記第1距離、第2距離および前記所定距離に基づいて、前記測定対象物の厚みを求める制御手段と、を備えたことを特徴とする厚み測定装置。
【0104】
この厚み測定装置では、第1変位計を、その照射面が測定対象物の表裏2面のうちの一方と対向するように設けているので、照射面からその表裏2面のうちの一方までの第1距離(第1測定ギャップ)が得られる。また、第2変位計は、その照射面が表裏2面のうちの他方に対向しているので、その他方までの第2距離(第2測定ギャップ)が得られる。そして、第1変位計と第2変位計は、それらの照射面の相互間が所定距離となるように設けられているので、その所定距離から双方で求めた第1および第2測定ギャップを引けば測定対象物の厚みを求められる。また、この所定距離(測定面間ギャップ)は、測定対象物を非接触で挿入可能な距離なので、非接触の状態で測定対象物の厚みを測定できる。
【0105】
また、照射光を利用した光による測定なので、測定対象物の導電率に拘らずに、測定できる。また、これにより、静電容量センサのような測定面間ギャップの制限がないので、厚さの大小による制限も生じない。また、空気マイクロメータのような力学的作用を及ぼすことも無く測定できる。
【0106】
したがって、この厚み測定装置では、請求項1ないし31いずれかの位置測定装置を有する2つの変位計を利用することにより、測定対象物の導電率や厚みの大小などの属性に拘らず、また、力学的作用を及ぼすこと無く、非接触の状態で測定対象物の厚みを測定できる。
【0107】
なお、第1変位計が有する位置測定装置と第2変位計が有する位置測定装置とは同タイプである必要はないが、同タイプであれば、装置としての特性等が同等になるので、制御手段内の処理が簡易になるなど、より好ましい。
【0108】
請求項32の厚み測定装置において、前記第1変位計および第2変位計のそれぞれの位置測定装置の各照射光の発射角は、前記測定対象物が透過性を有する場合に、各照射面からの各照射光の照射により前記測定対象物を透過する各透過光が、対向する他方の位置測定装置の受光面内に入らない所定の発射角に定められていることが好ましい。
【0109】
この厚み測定装置では、各照射光の発射角が、前記測定対象物が透過性を有する場合に、各照射面からの各照射光の照射により前記測定対象物を透過する各透過光が、対向する他方の位置測定装置の受光面内に入らない所定の発射角に定められているため、対向する他方の変位計からの透過光を反射光として受光するなどの誤検出を防止でき、これにより、問題なく厚み測定ができる。また、特にレーザ光を照射光として利用した変位計を用いれば、その集束性や指向性により光路以外への影響を最小限にできる。なお、各測定ギャップより測定対象物の厚さが十分に大きければ、発射角が小さくても透過光の誤検出を防止できる。
【0110】
以下、本発明の一実施形態に係る位置測定装置および厚み測定装置を適用した厚み測定装置について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0111】
図1は厚み測定装置1の全体構成を示す概略ブロック図であり、同図に示すように、厚み測定装置1は、基本的な構成として、操作部10、制御部20、測定部50を備え、外部に測定結果等を印刷するためのプリンタやプロッタ等の印刷装置(以下「プリンタ」で代表する)6、ハードディスクや光磁気ディスク等の外部記憶装置(以下「ハードディスク」で代表する)7などを接続できるようになっている。
【0112】
操作部10は、ユーザとのインタフェースを行うためのブラウン管や液晶等のディスプレイ3、キーボード4、および、マウスやディジタイザやタブレット等のポインティングディバイス(以下「マウス」で代表する)5を備えている。
【0113】
ユーザは、ディスプレイ3の操作画面上で、キーボード4やマウス5により、測定のための各種指示やデータ(例えば測定対象物(ターゲット)Tの座標や測定範囲、測定面間ギャップDなど)を入力したり、入力結果や処理結果をディスプレイ4の画面に表示して編集でき、また、厚み測定の結果を、画面表示で確認したり、プリンタ6に出力して印刷結果により確認できる。また、この測定結果は、その印刷結果の用紙として、あるいはデータとしてハードディスク7に記憶することにより、保存できる。
【0114】
測定部50は、第1測定ギャップ(第1距離)y1を求める第1変位計30と、第2測定ギャップ(第2距離)y2を求める第2変位計40と、ターゲットTを搭載してその位置を3次元の各方向に移動・調整可能なキャリア510と、第1変位計30と第2変位計40との相互間がターゲットTを非接触で挿入可能な所定距離(測定面間ギャップ)Dとなるように調整可能なガイド511、512と、を備えている。なお、この測定部50については、さらに詳細に後述する。
【0115】
制御部20は、CPU210、ROM220、キャラクタジェネレータROM(CG−ROM)230、RAM240、光学系コントローラ(OPC)250、I/Oコントローラ(IOC)260、ハードディスクドライブ(HDD)270を備え、互いに内部バス260により接続されている。また、この制御部20には、電源部290が搭載されている。
【0116】
この電源部290は、電源ユニット291の他、外部から着脱可能なニッカド、アルカリ等の乾電池、蓄電池などから成るバッテリ292と、ACアダプタ接続口293とを備え、電源ユニット291は、これらに接続されて電力の供給を受け、昇圧・降圧や安定化の処理を行った後、厚み測定装置1の各部に電力を供給する。
【0117】
ROM220は、CPU210で処理する制御プログラムを記憶する制御プログラム領域221の他、後述の送り位置制御データや測定面間ギャップ制御データ(、また、後述のように必要に応じて、入射角制御データや比率−ギャップ変換テーブル)などを含む制御データを記憶する制御データ領域222を有している。
【0118】
CG−ROM230は、厚み測定装置1の入力・編集のために用意されている文字、記号、図形等のフォントデータを記憶していて、文字等を特定するコードデータが与えられたときに、対応するフォントデータを出力する。
【0119】
RAM240は、各種レジスタ群241の他、測定部50の第1変位計30から入力される第1測定ギャップy1などの各種の第1測定データを記憶する第1変位データ領域242、同様に第2変位計40からの各種の第2測定データを記憶する第2変位データ領域243、厚み測定その他の処理結果データを記憶する処理結果データ領域244、各種バッファ領域245などの領域を有している。
【0120】
このRAM240は、キーボード4の図外の電源キーの操作により電源がオフにされても、記憶したデータを保持しておくようにバックアップされていて、各種制御処理のための作業領域として使用される。
【0121】
IOC260には、CPU210の機能を補うとともに周辺回路等とのインタフェース信号を取り扱うための回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。例えば種々の計時を行うタイマなどもIOC260内の機能として組み込まれている。
【0122】
このため、IOC260は、ディスプレイ3、キーボード4、マウス5、プリンタ6等と接続され、キーボード4やマウス5からの各種指示や入力データなどをそのままあるいは加工して内部バス280に取り込むとともに、CPU210と連動して、CPU210等から内部バス280に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工してディスプレイ3やプリンタ6に出力するなど、これらの周辺回路や周辺機器との間の各種制御信号および各種データの入出力を制御する。
【0123】
HDD24は、CPU210からの指令に従い、ハードディスク7を制御・駆動して、ハードディスク7との間の各種制御信号および各種データの入出力を制御する。
【0124】
OPC250には、CPU21の機能を補うとともに、測定部50の光学系各部とのインタフェース信号を取り扱うための回路が組み込まれ、光学系各部を制御し、また、それらとの間の入出力を制御する。
【0125】
例えばキャリア510によるターゲットTの3次元の位置制御、ガイド511やガイド512による測定面間ギャップDの調整制御、第1変位計30や第2変位計40により求める第1測定ギャップy1や第2測定ギャップy2を入力して、CPU210と連動してまたはその機能を補うことにより、ターゲットTの厚みdを求めるなど、の処理を行う。
【0126】
なお、論理回路セルの他にアナログ回路等を混在するディジタル/アナログ混在セルアレイLSIや、複数のベアチップを搭載したフリップチップ方式等によるチップサイズのマルチチップモジュールなどにより構成して、第1変位計30や第2変位計40の制御部CN(図41、図45参照)の一部の機能を分担するようにしても良い。
【0127】
そして、CPU210は、上記の構成により、ROM220内の制御プログラムに従い、制御データを参照して、CG−ROM230からのフォントデータやRAM240内の各種データ等を処理し、IOC260を介して周辺回路等と各種指示や各種データの授受を行うとともに、OPC250を介して光学系各部を制御することにより、測定結果となるターゲットTの厚みdを求めるなど、厚み測定装置1全体を制御する。
【0128】
ところで、厚み測定装置1では、測定部50の一対の変位計30、40に、本発明の一実施形態に係る位置測定装置2が利用されている。そこで、以下、位置測定装置2の原理およびそれを適用した構成について説明する。
【0129】
まず、図2に示すように、各6面の全てが長方形の2つの仮想の四角柱を考えて、2つの仮想の光導波路とし、それぞれ仮想照射光導波路IGIおよび仮想反射光導波路IGRとする。
【0130】
ここで、仮想照射光導波路IGIの上底面および下底面のうちの一方(例えば図示では下底面)を照射面GIdとし、他方(例えば図示では上底面)を入射面GIuとして、照射面GIdを、ターゲット(測定対象物)Tの表面(ターゲット面)Tfと平行になるように対向して配置する。
【0131】
また、仮想照射光導波路IGIの4つの側面のうち、平行に対向する2組のうちの片方の1組の2つの側面をそれぞれ第1仮想側面G1、第2仮想側面G2とし、他の1組の2つの側面をそれぞれ第7仮想側面G7、第8仮想側面G8とする。
【0132】
一方、仮想反射光導波路IGRは、4つの側面のうちの2つが、上記の第1仮想側面G1や第2仮想側面G2と同一サイズで対向し、かつ平行な2面となっていて、これらの2面をそれぞれ第3仮想側面G3および第4仮想側面G4とし、他の2つの側面をそれぞれ第9仮想側面G9、第10仮想側面G10とする。
【0133】
また、上記の第3仮想側面G3を第2仮想側面G3と4辺が合うように平行に対向させて、第1仮想側面G1、第2仮想側面G2、第3仮想側面G3および第4仮想側面G4が平行な4つの側面となるように、仮想反射光導波路IGRを仮想照射光導波路IGIに隣接して配置する。
【0134】
したがって、図2では、各6面の全てが長方形の2つの仮想の四角柱の各4つの側面のうち、互いに同一サイズの各1つの側面同士を4辺が合うように平行に対向させて、2つの仮想の四角柱を隣接し、対向する前記各1つの側面を含む平行な4つの側面を一方の端からそれぞれ第1仮想側面G1、第2仮想側面G2、第3仮想側面G3および第4仮想側面G4とし、2つの仮想の四角柱のうち、第1仮想側面G1および第2仮想側面G2を側面として有する一方を仮想照射光導波路IGIとして他方を仮想反射光導波路IGRとする。
【0135】
また、仮想照射光導波路IGIの上底面および下底面のうちの一方(図示では下底面)とターゲット(測定対象物)Tの表面(ターゲット面)Tfとを平行に対向させて照射面GIdとし、他方(例えば図示では上底面)を入射面GIuとし、仮想反射光導波路IGRの上底面および下底面のうちの照射面IGIと同一側の一方を受光面GRdとして他方を検出面GRuとする。
【0136】
従来の一般的な光ファイバ変位計では、照射面から測定対象物に対してその光軸を中心とする円錐状の発散光線束(発散光)を照射光として照射し、測定対象物上の照射(投光)範囲と開口数(NA)で決まる受光範囲との重なった部分からの反射光を利用する。
【0137】
そこで、図3に示すように、ここでは図外の光源からの入射光を入射面GIuに入射して仮想照射光導波路IGI内を伝搬させ、照射面GIdから発散光を照射光としてターゲットTに対して発射(照射)し、ターゲット面Tf上の投光範囲Iaと開口数(NA)で決まる受光範囲Raとの重なった部分Caからの照射光に対応する反射光を受光面GRdに入射して、仮想反射光導波路IGR内を伝搬させ、検出面GRuから検出光として発射し、ここでは図外の受光部で受光して、その受光結果に基づいてターゲット面Tfと照射面GIdとの距離(測定ギャップ)yを求める。
【0138】
ここで、図示のC1−C2−C3−C4の仮想平面を含む断面(以下、「断面C」という。)において、原理を概念的かつ模式的に説明すると、上記の場合、図4に示すように、仮想照射光導波路IGIの照射面Idとターゲット面Tfとの間の測定ギャップyの相違により、照射光LIに対する反射光LR(の受光量PR)は異なる。
【0139】
このため、この反射光LR(の受光量PR)が、測定ギャップyと所定の関係を持つように変化すれば(例えば図35参照)、その反射光LRを受光面GRdから入射して受光することにより、その反射光LR(の受光量PR)の変化から測定ギャップyの変化(ターゲット(測定対象物)Tの変位)を求められる。
【0140】
そこで、この原理を適用した位置測定装置2aについて、図5を参照して説明する。同図に示すように、まず、照射光導波路GIは、光源311からの入射光Lを入射面GIuに入射する照射制御面GIUと、照射面GIdからの照射光LIをターゲットTのターゲット面Tfに発射する照射測定面GIDと、照射側面GIMとを有している。
【0141】
同図では、照射制御面GIUは、1つの外周が閉じた面により構成されているが、例えば2つの光源からの光を入射するためにその2つの光源に対応して対向させた2つの外周が閉じた面により構成しても良いし、それ以上の数で構成しても良い。照射測定面GIDも同様であり、図示では1つであるが、2つ以上の外周が閉じた面により構成しても良い。
【0142】
照射側面GIMは、照射制御面GIUが含む外周が閉じた面のその外周の全ておよび照射測定面GIDが含む外周が閉じた面のその外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる役目を果たしている。また、照射側面GIMには、第1仮想側面G1および第2仮想側面G2が含まれている。
【0143】
上記の構成により、照射光導波路GIは、内部に仮想照射光導波路IGIを含み、入射光Lを入射面GIuに入射して仮想照射光導波路IGI内を伝搬させ、照射面GIdから照射光LIとしてターゲット面Tfに対して発射させる。
【0144】
次に、反射光導波路GRは、ターゲット面Tfからの照射光LIに対応する反射光LRを受光面GRdに入射する反射測定面GRDと、検出面GRuからの検出光LSを受光部320に発射する反射制御面GRUと、反射側面GRMとを有している。
【0145】
反射制御面GRUも照射制御面GIU等と同様に、例えば2つの受光部等に対応して2つ以上の外周が閉じた面により構成しても良く、反射測定面GRDも同様であり、図示では1つであるが、2つ以上の外周が閉じた面により構成しても良い。
【0146】
反射側面GRMは、照射側面GIMと同様に、反射測定面GRDが含む外周が閉じた面のその外周の全ておよび反射制御面GRUが含む外周が閉じた面のそのの外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる役目を果たしている。また、反射側面GRMには、第3仮想側面G3および第4仮想側面G4が含まれている。
【0147】
上記の構成により、反射光導波路GRは、内部に仮想反射光導波路IGRを含み、ターゲット面Tfからの照射光LIに対応する反射光LRを受光面GRdに入射して仮想反射光導波路IGR内を伝搬させ、検出面GRuから検出光LSとして発射させる。
【0148】
そして、位置測定装置2aは、上記の照射光導波路GIと反射光導波路GRの他、入射光Lを発する光源311と、検出光LSを受光する受光部320と、光源311を制御するとともに、受光部320の受光結果に基づいてターゲットTと照射面GIdとの距離(測定ギャップ)yを求める図外の制御部とを備えることにより、位置測定装置(変位計)としての機能を果たしている。
【0149】
上述のように、この位置測定装置2aでは、光源311からの入射光Lを入射面GIuに入射して仮想照射光導波路IGI内を伝搬させ、照射面GIdから照射光LIとしてターゲットTに対して発射(照射)し、ターゲット面Tfからの照射光LIに対応する反射光LRを受光面GRdに入射して仮想反射光導波路IGR内を伝搬させ、検出面GRuから検出光LSとして発射し、受光部320で受光して、その受光結果に基づいて測定ギャップyを求める。
【0150】
この場合、照射面GIdからの照射光LIに対する反射光LRが、測定ギャップyと所定の関係を持つように変化すれば(図35参照)、その反射光LRを受光面GRdから入射して受光することにより、反射光LRの変化から測定ギャップyの変化(測定対象物の変位)を求められる。
【0151】
すなわち、この位置測定装置2aでは、従来の光ファイバ変位計と同等の原理に基づいて測定ギャップyやその変化(変位)を求めることができるので、測定対象物の適用範囲が広く、非接触測定のため測定対象物に汚染や変形等を与える心配がなく、高分解能・高安定度を有するなど、光ファイバ変位計と同等の利点を得られる。
【0152】
一方、図2で前述のように、第1仮想側面G1〜第4仮想側面G4の4つの側面は、同一サイズの平行な平面であり、そのうちの第2仮想側面G2と第3仮想側面G3は、4辺が合うように平行に対向させて隣接している。もちろん、単に隣接させるだけでなく、接合させても良い。その場合、第2仮想側面G2と第3仮想側面G3は同一サイズの平面同士なので接合し易く、また、円柱状の光ファイバを接合する場合のような間隙は生じない。
【0153】
上記の位置測定装置2aでは、照射光導波路GIの側面である照射側面GIMには、仮想照射光導波路IGIの第2仮想側面G2が含まれ、反射光導波路GRの側面である反射側面GRMには、仮想反射光導波路IGRの第3仮想側面G3が含まれるので、照射側面GIMの第2仮想側面G2と反射側面GRMの第3仮想側面G3とを接合すれば、円柱状の光ファイバを接合するより接合し易く、かつ線形性(リニアリティ)を害するような間隙が生じにくい。
