JP3933744B2 - 歯科矯正器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、歯科矯正器具に関し、特に、固定下顎弓拡張器具(以下、「下顎拡張器具」又は「拡張器具」又は単に「器具」とも称する)及び固定上顎弓拡張器具(以下、「上顎拡張器具」又は「拡張器具」又は単に「器具」とも称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
小児歯科矯正医は、しばしば、未萠出の下顎切歯が生えてくるためのスペースを確保し、歯列弓の幅が狭い(弓型間間隔即ち歯列弓の左右の弓型と弓型の間の間隔が狭い)場合に歯列弓の犬歯間距離を増大させることや、第1臼歯から第1臼歯までの下顎歯列弓(単に「下顎弓」とも称する)の利用可能な弓長を全体的に増大させるように下顎第1臼歯を遠心変位させる(外方へ離れる方向に変位させる)ことを必要とする。それに対応して、更に、歯科矯正医は、口蓋を拡張させることを必要とする場合もある。又、叢生を排除するために永久歯を抜歯しなければならないこともしばしばある。
【0003】
下顎弓拡張器具及び上顎弓拡張器具は、斯界において周知であるが、従来の下顎弓拡張器具は、サイズが大きく、舌の運動を阻害し、着用すると不快感があり、良好な口腔衛生を阻害するという欠点がある。一方で、そのような器具は、咬み合わせるときに生じるトルク作用やてこ作用に抵抗することができるように十分な構造的強度を有していなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特に成長中の子供の幅の狭い下顎弓又は上顎弓を拡張し、かつ、下顎弓又は上顎弓の弓長を伸長させるための下顎弓拡張器具を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、叢生を排除するために永久歯を抜歯する必要性を回避する下顎又は上顎弓拡張器具を提供することである。
【0006】
本発明の更に他の目的は、成長中の子供の上顎弓及び口蓋を拡張するための上顎弓拡張器具を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、器具(下顎又は上顎弓拡張器具)を所定位置にセメントで固定する前に所望の張力に設定することができる下顎又は上顎弓拡張器具を提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、所定位置にセメントで固定する前に容易に調節することができる上顎弓拡張器具を提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、構造的に細身であり、着用感が快適で、口腔衛生上良好な下顎又は上顎弓拡張器具を提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、咬み合わせるときに生じるトルク作用やてこ作用に抵抗することができる下顎又は上顎弓拡張器具を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、歯肉組織によって支持される部品がなく、歯肉にぶつかることがなく、舌の運動を妨害することがない下顎又は上顎弓拡張器具を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、犬歯間弓長を伸展発育させるための左右弓型間(歯列弓の左右弓型の間に配置された)ねじジャッキ組立体(弓型間拡張器)と、臼歯を遠心変位させ、下顎両尖歯領域における弓長の伸展を促進するためのばね押しされた左右両側側方入れ子式ロッド−チューブ組立体とを有する下顎弓拡張器具又は上顎弓拡張器具(総称して「歯科矯正器具」又は単に「器具」とも称する)を提供する。本発明の器具は、器具を安定化し所定位置に固定するために器具の各コーナーに1本づつ設けられて特定の歯に取り付けられるようになされた4本の歯科矯正バンドを有する。詳述すれば、器具は、2本の第1大臼歯矯正バンドによって下顎弓に固定され、2本の両尖歯矯正バンドによって下顎の脱落性第1臼歯に固定される。左右弓型間ねじジャッキ組立体(以下、「ねじジャッキ組立体」又は単に「ねじジャッキ」とも称する)は、2本の前方歯科矯正バンドの間に配置される。ねじジャッキを適時に作動させることによって下顎弓の側方伸展を促進することができる。
【0013】
歯科矯正医は、上記ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体のばね圧縮度を測定することにより所望の張力を予備設定することができる。この入れ子式ロッド−チューブ組立体は、近心−遠心弓長を伸展発育させる働きをする。入れ子式ロッド−チューブ組立体に追加の支持を与えるために各チューブに咬合側控えが設けられる。
【0014】
変型実施形態においては、上記左右弓型間ねじジャッキ組立体の代りに、第3の入れ子式ロッド−チューブ組立体が、2本の前方歯科矯正バンドの間に延設される。この第3の入れ子式ロッド−チューブ組立体も、そのばね張力を予備設定することができる。
【0015】
又、本発明は、本発明の上記下顎弓拡張器具に組合せて使用するためのものとして、1対のばね押しロッド−チューブ組立体を有する新規な上顎口蓋拡張器具を提供する。
【0016】
