JP3933582B2 - ヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置 - Google Patents
ヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクリート型の記録媒体に対する所定の評価処理時において磁気ヘッドのヘッド位置を調整するヘッド位置調整方法、およびその調整方法に従ってヘッド位置を調整した後に記録媒体の記録再生特性を評価する記録再生特性評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、高密度記録が可能な記録媒体として、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラック(以下、「トラック」ともいう)が形成されたディスクリートトラック型の記録媒体(以下、「ディスクリートトラック媒体」ともいう)が開発されている。このディスクリートトラック媒体は、例えばHDD(Hard Disk Drive )に搭載可能に構成されて各種の記録データを磁気的に記録する。この場合、このディスクリートトラック媒体では、各トラック間に形成された溝または非磁性体部によって、磁気ヘッドの漏れ磁界による実効記録トラック幅の拡大が回避され、また、隣接トラックに対する記録データの記録や、隣接トラックに記録されている記録データの再生(クロストーク)の発生が低減される。したがって、各トラックの形成ピッチ(以下、「トラックピッチ」ともいう)を小さくすることができるため、記録データを高密度で記録することが可能となっている。ところが、このディスクリートトラック媒体では、実際に使用する際(初期化時やデータの記録時等)において磁気ヘッドの通過部位にトラックが形成される連続磁性膜型の一般的な磁気記録媒体とは異なり、同心円状のトラックがディスクリートトラック媒体の製造段階に形成されることに起因して、その記録特性の評価が非常に困難であるという課題が存在する。
【0003】
具体的には、評価対象のディスクリートトラック媒体は、その製造に際して、各トラックがディスク固定用の中心孔に対して僅かに偏心した位置に形成される。したがって、このディスクリートトラック媒体を評価装置のディスク回転機構に固定した状態では、ディスク回転機構によるディスクリートトラック媒体の回転中心と、各トラックの中心とを一致させるのが困難のため、ディスク回転機構に対して各トラックが偏心した状態となる。このような状態のディスクリートトラック媒体を回転させて、いずれかのトラックに記録再生特性評価用の記録データ(評価用データ)を記録したり、記録した評価用データを再生したりするためには、HDD等における記録データの記録再生時と同様にして所望のトラックに磁気ヘッドを追従させるトラッキングサーボ制御を行う必要がある。しかし、トラッキングサーボ制御を行う場合には、評価用のディスクリートトラック媒体にトラッキングサーボ制御用のサーボ信号パターンを予め記録しておく必要があると共に、高価なサーボ制御機構を評価装置に配設する必要がある。この場合、サーボ信号パターンやサーボ制御方法がドライブの仕様毎に異なるため、サーボ信号パターンの種類が異なる複数のディスクリートトラック媒体を製作すると共に、各サーボ信号パターンに対応した複数種類のサーボ制御機能を用意する必要がある。このため、ディスクリートトラック媒体の評価に要するコストが高騰する。したがって、ディスクリートトラック媒体の評価に際しては、トラッキングサーボ制御を行わない状態(すなわち、磁気ヘッドのヘッド位置を固定した状態)で評価用データを記録再生することとなるため、ディスクリートトラック媒体が一回転する間に亘って磁気ヘッドを所定のトラックにオントラックさせ続けることができない状態で評価用データを記録再生する必要がある。このため、ディスクリートトラック媒体を評価するために必要十分なデータ量の評価用データの記録再生が困難となっている。
【0004】
一方、この種のディスクリートトラック媒体について記録再生特性を評価可能に構成された評価装置が特開2002−269734号公報に開示されている。この評価装置は、ディスク駆動部(ディスク回転機構)、磁気ヘッド(1)、プリアンプ(2)、リードアンプ(4)、A/D変換器(11)、メモリ(12)、オントラック判定部(13)および測定手段(14)を備えて構成されている。この場合、ディスク駆動部は、スピンドルモータによってディスクリートトラック媒体(磁気ディスク)を回転させる。磁気ヘッドは、ディスクリートトラック媒体に対する評価用データの記録再生を実行する。プリアンプおよびリードアンプは、磁気ヘッドから出力された再生信号(リード信号)を増幅して出力する。A/D変換器は、リードアンプによって出力されたリード信号をディジタル信号に変換して出力する。メモリは、A/D変換器によって出力されたディジタル信号を記憶する。オントラック判定部は、リードアンプによって出力されたリード信号に基づいて磁気ヘッドがディスクリートトラック媒体におけるトラックの幅方向中央部に存在する(いわゆる「オントラック状態」にある)か否かを判別する。測定手段は、メモリに記憶されているディジタル信号のうち、オントラック部分に関する信号に基づいてディスクリートトラック媒体の各種特性を評価する。
【0005】
この評価装置によってディスクリートトラック媒体を評価する際には、まず、ディスクリートトラック媒体をディスク駆動部によって回転させる。次に、ディスクリートトラック媒体上に磁気ヘッドを移動させてヘッド位置を固定した状態で評価用データを記録した後に、記録した評価用データを再生する。この際に、磁気ヘッドによって出力されたリード信号がプリアンプおよびリードアンプによって増幅されてA/D変換器によってディジタル信号に変換された後にメモリ内に記憶される。また、オントラック判定部は、リードアンプによって出力されたリード信号を解析することによって磁気ヘッドがオントラック状態にある旨を報知するオントラック区間信号(OT)を出力する。これに応じて、測定手段は、メモリに記憶されているディジタル信号のうち、オントラック部分に関する信号(オントラック区間信号の出力時にメモリに記録された信号)に基づいてディスクリートトラック媒体の評価処理を実行する。これにより、ディスクリートトラック媒体の評価が完了する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−269734号公報(第4頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の評価装置には、以下の問題点がある。すなわち、従来の評価装置では、ヘッド位置を固定した状態の磁気ヘッドを介して評価用データを記録再生している。この場合、ディスク駆動部によるディスクリートトラック媒体の回転中心と各トラックの中心との偏心量は、ディスクリートトラック媒体の製造時に生じる各トラックの中心と中心孔の中心との偏心や、ディスクリートトラック媒体のディスク駆動部に対する固定状態などに応じて様々に変化する。これに対して、ディスクリートトラック媒体に対して評価用データを記録再生する磁気ヘッドのヘッド位置は、ディスク駆動部による回転中心に対して一定距離に配置される。したがって、トラッキングサーボ制御を行わない従来の評価装置では、例えば、図12に示すように、磁気ヘッドのヘッド軌跡MLがトラックT1,T2間のグルーブ(溝)Gを通過する状態となることがある。このような状態では、磁気ヘッドがトラックT2にオントラックする時間(同図に矢印Xで示す部位を通過する時間)が非常に短くなる。このため、トラックT2に対して極く短時間しか評価用データを記録することができない結果、このトラックT2に記録された評価用データを再生してディスクリートトラック媒体のオントラック特性を評価するのが困難となる。また、従来の評価装置では、上記の例におけるトラックT2との交差時のみならず、トラックT2以外のトラックとの交差時(オントラック時)に再生される評価用データも利用しようとしている。しかし、これらのトラックに対するオントラック時間がトラックT2に対するオントラック時間よりもさらに短いため、トラックT2およびトラックT2以外の各トラックにオントラックした際に再生される各評価用データを繋ぎ合わせたとしても、ディスクリートトラック媒体のオントラック特性を評価するのに必要なデータ量の評価用データを得ることができないこともある。このように、従来の評価装置には、ディスクリートトラック媒体のオントラック特性を評価するのに必要かつ十分なデータ量の評価用データの記録および再生が困難となることがあるという問題点が存在する。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、記録媒体を評価するのに必要かつ十分な時間だけ磁気ヘッドを所定のデータ記録用トラックにオントラックさせ得るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るヘッド位置調整方法は、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体をディスク回転機構によって回転させると共に当該記録媒体上に磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定し、ヘッド位置を調整するための調整用データを記録した後に、当該記録した調整用データの再生時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が所定値を連続して超えている出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を実行し、前記出力時間が当該基準時間以下のときに、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に接近させる接近方向および当該回転中心から離間させる離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定すると共に当該記録媒体に前記調整用データを記録した後に当該記録した調整用データを再生して前記出力時間と前記基準時間との長さを比較する第2の処理を当該出力時間が当該基準時間を超える状態となるまで繰り返して実行する。
【0010】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法は、上記のヘッド位置調整方法において、前記第2の処理において、前記データ記録用トラックのトラック幅を超えない範囲で前記磁気ヘッドを移動させる。
【0011】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法は、上記のヘッド位置調整方法において、前記出力信号の前記出力時間が最長となる前記調整用データが記録されている前記データ記録用トラックのトラック半径よりも前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡半径が大きい第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が1回だけ出力される第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、前記第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が2回出力される第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、前記磁気ヘッド軌跡半径が前記トラック半径よりも小さい第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、前記第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させる。
【0012】
さらに、本発明に係るヘッド位置調整方法は、上記のヘッド位置調整方法において、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が長くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が短くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、次に実行する前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が短くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が長くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、前記次に実行する第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させる。
【0013】
また、本発明に係る記録再生特性評価装置は、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体を保持して回転させるディスク回転機構と、そのヘッド位置を調整するための調整用データの記録および再生を実行する磁気ヘッドと、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に接近させる接近方向および当該回転中心から離間させる離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定するヘッド移動機構と、当該ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを移動させることによって当該磁気ヘッドのヘッド位置を調整すると共に所定の条件が満たされたときに前記記録媒体に対する所定の評価処理を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記ディスク回転機構に対して前記記録媒体を回転させると共に前記ヘッド移動機構に対して当該記録媒体上に前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させ、前記磁気ヘッドに対して前記記録媒体に調整用データを記録させた後に、当該記録された調整用データの再生時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が所定値を連続して超えている出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を実行し、前記出力時間が当該基準時間以下のときに、前記ヘッド移動機構に対して前記接近方向および前記離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させると共に当該磁気ヘッドに対して当該記録媒体に前記調整用データを記録させた後に当該記録された調整用データを再生させて前記出力時間と前記基準時間との長さを比較する第2の処理を当該出力時間が当該基準時間を超える状態となるまで繰り返して実行し、前記出力時間が前記基準時間を超える状態となったときに前記所定の条件が満たされたとして前記記録媒体に対する前記所定の評価処理を実行する。
