JP4012057B2 - ヘッド位置調整方法および記録媒体評価装置 - Google Patents

ヘッド位置調整方法および記録媒体評価装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクリート型の記録媒体に対する所定の評価処理時において検査用データ等を書き込む際に磁気ヘッドのヘッド位置を調整するヘッド位置調整方法、およびその調整方法に従ってヘッド位置を調整して記録媒体を評価する記録媒体評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、高密度記録が可能な記録媒体として、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラック(以下、「トラック」ともいう)が形成されたディスクリートトラック型の記録媒体(以下、「ディスクリートトラック媒体」ともいう)が開発されている。このディスクリートトラック媒体は、例えばHDD(Hard Disc Drive )に搭載されて各種の記録データを磁気的に記録可能に構成されている。この場合、このディスクリートトラック媒体では、各トラック間に形成された溝(非磁性体部)によって、磁気ヘッドの漏れ磁界による実効的記録トラック幅の拡大が回避され、これにより、隣接トラックに対する記録データの書き込み(サイドライト)や隣接トラックに記録されている記録データの読み取り(サイドリード)の発生が回避されている。したがって、各トラックの形成ピッチ(以下、「トラックピッチ」ともいう)を小さくすることができるため、記録データを高密度で記録することが可能となっている。ところが、このディスクリートトラック媒体では、実際に使用する際(初期化時やデータの記録時等)において磁気ヘッドの通過部位にトラックが形成される一般的な磁気記録媒体とは異なり、同心円状のトラックがディスクリートトラック媒体の製造段階に形成されることに起因して、その記録特性の評価が非常に困難であるという課題が存在する。
【0003】
具体的には、評価対象のディスクリートトラック媒体は、その製造に際して、各トラックが基材の中心に対して僅かに偏心した位置に形成されると共に、ディスク固定用の中心孔も基材に対して僅かに偏心した位置に形成される。したがって、このディスクリートトラック媒体を評価装置のディスク回転機構に固定した状態では、ディスク回転機構による回転中心と、各トラックの中心とを一致させるのが困難のため、ディスク回転機構に対して各トラックが偏心した状態となる。このような状態のディスクリートトラック媒体を回転させて、いずれかのトラックに特性評価用の記録データ(検査用データ)を書き込んだり読み取ったりするためには、HDD等におけるデータの読み書き時と同様にして所望のトラックに磁気ヘッドを追従させるトラッキングサーボ制御を行う必要がある。しかし、評価用のディスクリートトラック媒体に対してトラッキングサーボ制御を行うためには、高価なサーボ制御機構を評価装置に配設する必要がある。このため、評価装置の製作コストが高騰する結果、ディスクリートトラック媒体の評価に要するコストが高騰する。したがって、ディスクリートトラック媒体の評価に際しては、トラッキングサーボ制御を行わない状態(すなわち、磁気ヘッドのヘッド位置を固定した状態)で検査用データを書き込んだり読み取ったりすることとなるため、磁気ヘッドのヘッド軌跡が各トラックと交差する状態で検査用データを読み書きする必要がある。このため、ディスクリートトラック媒体を評価するために必要十分なデータ量の検査用データの書き込みおよび読み取りが困難となっている。
【0004】
一方、この種のディスクリートトラック媒体についての各種記録特性を評価可能に構成された評価装置が特開2002−269734号公報に開示されている。この評価装置は、ディスク駆動部(ディスク回転機構)、磁気ヘッド(1)、プリアンプ(2)、リードアンプ(4)、A/D変換器(11)、メモリ(12)、オントラック判定部(13)および測定手段(14)を備えて構成されている。この場合、ディスク駆動部は、スピンドルモータによってディスクリートトラック媒体(磁気ディスク)を回転させる。磁気ヘッドは、ディスクリートトラック媒体に対する検査用データの書き込みおよび読み取りを実行する。プリアンプおよびリードアンプは、磁気ヘッドから出力された再生信号(リード信号)を増幅して出力する。A/D変換器は、リードアンプによって出力されたリード信号をディジタル信号に変換して出力する。メモリは、A/D変換器によって出力されたディジタル信号を記憶する。オントラック判定部は、リードアンプによって出力されたリード信号に基づいて磁気ヘッドがディスクリートトラック媒体におけるトラックの幅方向中央部に存在する(いわゆる「オントラック状態」にある)か否かを判別する。測定手段は、メモリに記憶されているディジタル信号のうち、オントラック部分に関する信号に基づいてディスクリートトラック媒体の各種特性を評価する。
【0005】
この評価装置によってディスクリートトラック媒体を評価する際には、まず、ディスクリートトラック媒体をディスク駆動部によって回転させる。次に、ディスクリートトラック媒体上に磁気ヘッドを移動させてヘッド位置を固定した状態で検査用データを書き込んだ後に、書き込んだ検査用データを読み取る。この際に、磁気ヘッドによって出力されたリード信号がプリアンプおよびリードアンプによって増幅されてA/D変換器によってディジタル信号に変換された後にメモリ内に記憶される。また、オントラック判定部は、リードアンプによって出力されたリード信号を解析することによって磁気ヘッドがオントラック状態にある旨を報知するオントラック区間信号(OT)を出力する。これに応じて、測定手段は、メモリに記憶されているディジタル信号のうち、オントラック部分に関する信号(オントラック区間信号の出力時にメモリに記録された信号)に基づいてディスクリートトラック媒体の評価処理を実行する。これにより、ディスクリートトラック媒体の評価が完了する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−269734号公報(第4頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の評価装置には、以下の問題点がある。すなわち、従来の評価装置では、ヘッド位置を固定した状態の磁気ヘッドを介して検査用データの書き込みおよび読み取りを実行している。この場合、ディスク駆動部によるディスクリートトラック媒体の回転中心と各トラックの中心との偏心量は、ディスクリートトラック媒体の製造時に生じる各トラックの中心と中心孔の中心との偏心や、ディスクリートトラック媒体のディスク駆動部に対する固定状態に応じて様々に変化する。これに対して、ディスクリートトラック媒体に対して検査用データを読み書きする磁気ヘッドのヘッド位置は、ディスク駆動部による回転中心に対して一定距離に配置される。したがって、トラッキングサーボ制御を行わない従来の評価装置では、例えば、図10に示すように、磁気ヘッドのヘッド軌跡MLがトラックT1,T2間のグルーブ(溝)Gを通過する状態となることがある。このような状態では、磁気ヘッドがトラックT2にオントラックする時間(同図に矢印Xで示す部位を通過する時間)が非常に短くなる。このため、トラックT2に対して極く短時間しか検査用データを書き込むことができない結果、この検査用データを読み取ってディスクリートトラック媒体を評価するのが困難となる。このように、従来の評価装置には、ディスクリートトラック媒体を評価するのに必要かつ十分なデータ量の検査用データの書き込みおよび読み取りが困難となることがあるという問題点が存在する。