他の変型実施形態として、上記歯科矯正バンドを成形(モールド)されたパラタルプレートの分割された各セグメントに連結し、パラタルプレートのそれらのセグメント間に上記ねじジャッキ又はばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体を介設することができる。
【0017】
本発明の下顎器具は、未萠出の下顎切歯が生えてくるためのスペースを確保し、狭い弓型間間隔のために犬歯間距離を増大させるのに使用され、又、第1臼歯から第1臼歯までの下顎歯列弓の利用可能な弓長を全体的に増大させるように下顎第1臼歯を遠心変位させるのに使用される。この下顎器具は、上記新規な上顎口蓋拡張器具によって上顎骨を伸展発育させている間、上下の弓型を調和された状態に維持するために下顎弓を拡張する必要がある場合、該上顎口蓋拡張器具と連携して用いられる。この下顎器具は、拡張操作中接合ブラケットを追加し、弓係合ワイヤを設置することを可能にすることによって下顎弓の拡張と同時に下顎切歯の整列を達成することができる。
【0018】
本発明の下顎器具は、完全に歯だけによって支持されるものであり、4本のバンドと4コーナーの構造により、安定しており、トルク作用に抵抗することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の下顎拡張器具は、総体的に符号1で示される。器具1は、図1では下歯の慣用の歯科モールドMに装着された状態で示され、図2では人の歯に装着された状態で示されている。
器具1は、1対の互いに離隔した前方歯科矯正バンド(以下、単に「バンド」とも称する)3,5を有する。バンド3及び5は、通常、慣用の両尖歯用バンドであり、それぞれ対応する下顎の脱落性第1臼歯に取り付けられるようになされている。詳述すれば、バンド3及び5は、それぞれのバンドの舌側側面に一体に形成されたボス6及び7を有しており、各ボス6,7は、後述する他の部品を付設するための相当大きな金属体を構成する。
【0020】
バンド3と5とは、下顎弓の左右弓型の中間に位置する左右弓型間ねじジャッキ組立体8の形とした弓型間拡張器によって相互に連結されている。ねじジャッキ組立体8は、第1金属ブロック9と第2金属ブロック11を有している。第1ブロック9には、3つの側方貫通孔13,15,17が形成され、同様に、第2ブロック11にも、3つの側方貫通孔13’,15’,17’が形成されている。孔13,15,17は、それぞれ対応する孔13’,15’,17’に水平方向に整列している。孔13及び13’に第1心合せピン19が挿通され、孔17及び17’に第2心合せピン21が挿通されている。各ピン19,21は、ブロック9及び11を後述するようにそれらのピンに沿って摺動させることができるように、それぞれの孔の直径に比して僅かに小さい外径を有する。
【0021】
孔15,15’はねじ孔であり、それらのねじ孔15,15’にねじ23が螺合されている。ねじ23は、互いに反対向きのねじを刻設された両端部を有している。即ち、ねじ23の、ねじ孔15に螺合する側の端部には、ねじ23の、ねじ孔15’に螺合する側の端部とは反対向きのねじが刻設されている。又、ねじ23は、その互いに反対向きのねじを刻設された両端部の間の中間部に穿設された少くとも1つの横穴25を有している。穴25は、ねじ23を回すための小工具を挿入するための穴である。かくして、ねじ23を一方向に回すと、ブロック9と11が互いに引き離され、ねじ23を他方向に回すと、ブロック9と11が互いに引き寄せられる。その際、ブロック9及び11は、心合せピン19,21上を摺動し、心合せピン19,21はねじジャッキ組立体8を安定化させる働きをする。
【0022】
ボス6とブロック11の間、及びボス7とブロックの間にそれぞれ第1湾曲アーム27及び第2湾曲アーム29が延長している。これらの湾曲アームは、患者の歯に係合するように適当な長さと曲率を有するものとすることができる。製造に当っては、モールドMを慣用の方法で成形し、湾曲アーム27,29を適当な長さ及び曲率となるように製造する。次いで、アーム27,29を対応するボス7,6と、ねじジャッキ組立体8にはんだ付けする。
【0023】
ボス6及び7には、それぞれ第1ロッド31及び第2ロッド33が付設されている。これらのロッドは、その重量を軽くするために中空であってもよく、あるいは、中実であってもよい。先に述べたように、ロッド31,33をそれぞれのボス6,7に取り付ける正確な位置と、それぞれのボスから延長させる角度は、その特定の患者の条件(口の形状等)及び要件に応じて決められる。アーム27とロッド31とは、アーム部分を適当に湾曲させた一体部片としてもよく、あるいは、それぞれ別個の部片としてもよい。アーム29とロッド33についても同様である。
【0024】
器具1は、又、1対の互いに離隔した後方歯科矯正バンド(以下、単に「バンド」とも称する)40,42を有する。バンド40及び42は、通常、大臼歯用バンドであり、使用においては、それぞれ対応する下顎第1(永久)大臼歯に取り付けられるようになされている。詳述すれば、バンド40及び42は、それぞれのバンドの舌側側面に一体に形成されたボス44及び46を有しており、ボス44,46には、それぞれ、後述するようにロッド31,33を摺動自在に進退させる内孔を有する中空チューブ48,50が付設されている。
【0025】
