JP3932747B2 - 光分岐装置及び光ネットワーク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された光信号を複数の経路に分岐させる光分岐装置と、この光分岐装置を用いてデータの送受信を行なう光ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
超大規模集積回路(VLSI)の開発により、データ処理システムで使用する回路基板(ドーターボード)の回路機能が大幅に増大してきている。各回路基板間をバス構造で接続するデータバスボード(マザーボード)には、並列アーキテクチャが採用されているが、回路機能が増大するにつれて各回路基板に対する信号接続数が増大するため、多数の接続コネクタと接続線とが必要になる。これまでは接続線の多層化と微細化とにより並列化を進めて並列バスの動作速度の向上が計られてきたが、接続配線間の容量や接続配線の抵抗に起因する信号遅延により、システムの処理速度が並列バスの動作速度によって制限されるという問題があった。また、並列バスの接続配線が高密度化されることによる電磁ノイズ(EMI:Electromagnetic Interference)の増加も、システムの処理速度向上に対しては大きな制約となっていた。
【0003】
この様な問題を解決して並列バスの動作速度の向上を計るために、光インターコネクションと呼ばれるシステム内での光接続技術を用いることが検討されている。光インターコネクション技術の概要は、内田,回路実装学術講演大会 15C01,p.201〜202やH.Tomuro et al, IEEE Tokyo Section Denshi Tokyo No.33 p.81〜86(1994)に記載されているが、従来、システムの構成内容により様々な形態の光インターコネクション技術が提案されている。
【0004】
特開平2−41042号公報には、各回路基板の表裏両面に発光/受光デバイスを配置し、システムフレームに組み込まれた隣接する回路基板上の発光/受光デバイス間を空間的に光で結合した、各回路基板相互間のループ伝送用の直列光データ・バスが提案されている。
【0005】
しかしながら、この発光/受光デバイスを用いた光データ伝送方式では、ある1枚の回路基板から送られた信号光が隣接する回路基板で光から電気に変換され、さらにその回路基板でもう一度電気から光に変換されて、隣接する回路基板に信号光を送るというように、各回路基板が順次直列に配列され、各回路基板上で光から電気への変換、電気から光への変換を繰り返しながらシステムフレームに組み込まれたすべての回路基板間に信号が伝達される。このため信号伝達速度は、各回路基板上に配置された受光デバイスの光/電気変換速度と発光デバイスの電気/光変換速度とに依存すると同時にその制約を受ける、という問題がある。また、各回路基板相互間のデータ伝送には、各回路基板上に配置された受光/発光デバイスによる自由空間を介在させた光結合を用いているため、隣接する光データ伝送路間の干渉(クロストーク)が発生しデータの伝送不良が発生することも予想される。また、システムフレーム内の環境、例えば埃などにより信号光が散乱してデータの伝送不良が発生することも予想される。
【0006】
このような伝送不良の発生を防止するため、各回路基板相互間のデータ伝送に分岐素子を具備した光接続装置を使用する伝送方式が検討されている。例えば、特開昭63−1223号公報には、入力信号に対して複数に分岐、出力する光バス方式が提案されている。この光バス方式は、分岐比の異なる複数の光カプラを直列に接続し、伝送路の始点から分岐比が順に大きくなるように配置することで、ほぼ均等な光信号を伝送できる点に特徴がある。図12に、光カプラの損失、ファイバによる伝送損失、及びファイバとの結合損失が0である場合のこの光バスの分岐、出力の例を示す。伝送路の始点からファイバ60で伝送された光信号は光カプラ51によって1:5に分岐される。すなわち1/6がファイバ61に伝送され、残りの5/6が次の光カプラ52に伝送される。光カプラ52では伝送された光信号は1:4に分岐される。すなわち1/5がファイバ62に伝送され、残りの4/5が次ぎの光カプラ53に伝送される。このような構成を用いると各ファイバ61、62、・・・、66に出力される信号光の強度は等しくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方式では、システムを変更する場合、例えば直列に接続している光カプラの途中に他の光カプラを追加しようとした場合には追加した光カプラから始点側の光カプラまでの分岐比をすべて変える必要があり、容易にシステムの変更を行うことができない、という問題がある。