JP3932517B2 - 粘液細菌の遺伝子操作方法 - Google Patents

粘液細菌の遺伝子操作方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は粘液細菌、好ましくはソランジウム(Sorangium) /ポリアンジウム(Polyangium)群の遺伝子操作の新規方法に関するものであり、該方法はこの群の生物に組換えDNA技術を特異的に適用することを初めて可能にするものである。
【0002】
特に本発明は、同種もしくは異種由来のDNA配列または同種および異種由来のDNA配列の組合せの上記粘液細菌の染色体への相同的組換えを介する挿入方法、およびこの方法により作出される遺伝子的に改変された粘液細菌に関する。
【0003】
同様に、本発明に係る方法の使用に特に適している組換えDNA分子、プラスミドおよびベクター、そして同種および/または異種由来の外来DNAを含むソランジウム/ポリアンジウム群の遺伝子的に改変された粘液細菌細胞も包含される。
【0004】
【従来の技術】
ソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌は通常土壌、腐敗した植物体または動物の糞中に検出される非常に特殊化した生物である。この群の微生物の特徴は唯一の炭素源としてセルロースまたはセルロース含有減成物を利用できる能力である。この群のもう1つの特徴は非常に活性な二次代謝物質を産生する能力である。
【0005】
例えば植物微生物殺傷性化合物を合成できるこの群からの非常に多くの菌株が今では記載されている。これに関して特に重要なのは、植物病原性微生物、特に植物病原菌に対して有用な殺生物性スペクトルを有するいわゆるソラフェンと呼ばれる、巨大環状化合物である。これらの化合物は非常に有利な治療的、浸透的、そして特に予防的特性を有し、多くの栽培植物を保護するために使用され得る〔24〕(〔 〕内の数字は本明細書の末尾に記載した参考文献一覧の相当する番号の文献に一致する)。
【0006】
抗生物質作用を有する非常に活性な化合物を合成できる粘液細菌の群のその他の代表的なものも知られている〔18〕。これらの化合物の重要性により、適当な場合に該化合物に特異的に影響を及ぼし得る可能性を提供するためにその合成の遺伝子的基礎を理解することに大きな興味がある。
【0007】
このための必須条件は、例えば全体のプラスミドを含む新規遺伝子もしくは遺伝子断片またはその他のDNA配列のソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌のゲノム内への標的化混入による、組換えDNA技術を用いたこれらの生物の直接、そして好ましくは標的化操作を可能にする方法の提供である。
【0008】
粘液細菌の群のいくつかの代表種は既にこの方向での研究の対象となっている。これに関連した特別な興味は主としてミクソコッカス・キサントゥス(Myxococcus xanthus)に向けられていたが、これはいまでは詳しく研究され、そして種々の遺伝子移入方法が既に記載されている粘液細菌である。このために、例えば大腸菌ファージP1が、最初はミクソコッカス・キサントゥス染色体中にトランスポゾンTn5の挿入のために〔10,11〕、そしてその後にミクソコッカス・キサントゥス中にクローン化された遺伝子を最初の大腸菌宿主に戻し移入するために〔16,21〕、非常に集中的に使用されてきた。
【0009】
遺伝子移入のもう1つの方法は非常に広い宿主範囲を有するプラスミドRP4の使用に基づいている。ブレットン等はこのプラスミドが大腸菌からミクソコッカス・キサントゥス中に接合を介して移入され得、そして染色体中に安定に組み込まれ得ることを示すことができた〔1〕。これらの性質に基づいて、ブレットン等やブレットンおよびゲスピン−ミカエルはミクソコッカス・キサントゥスの染色体中に外来遺伝子を組み込むことができた〔2,3〕。ジャオウア等による研究は観察された組み込みが高い確率を有し、いわゆる部位特異的組換えに基づいていることを明らかにした〔8,9〕。後者は、ミクソコッカス・キサントゥスの染色体内の狭い空間的制限を有する特定の部位に制限され、そしてPR4プラスミド上の1つ以上のいわゆるホットスポットにより仲介される。さらに、ここで発見された公知ミクソコッカス系はソランジウム/ポリアンジウム群の細菌に適用され得ないことが本発明の範囲内で行われた研究の間に明らかになった。これらの生物はその染色体上での部位特異的組換えに必要である特定の構造要素を欠いていることが予想される。さらに、例えばトランスポゾンTn5の使用ではこれらの生物に安定な転移が起こらないことが見いだされた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は主として、公知方法の上記の制限がなく、ソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌内への遺伝物質の間接または好ましくは標的化挿入を可能にする、ソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌の遺伝子操作のために普遍的に適用可能な方法の提供である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明に従って、例えば、その特定の構造により染色体内の所望部位に挿入され得、そして上記公知方法における場合のように粘液細菌の染色体または使用されるプラスミド(ホットスポット)の機能的機構により前もって決定される、または組み込まれるトランスポゾンの転移に依存する特定の組み込み部位に結合されない、遺伝子構築物、特にプラスミドベクターを調製することにより解決され得る。
【0012】
従って、本発明はまず、同種もしくは異種由来の遺伝物質または同種および異種由来の遺伝物質の組合せをソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌の細胞中に挿入し、そして相同的組換えを介してランダムに、または細菌のゲノムの構造的および機能的機構の適当な知識がある場合には、挿入されたDNAと粘液細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性に基づいて正確に規定される部位に特異的に、粘液細菌の染色体上に存在する構造要素または特定の転移作用とは無関係に、前記粘液細菌の染色体中に組み込むことを特徴とするソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌目の細菌の遺伝子操作方法に関する。
【0013】
粘液細菌目の細菌の遺伝子操作のための本発明に係る方法は特に、
(a)粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同であるDNA部分を1つ以上自然に含む、同種もしくは異種由来の遺伝物質または同種および異種由来の遺伝物質の組合せ、または
(b)粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同である部分を自然に含まないが、そのような相同または実質的に相同なDNA部分にそれ自体公知のrDNA技術を用いて人工的に結合されている遺伝物質、
を粘液細菌の細胞中に挿入し、そして粘液細菌の染色体上に存在する構造要素または特定の転移作用とは無関係に、挿入されたDNAと細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性により正確に規定される部位で相同的組換えを介して前記ソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌の染色体中に組み込むことを特徴とする。
【0014】
相同的組換えを介する細菌染色体への遺伝物質の組み込みは、挿入されるべきDNA内の1つ以上のDNA部分により仲介され、該DNA部分は粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同である。従って、その組み込みは特定の染色体構造の存在に拘束されず、そして原理的に細菌染色体内のあらゆる所望の部位に起こり得る。
【0015】
本発明に係る方法の範囲内で使用され得る相同DNA部分は、所望の組換え結果を引き起こし得るために粘液細菌の染色体上の相当する部分と100%の同一性を有することを必ずしも必要としない。これらのDNA部分は細菌のゲノム上の相当する領域と実質的に相同であれば、すなわちこれらが60%と100%の間、好ましくは80%と100%の間、そして特に90%と100%の間の相同性の度合いを有していれば十分である。
