JP3934247B2 - ひずみゲージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ひずみゲージに関し、特に組み合わせるひずみゲージの温度特性の整合性に優れたひずみゲージに関する。
【0002】
【従来の技術】
ひずみゲージは、抵抗体素子からなり、これにひずみが加わったとき、そのひずみ量に比例して抵抗値が変化する。計量器、圧力計などの計器にはこの性質を利用したひずみゲージからなる検知部が設けられている。ひずみゲージはニッケル銅合金にマンガンや鉄原子を少量加え、温度変化に対する抵抗値の変動を最小に抑えている。温度変化に対する抵抗値の変動を最小に抑えたとしても、ひずみゲージにはそれ自身独特の温度係数を持つことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常、ひずみゲージを用いて計量器などの検知部を構成する場合、製造されるひずみゲージを4個あるいは8個ランダムに組み合わせてブリッジ回路を形成し、このブリッジ回路を検知部としている。このブリッジ回路において個々のひずみゲージの抵抗温度係数がわずかに異なるとブリッジのバランスが温度変化で崩れ、温度による見かけの出力を出すこととなるため、温度による見かけの出力がでないようにブリッジ回路内に温度補正用回路を設けなければならない。
【0004】
本発明は、上述のような従来の技術的な不都合を解消しようとするもので、その目的は、ひずみの印加により抵抗値が変化するひずみゲージにおいて、ほぼ同じ抵抗温度係数をもつひずみゲージを的確に見いだすことが出来る様なひずみゲージを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の如き本発明の目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明では、ひずみの印加により抵抗値が変化する金属を圧延した金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージにおいて、前記金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージの本体を貼着した絶縁板上であって、該ひずみゲージの本体が前記金属圧延薄板から切り出された位置を表示した表示部を該ひずみゲージの本体に隣接して設けたことを特徴とするひずみゲージを提供する。
【0006】
請求項2に係る発明では、ひずみの印加により抵抗値が変化する金属を圧延した金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージにおいて、前記金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージの本体を貼着した絶縁板上であって、該ひずみゲージの本体が前記金属圧延薄板から切り出された位置を少なくとも金属圧延薄板の圧延方向に沿った列方向のアドレスで表示した表示部を該ひずみゲージの本体に隣接して設けたことを特徴とするひずみゲージを提供する。
【0007】
請求項3に係る発明では、ひずみの印加により抵抗値が変化する金属を圧延した金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージにおいて、前記金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージの本体を貼着した絶縁板上であって、該ひずみゲージの本体が前記金属圧延薄板から切り出された位置を金属圧延薄板の圧延方向に沿った列方向のアドレスと、圧延方向に対して直交する行方向のアドレスとで表示した表示部を該ひずみゲージの本体に隣接して設けたことを特徴とするひずみゲージを提供する。
【0008】
請求項4に係る発明では、上記請求項1ないし請求項3のうちの選択された何れか1つのひずみゲージであって、同一金属圧延薄板から切り出されたことを示すロット番号が表示されていることを特徴とするひずみゲージを提供する。
【0009】
請求項5に係る発明では、ひずみの印加により抵抗値が変化する金属を圧延した金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージを組み合わせたブリッジ回路を有するひずみ検出装置において、少なくとも金属圧延薄板の圧延方向に沿った列方向の切り出し位置アドレスが同じ表示の表示部を持った複数個のひずみゲージを組み合わせたブリッジ回路を有することを特徴とするひずみ検出装置を提供する。
【0010】
請求項6に係る発明では、前記請求項5の発明であって、ひずみゲージは同じ列方向の切り出しであって、互いに列方向に隣接しているひずみゲージであることを特徴とするひずみ検出装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
箔ひずみゲージは、抵抗温度係数を調節されたインゴットを圧延して形成した金属圧延薄板を張り付けた絶縁薄板の該金属圧延薄板上に同じひずみゲージパターンを数百枚焼き付け、フォトエッチングによりひずみゲージを形成し、後に形成されたひずみゲージは絶縁薄板ごと個々に切り離されて形成される。
【0012】
ひずみゲージはニッケル銅合金にマンガンや鉄原子を少量加え、温度変化に対する抵抗値の変動を最小に抑えているが、そのインゴットには原子の偏析が存在して、それが圧延された箔のすべての部分で必ずしも均一な抵抗温度係数を達成できない。図1は、圧延したニッケル銅合金薄膜の位置別による抵抗温度係数のばらつき状態を示した図表図である。図1において、帯状の圧延薄膜の圧延方向すなわち長手方向をY方向とし、巾方向をX方向とする。図1からわかるように、抵抗温度係数の分布は、圧延の長手方向であるY方向に対して比較的均等で、巾方向であるX方向に対してばらつきの大きいことがわかる。
