JP3424549B2 - スイッチトキャパシタ回路 - Google Patents

スイッチトキャパシタ回路

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JP3424549B2
JP3424549B2 JP09932398A JP9932398A JP3424549B2 JP 3424549 B2 JP3424549 B2 JP 3424549B2 JP 09932398 A JP09932398 A JP 09932398A JP 9932398 A JP9932398 A JP 9932398A JP 3424549 B2 JP3424549 B2 JP 3424549B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/005Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements using switched capacitors, e.g. dynamic amplifiers; using switched capacitors as resistors in differential amplifiers

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチトキャパ
シタ回路において、回路規模及び消費電力の低減が可能
なスイッチトキャパシタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は従来のスイッチトキャパシタ回
路の一例を示す回路図である。図17において1,2,
5,6,7,8,10,11,14,15,16及び1
7はMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジス
タの記号で示されたアナログスイッチ回路、3,4,1
2及び13は容量、9及び18はトランスコンダクタン
ス・アンプ(以下、単にアンプと呼ぶ。)、100は差
動入力電圧、101は差動出力電圧、102及び103
はアナログスイッチ回路を制御する制御信号、104,
105及び106は各点における電圧である。また、1
〜9はハーフディレイ回路200aを、10〜18はハ
ーフディレイ回路200bをそれぞれ構成している。
【0003】差動入力電圧100はアナログスイッチ回
路1及び2の一端に接続され、アナログスイッチ回路1
の他端は容量3の一端及びアナログスイッチ回路5の一
端に接続され、アナログスイッチ回路2の他端は容量4
の一端及びアナログスイッチ回路8の一端に接続され
る。
【0004】容量3の他端はアンプ9の非反転入力端子
及びアナログスイッチ回路6の一端に接続され、容量4
の他端はアンプ9の反転入力端子及びアナログスイッチ
回路7の一端に接続される。また、アンプ9の反転出力
端子はアナログスイッチ回路5及び6の他端とアナログ
スイッチ回路10の一端に接続され、アンプ9の非反転
出力端子はアナログスイッチ回路7及び8の他端とアナ
ログスイッチ回路11の一端に接続される。
【0005】同様に、アナログスイッチ回路10の他端
は容量12の一端及びアナログスイッチ回路14の一端
に接続され、アナログスイッチ回路11の他端は容量1
3の一端及びアナログスイッチ回路17の一端に接続さ
れる。
【0006】容量12の他端はアンプ18の非反転入力
端子及びアナログスイッチ回路15の一端に接続され、
容量13の他端はアンプ18の反転入力端子及びアナロ
グスイッチ回路16の一端に接続される。また、アンプ
18の反転出力端子はアナログスイッチ回路14及び1
5の他端に接続され、アンプ18の非反転出力端子はア
ナログスイッチ回路16及び17の他端に接続される。
また、アンプ18の非反転出力端子及び反転出力端子は
差動出力電圧101を出力する。
【0007】さらに、制御信号102はアナログスイッ
チ回路1,2,6,7,14及び17の制御入力端子に
それぞれ接続され、制御信号103はアナログスイッチ
回路5,8,10,11,15及び16の制御入力端子
にそれぞれ接続される。
【0008】ここで、図17に示す従来例の動作を図1
8、図19及び図20を用いて説明する。図18は動作
を説明するタイミング図、図19及び図20は各フェー
ズにおける回路要素の接続関係を示す説明図である。
【0009】図18に示すように制御信号102及び1
03は互いに逆相のクロック信号であり、図18中"P
001"に示すフェーズでは制御信号102が"ハイレベ
ル"、制御信号103が"ローレベル"であるのでアナロ
グスイッチ回路1,2,6,7,14及び17が"ON"
になり、アナログスイッチ回路5,8,10,11,1
5及び16が"OFF"になる。
【0010】図18中"P001"に示すフェーズでは回
路要素であるアンプ9及び18と容量3,4,12及び
