JP3862794B2 - 光バスおよび信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光信号の伝送を担う光バス、およびその光バスを用いたデータの送受を含む信号処理を行なう信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超大規模集積回路(VLSI)の開発により、データ処理システムで使用する回路基板(ドーターボード)の回路機能が大幅に増大してきている。回路機能が増大するにつれて各回路基板に対する信号接続数が増大するため、各回路基板(ドーダーボード)間をバス構造で接続するデータバスボード(マザーボード)には多数の接続コネクタと接続線を必要とする並列アーキテクチャが採用されてきている。接続線の多層化と微細化により並列化を進めることにより並列バスの動作速度の向上が計られてきたが、接続配線間容量や接続配線抵抗に起因する信号遅延により、システムの処理速度が並列バスの動作速度によって制限されることもある。また、並列バス接続配線の高密度化による電磁ノイズ(EMI:Electromagnetic Interference)の問題もシステムの処理速度向上に対しては大きな制約となる。
【0003】
この様な問題を解決し並列バスの動作速度の向上を計るために、光インターコネクションと呼ばれる、システム内光接続技術を用いることが検討されている。光インターコネクション技術の概要は、『内田禎二、第9回 回路実装学術講演大会 15C01,pp.201〜202』や『H.Tomimuro et al.,“Packaging Technology for Optical Interconnects”,IEEE Tokyo No.33 pp.81〜86,1994』、『和田修、エレクトロニクス1993年4月号、pp.52〜55』に記載されている様に、システムの構成内容により様々な形態が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来提案された様々な形態の光インターコネクション技術のうち、特開平2−41042号公報には、高速、高感度の発光/受光デバイスを用いた光データ伝送方式をデータバスに適用した例が開示されており、そこには、各回路基板の表裏両面に発光/受光デバイスを配置し、システムフレームに組み込まれた隣接する回路基板上の発光/受光デバイス間を空間的に光で結合した、各回路基板相互間のループ伝送用の直列光データ・バスが提案されている。この方式では、ある1枚の回路基板から送られた信号光が隣接する回路基板で光/電気変換され、さらにその回路基板でもう一度電気/光変換されて、次に隣接する回路基板に信号光を送るというように、各回路基板が順次直列に配列され各回路基板上で光/電気変換、電気/光変換を繰り返しながらシステムフレームに組み込まれたすべての回路基板間に伝達される。このため、信号伝達速度は各回路基板上に配置された受光/発光デバイスの光/電気変換・電気/光変換速度に依存すると同時にその制約を受ける。また、各回路基板相互間のデータ伝送には、各回路基板上に配置された受光/発光デバイスによる、自由空間を介在させた光結合を用いているため、隣接する回路基板表裏両面に配置されている発光/受光デバイスの光学的位置合わせが行なわれすべての回路基板が光学的に結合していることが必要となる。さらに、自由空間を介して結合されているため、隣接する光データ伝送路間の干渉(クロストーク)が発生しデータの伝送不良が予想される。また、システムフレーム内の環境、例えば埃などにより信号光が散乱することによりデータの伝送不良が発生することも予想される。さらに、各回路基板が直列に配置されているため、いずれかのボードが取りはずされた場合にはそこで接続が途切れてしまい、それを補うための余分な回路基板が必要となる。すなわち、回路基板を自由に抜き差しすることができず、回路基板の数が固定されてしまうという問題がある。
【0005】
自由空間を利用した回路基板相互間のデータ伝送の他の技術が、特開昭61−196210号公報に開示されている。ここに開示された技術は、平行な2面を有する、光源に対置されたプレートを具備し、プレート表面に配置された回折格子、反射素子により構成された光路を介して回路基板間を光学的に結合する方式である。この方式では、1点から発せられた光を固定された1点にしか接続できず電気バスの様に全ての回路ボード間を網羅的に接続することができない。また、複雑な光学系が必要となり、位置合わせ等も難しいため、光学素子の位置ずれに起因して、隣接する光データ伝送路間の干渉(クロストーク)が発生しデータの伝送不良が予想される。回路基板間の接続情報はプレート表面に配置された回折格子、反射素子により決定されるため、回路基板を自由に抜き差しすることができず拡張性が低い、という様々な問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、温度変化や埃などの環境変化に対する耐性が高く、かつシステムの拡張性に応じて回路基板の自由な脱着が容易に可能な光バス、およびその光バスを採用した信号処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の光バスは、