【0013】
そこで、本発明においては、圧延されたニッケル銅合金薄板の面上の少なくともひずみゲージを形成するエリアに対してニッケル銅合金薄板面上の位置情報を表示させる表示部を設ける。たとえば、図2に示すように、ニッケル銅合金薄板1をマトリックス状に区切ってひずみゲージを形成するための区画2、2、・・・を形成する。そして、原点に位置する区画からX方向に向かって降羃順にローマ字のアドレスを付与し、Y方向に向かって昇羃順に数字のアドレスを付与する。アドレスの付与後、X方向のアドレスとY方向のアドレスの組み合わせで区画の位置を特定する。
【0014】
圧延されたニッケル銅合金薄板の面上にひずみゲージのパターンを焼き付ける場合、前記で特定された領域内にパターンを焼き付ける。図2において、一部の区画2内に焼き付けパターンを示し、3はひずみゲージ本体部分であり、4は引き出し端子部分である。この焼き付けの際、パターン形成の邪魔にならず、且つ本体部分3に隣接したスペースに前記アドレスをマークする。このマーク5は表示部であり、この表示部は、ひずみゲージの本体が金属圧延薄板から切り出される位置を表示するものである。このマーク5はひずみゲージパターンを選択エッチングで形成する際にも、またひずみゲージを切り離した後にも消失しないような、たとえば、レーザー焼き付け、あるいは選択エッチングなどの形成方法でマークする。ついで各区画2、2、2・・・の境界線部分を切り離して、単体のひずみゲージを制作する。
【0015】
切り離された後においても、各々のひずみゲージには、X方向とY方向のアドレスの組み合わせで、当該ひずみゲージが、圧延されたニッケル銅合金薄膜板面上の何れから切り出されたのかが明確に示されることとなる。また、1枚のニッケル銅合金薄板から得られたひずみゲージは1ロットのグループとして取り扱う。従って、マーク5の中にロット番号を追記しておく。
【0016】
図1からわかるように、抵抗温度係数の分布は、圧延の長手方向であるY方向に対して比較的均等であるから、上記1ロットのひずみゲージの中からY方向の同じ列を示すローマ字アドレスで、同じ文字を有するひずみゲージを選択し、さらにその中から行方向の位置を示す数字で隣接する数字のものを4個選択する。具体的にアドレスを述べれば、(A、1)、(A、2)、(A、3)、(A、4)のアドレスを持つものを選択する。
【0017】
これらのアドレスを持つひずみゲージは、同じかきわめて近い抵抗温度係数を持ったものであるから、これらのひずみゲージを用いてブリッジ回路を形成すると、温度変化に対してバランスが崩れないものが出来る。実際に、従来のひずみゲージで製作したブリッジ回路では、その殆どに温度補償回路を設けなければ、広い温度領域でバランスをとることが出来なかったが、本発明による同じロット内のひずみゲージでブリッジを組んでひずみ検出装置を作成したところ、その80%のブリッジで温度補償回路を設ける必要がなかった。
【0018】
上記実施の形態では、行方向のアドレス表示にローマ字を用い、列方向のアドレス表示に算用数字を用いたが、このような表示方法に限定する必要はない。たとえば、圧延の長手方向(列方向)上にあることを示す符号であること及び、同列上での存在位置を示す符号であれば、バーコード、2進数字、あるいはこれらの組み合わせなど、どのようなものであってもよい。
【0019】
以上、本発明を上述の実施の形態により説明したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形や応用が可能であり、これらの変形や応用を本発明の範囲から排除するものではない。
【0020】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に係る発明では、金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージの本体を貼着した絶縁板上であって、該ひずみゲージの本体が前記金属圧延薄板から切り出された位置を表示した表示部を該ひずみゲージの本体に隣接して設けたので、ひずみゲージが1個1個切り離された状態であっても表示部分をみればそのひずみゲージが金属圧延薄板のどの部分から切り離されたかが明確にわかるので、同じ抵抗温度係数を持ったひずみゲージを揃えようとするときは、表示部分の表示事項を参考とすればきわめて簡単に同じ抵抗温度係数を持ったひずみゲージのを揃えることが出来る。
【0021】
請求項2に係る発明では、同じ抵抗温度係数を持ったひずみゲージを揃えようとするときは、表示部分をみて、同じ圧延方向上に存在するもの同士を集めれば事足りる。
請求項3に係る発明では、同じ抵抗温度係数を持ったひずみゲージを揃えようとするときは、表示部分の同じ圧延方向上に存在し、かつ圧延方向に対して直交する行方向のアドレスで隣接するもの同士を集めればきわめて接近した抵抗温度係数を持ったものを揃えることが出来る。
【0022】
請求項4に係る発明では、表示部分に同じ金属圧延薄板から切り出されたことを示すロット番号が示されているので、ひずみゲージの大量生産で、複数ロットから切り出したひずみゲージが混在していても、同じロットのものを選択すればきわめて簡単に同じ抵抗温度係数を持ったひずみゲージのを揃えることが出来る。
【0023】
請求項5に係る発明では、ほぼ同じ抵抗温度係数を持ったひずみゲージでブリッジを組み立てることが出来るので、温度補償回路を持たないかあるいは少ない補償量で温度変化に対してバランスのとれたブリッジ回路を得ることが出来る。請求項6に係る発明では、ひずみゲージは同じ列方向の切り出しであって、互いに列方向に隣接しているひずみゲージを用いてブリッジ回路を形成しているので、請求項5による発明よりもさらにバランスのとれたブリッジ回路を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、圧延したニッケル銅合金薄膜の位置別による抵抗温度係数のばらつき状態を示した図表図である。
