JP2003305696A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2003305696A
JP2003305696A JP2003033631A JP2003033631A JP2003305696A JP 2003305696 A JP2003305696 A JP 2003305696A JP 2003033631 A JP2003033631 A JP 2003033631A JP 2003033631 A JP2003033631 A JP 2003033631A JP 2003305696 A JP2003305696 A JP 2003305696A
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JP2003033631A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Kubota
和芳 久保田
Baccalo Pablo
パブロ・バッカロ
Tadahito Aida
田人 會田
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ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Original Assignee
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1対の層を正確に平行に対向させることがで
き、かつ小型化が可能であるとともに容易に製造するこ
とができる半導体装置およびその製造方法を提供するこ
とである。 【解決手段】 主領域500、第1の補助領域501
a,501bおよび第2の補助領域5021,502b
の上部反射層5が分離溝11で周辺の領域の上部反射層
5から分離される。第1の補助領域501a,501b
および第2の補助領域502a,502bが谷折溝10
で基板1に対して谷状に折曲されるとともに第1の補助
領域501a,501bおよび第2の補助領域502
a,502bと主領域500とが山状に折曲され、主領
域500の上部反射層5が基板1に対して間隔をもって
平行に対向する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対向する1対の層
により構成される半導体装置、層を山折または谷折する
ことにより構成される半導体装置およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】起立構造を有するマイクロ光学ベンチ
が、シリコンを用いたマイクロマシン技術により実現さ
れている。このマイクロマシン技術を用いて、例えば、
レーザ走査ディスプレイのための共振マイクロスキャ
ナ、可動マイクロ反射器、半導体レーザの外部共振器の
ための走査マイクロミラー等を作製することが報告され
ている。
【0003】この従来のマイクロマシン技術では、積層
された半導体層の一部をエッチングにより剥離させた
後、剥離した部分をスライドさせて起立させるとともに
ヒンジ部で接合することにより、起立構造を形成してい
る。この起立構造を用いて基板上に所定の角度で起立し
たミラー等が構成される。
【0004】
【特許文献1】特開2001−260092号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
マイクロマシン技術を用いて半導体により起立構造を作
製する場合、剥離した半導体層をスライドさせる際に磨
耗が生じる。また、半導体層を所定の位置まで正確にス
ライドさせることは困難である。そのため、起立構造を
構成する各部材の角度および位置を正確に制御すること
が困難であるとともに、作業性が悪い。
【0006】特に、光共振器では、1対の反射層を正確
に平行に対向させる必要があるため、従来のマイクロマ
シン技術を用いて光共振器を作製することは困難であ
る。
【0007】また、層を山折およぴ谷折することにより
複雑な構造を作製することも困難である。
【0008】本発明の目的は、1対の層を正確に平行に
対向させることができ、かつ小型化が可能であるととも
に容易に製造することができる半導体装置およびその製
造方法を提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、層を山折または谷折
することにより形成され、かつ小型化が可能であるとと
もに容易に製造することができる半導体装置およびその
製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係る半導体装置は、基板上に第1の層、第2の層
および第3の層が順に形成され、第2の層は、異なる格
子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含み、第3
の層は、主領域、第1の補助領域および第2の補助領域
を含み、第1および第2の補助領域は、主領域にそれぞ
れ第1および第2の折線部分を介して連接するとともに
周囲の領域にそれぞれ第3および第4の折線部分を介し
て連接し、第1、第2、第3および第4の折線部分は平
行に配置され、第1、第2、第3および第4の折線部分
を除く部分で主領域、第1の補助領域および第2の補助
領域を取り囲むように第3の層から第1の層に至る深さ
の分離溝が形成されるとともに、主領域、第1の補助領
域および第2の補助領域における第1の層が選択的に除
去され、第2の層に作用する歪により第2の層が第3お
よび第4の折線部分で谷状に折曲されかつ第1および第
2の折線部分で山状に折曲され、第1および第2の補助
領域が基板上の第3の層に対して起立し、主領域が基板
に間隔をもって対向するものである。
【0011】本発明に係る半導体装置においては、第
1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で主領
域、第1の補助領域および第2の補助領域を取り囲む分
離溝において第3の層、第2の層および第1の層が除去
され、かつ主領域、第1の補助領域および第2の補助領
域における第1の層が除去されているので、主領域が第
1の補助領域および第2の補助領域を介してのみ周囲の
領域につながりつつ解放状態となっている。
【0012】第2の層の複数の半導体層の格子定数が異
なるため、第2の層に格子定数の差に起因する歪が発生
する。それにより、歪を緩和するように第2の層が第3
の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ
第1の折線部分および第2の折線部分で山状に折曲され
る。したがって、第1の補助領域および第2の補助領域
が基板上の第3の層に対して起立するとともに、主領域
が基板に対して間隔をもって対向する。
【0013】このように、主領域、第1の補助領域、第
2の補助領域および基板が平行四辺形を保ちつつ第2の
層が谷折および山折されるので、主領域を基板に対して