【0154】
ここで、例えば、図35(a)は、変位計測(変位計)に利用する反射光LRの受光量PRと測定ギャップyとの理想的な関係を示している。受光量PRが測定ギャップyに対して図示のような関係(特性)を持てば、図示の受光量PRの特性の立ち上がり部分または立ち下がり部分に相当する測定ギャップyに対して一次関数となるので、その範囲を実用範囲WR(Working Range :立ち上がり側をWRu、立ち下がり側をWRd、代表してWRとする)として、受光量PRから測定ギャップyを求められる。
【0155】
前述のように、光ファイバ変位計の光ファイバ束の各光ファイバは円柱状なので、例えば上記の場合、照射用の光ファイバ(照射ファイバ)FIとそれに近接または接合した受光用の光ファイバ(受光ファイバ)FAの測定面内での形状は円形となり、円形相互間の接合は点接合となるので、接合(製造)しにくい。
【0156】
また、どのようにうまく接合しても、円形相互間の接合点以外の部分には間隙ができてしまい、その部分への反射光は受光できないので、その範囲の測定ギャップyと受光量PRとの関係の線形性(リニアリティ)が確保できず、例えば同図(b)に示すような狭い実用範囲FWRとなる。
【0157】
これに対し、第2仮想側面G2と第3仮想側面G3は同一サイズの平面同士なので接合し易く、上記の位置測定装置2aでは、照射側面GIMの第2仮想側面G2と反射側面GRMの第3仮想側面G3とを接合できるので、円柱状の光ファイバを接合するより接合し易く、かつ線形性(リニアリティ)を害するような間隙が生じにくいので、同図(a)のような理想型に近い受光量PRの特性がえられる。すなわち、接合(製造)し易い分だけ製造コストを抑止することができ、間隙が生じない分だけ広範囲のリニアリティを確保できる。
【0158】
なお、第2仮想側面G2と第3仮想側面G3とを接合せず、所定の間隔を持たせて隣接すれば、その所定の間隔に対応した測定ギャップyから測定可能となるため、図示の受光量PRの特性が全体的に右方向(測定ギャップyが大きくなる方向)に平行移動したものとなるだけで、本質的な特性は同じなので、以下の説明では隣接の場合と接合の場合とを特に列記せず同等に扱う。
【0159】
また、上記の図35では、仮想反射光導波路IGRの幅(第3仮想側面G3と第4仮想側面G4の間の距離)を仮想照射光導波路IGIの3倍で図示したが、上述の位置測定装置2aでは、これが約2倍なので、実際には図36(a)に示すような実用範囲WRとなる。もちろん、これが約1倍ならば、同図(b)に示すようになる。
【0160】
なお、上記の位置測定装置2aの場合、照射側面GIMの第1仮想側面G1および第2仮想側面G2を除く形状や、反射側面GRMの第3仮想側面G3および第4仮想側面G4を除く形状は、最低限、上記の第2仮想側面G2と第3仮想側面G3との近接を妨害しない形状であれば、任意の形状で良い。
【0161】
このため、図5に示すように、照射側面GIMの形状を、光源311から発する入射光Lが入射面GIuに誘導されるような形状にしたり、照射光LIを誘導してターゲット(測定対象物)の反射光導波路GRに近い位置に照射する(すなわち反射光LRの反射角を変える)形状にしたり、反射側面GRMの形状を、反射光LRが受光面GRdに誘導されるような形状にしたり、検出面GRuからの検出光LSが受光部320に誘導されるような形状にしたりすることができる。
【0162】
また、照射測定面GIDが照射面GIdを含む平面、および反射測定面GRDが受光面GRdを含む平面となるように構成しても良い(図9参照)。この場合、照射測定面GIDと反射測定面GRDが仮想の同一平面内に位置すること(面一)になるので、それらに含まれる照射面GIdと受光面GRdをターゲットTに近接させることができ、これにより、微小の測定ギャップyまで測定でき、測定可能範囲を広げることができる。
【0163】
ところで、前述のように、一般的な光ファイバ変位計では、照射面からターゲット(測定対象物)に対して発散光を照射光として照射し、ターゲット(測定対象物)上の照射(投光)範囲と開口数(NA)で決まる受光範囲との重なった部分からの反射光を利用する。
【0164】
このため、レーザ光などの集束性の強い平行光線束(平行光、視準光、コリメート光)を光軸に沿って照射したのでは、照射面と受光面が仮に隣接していても投光範囲と受光範囲に重なりが生じないので、照射光として利用できない。また、レーザ光などを利用したのでは、その集束性、可干渉性、高輝度・単色性、指向性など(以下「集束性等」)の強さにより、光軸上で全面反射して元の照射面に戻って干渉し合ってしまう。
【0165】
そこで、次に、照射光としてレーザ光を利用する位置測定装置2bについて、図6〜図9を参照して説明する。なお、図示では、平行光線束の代表として使用するレーザ光の光軸のみ(中心光の光路)を主に図示し、それにより、レーザ光およびその光路を表現する。
【0166】
図6および図7に示すように、この位置測定装置2bでは、入射面GIuの光軸に対する入射光Lの入射角θは、照射光LIが照射面GIdの光軸と所定の発射角θを有するように定められている。
【0167】
すなわち、前述のように、照射側面GIMの形状を、照射光LIを誘導して反射光LRの反射角を変える形状にすることもできるが(図8参照)、ここでは、照射測定面GIDを照射面GIdを含む平面とし、入射光Lの入射角θを設定することにより、照射光LIが照射面GIdの光軸と所定の発射角θを有するように定めている。
【0168】
このため、図9に示すように、照射測定面GIDと反射測定面GRDが面一で、かつ、レーザ光(平行光線束)を入射光Lとして伝搬させて(その平行光線束を)照射光LIとして利用しても、ターゲット(測定対象物)Tから所定の反射角θの反射光LRが得られる。
【0169】
この場合、前述の断面Cにおいては、図10に示すように、仮想照射光導波路IGIの照射面GIdとターゲット面Tfとの間の測定ギャップyの変化に応じて、照射光LIに対する反射光LRの受光面GRdに入射される光量やその入射位置が変化し、この結果、受光部320における受光量PRが変化する。
【0170】
なお、図10は第2仮想側面G3と第3仮想側面とを隣接させた例を示すが、前述の位置測定装置2aと同様に(図11(a)参照)、第2仮想側面G3と第3仮想側面とを接合しても同様に変化する(同図(b)参照)。
【0171】
すなわち、この場合の反射光LRも、図35や図36で前述のように、測定ギャップyと所定の関係を持つように変化することになるので、その反射光LRを受光面GRdから入射して受光することにより、その反射光LRの受光量PRの変化に基づいて、測定ギャップyおよびその変化(ターゲット(測定対象物)Tの変位)を求められる。
【0172】
このため、この位置測定装置2bでは、レーザ光などの集束性等の強い種類の光を照射光LIとして利用できる。
【0173】
また、光源311としてレーザ光源LDを使用し、レーザ光(集束性等の強い種類の光)を入射光Lとして利用することにより、それを仮想照射光導波路IGI内に閉じこめた状態で伝搬させ易くなり、また、それを照射面GIdから照射光LIとして照射することにより、発散光を利用する場合より、反射光LRを仮想反射光導波路IGRの受光面GRdに入射し易くなる。
【0174】
また、この位置測定装置2bでは、集束性等の強いレーザ光Lを照射光LIとして利用しているので、高密度の照射ができる。すなわち、レーザ光は、光量を大きくすることが容易なので、光量を大きくすることにより、分解能を向上させ、帯域幅を広げることができる。
【0175】
すなわち、照射光(レーザ光)LIやその反射光LRの光路とそれ以外との光量の差が顕著となって他の光の影響を受けにくくなるばかりでなく、減衰しても結果的な受光量が多いので、高分解能などの光ファイバ変位計と同等の利点をさらに向上させ、かつ、広範囲のリニアリティをさらに確保し易くなる。なお、光路における透過率の高い波長(例えば多成分系ガラスの場合830nm程度)の単色光を利用することにより、減衰を少なくすることもできる。
【0176】
また、前述のように、照射測定面GIDと反射測定面GRDが面一であっても、入射光Lの入射角θを、照射光LIが照射面GIdの光軸と所定の発射角θを有するように定めることにより、ターゲット(測定対象物)Tから所定の反射角θの反射光LRが得られ、それによって、測定ギャップyを求めることができ、一方、照射測定面GIDと反射測定面GRDを面一とすることにより、照射面GIdと受光面GRdをターゲットTに近接させ、微小の測定ギャップyまで測定でき、測定可能範囲を広げることができるので、以下の説明では、照射測定面GIDと反射測定面GRDが面一の場合のみについて説明する。
【0177】
もちろん、以下に説明する例において、微小の測定ギャップyまで測定可能ということ以外に関しては、照射測定面GIDと反射測定面GRDが面一でなくても、照射側面GIMの形状を、照射光LIを誘導して反射光LRの反射角を変える形状にすることで、同様のことができることは言うまでもない。
【0178】
また、以下の説明では、レーザ光の入射角や発射角を所定の固定値とするが、例えば光源311以外に、全て図外のコンデンサレンズやコリメートレンズ等を有する集光器や、集光されたレーザ光Lの入射角θを調整する入射ユニットなどを備えることにより、可変値とすることもできる。
【0179】
この場合、例えば入射ユニットは、全て図外の回転角度をパルス数により精密に制御可能なステッピングモータ等から成る駆動源と、所定の減速ギア機構等を介してその駆動源により回転するミラー(回転ミラー)やプリズム(回転プリズム)等から成る結合機構とを有することにより、照射光導波路GIに対してその光軸と所定の入射角θとなるように、レーザ光Lの入射角θを調整可能に構成できる。
【0180】
また、任意の入射角θに対する例えばステッピングモータへのパルス数などの制御データは、実測データ等に基づいて、前述のROM220の制御データ領域222内に、入射角制御データとして規定すれば、OPC250とCPU210とが連動してこの入射角制御データを参照することにより、設定された所定の入射角θに合うように、入射角θを調整できる。
【0181】
また、その入射角θは、前述のキーボード4やマウス5によりディスプレイ3で確認しながら任意に設定できるようにもできるし、厚み測定装置1では一対で使用する位置測定装置2の各入射角θ(例えばθ1、θ2)を相互に異なる値に設定することもできる。
【0182】
また、レーザ光源としては、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザでも、アルゴンレーザ、金属イオンレーザ等のガスレーザでも、ラマンレーザ、ダイレーザ等の液体レーザでも、その発光と入射面への入射角が制御できれば、適用は可能であるが、小型化等のため、以下に説明する位置測定装置では、半導体レーザ、特にレーザダイオードを利用し、その入射面GIuの光軸に対する入射角θを固定値とする。
【0183】
上述のように、上記の位置測定装置2bおよび以下に説明する他の位置測定装置では、レーザ光Lを利用する利点、すなわち、光ファイバ変位計と同等の利点の他、広範囲のリニアリティを確保できるという利点を有し、かつ、レーザ光源LDがレーザダイオードなので、小型化が可能になるとともに、大量生産が可能になるので、材料(資材コスト)や製造(製造コスト)などに関して、コストダウンが図れる。
【0184】
また、以下に説明する位置測定装置では、一般的な電子部品を樹脂等によりモールドしてパッケージ化するのと同様に、レーザ光源LDであるレーザダイオードを照射光導波路GIおよび反射光導波路GRとともに一体化して、1つのパッケージ内に納めることを目標とする。これにより、さらに小型化が可能になり、また、扱い易いものとなる。
【0185】
上述のように、小型化等を目的に光源311をレーザダイオードで構成するレーザ光源LDとすることに定まったので、次に、光源LD以外の構成要件について説明する。
【0186】
まず、照射側面GIMを構成する照射光導波路GIの外周部位および反射側面GRMを構成する反射光導波路GRの外周部位には、内部に伝搬する光を反射させるクラッド領域が形成され、このクラッド領域に囲まれる部位には、光を伝搬するためのコア領域が形成されていることが好ましい。
【0187】
この場合、照射光導波路や反射光導波路が、光ファイバ変位計の光ファイバと同様の構成を有するので、光を問題なく伝搬させることができ、光ファイバ変位計と同様の利点を問題なく得られる。
【0188】
また、上記のコア領域は、石英系ガラス、多成分系ガラスおよびプラスチックのいずれかから成ることが好ましい。この場合、光を伝搬させるコア領域が、光ファイバのコア領域と同等の材質から成るので、光を問題なく伝搬させることができる。
【0189】
また、内部に伝搬する光を反射させるクラッド領域は、例えば金などの光を反射する金属系の物質や、コア領域より屈折率の低い誘電体から成ることが好ましい。この場合、内部の光をコア領域とクラッド領域の境界で反射させることができ、これにより、光を問題なく伝搬させることができる。
【0190】
また、これらの場合、照射光導波路GIおよび反射光導波路GRが、金などの金属等の電気めっき法、真空蒸着やスパッタリングなどの物理気相合成法、および、熱CVDやプラズマCVDなどの化学気相合成法のいずれかの方法で作製されることが好ましい。
【0191】
この場合、他の装置や部品等を作製するためにも一般的に用いられる方法によって作製できるため、他の目的で購入した既存の設備等を使用して作製し易く、特別な設備投資等が不要となる。また、いずれの方法も光導波路の表面を平面化し易いので、例えば照射光導波路GIの第2仮想側面G2を含む照射側面GIMと反射光導波路GRの第3仮想側面GRを含む反射側面GRMとを接合する場合も接合し易い。
【0192】
そこで、次に、照射側面GIMや反射側面GRMの形状であるが、これらは、少なくとも入射面GIuおよび検出面GRuを含む仮想の平面と照射面GIdおよび受光面GRdを含む仮想の平面の2つの平行な仮想の平面間において、照射側面GIMの第1仮想側面G1と第2仮想側面G2の間を連結する側面や、反射側面GRMの第3仮想側面G3と第4仮想側面G4の間を連結する側面が、複数の平面、特に4つの平面から成ることが好ましい。
【0193】
すなわち、この場合、照射光導波路GIの仮想照射光導波路IGIを含む部位や反射光導波路GRの仮想反射光導波路IGRを含む部位は、複数の平側面を有する角柱形状となる。このため、光ファイバ等のように曲面を含む場合に比べて、製造が容易になるので、製造コストを低減できる。
【0194】
例えば、図12および図13に示す位置測定装置2cは、入射面GIuおよび検出面GRuを含む仮想の平面と、照射面GIdおよび受光面GRdを含む仮想の平面、の2つの平行な仮想平面の間の部位、すなわち照射光導波路GIの仮想照射光導波路IGIを含む部位や反射光導波路GRの仮想反射光導波路IGRを含む部位が、4つの平側面を有する四角柱形状となっている。
【0195】
すなわち、この位置測定装置2cでは、照射光導波路GIの仮想照射光導波路IGIを含む部位や反射光導波路GRの仮想反射光導波路IGRを含む部位が四角柱形状なので、角柱の中でも最も扱い易く製造し易いものとなり、さらに製造コストを低減でき、コストダウンが図れる。
【0196】
なお、図12の側面の部位の黒塗り部分は、クラッド領域を明示するためであり、内部と色が異なる等の特別な意味を持つものではない。後述の図14も同様である。また、これらにより、考え方だけ理解できればそれ以降ではクラッド領域を明示する必要もないと考えられ、逆に見ずらくなる可能性もあるので、黒塗りで示していない。
【0197】
また、上述の図12や図13から明らかなように、この位置測定装置2cでは、照射光導波路GIの仮想照射光導波路IGIを含む部位の全体を、幅の広い第1仮想側面G1や第2仮想側面G2を有する仮想照射光導波路IGIとし、反射光導波路GRの仮想反射光導波路IGRを含む部位の全体を、幅広の第3仮想側面G3や第4仮想側面G4を有する仮想反射光導波路IGRとして扱うこともできる。
【0198】
また、図示とは異なる位置、すなわち図示上の奥行き方向の任意の位置に、仮想照射光導波路IGIや仮想反射光導波路IGRを想定することもできる。
【0199】
すなわち、仮想照射光導波路IGIを含む部位が四角柱形状の照射光導波路GIや、仮想反射光導波路IGRを含む部位が四角柱形状の反射光導波路GRは、本発明の位置測定装置を適用するのに適した形状なので、以下では、主に、四角柱形状を主体とした照射側面GIMや反射側面GRMの形状を有する位置測定装置について説明する。
【0200】
ところで、位置測定装置2cでは、照射側面GIMや反射側面GRMの形状として、上記の仮想照射光導波路IGIを含む部位や仮想反射光導波路IGRを含む部位以外にも工夫が加えられている。
【0201】
仮想照射光導波路IGIの光軸と仮想反射光導波路IGRとの光軸は、双方を含む仮想の平面(前述の断面Cに相当)内において平行なので、それらと一致する入射面GIuの光軸と検出面GRuの光軸とは平行となるが、この位置測定装置2cでは、照射制御面GIUおよび反射制御面GRUのそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められている。
【0202】
具体的には、位置測定装置2cでは、図12に示すように、反射制御面GRUの光軸が、前述の断面C内において、仮想照射光導波路IGI(および仮想反射光導波路IGR)の光軸と交差(図示ではほぼ直交)する関係となるように定められている。
【0203】
また、図示のように、照射制御面GIUの光軸を仮想照射光導波路IGIの光軸と合わせ、これにより、照射制御面GIUおよび反射制御面GRUのそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められている。
【0204】
光源LDが発する入射光Lの光軸が照射制御面GIUの光軸に合うように、あるいは所定の入射角θとなるように光源LDを配置し、反射制御面GRUから発射される検出光LSを受光しやすいように反射制御面GRUの光軸に合わせて受光部PD(前述の受光部320に相当)を配置する場合、照射制御面GIUの光軸と反射制御面GRUの光軸の方向を同じにすると、光源LDと受光部PDを同じ方向に配置する必要があり、配置し難い。