【0016】
従って、「相同」DNA部分はまた、以下において、粘液細菌染色体上の相当する領域と100%の同一性を有しないが、これと少なくとも「実質的に相同」である部分を意味することが意図される。
【0017】
これに関連して、相同DNA部分は、例えば特定のゲノムの断片化の後に、標的生物自体または関連生物のいずれかから単離されることが可能である。各々の場合に組み込みのために使用されることが意図される粘液細菌染色体上のDNA部分のDNA配列が公知である場合、これらの染色体部分と相同であるか、または少なくとも実質的に相同である相当するDNA断片はもちろん合成により調製され得る。
【0018】
本発明の範囲内で使用され得る同種由来のDNA部分はさらに、公知配列のDNA部分、または任意に例えば相同DNAの制限消化の後に得られるDNA断片のいずれであってもよい。
【0019】
粘液細菌のゲノムの構造的および機能的機構が公知である場合に、本発明に係る方法は、天然もしくは人工改変遺伝子、遺伝子断片またはその他の有用なDNA配列と細菌ゲノム内の相同DNA部分との交換により、粘液細菌ゲノム上に存在する遺伝子の標的化された予測可能な改変(その場での改変)を初めて可能にする。さらに、本発明に係る方法は、遺伝子の特異的スイッチオフ(遺伝子分裂)またはその他の方法、特に突然変異方法の適用により予め不活性化された遺伝子の補足により、粘液細菌の完全ゲノム内の個々の遺伝子の機能の特異的同定を可能にする。
【0020】
細菌に固有の遺伝子の標的化およびそれ故に非常に効率の良いその場での改変(直接突然変異誘発)の他に、本発明に係る方法は多くのその他の可能な用途、例えば高い発現速度を有することが知られている領域中の付加的遺伝子コピーの混入、ならびに望ましくない遺伝子の除去およびスイッチオフを有する。さらに以下に示す別の可能な用途について今では考えることも可能である:
・細菌に固有の興味深い機能を有する遺伝子の前に強力または調節可能なプロモーターの混入。
・粘液細菌、特にソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌中に種々の起源の遺伝子のクローニング。
・種々の起源の遺伝子のクローニングおよび発現。
・挿入された遺伝子のもう1つの微生物、例えばさらに別の操作のための大腸菌への戻し移入。
・最初に、組み込み部位に隣接する粘液細菌断片を同定するための放射性プローブとして、そして次にポリメラーゼ鎖反応(PCR)の範囲内での増幅のためのパターン(鋳型)としての、挿入されたベクターの異種DNAの使用。
【0021】
本発明はさらに、
(a1 )粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同であるDNA部分を1つ以上自然に含む、同種もしくは異種由来の遺伝物質または同種および異種由来の遺伝物質の組合せ、または
(a2 )粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同である部分を自然に含まないが、そのような相同または実質的に相同なDNA部分にそれ自体公知のrDNA技術を用いて人工的に結合されている遺伝物質、
を粘液細菌の細胞中に挿入し、そして粘液細菌の染色体上に存在する構造要素または特定の転移作用とは無関係に、挿入されたDNAと細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性により正確に規定される部位で相同的組換えを介して前記ソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌の染色体中に組み込み、そして
(b)陽性形質転換体をそれ自体公知の選択方法を用いて選択し、そして純粋な培養物として培養する、
ことからなるソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌目の遺伝子的に改変された細菌の作出方法に関する。
【0022】
従って、本発明は、遺伝物質の組み込みが計画された操作の個々の目的に応じて、公知配列の相同DNA部分または未知配列の任意に選択される相同部分により仲介され得る場合に、粘液細菌、特にソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌のゲノムの標的化遺伝子操作を初めて可能にする。
【0023】
同様に、本発明は、それらの特定の構造により、遺伝物質、例えば適当な場合には、相同的組換えにより細菌ゲノム内に、ランダムに、または細菌のゲノムの構造的および機能的機構が知られている場合には、挿入されたDNAと粘液細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性により正確に規定される特定の部位に標的化されて、新規で所望の特性をコードする遺伝子もしくは遺伝子断片またはその他の有用なDNA配列を組み込むことを可能にする組換えDNA分子、ならびに該組換えDNA分子の製造方法を含む。
【0024】
本発明はさらに、適当な場合には新規および/または改良された特性を有し、前記組換えDNA分子の挿入により作出された、遺伝子的に改変された粘液細菌、特にソランジウム/ポリアンジウム群の遺伝子的に改変された粘液細菌を含む。
【0025】
本発明はさらに、前記組換えDNA分子を依然として含む前記改変粘液細菌の子孫ならびにその突然変異体および変種に関する。
【0026】
組換えDNA技術および細菌遺伝学において慣用である多くの用語が以下の記載において使用される。
【0027】
発明の詳細な説明および特許請求の範囲、ならびにこれらの用語にあてられた範囲の明確な、そして首尾一貫した理解を確実にするために、以下に定義を記載する。
異種由来の遺伝子またはDNA:特定の生成物をコードするか、または生物学的機能を遂行し、そして該遺伝子が挿入される種以外の種に由来するDNA配列;該DNA配列は外来遺伝子もしくは外来DNAまたは外因性DNAとも呼ばれる。
同種由来の遺伝子またはDNA:特定の生成物をコードするか、または生物学的機能を遂行し、そして該遺伝子が挿入される種と同一種に由来するDNA配列。
このDNAは内因性DNAとも呼ばれる。
DNA相同性:2またはそれ以上のDNA配列間の一致の度合い。
合成遺伝子またはDNA:特定の生成物をコードするか、または生物学的機能を遂行し、そして合成手段により製造されるDNA配列。
プロモーター:宿主細胞内であらゆる所望の同種または異種DNA遺伝子配列の転写を確実に行わせるDNA発現の調節配列であるが、前記遺伝子配列はそのようなプロモーターと操作可能な様式で結合されており、後者は宿主細胞内で活性である。
終結塩基配列:転写工程の終了をシグナルで伝える転写単位の末端のDNA配列。
過産生植物プロモーター(OPP):このOPPで形質転換されなかった宿主細胞において自然状態で観察されるよりも明らかに高い程度まで(RNAの形態またはポリペプチドの量で測定される)、操作可能な様式で結合されたあらゆる機能遺伝子配列の宿主細胞内での発現を引起し得るプロモーター。
3’/5’非翻訳領域:mRNAに転写されるけれどもポリペプチドに翻訳されないコード領域の上流/下流に位置するDNA部分。この領域は、調節配列例えばリボソーム結合部位(5’)を含む。
DNA発現ベクター:適当な宿主細胞内に挿入されたDNAの発現に必要な全てのシグナル配列を含有するクローニングビヒクル、例えばプラスミドまたはバクテリオファージ。
DNAトランスファーベクター:適当な宿主細胞内への遺伝物質の挿入を可能にするトランスファービヒクル、例えばプラスミドまたはバクテリオファージベクター。
相同的組換え:相同DNA分子間のDNA片の相互交換。
突然変異体,変種:自然に、または公知方法例えば紫外線処理、突然変異誘発剤での処理その他を用いて人工的に作出され、そして本発明に必須の特徴および特性を依然有する微生物誘導体、外因性DNAでの形質転換により本発明に必須の特徴および特性を獲得した出発菌株の誘導体。
【0028】
遺伝物質が組み込まれ、そしてその中でランダムに、または細菌のゲノムの構造的および機能的機構の適当な知識がある場合には、粘液細菌の染色体上に存在する構造要素または特定の転移作用とは無関係に、ある場合に予め決定され得る、細菌ゲノム内の特異的に正確に規定される位置で発現されることが今可能である、粘液細菌目の細菌、特にソランジウム/ポリアンジウム群の細菌のゲノムの好ましくは標的化遺伝子操作を可能にする方法を提供することが本発明の範囲内で初めて今可能になった。
【0029】