正確に平行に対向させることができる。
【0014】また、複数の半導体層の格子定数の差に起
因する歪を緩和するように第2の層が自動的に折曲され
る。そのため、簡単なプロセスで対向する1対の反射層
からなる小型の半導体装置を容易に作製することができ
る。
【0015】第3の層は第1の反射層を含み、基板と第
1の層との間に第2の反射層が設けられ、主領域の第1
の反射層が基板上の第2の反射層に対向してもよい。
【0016】この場合、主領域の第1の反射層を基板上
の第2の反射層に対して正確に平行に対向させることが
できる。それにより、光共振器を構成することができ
る。
【0017】第3の層は反射層を含み、主領域の反射層
が周囲の領域の反射層に部分的に対向してもよい。
【0018】この場合、主領域の第1の反射層を部分的
に基板上の第1の反射層に対して正確に平行に対向させ
ることができる。それにより、光共振器を構成すること
ができる。
【0019】第2の層は、第1の格子定数を有する第1
の半導体層と、第1の格子定数よりも小さい第2の格子
定数を有する第2の半導体層と、第2の格子定数よりも
大きい第3の格子定数を有する第3の半導体層とを含
み、第3および第4の折線部分で第2の層が谷状に折曲
されるように第3および第4の折線部分の第3の層およ
び第3の半導体層が除去され、第1および第2の折線部
分で第2の層が山状に折曲されるように第1および第2
の折線部分で第3の層が除去されてもよい。
【0020】この場合、第3および第4の折線部分の第
3の層および第3の半導体層が除去されると、第1の半
導体層の第1の格子定数と第2の半導体層の第2の格子
定数との差に起因する歪を緩和するように第3および第
4の折線部分で第2の層が谷状に折曲する。また、第1
および第2の折線部分で第3の層が除去されると、第3
の半導体層の第3の格子定数と第2の半導体層の第2の
格子定数との差に起因する歪を緩和するように第1およ
び第2の折線部分で第2の層が山状に折曲する。
【0021】基板上の第3の層に対して起立する第1お
よび第2の補助領域の角度を変化させる駆動手段をさら
に備えてもよい。
【0022】この場合、第1および第2の補助領域の角
度を変化させることにより、主領域の第3の層と基板と
の間の距離を変化させることができる。
【0023】駆動手段は、静電力または電磁力により第
1および第2の補助領域の角度を変化させてもよい。主
領域の第3の層と基板との間の距離を容易に変化させる
ことができる。
【0024】第1の補助領域は複数の第1の補助領域を
含み、第2の補助領域は複数の第2の補助領域を含んで
もよい。この場合、主領域の第3の層が安定に基板に対
して対向することができる。
【0025】第2の発明に係る半導体装置の製造方法
は、基板上に第1の層を形成するステップと、第1の層
上に異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造
を含む第2の層を形成するステップと、第2の層上に第
3の層を形成するステップと、第3の層に、互いに平行
に配置された第1、第2、第3および第4の折線部分を
形成することにより、主領域を設けかつ主領域にそれぞ
れ第1および第2の折線部分を介して連接するとともに
周囲の領域にそれぞれ第3および第4の折線部分を介し
て連接する第1および第2の補助領域を設けるステップ
と、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分
で主領域、第1の補助領域および第2の補助領域を取り
囲むように第3の層から第1の層に至る深さの分離溝を
形成するステップと、主領域、第1および第2の補助領
域における第1の層を選択的に除去するステップと、第
2の層に作用する歪により第2の層を第3および第4の
折線部分で谷状に折曲しかつ第1および第2の折線部分
で山状に折曲し、第1および第2の補助領域を基板上の
第3の層に対して起立させ、主領域を基板に間隔をもっ
て対向させるステップとを備えたものである。
【0026】本発明に係る半導体装置の製造方法におい
ては、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部
分で主領域、第1の補助領域および第2の補助領域を取
り囲む分離溝において第3の層、第2の層および第1の
層が除去され、かつ主領域、第1の補助領域および第2
の補助領域における第1の層が除去されるので、主領域
が第1の補助領域および第2の補助領域を介してのみ周
囲の領域につながりつつ解放状態となる。
【0027】第2の層の複数の半導体層の格子定数が異
なるため、第2の層に格子定数の差に起因する歪が発生
する。それにより、歪を緩和するように第2の層が第3
の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ
第1の折線部分および第2の折線部分で山状に折曲され
る。したがって、第1の補助領域および第2の補助領域
が基板上の第3の層に対して起立するとともに、主領域
が基板に対して間隔をもって対向する。
【0028】このように、主領域、第1の補助領域、第
2の補助領域および基板が平行四辺形を保ちつつ第2の
層が谷折および山折されるので、主領域を基板に対して
正確に平行に対向させることができる。
【0029】また、複数の半導体層の格子定数の差に起
因する歪を緩和するように第2の層が自動的に折曲され
る。そのため、簡単なプロセスで対向する1対の反射層
からなる小型の半導体装置を容易に作製することができ
る。
【0030】第3の発明に係る半導体装置は、第1の
層、第2の層および第3の層が順に形成され、第2の層
は、第1の格子定数を有する第1の半導体層と、第1の
格子定数よりも小さい第2の格子定数を有する第2の半
導体層と、第2の格子定数よりも大きい第3の格子定数
を有する第3の半導体層とを含み、所定領域を部分的に
取り囲むように第3の層から第1の層に至る深さの分離
溝が形成されるとともに、所定領域における第1の層が
選択的に除去され、所定領域において第1の折線部分で
第2の層が谷状に折曲されるように第1の折線部分の第
3の層および第3の半導体層が除去され、所定領域にお
いて第2の折線部分で第2の層が山状に折曲されるよう
に第2の折線部分で第3の層が除去されたものである。
【0031】本発明に係る半導体装置においては、所定
領域を部分的に取り囲む分離溝において第3の層、第2
の層および第1の層が除去され、かつ所定領域における
第1の層が除去されているので、所定領域が一部分での
み周囲の領域につながりつつ解放状態となっている。
【0032】第2の層の第1の半導体層、第2の半導体
層および第3の半導体層の格子定数が異なるため、第2
の層に格子定数の差に起因する歪が発生する。第1の折
線部分の第3の層および第3の半導体層が除去される
と、第1の半導体層の第1の格子定数と第2の半導体層
の第2の格子定数との差に起因する歪を緩和するように
第1の折線部分で第2の層が谷状に折曲する。また、第
2の折線部分で第3の層が除去されると、第3の半導体
