JP3931323B2 - スイッチトキャパシタアンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、A/D変換器等のアナログIC内で用いられるスイッチトキャパシタアンプに関し、特に入力同相電圧の変動の影響を受けないスイッチトキャパシタアンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の差動入出力のスイッチトキャパシタアンプでは第1のフェーズで差動入力信号をホールドキャパシタにサンプリングし、第2のフェーズでその値をホールドするものである。
【0003】
図4はこのような従来のスイッチトキャパシタアンプの一例を示す構成ブロック図である。図4において1,2,5,6,7及び8はMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタの記号で示されたアナログスイッチ回路、3及び4はホールドキャパシタである容量、9は差動入出力のトランスコンダクタンス・アンプ(以下、単にアンプと呼ぶ。)、100及び101は差動入力電圧、102及び103は差動出力電圧、104及び105はアナログスイッチ回路を制御する制御信号、106は入力基準電圧である。
【0004】
差動入力電圧100及び101はアナログスイッチ回路1及び2の一端に接続され、アナログスイッチ回路1の他端は容量3の一端及びアナログスイッチ回路7の一端にそれぞれ接続される。また、アナログスイッチ回路2の他端は容量4の一端及びアナログスイッチ回路8の一端にそれぞれ接続される。
【0005】
容量3の他端はアナログスイッチ回路5の一端及びアンプ9の非反転入力端子に接続され、アンプ9の反転出力端子は差動出力電圧102を出力すると共にアナログスイッチ回路5及び7の他端にそれぞれ接続される。
【0006】
容量4の他端はアナログスイッチ回路6の一端及びアンプ9の反転入力端子に接続され、アンプ9の非反転出力端子は差動出力電圧103を出力すると共にアナログスイッチ回路6及び8の他端にそれぞれ接続される。
【0007】
また、制御信号104はアナログスイッチ回路1,2,5及び6の制御入力端子にそれぞれ接続され、制御信号105はアナログスイッチ回路7及び8の制御入力端子にそれぞれ接続される。
【0008】
ここで、図4に示す従来例の動作を説明する。制御信号104及び105がそれぞれ制御端子に接続されたアナログスイッチ回路を排他的に”ON/OFF”させる。
【0009】
例えば、第1のフェーズ(サンプルモード)でアナログスイッチ回路1,2,5及び6を”ON”、アナログスイッチ回路7及び8を”OFF”にし、第2のフェーズ(ホールドモード)でアナログスイッチ回路1,2,5及び6を”OFF”、アナログスイッチ回路7及び8を”ON”にする。
【0010】
また、差動入力電圧の差動電圧を”Vind”、同相電圧を”Vinc”、差動入力電圧100及び101を”Vinp”及び”Vinn”とした場合、
Vinp=Vind/2+Vinc (1)
Vinn=−Vind/2+Vinc (2)
となる。すなわち、差動入力電圧間の差電圧は”Vinp−Vinn=Vind”である。
【0011】
前述の第1フェーズにおいて、アンプ9は反転出力端子が非反転入力端子に帰還され、非反転出力端子が反転入力端子に帰還されるのでそれぞれ電圧フォロワ回路として動作する。
【0012】
この時、アンプ9の仮想接地された入力端子の電圧である入力基準電圧106を”Vrefc”とすれば、容量3の両端には”Vind/2+Vinc−Vrefc”が印加され、容量4の両端には”−Vind/2+Vinc−Vrefc”が印加され、それぞれの容量3及び4に電荷が充電されることになる。
【0013】
次に、前述の第2フェーズにおいて、アンプ9には容量3及び4を介した帰還ループができる。アンプ9の入力バイアス電流を”0”とすれば容量3及び4に充電された電荷は放電されないので差動入力電圧100及び101の最終電圧値が保持される。
【0014】
この結果、差動出力電圧102として”Vind/2+Vinc”が出力され、差動出力電圧103として”−Vind/2+Vinc”が出力される。
【0015】
また、図5は従来のスイッチトキャパシタアンプの他の一例を示す構成ブロック図である。図5において3,4,9,100及び101は図4と同一符号を付してあり、10,11,12,13,14,15,16及び17はMOSトランジスタの記号で示されたアナログスイッチ回路,102a及び103aは差動出力電圧、104a及び105aはアナログスイッチ回路を制御する制御信号、106aは外部入力の入力基準電圧である。
【0016】