【0014】
また、本発明に係る記録再生特性評価装置は、上記の記録再生特性評価装置において、前記制御部は、前記第2の処理において、前記ヘッド移動機構に対して前記データ記録用トラックのトラック幅を超えない範囲で前記磁気ヘッドを移動させる。
【0015】
また、本発明に係る記録再生特性評価装置は、上記の記録再生特性評価装置において、前記制御部は、前記出力信号の前記出力時間が最長となる前記調整用データが記録されている前記データ記録用トラックのトラック半径よりも前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡半径が大きい第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が1回だけ出力される第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、前記第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が2回出力される第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、前記磁気ヘッド軌跡半径が前記トラック半径よりも小さい第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、前記第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させる。
【0016】
さらに、本発明に係る記録再生特性評価装置は、上記の記録再生特性評価装置において、前記制御部は、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が長くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が短くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、次に実行する前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が短くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が長くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、前記次に実行する第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置の好適な発明の実施の形態について説明する。
【0018】
最初に、本発明に係る記録再生特性評価装置に相当する評価装置1、および評価対象の一例であるディスクリートトラック媒体Dの構成について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1に示す評価装置1は、ディスク回転機構2、磁気ヘッド3、アクチュエータ4、制御部5およびメモリ6,7を備えて、評価用のディスクリートトラック媒体Dに対する各種の記録再生特性についての特性評価処理を実行可能に構成されている。この場合、評価対象のディスクリートトラック媒体Dは、図2に示すように、ガラスやアルミニウムなどで円板状に形成された基材Dbの表面に、同心円状の複数のトラックT1,T2・・(以下、区別しないときには「トラックT」ともいう)が磁性体材料によって形成されると共に、隣り合うトラックT,Tの間に非磁性体材料を充填したグルーブGが形成されて構成されている。また、ディスクリートトラック媒体Dの中心には、評価装置1のディスク回転機構2に固定するための中心孔Dhが形成されている。この場合、図3に示すように、ディスクリートトラック媒体Dは、一例として、各トラックT,T・・のトラックピッチTpが600nmに規定されると共に、トラックTのトラック幅Twが200nmに規定され、かつグルーブGのグルーブ幅Gwが400nmに規定されている。また、図4,5に示すように、各トラックT,T・・は、ディスクリートトラック媒体Dの製造誤差に起因して、そのトラック中心Ctが中心孔Dhの中心Chに対して僅かに偏心している。なお、図4,5および後に参照する図6,10では、本発明についての理解を容易とするために、その偏心状態等を誇張して図示している。また、ディスクリートトラック媒体Dには、実際には、その記録再生エリアのほぼ全面に亘って多数のトラックT,T・・が形成されているが、本発明の実施の形態で参照する図面では、本発明についての理解を容易とするために、少数本のトラックT,T・・のみを図示する。
【0020】
ディスク回転機構2は、図1に示すように、その先端部がディスクリートトラック媒体Dの中心孔Dhに挿通させられてディスクリートトラック媒体Dを保持(固定)するハブ2aと、制御部5の制御下でハブ2aを介してディスクリートトラック媒体Dを例えば角速度一定で定速回転させるスピンドルモータ2bとを備えている。この場合、図4,5に示すように、ハブ2aの先端部は、ディスクリートトラック媒体Dの着脱を容易とするために中心孔Dhの直径よりも細径に形成されている。磁気ヘッド3は、そのヘッド位置を調整するための調整用データや、評価処理用の評価用データなどのディスクリートトラック媒体Dに対する記録および再生を実行可能に構成され、調整用データまたは評価用データの再生時には、所定の出力信号(リード信号)を出力する。この場合、図3に示すように、磁気ヘッド3は、その実効的記録幅Mwwが一例として400nm程度に規定され、その実効的再生幅Mrwが一例として260nm程度に規定されている。アクチュエータ4は、本発明におけるヘッド移動機構に相当し、ディスク回転機構2によって回転させられているディスクリートトラック媒体D上に磁気ヘッド3を移動させると共に、その状態の磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向(本発明における接近方向)または外周方向(本発明における離間方向)に移動させる。
【0021】
制御部5は、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号の出力状態に応じてアクチュエータ4に対してディスクリートトラック媒体Dの内周側または外周側に磁気ヘッド3を移動させることによって磁気ヘッド3のヘッド位置を調整する。また、制御部5は、所定のトラックTに対する磁気ヘッド3のオントラック時間が予め規定された基準時間を超えたときにディスクリートトラック媒体Dに対する各種の評価処理を実行する。メモリ6は、磁気ヘッド3によって出力された出力信号に関する情報(出力信号が所定値を連続して超えている時間に関する時間情報など)や制御部5の演算結果などを一時的に記憶する。メモリ7は、ディスクリートトラック媒体Dの評価処理に際して使用する各種の基準データや制御部5の動作プログラムなどを記憶する。なお、評価装置1は、実際には、磁気ヘッド3によって出力された出力信号を増幅するアンプや、その出力信号に基づいて各種特性を解析する測定器などを備えて構成されているが、本発明についての理解を容易とするために、その図示および説明を省略する。
【0022】
次に、ディスクリートトラック媒体Dの回転時において磁気ヘッド3がディスクリートトラック媒体D上で相対的に描くヘッド軌跡MLとディスクリートトラック媒体D上の各トラックT,T・・との関係について、図面を参照して説明する。
【0023】
前述したように、ディスクリートトラック媒体Dにおける中心孔Dhの中心Chと、各トラックT,T・・のトラック中心Ctとは、ディスクリートトラック媒体Dの製造誤差に起因して互いに偏心している。また、ディスク回転機構2のハブ2aがディスクリートトラック媒体Dの中心孔Dhよりも細径に形成されているため、ハブ2aにディスクリートトラック媒体Dを固定した際には、ハブ2aの中心と中心孔Dhの中心Chとに僅かな偏心が生じる。さらに、スピンドルモータ2bとハブ2aとの連結状態やハブ2aの歪み等に起因して、ハブ2aの中心と、ディスク回転機構2によるディスクリートトラック媒体Dの回転中心Csとの間にも僅かなズレが生じる。したがって、ディスクリートトラック媒体Dの評価に際しては、ハブ2aに固定したディスクリートトラック媒体Dのトラック中心Ctが回転中心Csに対して偏心した状態となる。このような状態では、例えば磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLの半径(磁気ヘッド軌跡半径、以下、「軌跡半径Rs」という)が、いずれかのトラックTの半径(以下、「トラック半径Rt」という)と等しい場合であっても、ヘッド軌跡MLとトラックTとが完全に一致することはない。このため、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間、磁気ヘッド3を常にオントラックさせることができず、磁気ヘッド3が複数のトラックT,T・・に対してオントラックおよびオフトラックを繰り返すこととなる。具体的には、一例として、図4,5に示すように、トラック中心Ctが回転中心Csに対して距離Lだけ偏心した状態でディスクリートトラック媒体Dが固定されたときには、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLがいずれのトラックTとも完全には一致しない。このため、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間、磁気ヘッド3を常にオントラックさせることができなくなる。
【0024】
この場合、図4に示すように、例えば、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLがトラックT7〜T2に対して矢印Xa,Xa・・で示す部位で交差するときには、磁気ヘッド3は、その軌跡半径Rsからトラック中心Ctと回転中心Csとの間の距離Lを差し引いたトラック半径RtのトラックT(この場合、トラックT2)に対して、回転中心Csに対するトラック中心Ctの存在方向(同図における上方向)で最も長時間に亘ってオントラックする。なお、この例のように、トラック半径Rtよりも軌跡半径Rsが大きい状態が本発明における第1の条件が満たされた状態に相当する。一方、図5に示すように、例えば、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLがトラックT1〜T6に対して矢印Xb,Xb・・で示す部位で交差するときには、磁気ヘッド3は、その軌跡半径Rsにトラック中心Ctと回転中心Csとの間の距離Lを加算したトラック半径RtのトラックT(この場合、トラックT6)に対して、トラック中心Ctに対する回転中心Csの存在方向(同図における上方向)で最も長時間に亘ってオントラックする。なお、この例のように、トラック半径Rtよりも軌跡半径Rsが小さい状態が本発明における第4の条件が満たされた状態に相当する。このように、トラック中心Ctと回転中心Csとの偏心量(上記の例における距離L)が同じであったとしても、ヘッド軌跡MLの軌跡半径Rsが異なる場合には、そのトラック半径Rtが異なるトラックT(上記の例では、トラックT2,T6)に対して最も長時間に亘ってオントラックすることとなる。なお、ディスクリートトラック媒体Dをハブ2aに固定した際に、図4,5に示す状態のいずれとなるかについては、ディスクリートトラック媒体Dの偏心状態やハブ2aに対する取り付け状態などによって相違する。また、ディスクリートトラック媒体Dをハブ2aに固定した際に、両図に示す状態の双方に合致する状態となることもある。
【0025】
次いで、ヘッド軌跡MLおよびトラックTの交差状態と、磁気ヘッド3によって出力される出力信号との関係について、図面を参照して説明する。
【0026】
上記の図4の例では、回転中心Csに対するトラック中心Ctの存在方向においてトラックT2に最も長時間に亘ってオントラックすることを説明したが、実際には、図6に示すように、磁気ヘッド3のヘッド軌跡ML(ヘッド軌跡MLaA〜MLaC)が僅かに異なるだけで磁気ヘッド3がトラックT2の幅方向中央部を通過する位置が変化する。例えば、軌跡半径Rsが、トラック半径Rtおよび距離Lを加算した距離とほぼ等しい場合(ヘッド軌跡MLaAの場合)、または、トラック半径Rtおよび距離Lを加算した距離よりも大きい場合(ヘッド軌跡MLaBの場合)には、磁気ヘッド3は、回転中心Csに対するトラック中心Ctの存在方向に位置する矢印Xa1で示す部位でトラックT2に1回だけオントラックする(本発明における第2の条件が満たされた状態の一例)。この場合、トラックT2の幅方向中央部を通過するヘッド軌跡MLaAにおいて調整用データを記録したときには、図7に示すパターンAのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値(本発明における所定値であって、正常な評価処理が可能な出力値:一例として最大出力値に対する90%程度)を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xa1の部位で最長となる。なお、図7および後述する図8,9では、ディスクリートトラック媒体Dの回転に伴う磁気ヘッド3の出力信号の変化をそのエンベローブ波形によって図示している。また、トラックT2の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの外周側を通過するヘッド軌跡MLaBにおいて調整用データを記録したときには、図8に示すパターンBのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xa1の部位で最長となる。しかし、このパターンBでは、出力時間Tonが極く短時間のため、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価するのが困難となる。
【0027】
一方、図6に示すように、軌跡半径Rsがトラック半径Rtおよび距離Lを加算した距離よりも小さい場合(ヘッド軌跡MLaCの場合)には、磁気ヘッド3は、矢印Xa1で示す部位から外れた矢印Xa2,Xa2で示す部位においてトラックT2に2回に亘ってオントラックする(本発明における第3の条件が満たされた状態の一例)。この場合、トラックT2の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの内周側を通過するヘッド軌跡MLaCにおいて調整用データを記録したときには、図9に示すパターンCのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xa2,Xa2の部位の双方で互いにほぼ等しく、かつ最長となる。しかし、このパターンCでは、前述したパターンBと同様にして両出力時間Ton,Tonが極く短時間のため、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価するのが困難となる。したがって、ヘッド軌跡MLaBのときには磁気ヘッド3のヘッド位置を回転中心Csに接近する方向(すなわち、ディスクリートトラック媒体Dの内周方向)に移動させ、ヘッド軌跡MLaCのときには磁気ヘッド3のヘッド位置を回転中心Csから離間する方向(すなわち、ディスクリートトラック媒体Dの外周方向)に移動させることにより、ヘッド軌跡MLaAを通過するように磁気ヘッド3のヘッド位置を調整して磁気ヘッド3にパターンAの出力信号を出力させる必要がある。