チューブ48,50には、それからそれぞれ垂直に突出した短ワイヤ52,54が付設されている。各短ワイヤ52,54は、頬側に突出しており、咬合控え又は支えとして機能する。詳述すれば、短ワイヤ52,54は、それぞれ対応する脱落性第2臼歯の舌側咬合溝に対応する左右対称位置でそれぞれのチューブ48,50にはんだ付けされ、チューブに追加の支持と安定性を付与するようになされている。
【0026】
前方対の歯科矯正バンド3,5と後方対の歯科矯正バンド40,42とは、臼歯の遠心変位と、弓長の伸展を促進するために、後述するように1対のばね押しされた入れ子式ロッド−チューブ組立体によって連結されている。一方のばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体は、上述したロッド31と、ロッド31を摺動自在に、即ち入れ子式に(抜差し自在に)受容するチューブ48と、ロッド31の外周に嵌挿されボス6とチューブ48の自由端との間に固定されたコイルばね55から成る。同様に、他方のばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体は、上述したロッド33と、ロッド33を入れ子式に受容するチューブ50と、ロッド33の外周に嵌挿されボス7とチューブ50の自由端との間に固定されたコイルばね57から成る。コイルばね55,57の径は、対応するチューブ48,50の自由端に衝接するように、即ち、チューブに被さって摺動することがないように決められる。かくして、各コイルばねは、前方歯科矯正バンド3,5を対応するチューブ48,50から離れる方向に付勢する働きをする。
各コイルばね55,57は、所定の(予め設定された)張力を有する。ばねの所定張力は、両尖歯領域における適正な近心−遠心弓長の伸展発育を達成することができるように歯科矯正医が選択する。
【0027】
図7〜9は、本発明の変型実施形態による歯科矯正器具60を示す。器具60は、1対の互いに離隔した前方歯科矯正バンド62,64を有する。バンド62及び64は、それぞれのバンドの舌側側面に一体に形成されたボス66及び68を有している。ボス66からチューブ70が突出し、ボス68からロッド72(図9参照)が突出している。チューブ70及びロッド72をそれぞれのボスから突出させる角度は、患者の口の形状に応じて決められる。ロッド72は、チューブ70に摺動自在に、即ち入れ子式に受容される。ロッド72の外周にコイルばね74が嵌挿され、ボス68とチューブ70の自由端との間に固定されている。コイルばね74の径は、チューブ70の自由端に衝接するように、即ち、チューブに被さって摺動することがないように決められる。かくして、コイルばね74は、バンド62をバンド64から引き離す方向に付勢する働きをする。コイルばね74は、前方犬歯間間隔(幅)を拡張するために臼歯と臼歯の間に及ぼす所定のばね力を有する。
【0028】
ボス66及び68には、それぞれ第1側方ロッド76及び第2側方ロッド78が付設されている。それらのロッドの外周にコイルばね79,80が嵌挿され、それぞれのボス66,68に衝接するようになされている。各コイルばね79,80は、適正な近心−遠心弓長の伸展発育を達成することができるように歯科矯正医によって選択された所定張力を有する。
【0029】
ロッド72と78とは、適当に曲げられてボス68にはんだ付けされた一体のL字形ワイヤとすることもできる。側方ロッド76,78をそれぞれのボス66,68から突出させる角度は、その特定の患者の矯正要件に応じて決められる。
【0030】
器具60は、又、1対の互いに離隔した後方歯科矯正バンド81,82を有する。バンド81,82は、それぞれ一体のボス84,86を有しており、ボス84,86には、それぞれ、中空チューブ88,90が付設されている。チューブ88,90の内孔の径は、上述したコイルばね79,80を、それがチューブに被さって摺動することなく。 チューブの自由端に衝接させるように決められている。
【0031】
チューブ88,90には、それからそれぞれ垂直に突出した短ワイヤ92,94が付設されている。各短ワイヤ92,94は、頬側に突出しており、咬合控え又は支えとして機能し、それぞれ対応する脱落性第2臼歯の舌側咬合溝に対応する左右対称位置でそれぞれのチューブ88,90にはんだ付けされ、チューブに追加の支持と安定性を付与するようになされている。
【0032】
前方対の歯科矯正バンド62,64と後方対の歯科矯正バンド81,82とは、器具1に関連して述べたのと同じ態様で連結されている。
【0033】
図10及び11は、本発明の上顎口蓋拡張器具100を示す。拡張器具100は、図10では、上歯の慣用の歯科モールドMに装着された状態で示されている。
器具100は、1対の互いに離隔した前方歯科矯正バンド103,105を有する。バンド103及び105は、それぞれ対応する上顎の臼歯に取り付けられるようになされた慣用の両尖歯用バンドであってよい。詳述すれば、バンド103及び105は、それぞれのバンドの舌側側面に一体に形成されたボス106及び107を有しており、各ボス106,107には、更に一体の湾曲部材又はフック109,111が形成されている。
【0034】
器具100は、又、1対の互いに離隔した後方歯科矯正バンド113,115を有する。バンド113,115は、それぞれのバンドの舌側側面に一体に形成されたボス117,119を有しており、各ボス117,119には、更に一体の湾曲部材又はフック121,123が形成されている。