13との接続関係は図19に示すようになる。すなわ
ち、差動入力信号100は容量3及び4の一端に印加さ
れるので、電圧104は差動入力電圧100に等しくな
る。
【0011】また、アンプ9は反転出力端子が非反転入
力端子に帰還され、非反転出力端子が反転入力端子に帰
還されるのでそれぞれ電圧フォロワ回路として動作し、
その入力端子は仮想接地となり、図17に示すようにア
ンプ9の入力端子間にはオフセット電圧"Vos9"が発
生する。
【0012】このため、容量3及び4に蓄えられる差動
電圧"Vc1"は差動入力電圧100を"Vin"、電圧1
04を"V104"とすれば、 となる。
【0013】一方、図18中P002に示すフェー
ズでは制御信号102がローレベル、制御信号10
3がハイレベルであるのでアナログスイッチ回路
1,2,6,7,14及び17がOFFになり、ア
ナログスイッチ回路5,8,10,11,15及び16
ONになる。
【0014】図18中"P002"に示すフェーズでは回
路要素であるアンプ9及び18と容量3,4,12及び
13との接続関係は図20に示すようになる。すなわ
ち、アンプ9には容量3及び4を介した帰還ループがで
きる。アンプ9の入力バイアス電流を"0"とすれば容量
3及び4に充電された電荷は放電されないので制御信号
102が"ローレベル"に、制御信号103が"ハイレベ
ル"に切り換わる時点の差動入力電圧100の最終電圧
値が保持される。
【0015】この差動入力電圧100の最終電圧値を"
Vk"とすれば容量3及び4に蓄えられる差動電圧"Vc
2"は、 Vc2=Vk−Vos9 (2) となる。
【0016】また、アンプ9の出力電圧である電圧10
5を"V105"とすれば、 となる。すなわち、アンプ9の出力電圧"V105"には
アンプ9のオフセット電圧"Vos9"が現われず、ハー
フディレイ回路200aの出力電圧はオフセット電圧が
補償されたことになる。
【0017】同様に電圧105はハーフディレイ回路2
00aと同一構成であるハーフディレイ回路200bの
差動入力信号として印加され、ハーフディレイ回路20
0bはハーフディレイ回路200aとは逆相で駆動され
るので、図18中"P003"に示すフェーズでは差動出
力電圧101として最終電圧値を"Vk"が出力される。
【0018】すなわち、図18中"P001"で示すフェ
ーズで保持された最終電圧値"Vk"が制御信号102及
び103の1クロック分遅延されて出力されることにな
る。
【0019】この結果、ハーフディレイ回路200a及
び200bを2個直列接続させて互いに逆相のタイミン
グで駆動することにより、保持した入力差動電圧100
をオフセット電圧分補償すると共に1クロック分遅延さ
せて出力することが可能になる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図17に示す
従来例では実際に差動入力電圧100の処理を行うのは
アンプ9若しくはアンプ18のどちらか一方である。す
なわち、図19に示す状態ではアンプ18が保持若しく
は増幅処理し、図20に示す状態ではアンプ9が保持若
しくは増幅処理している。この時他方のアンプはそれぞ
れオフセット電圧の補償処理のためのプリチャージを行
っていることになる。
【0021】このため、回路の半分と消費電力の半分は
オフセット補償にのみ使用されていることになり、回路
規模及び消費電力の半分が無駄になると言った課題があ
った。また、特に高速動作させる場合には問題となる。
従って本発明が解決しようとする課題は、回路規模及び
消費電力の低減が可能なスイッチトキャパシタ回路を実
現することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成す
るために、本発明のうち請求項1記載の発明は、スイッ
チトキャパシタ回路において、第1の保持手段と、第2
の保持手段と、トランスコンダクタンス・アンプと、入
力電圧を前記第1の保持手段に保持させ、若しくは、前
記第1の保持手段で保持した電圧を前記トランスコンダ
クタンス・アンプを介して出力する第1のスイッチ手段
と、前記第2の保持手段で保持した電圧を逆極性で前記
トランスコンダクタンス・アンプに帰還させて出力電圧
として出力し、若しくは、前記第1の保持手段で保持さ
れた電圧を前記第2の保持手段に保持させる第2のスイ
ッチ手段とを備えたことにより、回路規模及び消費電力
を1/2程度に低減することが可能になる。
【0023】請求項2記載の発明は、スイッチトキャパ
シタ回路において、第1の保持手段と、第2の保持手段
と、トランスコンダクタンス・アンプと、入力電圧を前
記第1の保持手段に保持させ、若しくは、前記第1の保
持手段で保持した電圧を前記トランスコンダクタンス・
アンプを介して出力する第1のスイッチ手段と、前記第
2の保持手段で保持した電圧を逆極性で前記トランスコ