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、記録媒体を評価するのに必要かつ十分な時間だけ磁気ヘッドを所定のデータ記録用トラックにオントラックさせ得るヘッド位置調整方法および記録媒体評価装置を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るヘッド位置調整方法は、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体をディスク回転機構によって回転させると共に当該記録媒体上で磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定し、前記記録媒体が少なくとも一回転する間だけ前記磁気ヘッドを介して当該記録媒体に検査用データを書き込む第1の処理を実行した後に、前記書き込んだ検査用データの読み取り時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が最も長時間に亘って所定値を連続して超えている出力時間と所定の基準時間との長さを比較し、当該出力時間が当該基準時間以下と判別したときに、前記出力信号が連続して前記所定値を超えている第1の出力状態の前記記録媒体の一回転当りにおける発生回数、および当該出力信号が連続して当該所定値以下となっている第2の出力状態の当該一回転当りにおける発生回数のいずれかに基づいて前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡と交差した前記データ記録用トラックの概数を特定すると共に、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に対して前記第1の出力状態が最長となる前記記録媒体上の第1の出力区間が存在する方向である第1の方向を特定する第2の処理を実行し、前記磁気ヘッドが前記回転中心に対して前記第1の方向に存在するときに当該回転中心から最も離間または接近すると共に当該磁気ヘッドが当該回転中心に対して当該第1の方向の反対方向である第2の方向に存在するときに当該回転中心に最も接近または離間し、かつ、いずれかの前記発生回数が減少するように、前記特定した概数に前記データ記録用トラックのトラックピッチを乗じた距離だけ当該回転中心に対する接離方向で当該磁気ヘッドを当該記録媒体の一回転当りに一回の周期で進退動させる。
【0010】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法は、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体をディスク回転機構によって回転させると共に当該記録媒体上で磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定し、前記記録媒体が少なくとも一回転する間だけ前記磁気ヘッドを介して当該記録媒体に検査用データを書き込む第1の処理を実行した後に、前記書き込んだ検査用データの読み取り時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が最も長時間に亘って所定値を連続して超えている出力時間と所定の基準時間との長さを比較し、当該出力時間が当該基準時間以下と判別したときに、前記出力信号が連続して前記所定値を超えている第1の出力状態の前記記録媒体の一回転当りにおける発生回数、および当該出力信号が連続して当該所定値以下となっている第2の出力状態の当該一回転当りにおける発生回数のいずれかに基づいて前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡と交差した前記データ記録用トラックの概数を特定すると共に、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に対して前記第1の出力状態が最長となる前記記録媒体上の第1の出力区間が存在する方向である第1の方向を特定する第2の処理を実行し、前記出力信号が連続して前記所定値以下となっている第2の出力区間を挟んで前記第1の出力区間が2つ存在するときに、前記第1の出力区間が存在する方向に代えて、前記第2の出力区間の前記回転中心に対する存在方向を前記第1の方向として、前記磁気ヘッドが前記回転中心に対して当該第1の方向に存在するときに当該回転中心から最も離間または接近すると共に当該磁気ヘッドが当該回転中心に対して当該第1の方向の反対方向である第2の方向に存在するときに当該回転中心に最も接近または離間し、かつ、いずれかの前記発生回数が減少するように、前記特定した概数に前記データ記録用トラックのトラックピッチを乗じた距離だけ当該回転中心に対する接離方向で当該磁気ヘッドを当該記録媒体の一回転当りに一回の周期で進退動させる。
【0011】
また、本発明に係る記録媒体評価装置は、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体を回転させるディスク回転機構と、前記記録媒体に対する検査用データの書き込みおよび当該記録媒体からの当該検査用データの読み取りを実行する磁気ヘッドと、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に対する接離方向で前記磁気ヘッドを進退動させるヘッド移動機構と、当該ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを進退動させて所定の条件が満たされたときに前記記録媒体に対する所定の評価処理を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記ディスク回転機構に対して前記記録媒体を回転させると共に前記ヘッド移動機構に対して当該記録媒体上で磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させ、前記磁気ヘッドに対して前記記録媒体が少なくとも一回転する間だけ当該記録媒体に検査用データを書き込ませる第1の処理を実行した後に、前記書き込まれた検査用データの読み取り時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が最も長時間に亘って所定値を連続して超えている出力時間と所定の基準時間との長さを比較し、当該出力時間が当該基準時間以下と判別したときに、前記出力信号が連続して前記所定値を超えている第1の出力状態の前記記録媒体の一回転当りにおける発生回数、および当該出力信号が連続して当該所定値以下となっている第2の出力状態の当該一回転当りにおける発生回数のいずれかに基づいて前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡と交差した前記データ記録用トラックの概数を特定すると共に、前記回転中心に対して前記第1の出力状態が最長となる前記記録媒体上の第1の出力区間が存在する方向である第1の方向を特定する第2の処理を実行し、前記磁気ヘッドが前記回転中心に対して前記第1の方向に存在するときに当該回転中心から最も離間または接近すると共に当該磁気ヘッドが当該回転中心に対して当該第1の方向の反対方向である第2の方向に存在するときに当該回転中心に最も接近または離間し、かつ、いずれかの前記発生回数が減少するように、前記ヘッド移動機構に対して前記特定した概数に前記データ記録用トラックのトラックピッチを乗じた距離だけ当該回転中心に対する接離方向で当該磁気ヘッドを当該記録媒体の一回転当りに一回の周期で進退動させ、前記出力信号が最も長時間に亘って前記所定値を連続して超えている出力時間が所定の基準時間を超える状態となったときに前記所定の条件が満たされたとして前記記録媒体に対する前記所定の評価処理を実行する。
【0012】