層の第3の格子定数と第2の半導体層の第2の格子定数
との差に起因する歪を緩和するように第2の折線部分で
第2の層が山状に折曲する。
【0033】このように、複数の半導体層の格子定数の
差に起因する歪を緩和するように第2の層が自動的に谷
折および山折される。そのため、簡単なプロセスで層を
山折および谷折することができ、小型化が可能であると
ともに容易に製造することができる。
【0034】第4の発明に係る半導体装置の製造方法
は、第1の層を形成するステップと、第1の層上に、第
1の格子定数を有する第1の半導体層と第1の格子定数
よりも小さい第2の格子定数を有する第2の半導体層と
第2の格子定数よりも大きい第3の格子定数を有する第
3の半導体層とを含む第2の層を形成するステップと、
第2の層上に第3の層を形成するステップと、所定領域
を部分的に取り囲むように第3の層から第1の層に至る
深さの分離溝を形成するステップと、所定領域における
第1の層を選択的に除去するステップと、所定領域にお
いて第1の折線部分で第2の層が谷状に折曲されるよう
に第1の折線部分の第3の層および第3の半導体層を除
去し、所定領域において第2の折線部分で第2の層が山
状に折曲されるように第2の折線部分で第3の層を除去
するステップとを備えたものである。
【0035】本発明に係る半導体装置の製造方法におい
ては、所定領域を部分的に取り囲む分離溝において第3
の層、第2の層および第1の層が除去され、かつ所定領
域における第1の層が除去されるので、所定領域が一部
分でのみ周囲の領域につながりつつ解放状態となる。
【0036】第2の層の第1の半導体層、第2の半導体
層および第3の半導体層の格子定数が異なるため、第2
の層に格子定数の差に起因する歪が発生する。第1の折
線部分の第3の層および第3の半導体層が除去される
と、第1の半導体層の第1の格子定数と第2の半導体層
の第2の格子定数との差に起因する歪を緩和するように
第1の折線部分で第2の層が谷状に折曲する。また、第
2の折線部分で第3の層が除去されると、第3の半導体
層の第3の格子定数と第2の半導体層の第2の格子定数
との差に起因する歪を緩和するように第2の折線部分で
第2の層が山状に折曲する。
【0037】このように、複数の半導体層の格子定数の
差に起因する歪を緩和するように第2の層が自動的に谷
折および山折される。そのため、簡単なプロセスで層を
山折および谷折することができ、小型化が可能であると
ともに容易に製造することができる。
【0038】第5の発明に係る半導体装置は、第1の層
と、第2の層と、第3の層とを順に備え、第2の層は、
異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含
み、所定領域を部分的に取り囲むように第3の層から第
1の層に至る深さの分離溝が形成されるとともに、所定
領域における第1の層が選択的に除去され、所定領域に
おいて第2の層に作用する歪により第1の折線部分で第
2の層が谷状に折曲されるように第1の折線部分に第1
の深さの溝が形成され、所定領域において第2の層に作
用する歪により第2の折線部分で第2の層が山状に折曲
されるように第2の折線部分に第1の深さと異なる第2
の深さの溝が形成されたものである。
【0039】本発明に係る半導体装置においては、所定
領域を部分的に取り囲む分離溝において、第3の層、第
2の層および第1の層が除去されているので、所定領域
が第1の折線部分でのみ周囲の領域につながりつつ解放
状態となっている。
【0040】第2の層の複数の半導体層の格子定数が異
なるため、第2の層に格子定数の差に起因する歪が発生
する。第1の折線部分に第1の深さの溝が形成されるこ
とにより第2の層に作用する歪を緩和するように、第2
の層が第1の折線部分で谷状に折曲され、第2の折線部
分に第2の深さの溝が形成されることにより、第2の層
に作用する歪を緩和するように、第2の層が第2の折線
部分で山状に折曲される。
【0041】このように、複数の半導体層の格子定数の
差に起因する歪を緩和するように第2の層が谷状および
山状に自動的に折曲される。そのため、簡単なプロセス
で谷状および山状に折曲された半導体装置を容易に作製
することができる。
【0042】第2の層は、第1の格子定数を有する第1
の半導体層と、第1の格子定数よりも小さい第2の格子
定数を有する第2の半導体層と、第2の格子定数よりも
大きい第3の格子定数を有する第3の半導体層とを順に
含んでもよい。
【0043】第6の発明に係る半導体装置は、異なる格
子定数を有する複数の半導体層の積層構造を備え、積層
構造に作用する歪により所定の折線部分で積層構造が山
状に折曲されるように折線部分に所定深さの溝が形成さ
れたものである。
【0044】本発明に係る半導体装置においては、積層
構造の複数の半導体層の格子定数が異なるため、積層構
造に格子定数の差に起因する歪が発生する。所定の折線
部分に所定深さの溝が形成されることにより積層構造に
作用する歪を緩和するように、積層構造が折線部分で山
状に自動的に折曲される。したがって、簡単なプロセス
で谷状に折曲された半導体装置を容易に作製することが
できる。
【0045】第7の発明に係る半導体装置は、異なる格
子定数を有する複数の半導体層の積層構造を備え、積層
構造に作用する歪により所定の折線部分で積層構造が谷
状に折曲されるように折線部分に所定深さの溝が形成さ
れたものである。
【0046】本発明に係る半導体装置においては、積層
構造の複数の半導体層の格子定数が異なるため、積層構
造に格子定数の差に起因する歪が発生する。所定の折線
部分に所定深さの溝が形成されることにより積層構造に
作用する歪を緩和するように、積層構造が折線部分で谷
状に自動的に折曲される。したがって、簡単なプロセス
で山状に折曲された半導体装置を容易に作製することが
できる。
【0047】第8の発明に係る半導体装置は、異なる格
子定数を有する複数の半導体層の積層構造を備え、積層
構造に作用する歪により第1の折線部分で積層構造が谷
状に折曲されるように第1の折線部分に第1の深さの溝
が形成され、積層構造に作用する歪により第2の折線部
分で積層構造が山状に折曲されるように第2の折線部分
に第2の深さの溝が形成されたものである。
【0048】本発明に係る半導体装置においては、複数
の半導体層の格子定数が異なるため、積層構造に格子定
数の差に起因する歪が発生する。第1の折線部分に第1
の深さの溝が形成されることにより積層構造に作用する
歪を緩和するように、積層構造が第1の折線部分で谷状
に折曲され、第2の折線部分に第2の深さの溝が形成さ
れることにより積層構造に作用する歪を緩和するよう
に、積層構造が第2の折線部分で自動的に山状に自動的
に折曲される。したがって、簡単なプロセスで谷状およ
び山状に折曲された半導体装置を容易に作製することが
できる。
【0049】第9の発明に係る半導体装置の製造方法
は、第1の層を形成するステップと、第1の層上に異な
る格子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含む第