差動入力電圧100及び101はアナログスイッチ回路10及び13の一端に接続され、アナログスイッチ回路10の他端は容量3の一端及びアナログスイッチ回路14の一端にそれぞれ接続される。また、アナログスイッチ回路13の他端は容量4の一端及びアナログスイッチ回路17の一端にそれぞれ接続される。
【0017】
容量3の他端はアナログスイッチ回路11及び15の一端に接続され、容量4の他端はアナログスイッチ回路12及び16の一端に接続され、アナログスイッチ回路11及び12の他端には入力基準電圧106aが印加される。また、アナログスイッチ回路15及び16の他端はアンプ9の非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ接続される。
【0018】
アンプ9の反転出力端子は差動出力電圧102aを出力すると共にアナログスイッチ回路14の他端に接続され、アンプ9の非反転出力端子は差動出力電圧103aを出力すると共にアナログスイッチ回路17の他端にそれぞれ接続される。
【0019】
また、制御信号104aはアナログスイッチ回路10,11,12及び13の制御入力端子にそれぞれ接続され、制御信号105aはアナログスイッチ回路14,15,16及び17の制御入力端子にそれぞれ接続される。
【0020】
ここで、図5に示す従来例の動作を説明する。制御信号104a及び105aがそれぞれ制御端子に接続されたアナログスイッチ回路を排他的に”ON/OFF”させる。
【0021】
例えば、第1のフェーズ(サンプルモード)でアナログスイッチ回路10〜13を”ON”、アナログスイッチ回路14〜17を”OFF”にし、第2のフェーズ(ホールドモード)でアナログスイッチ回路10〜13を”OFF”、アナログスイッチ回路14〜17を”ON”にする。また、前述の式(1)及び式(2)が同様に成立するものとする。
【0022】
前述の第1フェーズにおいて、容量3の両端には差動入力電圧100と入力基準電圧106aが印加され、容量4の両端には差動入力電圧101と入力基準電圧106aが印加される。
【0023】
この時、入力基準電圧106aを”Vrefc”とすれば、容量3の両端には”Vind/2+Vinc−Vrefc”が印加され、容量4の両端には”−Vind/2+Vinc−Vrefc”が印加され、それぞれの容量3及び4に電荷が充電されることになる。
【0024】
次に、前述の第2フェーズにおいて、アンプ9には容量3及び4を介した帰還ループができる。アンプ9の入力バイアス電流を”0”とすれば容量3及び4に充電された電荷は放電されないので差動入力電圧100及び101の最終電圧値が保持される。
【0025】
この結果、差動出力電圧102aとして”Vind/2+Vinc”が出力され、差動出力電圧103aとして”−Vind/2+Vinc”が出力される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図4及び図5に示す従来例ではサンプルモードにおいて容量3及び4に充電される同相電圧成分は同相電圧”Vinc”に依存しているので一定ではない。また、ホールドモードにおいても容量3及び4に充電された電荷が転送されるのでアンプ9に印加される同相電圧成分も同相電圧”Vinc”に依存してしまう。
【0027】
このため、アンプ9の各種特性が同相電圧成分に依存する場合には、同相電圧”Vinc”の変動によってアンプ9の各種特性が影響を受けてしまうと言った問題点があった。
【0028】
また、同相電圧”Vinc”の影響が少ない場合であっても、同相電圧”Vinc”の変動を吸収するためにアンプ9の動作点にマージンを持たせた設計が必要となり、設計の柔軟性が損なわれると言った問題点があった。
【0029】
このような問題点を解決するためにコモンモードフィードバックを用いることがある。図6はこのようなコモンモードフィードバックを用いた従来のスイッチトキャパシタアンプの一例を示す構成ブロック図である。
【0030】
図6において3,4,9,10〜17,100,101,104a,105a及び106aは図5と同一符号を付してあり、18は同相電圧制御回路、102b及び103bは差動出力電圧である。
【0031】
基本的な接続関係は図5に示す従来例と同様であり異なる点は、アンプ9の出力である差動出力電圧102b及び103bが同相電圧制御回路18に入力され、同相電圧制御回路18の出力がアンプ9に帰還される点である。
【0032】
ここで、図6に示す従来例の動作を説明する。但し、図5の説明と重複する部分に関しては説明を省略する。同相電圧制御回路18は通常コモンモードフィードバック回路と呼ばれる周知の技術である。
【0033】