ンダクタンス・アンプに帰還させて出力し、若しくは、
前記第1の保持手段で保持された電圧を前記第2の保持
手段に保持させる第2のスイッチ手段とを備え、前記第
2の保持手段の両端の電圧を出力電圧として出力するこ
とにより、第1の保持手段で保持された電圧の同一極性
の電圧をオフセット電圧分補償すると共に1クロック分
遅延させて出力することが可能になる。
【0024】請求項3記載の発明は、請求項1及び請求
項2記載の発明であるスイッチトキャパシタ回路におい
て、前記第1のスイッチ手段が、前記入力電圧を前記第
1の保持手段に印加させる第1のアナログスイッチ回路
群と、前記トランスコンダクタンス・アンプに前記第1
の保持手段を介した帰還ループを形成する第2のアナロ
グスイッチ回路群とから構成されることにより、回路規
模及び消費電力を1/2程度に低減することが可能にな
る。
【0025】請求項4記載の発明は、請求項1及び請求
項2記載の発明であるスイッチトキャパシタ回路におい
て、前記第2のスイッチ手段が、前記トランスコンダク
タンス・アンプに前記第2の保持手段を介した帰還ルー
プを形成する第1のアナログスイッチ回路群と、前記ト
ランスコンダクタンス・アンプの出力を前記第2の保持
手段に印加させる第2のアナログスイッチ回路群とから
構成されることにより、回路規模及び消費電力を1/2
程度に低減することが可能になる。
【0026】請求項5記載の発明は、請求項1及び請求
項2記載の発明であるスイッチトキャパシタ回路におい
て、前記入力電圧及び前記出力電圧が差動電圧であるこ
とにより、差動信号を処理することができる。
【0027】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明であるスイッチトキャパシタ回路において、前記第1
の保持手段が直列接続された第1及び第2の容量から構
成され、前記差動入力電圧を保持させる際に、前記第1
及び第2の容量の接続点に同相基準電圧が、前記第1及
び第2の容量の一端に前記差動入力電圧がそれぞれ印加
されることにより、差動信号を処理することができる。
【0028】請求項7記載の発明は、請求項5記載の発
明であるスイッチトキャパシタ回路において、前記第2
の保持手段が直列接続された第1及び第2の容量から構
成され、前記第1の保持手段で保持された電圧を前記第
2の保持手段に保持させる際に、前記第1及び第2の容
量の接続点に同相基準電圧が、前記第1及び第2の容量
の一端に前記保持された電圧がそれぞれ印加されること
により、差動信号を処理することができる。
【0029】請求項8記載の発明は、スイッチトキャパ
シタ回路において、第1の保持手段と、第2の保持手段
と、第3の保持手段と、トランスコンダクタンス・アン
プと、入力電圧を前記第1の保持手段に保持させ、若し
くは、前記第1の保持手段で保持した電圧を前記トラン
スコンダクタンス・アンプを介して出力する第1のスイ
ッチ手段と、前記第3の保持手段の電荷を前記第2の保
持手段に転送すると共に前記第2の保持手段で保持した
電圧を逆極性で前記トランスコンダクタンス・アンプに
帰還させて出力電圧として出力し、若しくは、前記第1
の保持手段で保持された電圧を前記第2及び前記第3の
保持手段に保持させる第2のスイッチ手段とを備えたこ
とにより、第1の保持手段で保持された電圧の逆極性の
電圧を増幅した電圧をオフセット電圧分補償すると共に
1クロック分遅延させて出力することが可能になる。
【0030】請求項9記載の発明は、スイッチトキャパ
シタ回路において、第1の保持手段と、第2の保持手段
と、第3の保持手段と、トランスコンダクタンス・アン
プと、入力電圧を前記第1の保持手段に保持させ、若し
くは、前記第1の保持手段で保持した電圧を前記トラン
スコンダクタンス・アンプを介して出力する第1のスイ
ッチ手段と、外部入力電圧が印加された前記第3の保持
手段の電荷を前記第2の保持手段に転送すると共に前記
第2の保持手段で保持した電圧を逆極性で前記トランス
コンダクタンス・アンプに帰還させて出力し、若しく
は、前記第1の保持手段で保持された電圧を前記第2及
び前記第3の保持手段に保持させる第2のスイッチ手段
とを備え、前記第2の保持手段の両端の電圧を出力電圧
として出力することにより、第1の保持手段で保持され
た電圧の同一極性の電圧を増幅した電圧をオフセット電
圧分補償すると共に1クロック分遅延させて出力するこ
とが可能になる。
【0031】請求項10記載の発明は、請求項8及び請
求項9記載の発明であるスイッチトキャパシタ回路にお
いて、前記第1のスイッチ手段が、前記入力電圧を前記
第1の保持手段に印加させる第1のアナログスイッチ回
路群と、前記トランスコンダクタンス・アンプに前記第
1の保持手段を介した帰還ループを形成する第2のアナ
ログスイッチ回路群とから構成されることにより、第1
の保持手段で保持された電圧の逆極性の電圧を増幅した