2の層を形成するステップと、第2の層上に第3の層を
形成するステップと、所定領域を部分的に取り囲むよう
に第3の層から第1の層に至る深さの分離溝を形成する
とともに、所定領域における第1の層を選択的に除去す
るステップと、所定領域において第2の層に作用する歪
により第1の折線部分で第2の層が谷状に折曲されるよ
うに第1の折線部分に第1の深さの溝を形成するステッ
プと、所定領域において第2の層に作用する歪により第
2の折線部分で第2の層が山状に折曲されるように第2
の折線部分に第2の深さの溝を形成するステップとを備
えたものである。
【0050】本発明に係る半導体装置の製造方法におい
ては、所定領域を部分的に取り囲む分離溝において、第
3の層、第2の層および第1の層が除去されるので、所
定領域が第1の折線部分でのみ周囲の領域につながりつ
つ解放状態となっている。
【0051】第2の層の複数の半導体層の格子定数が異
なるため、第2の層に格子定数の差に起因する歪が発生
する。第1の折線部分に第1の深さの溝が形成されるこ
とにより第2の層に作用する歪を緩和するように、第2
の層が第1の折線部分で谷状に折曲され、第2の折線部
分に第2の深さの溝が形成されることにより第2の層に
作用する歪を緩和するように、第2の層が第2の折線部
分で山状に折曲される。
【0052】このように、複数の半導体層の格子定数の
差に起因する歪を緩和するように第2の層が谷状および
山状に自動的に折曲される。そのため、簡単なプロセス
で谷状および山状に折曲された半導体装置を容易に作製
することができる。
【0053】第10の発明に係る半導体装置の製造方法
は、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造
を形成するステップと、積層構造に作用する歪により所
定の折線部分で積層構造が山状に折曲されるように折線
部分に所定深さの溝を形成するステップとを備えたもの
である。
【0054】本発明に係る半導体装置の製造方法におい
ては、積層構造の複数の半導体層の格子定数が異なるた
め、積層構造に格子定数の差に起因する歪が発生する。
所定の折線部分に所定深さの溝が形成されることにより
積層構造に作用する歪を緩和するように、積層構造が折
線部分で山状に自動的に折曲される。したがって、簡単
なプロセスで谷状に折曲された半導体装置を容易に作製
することができる。
【0055】第11の発明に係る半導体装置の製造方法
は、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造
を形成するステップと、積層構造に作用する歪により所
定の折線部分で積層構造が谷状に折曲されるように折線
部分に所定深さの溝を形成するステップとを備えたもの
である。
【0056】本発明に係る半導体装置製造方法において
は、複数の半導体層の格子定数が異なるため、積層構造
に格子定数の差に起因する歪が発生する。所定の折線部
分に所定深さの溝が形成されることにより積層構造に作
用する歪を緩和するように、積層構造が折線部分で山状
に自動的に折曲される。したがって、簡単なプロセスで
山状に折曲された半導体装置を容易に作製することがで
きる。
【0057】第12の発明に係る半導体装置の製造方法
は、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造
を形成するステップと、積層構造に作用する歪により第
1の折線部分で積層構造が谷上に折曲されるように第1
の折線部分に第1の深さの溝を形成するステップと、積
層構造に作用する歪により第2の折線部分で積層構造が
山状に折曲されるように第2の折線部分に第1の深さと
異なる第2の深さの溝を形成するステップとを備えたも
のである。
【0058】本発明に係る半導体装置の製造方法におい
ては、複数の半導体層の格子定数が異なるため、積層構
造に格子定数の差に起因する歪が発生する。第1の折線
部分に第1の深さの溝が形成されることにより積層構造
に作用する歪を緩和するように、積層構造が第1の折線
部分で谷状に折曲され、第2の折線部分に第2の深さの
溝が形成されることにより積層構造に作用する歪を緩和
するように、積層構造が第2の折線部分で自動的に山状
に自動的に折曲される。したがって、簡単なプロセスで
谷状および山状に折曲された半導体装置を容易に作製す
ることができる。
【0059】その半導体装置は、任意の方向に沿った折
線部分で積層構造を折曲することにより形成される任意
の数の山状の折曲部と、任意の方向に沿った折線部分で
積層構造を折曲することにより形成される任意の数の谷
状の線曲部とを、任意の順序で含んでもよい。
【0060】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態にお
ける半導体装置の上部反射層の起立前の状態を示す模式
的平面図、図2は図1の半導体装置の上部反射層の起立
後の状態を示す模式的斜視図である。
【0061】本実施の形態の半導体装置は、平行に対向
する2つの平面鏡により構成される光共振器である。
【0062】図1において、基板1上には後述する上部
反射層5が形成されている。上部反射層5には、略T字
形の主領域500、矩形の1対の第1の補助領域501
a,501bおよび矩形の1対の第2の補助領域502
a,502bが設けられている。主領域500は、中央
部の矩形領域の両側部に矩形の突出領域500a,50
0bを有する。
【0063】第1の補助領域501a,501bは、一
点鎖線で示される山折溝20を介して主領域500の一
方の端辺に連接し、点線で示される谷折溝10を介して
周囲の領域に連接している。第2の補助領域502a,
502bは、一点鎖線で示される山折溝20を介して主
領域500の突出領域500a,500bの一辺に連接
し、点線で示される谷折溝10を介して周囲の領域に連
接している。谷折溝10および山折溝20は互いに平行
に延びている。
【0064】主領域500の山折線20を除く一方の端
辺、両側辺および他方の端辺に沿って太い実線で示され
る分離溝11が形成されている。また、第1のおよび第
2の補助領域501a,501b,502a,502b
の両側辺に沿って太い実線で示される分離溝11が形成
されている。
【0065】主領域500の幅Wは、約10μm〜数百
μm程度である。1対の第1の補助領域501a,50
1bは、同じ形状および同じ寸法を有し、主領域500
の中心線に対して対称に配置されている。また、1対の
第2の補助領域502a,502bは、同じ形状および
同じ寸法を有し、主領域500の中心線に対して対称に
配置されている。第1の補助領域501a,501bの
長さL1は第2の補助領域502a,502bの長さL
2と等しい。
【0066】主領域500、第1の補助領域501a,
501bおよび第2の補助領域502a,502bの上
部反射層5が分離溝11で周辺の領域の上部反射層5か
ら分離される。また、第1の補助領域501a,501
