JP2007289917A - 生分解性繊維フィルタ - Google Patents
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Abstract
【目的】動作特性である捕集率と圧力損失が、構造特性である繊維目付と繊維直径に対し求められた相関関係に基づき、フィルタの繊維目付と繊維直径を最適設計し、更に自然環境の保護に寄与し、環境問題に影響を与えない、所謂地球環境に優しい繊維フィルタを提供することである。
【構成】本発明に係る繊維フィルタは、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、繊維素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、繊維目付M及び繊維直径Dが設定され、その繊維フィルタを形成するフィルタ繊維が単一種または複合種の生分解性材料から構成される。この生分解性材料には、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸やレーヨン繊維等を使用する。
【選択図】 図1
【構成】本発明に係る繊維フィルタは、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、繊維素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、繊維目付M及び繊維直径Dが設定され、その繊維フィルタを形成するフィルタ繊維が単一種または複合種の生分解性材料から構成される。この生分解性材料には、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸やレーヨン繊維等を使用する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、台所、調理場、厨房などに設けられたレンジフード又は換気扇に配置される繊維フィルタに関し、更に詳細には、フィルタの繊維目付及び繊維直径が適切に設計され、かつ環境汚染を誘発させない生分解性を備えた繊維フィルタに関する。
レストランや食堂の厨房、家庭の台所の上方には、ファンによって排気駆動されるレンジフードや換気扇が配置されている。調理用の油脂、魚や肉から油分が蒸発すると、レンジフードや換気扇の表面に大量の油分や塵埃が付着し、その除去作業が必要になる。そのため、レンジフードや換気扇の適所に繊維状フィルタが装着され、排気中の油分や塵埃をフィルタで捕集し、前記除去作業の簡便化が図られている。この繊維フィルタは売切商品として販売されており、また装着ホルダと一体に構成されたレンタル商品として広範囲に実用化されている。
前記繊維フィルタは、長繊維や短繊維をバインダ剤で相互に結着した不織布を所定形状に裁断した繊維フィルタから構成されている。繊維フィルタは主として油分を捕集するから、高温の油分による変質・燃焼を防止するために、ガラス繊維から形成されることが多く、また他の無機繊維や有機繊維から形成される場合もある。更に、捕集された油剤の燃焼を防止するために、表面に難燃剤を担持させる技術も開発されている。
各種の繊維フィルタが開発されているが、現在、種々の課題を有している。第一に、繊維フィルタの動作特性として極めて重要な物性量である、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPを適切に維持しながら、繊維フィルタの構造特性である繊維目付Mとその繊維直径Dを設計することである。第二に、フィルタ構成素材には、特許文献3に示すように、一般にガラス繊維や化学合成繊維が使用されているため、家庭や職場環境等で使用された後に廃棄したとき、廃棄物の繊維フィルタ材が環境汚染を誘発する課題を有していた。
繊維フィルタの動作特性と構造特性の第一の課題に関し、従来の典型例である繊維フィルタとして、特許第2981533号(特許文献1)と特開2002−136814(特許文献2)を列挙して、その内容と課題を以下に説明する。前記特許文献1には、平均繊径が0.5〜6.0μm、嵩密度0.05〜0.50g/cm2の極細不織布(中間層)と、この極細不織布の片面又は両面が平均繊径10〜60μm、嵩密度0.05〜0.50g/cm2の繊維シート(表面層)とを積層し、高さ3〜100mmの凹凸形状に成形された成形フィルタが開示されている。この成形フィルタは、2層構造又は3層構造を有し、表面層がフィルタ全体の保形機能を奏し、表面層及び中間層により効率的に油分捕集機能を奏する。
前記特許文献2には、2層の表面層間に中間層を介在させた積層構造のフィルタ素子が開示され、繊維重量とバインダ剤等の担持物質重量を含めた目付が150g/m2以下であり、前記中間層の密度が前記表面層の密度よりも小さく設定されたフィルタ素子が示されている。更に、詳細には、各表面層は、密度0.01〜0.1g/cm3、厚さ0.1〜3mm、フィルタ素子の全重量に対する重量割合20〜40重量%、繊維にたいするバインダ付着率25〜45重量%の特徴を有する。また、中間層は、密度0.001〜0.01g/cm3、厚さ5〜50mm、フィルタ素子の全重量に対する重量割合20〜60重量%、繊維に対するバインダ付着率20〜40重量%の特徴を有している。このフィルタ素子は、3層構造を有し、硬性の表面層がフィルタ全体の保形機能を奏し、硬性の表面層及び軟性の中間層の両者が効率的な油分捕集機能を奏する特徴を有する。
特許第2981533号公報
特開2002−136814公報
特開2001−214356公報
前記特許文献1には、中間層の平均繊径を0.5〜6.0μmに設け、表面層の平均繊径を10〜60μmに設計することが開示されている。また、ジグザグの織畳構造にすると、圧力損失が1.5mmH2Oになり、除塵率が98%になったことが記載されているが、それ以上の詳細な記述は全く無い。つまり、平均繊径や圧力損失の数値結果が記載されているだけで、平均繊径や圧力損失をどのように設計するかについては全く記載されておらず、平均繊径と圧力損失の相関関係については示唆さえされていない。換言すれば、場当たり的にフィルタ構造を決めているだけで、フィルタ自体の設計理論や設計思想は全く見られない。前記平均繊径は本発明の繊維直径に相当する概念であることを付記しておく。
前記特許文献2には、繊維重量とバインダ剤等の担持物質重量を含めた全体目付が150g/m2以下であることが主張されている。また、同文献の段落[0018]には、フィルタ素子全体の目付が150g/m2以上では圧力損失が大きくなり好ましくないと記載され、特にガラス繊維の場合には、目付が150g/m2以下では、圧力損失を確実に10Pa以下に保持できることが開示されている。確かに、全体目付の臨界値150g/m2と圧力損失の臨界値10Paは記載されているが、全体目付と圧力損失との相関関係については全く記載されていない。しかも全体目付と繊維直径(平均繊径)との関係については示唆さえされていないのである。
以上から分かるように、繊維フィルタの構造特性である目付と繊維直径をどのように設計するかという思想は、両文献には全く記載されていない。しかも、繊維フィルタの動作特性として、捕集率と圧力損失は極めて重要な物性量であるにも拘わらず、これらの動作特性と前記構造特性をどのように関連ずけるかという思想に到っては両文献に示唆さえされていない。動作特性と構造特性の相関関係が不明な状態では、繊維フィルタの設計方針は存在しないに等しい。この設計方針の無存在状態は、前記2文献に限らず、繊維フィルタ関連の文献が有する現状を示している。前記相関関係に対する究明が無い限り、繊維フィルタの合理的設計における根本的解決は有り得ないのである。また、前記特許文献2の目付は、繊維目付(繊維重量)とバインダ剤等の担持物質重量を含めた全体目付であり、繊維目付とバインダ剤重量との関係が不明な状態下で、全体目付だけによる主張は原理的に不十分としか言いようが無い。
第二の環境汚染問題について述べる。繊維フィルタは、一定の期間使用されると、調理時に付着された油類等による汚染がすすみ、やがて廃棄処分にされる。即ち、使用後の汚れた繊維フィルタはレンジフード又は換気扇から外され、新品のフィルタに取り替えられる。そして、外された使用済みフィルタは廃棄される。