例えば、図13に示すように、光カプラの損失、ファイバによる伝送損失、及びファイバとの結合損失が0であるとすると、光カプラ51と53の間に光カプラ52を追加する場合には、光カプラ52の分岐比を1:4に変更し、光カプラ51の分岐比を1:4から1:5に変更する必要があり、変更作業が煩雑である。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、簡単な構成で入力された光信号の分岐比を容易に変えることができる光分岐装置とこの光分岐装置を用いた光ネットワークを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の光分岐装置は、対向する第1の端面と第2の端面とを備えた透光性媒体と、前記透光性媒体に信号光を入力する入力部と、前記透光性媒体を伝搬されてきた信号光を分岐して各々出力する複数の出力部と、前記入力部と前記透光性媒体の第1の端面との間に設けられ、第1の端面側から入射された信号光を拡散する光拡散板と該光拡散板を前記第1の端面に平行で且つ取り替え可能に保持する保持部材とを備え、前記光拡散板を取り替えて光拡散角を変更する拡散角変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項1の光分岐装置では、透光性媒体は対向する第1の端面と第2の端面とを備えており、前記透光性媒体の第1の端面側に設けられた光拡散板は第1の端面側から入射された信号光を拡散する。このように簡易な構成の光分岐装置を用いて、光拡散板を所望の光拡散角θの光拡散板に取り替えて、光拡散角を変化させることにより、透光性媒体の出射側の端面での光強度分布を容易に変えることができ、これを複数の出力部から取り出すことで入力された光信号の分岐比を所望の値に変えることができる。
【0015】
本発明の光分岐装置において、透光性媒体の第1の端面と第2の端面との間の距離を、出射される信号光の強度が出射側の端面で均一になる距離よりも短い距離の範囲で変更することができる。
【0019】
本発明の光分岐装置において、前記出力部に光導光路を用いることができる。
【0020】
本発明の光分岐装置において、前記入力部に光導光路を用いることができる。
【0021】
本発明の光ネットワークは、一端が光送信器または光受信器に接続された光ファイバからなる線路に、本発明の光分岐装置を少なくとも1以上接続して構成したことを特徴とする。
【0022】
本発明の光分岐装置を接続して光ネットワークを構成すれば、光分岐装置を任意の位置に挿入する場合でも、直ちに分岐比を変更して、入射した信号光の均等な光分岐が可能となり、出射する光信号の出力レベルを均一にすることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の光分岐装置の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る光分岐装置100の概略構成を説明するための模式図である。図1に示すように、光分岐装置100は、入射側の端面と出射側の端面との間の距離が所定長さL(以下、「端面間の距離L」という)であり、屈折率が低いクラッド層とこのクラッド層に包囲された導波路を形成するコア部とから構成された透光性媒体1と、透光性媒体1の入射側の端面に設けられ、光透過率が高く、拡散角を制御可能な材料からなる光拡散部としての光拡散板2と、透光性媒体1の出射側の端面に設けられ、2本に分岐した出力部としての出射導光路3a、3bと、から構成されている。光分岐装置100の光拡散板2に対向する所定位置には、信号光入力するための入力部としての発光素子41が配置されている。
【0024】
発光素子41から出射された信号光410は、透光性媒体1の光拡散板2に入射され、光拡散板2により所定の拡散角θで拡散されながら透光性媒体1内を伝搬する。透光性媒体1内を伝搬した信号光410は、透光性媒体1の出射側の端面から出射され、2本に分岐した出射導光路3a、3bに入射されて、信号光420、421が出射導光路3a、3bからそれぞれ出力される。この図では、発光素子41を中央から出射導光路3a側よりに偏位させて配置したことにより、光拡散板2への入射位置は中央から出射導光路3a側にずれ、出射導光路3aからの出力割合が大きくなっている。
【0025】
本実施の形態においては、以下に示すように、透光性媒体1の端面間の距離L、信号光410の光拡散板2への入射位置、及び光拡散板2の拡散角θのいずれかを変更することにより、出射導光路3a、3bから出力される信号光420と信号光421との強度比(以下、「分岐比」と称する)を自在に変更することができる。
【0026】
図1に示す光分岐装置100において、図2(A)〜(C)に示すように、端面間の距離Lが異なる透光性媒体を使い分けることにより、端面間の距離Lに応じて分岐比を変更することができる。