【0205】
この位置測定装置2cでは、上述のように、照射制御面GIUおよび反射制御面GRUのそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められているので、光源LDと受光部PDを配置し易くなっている。
【0206】
この場合、光源LDや受光部PDをそれぞれ照射制御面GIUや反射制御面GRUに近接して配置し易いように、照射制御面GIUおよび反射制御面GRUのそれぞれの光軸を定めておけば、光源LDや受光部PDを近接して配置することにより、装置全体を小型化できる。
【0207】
なお、レーザ光Lを入射角θで入射させ易くして、照射制御面GIUに対する入射光量を少しでも増大させるために、照射制御面GIUの光軸を光源LD側に傾けて図示の照射制御面GIU2のようにしても良い。
【0208】
これらの場合、図9等でも前述のように、照射側面GIMの形状を光源LDから発する入射光Lが入射面GIuに誘導されるような形状にしたり、反射側面GRMの形状を検出面GRuからの検出光LSが受光部PDに誘導されるような形状にしたりすることができるので、照射制御面GIUの光軸が入射面GIuの光軸と方向が異なったり、反射制御面GRUの光軸が検出面GRuの光軸と方向が異なっても、問題は生じない。
【0209】
また、上記の位置測定装置2cでは、反射制御面GRUの光軸を仮想照射光導波路IGRの光軸と交差する関係となるように定めたが、照射制御面GIUの光軸を仮想照射光導波路IGIの光軸と交差する関係となるように定めても良い。
【0210】
この場合、他方の反射制御面GRUの光軸を仮想反射光導波路IGRの光軸と合わせても、照射制御面GIUおよび反射制御面GRUのそれぞれの光軸が、同様に相互に異なる方向に定められ、これにより、照射制御面GIUの光軸に合わせてあるいは所定の入射角θとなるように光源LDを近接して配置し、反射制御面GRUの光軸に合わせて受光部PDを近接して配置し易くなり、装置全体を小型化できる。
【0211】
なお、これらの場合、照射制御面GIUまたは反射制御面GRUの光軸の交差する角度を直角、すなわち直交するようにすれば、光源LDや受光部PDを第1仮想側面G1等と平行に配置でき、さらに配置し易くなる。
【0212】
ところで、照射制御面GIUおよび反射制御面GRUのそれぞれの光軸を相互に異なる方向に定めるには、照射制御面GIUの光軸が入射面GIuの光軸と所定の角度を有するように定めるか、反射制御面GRUの光軸が検出面GRuの光軸と所定の角度を有するように定めるか、または双方とも所定の角度にかつ相互に異なるように定めるかのいずれかで良い。
【0213】
このため、上述のように、照射制御面GIUや反射制御面GRUの一方の光軸を、断面C内において仮想照射光導波路IGIの光軸と交差する関係となるように定めるばかりでなく、その他の方法も考えられる。
【0214】
すなわち、例えば照射制御面GIUおよび反射制御面GRUの一方の光軸が、断面Cに対して交差する関係となるように定めることもできる。
【0215】
例えば、図14および図15に示す位置測定装置2dは、反射制御面GRUの光軸が、断面Cに対して交差(図示ではほぼ直交)する関係となるように定められている。また、他方の照射制御面GIUの光軸を仮想照射光導波路IGIの光軸と合わせているので、照射制御面GIUおよび反射制御面GRUのそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められている。
【0216】
そして、これにより、例えば照射光導波路GIの上方に、レーザ光Lが照射制御面GIUの光軸に対して入射角θとなるように図外の光源LDを近接して配置し、図示の手前側に反射制御面GRUの光軸と合うように受光部PDを近接して配置できる。
【0217】
もちろん、これとは逆に照射制御面GIUの光軸を断面Cと交差するように定めても良い。この場合も、例えば他方の反射制御面GRUの光軸を仮想反射光導波路IGRの光軸と合わせれば、照射制御面GIUおよび反射制御面GRUのそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められる。
【0218】
そして、この場合も、照射制御面GIUの光軸に合わせてあるいは所定の入射角θとなるように図外の光源LDを近接して配置し、反射制御面GRUの光軸に合わせて受光部PDを近接して配置し易くなり、装置全体を小型化できる。
【0219】
なお、この場合、光軸の交差する角度を直角、すなわち直交するようにすれば、光源LDや受光部PDを上記の断面C(仮想の平面)と平行に配置できる。これは、特に本例の位置測定装置2dのように仮想照射光導波路IGIや仮想反射光導波路IGRを含む部位が四角柱形状の場合に、光源LDや受光部PDを第1仮想側面G1等と直角な側面に対向して(本例では手前側に)平行に配置でき、配置し易い。
【0220】
また、この場合、反射制御面GRUから検出光LSを発射させるためにその光路を変更する反射側面GRMの一部の部位GRMSを、断面Cおよび検出面GRu等の双方に45゜の角度となるように設けるだけで、仮想反射光導波路IGRの光軸に沿って断面C内に反射・伝搬してきた光を、断面Cと垂直かつ検出面GRu等と平行な仮想の平面内に伝搬する検出光LSとなるように光路変更できるので、作製し易い。
【0221】
なお、以下では、受光部320を例えばフォトダイオード等のように小型化が可能なもので構成し、この場合の受光部320を受光部PDと呼ぶ。上述の位置測定装置2cや位置測定装置2d等の説明において、受光部320を受光部PDとして説明したのは、位置測定装置2cや位置測定装置2dにおいても、受光部320を例えばフォトダイオード等のように小型化が可能な受光部PDで構成するのが好ましいからである。
【0222】
このような受光部PDの場合、前述のレーザダイオード等から構成されるレーザ光源LDと同様に、また、一般的な電子部品と同様に、樹脂等によりモールドしてパッケージ化できる。
【0223】
これらの場合、受光部PDを照射光導波路GIおよび反射光導波路GRとともに一体化して、1つのパッケージ内に納めるので、さらに小型化が可能になり、扱い易くなるとともに、大量生産が可能になるので、材料(資材コスト)や製造(製造コスト)などに関して、コストダウンが図れる。特に上述した位置測定装置2dや位置測定装置2cのように、受光部PDを反射光導波路GRに近接できる場合には、小型化し易くパッケージ化し易い。
【0224】
上述の位置測定装置2cや位置測定装置2dでは、前述のように、仮想反射光導波路IGRの幅(第3仮想側面G3と第4仮想側面G4の間の距離)が仮想照射光導波路IGIの幅(第1仮想側面G1と第2仮想側面G2の間の距離)の約2倍のため、受光量PRが測定ギャップyに対して図36(a)のようになり、実用範囲WRの立ち上がり側WRuと立ち下がり側WRdが不連続となる。
【0225】
そこで、実用範囲WRを同図(b)のように連続させるため、位置測定装置2cや位置測定装置2dのそれぞれの仮想反射光導波路IGRの幅を仮想照射光導波路IGIの幅と合わせる(1倍にする)と、それぞれ、図16および図17に示す位置測定装置2e、図18および図19に示す位置測定装置2fのようになる。
【0226】
なお、図35で前述のように、第2仮想側面G2と第3仮想側面G3の間に所定の間隔を持たせても、受光量PRの特性が全体的に測定ギャップyが大きくなる方向に平行移動するだけで、本質的な特性は同じなので、以下では(特に図示の簡略化のために)、第2仮想側面G2と第3仮想側面G3のクラッド領域が共有されて接合されているものについて説明する。
【0227】
また、図41以降で後述の位置測定装置2の説明までは、主に反射光導波路GRの構成について説明するので、光源LDはレーザ光Lを発射する方向に配設され、受光部PDは検出光LS(後述のLSA、LSBを含む)を受光する方向に配設されているものとして、図示および詳述は省略する。
【0228】
ところで、上述した種々の位置測定装置2a〜2fにおいて、仮に反射光導波路GRが照射光導波路GIの左側に配置されていると見ると、前述の平行な4つの側面のうちの第1仮想側面G1が最も右側の側面、第4仮想側面G4が最も左側の側面となる。
【0229】
そこで、例えば図16および図17で前述の位置測定装置2eにおいて、仮想照射光導波路IGIの光軸を含み第1仮想側面G1と平行な平面を対称面として、前述の反射光導波路GRを左反射光導波路GRLとし、その左反射光導波路GRLに対して面対称の関係となるように右側にも反射光導波路GRを配設して右反射光導波路GRRとし、図20および図21に示すように配設して、位置測定装置2gとする。
【0230】
この位置測定装置2gでは、左反射光導波路GRLおよび右反射光導波路GRRが、仮想照射光導波路IGIの光軸を含み第1仮想側面G1と平行な平面を対称面(鏡映面)として、面対称(平面対称)の関係となるように配設されているので、反射制御面GRUの光軸や反射測定面GRDの光軸も、同様の面対称の関係となる。
【0231】
なお、同様のことを例えば図5で前述の位置測定装置2aに適用した場合、左反射光導波路GR(GRL)の反射測定面GRDの光軸が仮想照射光導波路側IGIに傾いて、反射光LR(LRL)が受光面GRdに入射し易くなっているので、反対側の右反射光導波路GR(GRR)でも、反射光LR(LRR)を受光面GRdに入射し易くなる。
【0232】
また、図5の位置測定装置2aにおいて、照射面GIdから発散光LIを照射すると、その照射(投光)範囲と左側の反射光導波路(左反射光導波路)GR(GRL)の受光範囲との重なった部分からの反射光LR(LRL)が、左反射光導波路GR(GRL)の受光面GRdに入射され、測定ギャップyの測定に使用されるが、照射光LIの右側への反射光は測定に使用されず、測定に対する照射効率が低い。
【0233】
そこで、この左反射光導波路GR(GRL)に対して照射光導波路GIを挟んで反対側(右側)にも同等の構成を有する反射光導波路(右反射光導波路)GR(GRR)を配設し、照射光LIの右側への反射光LR(LRR)も測定に使用できるようにすることにより、測定に対する照射効率を向上させ、感度(分解能等)をより高くすることができる。
【0234】
なお、この場合、照射光導波路GIの第2仮想側面G2の対称となる面は、照射光導波路GIの第1仮想側面G1であり、左反射光導波路GRLの第3仮想側面G3の対称となる面は、右反射光導波路GRRの第3仮想側面G3であって、照射光導波路GIの第1仮想側面G1と右反射光導波路GRRの第3仮想側面G3は同一サイズの平面同士なので接合し易く、また、円柱状の光ファイバを接合する場合のような間隙は生じない。
【0235】
すなわち、図5で前述の(左)反射光導波路GR(GRL)と照射光導波路GIとの接合と同様に、照射光導波路GIの照射側面GIMの第1仮想側面G1と右反射光導波路GRRの反射側面GRMの第3仮想側面G3とを接合すれば、円柱状の光ファイバを接合するより接合し易く、かつ線形性(リニアリティ)を害するような間隙が生じにくい。
【0236】
一方、例えば図16および図17で前述の位置測定装置2eのように、レーザ光などの集束性等の強い種類の光を照射光LIとして利用する場合、入射面GIuから所定の入射角θで入射した入射光Lを、第1仮想側面G1と第2仮想側面G2との間を反射させながら伝搬させ、照射光LIとして左側の第2仮想側面G2側に照射面GIdの光軸と所定の発射角θで照射する。
【0237】
この場合、入射光Lの入射角θや照射光導波路GIの光路長が(例えば設計値と)僅かに異なれば、本来(設計では)左側に照射されるべき照射光LI(LIL:図20参照)の一部または全部が、反対側の右側に照射されることになり、このような場合、十分な受光量を得られないなど、測定に支障が生じる。
【0238】
図20および図21で前述の位置測定装置2gでは、右反射光導波路GR(GRR)を配設するため、逆方向の反射光LR(LRR)も受光でき、入射光Lの入射角θや照射光導波路GIの光路長が設計値と僅かに異なっても高分解能を維持できるので、製作し易くなり、パッケージ化するような場合にもその歩留まりが向上する。特に全体が小型化され反射光導波路GRの材料が安価な(資材コストが低い)のに対してその製造コストが比較的に高い場合に、コストダウンが図れる。
【0239】
なお、左反射光導波路GRLに対して照射光導波路GIを挟んで反対側の右側の位置に、左反射光導波路GRLと同等の構成を有する右反射光導波路GRRを配設するために、上述では、面対称となるようにしたが、仮想照射光導波路IGIの光軸を対称中心軸として左反射光導波路GRLを180°回転させた関係となるように、右反射光導波路を配設しても良い。
【0240】
前述のように、(左)反射光導波路GR(GRL)の反射側面GRMの第3仮想側面G3および第4仮想側面を除く形状は、任意の形状とすることができるため、例えばその反射制御面GRUの光軸や反射測定面GRDの光軸を仮想反射光導波路IGRの光軸と異なる方向に配設して、検出面GRuからの検出光LS(LSL)を受光部PDで検出し易くしたり反射光LR(LRL)を受光面GRdに入射し易くしたりすることができる。
【0241】
上記の場合、右反射光導波路GRRが、仮想照射光導波路IGIの光軸を対称中心軸として左反射光導波路IGRを180°回転させた関係となるように配設されるので、反射制御面GRUの光軸や反射測定面GRDの光軸も、仮想照射光導波路IGIの光軸を中心軸として180°回転させた関係となる。
【0242】
すなわち、この場合も、例えば図5で前述の位置測定装置2aに適用すれば、左反射光導波路GR(GRL)の反射測定面GRDの光軸が仮想照射光導波路側IGIに傾いて、反射光LR(LRL)が受光面GRdに入射し易くなっているので、反対側の右反射光導波路GR(GRR)でも、反射光LR(LRR)を受光面GRdに入射し易くなる。
【0243】
なお、図20および図21で前述の位置測定装置2gは、前述の面対称ばかりでなく、上述の左反射光導波路IGRと右反射光導波路GRRが仮想照射光導波路IGIの光軸を対称中心軸として180°回転させた関係(以下、「回転対称」という)も満足している。
【0244】
また、この位置測定装置2gでは、左反射光導波路GR(GRL)および右反射光導波路GR(GRR)の各反射制御面GRUが、照射光導波路GI側を内側としたときの外側に向かって、各検出光LS(LSL、LSR)を発射するように設けられているので、各検出光LSL、LSRを受光する受光部PDを、それぞれ個別に外側に配置できる。
【0245】
さらに、この位置測定装置2gでは、左反射光導波路GR(GRL)および右反射光導波路GR(GRR)の各反射制御面GRUが、仮想照射光導波路IGIの光軸と両方の仮想反射光導波路IGRの光軸を含む仮想の平面(すなわち前述の断面C)内において、各反射制御面GRUの光軸が各仮想反射光導波路IGRの光軸と直交する関係となるように設けられている。
【0246】
すなわち、各反射制御面GRUの光軸は、第1仮想側面G1や第4仮想側面G4等を含む平面等と直交する関係となるので、外側の第4仮想側面G4を含む平面内またはそれと平行な少し内側の平面内に各反射制御面GRUを設けることにより、左反射光導波路GR(GRL)および右反射光導波路GR(GRR)と近接して、各検出光LSL、LSRを受光する受光部PDを個別に配置でき、装置全体を小型化できる。
【0247】
なお、当然ながら、上述の面対称の関係を有しつつ、回転対称の関係は有さないように、左反射光導波路GR(GRL)および右反射光導波路GR(GRR)を配設することもできる。
【0248】
例えば図18および図19で前述の位置測定装置2fにおいて、仮想照射光導波路IGIの光軸を含み第1仮想側面G1と平行な平面を対称面(鏡映面)として、前述の反射光導波路GRを左反射光導波路GRLとし、その左反射光導波路GRLに対して面対称の関係となるように右側にも反射光導波路GRを配設して右反射光導波路GRRとし、図22および図23に示すように配設して、位置測定装置2hとする。
【0249】
この位置測定装置2hでも、上述の位置測定装置2gと同様に、左反射光導波路GRLおよび右反射光導波路GRRが、面対称(平面対称)の関係となるように配設されているので、反射制御面GRUの光軸や反射測定面GRDの光軸も、同様の面対称の関係となる。
【0250】
一方、この位置測定装置2hでは、上述の位置測定装置2gとは異なり、左反射光導波路GR(GRL)および右反射光導波路GR(GRR)の各反射制御面GRUが、前述の断面Cに対して、各反射制御面GRUの光軸が交差する関係となるように設けられている。
【0251】
このため、照射制御面GIUの光軸が断面(仮想の平面)C内にあり、それに合わせて光源LDが近接して配置されていても、各反射制御面GRUをその断面C外に設けることができるので、各反射制御面GRUの光軸に合わせて受光部PDを近接して配置し易い。
【0252】
さらに、この位置測定装置2hでは、断面Cに対して各反射制御面GRUの光軸が交差する角度が直角、すなわち、直交している。このため、各反射制御面GRUの光軸は、第1仮想側面G1〜第4仮想側面G4等を含む平面等と平行な平面内に含まれ、かつ、仮想照射光導波路IGIや反射光導波路IGRの光軸と直交する関係となる。
【0253】
この場合、断面Cに平行な平面内に各反射制御面GRUを設けることにより、各反射制御面GRUと平行かつ対向するように、双方の受光部PDを配置できる。また、受光部PDと双方の反射制御面GRUとの距離を同一距離にできるので、双方からの受光量などの受光結果を同等に扱え、受光部PDを簡易な構成にし易くなる。
【0254】
また、特に本例の位置測定装置2hのように、仮想照射光導波路IGIや仮想反射光導波路IGRを含む部位が四角柱形状の場合、上記の断面Cに平行な側面を有するので、その側面を含む平面またはそれと平行な少し内側の平面内に各反射制御面GRUを設けることにより、左反射光導波路GR(GRL)および右反射光導波路GR(GRR)と近接して、双方の受光部PDを配置でき、装置全体を小型化できる。
【0255】
また、図19および図19で前述の位置測定装置2fと同様に、左反射光導波路GR(GRL)および右反射光導波路GR(GRR)の反射側面GRMの一部の部位GRMSを、断面Cおよび検出面GRu等の双方に45゜の角度となるように設けるだけで、仮想反射光導波路IGRの光軸に沿って断面C内に反射・伝搬してきた光を、断面Cと垂直かつ検出面GRu等と平行な双方の反射制御面GRUの光軸を含む仮想の平面内に伝搬する各検出光LS(LSL、LSR)となるように光路変更できるので、作製し易い。