本発明に係る方法はさらに、粘液細菌のゲノム中に相同的組換えにより外因性遺伝物質を混入することを可能にする認識に実質的に基づいており、全体のプラスミドを含む天然遺伝子もしくは遺伝子断片またはその他のDNA配列の他に、人工的に改変された、および/または合成遺伝子もしくは遺伝子断片またはその他のDNA配列を、それらが組換えに十分であり、粘液細菌のゲノム上の相当する部分と相同性を有するDNA部分を含むか、該DNA部分により挟まれている限り、使用することが可能である。
【0030】
本発明の範囲内で使用され得る相同DNA部分は、所望の組換え結果を引き起こし得るためにソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌の染色体上の相当する部分と100%の同一性を有することを必ずしも必要としない。これらのDNA部分は細菌のゲノム上の相当する領域と実質的に相同であれば、すなわちこれらが60%と100%の間、好ましくは80%と100%の間、そして特に90%と100%の間の相同性の度合いを有していれば十分である。
【0031】
前記相同領域の大きさは変化し得るが、しかし少なくとも100Bpであるべきである。0.3Kbと4Kbの間、好ましくは1Kbと3Kbの間からなる相同の領域が本発明の範囲内で好ましい。
【0032】
特定の構造により全体のプラスミドを含む遺伝子もしくは遺伝子断片またはその他の興味深いDNA配列を上記のような相同的組換えにより標的細胞のゲノム中に特異的に混入することを可能にする組換えDNA分子は本発明の必須構成要件を形成する。
【0033】
本発明は特に、相同DNA領域を含む粘液細菌細胞の形質転換の際に、粘液細菌の染色体上に存在する構造要素または特定の転移作用とは無関係に、挿入されたDNAと細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性により正確に規定される部位で相同的組換えを介して前記粘液細菌のゲノム中に組み込まれるべき上記DNAの間接または好ましくは標準化組み込みが起こる粘液細菌ゲノム内の相当するDNA領域と相同性を有する組み込まれるべきDNA、またはこのような相同DNA配列により挟まれている組み込まれるべきDNAを含む、ソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌のゲノム内の規定された部位に遺伝物質、例えば遺伝子、遺伝子断片またはその他のDNA断片の標的化組み込みを可能にする組換えDNA分子に関する。
【0034】
上記組換えDNA分子は、組み込まれるべき、そして上記特性を有するDNAを、
(a)適当な供給源から単離するか、または
(b)組み込まれるべき上記DNAが、粘液細菌の染色体上の相当する領域に相同であるか、または少なくとも実質的に相同である部分を自然に含まない場合には、このDNAを相当する相同または実質的に相同なDNA部分にそれ自体公知のrDNA技術を用いて人工的に結合する、方法で非常に容易に製造され得る。
【0035】
組み込まれるべき前記DNAが発現性DNA配列であるならば、該DNA配列は細菌細胞において機能し得る発現シグナルに操作可能な様式で結合されており、そして適当な場合には、細菌のゲノム内の特定の領域と相同性を有するDNA部分により挟まれていることが有利である。これらのフランキング相同DNA部分は環の形態に閉じられているDNA分子の成分としてユニットに一緒に融合されていることが好ましい。
【0036】
上記の後者のものは、前記発現性DNA配列自体が細菌のゲノム内の相当するDNA領域と十分大きな相同性を既に有するならば不要となり得、このDNA配列と上記相同ゲノムDNAとの直接交換が相同的組換えにより起こり得る。
【0037】
二本鎖DNAの他に、本発明に係る方法において、一本鎖DNAおよび部分的に一本鎖DNAを使用することも可能である。
【0038】
本発明の範囲内とされる定義に従う同種および異種遺伝子またはDNA配列の両方、ならびに合成遺伝子またはDNA配列が本発明に係る方法における使用に適している。
【0039】
さらに、組み込まれるべきDNA配列はゲノムDNA、cDNAまたは合成DNAから排他的に構築され得る。もう1つの可能性はcDNAおよびゲノムDNAおよび/または合成DNAからなるハイブリッドDNA配列の構築を含む。
【0040】
この場合、cDNAはゲノムDNAと同一遺伝子またはDNA部分に由来していても、また、cDNAおよびゲノムDNAは異なる遺伝子またはDNA部分に由来していてもよい。しかしながら、各々の場合において、ゲノムDNAおよび/またはcDNAは同一または異なる遺伝子またはDNA部分から調製されることが可能である。
【0041】
DNA配列が1つ以上の遺伝子またはDNA部分を含むならば、これらは1つの同一生物から、様々な株に属する多数の生物から、または同一種の変種もしくは同一属の異なる種、または1属以上もしくは別の分類学的単位に属する生物から誘導され得る。
【0042】
細菌細胞中の構造遺伝子の発現を可能にするために、適当である場合にはコード遺伝子配列がソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌細胞中で機能し得る発現配列に操作可能な様式で最初に結合されることが可能である。
【0043】
従って、本発明の発現性ハイブリッド遺伝子構築物は構造遺伝子の他に、プロモーターおよびターミネーター配列の両方、好ましくはさらに3’および5’非翻訳領域の調節配列を包含する発現シグナルをも通常含有する。
【0044】
粘液細菌において発現性DNA配列の発現の誘導を起こし得るあらゆるプロモーターおよびターミネーターがハイブリッド遺伝子構築物の成分として使用され得る。
【0045】
本発明に係る方法における使用に適するプロモーターの例は以下のものである:
・ミクソコッカス・キサントゥスの光誘導性プロモーター〔23〕
・その他のミクソコッカス・キサントゥスのプロモーター
・放線菌、特にストレプトマイセテスのプロモーター
・大腸菌のプロモーター、例えばTac(ハイブリッド)、PL またはTrpブロモーター。
【0046】
本発明の範囲内で使用され得る適当な終結塩基配列は例えば文献〔7,20〕に記載されている。
【0047】
この方法で形成され、そして粘液細菌細胞中で活性な遺伝子および発現シグナルからなる機能単位は引続き、適当である場合には、相同DNA領域を含む粘液細菌細胞の形質転換の際に、ランダムにまたは好ましくは、相同的組換えにより前記粘液細菌のゲノム内で、挿入されたDNAと細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性に基づいて規定される部位に相同DNA配列により挟まれている遺伝子配列の特異的組み込みが起こるような程度に、粘液細菌ゲノム内に相当するDNA領域と相同性を有する1つ以上のDNA部分を両端に配置させ得る。さらに、このフランキング相同DNA部分は本発明の範囲内で、環の形態に閉じられているDNA分子の成分としてユニットに一緒に融合されていることが好ましい。
【0048】
さらに、好ましい実施態様において、挿入されるべきDNAは、同種DNA部分を既に含むか、またはそれを後にクローン化することを必要とするプラスミド中に組み込まれる。
【0049】
従って、目的が粘液細菌のゲノム中に、単一遺伝子または遺伝子断片のみを組み込むのではなく、上記遺伝子群または遺伝子断片群を含み得る完全プラスミドDNAを組み込むことであるならば、上記同種DNA配列をプラスミドDNA中に所望部位でクローン化すれば十分であるが、可能であれば、発現が意図される遺伝子は機能的に維持されるべきである。従って、この場合にもまた、これらの相同DNA部分が環の形態に閉じられているDNA分子の成分としてユニットに一緒に融合されているとみなされ得るから、組み込まれるべきDNA(プラスミドDNA)が相同DNA配列により挟まれていると原理的にはみなされることが可能である。
【0050】
構造遺伝子の他に、あらゆるその他の所望の遺伝子もしくは遺伝子断片またはその他の有用なDNA配列、例えば調節分子の結合部位、プロモーター、ターミネーター等を使用することもまた可能である。
【0051】
細菌ゲノム内の相当する部分と十分な大きな相同性を有し、そのため相同的組換えを介して遺伝物質の交換を可能にする同種または異種由来の適当なDNA配列の選択により、遺伝子またはその他のDNA配列を、粘液細菌ゲノム中の予め決定された部位に特異的に組み込み、そして適当な場合にそこで発現させることが今初めて可能になった。
【0052】