しかしながら、上述のように、従来、フィルタ構成素材としてのフィルタ繊維材には、特許文献3に示すように、一般にガラス繊維や化学合成繊維が使用されているため、使用済みの繊維フィルタを廃棄したとき、フィルタ繊維材に使用されているガラス繊維等は土壌等に分解せず自然環境に戻らず、日常的に発生するフィルタ廃棄物が環境問題に影響するといった問題を生じていた。殊に、繊維フィルタをリースするレンタル事業者にとって、フィルタ廃棄物をリサイクルするには、回収に手間がかかるうえ、ガラス繊維等の分離と再生に費用を要するため、リサイクル化には実施上の困難を有していた。更に、近年は、産業廃棄物はもとより生活ごみの廃棄についても、地球環境保全の観点から強く見直しが迫られており、消耗製品である繊維フィルタにも、所謂環境問題に優しい品質が求められている。
従って、本発明の目的は、動作特性である捕集率と圧力損失が、構造特性である繊維目付と繊維直径に対し求められた相関関係に基づき、フィルタの繊維目付と繊維直径を最適設計し、更に自然環境の保護に寄与し、環境問題に影響を与えない、所謂地球環境に優しい繊維フィルタを提供することである。
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、レンジフード又は換気扇に装着される繊維フィルタにおいて、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、フィルタ繊維の素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが設定され、前記フィルタ繊維が生分解性材料から形成されている繊維フィルタである。
なお、本発明では、油蒸気の捕集率C(%)とは、油蒸気をフィルタに通過させたとき、流通油蒸気質量に対するフィルタ捕集された油蒸気質量の百分率を意味する。圧損ΔP(Pa)とは、ファン駆動時に生起するフィルタ前後の圧力差を意味する。また、繊維目付M(g/m2)とは、フィルタを形成する繊維分だけの目付(平面密度)を意味し、バインダ剤や難燃剤などの担持物質質量は含まれない。更に、繊維直径D(μm)とは、平均繊維直径を意味し、繊維直径の異なる複数種の繊維が混在する場合には、その平均繊維直径に相当する。また、本発明で使用される繊維はガラス繊維・セラミック繊維・複合繊維・天然繊維・合成繊維・有機繊維・無機繊維などから自在に選択され、特に繊維フィルタとして耐熱性繊維であれば好適である。
本発明の第2の形態は、レンジフード又は換気扇に装着される繊維フィルタにおいて、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、フィルタ繊維の素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが設定され、前記フィルタ繊維が複数種の生分解性材料から形成されている繊維フィルタである。
本発明の第3の形態は、第1形態において、前記生分解性材料が、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、脂肪酸ポリエステル、レーヨン繊維、デンプン、微生物多糖類のいずれかからなる繊維フィルタである。
本発明の第4の形態は、第2形態において、前記複数種の生分解性材料が、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、脂肪酸ポリエステル、レーヨン繊維、デンプン、微生物多糖類のうち、少なくとも2種類からなる繊維フィルタである。
本発明の第5の形態は、第3又は第4形態において、前記ポリ乳酸繊維が30〜100dtexの繊維太さのフィルタ繊維からなる繊維フィルタである。
本発明の第6の形態は、第3又は第4形態において、前記レーヨン繊維が5〜20dtexの繊維太さのフィルタ繊維からなる繊維フィルタである。
本発明の第7の形態は、第1〜第6形態のいずれかにおいて、前記生分解性材料のフィルタ繊維間を結合させるバインダ剤を含有する繊維フィルタである。
本発明の第8の形態は、第1〜第7形態のいずれかにおいて、難燃剤が含有された繊維フィルタである。
本発明の第9の形態は、第1〜第8形態のいずれかにおいて、前記繊維フィルタ構成を単層構造とした繊維フィルタである。
本発明の第10の形態は、第1〜第8形態のいずれかにおいて、前記繊維フィルタ構成を、密度の異なる2層を接合した2層構造、又は密度の大きな2層の表面層間に密度の小さな中間層を介在させた3層構造とした繊維フィルタである。
本発明の第11の形態は、第1〜第10形態のいずれかにおいて、前記相関関係に基づいて決められる上限値と下限値から、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが設定される繊維フィルタである。
本発明の第12形態は、第11形態において、前記捕集率C及び前記圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的に前記繊維目付M又は前記繊維直径Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から前記上限値と前記下限値が導出される繊維フィルタである。
本発明の第13形態は、第11形態において、前記捕集率C及び前記圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的にM/Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から前記上限値と前記下限値が導出される繊維フィルタである。
本発明の第1の形態によれば、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、フィルタ繊維の素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが設定され、前記フィルタ繊維が生分解性材料から形成されているので、最適設計されたフィルタの繊維目付と繊維直径により、フィルタ動作特性及び構造特性の高品質化を図り、しかもフィルタ繊維が単一種の生分解性材料から形成され地球環境に優しい品質を具備する。従って、使用済みの繊維フィルタを廃棄したとき、フィルタ繊維材が土壌、水中等において生分解して自然環境に戻るため、日常的に発生するフィルタ廃棄物による環境汚染等の問題を生じず、しかも土壌等への還元により自然環境を介したリサイクル化を実現することができる。なお、本発明に係る繊維フィルタとしては、例えば、平面状、ブロック状又は積層状など、種々の形状を有する繊維フィルタを用いることができる。更に、本発明におけるフィルタ繊維は、例えば布糸や短繊維又は長繊維で構成される素材形態を有する。
本発明の第2の形態によれば、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、フィルタ繊維の素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが設定され、前記フィルタ繊維が複数種の生分解性材料から形成されているので、前記第1形態と同様に、最適設計されたフィルタの繊維目付と繊維直径により、フィルタ動作特性及び構造特性の高品質化を図り、しかもフィルタ繊維が複数種の生分解性材料から形成され地球環境に優しい品質を具備し、廃棄による環境汚染等の問題を生じず、土壌等への還元により自然環境を介したリサイクル化を実現することができる。特に、第2形態によれば、複数種の生分解性材料の使用により、各種材料の特性を複合的に利用できる適正な混合を行って、材料間の原料コスト格差を補うことも可能となる。
本発明の第3又は第4の形態によれば、前記生分解性材料が、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、脂肪酸ポリエステル、レーヨン繊維、デンプン、微生物多糖類のいずれか、もしくは少なくとも2種類からなるので、土壌、水中等における生分解性に優れたフィルタ繊維材を形成することができる。本発明における生分解性材料には、生分解性性質を具備した素材であれば、天然物から抽出された素材及び化学合成により製造された素材を使用でき、例えばレーヨン繊維について、天然レーヨン繊維又は化学合成レーヨン繊維を使用することができる。