【0028】
また、上記の図5の例では、トラック中心Ctに対する回転中心Csの存在方向でトラックT6に最も長時間に亘ってオントラックすることを説明したが、実際には、図10に示すように、磁気ヘッド3のヘッド軌跡ML(ヘッド軌跡MLbA〜MLbC)が僅かに異なるだけで磁気ヘッド3がトラックT6の幅方向中央部を通過する位置が変化する。例えば、軌跡半径Rsが、トラック半径Rtから距離Lを差し引いた距離とほぼ等しい場合(ヘッド軌跡MLbAの場合)、または、トラック半径Rtから距離Lを差し引いた距離よりも小さい場合(ヘッド軌跡MLbBの場合)には、磁気ヘッド3は、トラック中心Ctに対する回転中心Csの存在方向に位置する矢印Xb1で示す部位でトラックT6に1回だけオントラックする(本発明における第2の条件が満たされた状態の他の一例)。この場合、トラックT6の幅方向中央部を通過するヘッド軌跡MLbAにおいて調整用データを記録したときには、図7に示すパターンAのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xb1の部位で最長となる。また、トラックT6の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの内周側を通過するヘッド軌跡MLbBにおいて調整用データを記録したときには、図8に示すパターンBのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xb1の部位で最長となる。しかし、前述したように、このパターンBでは、出力時間Tonが極く短時間のため、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価するのが困難となる。
【0029】
一方、図10に示すように、軌跡半径Rsがトラック半径Rtから距離Lを差し引いた距離よりも大きい場合(ヘッド軌跡MLbCの場合)には、磁気ヘッド3は、矢印Xb1で示す部位から外れた矢印Xb2,Xb2で示す部位においてトラックT6に2回に亘ってオントラックする(本発明における第3の条件が満たされた状態の他の一例)。この場合、トラックT6の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの外周側を通過するヘッド軌跡MLbCにおいて調整用データを記録したときには、図9に示すパターンCのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xb2,Xb2の部位双方で互いにほぼ等しく、かつ最長となる。しかし、このパターンCでは、前述したパターンBと同様にして両出力時間Ton,Tonが極く短時間のため、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価するのが困難となる。したがって、ヘッド軌跡MLbBのときには磁気ヘッド3のヘッド位置を回転中心Csから離間する方向(すなわち、ディスクリートトラック媒体Dの外周方向)に移動させ、ヘッド軌跡MLbCのときには磁気ヘッド3のヘッド位置を回転中心Csに接近する方向(すなわち、ディスクリートトラック媒体Dの内周方向)に移動させることにより、ヘッド軌跡MLbAを通過するように磁気ヘッド3のヘッド位置を調整して磁気ヘッド3にパターンAの出力信号を出力させる必要がある。
【0030】
続いて、評価装置1によるディスクリートトラック媒体Dの評価方法について、図面を参照して説明する。
【0031】
まず、評価対象のディスクリートトラック媒体Dをハブ2a先端部に固定する。次に、制御部5がスピンドルモータ2bに対してハブ2aを介してディスクリートトラック媒体Dを定速回転させる。次いで、制御部5は、図11に示すヘッド位置調整処理20を開始する。このヘッド位置調整処理20では、制御部5は、まず、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体D上の所定の位置に移動させ、その状態でヘッド位置を固定させる。次に、制御部5は、ディスクリートトラック媒体Dが例えば一回転する間だけ磁気ヘッド3を介してディスクリートトラック媒体Dに調整用データを記録させた後に、記録された調整用データを再生させる(ステップ21)。この際に、制御部5は、磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonと基準時間とを比較すると共に(ステップ22)、最長の出力時間Tonについての時間情報をメモリ6に記憶させる。なお、このステップ22までの処理が本発明における第1の処理に相当する。この際に、例えば、磁気ヘッド3は、図6に示すヘッド軌跡MLaAまたは図10に示すヘッド軌跡MLbAを通過している場合には、矢印Xa1または矢印Xb1の部位で長時間に亘ってトラックT2またはトラックT6にオントラックする。したがって、出力時間Tonが基準時間を超えるため、制御部5は、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価する環境が整ったと判別して(本発明における所定条件が満たされていると判別して)、このヘッド位置調整処理20を終了すると共に記録再生特性についての評価処理を実行する。
【0032】
一方、ステップ22において出力時間Tonが基準時間以下と判別したときには、制御部5は、アクチュエータ4に対して予め規定された移動量だけ磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの外周方向に移動させる(ステップ23)。この場合、磁気ヘッド3がステップ23において移動させられる以前に例えば図6や図10に示すヘッド軌跡MLaCやヘッド軌跡MLbBを通過しているときに、ステップ23において磁気ヘッド3をトラック幅Twよりも大きく移動させた際には、磁気ヘッド3が、移動以前に最も長時間に亘ってオントラックしていたトラックT2,T6にオントラックしない状態となって正確なヘッド位置の調整が困難となるおそれがある。したがって、本発明の実施の形態に係る評価装置1では、このヘッド位置調整処理20における磁気ヘッド3の一回当りの移動量がトラック幅Twを超えない範囲内に規定されている。次に、制御部5は、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3のヘッド位置を固定させると共に、ディスクリートトラック媒体Dが例えば一回転する間だけ磁気ヘッド3に調整用データを記録させた後に、記録された調整用データを再生させる(ステップ24)。この際に、制御部5は、出力時間Tonと基準時間との長さを比較して、出力時間Tonが基準時間を超えているか否かを判別する(ステップ25)。なお、ステップ23〜25の処理が本発明における第2の処理に相当する。
【0033】
この場合、磁気ヘッド3は、ステップ23において移動させられる以前に例えば図6に示すヘッド軌跡MLaBを通過していたときには、ステップ23において規定量だけ外周方向に移動させられることによって、トラックT2にオントラックしているときに出力される出力信号が基準値を下回る。したがって、制御部5は、メモリ6に記憶されている時間情報に基づいて、ステップ21における調整用データの再生時よりも出力時間Tonが短くなったと判別し(ステップ26)、アクチュエータ4に対して前述した規定量の倍だけ磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向に移動させる(ステップ27)。ここで、この評価装置1では、アクチュエータ4によって前回移動時とは反対の方向(この例では、ステップ23において移動させられた外周方向の反対方向である内周方向)に磁気ヘッド3を移動させる際には、上記のように、前述した規定量の倍だけ磁気ヘッド3を移動させる。これにより、前回移動以前の位置に復帰させられるのを回避して、処理効率を向上させることができる。
【0034】
一方、磁気ヘッド3は、ステップ23において移動させられる以前に例えば図6に示すヘッド軌跡MLaCを通過していたときには、ステップ23において規定量だけ外周方向に移動させられることによってヘッド軌跡MLaAとほぼ一致する軌跡を辿ることとなる。したがって、制御部5は、ステップ25において出力時間Tonが基準時間を超えていると判別して、このヘッド位置調整処理20を終了して所定の評価処理を実行する。なお、ステップ23において移動させられる以前に磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLaCを通過していた場合であって、その移動量が上記の例における規定量よりも小さいときには、磁気ヘッド3は、ステップ23における移動の後にヘッド軌跡MLaC,MLaA間の軌跡を辿ることとなる。この際には、ステップ24における調整用データの再生時の出力時間Tonが、基準時間には満たないがステップ21における調整用データの再生時の出力時間Tonよりも長くなったと判別し(ステップ26)、制御部5は、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの外周方向に移動させる(ステップ28)。
【0035】
また、磁気ヘッド3は、ステップ23において移動させられる以前に例えば図10に示すヘッド軌跡MLbBを通過していたときには、ステップ23において規定量だけ外周方向に移動させられることによってヘッド軌跡MLbAとほぼ一致する軌跡を辿ることとなる。したがって、制御部5は、ステップ25において出力時間Tonが基準時間を超えていると判別して、このヘッド位置調整処理20を終了して所定の評価処理を実行する。なお、ステップ23において移動させられる以前に磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLbBを通過していた場合であって、その移動量が上記の例における規定量よりも小さいときには、磁気ヘッド3は、ステップ23における移動の後にヘッド軌跡MLbB,MLbA間の軌跡を辿ることとなる。この際には、ステップ24における調整用データの再生時の出力時間Tonが、基準時間には満たないがステップ21における調整用データの再生時の出力時間Tonよりも長くなったと判別し(ステップ26)、制御部5は、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの外周方向に移動させる(ステップ28)。一方、磁気ヘッド3は、ステップ23において移動させられる以前に例えば図10に示すヘッド軌跡MLbCを通過していたときには、ステップ23において規定量だけ外周方向に移動させられることによって、トラックT6にオントラックしているときに出力される出力信号が基準値を下回る。したがって、制御部5は、ステップ21における調整用データの再生時よりも出力時間Tonが短くなったと判別し(ステップ26)、アクチュエータ4に対して規定量の倍だけ磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向に移動させる(ステップ27)。
【0036】
次に、制御部5は、ステップ27,28において磁気ヘッド3に対する移動制御を完了した後に、ステップ24に戻ってディスクリートトラック媒体Dが例えば一回転する間だけ磁気ヘッド3に調整用データを記録させた後に、記録された調整用データを再生させる。この際に、制御部5は、出力時間Tonが基準時間を超えているか否かを判別し(ステップ25)、出力時間Tonが基準時間以下のときには、ステップ26と、ステップ27,28のいずれかとを順次実行する。この後、制御部5は、ステップ25において出力時間Tonが基準時間を超えていると判別するまで、ステップ24からステップ28までの一連の処理を繰り返して実行する。また、ステップ25において出力時間Tonが基準時間を超えると判別したときには、制御部5は、このヘッド位置調整処理20を終了して所定の評価処理を実行する。
【0037】
この場合、評価処理としては、まず、上記のヘッド位置調整処理20によって調整したヘッド位置(半径)において、ディスクリートトラック媒体Dが例えば一回転する間に亘って評価用データを記録再生する。次に、一回転分の再生データに対して、例えば、データの読み込み開始タイミングと、読み込み時間および読み込み終了タイミングのいずれかとを指定する(ゲートをかける)ことにより、一回転分の再生データのうちから、オントラック状態において再生された再生データを抽出する。この後、抽出した再生データをオントラックデータとして、各種の測定器によって種々の記録再生特性評価を行う。なお、上記のオントラック評価時には、オントラック部分(または、オントラック部分と、その近傍とを含む部分)のみに評価用データを記録してもよい。
【0038】
また、この種の記録媒体についての記録特性および再生特性を評価する際には、上記のオントラック特性の評価に加えて、オフトラック特性の評価(トラックTの幅方向に対するヘッド位置の変化に伴う記録再生特性の変化に関する評価)も重要となる。この場合、前述した特開2002−269734号公報には、サーボパターンの検出信号を復調回路(15)によって復調して位置誤差値信号(PS)を得る方法が開示されている。ところが、この評価装置では、この位置誤差値信号を使用することによってオフトラック特性の評価が可能となるものの、前述したように、ドライブの仕様毎に異なる各種のサーボ信号パターンに対応した複数種類のサーボパターン復調回路を用意する必要がある。一方、この評価装置1では、上記のヘッド位置調整処理20によって調整したヘッド位置(半径)をトラックTの幅方向における中央位置(オントラック位置)として、その状態の磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向または外周方向に所定量ずつ小刻みに移動させ、その都度、そのヘッド位置において記録再生特性を評価することによって、上記のオフトラック特性を評価することができる。したがって、この評価装置1によれば、サーボパターン復調回路およびサーボ制御機能を用いることなくオフトラック特性を評価することができる。
【0039】
このように、この評価装置1によれば、ヘッド位置調整処理20におけるステップ22において出力時間Tonが基準時間以下であると判別したときに、制御部5がアクチュエータ4に対してディスクリートトラック媒体Dの内周方向および外周方向のいずれかに磁気ヘッド3を移動させて調整用データを記録させた後に記録された調整用データを再生させて出力時間Tonが基準時間以下か否かをさらに判別する一連の処理(第2の処理)を出力時間Tonが基準時間を超えるまで繰り返して実行することにより、ディスクリートトラック媒体Dの評価開始時に磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLとトラックT,T・・とがどのような状態で交差していたとしても、ディスクリートトラック媒体Dの評価に必要かつ十分な時間だけいずれかのトラックTに磁気ヘッド3をオントラックさせることができる。このため、トラッキングサーボ制御を実行することなく、各種のディスクリートトラック媒体Dを十分に評価することができる。