【0027】
図2(A)に示すように、端面間の距離Lが短い透光性媒体1Aの場合、光拡散板2により拡散された信号光410のほとんどは信号光の入射位置と対向している出射導光路3aから出力されて、信号光420Aの強度が大きくなり、入射位置と対向していない出射導光路3bから出力される信号光421Aの強度は小さくなる。図2(B)に示すように、透光性媒体1Aより端面間の距離が長い透光性媒体1Bの場合、信号光410のうち、信号光の入射位置と対向していない出射導光路3bから出力される割合が、出射導光路3aから出力される割合に比べて増加する。即ち、信号光420Bに対する信号光421Bの強度比が大きくなる。図2(C)に示すように、透光性媒体1Bより更に端面間の距離が長い透光性媒体1Cの場合、入射された信号光410が透光性媒体1の側面で反射されて出射側の端面で均一化され、出射導光路3aからの出力と出射導光路3bからの出力とがほぼ等しくなる。即ち、信号光420Cに対する信号光421Cの強度比がさらに大きくなる。
【0028】
また、図1に示す光分岐装置100において、図3(A)〜(C)に示すように、拡散角θの異なる光拡散板2を使い分けることにより、拡散角θに応じて分岐比を変更することができる。
【0029】
図3(A)に示すように、拡散角θが小さい光拡散板2Aを用いた場合、光拡散板2Aにより拡散された信号光410のほとんどは信号光の入射位置と対向している出射導光路3aから出力されて、信号光420Aの強度が大きくなり、入射位置と対向していない出射導光路3bから出力される信号光421Aの強度は小さくなる。図3(B)に示すように、光拡散板2Aより拡散角θが大きい光拡散板2Bを用いた場合、信号光410のうち、信号光の入射位置と対向していない出射導光路3bから出力される割合が、出射導光路3aから出力される割合に比べて増加する。即ち、信号光420Bに対する信号光421Bの強度比が大きくなる。図3(C)に示すように、光拡散板2Bより更に拡散角θが大きい光拡散板2Cを用いた場合、入射された信号光410が透光性媒体1の側面で反射されて出射側の端面で均一化され、出射導光路3aからの出力と出射導光路3bからの出力とがほぼ等しくなる。即ち、信号光420Cに対する信号光421Cの強度比がさらに大きくなる。
【0030】
また、図1に示す光分岐装置100において、図4(A)〜(C)に示すように、信号光410の光拡散板2への入射位置を変えることにより、入射位置に応じて分岐比を変更することができる。
【0031】
図4(A)に示すように、発光素子41の光拡散板2への入射位置の中央からのずれが大きい場合、光拡散板2により拡散された信号光410のほとんどは信号光の入射位置と対向している出射導光路3aから出力されて、信号光420Aの強度が大きくなり、入射位置と対向していない出射導光路3bから出力される信号光421Aの強度は小さくなる。図4(B)に示すように、発光素子41の光拡散板2への入射位置の中央からのずれが小さくなると、信号光410のうち、信号光の入射位置と対向していない出射導光路3bから出力される割合が、出射導光路3aから出力される割合に比べて増加する。即ち、信号光420Bに対する信号光421Bの強度比が大きくなる。図4(C)に示すように、発光素子41の光拡散板2への入射位置が略中央になると、入射された信号光410が透光性媒体1の側面で反射されて出射側の端面で均一化され、出射導光路3aからの出力と出射導光路3bからの出力とがほぼ等しくなる。即ち、信号光420Cに対する信号光421Cの強度比がさらに大きくなる。
【0032】
本実施の形態では、信号光420A〜C、421A〜Cが出射導光路3a、3bからそれぞれ出力される例について説明したが、図14〜図16に示すように、受光素子42a、42bを、透光性媒体1の出射側の端面に対向する位置に出力部として配置し、信号光420A〜C、421A〜Cを受光素子42a、42bで光電変換して、電気信号422A〜C、423A〜Cとして出力することも可能である。この場合にも本実施の形態と同様に、透光性媒体1の端面間の距離L、信号光410の光拡散板2への入射位置、及び光拡散板2の拡散角θのいずれかを変更することにより、分岐比を自在に変更することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図5(A)を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と同一構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。図5(A)に示すように、第2の実施の形態に係る光分岐装置200は、入力部には入射導光路3cを用いた点に特徴がある。
【0033】