相同的組換えを介する交換に必要である、相同DNA部分と相当するゲノムDNA領域との間の相同性の程度は種々のパラメーターに依存し、そしてそれ故に使用されるDNA配列に依存して各々の場合に適当な要求に適合させなければならない。少なくとも100Bpからなる相同領域が必要な組換え結果を引き起こすのに十分であると現時点の知識では考えられる。
【0053】
0.3ないし4Kb、好ましくは1ないし3Kbに及ぶ相同領域が本発明の範囲内で好ましい。
【0054】
本発明の範囲内の相同DNA部分としての使用に適当なのは、主として、粘液細菌完全DNAの単離、次に適当な制限酵素での消化により得られる同種由来のDNA配列である。上記相同DNA断片のDNA配列が公知である場合には、それらはもちろん合成により調製されてもよい。
【0055】
しかしながら、標的生物のゲノムから直接単離されず、例えば関連生物から単離され、そのため、標的生物のゲノム上の相当するDNA領域とは100%の同一性を必ずしも有せず、実質的に相同である、すなわち60%と100%の間、好ましくは80%と100%の間、そして特に90%と100%の間の相同性の度合いを有する異種由来の相同DNA部分を使用することも可能である。
【0056】
それ故に、本発明の必須構成要件は、同種由来の遺伝物質または同種および異種由来の遺伝子物質の組合せをソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌細胞中に挿入し、そして粘液細菌の染色体中に、存在する相同性により正確に規定される部位に特異的に相同的組換えを介して組み込むことを特徴とする、粘液細菌目の細菌の特異的遺伝子操作の方法により形成される。
【0057】
従って、上記の方法で適当なハイブリッド遺伝子構築物を調製することにより、粘液細菌のゲノム内の細菌固有遺伝子の特異的改変を行うか、または粘液細菌ゲノム中に付加的遺伝子またはその他のDNA断片を混入することが本発明の範囲内で初めて今可能となった。組み込みが機能的遺伝子またはオペロン内で起こるならば、これは通常それらの不活性化を導き、結果として表現型に目視できる悪影響を導く。
【0058】
このための特定の方法は、相同的組換えによりランダムに、または好ましくは存在する相同性により規定され、そのために予め決められ得る部位で細菌ゲノム中に組み込まれる、上記組換えDNA分子、該組換えDNA分子を含む遺伝子、ハイブリッド遺伝子またはその他のDNA断片の1つで粘液細菌細胞を形質転換することである。
【0059】
本発明の特定の実施態様において、遺伝物質の粘液細菌、特にソランジウム/ポリアンジウム群の粘液細菌への挿入は、供与細胞からソランジウム/ポリアンジウム受容細胞への接合移入を介して間接的様式で起こる。
【0060】
相同的組換えを介する組み込みに十分である粘液細菌染色体との相同性を有する適当なプラスミドの製造方法は、例えば、まず最初に完全DNAを粘液細菌から単離し、そして断片化することである。この断片化は剪断力等の作用による機械的または好ましくは適当な制限酵素により行われ得る。
【0061】
非常に多数の生成断片から適当な大きさのものを単離し、引続きそれらを適当なプラスミド中にクローン化することが可能である。同種DNA断片ならびに同種および異種由来のDNA断片の適当なクローニングベクターへの結合は例えば文献〔13〕に記載されるような標準法を用いて行われる。
【0062】
これは通常、最初に適当な制限酵素で切断された、ベクターと組み込まれるべきDNA配列を必要とする。適当な制限酵素は、例えばブラント末端を有する断片を生じるもの、例えばSma I、Hpa IおよびEcoRV 、または粘着端を形成する酵素、例えばEcoRI 、Sac I、BamHI 、SalI、Pvu I等である。
【0063】
互いに相補的である、ブラント末端を有する断片および粘着端を有する断片のどちらも、適当なDNAリガーゼにより再び結合され、単一の連続的DNA分子が形成される。
【0064】
突出する粘着端を有するDNA断片を大腸菌DNAポリメラーゼのクレノウ断片と処理して、適当な相補的ヌクレオチドで空隙を充填することによりブラント末端を製造することもできる。
【0065】
他方、例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて所望のDNA配列および切断されたベクター分子の端部に相補的ホモポリマー尾部を添加するか、または制限切断部位を有する合成オリゴヌクレオチド配列(リンカー)を添加し、そして次に適当な酵素で切断することにより、粘着端を人工的に製造することもできる。
【0066】
上記され、そして同種由来のDNA断片または同種および異種由来のDNA断片の組合せを含む構築物の製造および増幅のために、全ての慣用クローニングベクター、例えば宿主細胞に適合する種に由来する複製および調節配列を必ず有するプラスミドまたはバクテリオファージベクターを使用することも原理的に可能である。
【0067】
通常クローニングベクターは形質転換された宿主細胞において表現型の選択特徴、特に抗生物質に対する耐性を導く特定の遺伝子の他に複製開始点を有する。形質転換されたベクターは宿主細胞への形質転換の後にこれらの表現型マーカーに基づいて選択され得る。
【0068】
本発明の範囲内で使用され得る選択可能な表現型マーカーは、本発明の対象に制限を与えるものではないが、例えばアンピシリン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ハイグロマイシン、G418、カナマイシン、ネオマイシンおよびブレオマイシンに対する耐性を含む。特定のアミノ酸に対する原栄養株はその他の選択マーカーとして例えば機能し得る。
【0069】
本発明の範囲内では主として大腸菌プラスミド、例えば本発明の範囲内で使用されるプラスミドpSUP2021が好ましい。
【0070】
本発明の範囲内の上記クローニングのために適当な宿主細胞は主として原核生物であり、細菌宿主、例えばアグロバクテリウム・チュメファシエンス(A. tumefaciens)、大腸菌(E. coli) 、エス.・チフィムリウム(S. typhimurium)およびセルラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens) 、さらにシュードモナド、放線菌、サルモネラおよび粘液細菌自体を含む。
【0071】
大腸菌宿主、例えば大腸菌HB101株が特に好ましい。大腸菌HB101株の感応細胞はこれに関連して大腸菌の形質転換に慣用の方法を用いて製造される(“General recombinant DNA techniques"参照)。
【0072】
形質転換および次の適当な培地上での単離は、選択培地上に平板培養することによる異なるスクリーニングに供される生成コロニーにより続けられる。引続き、その中にクローン化されてDNA断片を有するプラスミドを含むコロニーから適当なプラスミドDNAを単離することが可能である。
【0073】
異なる大きさの組換えプラスミドはこのようにして得られる。制限分析の後に、適当な大きさのプラスミドは、該プラスミドDNAの粘液細菌細胞への次の挿入のために選択されることが可能である。このDNA移入はさらに、直接または好ましくは接合移入の範囲内で仲介宿主(供与細胞)を介して起こり得る。
【0074】
それ故に、本発明の必須構成要件は、相同部分の他に、適当な場合に、細菌細胞またはその他の有用なDNA配列中で機能し得る発現シグナルに操作可能な様式で結合されている構造遺伝子もしくはその他の所望遺伝子または遺伝子断片1つ以上からなる遺伝子構築物を1つ以上含むプラスミドの構築に関する。これに関連して相同DNA断片は細菌(粘液細菌)に固有であり、そのため完全に同種由来であるゲノム部分から全体が構成されるか、またはそれらは相同部分の他に異種由来のより高いまたは低い発現部分をも含み得る。純粋に異種由来の相同DNA部分の使用もまた考えられる。
【0075】
プラスミドは、上記され、そして適当な場合に所望遺伝子産物をコードする構造遺伝子を含む遺伝子構築物の粘液細菌細胞への挿入、および細菌ゲノム中への組み込みのための別の工程段階において使用され得る。
【0076】
粘液細菌細胞への本発明に係る遺伝子構築物の移入は種々の方法で行われ得る。供与細胞から受容粘液細菌への接合移入が本発明の範囲内で好ましい。
【0077】
さらに移入されるべきDNAをまず最初に慣用のクローニングベクター中で上記したようにクローン化し、次に供与細胞として作用する適当な仲介宿主中に形質転換することは接合移入の範囲内で可能である。仲介宿主を介する迂回経路はDNAのクローニングのため、および接合の範囲内の供与細胞としての使用のための両方に適当である宿主株を用いることにより回避され得る。
【0078】