また、本発明に係る記録媒体評価装置は、磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体を回転させるディスク回転機構と、前記記録媒体に対する検査用データの書き込みおよび当該記録媒体からの当該検査用データの読み取りを実行する磁気ヘッドと、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に対する接離方向で前記磁気ヘッドを進退動させるヘッド移動機構と、当該ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを進退動させて所定の条件が満たされたときに前記記録媒体に対する所定の評価処理を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記ディスク回転機構に対して前記記録媒体を回転させると共に前記ヘッド移動機構に対して当該記録媒体上で磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させ、前記磁気ヘッドに対して前記記録媒体が少なくとも一回転する間だけ当該記録媒体に検査用データを書き込ませる第1の処理を実行した後に、前記書き込まれた検査用データの読み取り時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が最も長時間に亘って所定値を連続して超えている出力時間と所定の基準時間との長さを比較し、当該出力時間が当該基準時間以下と判別したときに、前記出力信号が連続して前記所定値を超えている第1の出力状態の前記記録媒体の一回転当りにおける発生回数、および当該出力信号が連続して当該所定値以下となっている第2の出力状態の当該一回転当りにおける発生回数のいずれかに基づいて前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡と交差した前記データ記録用トラックの概数を特定すると共に、前記回転中心に対して前記第1の出力状態が最長となる前記記録媒体上の第1の出力区間が存在する方向である第1の方向を特定する第2の処理を実行し、前記出力信号が連続して前記所定値以下となっている第2の出力区間を挟んで前記第1の出力区間が2つ存在するときに、前記第1の出力区間が存在する方向に代えて、前記第2の出力区間の前記回転中心に対する存在方向を前記第1の方向として、前記磁気ヘッドが前 記回転中心に対して当該第1の方向に存在するときに当該回転中心から最も離間または接近すると共に当該磁気ヘッドが当該回転中心に対して当該第1の方向の反対方向である第2の方向に存在するときに当該回転中心に最も接近または離間し、かつ、いずれかの前記発生回数が減少するように、前記ヘッド移動機構に対して前記特定した概数に前記データ記録用トラックのトラックピッチを乗じた距離だけ当該回転中心に対する接離方向で当該磁気ヘッドを当該記録媒体の一回転当りに一回の周期で進退動させ、前記出力信号が最も長時間に亘って前記所定値を連続して超えている出力時間が所定の基準時間を超える状態となったときに前記所定の条件が満たされたとして前記記録媒体に対する前記所定の評価処理を実行する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録媒体評価装置の好適な発明の実施の形態について説明する。
【0014】
最初に、本発明に係る記録媒体評価装置に相当する評価装置1、および評価対象の一例であるディスクリートトラック媒体Dの構成について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示す評価装置1は、ディスク回転機構2、磁気ヘッド3、アクチュエータ4、制御部5、RAM6およびROM7を備えて、評価用のディスクリートトラック媒体Dに対する各種の特性評価処理を実行可能に構成されている。ディスクリートトラック媒体Dは、図2に示すように、円板状に形成されたガラス基材Dbの表面に、同心円状の複数のトラックT1,T2・・(以下、区別しないときには「トラックT」ともいう)が磁性体材料によって形成されると共に、隣り合うトラックT,Tの間に非磁性体材料を充填したグルーブGが形成されて構成されている。この場合、図3に示すように、ディスクリートトラック媒体Dは、一例として、各トラックT,T・・のトラックピッチTpが250nmに規定されると共に、トラックTのトラック幅Twが180nmに規定され、かつグルーブGのグルーブ幅Gwが70nmに規定されている。また、図4に示すように、各トラックT,T・・は、ディスクリートトラック媒体Dの製造誤差に起因して、その中心Ct(トラック中心)がディスクリートトラック媒体Dの中心Cdに対して僅かに偏心して形成されている。さらに、図2に示すように、ディスクリートトラック媒体Dの中心には、評価装置1のディスク回転機構2に固定するための中心孔Dhが形成されている。この場合、図4に示すように、中心孔Dhは、その中心Chがディスクリートトラック媒体Dの中心Cd、およびトラックT,T・・の中心Ctの双方に対して僅かに偏心して形成されている。なお、図4および後に参照する図5,6では、本発明についての理解を容易とするために、その偏心状態等を誇張して図示している。また、ディスクリートトラック媒体Dには、実際には、その直径が65mm程度の場合に70000本程度のトラックT,T・・が形成されているが、本発明の実施の形態で参照する図面では、本発明についての理解を容易とするために、少数本のトラックT,T・・のみを図示する。
【0016】
ディスク回転機構2は、図1に示すように、その先端部がディスクリートトラック媒体Dの中心孔Dhに挿通させられてディスクリートトラック媒体Dを保持(固定)するハブ2aと、制御部5の制御下でハブ2aを介してディスクリートトラック媒体Dを定速回転(一例として、角速度一定の定速回転)させるスピンドルモータ2bとを備えている。この場合、図4に示すように、ハブ2aの先端部は、ディスクリートトラック媒体Dの着脱を容易とするために中心孔Dhの直径よりも細径に形成されている。磁気ヘッド3は、ディスクリートトラック媒体Dに対する検査用データの書き込み(記録)および書き込んだ検査用データの読み取り(再生)を実行可能に構成され、検査用データの読み取り時には、所定の出力信号(リード信号)を出力する。この場合、図3に示すように、磁気ヘッド3のヘッド幅Mwwは、一例として、250nmに規定されている。アクチュエータ4は、本発明におけるヘッド移動機構に相当し、ディスク回転機構2によって回転させられているディスクリートトラック媒体D上で磁気ヘッド3を移動させると共に、その状態の磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体Dの内周方向(ディスク回転機構2によるディスクリートトラック媒体Dの回転中心に接近する方向)または外周方向(回転中心から離間する方向)に進退動させる。この場合、この評価装置1では、ピエゾステージ、ロータリーポジショナーおよび精密スケール付VCM等によってアクチュエータ4が構成されている。
【0017】
制御部5は、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号の出力状態に応じてアクチュエータ4に対してディスクリートトラック媒体Dの内周方向および外周方向(本発明における接離方向)に磁気ヘッド3を進退動させることによって磁気ヘッド3のヘッド位置を調整する。また、制御部5は、所定のトラックTに対する磁気ヘッド3のオントラック時間が予め規定された基準時間を超えたときにディスクリートトラック媒体Dに対する各種の評価処理を実行する。RAM6は、磁気ヘッド3によって出力された出力信号に関する情報や制御部5の演算結果などを一時的に記憶する。ROM7は、ディスクリートトラック媒体Dの評価処理に際して使用する各種の基準データや制御部5の動作プログラムなどを記憶する。なお、評価装置1は、実際には、磁気ヘッド3によって出力された出力信号を増幅するアンプや、アンプの出力信号をディジタル変換するA/D変換器などを備えて構成されているが、本発明についての理解を容易とするために、その図示および説明を省略する。
【0018】
