JP3933602B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体層の起立構造を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
起立構造を有するマイクロ光学ベンチが、シリコンを用いたMEMS(マイクロエレクトロ・メカニカル・システム)技術により実現されている。このMEMS技術を用いて、例えば、レーザ走査ディスプレイのための共振マイクロスキャナ、可動マイクロ反射器、半導体レーザの外部共振器のための走査マイクロミラー等を作製することが報告されている。
【0003】
この従来のMEMS技術では、積層された半導体層の一部をエッチングにより剥離させた後、剥離した部分をスライドさせて起立させるとともにヒンジで接合することにより、起立構造を形成している。この起立構造を用いて基板上に所定の角度で起立したミラーが構成される。このようなミラーは、くし型ドライバ(comb driver)またはスライディング機構により操作される。
【0004】
このような従来のMEMS技術を用いて、3枚の平面鏡を互いに直角に配置したレトロリフレクタを作製することも提案されている。レトロリフレクタは、任意の方向から入射する光を入射方向と平行な方向に反射することができる。
【0005】
しかしながら、従来のMEMS技術を用いて半導体により起立構造を作製する場合、剥離した半導体層をスライドさせる際に磨耗が生じる。また、半導体層を所定の位置まで正確にスライドさせることは困難である。そのため、起立構造を構成する各部材の角度および位置を正確に制御することが困難であるとともに、作業性が悪い。したがって、従来のMEMS技術を用いてスキャナ、レトロリフレクタ等の種々の構造を作製することは困難である。
【0006】
一方、本発明者らは、格子定数の異なる複数の半導体層の積層構造を用いて起立構造を有する半導体装置を製造する方法を提案している(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−260092号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の半導体装置およびその製造方法によれば、起立構造を構成する各部材の角度および位置を正確に制御することができる。
【0009】
そこで、この方法を用いて光学スキャナ、レトロリフレクタ等の種々の装置に応用可能な半導体装置を容易に作製することが望まれる。特に、1対のプレートが互いに対向する構造を容易に作製することが望まれる。
【0010】
本発明の目的は、1対のプレートが互いに対向する構造を有し、容易かつ正確に作製することができるとともに小型化が可能な半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に形成された第1および第2の起立構造とを備え、第1および第2の起立構造の各々は、半導体基板上に第1のヒンジを介して起立しかつ半導体基板に対して実質的に垂直な一辺を有する第1のプレートと、第1のプレートの一辺に第2のヒンジを介して連結され、半導体基板上に起立する第2のプレートとを含み、第1の起立構造の第2のプレートと第2の起立構造の第2のプレートとが対向するように第1および第2の起立構造が配置され、第1および第2のヒンジの各々は、異なる格子定数を有する複数の半導体層を含む歪層により形成され、第1および第2の起立構造における第2のプレートの対向する面に第1および第2の対向電極がそれぞれ設けられ、第1および第2のプレートの各々は反射膜を含むものである。
【0012】
本発明に係る半導体装置においては、第1の起立構造における第2のプレートと第2の起立構造における第2のプレートとが互いに対向するように基板上に第1および第2の起立構造が配置されている。したがって、一対のプレートが互いに対向する構造を有する半導体装置を容易に実現することが可能になるとともに、半導体装置の小型化が可能になる。
【0013】
また、第1および第2のヒンジの各々は、異なる格子定数を有する複数の半導体層を含む歪層により形成される。
【0014】
この場合、複数の半導体層の格子定数の差に起因する歪を緩和するように第1および第2のヒンジが折曲されることにより第1および第2のプレートが基板に対して起立し、第2のプレートが第1のプレートに対して折曲される。それにより、手動組み立てまたは複雑な組み立て機構を必要とすることなく、第1の起立構造における第2のプレートと第2の起立構造における第2のプレートとが互いに対向する半導体装置の自己組み立てが可能となる。したがって、一対のプレートが互いに対向する構造を容易かつ正確に作製することが可能になるとともに、半導体装置の小型化が可能になる。
【0015】
さらに、第1および第2の起立構造における第2のプレートの対向する面に第1および第2の対向電極がそれぞれ設けられる。
【0016】
この場合、第1の対向電極と第2の対向電極との間に電圧を印加することにより、第1の対向電極と第2の対向電極との間に静電力が働く。
【0017】
第1および第2の起立構造における第2のプレートの一方が固定されておらず、他方が固定されている場合には、静電力により一方の第2のプレートと他方の第2のプレートとの間の距離を変化させ、第1のプレートに対する一方の第2のプレートのなす角度を変化させることができる。
【0018】