【0040】
また、この評価装置1によれば、制御部5がアクチュエータ4に対してトラックT,T・・のトラック幅Twを超えない範囲で磁気ヘッド3を移動させることにより、磁気ヘッド3を移動の前後において同一のトラックTに対して最も長時間に亘ってオントラックさせることができる。したがって、磁気ヘッド3の移動に伴って出力時間Tonがどのように変化したかを的確に捉えることができる結果、ヘッド位置の調整を迅速かつ正確に行うことができる。
【0041】
さらに、この評価装置1によれば、ヘッド位置調整処理20におけるステップ23,27,28において磁気ヘッド3を移動させた後の出力時間Tonの変化状態(ステップ26における判別結果)に応じて次に磁気ヘッド3をいずれの方向に移動させるかを決定することにより、常に同一方向に磁気ヘッド3を移動させる移動制御方法と比較して、長時間に亘っていずれかのトラックTにオントラック可能な位置に向けて磁気ヘッド3を的確に移動させることができる。このため、磁気ヘッド3の移動、調整用データの記録および再生、並びに出力時間Tonと基準時間との長さを比較する第1の処理を行う回数を少なくすることができるため、ディスクリートトラック媒体Dの評価処理を短時間で実行することができる。
【0042】
なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限らず、適宜変更が可能である。例えば、本発明の実施の形態では、ヘッド位置調整処理20におけるステップ23においてディスクリートトラック媒体Dの外周方向に磁気ヘッド3を移動させる例について説明したが、本発明はこれに限定されず、ステップ23においてディスクリートトラック媒体Dの内周方向に磁気ヘッド3を移動させることもできる。また、出力時間Tonが最長となる調整用データが記録されているトラックTのトラック半径Rtとヘッド軌跡MLの軌跡半径Rsとがヘッド位置調整処理20の開始前に既に判明しているときには、ステップ21における調整用データの再生時において、例えばディスクリートトラック媒体Dの一回転当りに、出力時間Tonが最長となる出力信号が何回(1回または2回)出力されるかに応じて(前述したパターンB,Cのいずれであるかに応じて)、ステップ23における磁気ヘッド3の移動方向を外周方向および内周方向のいずれかに決定することもできる。
【0043】
具体的には、出力時間Tonが最長となる調整用データが記録されているトラックTのトラック半径Rtよりもディスクリートトラック媒体D上における軌跡半径Rsが大きい条件(本発明における第1の条件)下でのステップ21における調整用データの再生時において、出力時間Tonが最長の出力信号が1回だけ出力される条件(本発明における第2の条件)が満たされたときには、ステップ23において磁気ヘッド3を内周方向に移動させる。また、上記の第1の条件下でのステップ21における調整用データの再生時において、出力時間Tonが最長となる出力信号が2回出力される条件(本発明における第3の条件)が満たされたときには、ステップ23において磁気ヘッド3を外周方向に移動させる。
【0044】
一方、トラックTのトラック半径Rtよりも軌跡半径Rsが小さい条件(本発明における第4の条件)下でのステップ21における調整用データの再生時において、上記の本発明における第2の条件が満たされたときには、ステップ23において磁気ヘッド3を外周方向に移動させる。また、上記の本発明における第4の条件下でのステップ21における調整用データの再生時において、上記の本発明における第3の条件が満たされたときには、ステップ23において磁気ヘッド3を内周方向に移動させる。このように、ステップ23における磁気ヘッド3の移動方向を適宜変更することにより、常に同一方向に磁気ヘッド3を移動させる移動制御方法と比較して、長時間に亘っていずれかのトラックTにオントラック可能な位置に向けて磁気ヘッド3を的確に移動させることができる。このため、磁気ヘッド3の移動、調整用データの記録および再生、並びに出力時間Tonと基準時間との長さを比較する第1の処理を行う回数を少なくすることができるため、ディスクリートトラック媒体Dの評価処理を短時間で実行することができる。
【0045】
また、本発明の実施の形態では、ヘッド位置調整処理20のステップ21において、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間だけ磁気ヘッド3を介してディスクリートトラック媒体Dに調整用データを記録させる例について説明したが、ディスクリートトラック媒体Dに対する調整用データの記録時間はこれに限定されない。さらに、本発明におけるディスクリートトラック型の記録媒体は、片面記録型、および基材の表裏両面に同心円状の複数のデータ記録用トラックを形成した両面記録型の両者が含まれる。また、本発明におけるディスクリートトラック型の記録媒体には、グルーブG内に非磁性体材料を充填したものと、充填していないものの両者が含まれる。さらに、本発明におけるディスクリートトラック型の記録媒体には、中心孔が存在しないタイプの記録媒体が含まれる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置によれば、第1の処理において出力時間が基準時間以下のときに、接近方向および離間方向のいずれかに磁気ヘッドを移動させて調整用データを記録した後に記録した調整用データを再生して出力時間と基準時間との長さを比較する第2の処理を出力時間が基準時間を超える状態となるまで繰り返して実行することにより、記録媒体の評価処理等の開始時に磁気ヘッド軌跡とデータ記録用トラックとがどのような状態で交差していたとしても、ディスクリートトラック媒体の評価に必要かつ十分な時間だけいずれかのデータ記録用トラックに磁気ヘッドをオントラックさせることができる。このため、トラッキングサーボ制御を実行することなく、各種のディスクリートトラック媒体を十分に評価することができる。
【0047】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置によれば、第2の処理において、データ記録用トラックのトラック幅を超えない範囲で磁気ヘッドを移動させることにより、磁気ヘッドを移動の前後において同一のデータ記録用トラックに対して最も長時間に亘ってオントラックさせることができる。したがって、磁気ヘッドの移動に伴って最長の出力時間がどのように変化したかを的確に捉えることができる結果、ヘッド位置の調整を迅速かつ正確に行うことができる。
【0048】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置によれば、データ記録用トラックのトラック半径と磁気ヘッド軌跡半径との関係(第1および第4の条件のいずれが満たされているか)と、第1の処理時における調整用データの再生時に出力時間が最長となる出力信号が何回出力されるか(第2および第3の条件のいずれが満たされているか)とに基づいて第2の処理において磁気ヘッドを移動させる方向を決定することにより、常に同一方向に磁気ヘッドを移動させる移動制御方法と比較して、いずれかのデータ記録用トラックに長時間に亘ってオントラック可能な位置に向けて磁気ヘッドを的確に移動させることができる。このため、磁気ヘッドの移動、調整用データの記録および再生、並びに出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を行う回数を少なくすることができるため、ディスクリートトラック型の記録媒体についての評価処理を短時間で実行することができる。
【0049】
さらに、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置によれば、第2の処理時において磁気ヘッドを移動させたときに最長となる出力信号の出力時間の変化状態に応じて次に実行する第2の処理において磁気ヘッドを移動させる方向を決定することにより、上記のヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置と同様にして、常に同一方向に磁気ヘッドを移動させる移動制御方法と比較して、いずれかのデータ記録用トラックに長時間に亘ってオントラック可能な位置に向けて磁気ヘッドを的確に移動させることができる。このため、磁気ヘッドの移動、調整用データの記録および再生、並びに出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を行う回数を少なくすることができるため、ディスクリートトラック型の記録媒体についての評価処理を短時間で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る評価装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】評価対象の一例であるディスクリートトラック媒体Dの断面図である。
【図3】ディスクリートトラック媒体D上に磁気ヘッド3を移動させた状態の平面図である。
【図4】トラック中心Ctが回転中心Csに対して偏心した状態のディスクリートトラック媒体Dと磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLとの関係の一例を示す概念図である。
【図5】トラック中心Ctが回転中心Csに対して偏心した状態のディスクリートトラック媒体Dと磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLとの関係の他の一例を示す概念図である。
【図6】トラックT1〜T3とヘッド軌跡MLaA〜MLaCとの関係の一例を示す概念図である。
【図7】図6,10に示すヘッド軌跡MLaA,MLbAにおいて磁気ヘッド3から出力される出力信号のパターン図である。
【図8】図6,10に示すヘッド軌跡MLaB,MLbBにおいて磁気ヘッド3から出力される出力信号のパターン図である。
【図9】図6,10に示すヘッド軌跡MLaC,MLbCにおいて磁気ヘッド3から出力される出力信号のパターン図である。
【図10】トラックT5〜T7とヘッド軌跡MLbA〜MLbCとの関係の一例を示す概念図である。
【図11】評価装置1によって実行されるヘッド位置調整処理20のフローチャートである。
【図12】従来の評価装置による評価処理時におけるトラックT1,T2とヘッド軌跡MLとの関係の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 評価装置
2 ディスク回転機構
3 磁気ヘッド
4 アクチュエータ
5 制御部
20 ヘッド位置調整処理
Cs 回転中心
Ct トラック中心
D ディスクリートトラック媒体
G グルーブ
ML ヘッド軌跡
Rt トラック半径
Rs 軌跡半径
T,T1〜T7 トラック
Ton 出力時間
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクリート型の記録媒体に対する所定の評価処理時において磁気ヘッドのヘッド位置を調整するヘッド位置調整方法、およびその調整方法に従ってヘッド位置を調整した後に記録媒体の記録再生特性を評価する記録再生特性評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、高密度記録が可能な記録媒体として、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラック(以下、「トラック」ともいう)が形成されたディスクリートトラック型の記録媒体(以下、「ディスクリートトラック媒体」ともいう)が開発されている。このディスクリートトラック媒体は、例えばHDD(Hard Disk Drive )に搭載可能に構成されて各種の記録データを磁気的に記録する。この場合、このディスクリートトラック媒体では、各トラック間に形成された溝または非磁性体部によって、磁気ヘッドの漏れ磁界による実効記録トラック幅の拡大が回避され、また、隣接トラックに対する記録データの記録や、隣接トラックに記録されている記録データの再生(クロストーク)の発生が低減される。したがって、各トラックの形成ピッチ(以下、「トラックピッチ」ともいう)を小さくすることができるため、記録データを高密度で記録することが可能となっている。ところが、このディスクリートトラック媒体では、実際に使用する際(初期化時やデータの記録時等)において磁気ヘッドの通過部位にトラックが形成される連続磁性膜型の一般的な磁気記録媒体とは異なり、同心円状のトラックがディスクリートトラック媒体の製造段階に形成されることに起因して、その記録特性の評価が非常に困難であるという課題が存在する。
【0003】
具体的には、評価対象のディスクリートトラック媒体は、その製造に際して、各トラックがディスク固定用の中心孔に対して僅かに偏心した位置に形成される。したがって、このディスクリートトラック媒体を評価装置のディスク回転機構に固定した状態では、ディスク回転機構によるディスクリートトラック媒体の回転中心と、各トラックの中心とを一致させるのが困難のため、ディスク回転機構に対して各トラックが偏心した状態となる。このような状態のディスクリートトラック媒体を回転させて、いずれかのトラックに記録再生特性評価用の記録データ(評価用データ)を記録したり、記録した評価用データを再生したりするためには、HDD等における記録データの記録再生時と同様にして所望のトラックに磁気ヘッドを追従させるトラッキングサーボ制御を行う必要がある。しかし、トラッキングサーボ制御を行う場合には、評価用のディスクリートトラック媒体にトラッキングサーボ制御用のサーボ信号パターンを予め記録しておく必要があると共に、高価なサーボ制御機構を評価装置に配設する必要がある。この場合、サーボ信号パターンやサーボ制御方法がドライブの仕様毎に異なるため、サーボ信号パターンの種類が異なる複数のディスクリートトラック媒体を製作すると共に、各サーボ信号パターンに対応した複数種類のサーボ制御機能を用意する必要がある。このため、ディスクリートトラック媒体の評価に要するコストが高騰する。したがって、ディスクリートトラック媒体の評価に際しては、トラッキングサーボ制御を行わない状態(すなわち、磁気ヘッドのヘッド位置を固定した状態)で評価用データを記録再生することとなるため、ディスクリートトラック媒体が一回転する間に亘って磁気ヘッドを所定のトラックにオントラックさせ続けることができない状態で評価用データを記録再生する必要がある。このため、ディスクリートトラック媒体を評価するために必要十分なデータ量の評価用データの記録再生が困難となっている。
【0004】
