JP3934446B2 - 難燃性エアフィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内等の空気清浄に用いられるエアフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、台所等の室内用換気扇や、レンジフード等には、空気清浄や異物の除去を目的として、取り外し式のエアフィルターが好適に用いられている。フィルターは、煙や埃、油等の汚れが付着するため、ある一定期間が経過すると、新しいフィルターと取り替えることにより使用されており、取り替えた使用済みのフィルターは、通常、焼却等により廃棄処理されている。
【0003】
このようなフィルターの素材としては、使い捨てであることから、コストの面で有利である短繊維不織布や長繊維不織布等の不織布が用いられている。
【0004】
台所で使用される換気扇やレンジフードに取り付けられるエアフィルターは、調理等の際に、誤って火が付いた場合の安全性から、難燃性が要されており、フィルター素材に難燃剤を付与したものを用いている。しかし、難燃剤としては、ハロゲン系またはノンハロゲン系等の難燃剤が多く使用されており、火災時のガスによる二次災害の危険性や、人体への悪影響が問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題を解決し、ハロゲン系またはノンハロゲン系等の難燃剤を付与することなく難燃性を有するエアフィルターを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明らは、前記問題を解決すべく鋭意検討の結果、難燃化処理を特別に施さなくとも難燃性を具備した素材を開発し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明は、ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布により構成され、スパンボンド不織布には難燃剤が付与されてなく、スパンボンド不織布が、溶融流量が40〜80g/10分のポリ乳酸系重合体をスパンボンド法により溶融紡糸したものであり、スパンボンド不織布の長繊維を構成するポリ乳酸系重合体の結晶化度が、10〜20質量%であり、該スパンボンド不織布の難燃性がJIS K 7201の測定において酸素指数26以上であることを特徴とする難燃性エアフィルターを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のエアフィルターは、ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布により構成される。
【0009】
ポリ乳酸系重合体としては、熱可塑性の脂肪族ポリエステルであって、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体との群から選ばれる重合体あるいはこれらのブレンド体が用いられる。
【0010】
乳酸と共重合するヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。これらの中でも特に、ヒドロキシカプロン酸またはグリコール酸を用いることが低コストの点から好ましい。
【0011】
ポリ乳酸系重合体の融点は、100℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは、120℃以上である。ポリ乳酸のホモポリマーであるポリ(L−乳酸)やポリ(D−乳酸)の融点は約180℃であるが、ポリ乳酸系重合体として前記コポリマーを用いる場合には、コポリマーの融点が100℃以上となるようにモノマー成分の共重合量比を決定することが好ましく、本発明においては、光学純度が90%以上のポリ乳酸を用いることが好ましい。光学純度は、耐熱性や生分解性に影響をする要因であり、光学純度が低くなるとともに結晶化が低下し、融点降下が大きくなる傾向にある。
【0012】
本発明に用いるポリ乳酸系重合体の数平均分子量は、約20,000以上、好ましくは約40,000以上のものを用いることが、得られる繊維特性の点や不織布製造時の製糸性の点で好ましい。
【0013】
また、用いるポリ乳酸系重合体の溶融流量は、40g〜80g/10分である。溶融流量が40g/10分未満であると、製糸工程において、高速製糸性に劣り、また、粘度が高いため、着火した際に溶融落下しにくく、難燃性に劣るものとなる。一方、80g/10分を超えると、溶融流量が低すぎて、製糸時に糸条が破断しやすく、また、繊維が得られたとしても、機械的性能に劣る不織布しか得られない。ここで、ポリ乳酸系重合体の溶融流量は、ASTM−D−1238に記載の方法に準じて温度210℃で測定した値である。
【0014】
本発明におけるスパンボンド不織布の長繊維を構成するポリ乳酸系重合体の結晶化度は、10〜20質量%の範囲にある。結晶化度が10質量%未満であると、分子配向が十分でなく、結晶性が低すぎるため、繊維の残留伸度が高くなる。その結果、得られるスパンボンド不織布は、寸法安定性や機械的特性に劣る傾向となる。一方、結晶化度が20質量%を超えると、得られるスパンボンド不織布の寸法安定性、機械的特性および熱的安定性は優れるが、難燃性に劣る傾向となる。