同相電圧制御回路18はアンプ9の差動出力電圧の同相電圧を検出して、この同相電圧が一定値になるようにアンプ9を制御するものである。
【0034】
但し、図6に示すような従来例では、差動出力電圧の同相電圧を一定にすることは可能であるものの、容量3及び4には同相電圧が依然保持されている。このため、同相電圧に変動がある場合に同相電圧制御回路18でフィードバックをかけるとアンプ9の入力端子側に同相電圧の変動分が現れてしまい、やはり、設計の柔軟性が損なわれると言った問題点があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、入力同相電圧の変動の影響を受けないスイッチトキャパシタアンプを実現することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
差動入出力のトランスコンダクタンス・アンプと、第1及び第2のホールドキャパシタと、第1の制御信号でON/OFFが制御されONの時に一方の差動入力電圧と入力基準電圧の差分を前記第1のホールドキャパシタの両端に印加し、他方の差動入力電圧と入力基準電圧の差分を前記第2のホールドキャパシタの両端に印加する複数のアナログスイッチ回路と、第2の制御信号で前記第1の制御信号とは排他的にON/OFFが制御されONの時に前記第1のホールドキャパシタに保持されている電圧を前記トランスコンダクタンス・アンプの非反転入力端子と反転出力端子間に印加し、前記第2のホールドキャパシタに保持されている電圧を前記トランスコンダクタンス・アンプの反転入力端子と非反転出力端子間に印加する複数のアナログスイッチ回路と、差動入力電圧の中点の電圧を定電圧だけレベルシフトして前記入力基準電圧として出力する同相電圧制御手段とを備えたことにより、ホールドキャパシタには同相電圧が保持されず、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0036】
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明であるスイッチトキャパシタアンプにおいて、
前記同相電圧制御手段が、
前記差動入力電圧のうち同相電圧を検出して出力する同相電圧検出回路と、この同相電圧検出回路の出力電圧を前記定電圧だけシフトして前記入力基準電圧として出力するレベルシフト回路とから構成されることにより、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0037】
請求項3記載の発明は、
請求項2記載の発明であるスイッチトキャパシタアンプにおいて、
前記同相電圧検出回路が、
前記差動入力電圧の一方が一端に接続される第1の抵抗と、抵抗値が前記第1の抵抗の抵抗値に等しく、前記差動入力電圧の他方が一端に接続され、他端が前記第1の抵抗に接続されると共に前記同相電圧を出力する第2の抵抗とから構成されることにより、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0038】
請求項4記載の発明は、
請求項2記載の発明であるスイッチトキャパシタアンプにおいて、
前記レベルシフト回路が、
前記定電圧を出力する定電圧源と、抵抗と、前記同相電圧検出回路の出力が非反転入力端子に接続され、前記定電圧源の出力が反転入力端子に接続され、出力が抵抗を介して接地される電圧/電流変換回路とから構成されることにより、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0039】
請求項5記載の発明は、
請求項4記載の発明であるスイッチトキャパシタアンプにおいて、
前記抵抗の抵抗値が、
前記電圧/電流変換回路の伝達コンダクタンスの逆数であることにより、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0040】
請求項6記載の発明は、
請求項4記載の発明であるスイッチトキャパシタアンプにおいて、
前記定電圧源の出力電圧を外部から変更可能にしたことにより、スイッチトキャパシタアンプの性能が最も良くなる動作点に設定することが可能になる。
【0041】
請求項7記載の発明は、
請求項2記載の発明であるスイッチトキャパシタアンプにおいて、
前記レベルシフト回路が、
定電流源と、抵抗と、前記同相電圧検出回路の出力が非反転入力端子に接続され、前記定電流源の出力が反転入力端子及び前記抵抗の一端に接続され、前記抵抗の他端が出力端子に接続される演算増幅器とから構成されることにより、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0042】
請求項8記載の発明は、
