JP3933758B2 - 感光性樹脂組成物および感光性樹脂版 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水現像可能な感光性樹脂組成物及び樹脂版に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明は経時により現像不良や変色を起こさず、保存安定性に優れた水現像可能な感光性樹脂組成物及び樹脂版に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明でいう感光性樹脂版は、一定の厚さに成型された感光性樹脂組成物を2層のフィルムでサンドイッチしたもので、ネガフルムを介して感光させることによりレリーフを形成する凸版印刷用版作成用感光性樹脂版である。レリーフを得る方法(以下製版という)としては、感光性樹脂版にネガフィルムを密着させ、活性光を照射してネガフィルムを通して選択的に露光を行った後、未露光部を除去(以下現像という)してレリーフを形成する方法が一般的である。
【0003】
従来、フレキソ印刷には水性インキが使用されることが多いため、水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物は耐水性と水現像性の両立を確立しなければならず、そのために疎水性のユニットに親水性官能基を付加した化合物を使用することが行われている。(特開平03−206456号参照)
しかしながら、一方で経時における保存安定性が不十分であり、長期間の保存により版の現像不良を生じるなどの問題を有していた。これを解決するために酸化防止剤、熱劣化防止剤、2次酸化防止剤などの添加が行われているが、添加量が多いと感度低下をきたしたり、組成によっては保存安定性が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高い光重合反応性を有し、保存によって現像不良の生じることのない水現像可能な感光性樹脂組成物及び樹脂版を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、安定剤として請求項1に記載のリン系化合物とビス(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド(以下BBHS)および2−tert.−ブチル−6−(3−tert.−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート(以下BBHMMA)を含有してなる水現像可能な感光性樹脂組成物を調製することで上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本願は以下の発明を提供する。
【0007】
(1)(A)熱可塑性エラストマー 40〜90重量%、
(B)変性された共役ジエンモノマーユニットを持つ化合物 1〜40重量%、
(C)(メタ)アクリル酸エステルモノマー 1〜40重量%、
(D)光重合開始剤 0.1〜30重量%
を必須成分として含む水現像可能な感光性樹脂組成物100重量部に対して、
(E)安定剤として、モノイソデシルホスフェート、モノメチルアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、及びテトラキス(2,4−ジ−tert.−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジフォスフォナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を0.01〜3重量部、ビス(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィドを0.01〜3重量部、及び2−tert.−ブチル−6−(3−tert.−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートを0.01〜3重量部含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【0008】
(2)上記(1)の感光性樹脂組成物からなる感光層を有する感光性樹脂版。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる水現像可能な感光性樹脂組成物としては、公知の水現像可能な感光性樹脂化合物を用いることができるが、その組成は、一般に熱可塑性エラストマー、可塑剤、架橋性モノマー、光開始剤、安定剤、その他増感剤、界面活性剤、ゲル化剤等の添加剤からなり、水系処理液で現像可能なものである。
【0010】
このような水現像可能な感光性樹脂組成物としては、具体的には特開平03−206456号公報にみられるように、ポリマーとしてスルフォン酸基含有ポリウレタン、モノマーとしてポリブタジエンジオールマレイン化変性物、グリセリンモノメタクリレート、光開始剤として2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、安定剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールからなる感光性樹脂組成物等が挙げられる。
【0011】
ここでいう水系処理液は、水もしくは必要に応じて界面活性剤、消泡剤、分散剤、乳化剤、腐食抑制剤、腐敗防止剤、pH調整剤、水溶性溶剤等を添加した溶液をいい、水を50%以上含有する溶液である。
感光性樹脂版はポリマー成分と他の成分(具体的にはモノマー、可塑剤、光開始剤、安定剤、その他の添加剤等をいう。以下これらを総称してドープとする)とを混練して製造されるのが一般的である。よって安定剤のリン化合物とBBHSおよびBBHMMAをポリマー成分にまぶしたり混練したりして含有させる方法、もしくは、ドープに溶解させて含有させる方法をとることができる。また、その他にも溶媒に溶解させて乾燥させる方法や、バンバリミキサーやニーダーにて一気に混練する方法などをとることもできる。
【0012】
本発明で安定性を向上させる目的で使用されるリン系化合物としては、例えば、モノイソデシルホスフェート、モノメチルアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert.−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジフォスフォナイトが挙げられ、これらは単体でも、組み合わせて使用してもよい。
【0013】
これらのリン系化合物は、水現像可能な感光性樹脂組成物10重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜1重量部含有していることが望ましい。