【0015】
長繊維を構成するポリ乳酸系重合体の結晶化度は、ポリ乳酸系重合体に、例えばタルク、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等の結晶核剤を添加することや、繊維を溶融紡糸する際に高速で引き取ること等により達成することができる。結晶核剤を添加すると長繊維の結晶化を促進させ、得られるスパンボンド不織布の機械的強度や耐熱性を向上させることができ、しかも製造時の溶融紡出・冷却工程での紡出糸条間の融着(いわゆるブロッキング)の発生を防止することができる。結晶核剤の添加量は、0.1〜3.0質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%である。
【0016】
本発明において、スパンボンド不織布を構成する長繊維の繊維形態としては、単一のポリ乳酸系重合体からなる単相形態のものであっても、異なる光学純度を有する2種のポリ乳酸系重合体からなる複合形態のものであってもよい。複合形態としては、芯鞘型複合断面、偏心芯鞘型複合断面、サイドバイサイド型複合断面、多葉型複合断面等が挙げられる。
【0017】
2種のポリ乳酸系重合体を用いる場合は、両者の光学純度差は2〜10%であることが好ましく、繊維表面の少なくとも一部に低い光学純度を有するポリ乳酸重合体を配していることが好ましい。光学純度が低いポリ乳酸系重合体は、光学純度が高いポリ乳酸系重合体と比較して融点が低い。したがって、このような融点が低い重合体を繊維表面の少なくとも一部に存在させることにより、熱処理の際に、光学純度の低い重合体のみを軟化または溶融させて、繊維同士を接着させるバインダー成分として機能させ、一方、光学純度の高い重合体は熱の影響を受けることなく、繊維の機械的強度を維持させることができる。2種のポリ乳酸系重合体の光学純度差が2%未満であると、両者の軟化点または融点の差が小さいため、熱処理の際に光学純度の高い重合体までもが熱による影響を受けることとなり、2成分を用いる効果が奏されない。
【0018】
本発明に用いる繊維の単糸繊度は、特に限定されないが、通風時に圧力がかかること、また、使用期間が経つにつれて、フィルターが捕集した埃や油等の重みがかかることから、ある程度の剛性を要するため、1デシテックス以上、好ましくは3デシテックス以上とする。単糸繊度が1デシテックス未満であると、目付によっては、スパンボンド不織布の剛性、形態保持性が劣るものとなる。単糸繊度の上限は、特に限定されないが、製造上の観点から、15デシテックス程度であればよい。
【0019】
本発明のエアフィルターの目付についても、フィルター捕集性および上述した剛性等を考慮して、適宜選択すればよい。一般に、30g/m2以上とすればよく、上限については、コスト等を考慮して、120g/m2程度とすればよい。
【0020】
本発明のポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布で構成されるエアフィルターの難燃性は、JIS K 7201の測定における酸素指数が26以上である。酸素指数が26未満であると、エアフィルターに着火した場合、その火種が消えずに、更に燃え広がり、場合によっては大事故の原因となる可能性がある。
【0021】
本発明において、ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布が、難燃剤を付与するというような特別な難燃化処理を施さなくとも高い難燃性を有している。なお、ポリ乳酸が高度の難燃性は有していないが、大気中で継続燃焼しにくい自己消化性を有していること、すなわち、難燃剤を付与しないポリ乳酸繊維織物の酸素指数は24であることが知られている(繊維学会誌 vol55,No7(1999) ポリ乳酸繊維織物の難燃化)。本発明のポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布が、特別に高い難燃性を有している理由は定かでないが、下記のことが推察される。
【0022】
スパンボンド不織布は、他の熱可塑性重合体からなる成形体としてのフィルム、短繊維、長繊維と比較して、溶融流量の値が大きい熱可塑性重合体を用いる。例えば、フィルムは1〜5g/10分程度のポリ乳酸系重合体を用い、短繊維や長繊維は10〜30g/10分程度のポリ乳酸系重合体を用いる。一方、スパンボンド不織布は、上述したように40〜80g/10分というように、フィルム、短繊維、長繊維と比較して溶融流量の値が大きい。溶融流量の値が大きいポリ乳酸系重合体からなる繊維と、溶融流量の値が小さいポリ乳酸系重合体からなる繊維とを比較すると、前者の方が、着火した場合に火が移行することなく、火種が溶融落下しやすい。
【0023】