繊維フィルタのフィルタ色は、その使用目的から、油付着等によって汚染の進行度合いを目視により判別でき、フィルタ交換時期を分かりやすくするために、白色系が最も好ましい。殊に、ポリ乳酸繊維の地色は白色であるため繊維フィルタに好適であり、しかも脱色のための漂白処理を行わなくて済み、本発明の第5の形態における30〜100dtexの繊維太さの太目のポリ乳酸フィルタ繊維を製造することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記第3又は第4の形態における前記ポリ乳酸繊維が、繊維フィルタに好適な白色系の材料特性を備え、30〜100dtexの繊維太さの太目のフィルタ繊維から前記繊維フィルタを構成するため、レンジフードファン又は換気扇による圧力損失が低く、かつ油捕集性能が高く、しかも使用後は土中に埋めることにより自己崩壊する繊維フィルタを実現することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記第3又は第4の形態における前記ポリ乳酸繊維が、繊維フィルタに好適な白色系の材料特性を備え、30〜100dtexの繊維太さの太目のフィルタ繊維から前記繊維フィルタを構成するため、レンジフードファン又は換気扇による圧力損失が低く、かつ油捕集性能が高く、しかも使用後は土中に埋めることにより自己崩壊する繊維フィルタを実現することができる。
レーヨン繊維の繊維色は、原料段階では黄色を帯びているため、フィルタ繊維として用いるには白色系にするための漂白処理を施す必要がある。しかし、レーヨン繊維の場合には、繊維太さを太くすると、漂白工程を長くする必要を生じて、脱色の過程で繊維質が劣化してしまう。そこで、本発明者が鋭意検討した結果、本発明の第6の形態に係るレーヨン繊維がフィルタ繊維材に好ましいことがわかった。即ち、本発明の第6の形態によれば、前記第3又は第4の形態における前記レーヨン繊維が5〜2dtexの細目の繊維太さのフィルタ繊維からなるため、脱色のための漂白処理を行なっても繊維質の劣化を生じず、繊維フィルタ色に好適な白色系の材料固有特性を備え、使用後は土中に埋めることにより自己崩壊する繊維フィルタを実現することができる。
本発明の第7の形態によれば、前記生分解性材料のフィルタ繊維間を結合させるバインダ剤を含有するので、例えば、短繊維あるいは長繊維のフィルタ繊維を用いたとき、フィルタ繊維間を結合させる割合をバインダ剤の添加量により調整して、油類や塵芥の捕集密度を適宜設定され、かつ生分解性を具備した繊維フィルタを提供することができる。
本発明の第8の形態によれば、前記難燃剤が含有されているので、難燃性を付与され、かつ生分解性を具備した繊維フィルタを実現することができる。
本発明の第9の形態によれば、前記繊維フィルタが単層構造であるため、簡単に製造でき、低価格化に寄与するフィルタ形態で、かつ生分解性を具備したを繊維フィルタを提供することができる。
本発明の第10の形態によれば、前記繊維フィルタが、密度の異なる2層を接合した2層構造、又は密度の大きな2層の表面層間に密度の小さな中間層を介在させた3層構造による多層フィルタ構造を備えるので、油類や塵芥の捕集性能に優れ、かつ生分解性を具備した繊維フィルタを提供することができる。
本発明の第11の形態によれば、前記相関関係に基づいて決められる上限値と下限値から、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが最適に設定され、フィルタ動作特性及び構造特性上、高品質化され、かつ生分解性を具備した繊維フィルタの提供が可能となる。本形態における前記相関関係は、例えば、第12の形態における前記繊維目付M又は前記繊維直径Dの線形関係あるいは、第13の形態におけるM/Dの1次関数の近似式で表現される。
本発明の第12の形態によれば、前記捕集率C及び前記圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的に前記繊維目付M又は前記繊維直径Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から前記上限値と前記下限値が導出されるので、フィルタ動作特性及び構造特性上、高品質化され、かつ生分解性を具備した繊維フィルタが提供される。
本形態における相関関係は、ファン運転時における油蒸気の捕集率C(%)及び繊維フィルタ前後の圧損ΔP(Pa)が、フィルタ設計範囲において、近似的に前記繊維目付M(g/m2)又は前記繊維直径D(μm)の1次関数で表現される。本発明におけるフィルタ設計範囲とは、フィルタとして通常に使用される設計量の範囲を意味し、例えば繊維目付M、繊維直径D、繊維種などの数値的・物性的範囲である。
本発明者等は、フィルタの動作特性(C、ΔP)が構造特性(M、D)と直接的に関係しているはずであると判断し、その一般関係式として、C=f(M)、C=f(D)、ΔP=f(M)、ΔP=f(D)を設定した。fは一般関数を意味する。その関数関係を最も単純な線形関係(直線関係)に帰着させることにより、本発明を完成するに到ったものである。即ち、動作特性である捕集率C又は圧損ΔPが、構造特性である繊維目付M又は繊維直径Dと、近似的に直線関係にあることを仮定して実験したところ、その近似的直線関係を実験データから確認したものである。この近似的直線関係の発見により、構造特性であるMとDを指定すれば、前記直線関係を用いて、直ちに動作特性であるCとΔPが導出できる。逆に、動作特性であるCとΔPを指定すれば、構造特性であるMとDを導出することができる。関数関係が直線関係であるから、前記逆算が極めて単純化される特徴がある。このように、本発明では、フィルタの動作特性(C、ΔP)と構造特性(M、D)との間に近似的直線関係が成立していることを利用して、(C、ΔP)から(M、D)の導出、及び(M、D)から(C、ΔP)の導出が極めて簡単になる効果が発現する。
繊維フィルタが有すべき油蒸気の捕集率C(%)をC0(%)以上に設計し、同時に繊維フィルタ前後の圧損ΔP(Pa)をΔP0(Pa)以下に設計することによって、繊維フィルタの構造特性を最適値に設計できる。即ち、繊維フィルタの特性として、捕集率Cは所定以上の能力が必要であり、同時に圧損ΔPも所定以下であることが要請される。繊維フィルタを高性能化するには、臨界値C0をより大きく設計し、ΔP0をより小さく設計することが重要になる。上述したように、動作特性(C、ΔP)から構造特性(M、D)を導出できるから、本形態によりCとΔPの臨界値C0及びΔP0を与えることによってMとDの臨界値M0及びD0を導出でき、繊維フィルタの構造特性を最適設計することが可能になる。
本形態において、繊維フィルタの繊維目付Mを具体的に設計する処理手段の一例として、前記1次関数を近似的にC=aM+b、ΔP=cM+dと表現したとき、a>0且つc>0であるから、CとΔPはMに関して増加関数になる。従って、C≧C0の条件によりMの下限値Mminが導出され、ΔP≦ΔP0の条件によりMの上限値Mmaxが導出される。従って、C0及びΔP0を与えることにより、Mmin≦M≦Mmaxの範囲が自動的に導出され、この範囲から適切に繊維フィルタの繊維目付Mを設計することが可能になる。C0大きくすればMminが大きくなり、ΔP0を小さくすればMmaxが小さくなり、Mmin≦M≦Mmaxの範囲が自動的に狭くなる。その結果、繊維目付Mを具体的に特定することが可能となる。
本発明の第13の形態によれば、前記捕集率C及び前記圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的にM/Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から前記上限値と前記下限値が導出されるので、フィルタ動作特性及び構造特性上、高品質化され、かつ生分解性を具備した繊維フィルタが提供される。