(1−1)信号光の入射ないし信号光の出射のうちの少なくとも一方を担う複数の信号光入出力部
(1−2)これら複数の信号光入出力部のうちのいずれかの信号光入出力部から入射した信号光を拡散して伝播し他の信号光入出力部から出射する、これら複数の信号光入出力部相互間で伝達される光信号の共通信号路を形成してなる光バス本体
を備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、上記本発明の光バスは、上記光バス本体が、上記複数の信号光入出力部それぞれに対応して備えられた、その信号光入出力部から入射した信号光を拡散させる光拡散部を有するものであってもよく、あるいは、上記光バス本体が、その光バス本体内部に分散された、その光バス本体内部を伝播する信号光を拡散する複数の光拡散体を有するものであってもよい。
【0009】
本発明の光バスは、上記のように、光拡散部ないし光拡散体を有し、入射した信号光を拡散して伝播するものであるため、温度変化等があってもある1つの信号光入出力部から入射した信号光がどの信号光入出力部にも確実に伝達され、信号光入出力部において光バスと光学的に結合される回路基板等の数を信号光入出力部の最大数以内では自由に増減することもでき、環境変化に強くかつ拡張性に富んだシステムが構築される。
【0010】
図1は、本発明の基本機能検証実験系を示す模式図、図2は、その実験結果を示す図である。
ここでは、15cm角、厚さ1.1mmの透明の光シートバス100を用意し、裏面に光拡散板101を配置して半導体レーザ102からの光ビーム102aを、光シートバス100の表側から、その光拡散板101に光ビームが照射されるように入射し、この入射された光を、図示の測定点p1〜p4に配置されたフォトダイオード103a〜103dで受光した。ここで、透明の光シートバス100としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いており、また、光拡散板101としては、シリカ系白色顔料を混入したポリエステルフィルム材を用いている。その結果、図2に示すように、どの測定点p1〜p4においても、入力信号強度(光ビーム102aの強度)に比例する受光出力電圧が得られた。
【0011】
上記本発明の光バスにおいて、上記光バス本体は、相互に独立した信号光それぞれを拡散して伝播する、積層された複数の光伝送層を有することが好ましく、その場合に、上記光バス本体が、上記光伝送層相互間に、それらの光伝送層の光屈折率よりも低い光屈折率を有するクラッド層を備えることが好ましく、さらに、上記クラッド層が、そのクラッド層を横切る方向に伝播する信号光を吸収する吸収体を含むものであってもよい。また、上記光バス本体が、上記光伝送層相互間に、各光伝送層それぞれに接する、それらの光伝送層の光屈折率よりも低い光屈折率を有するクラッド層と、それらのクラッド層に挟まれた、それらのクラッド層を跨ぐ信号光の伝播を防止する遮光層とを備えることがさらに好ましい。
【0012】
このように、本発明の光バスにおいて複数の信号光伝播層を備えるとことにより、ある1つの信号光入出力部からの他の1つの信号光入出力部への複数ビットからなる並列光信号の送信や、ある1つの信号光入出力部から他の1つの信号光入出力部への光信号と、それとは独立した、さらに別の信号光入出力部からもう1つ別の信号光入出力部への光信号との同時送受信等が可能となる。
【0013】
なお、本発明において、信号光伝播層を複数備えることは必ずしも必要ではなく、一層のみ備え、信号光の波長等で互いに区別することにより、その一層で複数の光信号の同時送受信を行なってもよい。
なお、上記信号光伝播層に隣接してクラッド層を備えると信号光の伝播効率を高めることができる。また信号光伝播層を複数層積層した場合に、クラッド層を備えることによりそれら複数の信号光伝播層間のクロストークを低減することができる。さらに、上記クラッド層に吸収体を含ませると、そのクラッド層を横切る方向に伝播する信号光を吸収することができ、隣接する光伝送層間がさらに遮光され隣接する光伝送層間のクロストークを一層低減することができる。また、上記光バス本体に、クラッド層とクラッド層とに挟まれた遮光層を備えると、クロストークをさらに低減することができる。
【0014】
また、上記光バスを採用した本発明の信号処理装置は、