また、スパンボンド不織布は、製糸工程において、紡糸口金の下方に吸引ジェットを設置し、このジェットにより紡糸糸条を高速で吸引することにより、重合体の分子配向を促進させて、機械的に延伸することのない繊維(いわゆる、Pre Oriented Yarnである。)を得る。一方、一般の織編物に用いられる短繊維、長繊維は、紡糸口金の下方に引き取りロールを設置し、紡出糸条を引き取りロールを介して、一旦、未延伸糸として巻き取った後、複数のロール群間で機械的に延伸して得た延伸糸(いわゆる、Full Draw Yarnである。)であったり、あるいは、未延伸糸として巻き取らず、直接ロール群間で機械的に延伸して得た延伸糸である。延伸糸は、スパンボンド法により得られる繊維と比較して、分子配向が促進されて結晶化度が高い。一方、スパンボンド法により得られる繊維は、延伸糸よりも、結晶化度が低く、非晶部が多い。結晶化度が低く非晶部の多い繊維(スパンボンド法による繊維)は、着火した場合に、他の部位に火が移行することなく火種が溶融落下しやすい。
【0024】
本発明に用いる不織布の形態としては、熱により接着した熱接着不織布、ニードルパンチ法やスパンレース法により繊維同士が機械的に交絡してなる不織布、また、上述したボンディング手段を併用してなる不織布のいずれであってもよい。
【0025】
次に、本発明のポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布で構成されるエアフィルターの好ましい製造方法について説明する。
【0026】
まず、ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布を製造する。上述したポリ乳酸系重合体を加熱溶融して紡糸口金から吐出し、得られた紡出糸条を従来公知の横型吹き付けや環状吹き付け等の冷却装置を用いて冷却し、次いで、下流に設置した吸引ジェットにて牽引細化し、引き続き、排出された糸条群を開繊した後、メッシュスクリーン等からなるコンベアの如き移動堆積装置上に開繊堆積させてウエブとする。次いで、この移動堆積装置上に形成されたウエブを、エンボス装置または超音波融着装置等の部分熱接着装置に通布して熱処理することによって、構成繊維同士を熱接着させて、スパンボンド不織布を得る。
【0027】
牽引細化する際の牽引速度は、3000〜6000m/分とするのが好ましい。牽引速度が3000m/分未満であると、重合体の配向結晶化が進行せず、得られるスパンボンド不織布の機械的強度が向上しない。一方、牽引速度が6000m/分を超えると、製糸性が急激に悪化し、糸切れを生じ操業性に劣る。なお、重合体には、上述した結晶核剤を添加することにより、溶融紡出に際して紡出糸条の冷却性が向上するため好ましい。
【0028】
熱処理の際のロール表面温度は、長繊維を構成している重合体のうち低融点を有する重合体の融点をTmとしたとき、Tm℃未満〜(Tm−40)℃程度とする。
【0029】
得られたスパンボンド不織布は、所望の大きさに裁断して、本発明のエアフィルターとする。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。また、実施例における物性値は、以下のようにして求めた。
【0031】
酸素指数;JIS K 7201に準じ、試験片の支持方法をB−1号で、酸素指数の決定は燃焼長さが50mm以上燃え続けたときとし、点火器の熱源は天然ガスとした。
【0032】
結晶化度(質量%);測定対象の長繊維を粉末化して、Al試料枠(20×18×0.5mm)に充填したうえで垂直方向に保持したサンプルについて、理学電機社製のRAD−rB型X線発生装置により、Cu−Kα線をこのサンプルに対し直角方向から照射した。受光側には、湾曲グラファイトモノクロメータを用いた。そのうえで、2θ=5〜125°の範囲で走査を行い、Ruland法により質量百分率として結晶化度を求めた。
【0033】
実施例1
融点170℃、溶融流量40g/10分のポリ乳酸系重合体(ポリL乳酸/ポリD乳酸の共重合比が99/1)をエクストルーダー型溶融押し出し機を用いて、温度220℃で溶融し、繊維断面が円形となる紡糸口金を用い、単孔吐出量1.65g/分で溶融紡糸した。この紡出糸条を公知の冷却装置を用いて冷却した後、口金の下方に設置された吸引ジェットを用いて、牽引速度が4800m/分で牽引細化し公知の開繊装置にて開繊させ、開繊させた糸条を移動するスクリーンコンベア上に堆積させた。この長繊維不織ウエブをエンボスロールとフラットロールからなるエンボス装置にて部分的に熱圧接し、単糸繊度3.4デシテックスの長繊維からなる目付200g/m2のスパンボンド不織布を得た。熱圧接条件は、熱圧着部となるエンボス部の面積が0.7mm2、熱圧着部の密度が20個/cm2、熱圧着面積率が15%であるエンボスロールと表面が平滑なフラットロールを用い、両ロール温度を125℃に設定した。得られたスパンボンド不織布の酸素指数は26、繊維を構成する重合体の結晶化度は13質量%であった。
【0034】
得られたスパンボンド不織布を裁断してエアフィルターを得た。
【0035】
実施例2