次に、ディスクリートトラック媒体Dの回転時において磁気ヘッド3がディスクリートトラック媒体D上で相対的に描くヘッド軌跡MLとディスクリートトラック媒体D上の各トラックT,T・・との関係について、図面を参照して説明する。
【0019】
前述したように、ディスクリートトラック媒体Dの中心Cdと、中心孔Dhの中心Chと、各トラックT,T・・の中心Ctとは、ディスクリートトラック媒体Dの製造誤差に起因して互いに偏心している。また、ディスク回転機構2のハブ2aがディスクリートトラック媒体Dの中心孔Dhよりも細径に形成されているため、ハブ2aにディスクリートトラック媒体Dを固定した際には、ハブ2aの中心Cs(図4参照)と中心孔Dhの中心Chとに僅かな偏心が生じる。したがって、ディスクリートトラック媒体Dの評価に際しては、ハブ2aの中心Cs(すなわち、本発明における「ディスク回転機構による記録媒体の回転中心」)と、ハブ2aに固定したディスクリートトラック媒体Dにおける各トラックT,T・・の中心Ctとが偏心した状態となる。このような状態では、例えば磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLの半径(磁気ヘッド軌跡半径、以下、「軌跡半径Rs」という)が、いずれかのトラックTの半径(以下、「トラック半径Rt」という)と等しい場合であっても、ヘッド軌跡MLとトラックTとが完全に一致することはない。このため、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間、磁気ヘッド3を常にオントラックさせることができず、磁気ヘッド3が複数のトラックT,T・・に対してオントラックおよびオフトラックを繰り返すこととなる。
【0020】
具体的には、図4に示すように、一例として、各トラックT,T・・の中心Ctがハブ2aの中心Csに対して距離Lだけ偏心した状態でディスクリートトラック媒体Dが固定されたときには、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLがいずれのトラックTとも完全には一致しない。このため、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間、磁気ヘッド3を常にオントラックさせることができなくなる。この場合、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLが、例えばトラックT2〜T8の7つのトラックT,T・・にオントラックするときには、磁気ヘッド3は、その軌跡半径Rsから中心Cs,Ct間の距離Lを差し引いたトラック半径Rt2のトラックT2に対して矢印Xaで示す部位において1回オントラックすると共に、その軌跡半径Rsに中心Cs,Ct間の距離Lを加算したトラック半径Rt8のトラックT8に対して矢印Xbで示す部位において1回オントラックする。また、磁気ヘッド3は、矢印X,Xで示す部位においてトラックT3〜T7に対してそれぞれ2回ずつオントラックする。なお、この例では、各トラックT,T・・に12回に亘ってオントラックするうちで、磁気ヘッド3が中心Csに対する中心Ctの存在方向(同図における上方向)でトラックT2にオントラックしている出力時間Otと、中心Ctに対する中心Csの存在方向(同図における下方向)でトラックT8にオントラックしている出力時間OtとがトラックT3〜T7にオントラックしている出力時間Ot,Ot・・よりも長時間となる。
【0021】
次いで、ヘッド軌跡MLおよびトラックTの交差状態と、磁気ヘッド3によって出力される出力信号との関係について、図面を参照して説明する。
【0022】
上記の図4の例では、ハブ2aの中心Csに対するトラックT,T・・の中心Ctの存在方向、および中心Ctに対する中心Csの存在方向においてトラックT2,T8にそれぞれ1回ずつオントラックすることを説明したが、実際には、そのような状態となるのは非常に希であって、少なくともいずれか一方のトラックTに対しては2回に亘ってオントラックするか、または、出力信号が基準値を超えない程度にヘッド軌跡MLがトラックTを掠めるだけとなることが多い。これは、図5,6に示すように、磁気ヘッド3のヘッド軌跡ML(ヘッド軌跡MLaA〜MLaC,MLbA〜MLbC)が僅かに異なるだけで磁気ヘッド3がトラックT2,T8の幅方向中央部を通過する位置が変化することに起因している。
【0023】
具体的には、例えば、軌跡半径Rsがトラック半径Rt2および距離Lを加算した距離よりも大きい場合(図5に示すヘッド軌跡MLaA,MLaBの場合)には、磁気ヘッド3は、中心Csに対する中心Ctの存在方向に位置する矢印Xa1で示す部位でトラックT2に1回だけオントラックする。この場合、トラックT2の幅方向中央部を通過するヘッド軌跡MLaAで検査用データを書き込んだときには、図7に示すパターンAのように、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が連続して基準値(本発明における所定値であって、検査用データの正常な読み取りが可能な出力値:一例として最大出力値に対する90%程度)を超えている出力状態(本発明における第1の出力状態)の出力時間Otが矢印Xa1の部位で最長となる。この例では、ディスクリートトラック媒体D上の矢印Xa1の部位が最長オントラック区間(本発明における第1の出力区間)となる。なお、図7では、ディスクリートトラック媒体Dの回転に伴う磁気ヘッド3の出力信号の変化をそのエンベローブ波形によって図示している。
【0024】
一方、トラックT2の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの外周側を通過するヘッド軌跡MLaBで検査用データを書き込んだときには、同図に示すパターンBのように、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が連続して基準値を超えている出力状態の出力時間Otが矢印Xa1の部位で最長となる。この例では、ディスクリートトラック媒体D上の矢印Xa1の部位が最長オントラック区間(本発明における第1の出力区間)となる。この場合、ヘッド軌跡MLaBよりもさらに外周側を通過するヘッド軌跡ML(図示せず)で検査用データを書き込んだときには、トラックT2に対して殆どオントラックしない状態(ヘッド軌跡MLがトラックTを掠める状態)となる。このため、同図に示すパターンCのように、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が矢印Xa1の部位で基準値を下回る。
【0025】
また、軌跡半径Rsがトラック半径Rt2および距離Lを加算した距離よりも小さい場合(例えば、図5に示すヘッド軌跡MLaCの場合)には、磁気ヘッド3は、矢印Xa1で示す部位から外れた矢印Xa2,Xa2で示す部位においてトラックT2に2回に亘ってオントラックする。この場合、トラックT2の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの内周側を通過するヘッド軌跡MLaCで検査用データを書き込んだときには、図7に示すパターンDのように、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が連続して基準値を超えている出力状態の出力時間Otが矢印Xa2,Xa2の部位の双方で互いにほぼ等しく、かつ最長となる。この例では、ディスクリートトラック媒体D上の矢印Xa2,Xa2の部位が最長オントラック区間(本発明における第1の出力区間)となる。また、この例では、2つの最長オントラック区間によって挟まれた部位(矢印Xa1で示す部位)が本発明における第2の出力区間に相当する。この場合、ヘッド軌跡MLaCよりもさらに内周側を通過するヘッド軌跡ML(図示せず)で検査用データを書き込んだときには、トラックT2に対して2回に亘ってオントラックする状態となる。このため、同図に示すパターンEのように、出力時間Otが最長となる出力信号が矢印Xa2,Xa2で示す部位から外れた部位でディスクリートトラック媒体Dの一回転当りに2回出力される。