(2−1)基体
(2−2)信号光を出射する信号光出射端およびその信号光出射端から出射される信号光に担持させる信号を生成する回路と、信号光を入射する信号光入射端およびその信号光入射端から入射した信号光が担持する信号に基づく信号処理を行なう回路とのうちの少なくとも一方が搭載された複数枚の回路基板
(2−3)上記基体に固定された、上記回路基板に搭載された信号光出射端ないし信号光入射端と光学的に結合される複数の信号光入出力部を有し、それら複数の信号光入出力部のうちのいずれかの信号光入出力部から入射した信号光を拡散して他の信号光入出力部に伝播する、上記複数の信号光入出力部間で伝達される光信号の共通信号路を形成して成る光バス
(2−4)上記回路基板を、その回路基板に搭載された信号光出射端ないし信号光入射端が上記信号光入出力部において光バスと結合される状態に、上記基体上に固定する複数の基板固定部
を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の信号処理装置によれば、上記のように本発明の光バスを採用し、光信号による高速通信が可能である。ここで、回路基板は基板固定部に固定すると同時に、その回路基板に搭載された信号光出射端ないし信号光入射端が光バスと結合されるように構成することができ、微妙な位置合わせは不要となる。この点については、後述する実施形態でさらに具体的に説明する。
【0016】
ここで、上記本発明の信号処理装置において、上記基板固定部が、その基板固定部に固定される回路基板に搭載された回路との間の電気信号の入出力を担う基板用コネクタを備えたものであることが好ましい。基板固定部に基板用コネクタを備えると、その基板用コネクタを備えると、その基板用コネクタに、回路基板上の信号光入力端ないし信号光出力端と光バスとの位置合わせ(光学的結合)と、電気信号の入出力との双方を担わせることができる。
【0017】
なお、上記本発明の信号処理装置において、上記信号光出射端ないし上記信号光入射端は、その信号光出射端ないし信号光入射端の位置に配置された、それぞれ、信号光を発光する発光素子、ないし信号光を受光する受光素子であってもよく、あるいは、上記信号光出射端ないし上記信号光入射端は、それぞれ、信号光を伝播する光導波路の信号光出射端ないし信号光入射端であってもよい。
【0018】
また、上記本発明の信号処理装置において、上記光バスが、積層された複数の光伝送層と、光伝送層相互間にクラッド層とを備えたものであり、クラッド層が、クラッド層を横切る方向に伝播する信号光を吸収する吸収体を含むものであることが好ましい。このようにすることにより、信号光の伝播効率を高めることができ、複数の信号光伝播層間のクロストークを低減することができる。
【0019】
さらに、上記光バスが、積層された複数の光伝送層を備えると共に、光伝送層相互間に、各光伝送層それぞれに接する、光伝送層の光屈折率よりも低い光屈折率を有するクラッド層と、クラッド層に挟まれた、クラッド層を跨ぐ信号光の伝播を防止する遮光層とを備えたものであることも好ましい態様である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図3は、本発明の光バスの一実施形態であるシート状光データバスと、そのシート状光データバスによって相互に光学的に接続された複数の回路基板とを有する、本発明の信号処理装置の一実施形態の概略構成図である。
【0021】
本発明にいう基体の一例である支持基板10上に、光伝送層21とクラッド層22が交互に積層されたシート状光データバス20が固定されている。また、その支持基板10上には、基板用コネクタ30,…,30が固定され、各基板用コネクタ30,…,30には、各回路基板40,…,40が着脱自在に装着される。
【0022】
支持基板10上には、電源ラインや電気信号伝送用の電気的配線11が設けられており、それらの電気的配線11は、基板用コネクタ30,…,30を経由して、基板用コネクタ30,…,30に装着された回路基板40,…,40上の電子回路41と電気的に接続されている。
また、各回路基板40,…,40には、発光素子と受光素子とのペアからなる投受光素子42,…,42が備えられており、その回路基板40を基板用コネクタ30に装着すると、各投受光素子42,…,42は、光バス20と光学的に結合される、光バス20の信号光入出力部25の各光伝送層21と対向した位置に配置され、ある投受光素子42中の発光素子から出射された信号光は、光バス20の光伝送層21に入射し、その光伝送層21内で散乱されるとともに、他の回路基板40の投受光素子42が対向した信号光入出力部25に伝送され、その信号光入出力部25に光学的に結合された投受光素子42中の受光素子で受光される。