bおよび第2の補助領域502a,502bが谷折溝1
0で基板1に対して谷状に折曲されるとともに、第1の
補助領域501a,501bおよび第2の補助領域50
2a,502bと主領域500とが山状に折曲される。
【0067】それにより、図2に示すように、第1の補
助領域501a,501bの上部反射層5および第2の
補助領域502a,502bの上部反射層5が基板1上
で起立するとともに、主領域500の上部反射層5が基
板1に対して間隔をもって平行に対向する。後述するよ
うに、主領域500の下方における基板1上には下部反
射層2が形成されているので、第1の補助領域501
a,501bの上部反射層5および第2の補助領域50
2a,502bの上部反射層5が基板1上で起立するこ
とにより主領域500の上部反射層5が周囲の領域の上
部反射層5から分離すると、主領域500の上部反射層
5の下方には基板1上の下部反射層2が露出する。した
がって、上部反射層5が下部反射層2に間隔をもって対
向する。
【0068】本実施の形態の半導体装置においては、主
領域500、第1の補助領域501a,501b、第2
の補助領域502a,502bおよび基板1が平行四辺
形を保ちながら折曲されるので、主領域500の上部反
射層5が基板1上の下部反射層2に対して正確に平行と
なる。したがって、下部反射層2および上部反射層5が
平行に対向する光共振器が容易かつ正確に構成される。
【0069】図3〜図6は図1および図2の半導体装置
の製造方法を示す工程図である。図3(a),(b)は
図1の半導体装置の製造工程での上部反射層の起立前の
状態を示すそれぞれ模式的平面図および模式的正面図で
ある。図4(a),(b),(c)は図3の半導体装置
のそれぞれA−A線断面図、B−B線断面図およびC−
C線断面図である。図5(a),(b)は図1の半導体
装置の製造工程での上部反射層の起立後の状態を示すそ
れぞれ模式的平面図および模式的正面図である。図6
(a),(b),(c)は図5の半導体装置のそれぞれ
A−A線断面図、B−B線断面図およびC−C線断面図
である。
【0070】まず、図3および図4に示すように、Ga
Asからなる基板1上に、下部反射層2、AlGaAs
からなる犠牲層(sacrifice層)3、歪層(strain層)
4および上部反射層5を順にエピタキシャル成長させ
る。
【0071】これらの下部反射層2、犠牲層3、歪層4
および上部反射層5は、MBE法(分子線エピタキシャ
ル成長法)、MOCVD法(有機金属化学的気相成長
法)、CVD法(化学的気相成長法)等のエピタキシャ
ル成長技術を用いて形成される。
【0072】歪層4は、厚さ数nm〜数十nmの第1の
InGaAs層41a、厚さ数nm〜数十nmのGaA
s層42および厚さ数nm〜数十nmの第2のInGa
As層41bにより構成される。本実施の形態では、第
1および第2のInGaAs層41a,41bの格子定
数は、GaAs層42の格子定数よりも大きい。そのた
め、歪層4に格子定数の差による歪が発生する。歪層4
の働きについては後述する。
【0073】また、下部反射膜2および上部反射層5
は、分布反射膜(Distributed BraggReflector:以下、
DBR膜と呼ぶ)により構成される。DBR膜は、後述
するように、AlGaAsとGaAsとの積層構造を有
する。
【0074】次に、フォトリソグラフィおよびエッチン
グにより上部反射層5に谷折溝10を形成する。エッチ
ングとしては、ウェットエッチング法またはRIE法
(反応性イオンエッチング法)を用いることができる。
【0075】次に、フォトリソグラフィおよびエッチン
グにより上部反射層5、歪層4および犠牲層3を除去
し、分離溝11を形成する。それにより、分離溝11で
取り囲まれた上部反射層5が周囲の上部反射層5から分
離される。この場合にも、エッチングとしてウェットエ
ッチング法またはRIE法を用いる。
【0076】その後、歪層4下の犠牲層3をウェットエ
ッチング法により選択的にエッチングする。その結果、
図5および図6に示すように、歪層4を構成する第1お
よび第2のInGaAs層41a,41bとGaAs層
42との格子定数の差に起因する歪を緩和するように歪
層4が谷折溝10の下方で谷状に湾曲するとともに山折
溝20の下方で山状に湾曲する。それにより、上部反射
層5が谷折溝10で谷状に折曲されるとともに山折溝2
0で山状に折曲される。
【0077】ここで、上部反射層5を山折りおよび谷折
りする方法について説明する。図7は歪層4を示す模式
的断面図であり、(a)は折曲していない状態を示し、
(b)は山折された状態を示し、(c)は谷折された状
態を示す。
【0078】図7(a)に示すように、歪層4は、Ga
As層42が第1のInGaAs層41aおよび第2の
InGaAs層41bにより挟まれた構造を有する。第
2のInGaAs層41bは第1のInGaAs層41
aよりも大きな厚みを有する。第2のInGaAs層4
1b上に上部反射層5が形成される。
【0079】この場合、第1のInGaAs層41aお
よび第2のInGaAs層41bはGaAs層42に比
べて大きな格子定数を有するので、第1のInGaAs
層41aはGaAs層42を上方に湾曲させるように作
用し、第2のInGaAs層41bはGaAs層42を
下方に湾曲させるように作用する。この状態では、第2
のInGaAs層41b上に上部反射層5が形成されて
いるため、歪層4は湾曲しない。
【0080】図7(b)に示すように、上部反射層5を
第2のInGaAs層41bが露出するまでエッチング
すると、第1のInGaAs層41aの厚みが第2のI
nGaAs層41bの厚みに比べて大きいので、第2の
InGaAs層41bがGaAs層42を下方に湾曲さ
せるように作用する。それにより、上部反射層5がエッ
チング部分で山状に折曲される。
【0081】図7(c)に示すように、上部反射層5お
よび第2のInGaAs層41bをGaAs層42が露
出するまでエッチングすると、第1のInGaAs層4
1aはGaAs層42を上方に湾曲させるように作用す
る。それにより、上部反射層5がエッチング部分で谷状
に折曲される。
【0082】このように、歪層4を用いるとともにエッ
チング深さを調整することにより、上部反射層5を谷状
および山状に折曲することができる。
【0083】この場合、第1および第2のInGaAs
層41a,41bの厚さ、GaAs層42の厚さおよび
第1および第2のInGaAs層41a,41bにおけ
るIn組成比を最適に選択することにより、上部反射層
5を基板1に対して垂直に起立させることができる。
【0084】例えば、第1のInGaAs層41aの厚
さを10nmとし、GaAs層42の厚さを10nmと
する。また、第1のInGaAs層41aの組成InX
Ga1-X AsにおけるIn組成比Xを0.2とすると、
歪層4がGaAs基板1に対して垂直に起立する。
【0085】なお、第1のInGaAs層41aにおけ
るIn組成比を変化させることにより、InGaAsと
GaAsとの格子定数の差を約7%まで変化させること