【0035】
前方歯科矯正バンド103,105と後方歯科矯正バンド113,115とは、下記の態様で連結されている。
ボス106と117の間に第1ロッド125が延設され、同様に、ボス107と119の間に第2ロッド127が延設されている。更に、上述したフック109,121及びフック111,123は、それぞれ、プラスチック製の口蓋嵌合プレート130及び132に植設されている。このように、前方歯科矯正バンド103と後方歯科矯正バンド113とは、ロッド125、フック109,121及びプラスチックプレート130によって連結され、前方歯科矯正バンド105と後方歯科矯正バンド115とは、ロッド127、フック111,123及びプラスチックプレート132によって連結されている。
【0036】
各プラスチックプレート130,133は、患者の口蓋に嵌合するように成形されており、対応する前方歯科矯正バンド及び後方歯科矯正バンドと協同して、器具100の半分体を構成する。器具100の2つの半分体は、以下に説明する構成によって、上顎弓の幅を拡張するために互いに離れる方向に付勢される。一方の口蓋嵌合プレート133にほぼU字形のロッド135が植設されており、ロッド135の脚136,137がプレート133からほぼ直角に突出している。各脚136,137にはコイルばね138,140が嵌挿されている。他方の口蓋嵌合プレート130には、短チューブ142,144が植設され、プレート130からほぼ直角に突出している。チューブ142,144は、それぞれ対応する脚136,137と整列しており、該脚を入れ子式に受容するように該脚の外径より僅かに大きい径の内孔を有している。コイルばね138,140は、チューブ142,144の外端に衝接し、器具100の両半分体を互いに引き離す方向に付勢する張力を及ぼす。適正な張力を有するコイルばねを選択することによって適正な張力を与えることができる。かくして、U字形のロッド135と、チューブ142,144と、コイルばね138,140とは、左右側方口蓋嵌合プレート130と133を連結したねじジャッキ組立体を構成し、そのねじジャッキ組立体は弓型間拡張器として機能する。
【0037】
図12及び13は、本発明の歯科矯正器具の更に別の変型実施形態を示す。この歯科矯正器具150は、1対の互いに離隔した前方歯科矯正バンド152,154を有する。バンド152,154は、それぞれのバンドの舌側側面に一体に形成されたボス156,158を有している。バンド152と154は、両者の間に延長した連結ワイヤ159によって連結されている。ワイヤ159の長さは、上顎弓Aの幅(間隔)によって決められる。ワイヤ159は、湾曲部160を有しており、上顎弓Aに嵌合して係留されるプラスチック部片162又はアクリル又はその他の材料のボタン状部材に埋設することができる。ボス156からチューブ164が突出し、ボス158からチューブ166が突出している。チューブ164及び166をそれぞれのボスから突出させる角度は、弓Aの形状に応じて決められる。
【0038】
器具150は、又、1対の互いに離隔した後方歯科矯正バンド170,172を有する。バンド170,172は、それぞれ一体のボス174,176を有している。ボス174には、上述したチューブ164に摺動自在に受容されるロッド178が一体に連結されている。コイルばね180が、ロッド178の外周に嵌挿されボス174とチューブ164の自由端との間に固定されている。ばね180は、チューブ164の自由端に衝接し、チューブに被さって摺動することがないような径を有しており、常時小さい力を及ぼすようにニッケル−チタン合金で形成されている。かくして、ばね180は、バンド170をバンド152から引き離す方向に付勢する。従って、ばね180は、上顎臼歯を遠心変位させるために歯と歯の間に所定の力を及ぼす。ボス176にも、図示のように、チューブ166に摺動自在に受容されるロッドが一体に連結されており、そのロッド178の外周にコイルばねが嵌挿されている。
【0039】
図14及び15は、本発明の歯科矯正器具の更に別の変型実施形態を示す。この歯科矯正器具190は、成形された口蓋嵌合プレート192を含む。口蓋嵌合プレート192は、適当な樹脂材料で患者の硬い口蓋に合致する形状に成形される。詳述すると、口蓋嵌合プレート192は、四分割部片又はセクション192A,192B,192C,192Dに分割されている。口蓋嵌合プレート192は、製造に当っては、最初は一部片として成形した後、適当な手段によって4つのプレートセクション192A,192B,192C,192Dに分割することができる。
【0040】
セクション192Aは、切歯又は犬歯等に取り付けることができる前方歯科矯正バンド194を有しており、同様に、セクション192Bも、切歯又は犬歯等に取り付けることができる同様の前方歯科矯正バンド196を有している。各前方歯科矯正バンド194,196は、それを所定位置に固定するためにそれぞれ対応する口蓋嵌合プレートセクションにその成形時に植設された一体のワイヤ又はフック198を有している。
セクション192A,192Bに対応して、セクション192C,192Dは、それぞれ臼歯に取り付けることができる後方歯科矯正バンド202,204を有しており、各後方歯科矯正バンド202,204は、それを所定位置に固定するためにそれぞれ対応する口蓋嵌合プレートセクションにその成形時に植設された一体のワイヤ又はフック206を有している。