本発明者等は、フィルタの動作特性(C、ΔP)が構造特性(M、D)と直接的に関係しているはずであると判断し、別の解析を行った結果、MとDはM/Dと一体的に組み合わされ、M/Dを変数とするとの着想を得るに至った。その理由は以下のようである。質量Mが同一でも繊維直径Dが小さくなると、繊維表面積は大きくなるから、CやΔPは増加するはずである。また逆に、繊維直径Dが同一でも質量Mが大きくなると、繊維表面積は大きくなるから、CやΔPは増加するはずである。従って、CやΔPはM/Dを変数とし、その一般関係式として、C=f(M/D)、ΔP=f(M/D)を定立した。茲で、fは一般関数を意味し、その関数関係を最も単純な線形関係(直線関係)に帰着させることにより、本発明を完成するに到ったものである。しかも、本発明者等は前記関数関係を理論的に導出し、CやΔPがM/Dの1次関数になることを理論的に裏付け、この推論の正当性を確信するに至った。この理論を検証するため、動作特性である捕集率C又は圧損ΔPが、構造特性である繊維目付Mと繊維直径Dの組合せ変数M/Dと、近似的に直線関係にあることを仮定して実験したところ、その近似的直線関係を実験データから確認したものである。しかも、この近似的直線関係の発見は、構造特性であるMとDを指定すれば、前記直線関係を用いて、直ちに動作特性であるCとΔPが導出できる。逆に、動作特性であるCとΔPを指定すれば、直ちにM/Dを算出でき、構造特性M、Dを導出することが可能になる。関数関係が直線関係であるから、前記逆算が極めて単純化される特徴がある。このように、本発明では、フィルタの動作特性(C、ΔP)と構造組合特性M/Dとの間に近似的直線関係が成立していることを利用して、(C、ΔP)から(M、D)の導出、及び(M、D)から(C、ΔP)の導出が極めて簡単になる効果が発現する。
本実施形態において、繊維フィルタの繊維目付Mを具体的に設計する場合は、Dが一定として、前記1次関数を近似的にC=aM+b、ΔP=cM+eと表現でき、前記第10形態と同様に、a>0且つc>0であるから、CとΔPはMに関して増加関数になる。従って、C≧C0の条件によりMの下限値Mminが導出され、ΔP≦ΔP0の条件によりMの上限値Mmaxが導出される。従って、C0及びΔP0を与えることにより、Mmin≦M≦Mmaxの範囲が自動的に導出され、この範囲から適切に繊維フィルタの繊維目付Mを設計することが可能になる。C0大きくすればMminが大きくなり、ΔP0を小さくすればMmaxが小さくなり、Mmin≦M≦Mmaxの範囲が自動的に狭くなる。その結果、繊維目付Mを具体的に特定することができる。
また、繊維フィルタの繊維直径Dを具体的に設計する処理手段の一例として、Mが一定で前記1次関数を近似的にC=q/D+u、ΔP=s/D+tと表現したとき、q>0且つs>0であるから、CとΔPはDに関して減少関数になる。従って、C≧C0の条件によりDの上限値Dmaxが導出され、ΔP≦ΔP0の条件によりDの下限値Dminが導出される。従って、C0及びΔP0を与えることにより、Dmin≦D≦Dmaxの範囲が自動的に導出され、この範囲から適切に繊維フィルタの繊維直径Dを設計することが可能になる。C0大きくすればDmaxが小さくなり、ΔP0を小さくすればDminが大きくなり、Dmin≦D≦Dmaxの範囲が自動的に狭くなる。その結果、繊維直径Dを具体的に特定することができる。
本発明の実施形態に係る繊維フィルタは、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、繊維素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、繊維目付M及び繊維直径Dが設定され、フィルタ繊維が生分解性材料から形成されている繊維フィルタである。
本実施形態における生分解性品質を以下に説明する。
繊維フィルタを形成するフィルタ繊維は、単一種又は複数種の生分解性材料により形成される。フィルタ繊維には芯材に巻回して巻き取った形態により布帛加工に供される。また、短繊維又は長繊維に形成したフィルタ繊維形態により布帛加工に供し、網状や織布状のマット形態や不織布形態に加工するようにしてもよい。繊維フィルタの構造形態は、例えば、矩形状のフィルタマットが単層構造の繊維フィルタからなるもの、あるいは密度の異なる2層マットを接合した2層構造、又は密度の大きな2層の表面層間に密度の小さな中間層を介在させた3層マット構造によるものでもよい。前者の単層構造の場合には、繊維フィルタを簡単に製造でき、しかも低価格化に寄与する。後者の2層構造、又は3層構造による多層フィルタ構造の場合には、油類や塵芥の捕集性能に優れ、かつ生分解性を備えた繊維フィルタを実現できる。
繊維フィルタを形成するフィルタ繊維は、単一種又は複数種の生分解性材料により形成される。フィルタ繊維には芯材に巻回して巻き取った形態により布帛加工に供される。また、短繊維又は長繊維に形成したフィルタ繊維形態により布帛加工に供し、網状や織布状のマット形態や不織布形態に加工するようにしてもよい。繊維フィルタの構造形態は、例えば、矩形状のフィルタマットが単層構造の繊維フィルタからなるもの、あるいは密度の異なる2層マットを接合した2層構造、又は密度の大きな2層の表面層間に密度の小さな中間層を介在させた3層マット構造によるものでもよい。前者の単層構造の場合には、繊維フィルタを簡単に製造でき、しかも低価格化に寄与する。後者の2層構造、又は3層構造による多層フィルタ構造の場合には、油類や塵芥の捕集性能に優れ、かつ生分解性を備えた繊維フィルタを実現できる。
フィルタ繊維材に用いる生分解性材料には、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、脂肪酸ポリエステル、レーヨン繊維、デンプン、微生物多糖類のいずれか、あるいは2種類以上組み合わせたものを使用する。生分解性性質を具備した素材であれば、天然物から抽出された素材及び化学合成により製造された素材を使用できる。ポリ乳酸は主に植物原料から、ポリグルタミン酸は納豆菌等の原料から製造される。また脂肪酸ポリエステルは石油化学系原料から化学合成される高分子のうち、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)やポリカプロラクトン(PCL)等であり、微生物により分解される生分解性を有する。天然レーヨン繊維の場合には木材や木綿等の天然セルロースから、デンプンはとうもろこしや麦、米等の穀物等から製造される。微生物多糖類は例えば、酢酸菌の培養により得られるセルロースを原料とする。殊に、ポリ乳酸繊維の地色は白色であるため、油汚れ等の進行が視認しやすいフィルタ色に好適であり、しかも脱色のための漂白処理を行わなくて済む。本発明者の実験によれば、30〜100dtexの繊維太さの太目のポリ乳酸フィルタ繊維は、レンジフードファン又は換気扇による圧力損失が低く、かつ油捕集性能が高い繊維フィルタの製造が可能であることがわかった。
上記生分解性材料は、土壌、大気中や水中に含まれる微生物や酵素により分解されるので、使用済みの繊維フィルタを廃棄したとき、フィルタ繊維材が土壌、水中等において生分解して自然環境に戻るため、日常的に発生するフィルタ廃棄物による環境汚染等の問題を生じず、しかも土壌等への還元により自然環境を介したリサイクル化を実現することができる、地球環境に優しい品質を繊維フィルタに具備させることができる。しかも、これらの生分解性材料は繊維化あるいはフィルム化加工が可能であり、網状、フィルム状ないし織布等を用いる繊維フィルタの製造に適する。
フィルタ繊維材には、生分解性材料の繊維間を結合させるバインダ剤及び難燃剤が含有される。バインダ剤には、例えば、アクリル樹脂等を用いる。例えば、短繊維あるいは長繊維の繊維素間を結合させる場合には、バインダ剤をあらかじめ混合調整したり、フィルタ繊維材によって成形されたフィルタマットに吹き付けたりして、油類や塵芥の捕集密度を適宜設定した生分解性フィルタを形成することができる。また、一般的に生分解性材料は可燃性を有するため、例えばポリリン酸アンモニウムを主成分とした難燃剤を含有させて難燃性を具備させるのが好ましい。
以下の表1〜表3は2種類の生分解性材料(比重1.51の天然レーヨン繊維と比重1.27のポリ乳酸)の複合フィルタ材の適正配合を試験した結果を示す。
この試験では、天然レーヨン繊維とポリ乳酸のフィルタ繊維を織布化して編成したフィルタにおいて、フィルタの総目付量(g/m2)に対してフィルタ繊維の目付量を可変して行った。例えば、試料S1は、バインダー剤及び難燃剤が重量比60:40で配合され、それらの混合物が約46g含む、フィルタの総目付量181〜186(g/m2)の場合であり、更に、直径15デニール、長さ64mmの天然レーヨン繊維と、直径6デニールで、長さ51mmのポリ乳酸繊維が使用されている。また、上記バインダー剤及び難燃剤を適宜配合して、油捕集性能、ファン風速に対する圧力損失及び難燃性能を確認した。試料S1〜S6では、バインダー剤及び難燃剤上の配合比を60:40とし、試料S7〜S9では該混合比を50:50としている。即ち、試料S1〜S11は全目付量、バインダー剤及び難燃剤上の配合比、天然レーヨン繊維とポリ乳酸の配合比を変化させた場合である。天然レーヨン繊維には、直径15デニール、長さ64mmの繊維を、またポリ乳酸には、直径6、30、90デニールで、長さ51mmの繊維を使用した。なお、比較のために、長さ51mmで、直径150デニールと直径15デニールのナイロン混合繊維についても試験した(試料S8)。