第1および第2の起立構造における第2のプレートの両方が固定されていない場合には、静電力により一方の第2のプレートと他方の第2のプレートとを平行に保ちつつそれらの間の距離を変化させることができる。それにより、第1の起立構造において第1のプレートに対する第2のプレートのなす角度を変化させ、第2の起立構造において第1のプレートに対する第2のプレートのなす角度を変化させることができる。
【0019】
また、第1および第2のプレートの各々は反射膜を含む。それにより、2組の反射装置が構成される。
【0020】
第1および第2のプレートの各々は、歪層と、歪層に作用する歪を補償する歪補償層とを含んでもよい。
【0021】
この場合、第1および第2の起立構造の各々において第1および第2のプレートが平坦性を保つことができる。
【0022】
第1の対向電極に電気的に接続された第1の配線層が、第1の起立構造における第1および第2のプレートおよび第1および第2のヒンジの表面に設けられ、第2の対向電極に電気的に接続された第2の配線層が、第2の起立構造における第1および第2のプレートおよび第1および第2のヒンジの表面に設けられてもよい。
【0023】
この場合、第1および第2の配線層を通して第1の対向電極と第2の対向電極との間に電圧を印加することにより、第1の対向電極と第2の対向電極との間に静電力を作用させることができる。それにより、第1の起立構造における第1のプレートと第2の起立構造における第2のプレートとを平行に保ちつつそれらの間の距離を変化させることができる。その結果、第1の起立構造における第1のプレートに対する第2のプレートのなす角度および第2の起立構造において第1のプレートに対する第2のプレートのなす角度を変化させることができる。
【0024】
第1の配線層は、第1の対向電極よりも小さな厚みを有し、第2の配線層は第2の対向電極よりも小さな厚みを有してもよい。
【0025】
この場合、第1および第2の起立構造の各々において第1のプレートに対して第2のプレートが第2のヒンジで折曲することが可能になるとともに第1および第2の配線層が第1および第2のヒンジで切れることが防止される。
【0026】
第2の発明に係る半導体層は、基板と、基板上に設けられた積層構造とを備え、積層構造は、第1の層、第2の層および第3の層を順に含み、第2の層は、異なる格子定数を有する複数の半導体層を含み、積層構造により第1および第2の起立構造が形成され、第1および第2の起立構造の各々は、互いに隣接する第1および第2のプレート領域を含み、第1のプレート領域の一辺に沿って第1の折曲部が形成され、第1のプレート領域と第2のプレート領域との境界に第1の折曲部に実質的に垂直な第2の折曲部が形成され、第1および第2の折曲部を除く部分で第1および第2のプレート領域を取り囲むように第3の層から第1の層に達する分離溝が形成されるとともに、第1および第2のプレート領域における第1の層の部分が選択的に除去され、第2の層に作用する歪により第2の層が第1の折曲部および第2の折曲部で谷状に折曲され、第1の起立構造における第2のプレート領域の一面と第2の起立構造における第2のプレート領域の一面とが互いに対向するように、第1および第2の起立構造の各々における第1および第2のプレート領域が基板に対して起立し、第1の起立構造における第2のプレート領域の一面に第1の対向電極が設けられ、第2の起立構造における第2のプレート領域の一面に第2の対向電極が設けられ、第3の層は反射膜を含むものである。
【0027】
本発明に係る半導体装置においては、積層構造により形成される第1および第2の起立構造の各々において、第1および第2の折曲部を除く部分で第1および第2のプレート領域を取り囲むように第3の層から第1の層に達する分離溝が形成され、第1および第2のプレート領域における第1の層の部分が選択的に除去される。それにより、第2の層に作用する歪により第2の層が第1の折曲部および第2の折曲部で谷状に折曲され、第1の起立構造における第2のプレート領域の一面と第2の起立構造における第2のプレート領域との一面とが互いに対向するように、第1および第2の起立構造の各々における第1および第2のプレート領域が基板に対して起立する。
【0028】
このように、第2の層における複数の半導体層の格子定数の差に起因する歪を緩和するように第2の層が自動的に第1および第2の折曲部で折曲されることにより第2および第3の層からなる第1および第2のプレート領域が基板に対して起立する。それにより、手動組み立てまたは複雑な組み立て機構を必要とすることなく第1の起立構造における第2のプレート領域の一面と第2の起立構造における第2のプレート領域の一面とが互いに対向する半導体装置の自己組み立てが可能となる。したがって、一対のプレートが互いに対向する構造を容易かつ正確に作製することが可能になるとともに、半導体装置の小型化が可能になる。
【0029】
また、第1の起立構造における第2のプレート領域の一面に第1の対向電極が設けられ、第2の起立構造の第2のプレート領域の一面に対向電極が設けられる。
【0030】
この場合、第1の対向電極と第2の対向電極との間に電圧を印加することにより、第1の対向電極と第2の対向電極との間に静電力が働く。
【0031】
第1および第2の起立構造における第2のプレート領域の一方が固定されておらず、他方が固定されている場合には、静電力により一方の第2のプレート領域と他方の第2のプレート領域との間の距離を変化させ、第1のプレート領域に対する一方の第2のプレート領域のなす角度を変化させることができる。
【0032】