【0256】
また、位置測定装置2hでは、左反射光導波路GR(GRL)および右反射光導波路GR(GRR)の各反射制御面GRUが、断面C(仮想の平面)に対して各反射制御面GRUの光軸が交差する関係となる相互に同一の前後いずれか(本例では図示のように手前側)の方向に向かって、各検出光LS(LSL、LSR)を発射するように設けられているので、その方向に各検出光LS(LSL、LSR)を受光する受光部PDを配置できる。この場合、相互に同一の方向なので、双方の検出光LSL、LSRを受光する同一の受光部PDでも良い。
【0257】
次に、上述してきた仮想反射光導波路IGRを複数の仮想部分反射光導波路に分割することを考える。ここでは、例えば図7で前述の仮想反射光導波路IGRを2分割する場合について説明する。
【0258】
図24に示すように、まず、仮想反射光導波路IGRを第1仮想側面G1等と平行な平面で複数に分割したそれぞれを仮想部分反射光導波路とする。同図では、2つ(複数)に分割してそれぞれを仮想部分反射光導波路IGAおよび仮想部分反射光導波路IGBとしている。
【0259】
また、複数の仮想部分反射光導波路の各4つの側面のうちの第1仮想側面G1と平行な各2つの側面のそれぞれを仮想部分平行側面とする。ここでは、2つの仮想部分反射光導波路IGA、IGBの各4つの側面のうちの第1仮想側面G1と平行な各2つの側面のそれぞれを仮想部分平行側面G3、G4、G5、G6とする。
【0260】
また、複数の仮想部分平行側面のうちの第3仮想側面G3および第4仮想側面G4以外の他の側面のそれぞれを仮想部分接合側面とする。ここでは、仮想部分平行側面G3、G4、G5、G6のうちの仮想部分平行側面G5、G6がそれぞれ仮想部分接合側面G5、G6となる。
【0261】
そして、仮想反射光導波路IGRは複数の仮想部分反射光導波路の各1つの仮想部分接合側面同士を4辺が合うように平行に対向させて隣接または接合して構成されたものとする。ここでは、仮想部分反射光導波路IGAの仮想部分接合側面G5と、仮想部分反射光導波路IGBの仮想部分接合側面G6とを4辺が合うように平行に対向させて接合することにより、仮想反射光導波路IGRが構成される。
【0262】
また、各仮想部分反射光導波路IGA、IGBについて、その上底面および下底面のうちの受光面GRdを構成する方を部分受光面GAd、GBdとし、検出面GRuを構成する方を部分検出面GAu、GBuとする。
【0263】
なお、ここで、仮に仮想反射光導波路IGRを3つの仮想部分反射光導波路IGA、IGB、IGCに分割した場合を考え、仮想部分平行側面G3、G4、G5、G6以外に仮想部分平行側面G5’、G6’があり、仮想部分反射光導波路IGAが仮想部分平行側面G3、G5を有し、仮想部分反射光導波路IGBが仮想部分平行側面G6、G5’を有し、仮想部分反射光導波路IGCが仮想部分平行側面G6’、G4を有するとすると、仮想部分平行側面G5、G6、G5’、G6’を仮想部分接合側面として、同様に仮想部分接合側面G5、G6を互いに接合し、仮想部分接合側面G5’、G6’を互いに接合すれば、元の仮想反射光導波路IGRが構成できる。
【0264】
次に、上記の2つ(複数)の仮想部分反射光導波路IGA、IGBのうちのそれぞれ各1つに対応してそれを内部に含む2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GBを考え、反射光導波路GRはそれらの全てを接合して構成されるものとする。例えば図9で前述の位置測定装置2bに適用すれば、その反射光導波路GRは図25に示す位置測定装置2iのようになる。
【0265】
また、この場合、同図に示すように、上記の2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GBのそれぞれは、反射光LRの一部または全部を部分反射光LA、LBとして、部分受光面GAd、GBdに入射して内部の仮想部分反射光導波路IGA、IGB内を伝搬させ、伝搬させた部分反射光LA、LBに対応する検出光LSの一部または全部を部分検出光LSA、LSBとして、部分検出面GAu、GBuから発射させる。
【0266】
また、この場合、部分反射光導波路GA、GBは、それぞれ、部分反射光LA、LBを部分受光面GAd、GBdに入射する部分反射測定面(ただし、ここでは位置測定装置2bと同様に、部分受光面GAd、GBdと面一とする。)GAD、GBDと、部分検出面GAu、GBuからの部分検出光LSA、LSBを受光部PDに発射する部分反射制御面GAU、GBUとを有している。
【0267】
なお、部分反射制御面GAU、GBUも、照射制御面GIU、照射測定面GID、反射制御面GRU、反射測定面GRD等と同様に、例えば2つの受光部等に対応して2つ以上の外周が閉じた面により構成しても良く、部分反射測定面GAD、GBDも同様であり、図示では1つであるが、2つ以上の外周が閉じた面により構成しても良い。
【0268】
また、部分反射光導波路GAは、内部の仮想部分反射光導波路IGAの仮想部分平行側面G5を含み、部分反射測定面GADが含む閉じた面のその外周の全ておよび部分反射制御面GBUが含む外周が閉じた面のその外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる部分反射側面GAMを有している。
【0269】
また、部分反射光導波路GBは、内部の仮想部分反射光導波路IGBの仮想部分平行側面G6を含み、部分反射測定面GBDが含む閉じた面のその外周の全ておよび部分反射制御面GBUが含む外周が閉じた面のその外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる部分反射側面GBMを有している。
【0270】
そして、反射光導波路GRの反射側面GRMは、上記の2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GBの部分反射側面GAM、GBMの全てを含み、かつ、それらに含まれる仮想部分接合側面G5、G6(および前述のG5’、G6’等)の全てを仮想反射光導波路IGA、IGB(およびIGC等)に対応するように接合して構成される。
【0271】
また、反射測定面GRDは、2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GBの部分反射測定面GAD、GBD等の全てを含み、反射制御面GRUは、2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GBの部分反射制御面GAU、GBU等の全てを含むことになる。
【0272】
図24で前述のように、2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GB(およびGC等)の部分反射側面GAM、GBMに含まれる仮想部分平行側面G3、G4、G5、G6(およびG5’、G6’等)は、同一サイズの平行な平面であり、そのうちの第3仮想側面G3および第4仮想側面G4以外の側面である仮想部分接合側面G5、G6(およびG5’、G6’等)は、それぞれ他の1つの仮想部分接合側面G6、G5(およびG6’、G5’等)と4辺が合うように平行に対向させて接合している。この場合、各仮想部分接合側面G6、G5(およびG6’、G5’等)は同一サイズの平面同士なので接合し易く、また、円柱状の光ファイバを接合する場合のような間隙は生じない。
【0273】
図25の位置測定装置2iでは、反射側面GRMが、2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GB(およびGC等)の部分反射側面GAM、GBM等の全てを含み、かつ、それらに含まれる仮想部分接合側面G5、G6(およびG5’、G6’等)の全てを仮想反射光導波路IGA、IGBに対応するように接合して構成されるため、反射光導波路GRが、2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GB等の全てを接合して構成されても、円柱状の光ファイバを接合するより接合し易く、かつリニアリティを害するような間隙が生じにくい。
【0274】
一方、各部分反射光導波路GA、GBは、反射光LRの一部または全部を部分反射光LA、LBとして部分受光面GAd、GBdに入射して内部の仮想部分反射光導波路IGA、IGB内を伝搬させ、伝搬させた部分反射光LA、LBに対応する検出光LSの一部または全部を部分検出光LSA、LSBとして部分検出面GAu、GBuから発射させ、反射光導波路GRは、それらの部分反射光導波路GA、GB等の全てを接合して構成される。
【0275】
このため、この位置測定装置2iにおける反射光導波路GRも、仮想反射光導波路IGRの全てを含み、反射光LRを受光面GRdに入射して仮想反射光導波路IGR内を伝搬させ、検出面GRuから検出光LSとして発射させることになるので、図9で前述の位置測定装置2bにおける反射光導波路GRと同等の機能を果たすことができる。
【0276】
例えば、図9の位置測定装置2bでは、図5で前述の位置測定装置2a、図12および図13で前述の位置測定装置2c、並びに、図14および図15で前述の位置測定装置2d等と同様に、仮想反射光導波路IGRの幅(第3仮想側面G3と第4仮想側面G4の間の距離:第9仮想側面G9または第10仮想側面G10の幅)が仮想照射光導波路IGIの約2倍なので、受光量PRと測定ギャップyの関係が図36(a)で前述のようになる。
【0277】
これに対し、位置測定装置2iでは、各仮想部分反射光導波路IGA、IGBからの部分検出光LSA、LSBによる受光量PA、PBが測定ギャップyに対して、図37に示す関係を有するので、全光量Ps=PA+PBを求めれば、図36(a)の受光量PRと同じになる。すなわち、位置測定装置2bと同じ受光量PR=全光量Psを求められる。
【0278】
なお、仮想部分接合側面G5(以下、「第5仮想側面G5」)と仮想部分接合側面G6(以下、「第6仮想側面G6」)とを接合せず、所定の間隔を持たせて隣接すれば、図示の受光量PBの特性がその所定の間隔に対応して全体的に右方向(測定ギャップyが大きくなる方向)に平行移動したものとなる。
【0279】
すなわち、この場合、受光量PBによる測定の実用範囲WRB(立ち上がり側をWRBu、立ち下がり側をWRBd、代表してWRBとする)が測定ギャップyの大きくなる方向に平行移動するが、受光量PAによる測定の実用範囲WRA(立ち上がり側をWRAu、立ち下がり側をWRAd、代表してWRAとする)と重なり方が変わるだけで、本質的な特性は同じなので、前述の位置測定装置2a等の場合と同様に、以下の説明でも、隣接と接合の場合とを区別せず同等に扱う。
【0280】
上述の位置測定装置2iでは、前述の位置測定装置2bと同様に受光量PR=全光量Psを求められるのに加え、部分反射光導波路単位で製造できるので、製造単位を小さくでき、その分扱い易く、製造コストの低減が可能になる。
【0281】
さらに、この位置測定装置2iでは、2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GBからの各部分検出光LSA、LSBの受光結果による差分を得ることができる。
【0282】
すなわち、差動型光ファイバ変位計(精密工学会春季大会学術講演会講演論文集、p365〜366(1997)参照)と同様の原理により、入射光量等の影響による光導波路内での光の減衰やターゲット(測定対象物)Tの(ターゲット面Tfの)反射率に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求められる。
【0283】
ここで、光ファイバ束Fによって測定ギャップyを測定する差動型光ファイバ変位計の原理の概略を紹介しておく。
【0284】
差動型光ファイバ変位計の場合、光ファイバ束Fの照射面とターゲット面Tfとの間の測定ギャップyに対して、本発明の部分反射光導波路GA、GBに相当する受光ファイバFA、FBによる部分反射光LA、LBの受光量PA、PBは、図38(a)に示すように変化する。
【0285】
ここで、全光量Pa=PA+PBに対する光量差Ps=PB−PAの比率r=Ps/Paを求めると、同図(b)に示すように、実用範囲FWR内において、測定ギャップyのほぼ一次関数となる。
【0286】
また、本発明の照射光導波路GIに相当する照射ファイバFIに入射する入射光量等の影響による光ファイバ束F内での光の減衰、ターゲット面Tfの反射率などの変化に対し、全光量Paも光量差Psも比例して変化するため、比率rは、これらの変化に依存しない値となる。
【0287】
したがって、同図(b)で上述のような比率rと測定ギャップyとの関係を、既知のレーザ干渉計などを用いた実測等により求めておき、比率rから測定ギャップyを求める比率−ギャップ変換テーブルとして記憶しておけば、受光量PAおよび受光量PBに基づいて、全光量Pa=PA+PBに対する光量差Ps=PB−PAの比率r=Ps/Paを求め、上述の比率−ギャップ変換テーブルを参照することにより、測定ギャップyを求められる。
【0288】
差動型光ファイバ変位計は、上述の原理を利用して、比率rから測定ギャップyを求めるものであり、位置測定装置2iでは、2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GBからの各部分検出光LSA、LSBを個別に受光でき、それらから全光量Paも光量差Psも求められるので、上述の差動型光ファイバ変位計と同様の原理により、入射光量等の影響による光導波路内での光の減衰やターゲット面Tfの反射率に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求められる。
【0289】
すなわち、図37に示すように、後述する制御部CN(図41参照)などにより、受光量PAおよび受光量PBに基づいて、全光量Pa=PA+PBに対する光量差Ps=PB−PAの比率rs=Ps/Paを求め、上述の比率−ギャップ変換テーブルを参照し、またはそれと同等の演算をすることにより、測定ギャップyを求められる。
【0290】
また、前述のように、上述の光ファイバ束Fでも各光ファイバは円柱状なので、受光ファイバFAとそれに近接または接合した受光ファイバFBの測定面内での形状は円形となり、円形相互間の接合は点接合となるので、接合(製造)しにくい。
【0291】
また、どのようにうまく接合しても、円形相互間の接合点以外の部分には間隙ができてしまい、その部分への反射光は受光できないので、測定ギャップyに対する受光量PA、PB、比率r等のリニアリティが確保できず、例えば図38(b)に示すような狭い実用範囲FWRとなる。
【0292】
これに対し、第5仮想側面G5と第6仮想側面G6は同一サイズの平面同士なので接合し易く、図25で前述の位置測定装置2iでは、部分反射側面GAMの第5仮想側面G5と部分反射側面GBMの第6仮想側面G6とを接合できるので、円柱状の光ファイバを接合するより接合し易く、かつ線形性(リニアリティ)を害するような間隙が生じにくいので、図37のような理想型に近い受光量PA、PB、比率rsの特性がえられる。すなわち、接合(製造)し易い分だけ製造コストを抑止することができ、間隙が生じない分だけ広範囲のリニアリティを確保できる。
【0293】
なお、上記の比率−ギャップ変換テーブルは、厚み測定装置1として、図1で前述のROM220の制御データ領域222内に記憶し、それを参照して、OPC250とCPU210とが連動して、測定ギャップy(y1、y2)を求めても良いし、後述の制御部CN内に内蔵ROMを用意して比率−ギャップ変換テーブルを記憶して制御部CN内で測定ギャップyまで求めてから出力しても良い。
【0294】
また、もちろん、制御部CN内で測定ギャップyまで求めて、またはその途中まで求めて(例えばアナログ回路のみで可能な全光量Paや光量差Psまで求めて、あるいは比率rsまで求めて)出力しても良い。これらの場合、厚み測定装置1の制御部200側の負担を分散させることにより、その他の内部処理の処理速度を向上させることが可能になるなどの利点がある。
【0295】
そこで、後述するように、本実施形態では、比率−ギャップ変換テーブルの代わりにそれに相当する回路を制御部CN内に設け、制御部CN内で測定ギャップyまで求めてから出力する。このため、制御部CNは、論理回路セルの他にアナログ回路等を混在するディジタル/アナログ混在セルアレイLSIや、複数のベアチップを搭載したフリップチップ方式等によるチップサイズのマルチチップモジュールなどにより構成される。
【0296】
なお、図35(a)に対応して、前述のように、仮想反射光導波路IGRを3つの仮想部分反射光導波路IGA、IGB、IGCに分割した場合の受光量PA、PB、PCは、(前述の図37に相当するものとして)測定ギャップyに対して、図39(a)に示すように変化し、全光量Pa=PA+PB+PCに対する光量差Ps=PB−PA(−PC)の比率rs=Ps/Paおよび光量差Pt=PC−(PA+PB)の比率rt=Pt/Paを求めると、同図(b)に示すように、実用範囲WRs内および実用範囲WRt内において、測定ギャップyのほぼ一次関数となる。
【0297】
すなわち、この場合、実用範囲WRを2つ設けることができる。もちろん、上記の考え方を進めて、反射光導波路GRをさらに分割(受光量の扱いをさらに分類)して、さらに多くの実用範囲を設けることもできる。これらの場合、測定ギャップyに応じてその実用範囲を切り替えられるようにすれば、実質的に作動(測定可能)範囲が広い位置測定装置とすることができる。
【0298】
また、図40は、差動型光ファイバ変位計のデータであるが、本発明において、発射角θを変化させれば、図37(b)で前述の比率rsと測定ギャップyとの関係は、原理的に、図40で図示の比率rと測定ギャップyの関係のリニアリティをさらに増したものとなる。
【0299】
発射角θを変化させる場合、前述と同様の方法で測定ギャップyを求めることもできるが、図40から明らかなように、各発射角θに対して比率rがゼロ(0)となる測定ギャップyを記憶しておけば(同図のyθ1〜yθ5の各点参照)、比率r=0の発射角θに基づいて、測定ギャップyを求められる。
【0300】
この場合、前述の比率−ギャップ変換テーブルの代わりに(またはそれと併用できるように)、発射角−ギャップ変換テーブルを用意しておくだけで実現でき、また、発射角(=入射角)θを変化させて、比率r=0、すなわち受光量PA=受光量PBとなったことを検出するだけで良いので、加算や除算等のための回路が不要となり、回路を簡易化することができる。