【0041】
セクション192Aは、先の実施形態に関連して説明したねじジャッキ組立体と同様に機能するねじジャッキ組立体(弓型間拡張器)208によってセクション192Bに連結されている。更に、セクション192Aとセクション192Cとは、先の実施形態に関連して説明したものと同様のばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体209によって連結されている。入れ子式ロッド−チューブ組立体209は、セクション192Aの遠位尾部212に成形時に埋設されたチューブ210と、セクション192Cの側方部分220に植設されており、チューブ210内に摺動自在に受容されたロッド218と、ロッド218の外周に嵌挿されたコイルばね222から成る。ロッド218は、それをプレートセクション192C内に係留するためと、押圧力を受けたときセクション192Cを突き通してしまうのを防止するための拡大横部分219を有している。コイルばね222は、ニッケル−チタン合金で形成するのが好ましく、所定の張力を有するものとする。
【0042】
同様にして、セクション192Bとセクション192Dとは、ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体213によって連結されている。入れ子式ロッド−チューブ組立体213は、セクション192Bの遠位尾部216に成形時に埋設されたチューブ214と、セクション192Dの側方部分226に植設されており、チューブ214内に摺動自在に受容されたロッド224と、ロッド224の外周に嵌挿されたコイルばね228から成る。ロッド224は、それをプレートセクション192D内に係留するためと、押圧力を受けたときセクション192Dを突き通してしまうのを防止するための拡大横部分225を有している。コイルばね228は、ニッケル−チタン合金で形成するのが好ましく、所定の張力を有するものとする。
【0043】
歯科矯正器具190は、弓拡幅力と弓伸長力の両方を与えることができる。弓拡幅(弓型間間隔拡張)作用を達成するには、ねじジャッキ組立体208を手で操作してプレートセクション192Aと192Bに適当な力を作用させ両者を引き離す方向に付勢すればよい。又、弓伸長作用は、セクション192Aとセクション192Cの間に伸長力を及ぼすばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体209と、セクション192Bとセクション192Dの間に伸長力を及ぼすばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体213によって与えることができる。
【0044】
図16及び17は、本発明の歯科矯正器具の更に別の変型実施形態を示す。この歯科矯正器具250は、成形された口蓋嵌合プレート252を含む。口蓋嵌合プレート252は、患者の口蓋に合致する形状に成形される。詳述すると、口蓋嵌合プレート252は、最初は一部片として成形された後、2つのプレート半分体252A,252Bに分割される。2つのプレート半分体252Aと252Bは、ねじジャッキ組立体(弓型間拡張器)253によって互いに移動自在に連結される。ねじジャッキ組立体253の代わりに、ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体を用いてもよい。
【0045】
第1プレート半分体252Aは、切歯又は犬歯に取り付けるための第1前方歯科矯正バンド254を有している。歯科矯正バンド254は、それと一体に形成されたボス256と、ボス256から延長したチューブ258と、ボス256に隣接したところから延長した第1ワイヤフック260と、チューブ258に隣接したところから延長した第2ワイヤフック262を備えている。第1ワイヤフック260及び第2ワイヤフック262は、歯科矯正バンド254及びそのチューブ258を第1プレート半分体252Aに固定するために該半分体内にその成形時に埋設される。又、チューブ258の遠位端の頬側には咬合用支え264が一体に形成されている。
【0046】
同様にして、第2プレート半分体252Bは、切歯又は犬歯に取り付けるための第2前方歯科矯正バンド274を有している。歯科矯正バンド274は、それと一体に形成されたボス276と、ボス276から延長したチューブ278と、ボス276に隣接したところから延長した第1ワイヤフック280と、チューブ278に隣接したところから延長した第2ワイヤフック282を備えている。第1ワイヤフック280及び第2ワイヤフック282は、歯科矯正バンド274及びそのチューブ278を第2プレート半分体252Bに固定するために該半分体内にその成形時に埋設される。又、チューブ278の遠位端の頬側には咬合用控え284が一体に形成されている。
【0047】
器具250の第1プレート半分体252Aは、又、後方臼歯に取り付けるための第1後方歯科矯正バンド266を有している。歯科矯正バンド266は、それと一体に形成されたボス268と、ボス268と一体に形成され、上述したチューブ258内に摺動自在に受容されるように延長したロッド270を有している。ロッド270の外周には、所定の張力を有するコイルばね272が嵌挿されている。かくして、チューブ258と、ロッド270と、コイルばね272とで、先の実施形態に関連して説明したものと同様のばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体を構成する。