【0026】
一方、軌跡半径Rsがトラック半径Rt8から距離Lを差し引いた距離よりも小さい場合(図6に示すヘッド軌跡MLbA,MLbBの場合)には、磁気ヘッド3は、中心Ctに対する中心Csの存在方向に位置する矢印Xb1で示す部位でトラックT8に1回だけオントラックする。この場合、トラックT8の幅方向中央部を通過するヘッド軌跡MLbAで検査用データを書き込んだときには、図7に示すパターンAのように、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が連続して基準値を超えている出力状態の出力時間Otが矢印Xb1の部位で最長となる。この例では、ディスクリートトラック媒体D上の矢印Xb1の部位が最長オントラック区間(本発明における第1の出力区間)となる。
【0027】
また、トラックT8の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの内周側を通過するヘッド軌跡MLbBで検査用データを書き込んだときには、図7に示すパターンBのように、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が連続して基準値を超えている出力状態の出力時間Otが矢印Xb1の部位で最長となる。この例では、ディスクリートトラック媒体D上の矢印Xb1の部位が最長オントラック区間(本発明における第1の出力区間)となる。この場合、ヘッド軌跡MLaBよりもさらに内周側を通過するヘッド軌跡ML(図示せず)で検査用データを書き込んだときには、トラック8に対して殆どオントラックしない状態となる。このため、同図に示すパターンCのように、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が矢印Xb1の部位で基準値を下回る。
【0028】
また、軌跡半径Rsがトラック半径Rt8から距離Lを差し引いた距離よりも大きい場合(例えば、図6に示すヘッド軌跡MLbCの場合)には、磁気ヘッド3は、矢印Xb1で示す部位から外れた矢印Xb2,Xb2で示す部位においてトラックT8に2回に亘ってオントラックする。この場合、トラックT8の幅方向中央部よりもディスクリートトラック媒体Dの外周側を通過するヘッド軌跡MLbCで検査用データを書き込んだときには、図7に示すパターンDのように、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が連続して基準値を超えている出力状態の出力時間Otが矢印Xb2,Xb2の部位双方で互いにほぼ等しく、かつ最長となる。この例では、ディスクリートトラック媒体D上の矢印Xb2,Xb2の部位が最長オントラック区間(本発明における第1の出力区間)となる。また、この例では、2つの最長オントラック区間によって挟まれた部位(矢印Xb1で示す部位)が本発明における第2の出力区間に相当する。この場合、ヘッド軌跡MLbCよりもさらに外周側を通過するヘッド軌跡ML(図示せず)で検査用データを書き込んだときには、トラックT8に対して2回に亘ってオントラックする状態となる。このため、同図に示すパターンEのように、出力時間Otが最長となる出力信号が矢印Xb2,Xb2で示す部位から外れた部位でディスクリートトラック媒体Dの一回転当りに2回出力される。
【0029】
このように、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLが僅かに異なるだけでトラックTの幅方向中央部を通過する位置が変化して、基準値を超える出力信号の出力回数(本発明における第1の状態の発生回数)が変化する。具体的には、図4に示す例において、例えば、矢印Xaで示す部位で磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLaA(図5参照)を通過し、矢印Xbで示す部位で磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLbB(図6参照)を通過するときには、基準値を超えて出力信号が出力される状態(第1の出力状態)がディスクリートトラック媒体Dの一回転当りに11回発生する。一方、例えば、矢印Xaで示す部位で磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLaAを通過し、矢印Xbで示す部位で磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLbCを通過するときには、基準値を超えて出力信号が出力される状態がディスクリートトラック媒体Dの一回転当りに13回発生する。
【0030】
続いて、評価装置1によるディスクリートトラック媒体Dの評価方法について、図面を参照して説明する。
【0031】
まず、評価対象のディスクリートトラック媒体Dをハブ2a先端部に固定する。次に、制御部5がスピンドルモータ2bに対してハブ2aを介してディスクリートトラック媒体Dを定速回転させる。次いで、制御部5は、図8に示すヘッド位置調整処理20を開始する。このヘッド位置調整処理20では、制御部5は、まず、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3をディスクリートトラック媒体D上の所定の位置に移動させ、その状態でヘッド位置を固定させる(ステップ21)。次に、制御部5は、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間だけ磁気ヘッド3を介してディスクリートトラック媒体Dに検査用データを書き込ませた後に、書き込んだ検査用データを読み取らせる(ステップ22)。なお、検査用データの書き込みが完了するまでの処理が本発明における第1の処理に相当する。次いで、制御部5は、磁気ヘッド3によって出力される出力信号が連続して基準値を超えている出力時間Ot,Ot・・のうちの最長となる出力時間Otと基準時間とを比較する(ステップ23)。この際に、例えば、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLといずれかのトラックTとがほぼ一致しているとき(中心Cs,Ctの偏心量が小さいとき)には、磁気ヘッド3は、そのいずれかのトラックTに対して長時間に亘ってオントラックする。したがって、出力時間Otが基準時間を超えるため、制御部5は、ディスクリートトラック媒体Dの特性を評価する環境が整っていると判別して(本発明における所定条件が満たされていると判別して)、このヘッド位置調整処理20を終了して所定の評価処理を実行する。
【0032】
一方、ステップ23において出力時間Otが基準時間以下と判別したときには、制御部5は、ディスクリートトラック媒体Dの一回転当りにおけるオントラック状態の発生回数を計数し、その計数結果に基づいてヘッド軌跡MLと交差したトラックTの概数を特定する(ステップ24)。具体的には、制御部5は、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が連続して基準値を超えた出力状態をオントラック状態として、ディスクリートトラック媒体Dの一回転当り上記の出力状態が何回発生したかを計数する。この場合、例えば図4に示すように、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLがトラックT2〜T8と交差し、矢印Xaで示す部位で磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLaB(図5参照)を通過すると共に矢印Xbで示す部位で磁気ヘッド3がヘッド軌跡MLbA(図6参照)を通過するときには、制御部5は、矢印Xb,X,X・・で示す部位において11回のオントラック状態が発生したと計数する。この際には、制御部5は、計数結果の「11」に「1/2」を乗じた数(この例では「5.5」)をヘッド軌跡MLと交差したトラックTの概数として特定する。この場合、この例のように、ヘッド軌跡MLが矢印Xaの部位でトラックT2と交差しているにも拘わらず、トラックT2との交差時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を超えていないとき(ヘッド軌跡MLがトラックTの幅方向における中心を通過していないとき)には、ステップ24において、このトラックT2が計数の対象とならないことがある。したがって、このヘッド位置調整処理20では、ステップ24において特定されるトラックTの概数(以下、「トラック数」ともいう)と、ヘッド軌跡MLが実際に交差したトラックTの数とに若干の誤差が生じることがある。