ができる。
【0086】第1のInGaAs層41aの厚さt1と
GaAs層42の厚さt2とが等しいとした場合、第1
のInGaAs層41aの厚さt1、GaAs層42の
厚さt2、第1のInGaAs層41aにおけるIn組
成比Xおよび歪層4の曲率半径Rとの間には、次の関係
がある。
【0087】R=(2/3)・(a/Δa)・d ここで、aはGaAsの格子定数であり、5.6533
Åである。また、ΔaはInX Ga1-X Asの格子定数
とGaAsの格子定数との差である。In0.2Ga0.8
Asの格子定数は5.7343Åである。また、dは第
1のInGaAs層41aの厚さt1およびGaAs層
42の厚さt2の合計である。t1=t2=10[n
m]の場合、d=20[nm]となる。本例では、R=
0.944[μm]となる。なお、湾曲領域の円弧の長
さは1.483μmとする。
【0088】図8は上部反射層5の詳細な構成を示す模
式的断面図である。下部反射層2の構成は、上部反射層
5の構成と同様である。
【0089】図8に示すように、上部反射層5は、複数
のAlGaAs層5aと複数のGaAs層5bとが交互
に積層されてなる積層構造を有する。AlGaAs層5
aおよびGaAs層5bの周期は4〜20である。
【0090】この上部反射層5のAlGaAs層5aの
厚さd1 およびGaAs層5bの厚さd2 は、次式のよ
うに設定する。
【0091】d1 =λ/(4n1 ) …(1) d2 =λ/(4n2 ) …(2) ここで、λは発光波長であり、n1 およびn2 はそれぞ
れAlGaAs層5aおよびGaAs層5bの屈折率で
ある。
【0092】一般に、電磁波が屈折率の高い物質から低
い物質へ入射する場合にはその位相は変化せず、屈折率
の低い物質から高い物質へ入射する場合にはその位相は
πだけ変化する。AlGaAs層5aおよびGaAs層
6bが上式(1),(2)を満足する場合、各層におけ
る反射波の位相が揃うため、高反射率が得られる。
【0093】なお、AlAsを酸化することにより得ら
れる酸化アルミニウム層とAlGaAs層とを交互に積
層することにより上部反射層5を構成してもよい。
【0094】上記のようにして、下部反射層2および上
部反射層5が平行に対向する光共振器が容易かつ正確に
構成される。
【0095】本実施の形態の半導体装置は、通常のフォ
トリソグラフィ、エッチング、エピタキシャル成長等の
プレーナ技術により容易かつ安価に製造することができ
る。
【0096】なお、上記実施の形態の半導体装置では、
基板1と犠牲層3との間に下部反射層2を設け、上部反
射層5と下部反射層2とを平行に対向させることによ
り、光共振器を構成しているが、下部反射層2を設けな
くてもよい。この場合、基板1上から分離された主領域
500の上部反射層5と基板1上の上部反射層5とが部
分的に対向する。したがって、領域500の上部反射層
5とその上部反射層5に部分的に対向する基板1上の上
部反射層5の領域とにより光共振器を構成することがで
きる。
【0097】また、第1の補助領域501a,501b
および第2の補助領域502a,502bの少なくとも
1つに第1の電極を形成し、その第1の電極に対向する
ように第2の電極を配置してもよい。この場合、第1の
電極と第2の電極との間に電圧を印加すると、第1の電
極と第2の電極との間に静電力が作用する。したがっ
て、第1の電極と第2の電極との間に印加する電圧を変
化させることにより、第1の補助領域501a,501
bおよび第2の補助領域502a,502bの角度を制
御し、下部反射層2と上部反射層5との間の距離を変化
させることができる。その結果、光共振器の共振波長を
変化させることが可能となる。このように、本実施の形
態の光共振器は、可変光共振器として用いることができ
る。
【0098】また、第1の補助領域501a,501b
および第2の補助領域502a,502bの少なくとも
1つに第1のインダクタを形成し、その第1のインダク
タに対向するように第2のインダクタを配置してもよ
い。それにより、電磁力により第1の補助領域501
a,501bおよび第2の補助領域502a,502b
の角度を制御し、下部反射層2と上部反射層5との間の
距離を変化させることができる。その結果、光共振器の
共振波長を変化させることが可能となる。
【0099】なお、歪層4に電流を流すことにより歪層
4を加熱してもよい。それにより、歪層4の湾曲の程度
を調整し、第1の補助領域501a,501bおよび第
2の補助領域502a,502bの角度を変化させるこ
とができる。また、第1および第2のInGaAs層4
1a,41bを熱膨張させることにより歪層4を容易に
湾曲させることができる。この場合には、第1および第
2のInGaAs層41a,41bに導電性を付与する
ためにn型またはp型の不純物をドープしておく。
【0100】また、歪層4に印加する電圧または歪層4
に流す電流を変化させることにより第1の補助領域50
1a,501bおよび第2の補助領域502a,502
bの角度を直角以外の角度に変化させることも可能であ
る。
【0101】上記実施の形態では、1対の第1の補助領
域501a,501bおよび1対の第2の補助領域50
2a,502bを設けているが、第1の補助領域および
第2の補助領域の数はこれに限定されず、少なくとも1
つの第1の補助領域および少なくとも1つの第2の補助
領域を設ければよい。
【0102】上記実施の形態では、歪層4としてInG
aAs層とGaAs層との積層構造を用いているが、こ
れに限定されず、異なる格子定数を有する種々の半導体
層の組み合わせを用いることができる。歪層として他の
III −V族化合物半導体の積層構造、II−VI族化合物半
導体の積層構造を用いてもよい。また、歪層としてSi
(シリコン)およびGe(ゲルマニウム)を含む半導体
層の積層構造を用いてもよい。
【0103】また、上記実施の形態では、GaAsから
なる基板を用いているが、犠牲層、歪層および反射層の
材料を考慮してSi基板等の他の基板を用いてもよい。
【0104】さらに、上記実施の形態では、犠牲層の材
料としてAlGaAsを用いているが、これに限定され
ず、選択エッチングを考慮して他の材料を用いてもよ
い。
【0105】また、上部反射層および下部反射層の材料
も上記実施の形態に限定されず、任意の材料を用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における半導体装置の上
部反射層の起立前の状態を示す模式的平面図である。
【図2】図1の半導体装置の上部反射層の起立後の状態
を示す模式的斜視図である。
【図3】図1の半導体装置の製造工程での上部反射層の
起立前の状態を示す模式的平面図および模式的正面図で
ある。
【図4】図3の半導体装置のA−A線断面図、B−B線
断面図およびC−C線断面図である。
【図5】図1の半導体装置の製造工程での上部反射層の
起立後の状態を示す模式的平面図および模式的正面図で
ある。
【図6】図5の半導体装置のA−A線断面図、B−B線