電圧をオフセット電圧分補償すると共に1クロック分遅
延させて出力することが可能になる。
【0032】請求項11記載の発明は、請求項8及び請
求項9記載の発明であるスイッチトキャパシタ回路にお
いて、前記第2のスイッチ手段が、前記第3の保持手段
の電荷を前記第2の保持手段に転送させるループを形成
すると共に前記トランスコンダクタンス・アンプに前記
第2の保持手段を介した帰還ループを形成する第1のア
ナログスイッチ回路群と、前記トランスコンダクタンス
・アンプの出力電圧を前記第2及び前記第3の保持手段
に印加させる第2のアナログスイッチ回路群とから構成
されることにより、第1の保持手段で保持された電圧の
逆極性の電圧を増幅した電圧をオフセット電圧分補償す
ると共に1クロック分遅延させて出力することが可能に
なる。
【0033】請求項12記載の発明は、請求項8及び請
求項9記載の発明であるスイッチトキャパシタ回路にお
いて、前記入力電圧及び前記出力電圧が差動電圧である
ことにより、差動信号を処理することができる。
【0034】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の発明であるスイッチトキャパシタ回路において、前記
第1の保持手段が直列接続された第1及び第2の容量か
ら構成され、前記差動入力電圧を保持させる際に、前記
第1及び第2の容量の接続点に同相基準電圧が、前記第
1及び第2の容量の一端に前記差動入力電圧がそれぞれ
印加されることにより、差動信号を処理することができ
る。
【0035】請求項14記載の発明は、請求項12記載
の発明であるスイッチトキャパシタ回路において、前記
第2及び前記第3の保持手段が直列接続された第1及び
第2並びに第3及び第4の容量から構成され、前記第1
の保持手段で保持された電圧を前記第2及前記第3の保
持手段に保持させる際に、前記第1及び第2並びに前記
第3及び第4の容量の各接続点に同相基準電圧が、前記
第1及び第2並びに前記第3及び第4の容量の一端に前
記保持された電圧がそれぞれ印加されることにより、差
動信号を処理することができる。
【0036】請求項15記載の発明は、請求項9記載の
発明であるスイッチトキャパシタ回路において、高速パ
イプラインA/D変換器を構成する1ビット・パイプラ
イン・ステージ回路内のサンプル・ホールド回路、減算
器及び誤差増幅器として用いることにより、高速パイプ
ラインA/D変換器に適用することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明に係るスイッチトキャパシタ回
路の一実施例を示す回路図である。図1において10
0,102及び103は図17と同一符号を付してあ
り、19,20,21,22,25,26,27,2
8,29,30,31,32,34,35,36及び3
7はアナログスイッチ回路、23,24,38及び39
は容量、33はアンプ、101aは差動出力電圧、10
7及び108は各点における電圧、109は同相基準電
圧である。
【0038】また、容量23及び24は保持手段201
を、容量38及び39は保持手段202をアナログスイ
ッチ回路19〜22及び25〜28はスイッチ手段20
3を、29〜32及び34〜37はスイッチ手段204
をそれぞれ構成している。
【0039】差動入力電圧100はアナログスイッチ回
路19及び22の一端に接続され、アナログスイッチ回
路19の他端は容量23の一端及びアナログスイッチ回
路25の一端に接続され、アナログスイッチ回路22の
他端は容量24の一端及びアナログスイッチ回路28の
一端に接続される。また、同相基準電圧109はアナロ
グスイッチ回路20,21,35及び36の一端に接続
される。
【0040】容量23の他端はアナログスイッチ回路2
0の他端及びアナログスイッチ回路26の一端に接続さ
れ、容量24の他端はアナログスイッチ回路21の他端
及びアナログスイッチ回路27の一端に接続される。
【0041】アナログスイッチ回路25の他端はアナロ
グスイッチ回路29及び34の一端とアンプ33の反転
出力端子に接続され、アナログスイッチ回路26の他端
はアナログスイッチ回路30の一端及びアンプ33の非
反転入力端子に接続される。
【0042】アナログスイッチ回路28の他端はアナロ
グスイッチ回路32及び37の一端とアンプ33の非反
転出力端子に接続され、アナログスイッチ回路27の他
端はアナログスイッチ回路31の一端及びアンプ33の
反転入力端子に接続される。
【0043】アナログスイッチ回路29の他端はアナロ
グスイッチ37の他端及び容量39の一端に接続され、
アナログスイッチ回路30の他端はアナログスイッチ回
路36の他端及び容量39の他端に接続される。
【0044】アナログスイッチ回路32の他端はアナロ
グスイッチ34の他端及び容量38の一端に接続され、
アナログスイッチ回路31の他端はアナログスイッチ回