供与細胞として本発明の範囲内で使用され得る仲介宿主は実質的に、大腸菌、シュードモナド、放線菌、サルモネラおよび粘液細菌自体からなる群から選択される原核細胞である。
【0079】
供与細胞から受容体へのプラスミドDNAの接合移入のための必要条件はトランスファー機能(tra)および移動機能(mob)の存在である。さらに、移動機能は少なくともトランスファー開始点(oriT)を含み、そして移入されるべきプラスミド上に位置されていなければならない。一方、トランスファー機能(tra)はプラスミドもしくはヘルパープラスミド上に位置されているか、または供与細胞の染色体中に組み込まれて存在していてもよい。
【0080】
上記の条件に合致し、それ故に本発明の範囲内で好ましいプラスミドは実質的に不適合群P,Q,T,N,WおよびColIである。P群プラスミドの原型はプラスミドRP4である。本発明の範囲内で特に好ましいのは、mob機能(RP4mob)の成分としてトランスファー開始点(oriT)を有するプラスミドRP4からの1.9Kb断片を含むプラスミドpSUP2021である。mob機能(RP4mob)を有するその他のプラスミド、例えばpSUP101、pSUP301、pSUP401、pSUP201、pSUP202、pSUP203またはpSUP205およびそれから誘導される誘導体〔22〕は同様に本発明に係る方法の範囲内で使用され得る。
【0081】
本発明の範囲内で行われた実験の間に、受容粘液細菌が供与株との保温の前で接合移入の間に短時間の熱処理に晒される場合に有利であることが明らかとなった。35℃ないし60℃、好ましくは42℃ないし55℃、特に48℃ないし52℃の温度で1ないし120分、好ましくは5ないし20分の受容細胞の予備保温が好ましい。
【0082】
染色体DNAに混入されたプラスミドRP4のトランスファー遺伝子(tra)を含む大腸菌供与株が本発明の好ましい実施態様において使用される。RP4のトランスファー機能(tra)を有するヘルパープラスミドpME305を含む大腸菌供与W3101株(pME305)が本発明の範囲内で好ましい。
【0083】
方法技術にとって特に興味深く、そして本発明の範囲内で特に好ましいのは、組み込まれたDNA配列を有するベクターのクローニングのためと、接合移入の範囲内で供与細胞として使用するための両方に適当である細菌株である。制限陰性であり、そのために挿入された外来DNAを分解しない細菌株も同様に特に好ましい。上記の両方の条件を大腸菌ED8767株(pUZ8)は理想的に満たしているが、その他の適当な細菌株の代表としてここで記載するにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0084】
上記した供与細胞から受容粘液細菌への接合遺伝子移入の他に、粘液細菌に遺伝物質を挿入するためのその他の適当な遺伝子移入方法を使用することももちろん可能である。ここでは、粘液細菌細胞が高い電場強度に短時間晒されるエレクトロポレーション〔12〕を介する遺伝子移入が主として記載され得る。原核細胞のエレクトロポレーションのための一般的でおおまかな条件は文献〔25〕に記載されている。
【0085】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
一般的な組換えDNA技術
本発明において用いられる組換えDNA技術の多くは当業者にとって一般的なものであるので、通常用いられる技術に関してここで簡潔に記載しておく。別に特記したことを除いて、これらの全ての操作は文献〔13〕に記載されている。
【0086】
A.制限エンドヌクレアーゼでの切断
反応バッチは典型的には、マサチューセッツ州ビバリーのニュー・イングランド・バイオラブス(New England Biolabs) およびドイツ国マンハイムのベーリンガー(Bohringer) により推奨される緩衝溶液中に約50ないし500μg/mlのDNAを含む。制限エンドヌクレアーゼ2ないし5単位をDNA1μgにつき添加し、そして反応バッチを上記の会社により推奨される温度で1ないし3時間保温する。65℃で10分間加熱するか、またはフェノールでの抽出により反応を終結させ、エタノールでDNAを沈澱させる。この方法は文献〔13〕の第104ないし106頁にも記載されている。
【0087】
B.ブラント末端を製造するためのDNAのポリメラーゼでの処理
DNA断片50ないし500μg/mlを、製造会社ニュー・イングランド・バイオラブスおよびベーリンガーにより推奨される緩衝液中の反応バッチに添加する。反応バッチは全4種のデオキシヌクレオチド三リン酸を0.2mMの濃度で含有する。反応は15℃で30分間行われ、次いで65℃で10分間加熱することにより終結される。5’突出末端を製造する制限エンドヌクレアーゼ例えばEcoRI およびBamHI で切断することにより得られる断片のためには、DNAポリメラーゼの大断片またはクレノウ断片が使用される。3’突出末端を製造するエンドヌクレアーゼ例えばPstII およびSacIにより製造される断片のためには、T4DNAポリメラーゼが使用される。これらの2つの酵素の使用は文献〔13〕の第113ないし121頁に記載されている。
【0088】
C.アガロースゲル電気泳動およびゲルからのDNA断片の精製
アガロースゲル電気泳動を文献〔13〕の第150ないし163頁に記載のように水平型装置で行う。使用される緩衝液はその中に記載されているトリス−アセテート緩衝液である。DNA断片は、電気泳動の間にゲルまたはタンク緩衝液に存在するか、または電気泳動の後に添加されるいずれかの0.5μg/ml臭化エチジウムを用いて染色される。DNAを長波長の紫外線の照射により可視化する。断片をゲルから分離する場合には、使用されるアガロースは低いゲル化温度のものであり、これはミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル(Sigma Chemical)から入手できる。電気泳動後、望ましい断片を削り取り、プラスチック管内に入れ、65℃で約15分間加熱し、次いでフェノールで3回抽出し、そしてエタノールで2回沈澱させる。この操作は文献〔13〕の第170頁の記載とはわずかに異なっている。
【0089】
変法として、DNAはジェネクリーン・キット(Geneclean kit)[米国カリフォルニア州ラ・ジョラのバイオ101社(Bio 101 Inc.)] を用いてアガロースから単離され得る。
【0090】
D.DNA末端への合成リンカー断片の付加
DNA分子末端へ新規なエンドヌクレアーゼ切断部位を添加することが必要な場合、上の項に記載したように、ブラント末端を製造するために、場合によってはこの分子をまずDNAポリメラーゼで処理する。この断片約0.1ないし1.0μgを、ニュー・イングランド・バイオラブスから得られるホスホリル化リンカーDNA約10ngに、同社のT4DNAリガーゼ2μlおよび同社により推奨される緩衝液中の1mMATPを含有する20ないし30μl容量中で添加する。15℃で一晩保温後、65℃で10分間加熱することにより反応を終結させる。反応バッチを次に、合成リンカー配列で切断する制限エンドヌクレアーゼに適当な緩衝液中に約100μlに希釈し、そしてこのエンドヌクレアーゼ約50ないし200単位を添加する。混合物を適温で2ないし6時間保温し、次に断片をアガロースゲル電気泳動に供し、そして上記Cのように断片を精製する。精製した断片は今では制限エンドヌクレアーゼでの切断により製造された終端を有するであろう。これらの終端は通常粘着性であり、その結果、生成断片は同じような粘着端を有するその他の断片に容易に連結され得る。
【0091】
E.DNA断片からの5’末端ホスフェートの除去
プラスミドクローニング工程の間に、ベクタープラスミドのホスファターゼでの処理はベクターの再環状化を減少させる(文献〔13〕の第13頁に記載されている)。正しい制限エンドヌクレアーゼでのDNAの切断の後、ベーリンガー−マンハイム(Boehringer-Mannheim) から得られる子ウシ消化管のアルカリホスファターゼ1単位を添加する。DNAを37℃で1時間保温し、次にフェノールで2回抽出し、そしてエタノールで沈澱させる。
【0092】
F.DNA断片の連結
相補的な粘着端を有する断片を互いに結合させる場合、各々の断片約100ngは、ニュー・イングランド・バイオラブスからのT4DNAリガーゼ約0.2単位をこの会社により推奨される緩衝液中に含有する20ないし40μlの反応混合物中で保温される。保温は15℃で1ないし20時間行われる。ブラント末端を有するDNA断片が結合される場合、それらはT4DNAリガーゼの量を2ないし4単位に増加させる以外は上記と同様に保温される。
【0093】