一方、この種のディスクリートトラック媒体について記録再生特性を評価可能に構成された評価装置が特開2002−269734号公報に開示されている。この評価装置は、ディスク駆動部(ディスク回転機構)、磁気ヘッド(1)、プリアンプ(2)、リードアンプ(4)、A/D変換器(11)、メモリ(12)、オントラック判定部(13)および測定手段(14)を備えて構成されている。この場合、ディスク駆動部は、スピンドルモータによってディスクリートトラック媒体(磁気ディスク)を回転させる。磁気ヘッドは、ディスクリートトラック媒体に対する評価用データの記録再生を実行する。プリアンプおよびリードアンプは、磁気ヘッドから出力された再生信号(リード信号)を増幅して出力する。A/D変換器は、リードアンプによって出力されたリード信号をディジタル信号に変換して出力する。メモリは、A/D変換器によって出力されたディジタル信号を記憶する。オントラック判定部は、リードアンプによって出力されたリード信号に基づいて磁気ヘッドがディスクリートトラック媒体におけるトラックの幅方向中央部に存在する(いわゆる「オントラック状態」にある)か否かを判別する。測定手段は、メモリに記憶されているディジタル信号のうち、オントラック部分に関する信号に基づいてディスクリートトラック媒体の各種特性を評価する。
【0005】
この評価装置によってディスクリートトラック媒体を評価する際には、まず、ディスクリートトラック媒体をディスク駆動部によって回転させる。次に、ディスクリートトラック媒体上に磁気ヘッドを移動させてヘッド位置を固定した状態で評価用データを記録した後に、記録した評価用データを再生する。この際に、磁気ヘッドによって出力されたリード信号がプリアンプおよびリードアンプによって増幅されてA/D変換器によってディジタル信号に変換された後にメモリ内に記憶される。また、オントラック判定部は、リードアンプによって出力されたリード信号を解析することによって磁気ヘッドがオントラック状態にある旨を報知するオントラック区間信号(OT)を出力する。これに応じて、測定手段は、メモリに記憶されているディジタル信号のうち、オントラック部分に関する信号(オントラック区間信号の出力時にメモリに記録された信号)に基づいてディスクリートトラック媒体の評価処理を実行する。これにより、ディスクリートトラック媒体の評価が完了する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−269734号公報(第4頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の評価装置には、以下の問題点がある。すなわち、従来の評価装置では、ヘッド位置を固定した状態の磁気ヘッドを介して評価用データを記録再生している。この場合、ディスク駆動部によるディスクリートトラック媒体の回転中心と各トラックの中心との偏心量は、ディスクリートトラック媒体の製造時に生じる各トラックの中心と中心孔の中心との偏心や、ディスクリートトラック媒体のディスク駆動部に対する固定状態などに応じて様々に変化する。これに対して、ディスクリートトラック媒体に対して評価用データを記録再生する磁気ヘッドのヘッド位置は、ディスク駆動部による回転中心に対して一定距離に配置される。したがって、トラッキングサーボ制御を行わない従来の評価装置では、例えば、図12に示すように、磁気ヘッドのヘッド軌跡MLがトラックT1,T2間のグルーブ(溝)Gを通過する状態となることがある。このような状態では、磁気ヘッドがトラックT2にオントラックする時間(同図に矢印Xで示す部位を通過する時間)が非常に短くなる。このため、トラックT2に対して極く短時間しか評価用データを記録することができない結果、このトラックT2に記録された評価用データを再生してディスクリートトラック媒体のオントラック特性を評価するのが困難となる。また、従来の評価装置では、上記の例におけるトラックT2との交差時のみならず、トラックT2以外のトラックとの交差時(オントラック時)に再生される評価用データも利用しようとしている。しかし、これらのトラックに対するオントラック時間がトラックT2に対するオントラック時間よりもさらに短いため、トラックT2およびトラックT2以外の各トラックにオントラックした際に再生される各評価用データを繋ぎ合わせたとしても、ディスクリートトラック媒体のオントラック特性を評価するのに必要なデータ量の評価用データを得ることができないこともある。このように、従来の評価装置には、ディスクリートトラック媒体のオントラック特性を評価するのに必要かつ十分なデータ量の評価用データの記録および再生が困難となることがあるという問題点が存在する。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、記録媒体を評価するのに必要かつ十分な時間だけ磁気ヘッドを所定のデータ記録用トラックにオントラックさせ得るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るヘッド位置調整方法は、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体をディスク回転機構によって回転させると共に当該記録媒体上に磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定し、ヘッド位置を調整するための調整用データを記録した後に、当該記録した調整用データの再生時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が所定値を連続して超えている出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を実行し、前記出力時間が当該基準時間以下のときに、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に接近させる接近方向および当該回転中心から離間させる離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定すると共に当該記録媒体に前記調整用データを記録した後に当該記録した調整用データを再生して前記出力時間と前記基準時間との長さを比較する第2の処理を当該出力時間が当該基準時間を超える状態となるまで繰り返して実行する。
【0010】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法は、上記のヘッド位置調整方法において、前記第2の処理において、前記データ記録用トラックのトラック幅を超えない範囲で前記磁気ヘッドを移動させる。
【0011】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法は、上記のヘッド位置調整方法において、前記出力信号の前記出力時間が最長となる前記調整用データが記録されている前記データ記録用トラックのトラック半径よりも前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡半径が大きい第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が1回だけ出力される第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、前記第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が2回出力される第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、前記磁気ヘッド軌跡半径が前記トラック半径よりも小さい第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、前記第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させる。
【0012】
さらに、本発明に係るヘッド位置調整方法は、上記のヘッド位置調整方法において、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が長くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が短くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、次に実行する前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が短くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が長くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、前記次に実行する第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させる。
【0013】
また、本発明に係る記録再生特性評価装置は、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体を保持して回転させるディスク回転機構と、そのヘッド位置を調整するための調整用データの記録および再生を実行する磁気ヘッドと、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に接近させる接近方向および当該回転中心から離間させる離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定するヘッド移動機構と、当該ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを移動させることによって当該磁気ヘッドのヘッド位置を調整すると共に所定の条件が満たされたときに前記記録媒体に対する所定の評価処理を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記ディスク回転機構に対して前記記録媒体を回転させると共に前記ヘッド移動機構に対して当該記録媒体上に前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させ、前記磁気ヘッドに対して前記記録媒体に調整用データを記録させた後に、当該記録された調整用データの再生時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が所定値を連続して超えている出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を実行し、前記出力時間が当該基準時間以下のときに、前記ヘッド移動機構に対して前記接近方向および前記離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させると共に当該磁気ヘッドに対して当該記録媒体に前記調整用データを記録させた後に当該記録された調整用データを再生させて前記出力時間と前記基準時間との長さを比較する第2の処理を当該出力時間が当該基準時間を超える状態となるまで繰り返して実行し、前記出力時間が前記基準時間を超える状態となったときに前記所定の条件が満たされたとして前記記録媒体に対する前記所定の評価処理を実行する。
【0014】
また、本発明に係る記録再生特性評価装置は、上記の記録再生特性評価装置において、前記制御部は、前記第2の処理において、前記ヘッド移動機構に対して前記データ記録用トラックのトラック幅を超えない範囲で前記磁気ヘッドを移動させる。
【0015】
また、本発明に係る記録再生特性評価装置は、上記の記録再生特性評価装置において、前記制御部は、前記出力信号の前記出力時間が最長となる前記調整用データが記録されている前記データ記録用トラックのトラック半径よりも前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡半径が大きい第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が1回だけ出力される第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、前記第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が2回出力される第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、前記磁気ヘッド軌跡半径が前記トラック半径よりも小さい第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、前記第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させる。
【0016】
さらに、本発明に係る記録再生特性評価装置は、上記の記録再生特性評価装置において、前記制御部は、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が長くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が短くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、次に実行する前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が短くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が長くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、前記次に実行する第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置の好適な発明の実施の形態について説明する。
【0018】
最初に、本発明に係る記録再生特性評価装置に相当する評価装置1、および評価対象の一例であるディスクリートトラック媒体Dの構成について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1に示す評価装置1は、ディスク回転機構2、磁気ヘッド3、アクチュエータ4、制御部5およびメモリ6,7を備えて、評価用のディスクリートトラック媒体Dに対する各種の記録再生特性についての特性評価処理を実行可能に構成されている。この場合、評価対象のディスクリートトラック媒体Dは、図2に示すように、ガラスやアルミニウムなどで円板状に形成された基材Dbの表面に、同心円状の複数のトラックT1,T2・・(以下、区別しないときには「トラックT」ともいう)が磁性体材料によって形成されると共に、隣り合うトラックT,Tの間に非磁性体材料を充填したグルーブGが形成されて構成されている。また、ディスクリートトラック媒体Dの中心には、評価装置1のディスク回転機構2に固定するための中心孔Dhが形成されている。この場合、図3に示すように、ディスクリートトラック媒体Dは、一例として、各トラックT,T・・のトラックピッチTpが600nmに規定されると共に、トラックTのトラック幅Twが200nmに規定され、かつグルーブGのグルーブ幅Gwが400nmに規定されている。また、図4,5に示すように、各トラックT,T・・は、ディスクリートトラック媒体Dの製造誤差に起因して、そのトラック中心Ctが中心孔Dhの中心Chに対して僅かに偏心している。なお、図4,5および後に参照する図6,10では、本発明についての理解を容易とするために、その偏心状態等を誇張して図示している。また、ディスクリートトラック媒体Dには、実際には、その記録再生エリアのほぼ全面に亘って多数のトラックT,T・・が形成されているが、本発明の実施の形態で参照する図面では、本発明についての理解を容易とするために、少数本のトラックT,T・・のみを図示する。