路35の他端及び容量38の他端に接続される。
【0045】さらに、制御信号102はアナログスイッ
チ回路19,20,21,22,29,30,31及び
32の制御入力端子にそれぞれ接続され、制御信号10
3はアナログスイッチ回路25,26,27,28,3
4,35,36及び37の制御入力端子にそれぞれ接続
される。また、アンプ33の非反転出力端子及び反転出
力端子は差動出力電圧101aを出力する。
【0046】ここで、図1に示す実施例の動作を図2、
図3及び図4を用いて説明する。図2は動作を説明する
タイミング図、図3及び図4は各フェーズにおける回路
要素の接続関係を示す説明図である。
【0047】図2に示すように制御信号102及び10
3は互いに逆相のクロック信号であり、図2中"P10
1"に示すフェーズでは制御信号102が"ハイレベ
ル"、制御信号103が"ローレベル"であるのでアナロ
グスイッチ回路19,20,21,22,29,30,
31及び32が"ON"になり、アナログスイッチ回路2
5,26,27,28,34,35,36及び37が"
OFF"になる。
【0048】また、言い換えれば、制御信号102によ
り駆動されるアナログスイッチ群と、制御信号103に
より駆動されるアナログスイッチ群との2つのアナログ
スイッチ群に分類することができる。
【0049】図2中"P101"に示すフェーズでは回路
要素であるアンプ33と容量23,24,38及び39
との接続関係は図3に示すようになる。すなわち、スイ
ッチ手段203により差動入力信号100は容量23及
び24の一端に印加され、容量23及び24の他端には
同相基準電圧109が印加されるので、保持手段201
の両端の電圧107は差動入力電圧100に等しくな
る。
【0050】一方、図2中"P102"に示すフェーズで
は制御信号102が"ローレベル"、制御信号103が"
ハイレベル"であるのでアナログスイッチ回路19,2
0,21,22,29,30,31及び32が"OFF"
になり、アナログスイッチ回路25,26,27,2
8,34,35,36及び37が"ON"になる。
【0051】図2中"P102"に示すフェーズでは回路
要素であるアンプ33と容量23,24,38及び39
との接続関係は図4に示すようになる。すなわち、スイ
ッチ手段203によりアンプ33には容量23及び24
を介した帰還ループができる。アンプ33の入力バイア
ス電流を"0"とすれば保持手段201である容量23及
び24に充電された電荷は放電されないので制御信号1
02が"ローレベル"に、制御信号103が"ハイレベル"
に切り換わる時点の差動入力電圧100の最終電圧値が
保持される。
【0052】容量23及び24の充電時にはスイッチ手
段203によりアンプ33が切り離されているので差動
入力電圧100の最終電圧値を"Vk1"とすれば容量2
3及び24に蓄えられる差動電圧"Vc3"は、 Vc3=Vk1 (4) となる。
【0053】また、アンプ33のオフセット電圧を"V
os33"、出力電圧である差動出力電圧101aを"V
outa"とすれば、 Vouta=Vc3+Vos33 =Vk1+Vos33 (5) となる。すなわち、最終電圧値"Vk1"にアンプ33の
オフセット電圧"Vos33"が重畳された電圧が差動出
力電圧101aとして出力される。
【0054】また、同時に、この差動出力電圧101a
はスイッチ手段204により保持手段202である容量
38及び39の一端に印加され、容量38及び39の他
端には同相基準電圧109が印加されるので、保持手段
202の両端の電圧108を"V108"とすれば式
(5)に示す電圧に等しくなる。すなわち、 V108=Vk1+Vos33 (6) となる。
【0055】再び、図2中"P103"に示すフェーズで
制御信号102が"ハイレベル"、制御信号103が"ロ
ーレベル"になると、図3に示すような接続関係に戻る
ので、アンプ33にはスイッチ手段204により容量3
8及び39を介した帰還ループができる。但し、保持手
段202である容量38及び39がアンプ33の逆極性
側に接続される。
【0056】すなわち、図2中P102に示すフェ
ーズでは容量38の一端である図1中に示す端子
が図4に示すようにアンプ33の反転出力端子に接続さ
れ、容量39の一端である図1中に示す端子が図
4に示すようにアンプ33の非反転出力端子に接続され
ているが、図2中P103に示すフェーズでは容量
39の一端である図1中に示す端子が図3に示す
ようにアンプ33の反転出力端子に接続され、容量38
の一端である図1中に示す端子が図3に示すよう
にアンプ33の非反転出力端子に接続されことになる。
【0057】このため、アンプ33の入力バイアス電流
を"0"とすれば保持手段202である容量38及び39
に充電された電荷は放電されず、図2中"P103"に示