【0023】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図4は、図3に示す信号処理装置の一部分に対応する拡大図である。ただし、この図4では光データバスの層数は一般化して、さらに遮光層を加え描かれている。
この光データバス20は、支持基板10上に固定されており、光伝送層21と、その光伝送層21を上下から挟むように形成されたクラッド層22と、クラッド層22に挟まれた遮光層23が図示のように多数層にわたって積層された構造を有している。
【0024】
光伝送層21は、信号光の伝送を担う層であり、この実施形態では、光透過率の高い、一層当り厚さ0.5mmのポリメチルメタクリレート(PMMA)が用いられている。
また、クラッド層22には、光伝送路21の屈折率よりも低い屈折率を有する材料が選定されている。ここでは、光伝送路21にPMMAを採用したため、クラッド層22には、含フッ素ポリマが好適に採用される。また、本実施形態では、信号光がクラッド層21を越えて隣接する光伝送路21に入射するのを防止するため、クラッド層21に挟まれるように、光を吸収する遮光層23が備えられている。遮光層23は、クラッド層形成材料にカーボン系黒色無機顔料などを分散させて形成される。なお、カーボン系黒色無機顔料の代わりに微粒子状有機系顔料を加色合成した黒色顔料を分散させて形成してもよく、また、黒色系の染料により着色されたクラッド層形成材料を用いることにより遮光層23を形成するようにしてもよい。本実施形態では、遮光層23を挟む2枚のクラッド層22の厚さは、光伝送路21の厚さと同じく0.5mmである。これらのシート材料を用意して積み重ねた後圧着することによって、図示の積層構造の光バスが構成される。
【0025】
一方、回路基板40には、VLSIチップ等の電子回路41(図3参照)が搭載されており、回路基板40の横端部には、図4に示すように、光データバス20の厚さ方向の、光伝送路21どうしのピッチと同一のピッチに配列された複数の投受光素子42が配列され、また、回路基板40の下端部には電気信号入出力端子43が配置されている。
【0026】
回路基板40の電気信号入出力端子43が、支持基板10上の基板用コネクタ30に接続されることにより図示したy,zの2方向が規定され、さらに、回路基板40上の投受光素子42を光データバス20に突き当てることにより、図示したx方向が規定されると同時に、投受光素子42と光データバス20との間が光学的に結合される。
【0027】
本実施形態においては、このように、回路基板40を基板用コネクタ30に正しく装着するだけで、支持基板10上の電気的配線11との電気的な結合および光データバス20との光学的結合が完了する。
次に、本発明のさらに他の実施形態について説明する。
図5は、図3に示す信号処理装置のうちの光データバスの一部拡大図である。
【0028】
この光データバス20は、隣接する光伝送層21,21相互間に、光伝送層21の光屈折率よりも低い光屈折率を有するクラッド層22が図示のように多数層にわたって積層されている。そして、クラッド層22の厚さ方向の中央部には、信号光がクラッド層22を横切る方向に伝播する信号光を吸収することによって、信号光が隣接する光伝送路21に漏洩するのを遮光するための吸収体22aが含まれている。吸収体22aとしては、カーボン系黒色無機顔料が用いられる。本実施形態では、吸収体22aを含むクラッド層22の厚さは、光伝送路21の厚さと同じく0.5mmである。なお、吸収体22aとしては、カーボン系黒色無機顔料に限らず、微粒子状有機系顔料を加色合成した黒色顔料を用いてもよい。また、クラッド層22の厚さ方向の中央部分を黒色系の染料で着色してもよい。
【0029】
図6は、図3に示すシート状光データバスのA−A’方向にみた断面図である。
各回路基板40に配置された、波長650mmの赤色可視光を発光するレーザダイオード42aと、その波長650mmの赤色可視光に対し感光をもつフォトダイオード42bとのペアからなる投受光素子42が、前述したようにして、光データバス20の、光伝送層21の側面の信号光入出力部25に当接した状態に配置されている。
【0030】