【0020】
ディスク回転機構2は、図1に示すように、その先端部がディスクリートトラック媒体Dの中心孔Dhに挿通させられてディスクリートトラック媒体Dを保持(固定)するハブ2aと、制御部5の制御下でハブ2aを介してディスクリートトラック媒体Dを例えば角速度一定で定速回転させるスピンドルモータ2bとを備えている。この場合、図4,5に示すように、ハブ2aの先端部は、ディスクリートトラック媒体Dの着脱を容易とするために中心孔Dhの直径よりも細径に形成されている。磁気ヘッド3は、そのヘッド位置を調整するための調整用データや、評価処理用の評価用データなどのディスクリートトラック媒体Dに対する記録および再生を実行可能に構成され、調整用データまたは評価用データの再生時には、所定の出力信号(リード信号)を出力する。この場合、図3に示すように、磁気ヘッド3は、その実効的記録幅Mwwが一例として400nm程度に規定され、その実効的再生幅Mrwが一例として260nm程度に規定されている。アクチュエータ4は、本発明におけるヘッド移動機構に相当し、ディスク回転機構2によって回転させられているディスクリートトラック媒体D上に磁気ヘッド3を移動させると共に、その状態の磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向(本発明における接近方向)または外周方向(本発明における離間方向)に移動させる。
【0021】
制御部5は、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号の出力状態に応じてアクチュエータ4に対してディスクリートトラック媒体Dの内周側または外周側に磁気ヘッド3を移動させることによって磁気ヘッド3のヘッド位置を調整する。また、制御部5は、所定のトラックTに対する磁気ヘッド3のオントラック時間が予め規定された基準時間を超えたときにディスクリートトラック媒体Dに対する各種の評価処理を実行する。メモリ6は、磁気ヘッド3によって出力された出力信号に関する情報(出力信号が所定値を連続して超えている時間に関する時間情報など)や制御部5の演算結果などを一時的に記憶する。メモリ7は、ディスクリートトラック媒体Dの評価処理に際して使用する各種の基準データや制御部5の動作プログラムなどを記憶する。なお、評価装置1は、実際には、磁気ヘッド3によって出力された出力信号を増幅するアンプや、その出力信号に基づいて各種特性を解析する測定器などを備えて構成されているが、本発明についての理解を容易とするために、その図示および説明を省略する。
【0022】
次に、ディスクリートトラック媒体Dの回転時において磁気ヘッド3がディスクリートトラック媒体D上で相対的に描くヘッド軌跡MLとディスクリートトラック媒体D上の各トラックT,T・・との関係について、図面を参照して説明する。
【0023】
前述したように、ディスクリートトラック媒体Dにおける中心孔Dhの中心Chと、各トラックT,T・・のトラック中心Ctとは、ディスクリートトラック媒体Dの製造誤差に起因して互いに偏心している。また、ディスク回転機構2のハブ2aがディスクリートトラック媒体Dの中心孔Dhよりも細径に形成されているため、ハブ2aにディスクリートトラック媒体Dを固定した際には、ハブ2aの中心と中心孔Dhの中心Chとに僅かな偏心が生じる。さらに、スピンドルモータ2bとハブ2aとの連結状態やハブ2aの歪み等に起因して、ハブ2aの中心と、ディスク回転機構2によるディスクリートトラック媒体Dの回転中心Csとの間にも僅かなズレが生じる。したがって、ディスクリートトラック媒体Dの評価に際しては、ハブ2aに固定したディスクリートトラック媒体Dのトラック中心Ctが回転中心Csに対して偏心した状態となる。このような状態では、例えば磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLの半径(磁気ヘッド軌跡半径、以下、「軌跡半径Rs」という)が、いずれかのトラックTの半径(以下、「トラック半径Rt」という)と等しい場合であっても、ヘッド軌跡MLとトラックTとが完全に一致することはない。このため、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間、磁気ヘッド3を常にオントラックさせることができず、磁気ヘッド3が複数のトラックT,T・・に対してオントラックおよびオフトラックを繰り返すこととなる。具体的には、一例として、図4,5に示すように、トラック中心Ctが回転中心Csに対して距離Lだけ偏心した状態でディスクリートトラック媒体Dが固定されたときには、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLがいずれのトラックTとも完全には一致しない。このため、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間、磁気ヘッド3を常にオントラックさせることができなくなる。
【0024】
この場合、図4に示すように、例えば、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLがトラックT7〜T2に対して矢印Xa,Xa・・で示す部位で交差するときには、磁気ヘッド3は、その軌跡半径Rsからトラック中心Ctと回転中心Csとの間の距離Lを差し引いたトラック半径RtのトラックT(この場合、トラックT2)に対して、回転中心Csに対するトラック中心Ctの存在方向(同図における上方向)で最も長時間に亘ってオントラックする。なお、この例のように、トラック半径Rtよりも軌跡半径Rsが大きい状態が本発明における第1の条件が満たされた状態に相当する。一方、図5に示すように、例えば、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLがトラックT1〜T6に対して矢印Xb,Xb・・で示す部位で交差するときには、磁気ヘッド3は、その軌跡半径Rsにトラック中心Ctと回転中心Csとの間の距離Lを加算したトラック半径RtのトラックT(この場合、トラックT6)に対して、トラック中心Ctに対する回転中心Csの存在方向(同図における上方向)で最も長時間に亘ってオントラックする。なお、この例のように、トラック半径Rtよりも軌跡半径Rsが小さい状態が本発明における第4の条件が満たされた状態に相当する。このように、トラック中心Ctと回転中心Csとの偏心量(上記の例における距離L)が同じであったとしても、ヘッド軌跡MLの軌跡半径Rsが異なる場合には、そのトラック半径Rtが異なるトラックT(上記の例では、トラックT2,T6)に対して最も長時間に亘ってオントラックすることとなる。なお、ディスクリートトラック媒体Dをハブ2aに固定した際に、図4,5に示す状態のいずれとなるかについては、ディスクリートトラック媒体Dの偏心状態やハブ2aに対する取り付け状態などによって相違する。また、ディスクリートトラック媒体Dをハブ2aに固定した際に、両図に示す状態の双方に合致する状態となることもある。
【0025】
次いで、ヘッド軌跡MLおよびトラックTの交差状態と、磁気ヘッド3によって出力される出力信号との関係について、図面を参照して説明する。
【0026】
上記の図4の例では、回転中心Csに対するトラック中心Ctの存在方向においてトラックT2に最も長時間に亘ってオントラックすることを説明したが、実際には、図6に示すように、磁気ヘッド3のヘッド軌跡ML(ヘッド軌跡MLaA〜MLaC)が僅かに異なるだけで磁気ヘッド3がトラックT2の幅方向中央部を通過する位置が変化する。例えば、軌跡半径Rsが、トラック半径Rtおよび距離Lを加算した距離とほぼ等しい場合(ヘッド軌跡MLaAの場合)、または、トラック半径Rtおよび距離Lを加算した距離よりも大きい場合(ヘッド軌跡MLaBの場合)には、磁気ヘッド3は、回転中心Csに対するトラック中心Ctの存在方向に位置する矢印Xa1で示す部位でトラックT2に1回だけオントラックする(本発明における第2の条件が満たされた状態の一例)。この場合、トラックT2の幅方向中央部を通過するヘッド軌跡MLaAにおいて調整用データを記録したときには、図7に示すパターンAのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値(本発明における所定値であって、正常な評価処理が可能な出力値:一例として最大出力値に対する90%程度)を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xa1の部位で最長となる。なお、図7および後述する図8,9では、ディスクリートトラック媒体Dの回転に伴う磁気ヘッド3の出力信号の変化をそのエンベローブ波形によって図示している。また、トラックT2の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの外周側を通過するヘッド軌跡MLaBにおいて調整用データを記録したときには、図8に示すパターンBのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xa1の部位で最長となる。しかし、このパターンBでは、出力時間Tonが極く短時間のため、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価するのが困難となる。
【0027】
一方、図6に示すように、軌跡半径Rsがトラック半径Rtおよび距離Lを加算した距離よりも小さい場合(ヘッド軌跡MLaCの場合)には、磁気ヘッド3は、矢印Xa1で示す部位から外れた矢印Xa2,Xa2で示す部位においてトラックT2に2回に亘ってオントラックする(本発明における第3の条件が満たされた状態の一例)。この場合、トラックT2の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの内周側を通過するヘッド軌跡MLaCにおいて調整用データを記録したときには、図9に示すパターンCのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xa2,Xa2の部位の双方で互いにほぼ等しく、かつ最長となる。しかし、このパターンCでは、前述したパターンBと同様にして両出力時間Ton,Tonが極く短時間のため、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価するのが困難となる。したがって、ヘッド軌跡MLaBのときには磁気ヘッド3のヘッド位置を回転中心Csに接近する方向(すなわち、ディスクリートトラック媒体Dの内周方向)に移動させ、ヘッド軌跡MLaCのときには磁気ヘッド3のヘッド位置を回転中心Csから離間する方向(すなわち、ディスクリートトラック媒体Dの外周方向)に移動させることにより、ヘッド軌跡MLaAを通過するように磁気ヘッド3のヘッド位置を調整して磁気ヘッド3にパターンAの出力信号を出力させる必要がある。
【0028】
また、上記の図5の例では、トラック中心Ctに対する回転中心Csの存在方向でトラックT6に最も長時間に亘ってオントラックすることを説明したが、実際には、図10に示すように、磁気ヘッド3のヘッド軌跡ML(ヘッド軌跡MLbA〜MLbC)が僅かに異なるだけで磁気ヘッド3がトラックT6の幅方向中央部を通過する位置が変化する。例えば、軌跡半径Rsが、トラック半径Rtから距離Lを差し引いた距離とほぼ等しい場合(ヘッド軌跡MLbAの場合)、または、トラック半径Rtから距離Lを差し引いた距離よりも小さい場合(ヘッド軌跡MLbBの場合)には、磁気ヘッド3は、トラック中心Ctに対する回転中心Csの存在方向に位置する矢印Xb1で示す部位でトラックT6に1回だけオントラックする(本発明における第2の条件が満たされた状態の他の一例)。この場合、トラックT6の幅方向中央部を通過するヘッド軌跡MLbAにおいて調整用データを記録したときには、図7に示すパターンAのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xb1の部位で最長となる。また、トラックT6の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの内周側を通過するヘッド軌跡MLbBにおいて調整用データを記録したときには、図8に示すパターンBのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xb1の部位で最長となる。しかし、前述したように、このパターンBでは、出力時間Tonが極く短時間のため、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価するのが困難となる。
【0029】
一方、図10に示すように、軌跡半径Rsがトラック半径Rtから距離Lを差し引いた距離よりも大きい場合(ヘッド軌跡MLbCの場合)には、磁気ヘッド3は、矢印Xb1で示す部位から外れた矢印Xb2,Xb2で示す部位においてトラックT6に2回に亘ってオントラックする(本発明における第3の条件が満たされた状態の他の一例)。この場合、トラックT6の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの外周側を通過するヘッド軌跡MLbCにおいて調整用データを記録したときには、図9に示すパターンCのように、調整用データの再生時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonが矢印Xb2,Xb2の部位双方で互いにほぼ等しく、かつ最長となる。しかし、このパターンCでは、前述したパターンBと同様にして両出力時間Ton,Tonが極く短時間のため、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価するのが困難となる。したがって、ヘッド軌跡MLbBのときには磁気ヘッド3のヘッド位置を回転中心Csから離間する方向(すなわち、ディスクリートトラック媒体Dの外周方向)に移動させ、ヘッド軌跡MLbCのときには磁気ヘッド3のヘッド位置を回転中心Csに接近する方向(すなわち、ディスクリートトラック媒体Dの内周方向)に移動させることにより、ヘッド軌跡MLbAを通過するように磁気ヘッド3のヘッド位置を調整して磁気ヘッド3にパターンAの出力信号を出力させる必要がある。
【0030】
続いて、評価装置1によるディスクリートトラック媒体Dの評価方法について、図面を参照して説明する。
【0031】