G.DNAの大腸菌内への形質転換
大腸菌HB101株、W3101株およびED8767株がほとんどの実験において使用される。文献〔13〕の第250および251頁に記載されているように、塩化カルシウム法を用いてDNAが大腸菌内に導入される。
【0094】
H.プラスミドのための大腸菌のスクリーニング
形質転換の後に、大腸菌の生成したコロニーは迅速プラスミド単離法により所望のプラスミドの存在が試験される。2種の慣用の方法は、文献〔13〕の第366ないし369頁に記載されている。
【0095】
I.プラスミドDNAの大規模な単離
大腸菌からプラスミドを大規模に単離する方法は文献〔13〕の第88ないし94頁に記載されている。
【0096】
実施例1:ソランジウムの培養条件
ソランジウム・セルロスム(Sorangium cellulosum)をG51b液体培地(「培地および緩衝液」の項参照)中30℃の温度で培養する。180rpmで震盪することにより培養液に空気を通す。別の培地としてG52c培地を使用することも可能である。「培地および緩衝液」の項に記載されたSolE培地は固体培地での培養に使用され得る。培養温度はこの場合も30℃である。
【0097】
実施例2:大腸菌の培養条件
大腸菌細胞をLB培地〔14〕中37℃の温度で培養する。
【0098】
実施例3:ソランジウム・セルロスムのストレプトマイシン耐性の自然発生突然変異体の調製
液体培地中ですすいだ3日齢のソランジウム・セルロスム培養液(野生型Soce 26株)200μlを、300μg/mlストレプトマイシンを補足した固体培地(SolE培地)上で平板培養する。30℃の温度で培養時間は14日である。この培地上に成長するコロニーは自然発生のストレプトマイシン耐性突然変異体であり、これはさらに濃縮および精製のために同一培地(ストレプトマイシン含有)上でもう1回培養される。
【0099】
これらのストレプトマイシン耐性コロニーの1つが選択され、そしてSJ3と命名される。この突然変異ソランジウム・セルロスムSo ce 26株は、ブダペスト条約に従って国際寄託機関として認められている「ドイチェ・ザンムルンク・フォン・ミクロオルガニスメン・ウント・ツェルクルツレン・ゲーエムベーハー」(ドイツ国ブラウンスヴァイク)に、寄託番号DSM6380の下に1991年1月25日寄託された。
【0100】
実施例4:ソランジウムの完全DNAの調製
完全DNAを単離するために、定常期にあるソランジウム培養液を10000rpmで10分間遠心分離する。細胞を除去し、そしてSTE緩衝液(「培地および緩衝液」の項参照)中に再び懸濁し、そして細胞密度を約109 細胞/mlに調整する。
【0101】
次にこの懸濁液450μlをRLM緩衝液(「培地および緩衝液」の項参照)200μlおよびジエチルピロカーボネート2μlと混合する。十分で均一な混合は適当な装置、例えばボルテックス等を用いることにより確実に行われる。70℃で30分間インキュベーター中で保温した後、酢酸カリウム(5M)100μlを添加する。この混合物を氷上で15分間保温し、5分毎に十分に混合する(ボルテックス)。遠心分離(10000rpmで15分間)後、上澄みをフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25/24/1)500μlとタンパク質の抽出のために混合する。もう1回の遠心分離(10000rpmで15分間)の後、DNA画分を含む上層を除去し、そしてその中に依然として存在するフェノール分をジエチルエーテル(1ml)で除去する。DNAを次にエタノール1mlの添加により沈殿させる。−70℃で30分間の保温の後、全混合物を10000rpmで15分間遠心分離し、ペレットを70%エタノールで洗浄し、そして真空下で乾燥させる。最後にDNAをTER緩衝液中に溶解させる。
【0102】
実施例5:ソランジウム・セルロスムSJ3中へのpSJB55の接合移入
5.1 2段階法
5.1.1 プラスミドpSUP2021中へのソランジウムDNAのクローニング
ソランジウムSJ3株から単離された染色体を制限酵素Pvu Iで切断する。この方法で得られる断片をプラスミドpSUP2021〔22〕中にクローン化する。これは最初にPvu Iで消化され、次にエタノールで沈殿される、プラスミドDNA0.2μgおよび染色体DNA1μgを必要とする。沈殿物を除去し、乾燥し、そして乾燥ペレットを2回蒸留水14μl中に再び懸濁する。次に10倍濃縮連結緩衝液(「培地および緩衝液」の項参照)2.5μl、ウシ血清アルブミン(0.1%)2.5μl、ATP(10mM)2.5μl、DTT(0.2M)2.5μl、H2 O8μlおよびT4DNAリガーゼ1μlを添加する。全連結混合物を次いで約8℃の温度で一晩保温する。
【0103】
この連結混合物5μlを組換えプラスミドのクローニングのために大腸菌HB101株中に形質転換する。このために大腸菌HB101株の感応細胞を大腸菌の形質転換に通常用いられる方法(“General recombinant DNA techniques"参照)により調製する。
【0104】
形質転換および引き続くカナマイシン(25μg/ml)およびクロラムフェニコール(25μg/ml)を補足したLB寒天上での24時間の培養の後に、生成するコロニーを、アンピシリン含有(60μg/ml)培地およびアンピシリン非含有培地上での平行平板培養による鑑別スクリーニングに供する。結果として、ソランジウムDNA断片の組み込みによるそれらのアンピシリン耐性を消失したコロニーを単離することが可能である。次にプラスミドをこれらのアンピシリン感受性コロニーから単離する。
【0105】
異なる大きさの組換えプラスミドがこの方法で得られる。制限分析の後、これらのプラスミドの3つがさらに実験するために選択される。これらのプラスミドはpSJB50、pSJB55およびpSJB58と命名され、それぞれ1Kb、3.5Kbおよび4KbのソランジウムDNA挿入物を含む。
【0106】
5.1.2 ソランジウム・セルロスム中へのプラスミドpSJB55の接合移入
ソランジウム・セルロスム中へのプラスミドpSJB55の移入はソランジウムと接合様情報交換し得る大腸菌W3101株(pME305)〔8〕の仲介で起こる。大腸菌プラスミドpME305〔17〕はこの場合pSJB55の移動のためのヘルパープラスミドとして使用される。
【0107】
最初に、大腸菌W3101株(pME305)の感応細胞を、大腸菌の形質転換に通常用いられる方法により、予め単離されたpSJB55プラスミドDNA5μlで形質転換させる。形質転換された大腸菌細胞はそれによりプラスミドpSJB55のための供与体となる。
【0108】
実際の移入のために、定常期にあるソランジウム・セルロスムSJ3培養液(4×108 ないし1−4×109 細胞/ml)15mlを、相当量の細胞を含む大腸菌供与細胞の後期対数期にある培養液10mlと混合する。これらを次に4000ないし8000rpmで10分間一緒に遠心分離し、そしてG51bまたはG51t培地500μl中に再び懸濁する。
【0109】
ソランジウム受容細胞を大腸菌との接合前に水浴中での熱処理に短時間晒すことは有利である。ソランジウム・セルロスムSJ3株での最良の移入結果は50℃の温度で10分間の熱処理で達成され得る。これらの条件下で1−5×10-5の移入頻度が達成され得、これは予備的な熱処理なしでの操作と比較して10倍の増加に相当する。
【0110】
SolE固体培地のプレートに移し、30℃で2日間保温する。細胞を次に集め、そしてG51bまたはG51t培地1ml中に再び懸濁する。この細菌懸濁液100μlを、カナマイシン(25mg/l)の他にフレオマイシン(20ないし35mg/l)およびストレプトマイシン(300mg/l)を選択剤として含有する選択SolE培地上に平板培養する。供与株〔大腸菌W3101(pME305)〕の逆選択がストレプトマイシンを用いて行われる。
【0111】
10ないし14日の培養期間の後に選択SolE培地上に成長するコロニーはプラスミドpSJB55の接合移入によりフレオマイシン耐性を獲得したソランジウム・セルロスムのトランス接合体である。これらのフレオマイシン耐性コロニーは次の分子生物学的研究に使用され得る。プラスミドpSJB55のソランジウムへの移入の形質転換頻度は平均で受容SJ3株に基づいて3×10-6である。
【0112】
プラスミドpSJB50およびpSJB58はソランジウムに同様の方法で移入され得る。
【0113】
5.2 1段階法
5.2.1 プラスミドpSUP2021中へのソランジウムDNAのクローニング
プラスミドpSUP2021中へのソランジウムDNAのクローニングは実施例5.1.1に記載のように行われ得る。