【0033】
次に、制御部5は、ステップ24において特定したトラック数と、トラックTのトラックピッチTpとに基づいて、ステップ27において磁気ヘッド3を進退動させる距離を演算する(ステップ25)。具体的には、トラックピッチTpに対して、特定したトラック数を乗じた距離(250nm×5.5=1375nm)を進退動させる距離として演算する。次いで、制御部5は、ハブ2aの中心Csに対する最長オントラック区間(本発明における第1の出力区間)の存在方向(本発明における第1の方向)を特定する(ステップ26)。この例では、磁気ヘッド3が図6に示すヘッド軌跡MLbAを通過するため、図4に矢印Xbで示す部位でパターンAの出力信号が出力されて、この矢印Xbの部位が最長オントラック区間となる。したがって、制御部5は、中心Csに対する最長オントラック区間の存在方向(同図における下向き)を本発明における第1の方向として特定する。この場合、この第1の方向の反対方向(同図における上向き)が本発明における第2の方向に相当する。なお、前述したステップ24と上記のステップ26とが本発明における第2の処理に相当する。
【0034】
次に、制御部5は、アクチュエータ4に対して磁気ヘッド3を中心Csに対する接離方向で、ステップ25で演算した距離だけ、ディスクリートトラック媒体Dの一回転当りに一回の周期で磁気ヘッド3を進退動させる(ステップ27)。この際に、制御部5は、磁気ヘッド3を進退動させることによってオントラック状態の発生回数が減少する方向(図9に示す矢印Q1の方向)に進退動させる。具体的には、制御部5は、磁気ヘッド3が矢印Xbの部位でトラックT8にオントラックしている状態(上記の第1の方向に存在する状態)において中心Csに最も接近し、かつ、その状態からディスクリートトラック媒体Dが180°回転させられた状態(磁気ヘッド3が上記の第2の方向に存在する状態)において中心Csから最も離間するように進退動させる。これにより、図9に示すように、磁気ヘッド3は、第1の方向に存在するときに中心Csから軌跡半径Rsa(軌跡半径Rs)だけ離間させられ、ディスクリートトラック媒体Dが180°回転させられて第2の方向に存在するときに中心Csから軌跡半径Rsb(この例では、トラックピッチTp×5.5に軌跡半径Rsを加算した距離)だけ離間させられる。この結果、磁気ヘッド3は、同図に示すヘッド軌跡MLcを通過することとなり、矢印Xbの部位を中心としてトラックT8に非常に長時間に亘ってオントラックする。
【0035】
次に、制御部5は、ディスクリートトラック媒体Dが一回転する間だけ磁気ヘッド3に検査用データを書き込ませた後に、書き込んだ検査用データを読み取らせる(ステップ28)。次いで、制御部5は、出力時間Ot(トラックT8にオントラックしている時間)と基準時間との長さを比較して、出力時間Otが基準時間を超えているか否かを判別する(ステップ29)。この際に、出力時間Otが基準時間以下のときには、制御部5は、ステップ21に戻って再びこのヘッド位置調整処理20を開始する。一方、上記の例のように磁気ヘッド3がトラックT8に長時間に亘ってオントラックしているときには、制御部5は出力時間Otが基準時間を超えていると判別してこのヘッド位置調整処理20を終了し、所定の評価処理を実行する。また、長時間に亘って評価処理を行った場合には、ディスクリートトラック媒体Dが熱膨張することによって十分な評価が可能なだけオントラックさせることが困難となることもある。この際には、制御部5は、上記のヘッド位置調整処理20を再び実行する。これにより、熱膨張によってトラックTのトラック半径Rtが変化したとしても、ディスクリートトラック媒体Dを十分に評価することができる。
【0036】
このように、この評価装置1によれば、ヘッド軌跡MLが交差したトラックTの概数にトラックピッチTpを乗じた数だけ中心Csに対する接離方向でディスクリートトラック媒体Dの一回転当りに一回の周期で磁気ヘッド3を進退動させることにより、ディスクリートトラック媒体Dの評価開始時に磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLとトラックT,T・・とがどのような状態で交差していたとしても、ディスクリートトラック媒体Dの評価に必要かつ十分な時間だけいずれかのトラックT(この場合、トラックT8)に磁気ヘッド3をオントラックさせることができる。このため、トラッキングサーボ制御を実行することなく、各種のディスクリートトラック媒体Dを十分に評価することができる。
【0037】
また、この評価装置1によれば、ヘッド位置調整処理20におけるステップ23において最長の出力時間Otが基準時間以下と判別したときに、ステップ24以降の処理を実行することにより、ハブ2aに対してディスクリートトラック媒体Dが殆ど偏心していない状態では、アクチュエータ4による磁気ヘッド3の進退動制御を不要として、直ちにディスクリートトラック媒体Dの評価を開始することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限らず、適宜変更が可能である。例えば、本発明の実施の形態では、検査用データの読み取り時に磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値を超えている状態(本発明における第1の出力状態:オントラック状態)のディスクリートトラック媒体Dの一回転当りにおける発生回数に基づいてヘッド軌跡MLが交差したトラックTの概数を特定する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、磁気ヘッド3によって出力される出力信号が基準値以下となっている状態(本発明における第2の出力状態:オフトラック状態)のディスクリートトラック媒体Dの一回転当りにおける発生回数に基づいてヘッド軌跡MLが交差したトラックTの概数を特定することもできる。具体的には、前述した11回のオントラックが発生する例では、11回のオフトラック状態(第2の出力状態)が発生する。したがって、前述したヘッド位置調整処理20におけるステップ24では、オフトラック状態の発生回数(11)に基づいて、ヘッド軌跡MLが交差したトラックTの概数が5.5本と特定される。これにより、オントラック状態の発生回数に基づいて磁気ヘッド3を進退動させる距離を演算した上記の実施の形態と同様にして、トラックT8に対して長時間に亘ってオントラックさせることができる。
【0039】