【0301】
ただし、本実施形態では、前述のように、一般的な電子部品を樹脂等によりモールドしてパッケージ化するのと同様に、レーザ光源LDであるレーザダイオードを照射光導波路GIおよび反射光導波路GRとともに一体化して、1つのパッケージ内に納めることを目標とするので、集光器や入射ユニットなどを省略して入射角θや発射角θを固定値とする。
【0302】
なお、図5で前述の位置測定装置2aや図9で前述の位置測定装置2b等と同様に、反射側面GRMの第3仮想側面G3、第4仮想側面G4、第5仮想側面G5および第6仮想側面を除く形状は、最低限、上記の第2仮想側面G2と第3仮想側面G3との近接を妨害しない形状であれば、任意の形状で良い(図25参照)が、前述のように四角柱形状を基本にするのが理想的なので、以下では、任意形状の位置測定装置2aや位置測定装置2bの変形例についての説明は省略する。
【0303】
そこで、次に図26に示す位置測定装置2jは、図12および図13で前述の位置測定装置2cの仮想反射光導波路IGRを2つの仮想部分反射光導波路IGA、IGBに分割し、また、仮想反射光導波路IGRを含む反射光導波路GRを2つに分割して、その上部を部分検出光LSAが図外の受光部PD(図12参照)に誘導され易いように変形し、それぞれ仮想部分反射光導波路IGA、IGBを含む2つの部分反射光導波路GA、GBとしたものである。
【0304】
このため、この位置測定装置2jにおける反射光導波路GRも、仮想反射光導波路IGRの全てを含み、反射光LR(LA、LB)を受光面GRd(GAd、GBd)に入射して仮想反射光導波路IGR(IGA、IGB)内を伝搬させ、検出面GRu(GAu、GBu)から検出光LS(LSA、LSB)として発射させることになるので、図12および図13で前述の位置測定装置2cにおける反射光導波路GRと同等の機能を果たすことができる。
【0305】
また、この場合の部分反射光導波路GA、GBも、互いに同一サイズの仮想部分接合側面G5、G6等を含みかつ四角柱形状を基本にするので、円柱状の光ファイバを接合するより接合し易く、かつリニアリティを害するような間隙が生じにくい。また、図示とは異なる位置、すなわち図示上の奥行き方向の任意の位置に、仮想照射光導波路IGIや仮想反射光導波路IGRを想定することもできる。すなわち、接合(製造)し易い分だけ製造コストを抑止することができ、間隙が生じない分だけ広範囲のリニアリティを確保できる。
【0306】
また、前述の位置測定装置2cと比べ、部分反射光導波路GA、GBの単位で製造できるので、製造単位を小さくでき、その分扱い易く、さらに製造コストの低減が可能になる。
【0307】
また、2つ(複数)の部分反射光導波路GA、GBからの各部分検出光LSA、LSBの受光結果による差分を得ることができるので、図37で前述の差動型光ファイバ変位計と同様の原理(以下、「差動型の原理」)により、入射光量等の影響による光導波路内での光の減衰やターゲット面Tf(測定対象物)の反射率(以下、「反射率等」)に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求められる。
【0308】
すなわち、光ファイバ変位計と同様に、ターゲットTの適用範囲が広く、非接触測定のため汚染や変形等の心配がなく、高分解能・高安定度などの利点を有するばかりでなく、差動型の原理により、さらに分解能を向上できる。
【0309】
さらにまた、この位置測定装置2jでは、2つ(複数のうちの少なくとも2つ)の部分反射光導波路GA、GBにおいて、それぞれの部分検出面GAu、GBuから部分反射制御面GAU、GBUまでの光路長が異なるため、個別に受光しやすい。すなわち、受光部分(例えばフォトダイオード等のディテクタ)を(少なくとも)2つ有する受光部PDで一括して受光するにしても、個別に配置した受光部PDでそれぞれを受光するにしても、各部分反射光導波路GA、GBからの受光量PA、PBを区別できる。
【0310】
このため、各部分反射光導波路GA、GBからの受光量PA、PBの光量差Psを求め、差動型の原理により、反射率等に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求めることもできる。
【0311】
また、この位置測定装置2jでは、(少なくとも)2つの部分反射光導波路GA、GBの各部分反射制御面GAU、GBUの光軸が、それぞれの仮想部分反射光導波路IGA、IGBの光軸を含む仮想の平面(前述の断面C)内に含まれるので、各部分反射制御面GAU、GBUの光軸に合わせて双方の部分検出光LSA、LSBを一括して受光する受光部PDを配置するのに適している。
【0312】
さらに、前述の位置測定装置2cと同様に、反射制御面GRU(の各部分反射制御面GAU、GBU)の光軸が、断面C内において、仮想照射光導波路IGIの光軸とほぼ直交する関係となるように定められているので、受光部PDを第1仮想側面G1等と平行に配置でき、反射制御面GRUの光軸に合わせて受光部PDをさらに近接して配置し易く、装置全体の小型化に適している。
【0313】
次に、図27および図28に示す位置測定装置2kは、上述の位置測定装置2jをさらに変形し、図16および図17で前述の位置測定装置2eの反射光導波路GRを、上記の部分反射光導波路GAとして利用したものである。
【0314】
このため、上述した位置測定装置2jと同様に、この位置測定装置2kにおける反射光導波路GRも、仮想反射光導波路IGR(仮想部分反射光導波路IGA、IGB)の全てを含み、図12および図13で前述の位置測定装置2cにおける反射光導波路GRと同等の機能を果たせる。
【0315】
また、部分反射光導波路GA、GBも、同一サイズの仮想部分接合側面G5、G6等を含む四角柱形状を基本にするので、接合し易く、広範囲のリニアリティを確保でき、また、図示上の奥行き方向の任意の位置に、仮想照射光導波路IGIや仮想反射光導波路IGRを想定することもでき、また、位置測定装置2cより、製造単位が小さくて扱い易く、製造コストを抑止することができる。
【0316】
また、各部分検出光LSA、LSBの差分を得ることができるので、差動型の原理により、反射率等に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求められ、これにより、光ファイバ変位計と同様に、ターゲットTの適用範囲が広く、非接触測定のため汚染や変形等の心配がなく、高分解能・高安定度などの利点を有するばかりでなく、差動型の原理により、さらに分解能を向上できる。
【0317】
また、各部分反射光導波路GA、GBの部分検出面GAu、GBuから受光部PDまでの光路長が異なるため、個別に受光しやすく、各部分反射光導波路GA、GBからの受光量PA、PBを区別でき、それらの光量差Psを求め、差動型の原理により、反射率等に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求めることもできる。
【0318】
また、各部分反射光導波路GA、GBの各部分反射制御面GAU、GBUの光軸が、前述の断面C内に含まれ、かつ、仮想照射光導波路IGIの光軸とほぼ直交するので、各部分反射制御面GAU、GBUの光軸に合わせて双方の部分検出光LSA、LSBを一括して受光する受光部PDを第1仮想側面G1等と平行に配置でき、受光部PDをさらに近接して配置し易く、装置全体の小型化に適している。
【0319】
次に、例えば図16および図17で前述の位置測定装置2eにおいて、反射光導波路GRを左反射光導波路GRLとし、その左反射光導波路GRLに面対称の右反射光導波路GRRを配設して、図20および図21で前述の位置測定装置2gとしたのと同様に、上述の位置測定装置2kの反射光導波路GR(部分反射光導波路GA+部分反射光導波路GB)を左反射光導波路GRL(左内側部分反射光導波路GAL+左外側部分反射光導波路GBL)とし、その左反射光導波路GRLに面対称の右反射光導波路GRR(右内側部分反射光導波路GAR+右外側部分反射光導波路GBR)を配設して、図29および図30に示す位置測定装置2lとする。
【0320】
この場合、位置測定装置2lは、上述の位置測定装置2kの利点に、位置測定装置2eを位置測定装置2gとしたことによる前述の利点が付加されることになる。
【0321】
すなわち、上述の位置測定装置2kの利点に加え、位置測定装置2lでは、左側に照射される照射光LI(LIL)に対応する反射光LR(LRL)ばかりでなく、逆方向の照射光LI(LIR)に対応する反射光LR(LRR)も受光できるので、反射光LR(LRR)も測定に使用できることにより、照射光LIの測定に対する照射効率を向上させ、感度(分解能等)をより高くすることができる。
【0322】
また、これにより、入射光Lの入射角θや照射光導波路GIの光路長が設計値と僅かに異なっても高分解能を維持できるので、製作し易くなり、パッケージ化するような場合にもその歩留まりが向上し、特に全体が小型化され反射光導波路GRの資材コストが低いのに対してその製造コストが比較的に高い場合に、コストダウンが図れる。
【0323】
次に、図31および図32に示す位置測定装置2mは、図14および図15で前述の位置測定装置2dの仮想反射光導波路IGRを2つの仮想部分反射光導波路IGA、IGBに分割し、また、仮想反射光導波路IGRを含む反射光導波路GRを2つの部分反射光導波路GA、GBに分割して、図18および図19で前述の位置測定装置2fの反射光導波路GRを、上記の部分反射光導波路GAとして利用して配設し、その反射光導波路GRを部分反射光導波路GAと反対向きに、部分反射光導波路GBとして利用したて配設したものである。
【0324】
このため、この位置測定装置2mにおける反射光導波路GRも、前述の位置測定装置2dの仮想反射光導波路IGR(仮想部分反射光導波路IGA、IGB)の全てを含み、図14および図15で前述の位置測定装置2dにおける反射光導波路GRと同等の機能を果たせる。
【0325】
また、部分反射光導波路GA、GBも、同一サイズの仮想部分接合側面G5、G6等を含む四角柱形状を基本にするので、接合し易く、広範囲のリニアリティを確保でき、また、図示上の奥行き方向の任意の位置に、仮想照射光導波路IGIや仮想反射光導波路IGRを想定することもでき、また、位置測定装置2dより、製造単位が小さくて扱い易く、製造コストを抑止することができる。
【0326】
また、各部分検出光LSA、LSBの差分を得ることができるので、差動型の原理により、反射率等に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求められ、これにより、光ファイバ変位計と同様に、ターゲットTの適用範囲が広く、非接触測定のため汚染や変形等の心配がなく、高分解能・高安定度などの利点を有するばかりでなく、差動型の原理により、さらに分解能を向上できる。
【0327】
また、この位置測定装置2mでは、(少なくとも)2つの部分反射光導波路GA、GBの各部分反射制御面GAU、GBUが、それぞれの部分検出光LSA、LSBが相互に異なる方向に発射するように設けられているので、それぞれの部分検出光LSA、LSBを受光する受光部PDを個別に近接して配置するのに適している。
【0328】
また、前述の位置測定装置2dと同様に、(少なくとも)2つの部分反射制御面GAU、GBUが、対応する仮想部分反射光導波路IGA、IGBの光軸を含む仮想の平面(前述の断面C)に対して、各部分反射制御面GAU、GBUの光軸が交差(直交)する関係となるように設けられている。
【0329】
また、照射制御面GIUの光軸が断面C内にあり、仮想照射光導波路IGIの光軸と合わせているので、それに合わせて光源LDを近接して配置しても、各部分反射制御面GAU、GBUを断面C外に設けることができ、各反射制御面GAU、GBUの光軸に合わせて受光部PD(PDA、PDB)を近接して配置し易い(図41参照)。
【0330】
なお、この位置測定装置2mでは、位置測定装置2dの仮想反射光導波路IGRを含む反射光導波路GRを2つの部分反射光導波路GA、GBに分割しているので、各部分反射制御面(GAU、GBU)の光軸が交差する関係となるように設けられた少なくとも2つの部分反射光導波路(GA、GB)と、それぞれの部分検出光(LSA、LSB)が相互に異なる方向に発射するように設けられた少なくとも2つの部分反射制御面(GA、GB)とが一致している。
【0331】
しかし、これらは一致している必要はない。すなわち、例えば反射光導波路GRを3つの部分反射光導波路GA、GBおよびGCに分割した場合、部分反射光導波路GA、GBはその光軸が断面Cと交差する関係となるように設けられ、そのうちの少なくとも一方と部分反射光導波路GCの部分検出光(部分検出光LSA、LSBの少なくとも一方と例えば部分検出光LSC)が相互に異なる方向に発射するように設けられていれば、両方の条件を満足する。
【0332】
そして、その場合も、両方の利点を有する。すなわち、各部分反射制御面GAU、GBUを断面C外に設けることができるので、各反射制御面GAU、GBUの光軸に合わせて受光部PDを近接して配置し易く、また、それらの部分検出光LSA、LSBの少なくとも一方と部分検出光LSCが相互に異なる方向に発射されるので、それを受光する受光部PDを個別に近接して配置するのに適している。
【0333】
特に位置測定装置2mでは、断面Cに対して、各部分反射制御面GAU、GBUの光軸が直交するので、各部分反射制御面GAU、GBUの光軸は、第1仮想側面G1〜第4仮想側面G4等を含む平面等と平行な平面内に含まれ、かつ、仮想照射光導波路IGIや各仮想部分反射光導波路IGA、IGBの光軸と直交する関係となる。
【0334】
このため、上記の断面Cに平行な平面内に各部分反射制御面GAU、GBUを設けることにより、各部分反射制御面GAU、GBUと平行かつ対向するように、双方の受光部PD(PDA、PDB)を配置できる(図41参照)。
【0335】
また、受光部PD(PDA、PDB)と双方の反射制御面GAU、GBUとの距離を同一距離にすれば、双方からの受光量PA、PBなどの受光結果を同等に扱え、受光部PDを簡易な構成にし易くなる。
【0336】
特に位置測定装置2mでは、前述の位置測定装置2c等と同様に四角柱形状を基本とするので、断面Cに平行な側面を含む平面またはそれと平行な少し内側の平面内に各部分反射制御面GAU、GBUを設けることにより、各部分反射光導波路GA、GBと近接して、双方の受光部PD(PDA、PDB)を配置でき、装置全体を小型化できる。
【0337】
さらに、この位置測定装置2mでは、(少なくとも)2つの部分反射光導波路GA、GBの各部分反射制御面GAU、GBUが、断面Cの互いに反対面側に各部分検出光LSA、LSBを発射するように設けられているので、それぞれ他方と反対面側に、各部分反射制御面GAU、GBUの光軸に合わせて近接して受光部PDA、PDBを個別に配置でき、さらに装置を小型化できる。
【0338】
また、この位置測定装置2mでは、断面Cの互いに反対面側に各部分検出光(LSA、LSB)を発射するように設けられた少なくとも2つの部分反射光導波路(GA、GB)が、各部分反射制御面(GAU、GBU)の光軸が断面Cに交差(直交)する関係となるように設けられた少なくとも2つの部分反射光導波路(GA、GB)と一致する。
【0339】
すなわち、(少なくとも)2つの部分反射光導波路GA、GBは、各部分反射制御面GAU、GBUの光軸が断面Cに交差(直交)し、かつ、断面Cの互いに反対面側に各部分検出光LSA、LSBを発射するように設けられている。
【0340】
この場合、これらの2つの部分反射光導波路GA、GBを(前述の位置測定装置2fの反射光導波路GRを利用して)同一形状として互いに反対側に向けるだけで実現できるので、大量生産等に適し、さらに製造コストの低減が可能になる。
【0341】
なお、この位置測定装置2mでは、前述の位置測定装置2dと同様に、各部分反射制御面GAU、GBUから部分検出光LSA、LSBを発射させるためにその光路を変更する部分反射側面GAM、GBMの一部の部位GAMS、GBMSを、断面Cおよび検出面GRu等の双方に45゜の角度となるように設けるだけで、仮想部分反射光導波路IGA、IGBの光軸に沿って断面C内に反射・伝搬してきた光を、断面Cと垂直かつ検出面GAu、GBu等と平行な仮想の平面内に伝搬する検出光LSとなるように光路変更できるので、作製し易い。
【0342】
次に、前述の位置測定装置2kを応用して位置測定装置2lを構成したのと同様に、上述の位置測定装置2mの反射光導波路GR(部分反射光導波路GA+部分反射光導波路GB)を左反射光導波路GRL(左内側部分反射光導波路GAL+左外側部分反射光導波路GBL)とし、その左反射光導波路GRLに面対称の右反射光導波路GRR(右内側部分反射光導波路GAR+右外側部分反射光導波路GBR)を配設して、図33および図34に示す位置測定装置2nとする。
【0343】
この場合、位置測定装置2nは、上述の位置測定装置2nの利点に、反射光導波路GRを両側に配設した前述の利点が付加される。すなわち、左側の照射光LILに対応する反射光LRLばかりでなく、逆方向の右側の照射光LIRに対応する反射光LRRも受光でき、測定に使用できるので、照射光LI(LIL、LIR)の測定に対する照射効率を向上させ、感度(分解能等)をより高くすることができる。
【0344】
また、これにより、入射光Lの入射角θや照射光導波路GIの光路長が設計値と僅かに異なっても高分解能を維持できるので、製作し易くなり、パッケージ化するような場合にもその歩留まりが向上し、特に全体が小型化され反射光導波路GRの資材コストが低いのに対してその製造コストが比較的に高い場合に、コストダウンが図れる。
【0345】
上述のように、位置測定装置2a〜2nのいずれにおいても、従来の光ファイバ変位計と同等の原理に基づいて測定ギャップyやその変化を求めることができるので、ターゲット(測定対象物)Tの適用範囲が広く、非接触測定のためターゲット(測定対象物)Tに汚染や変形等を与える心配がなく、高分解能・高安定度を有するなど、光ファイバ変位計と同等の利点を得られる。
【0346】
また、各光導波路の側面に第2仮想側面等の同一サイズの平行な仮想平面が含まれるので、それらを接合することにより、円柱状の光ファイバを接合するより接合(製造)し易い分だけ製造コストを抑止することができ、かつリニアリティを害するような間隙が生じにくい分だけ広範囲のリニアリティを確保できる。すなわち、光ファイバ変位計と同等の利点を有しつつ、広範囲のリニアリティを確保でき、かつコストダウンが図れる。