すフェーズにおける差動出力電圧101aは、 Vouta=−V108+Vos33 =−(Vk1+Vos33)+Vos33 =−Vk1 (7) となる。
【0058】すなわち、図2中"P101"で示すフェー
ズで保持手段201に保持された最終電圧値"Vk1"の
逆極性の電圧が制御信号102及び103の1クロック
分遅延されて出力されることになる。また、オフセット
補償もされていることになる。
【0059】この結果、スイッチ手段203により保持
手段201で保持された電圧をスイッチ手段203及び
204により保持手段202に保持させ、この保持手段
202で保持した電圧をスイッチ手段204により逆極
性でアンプ33に帰還させることにより、保持手段20
1で保持された電圧の逆極性の電圧をオフセット電圧分
補償すると共に1クロック分遅延させて出力することが
可能になる。
【0060】すなわち、1つのアンプ33で保持された
電圧の逆極性の電圧をオフセット電圧分補償すると共に
1クロック分遅延させて出力することが可能になるので
回路規模及び消費電力を1/2程度に低減することが可
能になる。
【0061】また、図5は本発明に係るスイッチトキャ
パシタ回路の第2の実施例を示す回路図である。図5に
おいて19〜39,100,102,103,107,
108,109,201,202及び203は図1と同
一符号を付してあり、40,41,44及び45はアナ
ログスイッチ回路、42及び43は容量、101bは差
動出力電圧である。
【0062】また、42及び43は保持手段205を、
29〜37,40,41,44及び45はスイッチ手段
206をそれぞれ構成している。
【0063】差動入力電圧100はアナログスイッチ回
路19及び22の一端に接続され、アナログスイッチ回
路19の他端は容量23の一端及びアナログスイッチ回
路25の一端に接続され、アナログスイッチ回路22の
他端は容量24の一端及びアナログスイッチ回路28の
一端に接続される。また、同相基準電圧109はアナロ
グスイッチ回路20,21,35,36,44及び45
の一端に接続される。
【0064】容量23の他端はアナログスイッチ回路2
0の他端及びアナログスイッチ回路26の一端に接続さ
れ、容量24の他端はアナログスイッチ回路21の他端
及びアナログスイッチ回路27の一端に接続される。
【0065】アナログスイッチ回路25の他端はアナロ
グスイッチ回路29,34及び40の一端とアンプ33
の反転出力端子に接続され、アナログスイッチ回路26
の他端はアナログスイッチ回路30の一端及びアンプ3
3の非反転入力端子に接続される。
【0066】アナログスイッチ回路28の他端はアナロ
グスイッチ回路32,37及び41の一端とアンプ33
の非反転出力端子に接続され、アナログスイッチ回路2
7の他端はアナログスイッチ回路31の一端及びアンプ
33の反転入力端子に接続される。
【0067】アナログスイッチ回路29の他端はアナロ
グスイッチ37の他端及び容量39の一端に接続され、
アナログスイッチ回路30の他端はアナログスイッチ回
路36の他端、容量39の他端及び容量43の一端にそ
れぞれ接続される。また、容量43の他端はアナログス
イッチ回路41及び45の他端に接続される。
【0068】アナログスイッチ回路32の他端はアナロ
グスイッチ34の他端及び容量38の一端に接続され、
アナログスイッチ回路31の他端はアナログスイッチ回
路35の他端、容量38の他端及び容量42の一端にそ
れぞれ接続される。また、容量42の他端はアナログス
イッチ回路40及び44の他端に接続される。
【0069】さらに、制御信号102はアナログスイッ
チ回路19,20,21,22,29,30,31,3
2,44及び45の制御入力端子にそれぞれ接続され、
制御信号103はアナログスイッチ回路25,26,2
7,28,34,35,36,37,40及び41の制
御入力端子にそれぞれ接続される。また、アンプ33の
非反転出力端子及び反転出力端子は差動出力電圧101
bを出力する。
【0070】ここで、図5に示す実施例の動作を図6及
び図7を用いて説明する。図6及び図7は各フェーズに
おける回路要素の接続関係を示す説明図である。但し、
図1に示す実施例と同様の部分についての説明は省略す
る。
【0071】制御信号102がハイレベル、制御信
号103がローレベルになるとアナログスイッチ回
路19,20,21,22,29,30,31,32,
44及び45がONになり、アナログスイッチ回路
25,26,27,28,34,35,36,37,4
0及び41がOFFになる。
【0072】従って、このようなフェーズでは回路要素
であるアンプ33と容量23,24,38,39,42
及び43との接続関係は図6に示すようになる。そし
て、図1に示す実施例と同様に、スイッチ手段203に
より差動入力信号100は容量23及び24の一端に印
加され、容量23及び24の他端には同相基準電圧10