また、本発明の実施の形態では、磁気ヘッド3がトラックT8にオントラックしている部位(図4に矢印Xbで示す部位)を本発明における第1の出力区間として、磁気ヘッド3が第1の方向に存在するときに中心Csに最も接近すると共に第2の方向に存在するときに中心Csから最も離間するように磁気ヘッド3を進退動させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、磁気ヘッド3がトラックT2にオントラックしている部位(図4に矢印Xaで示す部位)が本発明における第1の出力区間に相当する場合(磁気ヘッド3が図5に示すヘッド軌跡MLaAを通過する場合)には、磁気ヘッド3を図9に示す矢印Q2の方向で進退動させることにより、磁気ヘッド3が第1の方向に存在するときに中心Csから最も離間し、かつ第2の方向に存在するときに中心Csに最も接近させる。これにより、同図に示すように、磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLdが矢印Xaで示す部位を中心としてトラックT2に長時間に亘ってオントラックするため、上記実施の形態において例示したヘッド位置調整方法と同様にして、ディスクリートトラック媒体Dを十分に評価することができる。
【0040】
さらに、本発明の実施の形態では、中心Csに対して出力時間Otが最長となる出力区間の存在方向を本発明における第1の方向として磁気ヘッド3を進退動させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、磁気ヘッド3によって出力される出力信号が図7に示すパターンDの場合には、図5に矢印Xa2,Xa2で示す部位(本発明における第1の出力区間)の間に挟まれた矢印Xa1の部位(本発明における第2の出力区間)の中心Csに対する存在方向を本発明における第1の方向とし、その反対方向を第2の方向として、磁気ヘッド3が中心Csに対して、いずれか一方の方向に存在するときに中心Csに最も接近し、いずれか他方の方向に存在するときに中心Csに最も離間するように磁気ヘッドを進退動させることができる。この方法によれば、2つの第1の出力区間が存在する場合に、そのいずれか一方の存在方向を第1の方向として磁気ヘッド3を進退動させるヘッド位置の調整方法と比較して、いずれかのトラックTに磁気ヘッド3を一層長時間に亘ってオントラックさせることができる。これにより、ディスクリートトラック媒体Dを十分に評価することができる。加えて、本発明におけるディスクリートトラック型の記録媒体は、片面記録型、およびガラス基材の表裏両面に同心円状の複数のデータ記録用トラックを形成した両面記録型の両者が含まれる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録媒体評価装置によれば、磁気ヘッド軌跡が交差したデータ記録用トラックの概数にトラックピッチを乗じた距離だけ回転中心に対する接離方向で記録媒体の一回転当りに一回の周期で磁気ヘッドを進退動させることにより、評価処理開始時に磁気ヘッドの磁気ヘッド軌跡と各データ記録用トラックとがどのような状態で交差していたとしても、記録媒体の評価に必要かつ十分な時間だけいずれかのデータ記録用トラックに磁気ヘッドをオントラックさせることができる。このため、トラッキングサーボ制御を実行することなく、各種のディスクリートトラック型の記録媒体を十分に評価することができる。
【0042】
また、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録媒体評価装置によれば、第2の出力区間を挟んで2つの第1の出力区間が存在するときに回転中心に対する第2の出力区間の存在方向を第1の方向として磁気ヘッドの進退動させることにより、2つの第1の出力区間が存在する場合に、そのいずれか一方の存在方向を第1の方向として磁気ヘッドを進退動させるヘッド位置の調整方法と比較して、いずれかのデータ記録用トラックに磁気ヘッドを一層長時間に亘ってオントラックさせることができる。これにより、ディスクリートトラック型の記録媒体を十分に評価することができる。
【0043】
この場合、本発明に係るヘッド位置調整方法および記録媒体評価装置によれば、第1の処理の後に最長の出力時間が基準時間以下と判別したときに、第2の処理を開始することにより、回転中心に対して記録媒体が殆ど偏心していない状態では、磁気ヘッドの進退動制御を不要として、直ちに評価処理を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る評価装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】 評価対象の一例であるディスクリートトラック媒体Dの断面図である。
【図3】 ディスクリートトラック媒体D上に磁気ヘッド3を移動させた状態の平面図である。
【図4】 トラックT,T・・の中心Ctがハブ2aの中心Csに対して偏心した状態のディスクリートトラック媒体Dと磁気ヘッド3のヘッド軌跡MLとの関係の一例を示す概念図である。
【図5】 トラックT1〜T3とヘッド軌跡MLaA〜MLaCとの関係の一例を示す概念図である。
【図6】 トラックT7〜T9とヘッド軌跡MLbA〜MLbCとの関係の一例を示す概念図である。
【図7】 磁気ヘッド3から出力される出力信号のパターン図である。
【図8】 評価装置1によって実行されるヘッド位置調整処理20のフローチャートである。
【図9】 トラックT1〜T9とヘッド軌跡MLc,MLdとの関係の一例を示す概念図である。
【図10】 従来の評価装置による評価処理時におけるトラックT1,T2とヘッド軌跡MLとの関係の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 評価装置
2 ディスク回転機構
3 磁気ヘッド
4 アクチュエータ
5 制御部
20 ヘッド位置調整処理
Cs,Ct 中心
D ディスクリートトラック媒体
G グルーブ
L 距離
ML ヘッド軌跡
Ot 出力時間
T トラック

Claims (4)

  1. 磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体をディスク回転機構によって回転させると共に当該記録媒体上で磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定し、前記記録媒体が少なくとも一回転する間だけ前記磁気ヘッドを介して当該記録媒体に検査用データを書き込む第1の処理を実行した後に、
    前記書き込んだ検査用データの読み取り時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が最も長時間に亘って所定値を連続して超えている出力時間と所定の基準時間との長さを比較し、当該出力時間が当該基準時間以下と判別したときに、前記出力信号が連続して前記所定値を超えている第1の出力状態の前記記録媒体の一回転当りにおける発生回数、および当該出力信号が連続して当該所定値以下となっている第2の出力状態の当該一回転当りにおける発生回数のいずれかに基づいて前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡と交差した前記データ記録用トラックの概数を特定すると共に、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に対して前記第1の出力状態が最長となる前記記録媒体上の第1の出力区間が存在する方向である第1の方向を特定する第2の処理を実行し、
    前記磁気ヘッドが前記回転中心に対して前記第1の方向に存在するときに当該回転中心から最も離間または接近すると共に当該磁気ヘッドが当該回転中心に対して当該第1の方向の反対方向である第2の方向に存在するときに当該回転中心に最も接近または離間し、かつ、いずれかの前記発生回数が減少するように、前記特定した概数に前記データ記録用トラックのトラックピッチを乗じた距離だけ当該回転中心に対する接離方向で当該磁気ヘッドを当該記録媒体の一回転当りに一回の周期で進退動させるヘッド位置調整方法。
  2. 磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体をディスク回転機構によって回転させると共に当該記録媒体上で磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定し、前記記録媒体が少なくとも一回転する間だけ前記磁気ヘッドを介して当該記録媒体に検査用データを書き込む第1の処理を実行した後に、