まず、評価対象のディスクリートトラック媒体Dをハブ2a先端部に固定する。次に、制御部5がスピンドルモータ2bに対してハブ2aを介してディスクリートトラック媒体Dを定速回転させる。次いで、制御部5は、図11に示すヘッド位置調整処理20を開始する。このヘッド位置調整処理20では、制御部5は、まず、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体D上の所定の位置に移動させ、その状態でヘッド位置を固定させる。次に、制御部5は、ディスクリートトラック媒体Dが例えば一回転する間だけ磁気ヘッド3を介してディスクリートトラック媒体Dに調整用データを記録させた後に、記録された調整用データを再生させる(ステップ21)。この際に、制御部5は、磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を連続して超えている出力時間Tonと基準時間とを比較すると共に(ステップ22)、最長の出力時間Tonについての時間情報をメモリ6に記憶させる。なお、このステップ22までの処理が本発明における第1の処理に相当する。この際に、例えば、磁気ヘッド3は、図6に示すヘッド軌跡MLaAまたは図10に示すヘッド軌跡MLbAを通過している場合には、矢印Xa1または矢印Xb1の部位で長時間に亘ってトラックT2またはトラックT6にオントラックする。したがって、出力時間Tonが基準時間を超えるため、制御部5は、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価する環境が整ったと判別して(本発明における所定条件が満たされていると判別して)、このヘッド位置調整処理20を終了すると共に記録再生特性についての評価処理を実行する。
【0032】
一方、ステップ22において出力時間Tonが基準時間以下と判別したときには、制御部5は、アクチュエータ4に対して予め規定された移動量だけ磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの外周方向に移動させる(ステップ23)。この場合、磁気ヘッド3がステップ23において移動させられる以前に例えば図6や図10に示すヘッド軌跡MLaCやヘッド軌跡MLbBを通過しているときに、ステップ23において磁気ヘッド3をトラック幅Twよりも大きく移動させた際には、磁気ヘッド3が、移動以前に最も長時間に亘ってオントラックしていたトラックT2,T6にオントラックしない状態となって正確なヘッド位置の調整が困難となるおそれがある。したがって、本発明の実施の形態に係る評価装置1では、このヘッド位置調整処理20における磁気ヘッド3の一回当りの移動量がトラック幅Twを超えない範囲内に規定されている。次に、制御部5は、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3のヘッド位置を固定させると共に、ディスクリートトラック媒体Dが例えば一回転する間だけ磁気ヘッド3に調整用データを記録させた後に、記録された調整用データを再生させる(ステップ24)。この際に、制御部5は、出力時間Tonと基準時間との長さを比較して、出力時間Tonが基準時間を超えているか否かを判別する(ステップ25)。なお、ステップ23〜25の処理が本発明における第2の処理に相当する。
【0033】
この場合、磁気ヘッド3は、ステップ23において移動させられる以前に例えば図6に示すヘッド軌跡MLaBを通過していたときには、ステップ23において規定量だけ外周方向に移動させられることによって、トラックT2にオントラックしているときに出力される出力信号が基準値を下回る。したがって、制御部5は、メモリ6に記憶されている時間情報に基づいて、ステップ21における調整用データの再生時よりも出力時間Tonが短くなったと判別し(ステップ26)、アクチュエータ4に対して前述した規定量の倍だけ磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向に移動させる(ステップ27)。ここで、この評価装置1では、アクチュエータ4によって前回移動時とは反対の方向(この例では、ステップ23において移動させられた外周方向の反対方向である内周方向)に磁気ヘッド3を移動させる際には、上記のように、前述した規定量の倍だけ磁気ヘッド3を移動させる。これにより、前回移動以前の位置に復帰させられるのを回避して、処理効率を向上させることができる。
【0034】
一方、磁気ヘッド3は、ステップ23において移動させられる以前に例えば図6に示すヘッド軌跡MLaCを通過していたときには、ステップ23において規定量だけ外周方向に移動させられることによってヘッド軌跡MLaAとほぼ一致する軌跡を辿ることとなる。したがって、制御部5は、ステップ25において出力時間Tonが基準時間を超えていると判別して、このヘッド位置調整処理20を終了して所定の評価処理を実行する。なお、ステップ23において移動させられる以前に磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLaCを通過していた場合であって、その移動量が上記の例における規定量よりも小さいときには、磁気ヘッド3は、ステップ23における移動の後にヘッド軌跡MLaC,MLaA間の軌跡を辿ることとなる。この際には、ステップ24における調整用データの再生時の出力時間Tonが、基準時間には満たないがステップ21における調整用データの再生時の出力時間Tonよりも長くなったと判別し(ステップ26)、制御部5は、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの外周方向に移動させる(ステップ28)。
【0035】
また、磁気ヘッド3は、ステップ23において移動させられる以前に例えば図10に示すヘッド軌跡MLbBを通過していたときには、ステップ23において規定量だけ外周方向に移動させられることによってヘッド軌跡MLbAとほぼ一致する軌跡を辿ることとなる。したがって、制御部5は、ステップ25において出力時間Tonが基準時間を超えていると判別して、このヘッド位置調整処理20を終了して所定の評価処理を実行する。なお、ステップ23において移動させられる以前に磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLbBを通過していた場合であって、その移動量が上記の例における規定量よりも小さいときには、磁気ヘッド3は、ステップ23における移動の後にヘッド軌跡MLbB,MLbA間の軌跡を辿ることとなる。この際には、ステップ24における調整用データの再生時の出力時間Tonが、基準時間には満たないがステップ21における調整用データの再生時の出力時間Tonよりも長くなったと判別し(ステップ26)、制御部5は、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの外周方向に移動させる(ステップ28)。一方、磁気ヘッド3は、ステップ23において移動させられる以前に例えば図10に示すヘッド軌跡MLbCを通過していたときには、ステップ23において規定量だけ外周方向に移動させられることによって、トラックT6にオントラックしているときに出力される出力信号が基準値を下回る。したがって、制御部5は、ステップ21における調整用データの再生時よりも出力時間Tonが短くなったと判別し(ステップ26)、アクチュエータ4に対して規定量の倍だけ磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向に移動させる(ステップ27)。
【0036】
次に、制御部5は、ステップ27,28において磁気ヘッド3に対する移動制御を完了した後に、ステップ24に戻ってディスクリートトラック媒体Dが例えば一回転する間だけ磁気ヘッド3に調整用データを記録させた後に、記録された調整用データを再生させる。この際に、制御部5は、出力時間Tonが基準時間を超えているか否かを判別し(ステップ25)、出力時間Tonが基準時間以下のときには、ステップ26と、ステップ27,28のいずれかとを順次実行する。この後、制御部5は、ステップ25において出力時間Tonが基準時間を超えていると判別するまで、ステップ24からステップ28までの一連の処理を繰り返して実行する。また、ステップ25において出力時間Tonが基準時間を超えると判別したときには、制御部5は、このヘッド位置調整処理20を終了して所定の評価処理を実行する。
【0037】
この場合、評価処理としては、まず、上記のヘッド位置調整処理20によって調整したヘッド位置(半径)において、ディスクリートトラック媒体Dが例えば一回転する間に亘って評価用データを記録再生する。次に、一回転分の再生データに対して、例えば、データの読み込み開始タイミングと、読み込み時間および読み込み終了タイミングのいずれかとを指定する(ゲートをかける)ことにより、一回転分の再生データのうちから、オントラック状態において再生された再生データを抽出する。この後、抽出した再生データをオントラックデータとして、各種の測定器によって種々の記録再生特性評価を行う。なお、上記のオントラック評価時には、オントラック部分(または、オントラック部分と、その近傍とを含む部分)のみに評価用データを記録してもよい。
【0038】
また、この種の記録媒体についての記録特性および再生特性を評価する際には、上記のオントラック特性の評価に加えて、オフトラック特性の評価(トラックTの幅方向に対するヘッド位置の変化に伴う記録再生特性の変化に関する評価)も重要となる。この場合、前述した特開2002−269734号公報には、サーボパターンの検出信号を復調回路(15)によって復調して位置誤差値信号(PS)を得る方法が開示されている。ところが、この評価装置では、この位置誤差値信号を使用することによってオフトラック特性の評価が可能となるものの、前述したように、ドライブの仕様毎に異なる各種のサーボ信号パターンに対応した複数種類のサーボパターン復調回路を用意する必要がある。一方、この評価装置1では、上記のヘッド位置調整処理20によって調整したヘッド位置(半径)をトラックTの幅方向における中央位置(オントラック位置)として、その状態の磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向または外周方向に所定量ずつ小刻みに移動させ、その都度、そのヘッド位置において記録再生特性を評価することによって、上記のオフトラック特性を評価することができる。したがって、この評価装置1によれば、サーボパターン復調回路およびサーボ制御機能を用いることなくオフトラック特性を評価することができる。
【0039】
このように、この評価装置1によれば、ヘッド位置調整処理20におけるステップ22において出力時間Tonが基準時間以下であると判別したときに、制御部5がアクチュエータ4に対してディスクリートトラック媒体Dの内周方向および外周方向のいずれかに磁気ヘッド3を移動させて調整用データを記録させた後に記録された調整用データを再生させて出力時間Tonが基準時間以下か否かをさらに判別する一連の処理(第2の処理)を出力時間Tonが基準時間を超えるまで繰り返して実行することにより、ディスクリートトラック媒体Dの評価開始時に磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLとトラックT,T・・とがどのような状態で交差していたとしても、ディスクリートトラック媒体Dの評価に必要かつ十分な時間だけいずれかのトラックTに磁気ヘッド3をオントラックさせることができる。このため、トラッキングサーボ制御を実行することなく、各種のディスクリートトラック媒体Dを十分に評価することができる。
【0040】
また、この評価装置1によれば、制御部5がアクチュエータ4に対してトラックT,T・・のトラック幅Twを超えない範囲で磁気ヘッド3を移動させることにより、磁気ヘッド3を移動の前後において同一のトラックTに対して最も長時間に亘ってオントラックさせることができる。したがって、磁気ヘッド3の移動に伴って出力時間Tonがどのように変化したかを的確に捉えることができる結果、ヘッド位置の調整を迅速かつ正確に行うことができる。
【0041】
さらに、この評価装置1によれば、ヘッド位置調整処理20におけるステップ23,27,28において磁気ヘッド3を移動させた後の出力時間Tonの変化状態(ステップ26における判別結果)に応じて次に磁気ヘッド3をいずれの方向に移動させるかを決定することにより、常に同一方向に磁気ヘッド3を移動させる移動制御方法と比較して、長時間に亘っていずれかのトラックTにオントラック可能な位置に向けて磁気ヘッド3を的確に移動させることができる。このため、磁気ヘッド3の移動、調整用データの記録および再生、並びに出力時間Tonと基準時間との長さを比較する第1の処理を行う回数を少なくすることができるため、ディスクリートトラック媒体Dの評価処理を短時間で実行することができる。
【0042】
なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限らず、適宜変更が可能である。例えば、本発明の実施の形態では、ヘッド位置調整処理20におけるステップ23においてディスクリートトラック媒体Dの外周方向に磁気ヘッド3を移動させる例について説明したが、本発明はこれに限定されず、ステップ23においてディスクリートトラック媒体Dの内周方向に磁気ヘッド3を移動させることもできる。また、出力時間Tonが最長となる調整用データが記録されているトラックTのトラック半径Rtとヘッド軌跡MLの軌跡半径Rsとがヘッド位置調整処理20の開始前に既に判明しているときには、ステップ21における調整用データの再生時において、例えばディスクリートトラック媒体Dの一回転当りに、出力時間Tonが最長となる出力信号が何回(1回または2回)出力されるかに応じて(前述したパターンB,Cのいずれであるかに応じて)、ステップ23における磁気ヘッド3の移動方向を外周方向および内周方向のいずれかに決定することもできる。
【0043】
具体的には、出力時間Tonが最長となる調整用データが記録されているトラックTのトラック半径Rtよりもディスクリートトラック媒体D上における軌跡半径Rsが大きい条件(本発明における第1の条件)下でのステップ21における調整用データの再生時において、出力時間Tonが最長の出力信号が1回だけ出力される条件(本発明における第2の条件)が満たされたときには、ステップ23において磁気ヘッド3を内周方向に移動させる。また、上記の第1の条件下でのステップ21における調整用データの再生時において、出力時間Tonが最長となる出力信号が2回出力される条件(本発明における第3の条件)が満たされたときには、ステップ23において磁気ヘッド3を外周方向に移動させる。
【0044】
一方、トラックTのトラック半径Rtよりも軌跡半径Rsが小さい条件(本発明における第4の条件)下でのステップ21における調整用データの再生時において、上記の本発明における第2の条件が満たされたときには、ステップ23において磁気ヘッド3を外周方向に移動させる。また、上記の本発明における第4の条件下でのステップ21における調整用データの再生時において、上記の本発明における第3の条件が満たされたときには、ステップ23において磁気ヘッド3を内周方向に移動させる。このように、ステップ23における磁気ヘッド3の移動方向を適宜変更することにより、常に同一方向に磁気ヘッド3を移動させる移動制御方法と比較して、長時間に亘っていずれかのトラックTにオントラック可能な位置に向けて磁気ヘッド3を的確に移動させることができる。このため、磁気ヘッド3の移動、調整用データの記録および再生、並びに出力時間Tonと基準時間との長さを比較する第1の処理を行う回数を少なくすることができるため、ディスクリートトラック媒体Dの評価処理を短時間で実行することができる。
【0045】