第1および第2の起立構造における第2のプレート領域の両方が固定されていない場合には、静電力により一方の第2のプレート領域と他方の第2のプレート領域とを平行に保ちつつそれらの間の距離を変化させることができる。それにより、第1の起立構造において第1のプレート領域に対する第2のプレート領域のなす角度を変化させ、第2の起立構造において第1のプレート領域に対する第2のプレート領域のなす角度を変化させることができる。
【0033】
さらに、第3の層は反射膜を含む。この場合、基板上に反射膜が形成されるとともに、第1および第2の起立構造の各々において第1および第2のプレート領域がそれぞれ反射膜を含む。それにより、それぞれ3枚の反射膜を含む2組の反射装置が構成される。
【0034】
積層構造上に第1および第2のパッド電極が設けられ、第1の起立構造における第1および第2のプレート領域および第1および第2の折曲部の表面に第1の対向電極と第1のパッド電極とを電気的に接続する第1の配線層が設けられ、第2の起立構造における第1および第2のプレート領域および第1および第2の折曲部の表面に第2の対向電極と第2のパッド電極とを電気的に接続する第2の配線層が設けられてもよい。
【0035】
この場合、積層構造上の第1のパッド電極と第2のパッド電極との間に電圧を印加することにより、第1の対向電極と第2の対向電極との間に静電力を作用させることができる。それにより、第1の起立構造における第2のプレート領域と第2の起立構造における第2のプレート領域とを平行に保ちつつそれらの間の距離を変化させることができる。その結果、第1の起立構造において第1のプレート領域に対する第2のプレート領域のなす角度および第2の起立構造において第1のプレート領域に対する第2のプレート領域のなす角度を変化させることができる。
【0036】
第1の配線層は、第1の対向電極および第1のパッド電極よりも小さな厚みを有し、第2の配線層は、第2の対向電極および第2のパッド電極よりも小さな厚みを有してもよい。
【0037】
この場合、第1および第2の起立構造の各々において第1のプレート領域に対して第2のプレート領域が第2の折曲部で折曲することが可能になるとともに第1および第2の配線層が第1および第2の折曲部で切れることが防止される。
【0038】
第3の層は、第1および第2の起立構造の各々における第1および第2の折曲部を除いて第2の層に作用する歪を補償する歪補償層を含んでもよい。
【0039】
この場合、第1および第2の起立構造の各々において第1および第2のプレート領域が平坦性を保つことができる。
【0040】
第1および第2の折曲部において第3の層が除去されてもよい。この場合、第1および第2の起立構造の各々において第2のプレート領域が第1のプレート領域に対して第1および第2の折曲部で容易に折曲することができる。
【0041】
第3の発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に第1の層を形成するステップと、第1の層上に異なる格子状子を有する複数の半導体層を含む第2の層を形成するステップと、第2の層上に、反射膜を含む第3の層を形成するステップと、第3の層上に第1および第2の起立構造領域を規定し、第1および第2の起立構造形成領域の各々に、互いに隣接する第1および第2のプレート領域を規定するステップと、第1および第2の起立構造領域の各々における第1のプレート領域の一辺に沿って第1の折曲部を形成し、第1のプレート領域と第2のプレート領域との境界に第1の折曲部に実質的に垂直な第2の折曲部を形成するステップと、第1および第2の起立構造領域における第2のプレート領域の第3の層上にそれぞれ第1および第2の対向電極を形成するステップと、第1および第2の起立構造領域の各々において第1および第2の折曲部を除く第1および第2のプレート領域を取り囲むように第3の層から第1の層に達する分離溝を形成するステップと、第1および第2のプレート領域における第1の層の部分を選択的に除去することにより、第2の層に作用する歪により第2の層を第1の折曲部および第2の折曲部で谷状に折曲し、第1の起立構造領域における第2のプレート領域の第1の対向電極と第2の起立構造領域における第2のプレート領域の第2の対向電極とが互いに対向するように、第1および第2の起立構造領域の各々における第1および第2のプレート領域を基板に対して起立させるステップとを備えたものである。
【0042】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、第1および第2の起立構造領域における第2のプレート領域の第3の層上にそれぞれ第1および第2の対向電極が形成され、第1および第2の起立構造領域の各々において、第1および第2の折曲部を除く部分で第1および第2のプレート領域を取り囲むように第3の層から第1の層に達する分離溝が形成され、第1および第2のプレート領域における第1の層の部分が選択的に除去される。それにより、第2の層に作用する歪により第2の層が第1の折曲部および第2の折曲部で谷状に折曲され、第1の起立構造領域における第2のプレート領域の第1の対向電極と第2の起立構造領域における第2のプレート領域の第2の対向電極とが互いに対向するように、第1および第2の起立構造領域の各々における第1および第2のプレート領域が基板に対して起立する。
【0043】
このように、第2の層における複数の半導体層の格子定数の差に起因する歪を緩和するように第2の層が自動的に第1および第2の折曲部で折曲されることにより第2および第3の層からなる第1および第2のプレート領域が基板に対して起立する。それにより、手動組み立てまたは複雑な組み立て機構を必要とすることなく第1の起立構造領域における第2のプレート領域の一面と第2の起立構造領域における第2のプレート領域の一面とが互いに対向する半導体装置の自己組み立てが可能となる。したがって、一対のプレートが互いに対向する構造を容易かつ正確に作製することが可能になるとともに、半導体装置の小型化が可能になる。