上記の試験によれば、油付き燃焼テストにおいて、ポリ乳酸の割合が天然レーヨン繊維に比べて比較的大きい場合(試料S3〜S7における配合比70〜80)には難燃性能が劣る結果となった。しかし、表3の試料S10とS11に示すように、ポリ乳酸が配合比70の場合でも、難燃剤の含有量を少し増加させることにより(表1、2におけるバインダー剤及び難燃剤上の配合比60:40、50:50に対して、表3では40:60とした)、難燃性を向上させることができることがわかった。
油捕集性能、ファン風速に対する圧力損失に関する試験では、従来品に相当する試料S8と比較しても、複数の生分解性材料からなる複合フィルタ繊維材においても十分な油捕集性能と、圧力損失の低減化を実現でき、複合比率の調整により原料コストに応じたフィルタ繊維材を製造できる。本試験結果を総合すると、油捕集性能、ファン風速に対する圧力損失及び難燃性能等の諸特性の点で試料S10が実用上最も優れている。
なお、試料S9に示すように、直径30デニールと90デニールのポリ乳酸混在繊維でも良好なフィルタ機能結果を得た。単一種の生分解性材料だけでも良好なフィルタ機能を得ることはもちろんであるが、以上の試験では、2種類の生分解性材料の複合フィルタ繊維材を実現でき、各種材料の特性を複合的に利用して、特性上良好な混合を行うことにより、材料間の原料コスト格差を補うことが可能となる。また、試料S1〜S11のフィルタマット外観チェックにおいては、表面及びマットカット面いずれも良好な視認性を備えており実用に適する。
なお、試料S9に示すように、直径30デニールと90デニールのポリ乳酸混在繊維でも良好なフィルタ機能結果を得た。単一種の生分解性材料だけでも良好なフィルタ機能を得ることはもちろんであるが、以上の試験では、2種類の生分解性材料の複合フィルタ繊維材を実現でき、各種材料の特性を複合的に利用して、特性上良好な混合を行うことにより、材料間の原料コスト格差を補うことが可能となる。また、試料S1〜S11のフィルタマット外観チェックにおいては、表面及びマットカット面いずれも良好な視認性を備えており実用に適する。
また、別の試験によれば、特に、天然レーヨン繊維が、30〜100dtex(dtex:1g/10000m)の繊維太さで、少し太目の繊維素を用いて繊維フィルタを構成することにより、ファンによる圧力損失が低く、かつ油捕集性能が高く、しかも使用後は土中に埋めることにより自己崩壊する繊維フィルタを形成できることを確認した。更に、レーヨン繊維原料は黄色を帯びているため、フィルタ繊維として用いるには白色系にするための漂白処理を施す必要があるが、レーヨン繊維の場合には、繊維太さを太くすると、漂白工程を長くする必要を生じて、脱色の過程で繊維質が劣化してしまう。本発明者の実験によれば、レーヨン繊維が5〜2dtexの細目の繊維太さの場合には、脱色のための漂白処理を行なっても繊維質の劣化を生じず、繊維フィルタ色に好適な白色系の材料特性を具備にさせることができる。
図1は、上記構成に係る繊維フィルタ2(以下、繊維フィルタ2という)の模式構成図である。繊維フィルタ2は、上記生分解性材料により形成された繊維4からなる繊維フィルタであり、繊維間をバインダ剤により結合させ、繊維表面に難燃剤及び表面硬化剤を担持させて構成されている。表面硬化剤はリン酸グアニジン等であり、繊維脱落防止のためにフィルタ表面に担持される。繊維フィルタ2は織物、編物、不織布などからなる布帛であり、特に不織布が好適である。繊維のみからなる繊維フィルタの質量密度を繊維目付M(g/m2)と呼び、バインダ剤、難燃剤、表面硬化剤等のフィルタ機能物質質量を含めた質量密度を全体目付又は目付と云い、本発明では以下で繊維目付M(g/m2)を使用する。
以下に、生分解性材料により形成された、本実施形態に係る繊維フィルタおける繊維目付M及び繊維直径Dの設定手法を詳細に説明する。
[C又はΔPのM及びDに対する関数関係の理論的導出]
図2は繊維フィルタの運転動作状態図である。繊維フィルタ2はファン6の前方に配置され、レンジから放出される油分を含んだ空気は吸気7として前記ファン6の駆動により矢印方向に吸引され、排気9として矢印方向に大気中へと放出される。
[C又はΔPのM及びDに対する関数関係の理論的導出]
図2は繊維フィルタの運転動作状態図である。繊維フィルタ2はファン6の前方に配置され、レンジから放出される油分を含んだ空気は吸気7として前記ファン6の駆動により矢印方向に吸引され、排気9として矢印方向に大気中へと放出される。
図3は繊維フィルタを形成する繊維の形状図である。図3では、繊維フィルタ2を形成する全ての繊維4が接続されて直線状に一本で表現されている。繊維半径r、繊維直径D(茲でD=2r)、繊維長Lとすると、繊維円断面積はπr2、繊維円周は2πr、繊維断面積AはA=2rL、繊維円断面積を無視すると繊維表面積SはS=2πrLで表される。
繊維材料の質量密度をRで表すと、繊維目付MはM=πr2LRとなり、繊維目付Mが与えられたとき、繊維長LはL=M/(πr2R)と表現され、このLを用いて、前期繊維表面積Sと前記繊維断面積Aは次のようになる。
S=2πrL=2M/(rR)=4M/(DR) (1)
A=2rL=2M/(πrR)=4M/(πDR) (2)
吸気中の油分の捕集率Cは、油分が繊維の外周表面に付着捕集されるから、繊維表面積Sに比例するはずであり、比例定数n及び比例定数k(=4n)を用いて以下のように与えられる。
A=2rL=2M/(πrR)=4M/(πDR) (2)
吸気中の油分の捕集率Cは、油分が繊維の外周表面に付着捕集されるから、繊維表面積Sに比例するはずであり、比例定数n及び比例定数k(=4n)を用いて以下のように与えられる。
C=nS=n{4M/(DR)}=kM/(DR) (3)
従って、不定な切片を考慮すると、Cは理論的にM/Dの1次関数で表現されることが証明された。
従って、不定な切片を考慮すると、Cは理論的にM/Dの1次関数で表現されることが証明された。
繊維フィルタの前後に発生する圧損ΔPは、直感的にフィルタを構成する繊維による遮蔽断面積、即ち前記繊維断面積Aに比例すると考えられる。つまり、比例係数をNとすると、ΔP=NAとなるが、この仮定式は後述の理論により証明される。従って、圧損ΔPは、比例定数N及び比例定数K(=4N/π)を用いて以下のように書き表される。
ΔP=NA=N{4M/(πDR)}=KM/(DR) (4)
従って、不定な切片を考慮すると、ΔPも理論的にM/Dの1次関数で表現されることが証明された。
従って、不定な切片を考慮すると、ΔPも理論的にM/Dの1次関数で表現されることが証明された。
繊維直径Dと繊維密度Rが与えられる場合には、式(3)と(4)から、以下のように、CとΔPは繊維目付Mの1次関数になることが分かる。
C=aM+b (a、b:定数) (5)
ΔP=cM+e (c、e:定数) (6)
同様に、繊維目付Mと繊維密度R与えられる場合には、式(3)と(4)から、以下のように、CとΔPは繊維直径Dの双曲線関数になることが分かる。
ΔP=cM+e (c、e:定数) (6)
同様に、繊維目付Mと繊維密度R与えられる場合には、式(3)と(4)から、以下のように、CとΔPは繊維直径Dの双曲線関数になることが分かる。
C=q/D+u (q、u:定数) (7)
ΔP=s/D+t (s、t:定数) (8)
切片b、e、u、tは単純な前記理論式に切片だけの任意性を付加したものである。
ΔP=s/D+t (s、t:定数) (8)
切片b、e、u、tは単純な前記理論式に切片だけの任意性を付加したものである。
前述したΔP=NAを以下に証明しておく。この証明により、上記式群(4)〜(8)の正当性が裏付けられる。図4は圧損の理論式を導出する模式図である。S1は繊維フィルタのフィルタ面積、Aは前述した繊維断面積、S2(=S1−A)はフィルタの開口面積、P1は吸気圧力、P2は排気圧力、v1は吸気速度、v2は排気速度である。
フィルタの前後では、連続の法則により、S1v1=S2v2が成立する。この連続則から以下の式が導出される。
v1=S2v2/S1=(S1−A)v2/S1
=(1−A/S1)v2 (9)
他方、空気密度をYとすると、ベルヌーイの法則から、フィルタの前後で次式が成立する。