回路基板40上の投受光素子42のレーザダイオード42aからは、信号を担持したパルス状の光が発せられ、光データバス20の光伝送層21に入射する。この入射した光は、光伝送層21を構成するポリメチルメタクリレート(PMMA)中を伝播し、そのポリメチルメタクリレート(PMMA)中に散在するポリスチレン(PS)を材料とする光散乱体21aで散乱を繰り返してシート状の光伝送層21全体に拡散し、その光伝送層21端面に配置された他の回路基板40,…,40の横端部のフォトダイオード42bで検出される。このようにして1枚の回路基板40から発せられた信号が各回路基板40,…,40に伝達される。ここで、回路基板40側端部のレーザダイオード42aからは、アドレスを表わす信号光とデータを表わす信号光が同一光伝送層21内に時系列に入射される。最初のアドレス信号光でデータの受信側を指定し、指定された回路基板40のみ次のデータ信号光を受信する。このような信号光の送受信が、積層された各光伝送層21で並列的に行われる。ここで、各光伝送層21を介しての信号光の送受信のタイミングは、積層された複数の光伝送路層21のある一層に与えられているクロック信号光に同期することにより、各光伝送層21を経由して送受信される信号光が並列信号として統一的に規定される。また、本実施形態では、32ビットのデータ・バス幅とし、積層された光伝送層21の各一層が各1ビットに対応した構成となっている。従って、アドレスの提示とデータの送受信は32層の光伝送層21を経由して行なわれる。バス幅をさらに広げた構成、例えば64ビットデータ・バス幅とする場合には、光伝送層21を64層とすればよい。ただし、積層された光伝送層21のうちの1層につき2ビット以上を対応させた構成や、積層された光伝送層21のうちの2層以上が1ビットに対応した構成とすることも可能である。
【0031】
なお、上記実施形態では、光伝送層21としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いたが、その代わりに、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネイト(PC)などの、同様な光学特性を有するプラスチック材料を用いることも可能である。光伝送路21として、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネイト(PC)を用いた場合でも、クラッド層22には含フッ素ポリマを用いることも可能である。また、光散乱作用を持たせるために光伝送層21内部に散在させる光散乱体21aの材料は、光伝送層21の光伝送を担う部分の屈折率と異なる屈折率を有するプラスチック材料であれば同様の作用を得ることが可能である。
【0032】
なお、上述の実施形態では、光伝送層と、遮光層を含むクラッド層のシート厚をいずれも0.5mmとしたが、それらの光学特性を損なわない範囲であれば、これより厚くても薄くても何ら問題はない。各層を薄く形成することにより、小さなスペースでバス幅の極めて広い光データバスが構成され、従ってデータの伝送レートを飛躍的に向上させることができる。
【0033】
さらに、上記実施形態では、光伝送層21、クラッド層22として、プラスチック材料を用いたが、その代わりに石英系ガラス材料を用いることも可能である。石英系ガラス材料を用いる場合には、屈折率調整材料としてP25 ,Al23 ,B23 などを用いて特定の屈折率制御を施したシートを作製し、屈折率差の大きい組み合わせとすることが好ましい。
【0034】
また、上記実施形態では、光伝送層21やクラッド層22等の各単層シートを予め用意した後、圧着等によって積層構造を形成しているが、化学的気相成長法、電子線蒸着法、プラズマ重合法などの真空成膜装置内で所望の積層構造を連続形成することも可能であり、また、それらの構成物質を溶剤に溶かした材料を用いてスピンコーティング法やロールコーティング法により所望の積層構造を形成することも可能である。
【0035】
さらに、上述した実施形態では、ポリメチルメタクリレート(PMMA)光伝送層材料に散乱作用を持たせるために、ポリメチルメタクリレート(PMMA)と屈折率の異なるポリスチレン(PS)をポリメチルメタクリレート(PMMA)光伝送路材に散在されたシート状の光伝送層21を用いているが、光伝送層21内部に光散乱体21aを散在させる代わりに、レーザダイオード42aの入射部分に散乱性の光学素子、例えば光分散性のレンズなどを備えてもよく、あるいは、レーザダイオード42aからの光ビームが光伝送路21内部を直進してその光ビームが光伝送路21の反対側に達する位置に、光を反射拡散する光拡散板を配置してもよい。これら光分散性のレンズや光拡散板は、本発明にいう光散乱部の例として観念される。こうした光拡散板としては、レーザダイオード42aからの光ビームに対する反射率が60%以上あり、反射光の分布曲線が完全拡散体の真円特性に近い特性を有するものが好ましく、50μmのポリエステル基板上にシリカ系の顔料を混入したアクリル系樹脂層10μmからなる光拡散フィルム材が好適に使用される。
【0036】
さらに、上記実施形態では、回路基板40上の投受光素子42(レーザダイオード42aとフォトダイオード42b)が直接に光データバス20と光学的に結合されているが、回路基板40上に光導波路を形成し、直接的にはその光導波路の他端に発光素子ないし受光素子を備えた構成としてもよい。