【0044】
また、第1の起立構造における第2のプレート領域の一面に第1の対向電極が設けられ、第2の起立構造の第2のプレート領域の一面に対向電極が設けられる。
【0045】
この場合、第1の対向電極と第2の対向電極との間に電圧を印加することにより、第1の対向電極と第2の対向電極との間に静電力が働く。
【0046】
第1および第2の起立構造における第2のプレート領域の一方が固定されておらず、他方が固定されている場合には、静電力により一方の第2のプレート領域と他方の第2のプレート領域との間の距離を変化させ、第1のプレート領域に対する一方の第2のプレート領域のなす角度を変化させることができる。
【0047】
第1および第2の起立構造における第2のプレート領域の両方が固定されていない場合には、静電力により一方の第2のプレート領域と他方の第2のプレート領域とを平行に保ちつつそれらの間の距離を変化させることができる。それにより、第1の起立構造において第1のプレート領域に対する第2のプレート領域のなす角度を変化させ、第2の起立構造において第1のプレート領域に対する第2のプレート領域のなす角度を変化させることができる。
【0048】
さらに、第3の層は反射膜を含む。この場合、基板上に反射膜が形成されるとともに、第1および第2の起立構造の各々において第1および第2のプレート領域がそれぞれ反射膜を含む。それにより、それぞれ3枚の反射膜を含む2組の反射装置が構成される。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態における半導体装置の模式的斜視図である。図1の半導体装置は、半導体の起立構造を用いて作製される2組の光学立方体(Optical Corner Cube)構造を有する。
【0050】
図1において、基板1の表面には反射板100を含む後述する積層構造が形成されている。また、基板1上には、半導体層の積層構造(多層構造)からなる2組の起立構造S1,S2が設けられている。起立構造S1は、反射板101,102およびヒンジ110,111により構成される。起立構造S2は、反射板201,202およびヒンジ210,211により構成される。
【0051】
起立構造S1の反射板101は、ヒンジ110を介して基板1に対して垂直に起立している。反射板102は、ヒンジ111により反射板101に連結され、基板1に対して垂直に起立している。起立構造S2の反射板201は、ヒンジ210により基板1に対して垂直に起立している。反射板202は、ヒンジ211により反射板201に連結され、基板1に対して垂直に起立している。反射板102と反射板202とは互いに対向している。
【0052】
基板1上の反射板100上には金属膜からなる電極パッド120が形成されている。反射板202に対向する反射板102の一面には、金属膜からなる静電板122が形成されている。電極パッド120と静電板122とを電気的に接続するように、反射板100、ヒンジ110、反射板101、ヒンジ111および反射板102の表面に金属膜からなる配線層121が形成されている。
【0053】
基板1上の反射板100上に金属膜からなる電極パッド220が形成されている。反射板102に対向する反射板202の一面には、金属膜からなる静電板222が形成されている。電極パッド220と静電板222とを電気的に接続するように、反射板100、ヒンジ210、反射板201、ヒンジ211および反射板202の表面に金属膜からなる配線層221(後述する図4および図6参照)が形成されている。
【0054】
ヒンジ111の湾曲により反射板102が反射板101に対してなす角度は可変となっている。同様に、ヒンジ211の湾曲により反射板202が反射板201に対してなす角度が可変となっている。
【0055】
電極パッド120,220間に電圧が印加されることにより反射板102の静電板122と反射板202の静電板222との間に静電力が働く。電極パッド120,220間に印加する電圧を変化させることにより、静電板122と静電板222との間に働く静電力が変化する。それにより、静電板122と静電板222とが平行状態を維持したまま静電板122と静電板222との間の距離が変化する。その結果、反射板102と反射板202とが平行状態を維持しつつ反射板102が反射板101に対してなす角度および反射板202が反射板201に対してなす角度が変化する。
【0056】
図2〜図8は図1の半導体装置の製造方法を示す工程図であり、図2、図4および図6は模式的平面図、図3、図5、図7および図8は模式的断面図である。
【0057】
まず、図3に示すように、GaAsからなる基板1上に、バッファ層2、犠牲層(sacrificial層)3、歪層(strain層)40、エッチング停止層6、構成要素層(component層)7、歪補償層(strain compensation層)8およびキャップ層9を順にエピタキシャル成長させる。
【0058】
これらの層2〜9は、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)、MOCVD法(有機金属化学的気相成長法)、CVD法(化学的気相成長法)等のエピタキシャル成長技術を用いて形成される。
【0059】