9が印加されるので、保持手段201の両端の電圧10
7は差動入力電圧100に等しくなる。
【0073】一方、制御信号102が"ローレベル"、制
御信号103が"ハイレベル"になるとアナログスイッチ
回路19,20,21,22,29,30,31,3
2,44及び45が"OFF"になり、アナログスイッチ
回路25,26,27,28,34,35,36,3
7,40及び41が"ON"になる。
【0074】従って、このようなフェーズでは回路要素
であるアンプ33と容量23,24,38,39,42
及び43との接続関係は図7に示すようになる。そし
て、図1に示す実施例と同様に最終電圧値"Vk1"にア
ンプ33のオフセット電圧"Vos33"が重畳された電
圧が差動出力電圧101bとして出力される。
【0075】また、同時に、この差動出力電圧101b
はスイッチ手段206により保持手段202である容量
38及び39の一端と保持手段205である容量42及
び43の一端に印加され、容量38,39,42及び4
3の他端には同相基準電圧109が印加されるので、保
持手段202及び205の両端の電圧108を"V10
8"とすれば式(5)に示す電圧に等しくなる。
【0076】再び、次のフェーズで制御信号102が"
ハイレベル"、制御信号103が"ローレベル"になる
と、図6に示すような接続関係に戻るが、この時、容量
42及び43の一端には同相基準電圧109が印加さ
れ、容量42及び43の他端は仮想接地となるために容
量42及び43から容量38及び39に電荷の転送が起
こる。
【0077】この状況を図8及び図9を用いて説明す
る。図8及び図9は電荷転送前及び電荷転送後の各部の
電圧を示す説明図である。説明の簡単の為に同相基準電
圧109を"0V"と考える。また、容量38及び39の
容量値を"C"、容量42及び43の容量値を"n・C
(nは整数)"とする。
【0078】図8に示す電荷転送前の状態では図7に示
すように容量38及び39と容量42及び43には式
(5)に示す"Vk1+Vos33"なる電圧が保持され
る。ここで、同相基準電圧109を"0V"にしているの
で、個々の容量38,39,42及び43には"(Vk
1+Vos33)/2"なる電圧がそれぞれ保持され
る。
【0079】この状態で、図9に示すように接続される
と容量42及び43の一端は"0V"になり、アンプ33
のオフセット電圧"Vos33"が容量42及び43の他
端に印加されるので、個々の容量42及び43からは電
荷が放電されて"Vos33/2"なる電圧に変化する。
【0080】すなわち、この時、容量42及び43から
転送される電荷を"Q"とすれば、 Q=n・C・{(Vk1+Vos33)/2−Vos33/2} =n・C・Vk1/2 (8) となる。
【0081】そして、この電荷が容量38及び39に充
電されるので、容量38及び39の両端の電圧を"V3
8"及び"V39"とすれば、 V38=−V39 =(Vk1+Vos33)/2+Q/C =(Vk1+Vos33)/2+n・Vk1/2 ={(1+n)・Vk1+Vos33}/2 (9) となる。
【0082】従って、アンプ33の出力である差動出力
電圧101bをVoutbとすれば、 Voutb=V38−V39+Vos33 =2・{(1+n)・Vk1+Vos33}/2 +Vos33 =−(1+n)・Vk1 (10) となる。
【0083】式(10)から保持手段201に保持され
た最終電圧値"Vk1"の逆極性の電圧を(n+1)倍し
た電圧が制御信号102及び103の1クロック分遅延
されて出力されることになる。また、オフセット補償も
されていることになる。
【0084】この結果、スイッチ手段203により保持
手段201で保持された電圧をスイッチ手段203及び
206により保持手段202及び205に保持させ、こ
の保持手段205の電荷を保持手段202に転送すると
共に保持手段202で保持した電圧をスイッチ手段20
6により逆極性でアンプ33に帰還させることにより、
保持手段201で保持された電圧の逆極性の電圧を増幅
した電圧をオフセット電圧分補償すると共に1クロック
分遅延させて出力することが可能になる。
【0085】また、図10は本発明に係るスイッチトキ
ャパシタ回路の第3の実施例を示す回路図であり、保持
手段201で保持した電圧の極性を反転させないことが
可能なスイッチトキャパシタ回路である。
【0086】図10において19〜33,35,36,
38,39,100,102,103,107,10
8,109,201,202及び204は図1と同一符
号を付してあり、46及び47はアナログスイッチ回
路、101cは差動出力電圧である。また、19〜2
2,25〜28,46及び47はスイッチ手段207を
構成している
【0087】接続関係に関しても図1に示す実施例とほ
ぼ同一であり異なる点はアンプ33の反転出力端子がア
ナログスイッチ回路29及び46の一端に接続され、ア