【0048】
同様にして、第2プレート半分体252Bも、又、後方臼歯に取り付けるための第2後方歯科矯正バンド286を有している。歯科矯正バンド286は、それと一体に形成されたボス286と、ボス286と一体に形成され、上述したチューブ278内に摺動自在に受容されるように延長したロッド290を有している。ロッド290の外周には、所定の張力を有するコイルばね292が嵌挿されている。かくして、チューブ278と、ロッド290と、コイルばね292とで、ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体を構成する。
【0049】
歯科矯正器具250は、上顎弓を拡幅するためと、上顎弓を伸長させるための両方に使用することができる。例えば、器具250を患者の歯に装着した場合、ねじジャッキ組立体258を手で操作してプレート半分体252Aと252Bを引き離す方向に付勢して、上顎弓を拡幅することができる。又、コイルばね272,292は、それぞれ、後方歯科矯正バンド266,286を対応する前方歯科矯正バンド254,274から引き離す方向に付勢し、それによって、上顎弓に伸長力を及ぼす。
【0050】
以上、本発明を実施形態に関連して説明したが、本発明は、ここに例示した実施形態の構造及び形状に限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いろいろな実施形態が可能であり、いろいろな変更及び改変を加えることができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、下顎弓のモールドに取り付けられた本発明の歯科矯正器具の透視図である。
【図2】図2は、下顎弓に取り付けられた本発明の歯科矯正器具の正面図である。
【図3】図3は、本発明の歯科矯正器具の下からみた平面図である。
【図4】図4は、本発明の歯科矯正器具の上からみた平面図である。
【図5】図5は、本発明の歯科矯正器具の下からみた図3と同様の平面図であるが、左側ばね押しロッド−チューブ組立体を分解した状態で示す。
【図6】図6は、本発明の歯科矯正器具の下からみた図3と同様の平面図であるが、右側ばね押しロッド−チューブ組立体を分解した状態で示す。
【図7】図7は、歯科モールドに取り付けられた本発明の変型実施形態による歯科矯正器具の透視図である。
【図8】図8は、図7に示された歯科矯正器具の下からみた平面図である。
【図9】図9は、図8の歯科矯正器具の分解図である。
【図10】図10は、本発明の上顎口蓋拡張器具の下からみた平面図であり、使用環境を示すために上顎弓のモールドに取り付けられた状態で示す。
【図11】図11は、図10の上顎口蓋拡張器具の下からみた分解平面図である。
【図12】図12は、上顎弓のモールドに取り付けられた本発明の歯科矯正器具の別の変型実施形態の透視図である。
【図13】図13は、図12の歯科矯正器具の透視図であるが、左側ロッドを伸長させたところを示す。
【図14】図14は、上顎弓のモールドに取り付けられた本発明の歯科矯正器具の更に別の変型実施形態の透視図である。
【図15】図15は、図14の歯科矯正器具の透視図であるが、左側ロッドを伸長させたところを示す。
【図16】図16は、上顎弓のモールドに取り付けられた本発明の歯科矯正器具の更に別の変型実施形態の透視図である。
【図17】図17は、図16の歯科矯正器具の透視図であるが、左側ロッドを取り外した状態を示す。
【符号の説明】
1:歯科矯正器具(下顎弓拡張器具)
3,5:前方歯科矯正バンド
8:左右弓型間ねじジャッキ組立体(弓型間拡張器)
27,29:湾曲アーム
31,33:ロッド
40,42:後方歯科矯正バンド
48,50:チューブ
52,54:短ワイヤ(咬合支え)
55,57:コイルばね
60:歯科矯正器具(下顎弓拡張器具)
62,64:前方歯科矯正バンド
70:チューブ
72:ロッド
74:コイルばね
76,78:ロッド
79,80:コイルばね
81,82:後方歯科矯正バンド
88,90:チューブ
92,94:短ワイヤ(咬合支え)
100:歯科矯正器具(上顎口蓋拡張器具)
103,105:前方歯科矯正バンド
109,111:湾曲部材又はフック
113,115:後方歯科矯正バンド
121,123:湾曲部材又はフック
125,127:ロッド
130,133:口蓋嵌合プレート
135:U字形のロッド
136,137:脚
138,140:コイルばね
142,144:チューブ
150:歯科矯正器具(上顎弓拡張器具)
152,154:前方歯科矯正バンド
159:連結ワイヤ
164,166:チューブ
170,172:後方歯科矯正バンド
178:ロッド
180:コイルばね
190:歯科矯正器具(上顎口蓋拡張器具)
192:口蓋嵌合プレート
192A,192B,192C,192D:口蓋嵌合プレートセクション
194,196:前方歯科矯正バンド
198,206:ワイヤ又はフック
202,204:後方歯科矯正バンド
208:ねじジャッキ組立体(弓型間拡張器)
209,213:ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体
210,214:チューブ
218,224:ロッド