【図2】図2は、本発明の一実施の形態を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・・・ニッケル銅合金薄板
2・・・・・区画
3・・・・・本体部分
4・・・・・引き出し端子
5・・・・・マーク
Claims (6)
- ひずみの印加により抵抗値が変化する金属を圧延した金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージにおいて、
前記金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージの本体を貼着した絶縁板上であって、該ひずみゲージの本体が前記金属圧延薄板から切り出された位置を表示した表示部を該ひずみゲージの本体に隣接して設けたことを特徴とするひずみゲージ。 - ひずみの印加により抵抗値が変化する金属を圧延した金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージにおいて、
前記金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージの本体を貼着した絶縁板上であって、該ひずみゲージの本体が前記金属圧延薄板から切り出された位置を少なくとも金属圧延薄板の圧延方向に沿った列方向のアドレスで表示した表示部を該ひずみゲージの本体に隣接して設けたことを特徴とするひずみゲージ。 - ひずみの印加により抵抗値が変化する金属を圧延した金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージにおいて、
前記金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージの本体を貼着した絶縁板上であって、該ひずみゲージの本体が前記金属圧延薄板から切り出された位置を金属圧延薄板の圧延方向に沿った列方向のアドレスと、圧延方向に対して直交する行方向のアドレスとで表示した表示部を該ひずみゲージの本体に隣接して設けたことを特徴とするひずみゲージ。 - 前記ひずみゲージは、同一金属圧延薄板から切り出されたことを示すロット番号が表示されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちの選択された何れか1つのひずみゲージ。
- ひずみの印加により抵抗値が変化する金属を圧延した金属圧延薄板から切り出されたひずみゲージを組み合わせたブリッジ回路を有するひずみ検出装置において、
少なくとも金属圧延薄板の圧延方向に沿った列方向の切り出し位置アドレスが同じ表示の表示部を持った複数個のひずみゲージを組み合わせたブリッジ回路を有することを特徴とするひずみ検出装置。 - 前記ひずみゲージは同じ列方向の切り出しであって、互いに列方向に隣接しているひずみゲージであることを特徴とする請求項6に記載のひずみ検出装置。
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JP10148498A JP3934247B2 (ja) | 1998-04-13 | 1998-04-13 | ひずみゲージ |
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JP10148498A JP3934247B2 (ja) | 1998-04-13 | 1998-04-13 | ひずみゲージ |
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JPH11295014A JPH11295014A (ja) | 1999-10-29 |
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ID=14301997
Family Applications (1)
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JP10148498A Expired - Lifetime JP3934247B2 (ja) | 1998-04-13 | 1998-04-13 | ひずみゲージ |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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ATE461437T1 (de) * | 2004-01-27 | 2010-04-15 | Mettler Toledo Ag | Dehnmessstreifen mit feuchtigkeitsschutz durch inhomogene anorganische schicht auf glättender polymerschicht (ormocer) und schlitzanordnung |
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-
1998
- 1998-04-13 JP JP10148498A patent/JP3934247B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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