図5(A)〜(C)に示すように、第2の実施の形態に係る光分岐装置200においても、第1の実施の形態と同様、端面間の距離Lが異なる透光性媒体1A〜1Cを使い分けることにより、端面間の距離Lに応じて分岐比を容易に変えることができる。また、図6(A)〜(C)に示すように、拡散角θが異なる光拡散板2A〜2Cを使い分けることにより、拡散角θに応じて分岐比を変更することができる。
【0034】
また、図7(A)〜(C)に示すように、入射導光路3cを介して信号光410を入射させる場合にも、入射導光路3cの位置を光拡散板2に対して変化させることにより、入射位置に応じて分岐比を変えることができる。
【0035】
出射導光路を用いずに、受光素子を透光性媒体1の出射側の端面に対向する位置に出力部として配置し、信号光420A〜C、421A〜Cを受光素子で光電変換して、電気信号として出力させることが可能である点も第1の実施の形態と同様である。
【0036】
第2の実施の形態に係る光分岐装置200を、より具体的に表したのが図8〜図11である。
【0037】
図8に示す光分岐装置200は、所定長さLの直方体形状の透光性媒体1を備え、透光性媒体1の入射側の端面には光拡散板2が設けられ、透光性媒体1の出射側の端面には「出射導光路」としての2本の光ファイバの端部3a、3bが束ねられた状態で配置され、光拡散板2に対向する所定位置には「入射導光路」としての光ファイバの端部3cが配置されている。
【0038】
光ファイバとしては、プラスチック光ファイバ(POF)、プラスチッククラッドファイバ(PCF)、ガラスファイバ等を用いることができる。また、光ファイバのコア径は、透光性媒体の大きさに応じて適宜選択される。透光性媒体は、光を透過するものであれば良く、ポリメチルメタクリレート(PMMA)系の樹脂等を用いることができる。例えば、幅2mm、厚さ1mmのPMMA系の樹脂製の透光性媒体には、コア径0.98mm、ファイバ径1.0mmのコア材にPMMA系の樹脂を用いた光ファイバを好適に用いることができる。なお、透光性媒体の端面間の距離は所望の分岐比に応じて決定することができる。
【0039】
光拡散板2には、光透過率が高く、拡散角θが制御可能な透過型拡散フィルム等を用いることができる。透過型拡散フィルムは、拡散角θを0.5度から90度(半値全角)の範囲で設計することができ、光透過率は90%程度である。
【0040】
図8には、出射導光路と入射導光路とを、円柱状の光ファイバを用いて構成した例を示したが、図9に示すように、角柱状の導光路3a’、3b’及び3c’を用いることもできる。角柱状の導光路には、例えば、透光性媒体と同じ材質で、幅1mm、厚さ1mmのものを用いることができる。角柱状の導光路を用いることにより透光性媒体の出力側の端面をすべて覆うことができ、円柱状の光ファイバを用いた場合に比べて、結合損失を少なくすることが可能である。より具体的には、円柱状の光ファイバを用いた場合に比べて約1dBの伝送効率の向上を見込むことができる。
【0041】
図10には、光拡散板2を取り替え可能な構成とした例を示す。図10に示すように、光分岐装置200は、直方体形状の支持体100に固定された同様に直方体形状で所定長さLの透光性媒体1を備え、透光性媒体1の出射側の端面には出射導光路としての2本の光ファイバの端部3a、3bが束ねられた状態で配置され、透光性媒体1の入射側の端面には入射導光路としての光ファイバの端部3cが、透光性媒体1の中央に対して光ファイバの端部3a側にずらした位置に透光性媒体1から離間して配置されている。支持体100には、透光性媒体1の入射側の端面と光ファイバの端部3cとの間に、透光性媒体1の入射側の端面に平行な溝部101が設けられ、溝部101には光拡散板20が取り外し可能に保持されている。このように所望の拡散角θの光拡散板20に取り替え可能とすることで、出射導光路の分岐比を所望の値に変えることができる。
【0042】
また、拡散角θの異なる複数の拡散板を円周上に等間隔隔てて配置したターレット等の拡散角変更手段を回転可能に設け、拡散角θを変更できるようにしてもよい。
【0043】
図11には、入射導光路としての光ファイバの端部3cの位置が変更可能な構成とした例を示す。図11に示すように、光分岐装置200は、直方体形状の支持体100に固定された同様に直方体形状で所定長さLの透光性媒体1を備え、透光性媒体1の出射側の端面には光拡散板2が設けられ、透光性媒体1の出射側の端面には出射導光路としての2本の光ファイバの端部3a、3bが束ねられた状態で配置され、光拡散板2に対向する所定位置には入射導光路としての光ファイバの端部3cが配置されている。支持体100の入射側の内部は空洞とされ、光ファイバの端部3cは支持体100の入射側の開口部102の長手方向に移動可能とされている。支持体100の入射側の側面には、入射位置変更手段としてのネジ式の位置調整手段103が設けられ、光ファイバの端部3cは位置調整手段103によって所定位置に固定されている。このように光ファイバの端部3cの位置を位置調整手段103により所望の位置に移動可能とすることで、出射導光路の分岐比を所望の値に変えることができる。