BBHSの添加量は、水現像可能な感光性樹脂組成物10重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましくは0.1〜0.9重量部含有していることが望ましい。 また、BBHMMAの添加量は、水現像可能な感光性樹脂組成物10重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましくはBBHS添加量と同量であることが望ましい。
【0014】
これらの添加量は、少なすぎるとその効果が不足し、多すぎても一定以上の効果がみられなかったり、濁度低下を生じ光硬化時のネガ再現性に悪影響をおよぼすことになる。
また、驚くべきことにこれらのリン系化合物を用いると水現像性が向上する。具体的には1mm現像する時間が添加量によっては1/3以下にすることができる。
【0015】
水現像可能な感光性樹脂に用いられる熱可塑性エラストマー(40〜90重量部)としては、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー、スチレン・イソプレンブロックコポリマー、スチレン・ブタジエン・アクリル酸エステルコポリマーなどの熱可塑性エラストマー状ブロック共重合体、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどを例示することができる。
変性された共役ジエンモノマーユニットを持つ化合物(1〜40重量部)とは、ポリブタジエンやポリイソプレンなどにカルボン酸、スルフォン酸、リン酸などの親水性基を付加したものや、エステルやウレタン、アミドなどによる(メタ)アクリル酸などのエチレン性不飽和モノマーを導入したものなどを例示することができる。
【0016】
水現像可能な感光性樹脂組成物に用いられる(メタ)アクリル酸エステルモノマー(1〜40重量部)の例としては、アルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルキルポリオールポリ(メタ)アクリレートなどであり、具体的には、例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート、ノナメチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクロイルオキシエイルー2ーヒドロキソエチルーフタレート、2−(メタ)アクロイルオキシエチルー2ーヒドロキシプロピルーフタレート、1−(メタ)アクロイルオキシー2ーヒドロキシー3ーフェノキシプロパン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスー(メタ)アクロイルオキシエチルーヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリスー(メタ)アクロイルオキシエチルイソシアヌレートなどである。
【0017】
水現像可能な感光性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤(0.1〜30重量部)としては、公知の各種のものを用いることが出来るが、各種の有機カルボニル化合物、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。 この様なものの具体例としては、
1)下記一般式(1)で示されるベンゾイン、およびその誘導体であり具体的には、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどである。
【0018】
【化1】
【0019】
(式中のR1は水素原子又はメチル、エチル、イソプロピル、イソブチル等のアルキル基である)
2)下記一般式(2)で示されるフェニルケトン類であり、2,2ージメトキシー2ーフェニルアセトフェノンなどである。
【0020】
【化2】
【0021】
(式中のR2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、フェニル基、アルキルチオ基、モルフォリノ基等であり、それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい)
3)下記一般式(3)で示されるベンゾフェノン及びその誘導体であり、メチル−Oーベンゾイルベンゾエートなどがある。
【0022】
【化3】
【0023】
(式中のR6及びR7は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アミノ基等であり、それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい)
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤の添加量は0.1重量部未満であると、組成物全体の光硬化性が不十分になるし、30重量部を超えると光の透過が妨げられて表面のみの光硬化になり好ましくないので、この範囲で選ばれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
1)保存安定性加速試験
感光性樹脂版を90、110、140℃の各温度に保存して経時時間での現像速度の挙動を観察する。現像速度は水系処理液にて40℃での現像を行い1mm現像するための時間が2倍以上にのびた時点を現像不良化時間とした。
高い温度で試験することによって、長期間の保存安定性を短期間にてシュミレーションするものである。
実用的には90℃で72時間以上安定であることが望ましい。
水系処理液として、ホウ酸ソーダ 2部、オクチルフェノキシポリオキシエチレンエーテル 2部、水 100部を混合したものを用いた。
2)感度測定
感光性樹脂版の接着剤層を有するPETフィルム側から露光を行い水系処理液にて未硬化樹脂を現像処理した後、硬化部分の厚みを測定してその厚みにより感度への影響を測定した。具体的には比較例1と比較して、硬化厚みが2割以上少なくなったものを×、同じか2割未満の低下のものを○、より厚くなったものを◎とした。
露光に用いたランプは370nmにピーク波長をもつ近紫外線ランプを用いた。水系処理液として、ホウ酸ソーダ 2部、オクチルフェノキシポリオキシエチレンエーテル 2部、水 100部を混合したものを用いた。
3)濁度測定
感光性樹脂組成物をPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い、3mm厚みの板状にした。それをCOLOR AND COLOR DIFFERENCE METER(日本電色工業株式会社製 MODEL NDH-1001DP)を用いて濁度の測定を行った。具体的には比較例1と比較して、濁度が20%以上低下したものを×、同じか20%未満のものを○、より向上したものを◎とした。