【0347】
したがって、後述の位置測定装置2として、上述の位置測定装置2a〜2nのいずれをも適用できるが、本実施形態の位置測定装置2には、これらのうち、本発明の目的に対して有益な利点を同時に最も多く有していると考えられる位置測定装置2nの原理
(構成)を応用する。そこで、上述の位置測定装置2nの利点、特にその光導波路群GGの構成の利点を、以下にまとめておく。
【0348】
図33および図34に示すように、位置測定装置2nの光導波路群GGは、仮想照射光導波路IGIを含む照射光導波路GIと、それぞれ仮想反射光導波路IGR(IGRL、IGRR)を含む左右一対の反射光導波路GRL、GRRから成る反射光導波路GRを備えている。
【0349】
反射光導波路GRの左側を構成する左反射光導波路GRLは、照射光導波路GI側(左内側)に配設され仮想部分反射光導波路IGALを含む左内側部分反射光導波路GALと、照射光導波路GIとは逆側(左外側)に配設され仮想部分反射光導波路IGBLを含む左外側部分反射光導波路GBLとを有している。
【0350】
ここで、左内側部分反射光導波路GALは、前述の仮想部分接合側面G5等を含む四角柱形状を基本とし、部分反射制御面GAUの光軸が断面Cに交差(直交)し、かつ、断面Cの前面側(図示の手前側)に部分検出光LSALを発射するように、その部分反射制御面GAUから部分検出光LSALを発射させるためにその光路を変更する部分反射側面GAMの一部の部位(以下「誘導面」)GAMSを、断面Cおよび検出面GRu等の双方に45゜の角度となるように設けた四角柱を基本とする光導波路として構成され、その部分反射制御面GAUが断面Cの前面側に向くように配設されている。
【0351】
一方、左外側部分反射光導波路GBLは、左内側部分反射光導波路GALと同一形状の光導波路として構成され、部分反射制御面GAUの光軸が断面Cに交差(直交)し、かつ、断面Cの後面側(図示の奥側)に部分検出光LSBLを発射するように、その部分反射制御面GBUが断面Cの後面側に向くように配設されている。
【0352】
反射光導波路GRの右側を構成する右反射光導波路GRRは、照射光導波路GI側(右内側)に配設され仮想部分反射光導波路IGARを含む右内側部分反射光導波路GARと、照射光導波路GIとは逆側(右外側)に配設され仮想部分反射光導波路IGBLを含む右外側部分反射光導波路GBLとを有している。
【0353】
ここで、右内側部分反射光導波路GARも右外側部分反射光導波路GBRも、左内側部分反射光導波路GALと同一形状の光導波路として構成され、部分反射制御面GAUの光軸が断面Cに交差(直交)し、かつ、相互に反対面側、すなわちそれぞれ断面Cの前面側および後面側に部分検出光LSARおよびLSBRを発射するように、その部分反射制御面GAUおよびGBUが断面Cの前面側および後面側に向くように配設されている。
【0354】
すなわち、位置測定装置2nは、それぞれ四角柱形状を基本とする5つの光導波路から成る光導波路群GGを備え、光導波路群GGは、前記5つの光導波路として、仮想照射光導波路IGIを含む照射光導波路GIと、その左右に配設された4つの部分反射光導波路から構成され仮想反射光導波路GRを含む反射光導波路GRと、を有し、反射光導波路GRは、前記4つの部分反射光導波路として、それぞれ仮想反射光導波路IGRの一部である仮想部分反射光導波路IGAL、IGBL、IGARおよびIGBLを含む左内側部分反射光導波路GAL、左外側部分反射光導波路GBL、右内側部分反射光導波路GARおよび右外側部分反射光導波路GBRを有している。
【0355】
また、4つの部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBLは、それぞれの誘導面GRMS(GAMSまたはGBMS)を断面Cおよび検出面GRu等の双方に45゜の角度となるように設けた、四角柱を基本とする同一形状の光導波路として構成され、各部分反射制御面GRU(GAUまたはGBU)の光軸は断面Cに交差(直交)するとともに、左内側部分反射光導波路GALおよび右内側部分反射光導波路GARは、断面Cの前面側にそれぞれ部分検出光LSALおよびLSARを発射するように、それぞれの部分反射制御面GAUが断面Cの前面側に向くように配設され、左外側部分反射光導波路GBLおよび右外側部分反射光導波路GBRは、断面Cの後面側にそれぞれ部分検出光LSBLおよびLSBRを発射するように、それぞれの部分反射制御面GBUが断面Cの後面側に向くように配設されている。
【0356】
したがって、位置測定装置2nでは、光導波路群GGがその構成において下記の利点▲1▼〜▲9▼を有する。
【0357】
▲1▼ 4つの部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBRは、断面Cおよび検出面GRu等の双方に45゜の誘導面GRMSを設けた四角柱を基本とする同一形状の光導波路として構成でき、また、この誘導面GRMSも単に45゜の角度にすればよいので作製し易く、製造単位が小さくて扱い易く、大量生産等に適しているので、コストダウンが図れる。
【0358】
▲2▼ また、照射光導波路GIに対して上記の同一形状の光導波路の(各部分反射制御面の)向きを変えて接合するだけで、光導波路群GGを構成(作製)できるので、単純で作製し易い分だけ、コストダウンが図れる。
【0359】
▲3▼ また、上記の4つの部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBRの他、照射光導波路GIも含めて、光導波路群GGの5つの光導波路が全て第1仮想側面G1等を含む四角柱形状を基本にするので、円柱状の光ファイバを接合するより接合(製造)し易い分だけコストダウンが図れ、かつリニアリティを害するような間隙が生じにくい分だけ広範囲のリニアリティを確保できる。
【0360】
▲4▼ また、同様に、四角柱形状を基本にするので、図示とは異なる位置、すなわち図示上の奥行き方向の任意の位置に、仮想照射光導波路IGIや仮想反射光導波路IGRを想定できる。逆に言えば、設計時に想定した光路と僅かに異なっても十分な光を伝搬でき、高分解能・高安定度を維持できるので、作製し易く、パッケージ化するような場合にもその歩留まりが向上するので、コストダウンが図れる。
【0361】
▲5▼ また、反射光導波路GRを構成する上記の4つの部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBRを照射光導波路GIの左右に配設するので、左側の照射光LILに対応する反射光LRLばかりでなく、逆方向の右側の照射光LIRに対応する反射光LRRも受光でき、測定に使用できるので、照射光LI(LIL、LIR)の測定に対する照射効率を向上させ、感度(分解能等)をより高くすることができる。また、入射光Lの入射角θや照射光導波路GIの光路長が設計値と僅かに異なっても高分解能を維持できるので、製作し易くなり、パッケージ化するような場合にもその歩留まりが向上し、特に全体が小型化され反射光導波路GRの資材コストが低いのに対してその製造コストが比較的に高い場合に、コストダウンが図れる。
【0362】
▲6▼ また、上記の4つの部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBRの各部分反射制御面GRU(GAUまたはGBU)は、断面Cに平行な側面に含まれ、それらの光軸は断面Cに交差(直交)するので、それらからの部分検出光LSAL、LSBL、LSAR、LSBRを受光する受光部PDを、各部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBRに近接して配置でき、小型化が図れ、特にパッケージ化するような場合に有利となる。
【0363】
▲7▼ また、上記の4つの部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBRの各部分反射制御面GRU(GAUまたはGBU)のうち、左内側部分反射光導波路GALおよび右内側部分反射光導波路GARのそれぞれの部分反射制御面GAUは、断面Cの前面側にそれぞれ部分検出光LSALおよびLSARを発射するように、断面Cの前面側に向くように配設され、左外側部分反射光導波路GBLおよび右外側部分反射光導波路GBRのそれぞれの部分反射制御面GBUは、断面Cの後面側にそれぞれ部分検出光LSBLおよびLSBRを発射するように、断面Cの後面側に向くように配設されているので、部分検出光LSALおよびLSARを受光する受光部PD(PDA)を断面Cの前面側に、部分検出光LSBLおよびLSBRを受光する受光部PD(PDB)を断面Cの後面側に、すなわちそれぞれ他方と反対面側に、各部分反射制御面GAU、GBUの光軸に合わせて近接して受光部PDA、PDBを個別に配置でき、小型化が図れ、特にパッケージ化するような場合に有利となる。
【0364】
▲8▼ また、上記の場合、各受光部PD(PDA、PDB)と各部分反射制御面GRU(GAUまたはGBU)の距離を同一距離にすることにより、各受光量PA、PBなどの受光結果を同等に扱え、受光部PD(PDA、PDB)を簡易な構成にでき、コストダウンが図れる。
【0365】
▲9▼ また、反射光導波路GRは、仮想部分反射光導波路IGAL、IGBL、IGARおよびIGBLを含む上記4つの部分反射光導波路(左内側部分反射光導波路GAL、左外側部分反射光導波路GBL、右内側部分反射光導波路GARおよび右外側部分反射光導波路GBL)の全てを有しているので、仮想部分反射光導波路IGA(IGAL+IGAR)、IGB(IGAL+IGAR)からの部分検出光LSA(LSAL+LSAR)、LSB(LSAL+LSAR)を受光して、それぞれに対応する受光量PA(PAL+PAR)、受光量PB(PBL、PBR)に基づいて、全光量Pa=PA+PBを求められる。また、各部分検出光LSA、LSBの差分に相当する光量差Ps=PB−PAやそれらの比率rs=Ps/Paを得ることができるので、差動型の原理により、反射率等に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求められ、これにより、光ファイバ変位計と同様に、ターゲットTの適用範囲が広く、非接触測定のため汚染や変形等の心配がなく、高分解能・高安定度などの利点を有するばかりでなく、差動型の原理により、さらに分解能を向上できる(図37参照)。
【0366】
次に、本実施形態の厚み測定装置1に適用する位置測定装置2について説明する。
【0367】
図41〜図44に示すように、位置測定装置2は、5つの光導波路を有する光導波路群GGと、レーザダイオードを有して入射光(レーザ光)Lを発する光源LDと、2つの部分受光部PDAおよびPDBを有する受光部PDと、光源LDを制御するとともに、受光部PDの受光結果に基づいて測定ギャップyを求める制御部CNとを備えている。
【0368】
光導波路群GGは、上記の5つの光導波路として、石英ガラスから成る厚みgd=0.1mm〜1mm程度、幅gw=1mm〜5mm程度、長さ(高さ)gh=10mm〜30mm程度の平板(四角柱の一種:以下「ガラス平板」)をそれぞれ所要の形状に研削・研磨加工して製造された照射光導波路GI、左内側部分反射光導波路GAL、左外側部分反射光導波路GBL、右内側部分反射光導波路GARおよび右外側部分反射光導波路GBRを有している。
【0369】
なお、前述のように、この位置測定装置2には前述の位置測定装置2nの原理
(構成)を適用するので、光導波路群GGの照射光導波路GIは、仮想照射光導波路IGIを含むが、前述の利点▲4▼でも述べたように、四角柱形状を基本にする場合、図示上の奥行き方向(上記の幅gw方向)の任意の位置に、仮想照射光導波路IGIを想定できるので、この位置測定装置2の光導波路群GGの照射光導波路GIでは、同一サイズの第1仮想側面G1等を想定できる接合側面全て(すなわち図42の厚みgd×幅gw×高さghのガラス平板の幅gw×高さghの表面のうちの幅gw×高さghiの面全体)を仮想照射光導波路IGIの第1仮想側面G1等とする。
【0370】
これにより、照射光導波路GIのうち、図示の入射面GIuと照射面GIdの間は、仮想照射光導波路IGIを兼ね、照射光導波路GIの照射測定面GIDは、仮想照射光導波路IGIの照射面GIdを兼ねることになる。
【0371】
また、4つの部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBRも、それぞれ仮想部分反射光導波路IGAL、IGBL、IGARおよびIGBLを含み、上記の仮想照射光導波路IGIの第1仮想側面G1と同一サイズの接合側面全てを前述の第3仮想側面G3等として、図示の入射面GIuと照射面GIdの間は、それぞれ仮想部分反射光導波路IGAL、IGBL、IGARおよびIGBLを兼ね、そのぞれの部分反射測定面GRDは部分受光面GRdを兼ねることになる(利点▲4▼参照)。
【0372】
上述の照射光導波路GIは、光源LDからのレーザ光Lを入射角θ(ここではθ=10〜30°程度:図40参照)で入射し易くして入射光量を少しでも増大させ、また、光源LDを近接して配置し易いように、図12で図示の照射制御面GIU2と同様に、ガラス平板の上端面を角度θで図示のように研削・研磨加工して照射制御面GIUとし、その光軸が光源LD側に傾くように作製(製造)される。
【0373】
左外側部分反射光導波路GBLは、図43(a)に示すように、ガラス平板の上端面を45°の傾斜に研削・研磨加工して誘導面GBMSとし、内部に含む仮想部分反射光導波路IGBLの光軸に沿って反射・伝搬してきた光を、照射面GId、入射面GIu、検出面GRu等と平行な仮想の平面内に伝搬する部分検出光LSB(LSBL)とするための誘導面GBMSを設けた形状に作製(製造)される。
【0374】
そして、他の3つの部分反射光導波路GAL、GAR、GBRも、上記の左外側部分反射光導波路GBLと同様に45゜の誘導面GRMS(GAMSまたはGBMS)を設けた同一形状に作製(製造)される(利点▲1▼参照)。
【0375】
照射光導波路GI、左内側部分反射光導波路GAL、左外側部分反射光導波路GBL、右内側部分反射光導波路GARおよび右外側部分反射光導波路GBRは、上述の形状に切削され、表面処理等の加工がされた後、その表面全体に金めっきを施され、照射制御面GIU、部分反射制御面GAU、GBU、照射測定面GIU、部分反射測定面GAD、GBDに相当する部位の金めっきのみをサンドペーパ等により削り落とされ、各光導波路の単品として完成する(利点▲1▼参照)。
【0376】
すなわち、光導波路としては、元になったガラス平板の研削・研磨加工後の部分がそのコア領域となり、金めっきの残った部分がクラッド領域となり、金めっきを削り落とした部分が、各光導波路としての光の入射面または発射面となる。
【0377】
そして、上記の同一形状の光導波路の各部分反射制御面GAU、GBU等の向きを図示のように順次変えた4つの部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBRの側面(仮想部分反射光導波路IGAL等の第3仮想側面G3等を含む側面)を、照射光導波路GIの左右の側面(第1仮想側面G1、第2仮想側面G2を含む側面)に対して、図示のように順次、接着剤等により接合することにより、光導波路群GGとして完成する(利点▲2▼、▲3▼、▲5▼参照)。
【0378】
光源LDは、前述のように、レーザ光Lを発するレーザダイオードを有するレーザ光源であり、上述の照射光導波路GI(に含む仮想照射光導波路IGI)の光軸に対して、照射光LIが発射角θを有するように、レーザ光Lの入射角θが定められ、上述の照射制御面GIUに近接(あるいは密着)して配設される。
【0379】
逆に言えば、発射角θを有することによって、ターゲット面Tfからの反射角θの部分反射光LA(LAL+LAR)、LB(LBL+LBR)が得られ、それらに対応する部分検出光LSA(LSAL+LSAR)、LSB(LSBL+LSBR)が得られ(図33参照)、それらの受光量PA(PAL+PAR)、PB(PBL+PBR)が測定ギャップyと所定の関係(図37、利点▲9▼参照)となる。
【0380】
すなわち、前述のように、発射角θを有することによって、測定ギャップyと所定の関係を有する受光量PA(PAL+PAR)、PB(PBL+PBR)が得られ、レーザ光Lを変位計測に利用できる。
【0381】
受光部PDは、前述のように、上記の部分検出光LSA(LSAL+LSAR)を受光して受光量PA(PAL+PAR)を得るための部分受光部PDAと、部分検出光LSB(LSBL+LSBR)を受光して受光量PB(PBL+PBR)を得るための部分受光部PDBとを有している。
【0382】
部分受光部PDAは、それぞれフォトダイオード等あるいはそれと同等の機能を果たすようにフォトトランジスタ等を有して部分検出光LSAL、LSARを受光し、それぞれの受光量PAL、PARに対応する電圧VAL、VARを出力する図外の2つのフォトセンサと、それらの和、すなわち受光量PA=PAL+PARに対応する電圧VA=VAL+VARを求めて出力する図外の加算回路とを備え、左内側部分反射光導波路GALおよび右内側部分反射光導波路GARのそれぞれの部分反射制御面GAUに近接(あるいは密着)して配設される。
【0383】
部分受光部PDBも、部分受光部PDAと同様に構成され、部分検出光LSBL、LSBRを受光する2つのフォトセンサと、それぞれの受光量PBL、PBRの和である受光量PB=PBL+PBRに対応する電圧VB=VBL+VBRを求めて出力する加算回路とを備え、左外側部分反射光導波路GBLおよび右外側部分反射光導波路GBRのそれぞれの部分反射制御面GBUに、各受光部PDA、PDBと各部分反射制御面GAU、GBUの距離が同一距離となるように近接(あるいは密着)して配設される(利点▲6▼〜▲8▼参照)。
【0384】
なお、この場合、部分受光部PDA、PDBでは、各部分検出光LSAL、LSAR、LSBL、LSBRの受光量PAL、PAR、PBL、PBRに対応する電圧VAL、VAR、VBL、VBRを求めて出力するようにし、その後の処理は下記の制御部CNで行うようにしても良い。
【0385】