(第3の実施の形態)
次に、図17を用いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と同一構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。図17に示すように、第3の実施の形態に係る光分岐装置300は、信号光410を透光性媒体1の出射導光路3a、3bが設けられているのと同じ端面側から入射する点に特徴がある。
【0044】
即ち、光分岐装置300は、所定長さLの直方体形状の透光性媒体1を備え、透光性媒体1の一方の端面には、光拡散板2と出力部としての出射導光路3a、3bとが配置され、光拡散板2に対向する所定位置には、発光素子41が配置されている。透光性媒体1の対向する他方の端面には、反射手段としての反射ミラー5が設けられている。
【0045】
発光素子41から出射された信号光410は、透光性媒体1の光拡散板2に入射され、光拡散板2により所定の拡散角θで拡散されながら透光性媒体1内を伝搬し、対向する端面の反射ミラー5で反射されて透光性媒体1内を逆向きに伝搬する。透光性媒体1内を伝搬した信号光410は、2本に分岐した出射導光路3a、3bに入射され、信号光420、421が出射導光路3a、3bからそれぞれ出力される。
【0046】
本実施の形態に係る光分岐装置300においても、第1の実施の形態と同様、端面間の距離Lが異なる透光性媒体を使い分けることにより、端面間の距離Lに応じて分岐比を容易に変えることができる。また、拡散角θが異なる光拡散板を使い分けることにより、拡散角θに応じて分岐比を変更することができる。
【0047】
本実施の形態では、発光素子41から信号光410を光拡散板2に入射する例について説明したが、光入力部として入射導光路を用い、入射導光路から信号光410を光拡散板2に入射させても良い。また、本実施の形態では、信号光420、421が出射導光路3a、3bからそれぞれ出力される例について説明したが、透光性媒体1の出射側の端面に対向する位置に出力部として受光素子を配置し、信号光420、421を受光素子で光電変換して、電気信号として出力することも可能である。
(第4の実施の形態)
次に、図18を用いて、本発明の第4の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と同一構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。図18に示すように、信号光410を透光性媒体1の出射導光路3a、3bが設けられているのと同じ端面側から入射する点は、第3の実施の形態と同様であるが、第4の実施の形態に係る光分岐装置400は、透光性媒体1の入射側の端面に光拡散板2を設けず、反射ミラー5に代えて反射型拡散手段としての反射拡散板23を用いた点に特徴がある。
【0048】
即ち、光分岐装置400は、所定長さLの直方体形状の透光性媒体1を備え、透光性媒体1の一方の端面には、出力部としての出射導光路3a、3bが配置され、同じ端面に対向する所定位置には発光素子41が配置されている。透光性媒体1の対向する他方の端面には、反射拡散板23が設けられている。
【0049】
発光素子41から出射された信号光410は、透光性媒体1に入射されて透光性媒体1内を伝搬し、対向する端面の反射拡散板23により反射拡散されながら透光性媒体1内を逆向きに伝搬する。透光性媒体1内を伝搬した信号光410は、2本に分岐した出射導光路3a、3bに入射され、信号光420、421が出射導光路3a、3bからそれぞれ出力される。
【0050】
本実施の形態に係る光分岐装置400においても、第1の実施の形態と同様、端面間の距離Lが異なる透光性媒体を使い分けることにより、端面間の距離Lに応じて分岐比を容易に変えることができる。また、拡散角θが異なる光拡散板を使い分けることにより、拡散角θに応じて分岐比を変更することができる。
【0051】
本実施の形態では、発光素子41から信号光410を透光性媒体1に入射する例について説明したが、光入力部として入射導光路を用い、入射導光路から信号光410を入射させても良い。また、本実施の形態では、信号光420、421が出射導光路3a、3bからそれぞれ出力される例について説明したが、透光性媒体1の出射側の端面に対向する位置に出力部として受光素子を配置し、信号光420、421を受光素子で光電変換して、電気信号として出力することも可能である。