=(1−A/S1)v2 (9)
他方、空気密度をYとすると、ベルヌーイの法則から、フィルタの前後で次式が成立する。
P1+1/2Yv1 2=P2+1/2Yv2 2 (10)
P1>P2であるから、圧損ΔPはP1−P2で与えられる。式(10)と組み合わせると以下の式が得られる。
P1>P2であるから、圧損ΔPはP1−P2で与えられる。式(10)と組み合わせると以下の式が得られる。
ΔP=P1−P2=(1/2)Y(v2 2−v1 2) (11)
式(11)に式(9)を代入すると、次式になる。
式(11)に式(9)を代入すると、次式になる。
ΔP=(1/2)Yv2 2{1−(1−A/S1)2} (12)
A<<S1が成立するから、(1−A/S1)2は1−2A/S1となる。従って、式(12)は次式で与えられる。
A<<S1が成立するから、(1−A/S1)2は1−2A/S1となる。従って、式(12)は次式で与えられる。
ΔP=Yv2 2A/S1 (13)
Yv2 2/S1=N(定数)とすると、最終的に次式が成立し、目的式が証明された。
Yv2 2/S1=N(定数)とすると、最終的に次式が成立し、目的式が証明された。
ΔP=NA (14)
以下の実施例1〜4は、捕集率C及び圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的にM/Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から、繊維目付M又は繊維直径Dを設定するための上限値と下限値が導出される繊維フィルタ設計の場合である。
以下の実施例1〜4は、捕集率C及び圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的にM/Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から、繊維目付M又は繊維直径Dを設定するための上限値と下限値が導出される繊維フィルタ設計の場合である。
[実施例1:C=aM+bの導出とMminの決定]
39.3μmの繊維直径を有した生分解性繊維を用いて3種の繊維目付M(g/m2)を有した1層構造の平面状不織繊維フィルタを作製した。この繊維フィルタは、1辺30cm及び厚さ8mmの矩形フィルタで、前記繊維目付M(g/m2)は86、117、139の3種類であり、繊維同士を結合させるバインダ剤を夫々36、45、57(g/m2)だけ塗着して繊維フィルタを構成した。バインダ剤塗着後の繊維フィルタの全体目付(g/m2)は122、162、196になる。
39.3μmの繊維直径を有した生分解性繊維を用いて3種の繊維目付M(g/m2)を有した1層構造の平面状不織繊維フィルタを作製した。この繊維フィルタは、1辺30cm及び厚さ8mmの矩形フィルタで、前記繊維目付M(g/m2)は86、117、139の3種類であり、繊維同士を結合させるバインダ剤を夫々36、45、57(g/m2)だけ塗着して繊維フィルタを構成した。バインダ剤塗着後の繊維フィルタの全体目付(g/m2)は122、162、196になる。
前記3種の繊維フィルタの夫々をファンの前面にある矩形枠に装着した。その後、財団法人ベターリビングが2006年3月24日に公表している優良住宅部品性能試験方法書の換気ユニット(台所用ファン)に記載の方法に従って、油蒸気を発生させた。即ち、加熱したフライパンの上に、植物油50gと水160gを20分かけて徐々に滴下して油蒸気を連続的に生成した。前記20分の間、前記ファンを駆動して、油蒸気を繊維フィルタに通過させて油蒸気を捕集させた。この捕集実験を前記3種の繊維フィルタの夫々に対して行った。
油蒸気捕集後の繊維フィルタの重量を測定し、捕集前の繊維フィルタの重量を差し引いて、捕集された油蒸気重量を導出した。この捕集された油蒸気重量を油全重量50gと比較して、油蒸気の捕集率C(%)を算出した。その結果、繊維目付M(g/m2)が86、117、139に対して、捕集率C(%)は70.5、73.7、75.7になることが分かった。以上の実験から、捕集率C(%)と繊維目付M(g/m2)の座標点として、(M、C)=(86、70.5)、(117、73.7)、(139、75.7)の3点が得られた。
図5は、縦軸を捕集率C(%)、横軸を繊維目付M(g/m2)とした捕集率・繊維目付グラフである。前記3点の座標をプロットすると、ほぼ直線に乗ることが分かった。最小二乗法により回帰直線を決定すると、C=0.0984M+62.077が得られた。本発明者等の経験から、油蒸気の捕集率Cの臨界値C0は70%であることが要請されるから、上記直線式からM0=80.5(g/m2)が導出される。しかも、CはMに関して増加関数であるから、C≧C0の条件からM≧M0となり、M0はMの下限値Mminとなり、C0=70ではM≧Mmin=80.5(g/m2)が得られる。
繊維フィルタの高効率化のためにC0を70%より増大化すると、Mminの数値も増加する。従って、M≧Mminの条件から、繊維目付M(g/m2)の特定化が容易になる。この効果は、CがMに対して増加関数であることに依存している。
[実施例2:ΔP=cM+eの導出とMmaxの決定]
実施例1により作製した3種の繊維フィルタに関し、油蒸気の捕集動作における圧損ΔP(Pa)を測定した。その結果、繊維目付M(g/m2)が86、117、139の順に、圧損ΔP(Pa)は5.8、6.9、7.8になることが分かった。以上の測定から、圧損ΔP(Pa)と繊維目付M(g/m2)の座標点として、(M、ΔP)=(86、5.8)、(117、6.9)、(139、7.8)の3点が得られた。
実施例1により作製した3種の繊維フィルタに関し、油蒸気の捕集動作における圧損ΔP(Pa)を測定した。その結果、繊維目付M(g/m2)が86、117、139の順に、圧損ΔP(Pa)は5.8、6.9、7.8になることが分かった。以上の測定から、圧損ΔP(Pa)と繊維目付M(g/m2)の座標点として、(M、ΔP)=(86、5.8)、(117、6.9)、(139、7.8)の3点が得られた。
図6は、縦軸を圧損ΔP(Pa)、横軸を繊維目付M(g/m2)とした圧損・繊維目付グラフである。前記3点の座標をプロットすると、図1と同様に、ほぼ1次直線であることが分かった。最小二乗法による回帰直線は、ΔP=0.0376M+2.5483となる。油蒸気が効率的にフィルタを貫通して流通するために、圧損ΔPの臨界値ΔP0は10Paであることが望ましいから、上記直線式からM0=198.2(g/m2)が導出される。しかも、ΔPはMに関して増加関数であるから、ΔP≦ΔP0の条件からM≦M0となり、M0はMの上限値Mmaxとなり、ΔP0=10(Pa)ではM≦Mmax=198.2(g/m2)が得られる。
繊維フィルタの高効率化のためにΔP0を10Paより減少させると、Mmaxの数値も減少する。従って、M≦Mmaxの条件から、繊維目付M(g/m2)の特定化が容易になる。この効果は、ΔPがMに対して増加関数であることに依存している。
実施例1及び2から、捕集率Cと圧損ΔPが繊維目付Mの近似的増加直線であることが実験的に検証され、その結果、C≧C0とΔP≦ΔP0の条件から、Mmin≦M≦Mmaxが導出されることが分かった。一例として、C=0.0984M+62.077及びΔP=0.0376M+2.5483に対し、C≧70(%)とΔP≦10(Pa)の条件を適用すると、80.5≦M(g/m2)≦198.2の範囲が導出できる。このMの範囲を更に絞り込むためには、臨界値C0を大きくし、臨界値ΔP0を小さくすればよい。例えば、C0=75(%)にすると、Mmin=131.3(g/m2)となり、ΔP0=8(Pa)にすると、Mmax=145.0(g/m2)が得られる。従って、Mの範囲は131.3≦M(g/m2)≦145.0となり、範囲縮小が可能になる。このように、具体的な直線式に対し、C0とΔP0を可変に設定することにより、構造特性の一つである繊維目付Mの設計が可能になり、任意性を小さくしたMの設計が容易になることが証明された。
[実施例3:C=q/D+uの導出とDmaxの決定]
160(g/m2)の繊維目付を有した繊維フィルタを3種の繊維直径D(μm)を有した生分解性繊維により夫々形成して、3種類の1層構造式平面状不織繊維フィルタを作製した。この繊維フィルタは、1辺30cm及び厚さ8mmの矩形フィルタで、前記繊維直径D(μm)は20、30、40の3種類である。繊維同士を結合させるバインダ剤は夫々適量だけ塗着され、3種の繊維フィルタが構成された。