請求項7記載の発明であるスイッチトキャパシタアンプにおいて、
前記定電流源の出力電流値が、
レベルシフトする前記定電圧を前記抵抗の抵抗値で除算した値であることにより、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0043】
請求項9記載の発明は、
請求項7記載の発明であるスイッチトキャパシタアンプにおいて、
前記定電流源の出力電流値を外部から変更可能にしたことにより、スイッチトキャパシタアンプの性能が最も良くなる動作点に設定することが可能になる。
【0044】
請求項10記載の発明は、
請求項1記載のスイッチトキャパシタアンプをカスケード接続したことにより、パイプラインを構成する各段毎に安定した同相電圧を得ることが可能になる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係るスイッチトキャパシタアンプの一実施例を示す構成ブロック図である。図1において3,4,9,10〜17,100,101,104a及び105aは図5と同一符号を付してあり、19は同相電圧検出回路、20はレベルシフト回路、102c及び103cは差動出力電圧、107はレベルシフト回路20の出力である入力基準電圧である。
【0046】
また、19及び20は同相電圧制御手段50を、3,4,9及び10〜17はスイッチトキャパシタアンプの1つであるノンリセットアンプ51をそれぞれ構成している。
【0047】
ノンリセットアンプ51における接続関係は図5と同一であり、異なる点は以下の通りである。すなわち、差動入力電圧100及び101は同相電圧検出回路19に印加され、同相電圧検出回路19の出力はレベルシフト回路20に接続される。
【0048】
そして、レベルシフト回路20の出力は入力基準電圧107としてノンリセットアンプ51を構成するアナログスイッチ回路11及び12の他端に接続される。
【0049】
ここで、図1に示す実施例の動作を説明する。同相電圧検出回路19は差動入力電圧100及び101の中点の電圧、言い換えれば、同相電圧”Vinc”を検出する。レベルシフト回路20は検出された中点の電圧を定電圧”Vnom”だけレベルシフトさせて出力する。
【0050】
例えば、レベルシフト回路20の出力は”Vinc−Vnom=Vrefc”となる。また、前述の図5の動作説明において、入力基準電圧106aを”Vrefc”とすれば、容量3の両端には”Vind/2+Vinc−Vrefc”が印加され、容量4の両端には”−Vind/2+Vinc−Vrefc”が印加され、それぞれの容量3及び4に電荷が充電されることになる。
【0051】
従って、容量3の両端には、
が印加され、容量4の両端には、
が印加されることになる。
【0052】
すなわち、式(3)及び式(4)から分かるように同相電圧”Vinc”が相殺されて、差動電圧”Vind”と入力電圧に依存しない定電圧”Vnom”となる。
【0053】
この結果、差動入力電圧100及び101の中点の電圧を定電圧”Vnom”だけレベルシフトさせた電圧をノンリセットアンプの入力基準電圧とすることにより、ホールドキャパシタである容量3及び4には同相電圧が保持されず、勿論、出力電圧にも同相電圧成分が存在しないので、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0054】
また、図2は同相電圧検出回路19及びレベルシフト回路20の具体例を示す構成ブロック図である。図2において50,51,100及び101は図1と同一符号を付してあり、21,22及び25は抵抗、23は電圧/電流変換回路(以下、単にV/I変換回路と呼ぶ。)、24は定電圧源、107aはノンリセットアンプ21に供給する入力基準電圧である。
【0055】
また、21及び22は同相電圧検出回路52を、23,24及び25はレベルシフト回路53をそれぞれ構成している。
【0056】
差動入力電圧100及び101は抵抗21及び22の一端にそれぞれに印加され、抵抗21の他端は抵抗22の他端とV/I変換回路23の非反転入力端子に接続される。
【0057】
定電圧源24の一端はV/I変換回路23の反転入力端子に接続され、V/I変換回路23の出力は抵抗25の一端及び入力基準電圧107aとしてノンリセットアンプを構成するアナログスイッチ回路11及び12(図示せず。)の他端に接続される。さらに、定電圧源24の他端と抵抗25の他端は接地される。
【0058】
ここで、図2に示す具体例の説明をする。抵抗21及び22の抵抗値は等しく、V/I変換回路23の利得である伝達コンダクタンスを”gm”、定電圧源24の出力電圧値を”Vnom”、抵抗25の抵抗値を”1/gm”と設定する。
【0059】