バッファ層2は、例えば、厚さ500nmのアンドープのGaAsからなる。犠牲層3は、例えば、厚さ0.4nmの複数のAlAs膜および厚さ0.4nmの複数のGaAs膜の積層構造を有する。ここでは、AlAs膜と100層のGaAs膜とが交互に100層ずつ積層され、犠牲層3の厚さは80nmとなる。
【0060】
歪層40は、後述するように、厚さ10nmのInXGa1−XAs層4および厚さ80nmのGaAs層5の積層構造を有する。InXGa1−XAs層4の格子定数は、GaAs層5の格子定数よりも大きい。そのため、格子定数の差による歪が発生する。ここで、InXGa1−XAs層4のIn組成比Xは例えば0.2である。
【0061】
エッチング停止層6は、例えば、厚さ150nmのAl0.58Ga0.42Asからなる。構成要素層7は、例えば、厚さ450nmの後述する分布反射膜(Distributed Bragg Reflection:以下、DBR膜と呼ぶ)からなる。
【0062】
歪補償層8は、例えば、厚さ10nmのInGaAsからなり、後の工程で剥離された構成要素層7の変形を防止するために設けられる。キャップ層9は、例えは、厚さ10nmのGaAsからなり、製造工程時におけるInGaAs中のInの蒸発を防止するために設けられる。
【0063】
次に、図2および図3に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングによりキャップ層9、歪補償層8、構成要素層7およびエッチング停止層6を除去し、図1のヒンジ110,111.210,211を規定する溝11,12,21,22を形成する。エッチングとしては、ウェットエッチング法またはRIE法(反応性イオンエッチング法)を用いることができる。溝11,12は互いに垂直に設けられ、L字状をなす。同様に、折曲溝21,22は互いに垂直に設けられ、L字状をなす。
【0064】
次に、図4および図5に示すように、キャップ層9上に、金属膜からなる配線層121,221を形成し、キャップ層9上に金属膜からなる電極パッド120,220および静電板122,222を形成する。配線層121,221は、図1のヒンジ110,111,210,211と交差するため、電極パッド120,220および静電板122,222に比べて小さな厚みを有する。
【0065】
本実施の形態の半導体装置では、静電板122,222には静電力を発生させるために、電極パッド120,220間に電圧が印加されるが、配線層121,221に電流は流れない。そのため、配線層121,221の厚さを薄くすることにより、ヒンジ110,111,210,211の湾曲を可能になるとともにヒンジ110,111,210,211の湾曲による配線層121,221の切れを防止することができる。電極パッド120,220は、ワイヤボンディングを確実にするために、ある程度大きな厚みを有することが好ましい。
【0066】
例えば、配線層121,221は、厚さ4nmのTi(チタン)および厚さ40nmのAu(金)の積層構造からなる。電極パッド120,220および静電板122,222は、厚さ4nmのTiおよび厚さ200nmのAuの積層構造からなる。そのため、薄い配線層121,221の堆積工程は、厚い電極パッド120,220および静電板122,222の堆積工程とは別に行われる。
【0067】
次に、図6および図7に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定領域(図1の反射板101,102,201,202を形成すべき領域)を取り囲むようにキャップ層9、歪補償層8、構成要素層7、エッチング停止層6、歪層40および犠牲層3を除去し、分離溝13,23を形成する。それにより、分離溝13,23で取り囲まれたキャップ層9、歪補償層8、構成要素層7、エッチング停止層6、歪層40および犠牲層3の領域が周囲の領域から分離される。この場合にも、エッチングとしてウェットエッチング法またはRIE法を用いる。
【0068】
その後、素子分離(図示せず)および電極パッド120,220へのワイヤボンディングを行う。
【0069】
次に、図8に示すように、歪層40下の犠牲層3をフッ酸等を用いたウェットエッチング法により選択的にエッチングする。その結果、歪層40を構成するInGaAs層4とGaAs層5との格子定数の差に起因する歪を緩和するように歪層40が折曲溝11,12,21,22(図6参照)で湾曲する。それにより、図1に示したヒンジ110,111,210,211が形成される。この場合、InGaAs層4の厚さ、GaAs層5の厚さおよびInGaAs層4におけるIn組成比を最適に選択することにより、キャップ層9、歪補償層8、構成要素層7、エッチング停止層6および歪層40の積層構造が基板1に対して垂直に起立し、主として構成要素層7により図1の反射板101,102,201,202が形成される。なお、基板1上の他の領域には、キャップ層9、歪補償層8、構成要素層7、エッチング停止層6および歪層40の積層構造が存在し、主として構成要素層7により図1の反射板100が形成される。
【0070】
なお、InX Ga1−XAs層4におけるIn組成比を変化させることにより、InGaAsとGaAsとの格子定数の差を約7%まで変化させることができる。
【0071】
InX Ga1−XAs層4の厚さt1、GaAs層5の厚さt2、InX Ga1−XAs層4におけるIn組成比Xおよび歪層40の曲率半径Rとの間には、次の関係がある。
【0072】
R=(a/Δa)・(d/2)