図7は、本発明の信号処理装置の他の実施形態の概略構成図、図8、図9は図7に示す信号処理装置に採用される光データバスの各例を示す図である。
【0037】
図7に示す信号処理装置では、その中央に円柱形の光データバス20が配置され、その周囲に回路基板40が配置されている。この円柱形の光データバス20は、図8に示すように、光伝送層21とクラッド層22とが交互に積層された構造を成し、あるいは、光伝送層21どうしの間のクロストークをさらに低減させるために、図9に示すようにクラッド層22の間にさらに遮光層23が配置される。
【0038】
このように、光データバス20の形状および信号処理装置全体の形状も、特定の形状に限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では信号光を光バスに入射し光バス内を拡散させて伝播するものであるため、環境変化に強く、かつその光バスによって電気信号伝送用バスのような電磁ノイズを発生させることもない。
また、本発明によれば、ある回路基板からの出力信号光は、光バスを介して、他のすべての回路基板に同時に伝送できる。
【0040】
さらに、本発明によれば、システムの拡張のために回路基板を自由に抜き差し可能であり、この際、空きスロットに特別な短絡コネクタなどを用いる必要もなく、拡張性に富んだシステムが構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本機能検証実験系を示す模式図である。
【図2】本発明の基本機能検証実験の実験結果を示す図である。
【図3】本発明の光バスの一実施形態であるシート状光データバスと、そのシート状光データバスによって相互に光学的に接続された複数の回路基板とを有する、本発明の信号処理装置の一実施形態の概略構成図である。
【図4】図3に示す信号処理装置の一部拡大図である。
【図5】図3に示す信号処理装置のうちの光データバスの一部拡大図である。
【図6】図3に示すシート状光データバスのA−A’方向にみた断面図である。
【図7】本発明の信号処理装置の他の実施形態の概略構成図である。
【図8】図7に示す信号処理装置に採用される光データバスの一例を示す図である。
【図9】図7に示す信号処理装置に採用される光データバスの他の例を示す図である。
【符号の説明】
10 支持基板
11 電気的配線
20 シート状光データバス
21 光伝送層
21a 光散乱体
22 クラッド層
22a 光吸収体
23 遮光層
25 信号光入出力部
30 基板用コネクタ
40 回路基板
41 電子回路
42 投受光素子
42a レーザダイオード
42b フォトダイオード

Claims (2)

  1. 信号光の入射ないし信号光の出射のうちの少なくとも一方を担う複数の信号光入出力部を備え該複数の信号光入出力部のうちいずれかの信号光入出力部から入射した信号が伝播されて他の信号光入出力部へと導く光伝送層を有する光バスであって
    記複数の信号光入出力部のうちのいずれかの信号光入出力部から前記光伝送層へと入射した信号光を散乱により前記光伝送層全体に拡散させて前記光伝送層中を他の信号光入出力部まで前記信号光が拡散光の状態で伝送されるように前記光伝送層の内部に散乱体を散在させて構成し、前記複数の信号光入出力部相互間で伝達される光信号の共通信号路を形成してなることを特徴とする光バス。
  2. 基体、
    信号光を出射する信号光出射端および該信号光出射端から出射される信号光に担持させる信号を生成する回路と、信号光を入射する信号光入射端および該信号光入射端から入射した信号光が担持する信号に基づく信号処理を行なう回路とのうちの少なくとも一方が搭載された複数枚の回路基板、
    前記基体に固定された、前記回路基板に搭載された前記信号光出射端ないし前記信号光入射端と光学的に結合される、信号光の入射ないし信号光の出射のうちの少なくとも一方を担う複数の信号光入出力部を備え該複数の信号光入出力部のうちいずれかの信号光入出力部から入射した信号が伝播されて他の信号光入出力部へと導く光伝送層を有する光バスであって、
    前記光伝送層が、内部に散乱体を散在させて構成され、前記複数の信号光入出力部のうちのいずれかの信号光入出力部から前記光伝送層へと入射した信号光を前記散乱体により前記光伝送層全体に拡散させて前記光伝送層中を他の信号光入出力部まで前記信号光が拡散光の状態で伝送されるように構成し、前記複数の信号光入出力部相互間で伝達される光信号の共通信号路を形成してなる光バス、および
    前記回路基板を、該回路基板に搭載された信号光出射端ないし信号光入射端が前記信号光入出力部において前記光バスと結合される状態に、前記基体上に固定する複数の基板固定部を備えたことを特徴とする信号処理装置。
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