【0114】
5.1.1で使用されたヘルパープラスミドpME305を、このプラスミドとは異なり、アンピシリン耐性遺伝子を含まないプラスミドpUZ8〔6〕に代えることにより、接合移入に意図される大腸菌供与株ED8767中での直接クローニングが今では可能であるので、大腸菌仲介宿主HB101でのクローニング段階を省略できる。
【0115】
プラスミドpUZ8は、広い宿主範囲を有し、そして文献〔4〕に記載されているプラスミドRP4の誘導体である。出発プラスミドRP4と比べた場合の相違はアンピシリン耐性遺伝子および挿入エレメントIS21(これらの両方は欠失されている)、そして水銀イオンに対する耐性を付与する付加的遺伝子の混入に実質的に関する〔8〕。
【0116】
それ故に、実施例5.1.1で調製された連結混合物は今では大腸菌ED8767株中に直接形質転換され得る。このために、大腸菌ED8767株の感応細胞は大腸菌の形質転換に通常用いられる方法(“General recombinant DNA techniques"参照)により調製される。
【0117】
形質転換および引き続くテトラサイクリン(10μg/ml)およびクロラムフェニコール(25μg/ml)を補足したLB寒天上での24時間の培養の後に、生成するコロニーを、アンピシリン含有(60μg/ml)培地およびアンピシリン非含有培地上での平行平板培養による鑑別スクリーニングに供する。結果として、ソランジウムDNA断片の組み込みによるそれらのアンピシリン耐性を消失したコロニーを単離することが可能である。このようにして得られる培養体は次にソランジウム・セルロスム細胞中への組換えプラスミドの接合移入のための供与細胞として直接使用され得る。
【0118】
上記連結混合物の代わりに、この場合には、実施例5.1.1で調製されたような組換えプラスミドpSJB50、pSJB55およびpSJB58を大腸菌ED8767株中にクローン化することも可能であることはもちろんである。
【0119】
5.2.2 ソランジウム・セルロスム中への組換えプラスミドの接合移入
実際の移入のために、定常期にあるソランジウム・セルロスムSJ3培養液(1−4×109 細胞/ml)15mlを、相当量の細胞を含む大腸菌供与細胞の後期対数期にある培養液10mlと混合する。これらを次に4000rpmで10分間一緒に遠心分離し、そしてG51bまたはG51t培地500μl中に再び懸濁する。
【0120】
ソランジウム受容細胞を大腸菌との接合前に水浴中での熱処理に短時間晒すことは有利である。ソランジウム・セルロスムSJ3株での最良の移入結果は50℃での温度で10分間の熱処理で達成され得る。これらの条件下で1−5×10-5の移入頻度が達成され得、これは予備的な熱処理なしでの操作と比較して10倍の増加に相当する。
【0121】
形質転換されたソランジウム細胞の培養は実施例5.1.2に記載した方法と同様に行われる。
【0122】
供与株としての制限陰性大腸菌株、例えば大腸菌ED8767〔15〕の使用により、形質転換頻度は上記の方法と比べ著しく(103 倍まで)高められ得る。
【0123】
分子遺伝学的分析
(A)ソランジウム・セルロスムSJの染色体内へのプラスミドpSJB55の組み込みの検出
上記のようにして(実施例4参照)形質転換されたソランジウム細胞から単離された完全DNAをSmaIおよびSalIで消化し、そして水平トリスアセテート(40mMトリスHCl,20mM酢酸ナトリウム,2mM EDTA Na2 ,pH7.8)アガロースゲル(0.9%)上に注入する。電気泳動の後、ゲルを最初に変性溶液(1.5M NaCl,0.5M NaOH)中に30分間、次に中和溶液(1.5M NaCl,0.5MトリスHCl,1mM EDTA Na2 ,pH7.2)中に入れる。20倍濃縮SSC緩衝液(「培地および緩衝液」の項参照)を用いるサザン・キャピラリー・ブロッティングによりDNAをナイロンメンブラン(例えばアマルシャム・ハイボンド・ナイロンメンブラン,アマルシャム・インターナショナル社,英国HP7 9NA,アマルシャム,アマルシャム・プレイス)上に移送し、そして6分間のUV処理によりそこに固定する。この方法のその他の詳細はアマルシャム・インターナショナル・ハンドブック“Membrane Transfer and Detection Methods" (1985)に記載されている。
【0124】
ハイブリダイゼーションプローブとされるDNAをニックトランスレーション〔19〕により標識する。これにより、プラスミドpSJB55より3.5Kbからなる32P−標識PvuI挿入物の形態で採取される。実際のハイブリダイゼーションはデンハルトの方法〔5〕をわずかに改変した方法により行われる。予備ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションに使用される緩衝液は以下の組成を有する:6×SSC〔13〕+5×デンハルト〔13〕+0.5%SDS+0.2mg/ml変性サケ精子DNA。
【0125】
予備ハイブリダイゼーションは65℃で行われ、3時間を要し、一方、実際のハイブリダイゼーション反応は20時間後に完了する。ハイブリダイゼーションのために、プラスミドpSJB55由来の3.5Kbからなる32P−標識(105 cpm/cm2 フィルター)変性PvuI断片を添加する。ハイブリダイゼーションの後に、フィルターを2倍濃縮SSC中65℃の温度で2×15分、次に2×SSC+0.1%SDS中同様に65℃で30分、そして最後に0.5×SSCでさらにもう1回(65℃で15分)洗浄する。
【0126】
引続き、オートラジオグラフィーがX線フィルム(例えばフジX線フィルム)を用いて行われる。トランス接合体のオートラジオグラフは、過らせん体の形態にある遊離pSJB55プラスミドDNAに相当するバンドを示さない。しかしながら、これに対し、陽性シグナルはフィルターメンブランの染色体領域中に見いだされる。
【0127】
SmaI消化プラスミドpSJB55は8.9、6.7および1.6Kbの3つのバンドを与える。親株SJ3のSmaI消化後のハイブリダイゼーションパターンは同様に3つのバンドを示し、その1つはプラスミドpSJB55中にクローン化されたソランジウム挿入物の1.6Kbからなる内部断片に相当する。トランス接合体のSmaI消化DNAのハイブリダイゼーションパターンは、3種全てに共通する1.6Kbバンドを含む5つのバンド(プラスミドpSJB55およびSJ3バンドの8.9および6.7Kbバンド)を示す。
【0128】
SalI消化の後、14.1KbのバンドがプラスミドpSJB55に見いだされる(pSJB55の3.1Kbからなるその他のSalI断片はプローブとハイブリッド形成しない)。SalI消化SJ3DNAのハイブリダイゼーションパターンは同様に5Kbのバンドを示す。トランス接合体において、プラスミドpSJB55の14.1Kb断片およびSJ3の5Kb断片はSalI消化の後に消失する。これらは11.5Kbおよび7.7Kbの2つの新たなバンドに置換される。
【0129】
SmaIデータは、全てのpSJB55断片がトランス接合体のゲノム中で無傷であることを示す。この場合、SmaI断片の少なくとも1つが必ず消失するであろうから、部位特異的組換えの可能性がなくなる。さらに、SalI消化の結果は、プラスミドpSJB55がソランジウムゲノム中に、特にpSJB55と相同なDNA領域(=3.5Kb PvuI断片)が位置する部位に組み込まれたことを明らかにする。この組み込みは、pSJB55由来の3.5Kbからなるソランジウム挿入物とソランジウムゲノム内の同様な挿入物との間の相同的組換えにより起こる。
【0130】
Figure 0003932517
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【0131】
Figure 0003932517
【0132】
寄託
本発明の範囲内の以下の微生物およびプラスミドはブダペスト条約に従って国際寄託機関として認められているドイツ国ブラウンスヴァイクにある「ドイチェ・ザンムルンク・フォン・ミクロオルガニスメン・ウント・ツェルクルツレン・ゲーエムベーハー」に、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関する要求を満たすために寄託された。
Figure 0003932517
【0133】
参考文献一覧
Figure 0003932517

Claims (30)

  1. (a)粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同である同種もしくは異種由来の遺伝物質または同種および異種由来の遺伝物質の組合せ、または