実施例1において、溶融流量60g/10分のポリ乳酸系重合体を用いたこと、牽引速度を5000m/分としたこと以外は実施例1と同様にして、単糸繊度3.3デシテックスの長繊維からなる目付200g/m2のスパンボンド不織布を得た。得られたスパンボンド不織布の酸素指数は28、繊維を構成する重合体の結晶化度は15質量%であった。
【0036】
得られたスパンボンド不織布を裁断してエアフィルターを得た。
【0037】
実施例3
実施例1において、溶融流量80g/10分のポリ乳酸系重合体を用いたこと、牽引速度を5300m/分としたこと以外は実施例1と同様にして、単糸繊度3.1デシテックスの長繊維からなる目付200g/m2のスパンボンド不織布を得た。得られたスパンボンド不織布の酸素指数は29、繊維を構成する重合体の結晶化度は18質量%であった。
【0038】
得られたスパンボンド不織布を裁断してエアフィルターを得た。
【0039】
実施例1〜3のポリ乳酸系重合体からなるエアフィルターは、高い難燃性を有するものであり、また、捕集性は良好であった。また、ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布は、樹脂加工等の特別な後処理を施さずとも剛性を有しているため、形態保持性に優れているものであった、
【0040】
比較例1
融点260℃、固有粘度0.7のポリエチレンテレフタレートをエクストルーダー型溶融押し出し機を用いて、温度290℃で溶融し、繊維断面が円形となる紡糸口金を用い、単孔吐出量1.64g/分で溶融紡糸した。この紡出糸条を公知の冷却装置を用いて冷却した後、口金の下方に設置された吸引ジェットを用いて、牽引速度が5000m/分で牽引細化し公知の開繊装置にて開繊させ、開繊させた糸条を移動するスクリーンコンベア上に堆積させた。この長繊維不織ウエブをエンボスロールとフラットロールからなるエンボス装置にて部分的に熱圧接し、単糸繊度3.2デシテックスの長繊維からなる目付200g/m2のスパンボンド不織布を得た。熱圧接条件は、熱圧着部となるエンボス部の面積が0.7mm2、熱圧着部の密度が20個/cm2、熱圧着面積率が15%であるエンボスロールと表面が平滑なフラットロールを用い、両ロール温度を230℃に設定した。得られたスパンボンド不織布の酸素指数は21.1であった。
【0041】
得られたスパンボンド不織布を裁断して、比較例のエアフィルターを得た。このエアフィルターは、酸素指数が21.1と低く、着火した場合に、燃え広がる可能性の高いものであった。
【0042】
比較例2
実施例1において、溶融流量30g/10分のポリ乳酸系重合体を用いたこと、牽引速度を4300m/分としたこと以外は実施例1と同様にして、単糸繊度3.8デシテックスの長繊維からなる目付200g/m2のスパンボンド不織布を得た。得られたスパンボンド不織布の酸素指数は25、繊維を構成する重合体の結晶化度は8質量%であった。
【0043】
得られたスパンボンド不織布を裁断して比較例2のエアフィルターを得た。このエアフィルターは、自己消化性は有するものの、本発明のエアフィルターほどの高い難燃性を有するものではなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明のエアフィルターは、ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布により構成されている。そのスパンボンド不織布は、酸素指数が26以上であるので、火災発生時にそれ自体が燃え広がることもなく、有毒なガスの発生もないので非常に安全性の高いものである。また、従来のハロゲン系難燃剤のように、火災時のガスによる二次災害の危険性を伴うものではない。さらには、本発明のエアフィルターにおける難燃性は、ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布に起因するものであるため、特別な難燃化処理を施す必要がない。
【0045】
また、ポリ乳酸系重合体は、自然界において微生物により二酸化炭素と水に分解されるものである。したがって、使用後のエアフィルターは、廃棄する際には、焼却することなく、微生物の存在下で、完全に分解させることができるため、自然環境を汚染することがないという効果も奏することができる。
Claims (3)
- ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布により構成され、スパンボンド不織布には難燃剤が付与されてなく、スパンボンド不織布が、溶融流量が40〜80g/10分のポリ乳酸系重合体をスパンボンド法により溶融紡糸したものであり、スパンボンド不織布の長繊維を構成するポリ乳酸系重合体の結晶化度が、10〜20質量%であり、該スパンボンド不織布の難燃性がJIS K 7201の測定において酸素指数26以上であることを特徴とする難燃性エアフィルター。
- 請求項1記載のエアフィルターが、換気扇フィルターである難燃性エアフィルター。
- 請求項1記載のエアフィルターが、レンジフード用フィルターである難燃性エアフィルター。
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