断面図およびC−C線断面図である。
【図7】歪層の働きを示す模式的断面図である。
【図8】上部反射層の詳細な構成を示す模式的断面図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 下部反射層 3 犠牲層 4 歪層 41a 第1のInGaAs層 41b 第2のInGaAs層 42 GaAs層 5 上部反射層 10 谷折溝 11 分離溝 20 山折溝 500 主領域 501a,501b 第1の補助領域 502a,502b 第2の補助領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 會田 田人 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社国際電気通信基礎技術研究所内 Fターム(参考) 2H041 AA21 AB10 AB12 AC06 AZ05 AZ08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1の層、第2の層および第3
    の層が順に形成され、前記第2の層は、異なる格子定数
    を有する複数の半導体層の積層構造を含み、 前記第3の層は、主領域、第1の補助領域および第2の
    補助領域を含み、前記第1および第2の補助領域は、前
    記主領域にそれぞれ第1および第2の折線部分を介して
    連接するとともに周囲の領域にそれぞれ第3および第4
    の折線部分を介して連接し、前記第1、第2、第3およ
    び第4の折線部分は平行に配置され、 前記第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分
    で前記主領域、前記第1の補助領域および前記第2の補
    助領域を取り囲むように前記第3の層から前記第1の層
    に至る深さの分離溝が形成されるとともに、前記主領
    域、前記第1の補助領域および前記第2の補助領域にお
    ける前記第1の層が選択的に除去され、 前記第2の層に作用する歪により前記第2の層が前記第
    3および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ前記第1
    および第2の折線部分で山状に折曲され、前記第1およ
    び第2の補助領域が前記基板上の前記第3の層に対して
    起立し、前記主領域が前記基板に間隔をもって対向する
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第3の層は第1の反射層を含み、前
    記基板と前記第1の層との間に第2の反射層が設けら
    れ、前記主領域の前記第1の反射層が前記基板上の前記
    第2の反射層に対向することを特徴とする請求項1記載
    の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第3の層は反射層を含み、前記主領
    域の前記反射層が周囲の領域の前記反射層に部分的に対
    向することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の層は、第1の格子定数を有す
    る第1の半導体層と、前記第1の格子定数よりも小さい
    第2の格子定数を有する第2の半導体層と、前記第2の
    格子定数よりも大きい第3の格子定数を有する第3の半
    導体層とを含み、 前記第3および第4の折線部分で前記第2の層が谷状に
    折曲されるように前記第3および第4の折線部分の前記
    第3の層および前記第3の半導体層が除去され、前記第
    1および第2の折線部分で前記第2の層が山状に折曲さ
    れるように前記第1および第2の折線部分で前記第3の
    層が除去されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記基板上の前記第3の層に対して起立
    する前記第1および第2の補助領域の角度を変化させる
    駆動手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動手段は、静電力または電磁力に
    より前記第1および第2の補助領域の角度を変化させる
    ことを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の補助領域は複数の第1の補助
    領域を含み、前記第2の補助領域は複数の第2の補助領
    域を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 基板上に第1の層を形成するステップ
    と、 前記第1の層上に異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を含む第2の層を形成するステップと、 前記第2の層上に第3の層を形成するステップと、 前記第3の層に、互いに平行に配置された第1、第2、
    第3および第4の折線部分を形成することにより、主領
    域を設けかつ前記主領域にそれぞれ第1および第2の折
    線部分を介して連接するとともに周囲の領域にそれぞれ
    第3および第4の折線部分を介して連接する第1および
    第2の補助領域を設けるステップと、 前記第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分
    で前記主領域、前記第1の補助領域および前記第2の補
    助領域を取り囲むように前記第3の層から前記第1の層
    に至る深さの分離溝を形成するステップと、 前記主領域、前記第1および第2の補助領域における前
    記第1の層を選択的に除去するステップと、 前記第2の層に作用する歪により前記第2の層を前記第
    3および第4の折線部分で谷状に折曲しかつ前記第1お
    よび第2の折線部分で山状に折曲し、前記第1および第
    2の補助領域を前記基板上の前記第3の層に対して起立
    させ、前記主領域を前記基板に間隔をもって対向させる
    ステップとを備えたことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 第1の層、第2の層および第3の層が順
    に形成され、前記第2の層は、第1の格子定数を有する
    第1の半導体層と、前記第1の格子定数よりも小さい第
    2の格子定数を有する第2の半導体層と、前記第2の格
    子定数よりも大きい第3の格子定数を有する第3の半導
    体層とを含み、 所定領域を部分的に取り囲むように前記第3の層から前
    記第1の層に至る深さの分離溝が形成されるとともに、
    前記所定領域における前記第1の層が選択的に除去さ
    れ、 前記所定領域において第1の折線部分で前記第2の層が
    谷状に折曲されるように前記第1の折線部分の前記第3