160(g/m2)の繊維目付を有した繊維フィルタを3種の繊維直径D(μm)を有した生分解性繊維により夫々形成して、3種類の1層構造式平面状不織繊維フィルタを作製した。この繊維フィルタは、1辺30cm及び厚さ8mmの矩形フィルタで、前記繊維直径D(μm)は20、30、40の3種類である。繊維同士を結合させるバインダ剤は夫々適量だけ塗着され、3種の繊維フィルタが構成された。
前記繊維直径Dが異なる3種の繊維フィルタの夫々が矩形枠に装着され、ファンの前面に配置された。50gの植物油が注入されたフライパンをレンジ上で加熱して油蒸気を生成した。前記ファンの駆動により、油蒸気を繊維フィルタに通過させ、植物油が全て蒸発するまで繊維フィルタに油蒸気を捕集させた。この捕集実験は前記3種の繊維フィルタの夫々に対して行なわれた。
油蒸気捕集後の繊維フィルタの重量を測定し、捕集前の繊維フィルタの重量を差し引いて、捕集された油蒸気重量を導出した。この捕集された油蒸気重量を油全重量50gと比較して、油蒸気の捕集率C(%)を算出した。その結果、繊維直径D(μm)が20、30、40に対して、捕集率C(%)は78.3、74.1、72.3になることが分かった。以上の実験から、捕集率C(%)と繊維直径D(μm)の座標点として、(D、C)=(20、78.3)、(30、74.1)、(40、72.3)の3点が得られた。
図7は、縦軸を捕集率C(%)、横軸を繊維直径D(μm)とした捕集率・繊維直径グラフである。前記3点の座標をプロットすると、ほぼ直線に乗ることが分かった。最小二乗法により回帰双曲線を決定すると、C=240/D+66.5が得られた。前述したように、油蒸気の捕集率Cの臨界値C0は70%であることが要請されるから、上記曲線式からD0=68.6(μm)が導出される。しかも、CはDに関して減少関数であるから、C≧C0の条件からD≦D0となり、D0はDの上限値Dmaxとなり、C0=70ではD≦Dmax=68.6(μm)が得られる。
繊維フィルタの高効率化のためにC0を70%より増大化すると、Dmaxの数値は減少する。従って、D≦Dmaxの条件から、繊維直径D(μm)の特定化が容易になる。この効果は、CがDに対して減少関数であることに依存している。
[実施例4:ΔP=s/D+tの導出とDminの決定]
実施例3により作製した3種の繊維フィルタに関し、油蒸気の捕集動作における圧損ΔP(Pa)を測定した。その結果、繊維直径D(μm)が20、30、40の順に、圧損ΔP(Pa)は8.7、7.3、6.8になることが分かった。以上の測定から、圧損ΔP(Pa)と繊維直径D(μm)の座標点として、(D、ΔP)=(20、8.7)、(30、7.3)、(40、6.8)の3点が得られた。
実施例3により作製した3種の繊維フィルタに関し、油蒸気の捕集動作における圧損ΔP(Pa)を測定した。その結果、繊維直径D(μm)が20、30、40の順に、圧損ΔP(Pa)は8.7、7.3、6.8になることが分かった。以上の測定から、圧損ΔP(Pa)と繊維直径D(μm)の座標点として、(D、ΔP)=(20、8.7)、(30、7.3)、(40、6.8)の3点が得られた。
図8は、縦軸を圧損ΔP(Pa)、横軸を繊維直径D(μm)とした圧損・繊維直径グラフである。前記3点の座標をプロットすると、図7と同様に、ほぼ双曲線であることが分かった。最小二乗法による回帰双曲線は、ΔP=73.3/D+4.9となる。油蒸気が効率的にフィルタを貫通して流通するために、圧損ΔPの臨界値ΔP0は10Paであることが望ましいから、上記双曲線からD0=14.3(μm)が導出される。しかも、ΔPはDに関して減少関数であるから、ΔP≦ΔP0の条件からD≧D0となり、D0はDの下限値Dminとなり、ΔP0=10(Pa)ではD≧Dmin=14.3(μm)が得られる。
繊維フィルタの高効率化のためにΔP0を10Paより減少させると、Dminの数値は増加する。従って、D≧Dminの条件から、繊維直径D(μm)の特定化が容易になる。この効果は、ΔPがDに対して減少関数であることに依存している。
実施例3及び4から、捕集率Cと圧損ΔPが繊維直径Dの近似的減少双曲線であることが実験的に検証され、その結果、C≧C0とΔP≦ΔP0の条件から、Dmin≦D≦Dmaxが導出されることが分かった。一例として、C=240/D+66.5及びΔP=73.3/D+4.9に対し、C≧70(%)とΔP≦10(Pa)の条件を適用すると、14.3≦D(μm)≦68.6の範囲が導出できる。このDの範囲を更に絞り込むためには、臨界値C0を大きくし、臨界値ΔP0を小さくすればよい。例えば、C0=74(%)にすると、Dmax=32.0(μm)となり、ΔP0=8(Pa)にすると、Dmin=23.6(μm)が得られる。従って、Dの範囲は23.6≦D(μm)≦32.0となり、範囲縮小が可能になる。このように、具体的な関数式に対し、C0とΔP0を可変に設定することにより、構造特性の一つである繊維直径Dの設計が可能になり、任意性を小さくしたDの設計が容易になることが証明された。
以下の実施例5、6は、捕集率C及び圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的に繊維目付M又は繊維直径Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から、繊維目付M又は繊維直径Dを設定するための上限値と下限値が導出される繊維フィルタ設計の場合である。
[実施例5:C=qD+rの導出とDmaxの決定]
150(g/m2)の繊維目付を有した繊維フィルタを3種の繊維直径D(μm)を有したガラス繊維により夫々形成して、3種類の1層構造式平面状不織繊維フィルタを作製した。この繊維フィルタは、1辺30cm及び厚さ8mmの矩形フィルタで、前記繊維直径D(μm)は20、30、40の3種類である。繊維同士を結合させるバインダ剤は夫々適量だけ塗着され、3種の繊維フィルタが構成された。
150(g/m2)の繊維目付を有した繊維フィルタを3種の繊維直径D(μm)を有したガラス繊維により夫々形成して、3種類の1層構造式平面状不織繊維フィルタを作製した。この繊維フィルタは、1辺30cm及び厚さ8mmの矩形フィルタで、前記繊維直径D(μm)は20、30、40の3種類である。繊維同士を結合させるバインダ剤は夫々適量だけ塗着され、3種の繊維フィルタが構成された。
前記繊維直径Dが異なる3種の繊維フィルタの夫々が矩形枠に装着され、ファンの前面に配置された。50gの植物油が注入されたフライパンをレンジ上で加熱して油蒸気を生成した。前記ファンの駆動により、油蒸気を繊維フィルタに通過させ、植物油が全て蒸発するまで繊維フィルタに油蒸気を捕集させた。この捕集実験は前記3種の繊維フィルタの夫々に対して行なわれた。
油蒸気捕集後の繊維フィルタの重量を測定し、捕集前の繊維フィルタの重量を差し引いて、捕集された油蒸気重量を導出した。この捕集された油蒸気重量を油全重量50gと比較して、油蒸気の捕集率C(%)を算出した。その結果、繊維直径D(μm)が20、30、40に対して、捕集率C(%)は78.5、76.1、75.1になることが分かった。以上の実験から、捕集率C(%)と繊維直径D(μm)の座標点として、(D、C)=(20、78.5)、(30、76.1)、(40、75.1)の3点が得られた。
図9は、縦軸を捕集率C(%)、横軸を繊維直径D(μm)とした捕集率・繊維直径グラフである。前記3点の座標をプロットすると、ほぼ直線に乗ることが分かった。最小二乗法により回帰直線を決定すると、C=−0.175D+81.75が得られた。前述したように、油蒸気の捕集率Cの臨界値C0は70%であることが要請されるから、上記直線式からD0=67.1(μm)が導出される。しかも、CはDに関して減少関数であるから、C≧C0の条件からD≦D0となり、D0はDの上限値Dmaxとなり、C0=70ではD≦Dmax=67.1(μm)が得られる。
繊維フィルタの高効率化のためにC0を70%より増大化すると、Dmaxの数値は減少する。従って、D≦Dmaxの条件から、繊維直径D(μm)の特定化が容易になる。この効果は、CがDに対して減少関数であることに依存している。
[実施例6:ΔP=sD+tの導出とDminの決定]