この場合、抵抗21と抵抗22の接続点の電圧は差動入力電圧100及び101の常に中点の電圧”Vinc”となる。この電圧”Vinc”がV/I変換回路23で非反転の電流に変換され、また、低電圧源24の出力電圧”Vnom”がV/I変換回路23で反転した電流に変換される。
【0060】
すなわち、V/I変換回路23の出力電流を”Iout”とすれば、
Iout=gm×(Vinc−Vnom) (5)
となる。
【0061】
そして、この出力電流が抵抗25により電圧値に変換されるので、入力基準電圧107a”Vrefc”は、
となる。
【0062】
この結果、差動入力電圧100及び101の中点の電圧を定電圧”Vnom”だけレベルシフトさせた電圧をノンリセットアンプの入力基準電圧とすることにより、前述のように入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0063】
また、図3は同相電圧検出回路19及びレベルシフト回路20の他の具体例を示す構成ブロック図である。図3において21,22,50,51,52,100及び101は図2と同一符号を付してあり、26は演算増幅器、27は定電流源、28は抵抗、107bはノンリセットアップ21に供給する入力基準電圧である。また、26,27及び28はレベルシフト回路54を構成している。
【0064】
接続関係は図2に示す具体例と基本的の同一であり異なる点は以下の点である。すなわち、抵抗21及び22の接続点が演算増幅器26の非反転入力端子に接続され、演算増幅器26の出力が抵抗28の一端に接続される。そして、抵抗28の他端が演算増幅器26の反転入力端子及び定電流源27の一端に接続され、定電流源27の他端が接地される。
【0065】
ここで、図3に示す具体例の説明をする。但し、図2に示す具体例と同様の部分に関しては説明は省略する。抵抗28の抵抗値を”R”、定電流源27の出力電流値を”I=Vnom/R”と設定する。
【0066】
この場合、定電流源27の出力電流”I”が抵抗28を介して演算増幅器26の出力端子に流れ込むので、演算増幅器26の出力電圧は反転入力端子の電圧から抵抗28における電圧降下分を減算した電圧となる。
【0067】
一方、演算増幅器26の非反転入力端子に印加される電圧は抵抗21と抵抗22の接続点の電圧”Vinc”であり、演算増幅器の入力端子は仮想接地されているので、演算増幅器26の反転入力端子の電圧は”Vinc”となる。
【0068】
すなわち、演算増幅器26の出力電圧を”Vout’”とすれば、
となる。
【0069】
この結果、差動入力電圧100及び101の中点の電圧を定電圧”Vnom”だけレベルシフトさせた電圧をノンリセットアンプの入力基準電圧とすることにより、前述のように入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0070】
なお、図1に示す実施例では入力信号をサンプルするサンプルモード及びサンプルした信号をホールドするホールドモードの2つのモードから構成されるノンリセットアンプであるスイッチトキャパシタアンプを例示しているが、特にこの構成に限定されるものではなく、その他の構成のスイッチトキャパシタアンプに適用することも可能である。
【0071】
また、図2中の定電圧源24及び図3中の定電流源27の出力値である”Vnom”及び”I”は固定値であっても良く。また、外部から設定することで可変としても構わない。この場合には、レベルシフトさせる電圧が制御できるのでスイッチトキャパシタアンプの性能が最も良くなる動作点に設定することが可能になる。
【0072】
また、アンプ9にコモンモード・フィードバックをかける必要がないので、スイッチトキャパシタアンプをカスケード接続するパイプライン動作であってもパイプラインを構成する各段毎に安定した同相電圧を得ることが可能になる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
請求項1乃至5,7及び請求項8の発明によれば、差動入力電圧の中点の電圧を定電圧だけレベルシフトさせた電圧をスイッチトキャパシタアンプの入力基準電圧とすることにより、ホールドキャパシタには同相電圧が保持されず、入力同相電圧の変動の影響を受けないことになる。
【0074】
また、請求項6及び請求項9の発明によれば、定電圧源及び定電流源の出力値を外部から変更可能とすることにより、レベルシフトさせる電圧が制御できるのでスイッチトキャパシタアンプの性能が最も良くなる動作点に設定することが可能になる。
【0075】