また、本発明の実施の形態では、ヘッド位置調整処理20のステップ21において、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間だけ磁気ヘッド3を介してディスクリートトラック媒体Dに調整用データを記録させる例について説明したが、ディスクリートトラック媒体Dに対する調整用データの記録時間はこれに限定されない。さらに、本発明におけるディスクリートトラック型の記録媒体は、片面記録型、および基材の表裏両面に同心円状の複数のデータ記録用トラックを形成した両面記録型の両者が含まれる。また、本発明におけるディスクリートトラック型の記録媒体には、グルーブG内に非磁性体材料を充填したものと、充填していないものの両者が含まれる。さらに、本発明におけるディスクリートトラック型の記録媒体には、中心孔が存在しないタイプの記録媒体が含まれる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置によれば、第1の処理において出力時間が基準時間以下のときに、接近方向および離間方向のいずれかに磁気ヘッドを移動させて調整用データを記録した後に記録した調整用データを再生して出力時間と基準時間との長さを比較する第2の処理を出力時間が基準時間を超える状態となるまで繰り返して実行することにより、記録媒体の評価処理等の開始時に磁気ヘッド軌跡とデータ記録用トラックとがどのような状態で交差していたとしても、ディスクリートトラック媒体の評価に必要かつ十分な時間だけいずれかのデータ記録用トラックに磁気ヘッドをオントラックさせることができる。このため、トラッキングサーボ制御を実行することなく、各種のディスクリートトラック媒体を十分に評価することができる。
【0047】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置によれば、第2の処理において、データ記録用トラックのトラック幅を超えない範囲で磁気ヘッドを移動させることにより、磁気ヘッドを移動の前後において同一のデータ記録用トラックに対して最も長時間に亘ってオントラックさせることができる。したがって、磁気ヘッドの移動に伴って最長の出力時間がどのように変化したかを的確に捉えることができる結果、ヘッド位置の調整を迅速かつ正確に行うことができる。
【0048】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置によれば、データ記録用トラックのトラック半径と磁気ヘッド軌跡半径との関係(第1および第4の条件のいずれが満たされているか)と、第1の処理時における調整用データの再生時に出力時間が最長となる出力信号が何回出力されるか(第2および第3の条件のいずれが満たされているか)とに基づいて第2の処理において磁気ヘッドを移動させる方向を決定することにより、常に同一方向に磁気ヘッドを移動させる移動制御方法と比較して、いずれかのデータ記録用トラックに長時間に亘ってオントラック可能な位置に向けて磁気ヘッドを的確に移動させることができる。このため、磁気ヘッドの移動、調整用データの記録および再生、並びに出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を行う回数を少なくすることができるため、ディスクリートトラック型の記録媒体についての評価処理を短時間で実行することができる。
【0049】
さらに、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置によれば、第2の処理時において磁気ヘッドを移動させたときに最長となる出力信号の出力時間の変化状態に応じて次に実行する第2の処理において磁気ヘッドを移動させる方向を決定することにより、上記のヘッド位置調整方法および記録再生特性評価装置と同様にして、常に同一方向に磁気ヘッドを移動させる移動制御方法と比較して、いずれかのデータ記録用トラックに長時間に亘ってオントラック可能な位置に向けて磁気ヘッドを的確に移動させることができる。このため、磁気ヘッドの移動、調整用データの記録および再生、並びに出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を行う回数を少なくすることができるため、ディスクリートトラック型の記録媒体についての評価処理を短時間で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る評価装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】評価対象の一例であるディスクリートトラック媒体Dの断面図である。
【図3】ディスクリートトラック媒体D上に磁気ヘッド3を移動させた状態の平面図である。
【図4】トラック中心Ctが回転中心Csに対して偏心した状態のディスクリートトラック媒体Dと磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLとの関係の一例を示す概念図である。
【図5】トラック中心Ctが回転中心Csに対して偏心した状態のディスクリートトラック媒体Dと磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLとの関係の他の一例を示す概念図である。
【図6】トラックT1〜T3とヘッド軌跡MLaA〜MLaCとの関係の一例を示す概念図である。
【図7】図6,10に示すヘッド軌跡MLaA,MLbAにおいて磁気ヘッド3から出力される出力信号のパターン図である。
【図8】図6,10に示すヘッド軌跡MLaB,MLbBにおいて磁気ヘッド3から出力される出力信号のパターン図である。
【図9】図6,10に示すヘッド軌跡MLaC,MLbCにおいて磁気ヘッド3から出力される出力信号のパターン図である。
【図10】トラックT5〜T7とヘッド軌跡MLbA〜MLbCとの関係の一例を示す概念図である。
【図11】評価装置1によって実行されるヘッド位置調整処理20のフローチャートである。
【図12】従来の評価装置による評価処理時におけるトラックT1,T2とヘッド軌跡MLとの関係の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 評価装置
2 ディスク回転機構
3 磁気ヘッド
4 アクチュエータ
5 制御部
20 ヘッド位置調整処理
Cs 回転中心
Ct トラック中心
D ディスクリートトラック媒体
G グルーブ
ML ヘッド軌跡
Rt トラック半径
Rs 軌跡半径
T,T1〜T7 トラック
Ton 出力時間
Claims (8)
- 磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体をディスク回転機構によって回転させると共に当該記録媒体上に磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定し、ヘッド位置を調整するための調整用データを記録した後に、当該記録した調整用データの再生時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が所定値を連続して超えている出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を実行し、
前記出力時間が当該基準時間以下のときに、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に接近させる接近方向および当該回転中心から離間させる離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定すると共に当該記録媒体に前記調整用データを記録した後に当該記録した調整用データを再生して前記出力時間と前記基準時間との長さを比較する第2の処理を当該出力時間が当該基準時間を超える状態となるまで繰り返して実行するヘッド位置調整方法。 - 前記第2の処理において、前記データ記録用トラックのトラック幅を超えない範囲で前記磁気ヘッドを移動させる請求項1記載のヘッド位置調整方法。
- 前記出力信号の前記出力時間が最長となる前記調整用データが記録されている前記データ記録用トラックのトラック半径よりも前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡半径が大きい第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が1回だけ出力される第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、
前記第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が2回出力される第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、
前記磁気ヘッド軌跡半径が前記トラック半径よりも小さい第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、
前記第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させる請求項1または2記載のヘッド位置調整方法。 - 前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が長くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が短くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、次に実行する前記第2の処理において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、
前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が短くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が長くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、前記次に実行する第2の処理において前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させる請求項1から3のいずれかに記載のヘッド位置調整方法。 - 磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体を保持して回転させるディスク回転機構と、そのヘッド位置を調整するための調整用データの記録および再生を実行する磁気ヘッドと、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に接近させる接近方向および当該回転中心から離間させる離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定するヘッド移動機構と、当該ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを移動させることによって当該磁気ヘッドのヘッド位置を調整すると共に所定の条件が満たされたときに前記記録媒体に対する所定の評価処理を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記ディスク回転機構に対して前記記録媒体を回転させると共に前記ヘッド移動機構に対して当該記録媒体上に前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させ、前記磁気ヘッドに対して前記記録媒体に調整用データを記録させた後に、当該記録された調整用データの再生時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が所定値を連続して超えている出力時間と基準時間との長さを比較する第1の処理を実行し、
前記出力時間が当該基準時間以下のときに、前記ヘッド移動機構に対して前記接近方向および前記離間方向のいずれかに前記磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させると共に当該磁気ヘッドに対して当該記録媒体に前記調整用データを記録させた後に当該記録された調整用データを再生させて前記出力時間と前記基準時間との長さを比較する第2の処理を当該出力時間が当該基準時間を超える状態となるまで繰り返して実行し、
前記出力時間が前記基準時間を超える状態となったときに前記所定の条件が満たされたとして前記記録媒体に対する前記所定の評価処理を実行する記録再生特性評価装置。 - 前記制御部は、前記第2の処理において、前記ヘッド移動機構に対して前記データ記録用トラックのトラック幅を超えない範囲で前記磁気ヘッドを移動させる請求項5記載の記録再生特性評価装置。
- 前記制御部は、前記出力信号の前記出力時間が最長となる前記調整用データが記録されている前記データ記録用トラックのトラック半径よりも前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡半径が大きい第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が1回だけ出力される第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、
前記第1の条件下での前記第1の処理時において、前記調整用データの再生時に前記最長となる出力信号が2回出力される第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、
前記磁気ヘッド軌跡半径が前記トラック半径よりも小さい第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第2の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させ、
前記第4の条件下での前記第1の処理時において、前記第3の条件が満たされたときに、前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させる請求項5または6記載の記録再生特性評価装置。 - 前記制御部は、前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が長くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が短くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、次に実行する前記第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させ、
前記第2の処理時において前記磁気ヘッドを前記接近方向に移動させたときに前記最長となる出力信号の前記出力時間が短くなり、当該磁気ヘッドを前記離間方向に移動させたときに前記出力時間が長くなり、かつ当該第2の処理において前記出力時間が前記基準時間以下となるときに、前記次に実行する第2の処理において前記ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを前記離間方向に移動させる請求項5から7のいずれかに記載の記録再生特性評価装置。
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