実施形態3により作製した3種の繊維フィルタに関し、油蒸気の捕集動作における圧損ΔP(Pa)を測定した。その結果、、繊維直径D(μm)が20、30、40の順に、圧損ΔP(Pa)は8.7、7.3、6.8になることが分かった。以上の測定から、圧損ΔP(Pa)と繊維直径D(μm)の座標点として、(D、ΔP)=(20、8.7)、(30、7.3)、(40、6.8)の3点が得られた。
実施形態3により作製した3種の繊維フィルタに関し、油蒸気の捕集動作における圧損ΔP(Pa)を測定した。その結果、、繊維直径D(μm)が20、30、40の順に、圧損ΔP(Pa)は8.7、7.3、6.8になることが分かった。以上の測定から、圧損ΔP(Pa)と繊維直径D(μm)の座標点として、(D、ΔP)=(20、8.7)、(30、7.3)、(40、6.8)の3点が得られた。
図10は、縦軸を圧損ΔP(Pa)、横軸を繊維直径D(μm)とした圧損・繊維直径グラフである。前記3点の座標をプロットすると、図9と同様に、ほぼ1次直線であることが分かった。最小二乗法による回帰直線は、ΔP=−0.095D+10.517となる。油蒸気が効率的にフィルタを貫通して流通するために、圧損ΔPの臨界値ΔP0は10Paであることが望ましいから、上記直線式からD0=5.4(μm)が導出される。しかも、ΔPはDに関して減少関数であるから、ΔP≦ΔP0の条件からD≧D0となり、D0はDの下限値Dminとなり、ΔP0=10(Pa)ではD≧Dmin=5.4(μm)が得られる。
繊維フィルタの高効率化のためにΔP0を10Paより減少させると、Dminの数値は増加する。従って、D≧Dminの条件から、繊維直径D(μm)の特定化が容易になる。この効果は、ΔPがDに対して減少関数であることに依存している。
実施形態5及び6から、捕集率Cと圧損ΔPが繊維直径Dの近似的減少直線であることが実験的に検証され、その結果、C≧C0とΔP≦ΔP0の条件から、Dmin≦D≦Dmaxが導出されることが分かった。一例として、C=−0.175D+81.75及びΔP=−0.095D+10.517に対し、C≧70(%)とΔP≦10(Pa)の条件を適用すると、5.4≦D(μm)≦67.1の範囲が導出できる。このDの範囲を更に絞り込むためには、臨界値C0を大きくし、臨界値ΔP0を小さくすればよい。例えば、C0=75(%)にすると、Dmax=38.6(μm)となり、ΔP0=8(Pa)にすると、Dmin=26.5(μm)が得られる。従って、Dの範囲は26.5≦D(μm)≦38.6となり、範囲縮小が可能になる。このように、具体的な直線式に対し、C0とΔP0を可変に設定することにより、構造特性の一つである繊維直径Dの設計が可能になり、任意性を小さくしたDの設計が容易になることが証明された。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明では、フィルタの動作特性(捕集率C、圧損ΔP)と構造特性(繊維目付M、繊維直径D)との間に近似的直線関係が成立していることを利用して、(C、ΔP)から(M、D)の導出、及び(M、D)から(C、ΔP)の導出が極めて簡単になる効果がある。従って、業務用及び家庭用の繊維フィルタの設計が極めて容易になり、科学工学的設計手法を初めて系統的に導入した繊維フィルタを社会及び家庭に提供することができる。これにより、油蒸気の捕集率C(%)をC0(%)以上に設計し、同時に繊維フィルタ前後の圧損ΔP(Pa)をΔP0(Pa)以下に設計することによって、繊維フィルタを構造特性を最適設計でき、繊維フィルタ業界だけでなく、レンジフードや換気扇から油汚れを排除して設備浄化作業の労力低減を実現することができる。しかも、使用済みの繊維フィルタを廃棄したとき、フィルタ繊維が土壌、大気中、水中等において生分解して自然環境に戻すことができて、日常的に発生するフィルタ廃棄物による環境汚染等の問題を生じず、土壌等への還元により自然環境を介したリサイクル化を実現することができる繊維フィルタを提供することが可能となる。
2 繊維フィルタ
4 繊維
6 ファン
7 吸気
9 排気
A 繊維断面積
D 繊維直径
L 繊維長
P1 吸気圧力
P2 排気圧力
r 繊維半径
S1 フィルタ面積
S2 フィルタ開口面積
v1 吸気速度
v2 排気速度
4 繊維
6 ファン
7 吸気
9 排気
A 繊維断面積
D 繊維直径
L 繊維長
P1 吸気圧力
P2 排気圧力
r 繊維半径
S1 フィルタ面積
S2 フィルタ開口面積
v1 吸気速度
v2 排気速度
Claims (13)
- レンジフード又は換気扇に装着される繊維フィルタにおいて、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、フィルタ繊維の素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが設定され、前記フィルタ繊維が生分解性材料から形成されていることを特徴とする生分解性繊維フィルタ。
- レンジフード又は換気扇に装着される繊維フィルタにおいて、ファン運転時における油蒸気の捕集率Cと繊維フィルタ前後の圧力損失ΔPとからなる繊維フィルタの動作特性因子と、フィルタ繊維の素材量のみから求められる繊維目付Mとその繊維直径Dとからなるフィルタ構造特性因子との相関関係に基づいて、所定の捕集率C及び圧力損失ΔPを満足するように、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが設定され、前記フィルタ繊維が複数種の生分解性材料から形成されていることを特徴とする生分解性繊維フィルタ。
- 前記生分解性材料が、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、脂肪酸ポリエステル、レーヨン繊維、デンプン、微生物多糖類のいずれかからなる請求項1に記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記複数種の生分解性材料が、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、脂肪酸ポリエステル、レーヨン繊維、デンプン、微生物多糖類のうち、少なくとも2種類からなる請求項2に記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記ポリ乳酸繊維が30〜100dtexの繊維太さのフィルタ繊維からなる請求項3又は4に記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記レーヨン繊維が5〜20dtexの繊維太さのフィルタ繊維からなる請求項3又は4に記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記生分解性材料のフィルタ繊維間を結合させるバインダ剤を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性繊維フィルタ。
- 難燃剤が含有された請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記繊維フィルタ構成を単層構造とした請求項1〜8のいずれかに記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記繊維フィルタ構成を、密度の異なる2層を接合した2層構造、又は密度の大きな2層の表面層間に密度の小さな中間層を介在させた3層構造とした請求項1〜8のいずれかに記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記相関関係に基づいて決められる上限値と下限値から、前記繊維目付M及び前記繊維直径Dが設定される請求項1〜10のいずれかに記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記捕集率C及び前記圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的に前記繊維目付M又は前記繊維直径Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から前記上限値と前記下限値が導出される請求項11に記載の生分解性繊維フィルタ。
- 前記捕集率C及び前記圧力損失ΔPがフィルタ設計範囲において近似的にM/Dの1次関数で表現され、その1次関数の相関関係から前記上限値と前記下限値が導出される請求項11に記載の生分解性繊維フィルタ。
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