【0052】
以上の通り、本発明の光分岐装置によれば、簡単な構成で分岐比を容易に変更することができる。例えば、第2の実施形態に係る光分岐装置のように、入力部を入射導光路で構成し、出力部を出射導光路で構成した光分岐装置を用いて、図12に示すような光ネットワークを構成した場合、光分岐装置を任意の位置に追加挿入する場合でも、直ちに入射する信号光の均等な光分岐が可能となり、出射光の出力レベルを均一にすることが可能となる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の光分岐装置は、簡単な構成で入力された光信号の分岐比を容易に変えることができる、という効果を奏する。また、本発明の光ネットワークは、本発明の光分岐装置を用いているので、光分岐装置を任意の位置に挿入する場合でも、直ちに入射する信号光の均等な光分岐が可能となり、出射光の出力レベルを均一にすることが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る光分岐装置の概略構成図である。
【図2】 第1の実施の形態に係る光分岐装置の作用を説明する図である。
【図3】 第1の実施の形態に係る光分岐装置の作用を説明する図である。
【図4】 第1の実施の形態に係る光分岐装置の作用を説明する図である。
【図5】 第2の実施の形態に係る光分岐装置の概略構成図である。
【図6】 第2の実施の形態に係る光分岐装置の作用を説明する図である。
【図7】 第2の実施の形態に係る光分岐装置の作用を説明する図である。
【図8】 第2の実施の形態に係る光分岐装置の具体的構成を示す斜視図である。
【図9】 第2の実施の形態に係る光分岐装置の他の具体的構成を示す斜視図である。
【図10】第2の実施の形態に係る光分岐装置の他の具体的構成を示す斜視図である。
【図11】 第2の実施の形態に係る光分岐装置の他の具体的構成を示す斜視図である。
【図12】 従来例の説明図である。
【図13】 従来例の課題を説明するための図である。
【図14】 第1の実施の形態の変形例を説明する図である。
【図15】 第1の実施の形態の変形例を説明する図である。
【図16】 第1の実施の形態の変形例を説明する図である。
【図17】 第3の実施の形態に係る光分岐装置の概略構成図である。
【図18】 第4の実施の形態に係る光分岐装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 透光性媒体
2 光拡散板
3a、3b 出射導光路(光ファイバの端部)
3c 入射導光路(光ファイバの端部)
5 反射ミラー
23 反射拡散板
41 発光素子
42a、42b 受光素子
51、52、53、・・・56 光分岐器
60、61、62、63、・・・66 導光路
100 支持体
101 溝部
102 開口部
103 位置調整手段
410、420、421 信号光
422、423 電気信号
Claims (7)
- 対向する第1の端面と第2の端面とを備えた透光性媒体と、
前記透光性媒体に信号光を入力する入力部と、
前記透光性媒体を伝搬されてきた信号光を分岐して各々出力する複数の出力部と、
前記入力部と前記透光性媒体の第1の端面との間に設けられ、第1の端面側から入射された信号光を拡散する光拡散板と該光拡散板を前記第1の端面に平行で且つ取り替え可能に保持する保持部材とを備え、前記光拡散板を取り替えて光拡散角を変更する拡散角変更手段と、
を備えたことを特徴とする光分岐装置。 - 前記拡散角変更手段は、光拡散角の異なる複数の光拡散板を円周上に保持すると共に、前記保持部材の回転により前記光拡散板を取り替えて光拡散角を変更することを特徴とする請求項1に記載の光分岐装置。
- 透光性媒体の第1の端面と第2の端面との間の距離を、出射される信号光の強度が出射側の端面で均一になる距離よりも短い距離の範囲で変更する請求項1又は2に記載の光分岐装置。
- 信号光の入射位置を変更する入射位置変更手段を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の光分岐装置。
- 前記出力部に光導光路を用いた請求項1〜4のいずれか1項に記載の光分岐装置。
- 前記入力部に光導光路を用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の光分岐装置。
- 一端が光送信器または光受信器に接続された光ファイバからなる線路に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光分岐装置を少なくとも1以上接続して構成した光ネットワーク。
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