222,228:コイルばね
250:歯科矯正器具(上顎口蓋拡張器具)
252:口蓋嵌合プレート
252A,252B:口蓋嵌合プレート半分体
253:ねじジャッキ組立体(弓型間拡張器)
254,274:前方歯科矯正バンド
258,278:チューブ
260,280:ワイヤ又はフック
262,282:ワイヤ又はフック
264,284:咬合支え
266,286:後方歯科矯正バンド
270,290:ロッド
272,292:コイルばね

Claims (21)

  1. 固定上顎弓拡張器具であって、
    第1前方歯科矯正バンド及び第2前方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第2前方歯科矯正バンドの間に延設された拡張手段と、
    第1後方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第1後方歯科矯正バンドを舌側で連結する第1ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体と、
    第2後方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと第2後方歯科矯正バンドを舌側で連結する第2ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体と、
    から成り、第1前方歯科矯正バンドと第2前方歯科矯正バンドの間の前記拡張手段は、上顎弓の側方拡張を達成し、前記第1及び第2ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体は、上顎弓長の遠心伸長を達成することを特徴とする固定上顎弓拡張器具。
  2. 前記第1ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体に第1咬合支えが設けられ、前記第2ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体に第2咬合支えが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固定上顎弓拡張器具。
  3. 上顎弓を拡張するための歯科矯正器具であって、
    第1前方歯科矯正バンドと、
    第1後方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第1後方歯科矯正バンドを舌側で連結する第1ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体と、
    第1前方歯科矯正バンドに連結された第1口蓋嵌合プレートと、
    第2前方歯科矯正バンドと、
    第2後方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと第2後方歯科矯正バンドを舌側で連結する第2ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体と、
    第2前方歯科矯正バンドに連結された第2口蓋嵌合プレートと、
    第1口蓋嵌合プレートと第2口蓋嵌合プレートの間に介設された拡張手段と、
    から成る歯科矯正器具。
  4. 前記第1口蓋嵌合プレートは、第1前方歯科矯正バンドと第1後方歯科矯正バンドの間に長手に延長し、前記第2口蓋嵌合プレートは、第2前方歯科矯正バンドと第2後方歯科矯正バンドの間に長手に延長していることを特徴とする請求項3に記載の歯科矯正器具。
  5. 前記拡張手段は、第1口蓋嵌合プレートと第2口蓋嵌合プレートの間の直線関係を調節することができるようになされていることを特徴とする請求項4に記載の歯科矯正器具。
  6. 歯科矯正器具であって、
    第1前方歯科矯正バンドを備えた第1前方口蓋嵌合プレートと、
    第2前方歯科矯正バンドを備えた第2前方口蓋嵌合プレートと、
    第1前方口蓋嵌合プレートと第2前方口蓋嵌合プレートの間に介設された拡張手段と、
    第1後方歯科矯正バンドを備えた第1後方口蓋嵌合プレートと、
    第2後方歯科矯正バンドを備えた第2後方口蓋嵌合プレートと、
    第1前方口蓋嵌合プレートと第1後方口蓋嵌合プレートを舌側で連結する第1ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体と、
    第2前方口蓋嵌合プレートと第2後方口蓋嵌合プレートを舌側で連結する第2ばね押し入れ子式ロッド−チューブ組立体と、
    から成る歯科矯正器具。
  7. 前記すべての口蓋嵌合プレートは、一体の連続した成形口蓋嵌合プレートとして形成され、しかる後、前記各第1及び2前方口蓋嵌合プレート及び第1及び第2後方口蓋嵌合プレートに分割されたものであることを特徴とする請求項6に記載の歯科矯正器具。
  8. 上顎弓を拡張するための歯科矯正器具であって、
    第1前方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第2前方歯科矯正バンドを連結するばね押しロッド−チューブ組立体と、
    第1後方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第1後方歯科矯正バンドを舌側で連結するばね押しロッド−チューブ組立体と、