    の層および前記第3の半導体層が除去され、前記所定領
    域において第2の折線部分で前記第2の層が山状に折曲
    されるように前記第2の折線部分で前記第3の層が除去
    されたことを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 第1の層を形成するステップと、 前記第1の層上に、第1の格子定数を有する第1の半導
    体層と前記第1の格子定数よりも小さい第2の格子定数
    を有する第2の半導体層と前記第2の格子定数よりも大
    きい第3の格子定数を有する第3の半導体層とを含む第
    2の層を形成するステップと、 前記第2の層上に第3の層を形成するステップと、 所定領域を部分的に取り囲むように前記第3の層から前
    記第1の層に至る深さの分離溝を形成するステップと、 前記所定領域における前記第1の層を選択的に除去する
    ステップと、 前記所定領域において第1の折線部分で前記第2の層が
    谷状に折曲されるように前記第1の折線部分の前記第3
    の層および前記第3の半導体層を除去し、前記所定領域
    において第2の折線部分で前記第2の層が山状に折曲さ
    れるように前記第2の折線部分で前記第3の層を除去す
    るステップとを備えたことを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 第1の層と、 第2の層と、 第3の層とを順に備え、 前記第2の層は、異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を含み、 所定領域を部分的に取り囲むように前記第3の層から前
    記第1の層に至る深さの分離溝が形成されるとともに、
    前記所定領域における前記第1の層が選択的に除去さ
    れ、 前記所定領域において前記第2の層に作用する歪により
    第1の折線部分で前記第2の層が谷状に折曲されるよう
    に前記第1の折線部分に第1の深さの溝が形成され、前
    記所定領域において前記第2の層に作用する歪により第
    2の折線部分で前記第2の層が山状に折曲されるように
    前記第2の折線部分に前記第1の深さと異なる第2の深
    さの溝が形成されたことを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】 前記第2の層は、 第1の格子定数を有する第1の半導体層と、 前記第1の格子定数よりも小さい第2の格子定数を有す
    る第2の半導体層と、 前記第2の格子定数よりも大きい第3の格子定数を有す
    る第3の半導体層とを順に含むことを特徴とする請求項
    11記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】 異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を備え、 前記積層構造に作用する歪により所定の折線部分で前記
    積層構造が山状に折曲されるように前記折線部分に所定
    深さの溝が形成されたことを特徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】 異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を備え、 前記積層構造に作用する歪により所定の折線部分で前記
    積層構造が谷状に折曲されるように前記折線部分に所定
    深さの溝が形成されたことを特徴とする半導体装置。
  15. 【請求項15】 異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を備え、 前記積層構造に作用する歪により第1の折線部分で前記
    積層構造が谷状に折曲されるように前記第1の折線部分
    に第1の深さの溝が形成され、 前記積層構造に作用する歪により第2の折線部分で前記
    積層構造が山状に折曲されるように前記第2の折線部分
    に第2の深さの溝が形成されたことを特徴とする半導体
    装置。
  16. 【請求項16】 第1の層を形成するステップと、 前記第1の層上に異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を含む第2の層を形成するステップと、 前記第2の層上に第3の層を形成するステップと、 所定領域を部分的に取り囲むように前記第3の層から前
    記第1の層に至る深さの分離溝を形成するとともに、前
    記所定領域における前記第1の層を選択的に除去するス
    テップと、 前記所定領域において前記第2の層に作用する歪により
    第1の折線部分で前記第2の層が谷状に折曲されるよう
    に前記第1の折線部分に第1の深さの溝を形成するステ
    ップと、 前記所定領域において前記第2の層に作用する歪により
    第2の折線部分で前記第2の層が山状に折曲されるよう
    に前記第2の折線部分に第2の深さの溝を形成するステ
    ップとを備えたことを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を形成するステップと、 前記積層構造に作用する歪により所定の折線部分で前記
    積層構造が山状に折曲されるように前記折線部分に所定
    深さの溝を形成するステップとを備えたことを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を形成するステップと、 前記積層構造に作用する歪により所定の折線部分で前記
    積層構造が谷状に折曲されるように前記折線部分に所定
    深さの溝を形成するステップとを備えたことを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 異なる格子定数を有する複数の半導体
    層の積層構造を形成するステップと、 前記積層構造に作用する歪により第1の折線部分で前記
    積層構造が谷上に折曲されるように前記第1の折線部分
    に第1の深さの溝を形成するステップと、 前記積層構造に作用する歪により第2の折線部分で前記
    積層構造が山状に折曲されるように前記第2の折線部分
    に前記第1の深さと異なる第2の深さの溝を形成するス
    テップとを備えたことを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
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JP2006060239A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Osram Opto Semiconductors Gmbh 半導体構成素子及び半導体構成素子の製造方法

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