【0025】
(参考例1)
(1)スルホン酸基含有ポリウレタンの合成
かきまぜ機、窒素導入口及び流出管を取り付けた1,000mlセパラブルフラスコに、スルホイソフタル酸ナトリウムジメチルエステル296g、エチレングリコール310g、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミルアミド)[IRGANOX1098:チバガイギー製]0.43g、酢酸亜鉛0.43gを仕込み、窒素雰囲気中において、200℃で5時間反応させた後、減圧下で未反応のエチレングリコールを留去して末端に水酸基を有する淡黄色のスルホン酸基含有ポリエステルジオールを得た。このものの数平均分子量は水酸基価の測定より492であった。
【0026】
かきまぜ機、窒素導入口及び流出管を取り付けた3,000mlセパラブルフラスコに上記スルホン酸基含有ポリエステルジオール39.9g、数平均分子量2,439の両末端に水酸基を有するポリイソプレンジオール[出光石油化学製]377.7g、オクチル化ジフェニルアミン[NOCRAC AD:大内新興化学製]1.4gを仕込んだ後、ジメチルアセトアミド1000gと2−クロルトルエン1000gを加えて110℃で均一溶液とした。
【0027】
次にジブチルチンジラウレート0.11gとスタナウスオクトエート0.34gを添加し、更にキシリレンジイソシアナート43.1gを滴下しながら110℃で3時間反応させた後、ジメチルアセトアミドと2−クロルトルエンを減圧留去して均一透明なスルホン酸基含有ポリウレタンを得た。
(2)感光性樹脂組成物の作成
(1)で得たスルホン酸基含有ポリウレタン49.5gを窒素雰囲気下、150℃で加圧ニーダーを用いて、スチレン・イソプレンブロックコポリマー[カリフリックスTR1107:シェル化学製]20g{スチレン・イソプレンブロックコポリマー/スルホン酸基含有ポリウレタン重量比(以下(A)重量比と略す)=40.4/100}、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g{(A)+(B)重量比=2.9/100}、ポリブタジエンジアクリレート[BAC−45:大阪有機化学製]5g、脂肪族ジアクリレート[C−2000:サートマー製]1g、ジオクチルフマレート2g{以上エチレン性不飽和化合物の合計に対し(A)+(B)の重量比=11.5/100}、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン2g{(A)+(B)重量比=2.9/100}、マレイン化変性ポリブタジエン[ME−1000−80:日本石油化学製]10g、N−エチルトルエンスルホンアミド7.5g、2,2−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1gと混練して均一透明な感光性樹脂組成物を得た。
【0028】
(参考例2)
(1)溶媒溶解性試験
樹脂版の保存安定性評価では時間が非常にかかるために簡便な評価法として保存安定性評価結果と相関がとれる溶媒溶解性試験の結果を参考例として示す。
参考例1の感光性樹脂組成物
サンプルを140℃の窒素雰囲気下において、一定時間毎に取り出し溶媒への溶解性を試験する。溶媒はo-クロロトルエン/N,N-ジメチルアセトアミド=1/1重量比混合溶媒を用い、サンプル濃度は0.5%conc.として試験を行い、溶媒に不溶化した時点をゲル化時間とした。
(2)参考例1の感光性樹脂組成物100部にビス(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド(以下BBHS)と、2−tert.−ブチル−6−(3−tert.−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート(以下BBHMMA)もしくは他の安定剤を表1に示す配合でニーダーを用いて混練した。得られた感光性樹脂組成物の溶媒溶解性試験結果を表1に示した。表1より明らかにBBHSとBBHMMAの効果がわかる。
【0029】
【実施例1】
参考例1の感光性樹脂組成物100部にモノイソデシルホスフェート(以下MIDP)0.3部、ビス(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド(以下BBHS)0.6部、2−tert.−ブチル−6−(3−tert.−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート(以下BBHMMA)0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
接着剤層はタフプレン912(旭化成工業株式会社製)14.3部トリメチロールプロパン(1モル)の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(3モル)付加物0.6部を酢酸エチル38部、テトラヒドロフラン38部、酢酸セロソルブ24部に溶解させ、ナイフコーターを用いて乾燥後の塗布量が約9g/m2となるように塗布されたものを用いた。(以下同様)
粘着防止層はポリビニルアルコール(KH−17日本合成化学株式会社製)4部を水35部、イソプロピルアルコール15部に溶解させ、ナイフコーターを用いて乾燥後の塗布量が約2g/m2となるように塗布されたものを用いた。(以下同様)
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が望ましい実用レベルと推定される90℃×72時間をこえていることがわかる。また、現像時間が比較例1の半分の速度まで向上している。
【0030】
【実施例2】
参考例1の感光性樹脂組成物100部にモノイソデシルホスフェート(以下MIDP)0.3部、ビス(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド(以下BBHS)0.4部、2−tert.−ブチル−6−(3−tert.−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート(以下BBHMMA)0.4部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が望ましい実用レベルと推定される90℃×72時間をこえていることがわかる。また、現像時間が比較例1の半分の速度まで向上している。
【0031】
【実施例3】
参考例1の感光性樹脂組成物100部にビス(2−メタアクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(以下BMOAP)0.5部、BBHS0.6部、BBHMMA0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が望ましい実用レベルと推定される90℃×72時間をこえていることがわかる。また、現像時間が比較例1の半分の速度まで向上している。