ここで、aはGaAsの格子定数であり、5.6533Åである。また、ΔaはInX Ga1−XAsの格子定数とGaAsの格子定数との差である。In0.2 Ga0.8Asの格子定数は5.7343Åである。また、dはInX Ga1−XAs層4の厚さt1およびGaAs層5の厚さt2の合計である。t1=t2=10[nm]の場合、d=20[nm]となる。本例では、R=0.698[μm]となる。
【0073】
図9は図1〜図8の半導体装置における構成要素層7を構成するDBR膜の詳細な構成を示す模式的断面図である。
【0074】
図9に示すように、構成要素層7を構成するDBR膜は、複数のAlGaAs層7aと複数のGaAs層7bとが交互に積層されてなる積層構造を有する。AlGaAs層7aおよびGaAs層7bの周期は4〜20である。
【0075】
このDBR膜のAlGaAs層7aの厚さd1 およびGaAs層7bの厚さd2 は、次式のように設定する。
【0076】
d1 =λ/(4n1 ) …(1)
d2 =λ/(4n2 ) …(2)
ここで、λは光の波長であり、n1 およびn2 はそれぞれAlGaAs層7aおよびGaAs層7bの屈折率である。
【0077】
一般に、電磁波が屈折率の高い物質から低い物質へ入射する場合にはその位相は変化せず、屈折率の低い物質から高い物質へ入射する場合にはその位相はπだけ変化する。AlGaAs層7aおよびGaAs層7bが上式(1),(2)を満足する場合、各層における反射波の位相が揃うため、高反射率が得られる。
【0078】
本実施の形態の半導体装置においては、DBR膜からなる構成要素層7により垂直な反射板100,101,102,201,202が構成される。
【0079】
なお、AlAsを酸化することにより得られる酸化アルミニウム層とAlGaAs層とを交互に積層することによりDBR膜を構成してもよい。
【0080】
次に、図1の半導体装置の動作の例を説明する。
まず、図1の半導体装置の動作の第1の例を説明する。第1の例では、反射板100,102,201が互いに垂直になるように反射板102が固定され、反射板100,101,202が互いに垂直になるように反射202が固定されている。
【0081】
反射板100,102,201のいずれかに任意の方向から入射した光は、入射方向と平行な方向に反射される。すなわち、反射板100,102,201に面する第1の光源から出射された光は、その第1の光源に戻される。同様に、反射板100,101,202のいずれかに任意の方向から入射した光は、入射方向と平行な方向に反射される。すなわち、反射板100,101,202に面する第2の光源から出射された光は、その第2の光源に戻される。
【0082】
このように、基板1の上方のあらゆる方向に位置する第1および第2の光源から出射された光をそれぞれ第1および第2の光源に戻すことができる。したがって、図1の半導体装置によれば、360度の方向から入射された光を入射方向と平行な方向に反射するレトロリフレクタが実現される。
【0083】
次に、図1の半導体装置の動作の第2の例を説明する。図10は図1の半導体装置の動作の第2の例を示す模式的平面図である。第2の例では、反射板102,202が固定されていない。
【0084】
図10(a)に示すように、静電板122,222間に電圧を印加しない状態で、反射板102と反射板201とのなす角度が90度に設定され、反射板101と反射板202とのなす角度が90度に設定されている。また、反射板102はヒンジ111を介して反射板101に対して可動であり、反射板202はヒンジ211を介して反射板201に対して可動である。
【0085】
この場合、反射板100,102,201に面する第1の光源から反射板100,102,201のいずれかに入射した光は、入射方向と平行な方向に反射され、第1の光源に戻される。また、反射板100,101,202に面する第2の光源から反射板100,101,202のいずれかに入射した光は、入射方向と平行な方向に反射され、第2の光源に戻される。
【0086】
静電板122,222間に電圧を印加すると、反射板102が反射板201に対してなす角度が90度から外れ、反射板202が反射板101に対してなす角度が90度から外れる。それにより、第1の光源から反射板100,102,201のいずれかに入射した光が入射方向と平行な方向に反射されず、第2の光源から反射板100,101,202のいずれかに入射した光が入射方向と平行な方向に反射されない。
【0087】
これを利用すると、静電板122,222間に印加する電圧を制御することにより第1および第2の光源から出射された光を変調してそれぞれ第1および第2の光源に戻すことができる。したがって、図1の半導体装置によれば、1対の光変調器が実現される。
【0088】
次に、図1の半導体装置の動作の第3の例を説明する。図11は図1の半導体装置の動作の第3の例を示す模式的平面図である。第3の例では、反射板102,202が固定されていない。
【0089】
図11(a)に示すように、反射板102,202にそれぞれ第1および第2の光源から光が入射している場合、静電板122,222間に印加する電圧を変化させることにより、反射板102,202の角度を図11(b)に矢印R1,R2で示すように変化させることができる。それにより、反射板102,202による反射光を矢印Y1,Y2で示す方向に走査させることが可能となる。
【0090】
したがって、図1の半導体装置によれば、光を走査させる1対の光学スキャナが実現される。
【0091】
次に、図1の半導体装置の動作の第4の例を説明する。第4の例では、反射板102,202のうち一方が固定されておらず、他方が固定されている。例えば、反射板102が固定されておらず、反射板202が固定されている。