    (b)粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同である部分を含まないが、そのような相同または実質的に相同なDNA部分にそれ自体公知のrDNA技術を用いて人工的に結合されている遺伝物質を、
    粘液細菌細胞への転移に適当なトランスファー機能(tra)および移動機能(mob)を含むプラスミドを用い、大腸菌である供与体から受容粘液細菌への接合転移を介して粘液細菌の細胞中に挿入し、挿入されたDNAと細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性により正確に規定される部位で相同的組換えを介して前記粘液細菌の染色体中に組み込むことを特徴とするソランジウム・セルロスムである粘液細菌の遺伝子操作方法。
  2. 挿入されるべき遺伝物質が前記相同または実質的に相同なDNA部分により挟まれている請求項1記載の方法。
  3. 挿入されるべき前記遺伝物質が粘液細菌の細胞において機能し得る発現配列に操作可能な様式で結合されている発現性DNAである請求項2記載の方法。
  4. 以下の段階:
    (a)粘液細菌標的生物または関連生物の完全DNAの調製;
    (b)(a)で単離された完全DNAの断片化;
    (c)(b)で調製された断片の適当なプラスミドベクター内へのクローニングおよびクローニングのために通常使用される宿主生物の1種内への上記ベクターの形質転換;
    (d)組み込まれた粘液細菌DNA断片を有するプラスミドを含むコロニーの選択および上記プラスミドの単離;
    (e)粘液細菌標的生物と接合様情報交換し得る供与生物内への(d)で単離されたプラスミドDNAの形質転換;
    (f)粘液細菌標的生物への組換えプラスミドDNAの接合転移;
    (g)形質転換された粘液細菌細胞の培養および陽性形質転換体の選択
    からなる請求項1記載のソランジウム・セルロスムである粘液細菌の遺伝子操作方法。
  5. 挿入されるべき遺伝物質が、発現され得る1つ以上のDNA部分を含み、
    そしてその中にクローン化された相同または実質的に相同なDNA領域を含むプラスミドである請求項1またはのいずれかに記載の方法。
  6. 前記相同DNA部分と粘液細菌の染色体の相当する領域との間の相同性の度合いが80%と100%の間である請求項1またはのいずれかに記載の方法。
  7. 前記相同DNA部分が少なくとも100Bpからなる請求項1またはのいずれかに記載の方法。
  8. 前記相同DNA部分が0.3と4Kbの間からなる請求項1またはのいずれかに記載の方法。
  9. 大腸菌、シュードモナド、放線菌、サルモネラおよび粘液細菌自体からなる群から選択される原核生物が粘液細菌DNA断片のクローニングのための宿主生物として使用される請求項記載の方法。
  10. 制限陰性または制限欠失菌株が粘液細菌DNA断片のクローニングのための宿主生物として使用される請求項記載の方法。
  11. 粘液細菌DNA断片のクローニングが粘液細菌標的生物と接合様情報交換し得る、供与生物内で直接行われる請求項10記載の方法。
  12. 粘液細菌細胞が接合DNA転移の直前に短時間の熱処理に晒される請求項記載の方法。
  13. 熱処理が35℃ないし60℃の温度で1ないし120分の間行われる請求項12記載の方法。
  14. 相同DNA領域を含む粘液細菌細胞の形質転換の際に、挿入されたDNAと細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性により正確に規定される部位で相同的組換えを介して前記粘液細菌のゲノム中に組み込まれるべき上記DNAの組み込みが起こるように、粘液細菌ゲノム内の相当するDNA領域と相同性を有する組み込まれるべきDNA、またはこのような相同DNA配列により挟まれている組み込まれるべきDNAを含む、前記ソランジウム・セルロスムである粘液細菌のゲノム内の規定された部位に遺伝物質の組み込みを可能にする組換えDNA分子。
  15. 前記相同DNA部分と粘液細菌の染色体の相当する領域との間の相同性の度合いが80%と100%の間である請求項14記載の組換えDNA分子。
  16. 前記相同DNA部分が少なくとも100Bpの領域からなる請求項14記載の組換えDNA分子。
  17. 組み込まれるべき前記DNA配列自体が細菌のゲノム内の相当するDNA領域と十分大きな相同性を既に有し、このDNA配列と上記相同ゲノムDNAとの直接交換が相同的組換えにより起こり得る請求項14記載の組換えDNA分子。
  18. 挿入されるべき前記DNAが二本鎖DNAである請求項14記載の組換えDNA分子。
  19. 挿入されるべき前記DNAが一本鎖DNAである請求項14記載の組換えDNA分子。
  20. 挿入されるべき前記DNAが粘液細菌の細胞において機能し得る発現配列に操作可能な様式で結合されている発現性DNAである請求項14記載の組換えDNA分子。
  21. 前記フランキングDNA部分が環の形態に閉じられているDNA分子の成分としてユニットに一緒に融合されている請求項14記載の組換えDNA分子。
  22. 前記相同DNA部分が粘液細菌ゲノム自体に由来する請求項14記載の組換えDNA分子。
  23. 請求項14ないし22のいずれか1項に記載の組換えDNA分子を含むクローニングベクター。
  24. 挿入されるべきDNAの他に、粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同または実質的に相同なDNA部分、ならびに粘液細菌細胞への転移に適当なトランスファー機能(tra)および移動機能(mob)を含む、供与生物からソランジウム・セルロスムである受容粘液細菌への接合転移のためのプラスミドDNA。
  25. 請求項14ないし22のいずれか1項に記載の組換えDNA分子を含む請求項24記載のプラスミドDNA。
  26. 相同DNA領域を含む粘液細菌ゲノムの形質転換の際に、挿入されたDNAと細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性により規定される部位で相同的組換えを介して前記細菌のゲノム中に上記DNAの組み込みが起こるように、粘液細菌のゲノム内の相当するDNA領域と相同性を有する粘液細菌のゲノム中に組み込まれるべきDNAを、
    (a)適当な供給源から単離するか、または
    (b)組み込まれるべき上記DNAが、粘液細菌の染色体上の相当する領域に相同であるか、または少なくとも実質的に相同である部分を含まない場合には、このDNAを相当する相同または実質的に相同なDNA部分にそれ自体公知のrDNA技術を用いて人工的に結合する、請求項14記載の組換えDNA分子の製造方法。
  27. 挿入されるべき前記DNAがプラスミド上に位置し、そして相同DNA配列があらゆる所望の部位でプラスミドDNA内にクローン化されるが、しかしそれにより挿入されるべきDNAの機能的完全性を破壊することがない請求項26記載の方法。
  28. (a1 )粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同である同種もしくは異種由来の遺伝物質または同種および異種由来の遺伝物質の組合せ、または
    (a2 )粘液細菌の染色体上の相当する領域と相同であるか、または少なくとも実質的に相同である部分を含まないが、そのような相同または実質的に相同なDNA部分にそれ自体公知のrDNA技術を用いて人工的に結合されている遺伝物質を、
    粘液細菌細胞への転移に適当なトランスファー機能(tra)および移動機能(mob)を含むプラスミドを用い、大腸菌である供与体から受容粘液細菌への接合転移を介して粘液細菌の細胞中に挿入し、挿入されたDNAと細菌に固有のDNAとの間に存在する相同性により正確に規定される部位で相同的組換えを介して前記粘液細菌の染色体中に組み込み、そして
    (b)陽性形質転換体をそれ自体公知の選択方法を用いて選択し、そして純粋な培養物として培養する、
    ことからなるソランジウム・セルロスムである粘液細菌の遺伝子的に改変された細菌の作出方法。
  29. 請求項28に記載の方法により作出された遺伝子的に改変された粘液細菌細胞。
  30. 相同的組換えを介して粘液細菌のゲノム内に組み込まれた同種および/または異種由来の外来DNAを含むソランジウム・セルロスムである遺伝子的に改変された粘液細菌細胞。
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