【0032】
【実施例4】
参考例1の感光性樹脂組成物100部にモノ(2−メタアクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(以下MMOAP)0.5部、BBHS0.6部、BBHMMA0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が望ましい実用レベルと推定される90℃×72時間をこえていることがわかる。また、現像時間が比較例1の半分の速度まで向上している。
【0033】
【実施例5】
参考例1の感光性樹脂組成物100部にモノメチルアシッドホスフェート(以下MMAP)0.3部、ジメチルアシッドホスフェート(以下DMAP)0.3部、BBHS0.6部、BBHMMA0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が望ましい実用レベルと推定される90℃×72時間をこえていることがわかる。また、現像時間が比較例1の1/3の速度まで向上している。
【0034】
【実施例6】
参考例1の感光性樹脂組成物100部にモノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(以下MAOAP)0.5部、BBHS0.6部、BBHMMA0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が望ましい実用レベルと推定される90℃×72時間をこえていることがわかる。また、現像時間が比較例1の半分の速度まで向上している。
【0035】
【実施例7】
参考例1の感光性樹脂組成物100部にビス(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(以下BAOAP)0.5部、BBHS0.6部、BBHMMA0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が望ましい実用レベルと推定される90℃×72時間をこえていることがわかる。また、現像時間が比較例1の半分の速度まで向上している。
【0036】
【実施例8】
参考例1の感光性樹脂組成物100部にモノ(2−メタアクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(以下MMOAP)0.3部、ビス(2−メタアクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(以下BMOAP)0.3部、BBHS0.6部、BBHMMA0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が望ましい実用レベルと推定される90℃×72時間をこえていることがわかる。また、現像時間が比較例1の1/3の速度まで向上している。
【0037】
(比較例1)
参考例1の感光性樹脂組成物100部にBBHS0.6部、BBHMMA0.6部を接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性がきわめて短い。
【0038】
(比較例2)
比較例1の感光性樹脂組成物100部にトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(スミライザーP−16住友化学工業株式会社製)0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
【0039】
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が比較例1と変わらず短い。
(比較例3)
比較例1の感光性樹脂組成物100部にペンタエリスリチルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)(スミライザーTP−D住友化学工業株式会社製)0.6部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が比較例1と変わらず短い。
【0040】
(比較例4)
参考例1の感光性樹脂組成物100部にモノイソデシルホスフェート(以下MIDP)0.3部をニーダーを用いて混練し、接着剤層を有するPETフィルムと粘着防止層が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い3mm厚みの感光性樹脂版を得た。
このようにして得られた感光性樹脂版を評価した結果を表3に示した。表3からわかるように、保存安定性が比較例1よりも短い。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】
本発明の水現像可能な感光性樹脂組成物は、特定の安定剤を含有することによって、熱による着色、ゲル化が抑制され、保存安定性に優れ、光重合反応を阻害することのない水現像可能な感光性樹脂組成物及び樹脂版を提供することができる。
Claims (2)
- (A)熱可塑性エラストマー 40〜90重量%、
(B)変性された共役ジエンモノマーユニットを持つ化合物 1〜40重量%、
(C)(メタ)アクリル酸エステルモノマー 1〜40重量%、
(D)光重合開始剤 0.1〜30重量%
を必須成分として含む水現像可能な感光性樹脂組成物100重量部に対して、
(E)安定剤として、モノイソデシルホスフェート、モノメチルアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、及びテトラキス(2,4−ジ−tert.−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジフォスフォナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を0.01〜3重量部、ビス(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィドを0.01〜3重量部、及び2−tert.−ブチル−6−(3−tert.−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートを0.01〜3重量部含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 請求項1記載の感光性樹脂組成物からなる感光層を有する感光性樹脂版。
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