    第2後方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと第2後方歯科矯正バンドを舌側で連結するばね押しロッド−チューブ組立体と、
    から成る歯科矯正器具。
  9. 前記各ばね押しロッド−チューブ組立体は、適当な予備設定された張力を有するコイルばねを含むことを特徴とする請求項8に記載の歯科矯正器具。
  10. 前記第1ばね押しロッド−チューブ組立体に第1咬合支えが設けられ、前記第2ばね押しロッド−チューブ組立体に第2咬合支えが設けられていることを特徴とする請求項8に記載の歯科矯正器具。
  11. 前記拡張手段は、前記第1口蓋嵌合プレートと第2口蓋嵌合プレートの間に両者を常時分離する方向に付勢するためのばねを含むことを特徴とする請求項3に記載の歯科矯正器具。
  12. 上顎弓を拡張するための歯科矯正器具であって、
    第1前方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと、第1前方歯科矯正バンドと第2前方歯科矯正バンドを連結する拡張手段と、
    第1後方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第1後方歯科矯正バンドを舌側で連結するばね押しロッド−チューブ組立体と、
    第2後方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと第2後方歯科矯正バンドを舌側で連結するばね押しロッド−チューブ組立体と、
    から成る歯科矯正器具。
  13. 前記第1前方及び後方歯科矯正バンドと第2前方及び後方歯科矯正バンドを連結する口蓋嵌合プレートを有することを特徴とする請求項12に記載の歯科矯正器具。
  14. 固定下顎弓拡張器具であって、
    第1前方歯科矯正バンド及び第2前方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第2前方歯科矯正バンドの間に延設された拡張手段と、
    第1後方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第1後方歯科矯正バンドを舌側で連結する第1ばね押しロッド−チューブ組立体と、
    第2後方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと第2後方歯科矯正バンドを舌側で連結する第2ばね押しロッド−チューブ組立体と、
    から成り、第1前方歯科矯正バンドと第2前方歯科矯正バンドの間の前記拡張手段は、下顎弓の側方拡張を達成し、前記第1及び第2ばね押しロッド−チューブ組立体は、下顎弓長の遠心伸長を達成することを特徴とする固定下顎弓拡張器具。
  15. 前記拡張手段は、ばね押しロッド−チューブ組立体であることを特徴とする請求項14に記載の固定下顎弓拡張器具。
  16. 前記各ばね押しロッド−チューブ組立体は、適当な予備設定された張力を有するコイルばねを含むことを特徴とする請求項15に記載の固定下顎弓拡張器具。
  17. 前記第1ばね押しロッド−チューブ組立体に第1咬合支えが設けられ、前記第2ばね押しロッド−チューブ組立体に第2咬合支えが設けられていることを特徴とする請求項14に記載の固定下顎弓拡張器具。
  18. 下顎弓を拡張するための歯科矯正器具であって、
    第1前方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第2前方歯科矯正バンドの間に介設された拡張手段と、
    第1後方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第1後方歯科矯正バンドの間の舌側に介設された第1ばね押しロッド−チューブ組立体と、
    第2後方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと第2後方歯科矯正バンドの間の舌側に介設された第2ばね押しロッド−チューブ組立体と、
    から成る歯科矯正器具。
  19. 下顎弓を拡張するための歯科矯正器具であって、
    第1前方歯科矯正バンドと、
    第2前方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第2前方歯科矯正バンドの間に介設されたばね押しロッド−チューブ組立体と、
    第1後方歯科矯正バンドと、
    第2後方歯科矯正バンドと、
    第1前方歯科矯正バンドと第1後方歯科矯正バンドを舌側で連結するばね押しロッド−チューブ組立体と、
    第2前方歯科矯正バンドと第2後方歯科矯正バンドを舌側で連結するばね押しロッド−チューブ組立体と、
    から成る歯科矯正器具。
  20. 前記各ばね押しロッド−チューブ組立体は、適当な予備設定された張力を有するコイルばねを含むことを特徴とする請求項19に記載の歯科矯正器具。
  21. 前記第1ばね押しロッド−チューブ組立体に第1咬合支えが設けられ、前記第2ばね押しロッド−チューブ組立体に第2咬合支えが設けられていることを特徴とする請求項19に記載の歯科矯正器具。
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