    前記書き込んだ検査用データの読み取り時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が最も長時間に亘って所定値を連続して超えている出力時間と所定の基準時間との長さを比較し、当該出力時間が当該基準時間以下と判別したときに、前記出力信号が連続して前記所定値を超えている第1の出力状態の前記記録媒体の一回転当りにおける発生回数、および当該出力信号が連続して当該所定値以下となっている第2の出力状態の当該一回転当りにおける発生回数のいずれかに基づいて前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡と交差した前記データ記録用トラックの概数を特定すると共に、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に対して前記第1の出力状態が最長となる前記記録媒体上の第1の出力区間が存在する方向である第1の方向を特定する第2の処理を実行し、
    前記出力信号が連続して前記所定値以下となっている第2の出力区間を挟んで前記第1の出力区間が2つ存在するときに、前記第1の出力区間が存在する方向に代えて、前記第2の出力区間の前記回転中心に対する存在方向を前記第1の方向として、前記磁気ヘッドが前記回転中心に対して当該第1の方向に存在するときに当該回転中心から最も離間または接近すると共に当該磁気ヘッドが当該回転中心に対して当該第1の方向の反対方向である第2の方向に存在するときに当該回転中心に最も接近または離間し、かつ、いずれかの前記発生回数が減少するように、前記特定した概数に前記データ記録用トラックのトラックピッチを乗じた距離だけ当該回転中心に対する接離方向で当該磁気ヘッドを当該記録媒体の一回転当りに一回の周期で進退動させるヘッド位置調整方法。
  3. 磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体を回転させるディスク回転機構と、前記記録媒体に対する検査用データの書き込みおよび当該記録媒体からの当該検査用データの読み取りを実行する磁気ヘッドと、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に対する接離方向で前記磁気ヘッドを進退動させるヘッド移動機構と、当該ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを進退動させて所定の条件が満たされたときに前記記録媒体に対する所定の評価処理を実行する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記ディスク回転機構に対して前記記録媒体を回転させると共に前記ヘッド移動機構に対して当該記録媒体上で磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させ、前記磁気ヘッドに対して前記記録媒体が少なくとも一回転する間だけ当該記録媒体に検査用データを書き込ませる第1の処理を実行した後に、前記書き込まれた検査用データの読み取り時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が最も長時間に亘って所定値を連続して超えている出力時間と所定の基準時間との長さを比較し、当該出力時間が当該基準時間以下と判別したときに、前記出力信号が連続して前記所定値を超えている第1の出力状態の前記記録媒体の一回転当りにおける発生回数、および当該出力信号が連続して当該所定値以下となっている第2の出力状態の当該一回転当りにおける発生回数のいずれかに基づいて前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡と交差した前記データ記録用トラックの概数を特定すると共に、前記回転中心に対して前記第1の出力状態が最長となる前記記録媒体上の第1の出力区間が存在する方向である第1の方向を特定する第2の処理を実行し、前記磁気ヘッドが前記回転中心に対して前記第1の方向に存在するときに当該回転中心から最も離間または接近すると共に当該磁気ヘッドが当該回転中心に対して当該第1の方向の反対方向である第2の方向に存在するときに当該回転中心に最も接近または離間し、かつ、いずれかの前記発生回数が減少するように、前記ヘッド移動機構に対して前記特定した概数に前記データ記録用トラックのトラックピッチを乗じた距離だけ当該回転中心に対する接離方向で当該磁気ヘッドを当該記録媒体の一回転当りに一回の周期で進退動させ、前記出力信号が最も長時間に亘って前記所定値を連続して超えている出力時間が所定の基準時間を超える状態となったときに前記所定の条件が満たされたとして前記記録媒体に対する前記所定の評価処理を実行する記録媒体評価装置。
  4. 磁気的に互いに分離された同心円状の複数のデータ記録用トラックが形成されたディスクリートトラック型の記録媒体を回転させるディスク回転機構と、前記記録媒体に対する検査用データの書き込みおよび当該記録媒体からの当該検査用データの読み取りを実行する磁気ヘッドと、前記ディスク回転機構による前記記録媒体の回転中心に対する接離方向で前記磁気ヘッドを進退動させるヘッド移動機構と、当該ヘッド移動機構に対して前記磁気ヘッドを進退動させて所定の条件が満たされたときに前記記録媒体に対する所定の評価処理を実行する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記ディスク回転機構に対して前記記録媒体を回転させると共に前記ヘッド移動機構に対して当該記録媒体上で磁気ヘッドを移動させてそのヘッド位置を固定させ、前記磁気ヘッドに対して前記記録媒体が少なくとも一回転する間だけ当該記録媒体に検査用データを書き込ませる第1の処理を実行した後に、前記書き込まれた検査用データの読み取り時において前記磁気ヘッドによって出力される出力信号が最も長時間に亘って所定値を連続して超えている出力時間と所定の基準時間との長さを比較し、当該出力時間が当該基準時間以下と判別したときに、前記出力信号が連続して前記所定値を超えている第1の出力状態の前記記録媒体の一回転当りにおける発生回数、および当該出力信号が連続して当該所定値以下となっている第2の出力状態の当該一回転当りにおける発生回数のいずれかに基づいて前記記録媒体上における磁気ヘッド軌跡と交差した前記データ記録用トラックの概数を特定すると共に、前記回転中心に対して前記第1の出力状態が最長となる前記記録媒体上の第1の出力区間が存在する方向である第1の方向を特定する第2の処理を実行し、前記出力信号が連続して前記所定値以下となっている第2の出力区間を挟んで前記第1の出力区間が2つ存在するときに、前記第1の出力区間が存在する方向に代えて、前記第2の出力区間の前記回転中心に対する存在方向を前記第1の方向として、前記磁気ヘッドが前記回転中心に対して当該第1の方向に存在するときに当該回転中心から最も離間または接近すると共に当該磁気ヘッドが当該回転中心に対して当該第1の方向の反対方向である第2の方向に存在するときに当該回転中心に最も接近または離間し、かつ、いずれかの前記発生回数が減少するように、前記ヘッド移動機構に対して前記特定した概 数に前記データ記録用トラックのトラックピッチを乗じた距離だけ当該回転中心に対する接離方向で当該磁気ヘッドを当該記録媒体の一回転当りに一回の周期で進退動させ、前記出力信号が最も長時間に亘って前記所定値を連続して超えている出力時間が所定の基準時間を超える状態となったときに前記所定の条件が満たされたとして前記記録媒体に対する前記所定の評価処理を実行する記録媒体評価装置。
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