また、請求項10の発明によれば、請求項1記載のスイッチトキャパシタアンプをカスケード接続することにより、パイプライン動作であってもパイプラインを構成する各段毎に安定した同相電圧を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチトキャパシタアンプの一実施例を示す構成ブロック図である。
【図2】同相電圧検出回路及びレベルシフト回路の具体例を示す構成ブロック図である。
【図3】同相電圧検出回路及びレベルシフト回路の他の具体例を示す構成ブロック図である。
【図4】従来のスイッチトキャパシタアンプの一例を示す構成ブロック図である。
【図5】従来のスイッチトキャパシタアンプの他の一例を示す構成ブロック図である。
【図6】コモンモードフィードバックを用いた従来のスイッチトキャパシタアンプの一例を示す構成ブロック図である。
【符号の説明】
1,2,5,6,7,8,10,11,12,13,14,15,16,17
アナログスイッチ回路
3,4 容量
9 トランスコンダクタンス・アンプ
18 同相電圧制御回路
19 同相電圧検出回路
20 レベルシフト回路
21,22,25,28 抵抗
23 電圧/電流変換回路
24 定電圧源
26 演算増幅器
27 定電流源
50 同相電圧制御手段
51 ノンリセットアンプ
52 同相電圧検出回路
53,54 レベルシフト回路
100,101 差動入力電圧
102,102a,102b,102c,103,103a,103b,103c 差動出力電圧
104,104a,105,105a 制御信号
106,106a,107,107a,107b 入力基準電圧
Claims (10)
- 差動入出力のトランスコンダクタンス・アンプと、
第1及び第2のホールドキャパシタと、
第1の制御信号でON/OFFが制御されONの時に一方の差動入力電圧と入力基準電圧の差分を前記第1のホールドキャパシタの両端に印加し、他方の差動入力電圧と入力基準電圧の差分を前記第2のホールドキャパシタの両端に印加する複数のアナログスイッチ回路と、
第2の制御信号で前記第1の制御信号とは排他的にON/OFFが制御されONの時に前記第1のホールドキャパシタに保持されている電圧を前記トランスコンダクタンス・アンプの非反転入力端子と反転出力端子間に印加し、前記第2のホールドキャパシタに保持されている電圧を前記トランスコンダクタンス・アンプの反転入力端子と非反転出力端子間に印加する複数のアナログスイッチ回路と、
前記差動入力電圧の中点の電圧を定電圧だけレベルシフトして前記入力基準電圧として出力する同相電圧制御手段と
を備えたことを特徴とするスイッチトキャパシタアンプ。 - 前記同相電圧制御手段が、
前記差動入力電圧のうち同相電圧を検出して出力する同相電圧検出回路と、
この同相電圧検出回路の出力電圧を前記定電圧だけシフトして前記入力基準電圧として出力するレベルシフト回路とから構成されることを特徴とする
請求項1記載のスイッチトキャパシタアンプ。 - 前記同相電圧検出回路が、
前記差動入力電圧の一方が一端に接続される第1の抵抗と、
抵抗値が前記第1の抵抗の抵抗値に等しく、前記差動入力電圧の他方が一端に接続され、他端が前記第1の抵抗に接続されると共に前記同相電圧を出力する第2の抵抗とから構成されることを特徴とする
請求項2記載のスイッチトキャパシタアンプ。 - 前記レベルシフト回路が、
前記定電圧を出力する定電圧源と、
抵抗と、
前記同相電圧検出回路の出力が非反転入力端子に接続され、前記定電圧源の出力が反転入力端子に接続され、出力が抵抗を介して接地される電圧/電流変換回路とから構成されることを特徴とする
請求項2記載のスイッチトキャパシタアンプ。 - 前記抵抗の抵抗値が、
前記電圧/電流変換回路の伝達コンダクタンスの逆数であることを特徴とする
請求項4記載のスイッチトキャパシタアンプ。 - 前記定電圧源の出力電圧を外部から変更可能にしたことを特徴とする
請求項4記載のスイッチトキャパシタアンプ。 - 前記レベルシフト回路が、
定電流源と、
抵抗と、
前記同相電圧検出回路の出力が非反転入力端子に接続され、前記定電流源の出力が反転入力端子及び前記抵抗の一端に接続され、前記抵抗の他端が出力端子に接続される演算増幅器とから構成されることを特徴とする
請求項2記載のスイッチトキャパシタアンプ。 - 前記定電流源の出力電流値が、
レベルシフトする前記定電圧を前記抵抗の抵抗値で除算した値であることを特徴とする
請求項7記載のスイッチトキャパシタアンプ。 - 前記定電流源の出力電流値を外部から変更可能にしたことを特徴とする
請求項7記載のスイッチトキャパシタアンプ。 - 請求項1記載のスイッチトキャパシタアンプをカスケード接続したことを特徴とするスイッチトキャパシタアンプ。
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