【0092】
反射板102に光が入射している場合、静電板122,222間に印加する電圧を変化させることにより、反射板101に対する反射板102のなす角度を変化させることができる。それにより、反射板102による反射光を走査させることが可能となる。
【0093】
したがって、図1の半導体装置によれば、光を走査させる1つの光学スキャナが実現される。
【0094】
本実施の形態の半導体装置は、通常のフォトリソグラフィ、エッチング、エピタキシャル成長等のプレーナ技術により容易かつ安価に製造することができる。
【0095】
本実施の形態に係る半導体装置製造方法によれば、手動組み立てまたは複雑な組み立て機構を必要とすることなく、それぞれ3枚の反射板100,102,201,および反射板100,101,202により構成される2組の反射装置を備えた半導体装置の自己組み立てが可能となる。
【0096】
本実施の形態では、犠牲層3が第1の層に相当し、歪層40が第2の層に相当し、構成要素層7および歪補償層8が第3の層に相当し、InX Ga1−X As層4およびGaAs層5が複数の半導体層に相当する。また、起立構造S1が第1の起立構造に相当し、起立構造S2が第2の起立構造に相当する。さらに、反射板101,201が第1のプレート領域に相当し、反射板102,202が第2のプレート領域に相当し、ヒンジ110,210が第1の折曲部に相当し、ヒンジ111,211が第2の折曲部に相当し、分離溝13,23が分離溝に相当し、静電板122が第1の対向電極に相当し、静電板222が第2の対向電極に相当し、電極パッド120が第1の電極パッドに相当し、電極パッド220が第2の電極パッドに相当する。
【0097】
上記実施の形態では、歪層40としてInX Ga1−X As層4とGaAs層5との積層構造を用いているが、これに限定されず、異なる格子定数を有する種々の半導体層の組み合わせを用いることができる。歪層40として他のIII −V族化合物半導体の積層構造、II−VI族化合物半導体の積層構造を用いてもよい。また、歪層としてSi(シリコン)およびGe(ゲルマニウム)を含む半導体層の積層構造を用いてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態では、GaAsからなる基板1を用いているが、犠牲層3、歪層40および構成要素層7等の材料を考慮してSi基板等の他の基板を用いてもよい。
【0099】
さらに、上記実施の形態では、犠牲層3の材料は、上記の実施の形態に限定されず、選択エッチングを考慮して他の材料を用いてもよい。
【0100】
また、構成要素層7の材料も上記実施の形態に限定されず、構成要素層7の用途に応じて任意の材料を用いることができる。
【0101】
本発明の半導体装置は、ミラー、多重ミラー、ハーフミラー、回折格子、光共振器、光学ベンチ等の種々の光学装置に適用することができる。また、本発明の半導体装置は、発光ダイオード、レーザダイオード、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;面発光レーザ)、光検出器、光変調器等を用いた光学システムにも適用することができる。さらに、本発明の半導体装置は、光学システムに限らず、流量センサ等の各種センサに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における半導体装置の模式的斜視図である。
【図2】図1の半導体装置の製造方法を示す模式的平面図である。
【図3】図1の半導体装置の製造方法を示す模式的断面図である。
【図4】図1の半導体装置の製造方法を示す模式的平面図である。
【図5】図1の半導体装置の製造方法を示す模式的断面図である。
【図6】図1の半導体装置の製造方法を示す模式的平面図である。
【図7】図1の半導体装置の製造方法を示す模式的断面図である。
【図8】図1の半導体装置の製造方法を示す模式的断面図である。
【図9】図1〜図8の半導体装置における構成要素層を構成するDBR膜の詳細な構成を示す模式的断面図である。
【図10】図1の半導体装置の動作の第2の例を示す模式的平面図である。
【図11】図1の半導体装置の動作の第3の例を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 バッファ層
3 犠牲層
4 InGaAs層
5 GaAs層
6 エッチング停止層
7 構成要素層
8 歪補償層
9 キャップ層
40 歪層
7a AlGaAs層
7b GaAs層
100,101,102,201,202 反射板
110,111,210,211 ヒンジ
120,220 電極パッド
121,221 配線層
122,222 静電板
S1,S2 起立構造
Claims (10)
- 半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1および第2の起立構造とを備え、
前記第1および第2の起立構造の各々は、
前記半導体基板上に第1のヒンジを介して起立しかつ前記半導体基板に対して実質的に垂直な一辺を有する第1のプレートと、
前記第1のプレートの前記一辺に第2のヒンジを介して連結され、前記半導体基板上に起立する第2のプレートとを含み、
前記第1の起立構造の前記第2のプレートと前記第2の起立構造の前記第2のプレートとが対向するように前記第1および第2の起立構造が配置され、
前記第1および第2のヒンジの各々は、異なる格子定数を有する複数の半導体層を含む歪層により形成され、