制御部CNは、前述のように、ディジタル/アナログ混在セルアレイLSIや、チップサイズのマルチチップモジュールなどにより構成され、測定ギャップyを求める。すなわち、受光部PD(PDA、PDB)から出力された受光量PA、PB(に対応する電圧VA、VB)に基づいて、全光量Pa=PA+PBに対する光量差Ps=PB−PAの比率rs=Ps/Paを求め、比率rsに基づいて比率rs−測定ギャップyの関係(図37参照)から測定ギャップyを求める。
【0386】
なお、この場合、前述のように、例えば制御部CN内に内蔵ROMを用意して比率−ギャップ変換テーブルを記憶し、それを参照するようにしても良いし、固定化された演算であれば、論理演算回路などを内部に設けることもできる。また、図1の厚み測定装置1に適用する場合には、制御部CN内の処理の一部を例えば厚み測定装置1内のOPC250等によって行っても良い。
【0387】
この位置測定装置2では、光導波路群GGが完成すると、次に、図42や図44(a)に示すように、光源LDや受光部PDが近接(あるいは密着)して配置され、また、各受光部PD(PDA、PDB)と各部分反射制御面GRU(GAUまたはGBU)の距離が同一距離となるように配置されて、制御部CNとともに、図44(a)に示すように、樹脂等により一体としてモールドされ1つのパッケージ内に納められ、位置測定装置2が完成する(利点▲6▼〜▲9▼参照)。
【0388】
上述のように作製(構成、製造)されることにより、位置測定装置2では、前述の利点▲1▼〜▲9▼に加え、レーザ光を照射光として利用できるため、光量を大きくして高密度の照射ができ、帯域幅を広げることができ、照射光(レーザ光)LIやその反射光LRの光路とそれ以外との光量の差が顕著となって、他の光の影響を受けにくく、結果的な受光量が多いので、より精度の高い変位測定ができ、これにより、高分解能などの光ファイバ変位計と同等の利点をさらに向上させ、かつ、広範囲のリニアリティをさらに確保し易くなり、また、特に透過率の高い波長(例えば多成分系ガラスの場合830nm程度)の単色光を利用することにより、減衰を少なくすることもできる。
【0389】
また、光源LDには、レーザダイオードを用い、受光部PD(PDA、PDB)には、フォトダイオード等を用いるので、小型化しやすく、それらを照射光導波路GI、反射光導波路GR(各部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBR)および制御部CNとともに一体化して、1つのパッケージ内に納めることにより、さらに小型化でき、扱い易くなるとともに、大量生産が可能になるので、材料(資材コスト)や製造(製造コスト)などに関して、コストダウンが図れる。
【0390】
したがって、この位置測定装置2では、ターゲットTの適用範囲が広く、非接触測定のため汚染や変形等の心配がなく、高分解能・高安定度などの光ファイバ変位計と同等の利点を有しつつ、広範囲のリニアリティを確保でき、かつ、小型化やコストダウンが図れる。特に、差動型の原理により、反射率等に依存せずに、測定ギャップyおよびその変化を求められるので、さらに分解能を向上できる(図37参照)。
【0391】
また、厚み測定装置1でも後述のように、ターゲットTを真空チャック等の浮力支持機構により支持する場合にも、レーザ光を利用した測定であるため、力学的作用を及ぼすこと無く微妙なバランスを維持でき、浮力による支持等ができるので、完全に非接触の状態で変位測定ができる。このため、例えばハードディスクドライブの磁気ヘッドの浮上量測定等にも適用できる。
【0392】
なお、前述のように、コア領域の元になる平板としては、上述の石英系ガラスばかりでなく、多成分系ガラスやプラスチックでもよい。また、クラッド領域も上述の金めっきばかりでなく、光を反射する他の金属系の物質でも良いし、コア領域より屈折率の低い誘電体でも良い。
【0393】
また、上述では金めっきを施したので、電気めっき法により作製されることになるが、上述の平板は、厚みgd=0.1mm〜1mm程度であり、いわば薄膜なので、照射光導波路GIや反射光導波路GR(各部分反射光導波路GAL、GBL、GAR、GBR)等を、物理気相合成法や化学気相合成法などにより作製しても良い。
【0394】
すなわち、これらの作製方法によれば、いわゆる薄膜化されたコア領域やクラッド領域を作製でき、小型化に有効であるとともに、各光導波路を薄くできることにより、感度を向上させ、さらに高分解能・広帯域の特性を有する位置測定装置2とすることができる。
【0395】
また、これらの作製方法は、他の装置や部品等を作製するためにも一般的に用いられる作製方法であるため、他の目的で購入した既存の設備等を使用して作製し易く、この場合、特別な設備投資等が不要となる。また、いずれの方法も光導波路の表面を平面化し易いので、例えば照射光導波路GIの第2仮想側面G1を含む照射側面GIMと反射光導波路GRの第3仮想側面G3を含む反射側面GRMとを接合する場合等にも接合し易い。
【0396】
なお、光源LDと光導波路群GG間および各受光部PD(PDA、PDB)と光導波路群GG間は、密着させたり、あるいは上述のクラッド領域を形成する材質のもので、光学的に閉じられるように(すなわち光が漏れないように)、一体としてモールドしてパッケージ化することが好ましい。
【0397】
図44(b)は、樹脂等によりモールドされ1つのパッケージ内に納められた同図(a)の位置測定装置2をイメージ化した模式図であり、図1および以下の説明で参照する図では、この模式図により位置測定装置2を表現する。
【0398】
ここで、以下、この位置測定装置2を適用した図1の厚み測定装置1の説明に戻る。
【0399】
図1で前述のように、測定部50は、第1変位計30と、第2変位計40と、ターゲットTを搭載してその位置を3次元の各方向に移動・調整可能なキャリア510と、ターゲットTを非接触で挿入可能な測定面間ギャップDとなるように調整可能なガイド511、512と、を備えている。
【0400】
第1変位計30は、前述の位置測定装置2を有して、その照射面GIdがターゲット(測定対象物)Tの表裏2面のうちの一方のターゲット面Tf1に対向するように設けられ(図45参照)、自己の照射面GIdからの第1測定ギャップ(第1距離)y1を求める。
【0401】
第2変位計40も同様に、前述の位置測定装置2を有して、その照射面GIdがターゲットTの表裏2面のうちの他方のターゲット面Tf2に対向するように設けられ(図45参照)、自己の照射面GIdからの第2測定ギャップ(第2距離)y2を求める。
【0402】
キャリア510は、例えば水平面上のX軸、Y軸およびそれらと垂直なZ軸の3次元の各方向に、それぞれステッピングモータ等から成る図外のX動モータ、Y動モータ、Z動モータを駆動源とする各種のギア機構やネジ機構を介して、図外のX軸ステージ、Y軸ステージ、Z軸ステージにより、移動可能に構成されている。
【0403】
なお、上記のターゲットTの3次元の座標や厚み測定の対象となる測定範囲も、キーボード4やマウス5によりディスプレイ3で確認しながら任意に設定でき、また、任意の座標位置に対するキャリア510の駆動源の(例えばパルス数などの)制御データは、実測データ等に基づいて、前述の制御データ領域222内に、送り位置制御データとして規定されている。
【0404】
ガイド511およびガイド512は、前述のようにパッケージ化され小型化されたことによりプローブ的に扱うことが可能になった第1変位計30および第2変位計40を、同様のZ動モータを駆動源とする各種のギア機構やネジ機構を介して上下動させ、この上下動により照射測定面GID(照射面GId)等の相互間の距離となる測定面間ギャップDを調整可能に構成されている。
【0405】
なお、この測定面間ギャップDも、キーボード4やマウス5によりディスプレイ3で確認しながら任意に設定でき、また、任意の測定面間ギャップDに対するファイバガイド511、512の駆動源の(例えばパルス数などの)制御データは、実測データ等に基づいて、前述の制御データ領域222内に、測定面間ギャップ制御データとして規定されている。
【0406】
このため、OPC250は、CPU210と連動してこの測定面間ギャップ制御データを参照することにより、設定された所定の値に合うように、測定面間ギャップDを調整できる。
【0407】
また、CPU210は、単独でまたはOPC250と連動して、調整された上記の測定面間ギャップDから前述の測定ギャップy1および測定ギャップy2を引く(減算する)ことにより、ターゲットTの厚みdを求める。
【0408】
この場合、測定面間ギャップDは、ターゲット(測定対象物)Tを非接触で挿入可能に調整できるので、非接触の状態でターゲット(測定対象物)Tの厚みdを測定できる。
【0409】
なお、上記の構成では、水平面上(X軸、Y軸方向)の座標(偏位)は、キャリア510のX、Y方向の移動に依存したので、例えばターゲットTの(設定された)所定の測定範囲の厚み分布等を得たい場合、キャリア510(およびターゲットT)を水平面上で移動させることになるが、これを避けたい場合やその他の事情に合わせて、ガイド511、512側を水平面上で移動できる構成とすることもできるし、双方ともに移動可能にしてそれらを併用できるようにしても良い。
【0410】
また、キャリア510は、ターゲットTを空気(ガス)等の圧力などの浮力により支える真空チャック、エアーベアリング(エアーテーブル)等(以下「真空チャック等」)と呼ばれる浮力支持機構を有していることが好ましい。この場合、浮力による支持や移動ができるので、完全に非接触の状態で測定できる。
【0411】
上述のように、厚み測定装置1では、非接触の状態でターゲット(測定対象物)Tの厚みdを測定できる。また、この場合、照射光(特にここではレーザ光)を利用した光による測定を行うので、ターゲットTの導電率に拘らず、すなわちターゲットTが導電体か絶縁体かなどの属性に拘らずに、測定できる。また、これにより、静電容量センサのような測定面間ギャップの制限がないので、厚さの大小による制限も生じない。
【0412】
なお、仮に空気マイクロメータのノズルを、静電容量センサの測定電極のように、測定対象物の両面のそれぞれに各ノズル先端が対向するように一対で配設し、一対の各ノズル先端と測定対象物との間の距離(測定ギャップ)と、ノズル先端相互間の所定距離(測定面間ギャップ)に基づいて、測定対象物の厚みを求めようとしても、例えば薄い測定対象物では、対向するノズル先端からの空気(ガス)圧等により振動してしまうなど、測定対象物に力学的な作用を及ぼすので、正確な測定ができない。
【0413】
また、例えば前述のように、キャリア510に真空チャック等の浮力支持機構を採用した場合、空気(ガス)等の圧力と流量および重力を微妙に(程良く)バランスさせることになるが、従来の空気マイクロメータ等では、ノズル先端からの空気(ガス)圧等により、このバランスを崩してしまうので、採用できない。
【0414】
これに対し、厚み測定装置1では、レーザ光を利用した測定を行うため、空気マイクロメータのような力学的作用を及ぼすことも無く測定でき、これにより、圧力、流量、重力等の微妙なバランスを維持することができるので、真空チャック等の浮力支持機構をも、問題なく採用することができる。そして、この場合、浮力による支持や移動ができるので、完全に非接触の状態で測定できる。
【0415】
したがって、この厚み測定装置1では、位置測定装置2を有する2つの変位計30、40を利用することにより、ターゲット(測定対象物)Tの導電率や厚みの大小などの属性に拘らず、また、力学的作用を及ぼすこと無く、非接触の状態でターゲットTの厚みdを測定できる。
【0416】
なお、前述のように、位置測定装置2として、前述した位置測定装置2a〜2nのいずれをも適用できるので、第1変位計30が有する位置測定装置2と第2変位計40が有する位置測定装置2とは同タイプである必要はないが、同タイプであれば、装置としての特性等が同等になるので、制御部(制御手段)20内の処理が簡易になるなど、より好ましい。
【0417】
また、ターゲット(測定対象物)Tが例えば液晶パネル等のガラスなどのように透過性を有する場合、すなわち透明物体から成るターゲットTを測定対象とする場合、第1変位計30および第2変位計40のそれぞれの位置測定装置2の各照射光LIの発射角θは、ターゲットTを透過する各透過光が、対向する他方の位置測定装置2の受光面GRd内に入らない所定の発射角θに定められていることが好ましい。
【0418】
例えば、第1変位計30の各構成要素と第2変位計40の各構成要素を区別するため、第1変位計30側を〜1、第2変位計40側を〜2(図46参照)とし、第1変位計30の(位置測定装置2の)光導波路群GG1の照射光導波路GI1の照射面GId1から発射角θ1で照射光LI1を照射すると、その照射光LI1に対応する反射光LR1(LA1、LB1等)が反射光導波路GR1(部分反射光導波路GAL1、GAR1、GBL1、GBR1)の受光面GRd(部分受光面GAd、GBd等)に入射される。
【0419】
ここで、ターゲットTが透過性を有する場合、照射光LI1に対する透過光LT1がいわゆるスネルの法則による屈折角Θ1でターゲットTを透過して(図46参照)、対向する第2変位計40の(位置測定装置2の)光導波路群GG2の反射光導波路GR2(部分反射光導波路GAL2、GAR2、GBL2、GBR2)の受光面GRd(部分受光面GAd、GBd等)に入射され、第2変位計40の受光量PA2、PB2等が誤検出となる可能性がある。そして、このことは、対向する第2変位計40側の照射光LI2に対しても同じであり、第1変位計30の受光量PA1、PB1等が誤検出となる可能性がある。
【0420】
このため、図46に示すように、第1変位計30および第2変位計40のそれぞれの位置測定装置2の各照射光LI1、LI2の発射角θ1、θ2を、測定対象となるターゲットTを透過する各透過光LT1、LT2が、対向する他方の位置測定装置2の受光面GRd内に入らない所定の発射角θに定めることにより、対向する他方の変位計からの透過光を反射光として受光するなどの誤検出を防止でき、これにより、問題なく厚み測定ができる。
【0421】
また、特にレーザ光Lを照射光LIとして利用した(例えば前述の位置測定装置2を有する第1変位計30や第2変位計40のような)変位計を用いれば、その集束性や指向性により光路以外への影響を最小限にできる。なお、各測定ギャップy1、y2よりターゲット(測定対象物)Tの厚さdが十分に大きければ、発射角θが小さくても透過光LT1、LT2等の誤検出を防止できる。
【0422】
なお、図1で前述の厚み測定装置1では、測定部50において、測定面間ギャップDを調整可能としたが、測定面間ギャップDを固定値として、より簡易な構成にすることもできる。また、厚み測定装置1で利用する位置測定装置2としても、前述のように、反射光導波路GRの分割数を3以上としても良いし(図39参照)、入射角θを調整して発射角θを制御することも考えられる(図40参照)。
【0423】
すなわち、各構成要件を可変とするか否かだけでも、種々の構成のバリエーションが考えられる。もちろん、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0424】
【発明の効果】
上述のように、本発明の位置測定装置によれば、測定対象物の適用範囲が広く、非接触測定のため汚染や変形等の心配がなく、高分解能・高安定度などの光ファイバ変位計と同等の利点を有しつつ、広範囲のリニアリティを確保でき、かつ、小型化やコストダウンが図れる。特に、差動型では、入射光量や反射率等に依存せずに、測定ギャップおよびその変化(変位)を求められるので、さらに分解能を向上できる。また、光を利用した測定であるため、力学的作用を及ぼすこと無く微妙なバランスを維持でき、浮力による支持等ができるので、例えばハードディスクドライブの磁気ヘッドの浮上量測定等にも適用できる、などの効果がある。
【0425】
また、本発明の厚み測定装置によれば、測定対象物の導電率や厚みの大小などの属性に拘らず、また、力学的作用を及ぼすこと無く、非接触の状態で測定対象物の厚みを測定できる。また、これにより、特に従来の非接触式の代表である静電容量センサでは困難であった絶縁体の厚みの測定や、光による厚み測定が採用されなかった主な要因とも言えるガラス等の透明体の厚みの測定など、従来困難とされた測定対象物の厚みが、非接触の状態で問題なく測定できる、などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る厚み測定装置の全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】図1の厚み測定装置に適用する位置測定装置の原理説明のための仮想的な光導波路である仮想照射光導波路および仮想反射光導波路の一例を示す斜視説明図である。
【図3】図2と対応して、照射光として発散光線束を利用した位置(または変位)測定の原理説明のための、図2と同様の斜視説明図である。
【図4】図3に対応する断面説明図である。
【図5】図2の仮想照射光導波路および仮想反射光導波路を内部に含む照射光導波路および反射光導波路を備え、図3に対応して、照射光として発散光線束を利用した位置測定装置の一例を示す斜視説明図である。
【図6】図2と対応して、照射光として平行光線束を利用した位置(または変位)測定の原理説明のための断面説明図である。
【図7】照射光として平行光線束を利用した一例を示す、図3と同様の断面説明図である。
【図8】図7に対応して別の例を示す、図5と同様の斜視説明図である。
【図9】仮想照射光導波路の照射面および仮想反射光導波路の受光面、並びに、それらを含む照射光導波路の照射測定面および反射光導波路の反射測定面を面一にしたさらに別の位置測定装置の例を示す、図8と同様の斜視説明図である。
【図10】図7と対応して、照射光として平行光線束を利用した位置(または変位)測定の原理説明のための、図4と同様の断面説明図である。
【図11】図4および図10に対応して、第2仮想側面と第3仮想側面を接合したときの様子を示す断面説明図である。
【図12】仮想照射光導波路を含む照射光導波路の部位および仮想反射光導波路を含む反射光導波路の部位が四角柱形状の光導波路群を備えた、四角柱形状を基本とする位置測定装置のクラッド領域を明示した断面説明図である。
【図13】図12に対応する光導波路群の例を、さらに別の位置測定装置の例として示す、図9と同様の斜視説明図である。
【図14】クラッド領域を明示して4面図で示した光導波路群のさらに別の例を、さらに別の位置測定装置の例として示す4面説明図である
【図15】図14に対応する、図13と同様の斜視説明図である。
【図16】光導波路群のさらに別の例を、さらに別の位置測定装置の例として示す4面説明図である。
【図17】図16に対応する、図13と同様の斜視説明図である。
【図18】さらに別の例を示す、図16と同様の4面説明図である。
【図19】図18に対応する、図13と同様の斜視説明図である。
【図20】図16の反射光導波路を照射光導波路の左右に面対称または回転対称となるように配設した、さらに別の位置測定装置の例を示す、図16と同様の4面説明図である。
【図21】図20に対応する、図13と同様の斜視説明図である。
【図22】図18の反射光導波路を照射光導波路の左右に面対称となるように配設した、さらに別の例を示す、図16と同様の4面説明図である。
【図23】図22に対応する、図13と同様の斜視説明図である。
【図24】差動型の原理を適用可能な仮想照射光導波路および仮想反射光導波路の一例を示す、図7と同様の斜視説明図である。
【図25】図9との比較において、図7に対応した光導波路群の例を、さらに別の位置測定装置の例として示す斜視説明図である。、
【図26】図12および図13との比較において、図7に対応した光導波路群の別の例を、さらに別の位置測定装置の例として示す、図16と同様の4面説明図である。
【図27】さらに別の例を示す、図26と同様の4面説明図である。
【図28】図27に対応する、図13と同様の斜視説明図である。
【図29】図27の反射光導波路を照射光導波路の左右に面対称または回転対称となるように配設した、さらに別の位置測定装置の例を示す、図27と同様の4面説明図である。
【図30】図29に対応する、図28と同様の斜視説明図である。
【図31】図14および図15との比較において、図7に対応した光導波路群のさらに別の例を、さらに別の位置測定装置の例として示す、図27と同様の4面説明図である。
【図32】図31に対応する、図28と同様の斜視説明図である。
【図33】図31の反射光導波路を照射光導波路の左右に面対称となるように配設した、さらに別の位置測定装置の例を示す、図27と同様の4面説明図である。
【図34】図33に対応する、図28と同様の斜視説明図である。
【図35】(仮想)反射光導波路の幅を(仮想)照射光導波路の幅の3倍としたときの、位置(または変位)計測に利用する反射光の受光量と測定ギャップyとの関係を示す説明図である。
【図36】(仮想)反射光導波路の幅を(仮想)照射光導波路の幅の2倍および1倍としたときの、図35と同様の説明図である。
【図37】差動型の原理を適用できる場合の測定ギャップに対する各受光量、全光量、光量差、比率の関係を示す説明図である。
【図38】差動型光ファイバ変位計の場合の図37相当の関係を示す説明図である。
【図39】受光量をさらに細分化して扱う場合の、図37と同様の説明図である。
【図40】発射角を変化させた場合の、図38(b)相当の図である。
【図41】図1の厚み測定装置に適用する位置測定装置の主要部を誇張して示した斜視模式図である。
【図42】図41の位置測定装置の光導波路群の4面説明図である。
【図43】図42に対応する斜視説明図である。
【図44】図41の位置測定装置をモールドして1つのパッケージ内に納めるイメージおよびイメージ化した模式図を示す説明図である。
【図45】図44(b)の模式図で表現した位置測定装置を備えた、図1の厚み測定装置の測定部の説明図である。
【図46】ターゲットが透過性を有する場合の測定部の各種作用の説明図である。
【符号の説明】
1 厚み測定装置
2 位置測定装置
10 操作部
20 制御部(制御手段)
30 第1変位計
40 第2変位計
50 測定部
311 光源
320 受光部
CN 制御部
d 厚み
D 測定面間ギャップ(所定距離)
G1 第1仮想側面
G2 第2仮想側面
G3 第3仮想側面
G4 第4仮想側面
G5 第5仮想側面(仮想部分接合側面)
G6 第6仮想側面(仮想部分接合側面)
GI 照射光導波路
GId 照射面
GID 照射測定面
GIM 照射側面
GIu 入射面
GIU 照射制御面
GA、GB …… 部分反射光導波路
GAd、GBd …… 部分受光面
GAD、GBD …… 部分反射測定面
GAM、GBM …… 部分反射側面
GAu、GBu …… 部分検出面
GAU、GBU …… 部分反射制御面
GR 反射光導波路
GRd 受光面
GRD 反射測定面
GRM 反射側面
GRu 検出面
GRU 反射制御面
IGI 仮想照射光導波路
IGA、IGB …… 仮想部分反射光導波路
IGR 仮想反射光導波路
L 入射光
LD 光源
PD 受光部
LI 照射光
LA、LB …… 部分反射光
LR 反射光
LS 検出光
LSA、LSB …… 部分検出光
LI1、LI2 …… 照射光
LA1、LA2 …… 反射光
LB1、LB2 …… 反射光
LT1、LT2 …… 透過光
PA 受光量
PB 受光量
PC 受光量
rs、rt …… 比率
T ターゲット(測定対象物)
y、y1、y2 …… 測定ギャップ
θ 入射角、発射角
θ1、θ2 …… 発射角

Claims (33)

  1. 各6面の全てが長方形の2つの仮想の四角柱の各4つの側面のうち、互いに同一サイズの各1つの側面同士を4辺が合うように平行に対向させて、前記2つの仮想の四角柱を隣接または接合し、対向する前記各1つの側面を含む平行な4つの側面を一方の端からそれぞれ第1仮想側面、第2仮想側面、第3仮想側面および第4仮想側面とし、前記2つの仮想の四角柱のうち、前記第1仮想側面および前記第2仮想側面を側面として有する一方を仮想照射光導波路として他方を仮想反射光導波路とし、前記仮想照射光導波路の上底面および下底面のうちの一方を測定対象物に平行に対向させて照射面として他方を入射面とし、前記仮想反射光導波路の上底面および下底面のうちの前記照射面と同一側の一方を受光面として他方を検出面としたとき、
    内部に前記仮想照射光導波路を含み、入射光を前記入射面に入射して前記仮想照射光導波路内を伝搬させ、前記照射面から照射光として前記測定対象物に対して発射させる照射光導波路と、
    内部に前記仮想反射光導波路を含み、前記測定対象物からの前記照射光に対応する反射光を前記受光面に入射して前記仮想反射光導波路内を伝搬させ、前記検出面から検出光として発射させる反射光導波路と、
    前記入射光を発する光源と、
    前記検出光を受光する受光部と、
    前記光源を制御するとともに、前記受光部の受光結果に基づいて前記測定対象物と前記照射面との距離を求める制御部と、
    を備え、
    前記照射光導波路は、
    前記光源からの前記入射光を前記入射面に入射する照射制御面と、
    前記照射面からの前記照射光を前記測定対象物に発射する照射測定面と、
    前記第1仮想側面および前記第2仮想側面を含み、前記照射制御面が含む外周が閉じた面のその外周の全ておよび前記照射測定面が含む外周が閉じた面のその外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる照射側面と、
    を有し、
    前記反射光導波路は、
    前記測定対象物からの前記反射光を前記受光面に入射する反射測定面と、
    前記検出面からの前記検出光を前記受光部に発射する反射制御面と、
    前記第3仮想側面および前記第4仮想側面を含み、前記反射測定面が含む外周が閉じた面のその外周の全ておよび前記反射制御面が含む外周が閉じた面のそのの外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる反射側面と、
    を有することを特徴とする位置測定装置。
  2. 前記照射測定面が前記照射面を含む平面であり、前記反射測定面が前記受光面を含む平面であることを特徴とする、請求項1に記載の位置測定装置。
  3. 前記入射面の光軸に対する前記入射光の入射角は、前記照射光が前記照射面の光軸と所定の発射角を有するように定められていることを特徴とする、請求項1または2に記載の位置測定装置。
  4. 前記光源は、レーザ光を発するレーザ光源であることを特徴とする、請求項3に記載の位置測定装置。
  5. 前記レーザ光源は、レーザダイオードであることを特徴とする、請求項4に記載の位置測定装置。
  6. 前記レーザ光源を、前記照射光導波路および前記反射光導波路とともに一体化して、1つのパッケージ内に納めたことを特徴とする、請求項5に記載の位置測定装置。
  7. 前記照射側面を構成する前記照射光導波路の外周部位および前記反射側面を構成する前記反射光導波路の外周部位には、内部に伝搬する光を反射させるクラッド領域が形成され、このクラッド領域に囲まれる部位には、光を伝搬するためのコア領域が形成されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の位置測定装置。
  8. 前記コア領域は、石英系ガラス、多成分系ガラスおよびプラスチックのいずれかから成ることを特徴とする、請求項7に記載の位置測定装置。
  9. 前記クラッド領域は、光を反射する金属系の物質または前記コア領域より屈折率の低い誘電体から成ることを特徴とする、請求項7に記載の位置測定装置。
  10. 前記照射光導波路および前記反射光導波路は、電気めっき法、物理気相合成法および化学気相合成法のいずれかを含む作製方法により作製されることを特徴とする、請求項7ないし9のいずれかに記載の位置測定装置。
  11. 前記入射面および前記検出面を含む仮想の平面と前記照射面および前記受光面を含む仮想の平面の2つの平行な仮想の平面間において、前記照射側面の前記第1仮想側面と前記第2仮想側面の間を連結する側面および/または前記反射側面の前記第3仮想側面と前記第4仮想側面の間を連結する側面が、複数の平面から成ることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の位置測定装置。
  12. 前記複数の平面は、4つの平面であることを特徴とする、請求項11に記載の位置測定装置。
  13. 前記照射制御面および前記反射制御面のそれぞれの光軸が相互に異なる方向に定められていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の位置測定装置。
  14. 前記照射制御面および前記反射制御面の一方の光軸は、前記仮想照射光導波路および前記仮想反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面内において、前記仮想照射光導波路の光軸と交差する関係となるように定められていることを特徴とする、請求項13に記載の位置測定装置。
  15. 前記照射制御面および前記反射制御面の一方の光軸は、前記仮想照射光導波路および前記仮想反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面に対して交差する関係となるように定められていることを特徴とする、請求項13に記載の位置測定装置。
  16. 前記受光部を、前記照射光導波路および前記反射光導波路とともに一体化して、1つのパッケージ内に納めたことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の位置測定装置。
  17. 仮に前記反射光導波路が前記照射光導波路の左側に配置されていると見て、前記反射光導波路を左反射光導波路としたとき、この左反射光導波路に対して前記照射光導波路を挟んで反対側の右側の位置に配設され、前記左反射光導波路と同等の構成を有する右反射光導波路をさらに備えたことを特徴とする、請求項1ないし16のいずれかに記載の位置測定装置。
  18. 前記左反射光導波路および前記右反射光導波路は、前記仮想照射光導波路の光軸を含み前記第1仮想側面と平行な平面を対称面として、面対称の関係となるように配設されたことを特徴とする、請求項17に記載の位置測定装置。
  19. 前記左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面は、前記仮想照射光導波路の光軸と両方の仮想反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して、各反射制御面の光軸が交差する関係となるように設けられていることを特徴とする、請求項18に記載の位置測定装置。
  20. 前記各反射制御面の光軸の交差する角度が直角であることを特徴とする、請求項19に記載の位置測定装置。
  21. 前記各反射制御面は、前記仮想の平面の相互に同一の前後いずれかの方向に向かって、各検出光を発射するように設けられていることを特徴とする、請求項19または20に記載の位置測定装置。
  22. 前記右反射光導波路は、前記仮想照射光導波路の光軸を対称中心軸として前記左反射光導波路を180°回転させた関係となるように配設されたことを特徴とする、請求項17に記載の位置測定装置。
  23. 前記左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面は、前記照射光導波路側を内側としたときの外側に向かって、各検出光を発射するように設けられていることを特徴とする、請求項18または22に記載の位置測定装置。
  24. 前記左反射光導波路および右反射光導波路の各反射制御面は、前記仮想照射光導波路の光軸と両方の仮想反射光導波路の光軸を含む仮想の平面内において、各反射制御面の光軸が各仮想反射光導波路の光軸と直交する関係となるように設けられていることを特徴とする、請求項23に記載の位置測定装置。
  25. 前記仮想反射光導波路を前記第1仮想側面と平行な平面で複数に分割したそれぞれを仮想部分反射光導波路とし、複数の仮想部分反射光導波路の各4つの側面のうちの前記第1仮想側面と平行な各2つの側面のそれぞれを仮想部分平行側面とし、複数の仮想部分平行側面のうちの前記第3仮想側面および前記第4仮想側面以外の他の側面のそれぞれを仮想部分接合側面とし、前記仮想反射光導波路は前記複数の仮想部分反射光導波路の各1つの仮想部分接合側面同士を4辺が合うように平行に対向させて隣接または接合して構成されたものとし、各仮想部分反射光導波路についてその上底面および下底面のうちの前記受光面を構成する方を部分受光面として前記検出面を構成する方を部分検出面としたとき、
    前記反射光導波路は、それぞれ前記複数の仮想部分反射光導波路のうちの各1つに対応してそれを内部に含む複数の部分反射光導波路を有して、それらの全てを隣接または接合して構成され、
    前記複数の部分反射光導波路のそれぞれは、
    前記反射光の一部または全部を部分反射光として前記部分受光面に入射して内部の仮想部分反射光導波路内を伝搬させ、伝搬させた前記部分反射光に対応する前記検出光の一部または全部を部分検出光として前記部分検出面から発射させるとともに、
    前記部分反射光を前記部分受光面に入射する部分反射測定面と、
    前記部分検出面からの前記部分検出光を前記受光部に発射する部分反射制御面と、
    前記内部の仮想部分反射光導波路の前記仮想部分平行側面を含み、前記部分反射測定面が含む閉じた面のその外周の全ておよび前記部分反射制御面が含む外周が閉じた面のその外周の全てを連結して、伝搬する光を内部に閉じこめる部分反射側面と、
    を有し、
    前記反射側面は、前記複数の部分反射光導波路の前記部分反射側面の全てを含み、かつ、それらに含まれる前記仮想部分接合側面の全てを前記仮想反射光導波路に対応するように隣接または接合して構成され、
    前記反射測定面は、前記複数の部分反射光導波路の部分反射測定面の全てを含み、
    前記反射制御面は、前記複数の部分反射光導波路の部分反射制御面の全てを含むことを特徴とする、請求項1ないし23のいずれかに記載の位置測定装置。
  26. 前記複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路は、それぞれの部分検出面から部分反射制御面までの光路長が相互に異なることを特徴とする、請求項25に記載の位置測定装置。
  27. 前記複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面の光軸は、それぞれの仮想部分反射光導波路の光軸を含む仮想の平面内に含まれることを特徴とする、請求項25または26に記載の位置測定装置。
  28. 前記複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面は、それぞれの部分検出光が相互に異なる方向に発射するように設けられていることを特徴とする、請求項25または26に記載の位置測定装置。
  29. 前記複数のうちの少なくとも2つの部分反射光導波路の各部分反射制御面は、対応する少なくとも2つの仮想部分反射光導波路の光軸を含む仮想の平面に対して、各部分反射制御面の光軸が交差する関係となるように設けられていることを特徴とする、請求項28に記載の位置測定装置。
  30. 前記各部分反射制御面の光軸の交差する角度が直角であることを特徴とする、請求項29に記載の位置測定装置。
  31. 前記部分検出光の相互に異なる方向は、その部分検出光を発射する少なくとも2つの仮想部分反射光導波路の双方の光軸を含む仮想の平面の互いに反対面側の方向であることを特徴とする、請求項28ないし30のいずれかに記載の位置測定装置。
  32. 請求項1ないし31のいずれかに記載の位置測定装置を有して、その位置測定装置の照射面が測定対象物の表裏2面のうちの一方に対向するように設けられ、自己の前記照射面から前記表裏2面のうちの一方までの第1距離を求める第1変位計と、
    請求項1ないし31のいずれかに記載の位置測定装置を有して、その位置測定装置の照射面が前記測定対象物の表裏2面のうちの他方に対向し、かつ、その照射面と前記第1変位計の照射面との相互間が前記測定対象物を非接触で挿入可能な所定距離となるように設けられ、自己の前記照射面から前記表裏2面のうちの他方までの第2距離を求める第2変位計と、
    前記第1距離、第2距離および前記所定距離に基づいて、前記測定対象物の厚みを求める制御手段と、
    を備えたことを特徴とする厚み測定装置。
  33. 前記第1変位計および第2変位計のそれぞれの位置測定装置の各照射光の発射角は、前記測定対象物が透過性を有する場合に、各照射面からの各照射光の照射により前記測定対象物を透過する各透過光が、対向する他方の位置測定装置の受光面内に入らない所定の発射角に定められていることを特徴とする、請求項32に記載の厚み測定装置。
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