前記第1および第2の起立構造における前記第2のプレートの対向する面に第1および第2の対向電極がそれぞれ設けられ、
前記第1および第2のプレートの各々は反射膜を含む半導体装置。 - 前記第1および第2のプレートの各々は、前記歪層と、前記歪層に作用する歪を補償する歪補償層とを含む請求項1記載の半導体装置。
- 前記第1の対向電極に電気的に接続された第1の配線層が、前記第1の起立構造における前記第1および第2のプレートおよび前記第1および第2のヒンジの表面に設けられ、
前記第2の対向電極に電気的に接続された第2の配線層が、前記第2の起立構造における前記第1および第2のプレートおよび前記第1および第2のヒンジの表面に設けられた請求項1または2記載の半導体装置。 - 前記第1の配線層は、前記第1の対向電極よりも小さな厚みを有し、前記第2の配線層は、前記第2の対向電極よりも小さな厚みを有する請求項3記載の半導体装置。
- 基板と、前記基板上に設けられた積層構造とを備え、
前記積層構造は、第1の層、第2の層および第3の層を順に含み、
前記第2の層は、異なる格子定数を有する複数の半導体層を含み、
前記積層構造により第1および第2の起立構造が形成され、
前記第1および第2の起立構造の各々は、互いに隣接する第1および第2のプレート領域を含み、
前記第1のプレート領域の一辺に沿って第1の折曲部が形成され、前記第1のプレート領域と前記第2のプレート領域との境界に前記第1の折曲部にほぼ垂直な第2の折曲部が形成され、
前記第1および第2の折曲部を除く部分で前記第1および第2のプレート領域を取り囲むように前記第3の層から前記第1の層に達する分離溝が形成されるとともに、前記第1および第2のプレート領域における前記第1の層の部分が選択的に除去され、
前記第2の層に作用する歪により前記第2の層が前記第1の折曲部および前記第2の折曲部で谷状に折曲され、
前記第1の起立構造における前記第2のプレート領域の一面と前記第2の起立構造における前記第2のプレート領域の一面とが互いに対向するように、前記第1および第2の起立構造の各々における前記第1および第2のプレート領域が前記基板に対して起立し、
前記第1の起立構造における前記第2のプレート領域の前記一面に第1の対向電極が設けられ、前記第2の起立構造における前記第2のプレート領域の前記一面に第2の対向電極が設けられ、
前記第3の層は反射膜を含むことを特徴とする半導体装置。 - 前記積層構造上に第1および第2のパッド電極が設けられ、
前記第1の起立構造における前記第1および第2のプレート領域および前記第1および第2の折曲部の表面に前記第1の対向電極と前記第1のパッド電極とを電気的に接続する第1の配線層が設けられ、
前記第2の起立構造における前記第1および第2のプレート領域および前記第1および第2の折曲部の表面に前記第2の対向電極と前記第2のパッド電極とを電気的に接続する第2の配線層が設けられたことを特徴とする請求項5記載の半導体装置。 - 前記第1の配線層は、前記第1の対向電極および前記第1のパッド電極よりも小さな厚みを有し、
前記第2の配線層は、前記第2の対向電極および前記第2のパッド電極よりも小さな厚みを有することを特徴とする請求項6記載の半導体装置。 - 前記第3の層は、前記第1および第2の起立構造の各々における前記第1および第2の折曲部を除いて前記第2の層に作用する歪を補償する歪補償層を含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記第1および第2の折曲部において前記第3の層が除去されたことを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の半導体装置。
- 基板上に第1の層を形成するステップと、
前記第1の層上に、異なる格子状子を有する複数の半導体層を含む第2の層を形成するステップと、
前記第2の層上に、反射膜を含む第3の層を形成するステップと、
前記第3の層上に第1および第2の起立構造領域を規定し、前記第1および第2の起立構造領域の各々に、互いに隣接する第1および第2のプレート領域を規定するステップと、
前記第1および第2の起立構造領域の各々における前記第1のプレート領域の一辺に沿って第1の折曲部を形成し、前記第1のプレート領域と前記第2のプレート領域との境界に前記第1の折曲部にほぼ垂直な第2の折曲部を形成するステップと、
前記第1および第2の起立構造領域における前記第2のプレート領域の前記第3の層上にそれぞれ第1および第2の対向電極を形成するステップと、
前記第1および第2の起立構造領域の各々において前記第1および第2の折曲部を除く前記第1および第2のプレート領域を取り囲むように前記第3の層から前記第1の層に達する分離溝を形成するステップと、
前記第1および第2のプレート領域における前記第1の層の部分を選択的に除去することにより、前記第2の層に作用する歪により前記第2の層を前記第1の折曲部および前記第2の折曲部で谷状に折曲し、前記第1の起立構造領域における前記第2のプレート領域の前記第1の対向電極と前記第2の起立構造領域における前記第2のプレート領域の前記第2の対向電極とが互いに対向するように、前記第1および第2の起立構造領域の各々における前記第1および第2のプレート領域を前記基板に対して起立させるステップとを備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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