ンプ33の非反転出力端子がアナログスイッチ回路32
及び47の一端に接続され、アナログスイッチ回路46
及び47の他端がアナログスイッチ回路25及び28の
他端等に接続される点である。
【0088】ここで、図10に示す実施例の動作を図1
1及び図12を用いて説明する。図11及び図12は各
フェーズにおける回路要素の接続関係を示す説明図であ
る。但し、図1に示す実施例と同様の部分についての説
明は省略する。
【0089】図11及び図12に示す説明図は図3及び
図4に示す説明図と回路要素の接続関係は実質同一であ
るが、図11に示すフェーズの時の保持手段202の両
端である容量38及び39の一端の電圧を差動出力電圧
101cとする構成になっているため、図11に示すフ
ェーズの時に保持手段201の両端に最終電圧値Vk
の同一極性の電圧が制御信号102及び103の1
クロック分遅延されて出力されることになる。また、オ
フセット補償もされていることになる。
【0090】この結果、スイッチ手段207により保持
手段201で保持された電圧をスイッチ手段204及び
207により保持手段202に保持させ、この保持手段
202で保持した電圧をスイッチ手段204により逆極
性でアンプ33に帰還させると共に保持手段202の両
端の電圧を差動出力電圧とすることにより、保持手段2
01で保持された電圧の同一極性の電圧をオフセット電
圧分補償すると共に1クロック分遅延させて出力するこ
とが可能になる。
【0091】また、図13は本発明に係るスイッチトキ
ャパシタ回路の第4の実施例を示す回路図であり、保持
手段201で保持した電圧を増幅すると共に極性を反転
させないことが可能なスイッチトキャパシタ回路であ
る。
【0092】図13において20〜24,26,27,
29〜33,35,36,38,39,100,10
2,103,107,108,109,201及び20
2は図1と、42,43及び205は図5とそれぞれ同
一符号を付してあり、48,49,50,51,52,
53,54,55,56,57,58,59,60及び
61はアナログスイッチ回路、101dは差動出力電
圧、110は例えばD/A変換器出力等の外部入力電圧
である。
【0093】また、20,21,26,27,48,4
9,52,53,54及び55はスイッチ手段208
を、29〜32,50,51及び56〜61はスイッチ
手段209をそれそれ構成している。
【0094】差動入力電圧100はアナログスイッチ回
路48及び49の一端に接続され、アナログスイッチ回
路48の他端は容量23の一端及びアナログスイッチ回
路50及び51の一端に接続され、アナログスイッチ回
路49の他端は容量24の一端及びアナログスイッチ回
路56及び57の一端に接続される。また、同相基準電
圧109はアナログスイッチ回路20,21,35及び
36の一端に接続される。
【0095】容量23の他端はアナログスイッチ回路2
0の他端及びアナログスイッチ回路26の一端に接続さ
れ、容量24の他端はアナログスイッチ回路21の他端
及びアナログスイッチ回路27の一端に接続される。
【0096】アナログスイッチ回路26の他端はアナロ
グスイッチ回路30の一端及びアンプ33の非反転入力
端子に接続され、アナログスイッチ回路27の他端はア
ナログスイッチ回路31の一端及びアンプ33の反転入
力端子に接続される。
【0097】アンプ33の反転出力端子はアナログスイ
ッチ回路29,52及び53の一端に接続され、アンプ
33の非反転出力端子はアナログスイッチ回路32,5
4及び55の一端に接続される。
【0098】アナログスイッチ回路29の他端はアナロ
グスイッチ61の一端に接続され、アナログスイッチ回
路30の他端はアナログスイッチ回路36の他端、容量
39及び容量43の一端にそれぞれ接続される。また、
容量43の他端はアナログスイッチ回路54及び56の
他端とアナログスイッチ回路59の一端に接続される。
【0099】アナログスイッチ回路32の他端はアナロ
グスイッチ60の一端に接続され、アナログスイッチ回
路31の他端はアナログスイッチ回路35の他端、容量
38及び容量42の一端にそれぞれ接続される。また、
容量42の他端はアナログスイッチ回路51及び53の
他端とアナログスイッチ回路58の一端に接続される。
【0100】容量38の他端はアナログスイッチ回路5
0,52及び60の他端に接続され、容量39の他端は
アナログスイッチ回路55,57及び61の他端に接続
される。
【0101】さらに、制御信号102はアナログスイッ
チ回路20,21,29,30,31,32,48,4
9,58,59,60及び61の制御入力端子にそれぞ
れ接続され、制御信号103はアナログスイッチ回路2
6,27,35,36,50,51,52,53,5
4,55,56及び57の制御入力端子にそれぞれ接続
される。また、D/A変換器出力等の外部入力電圧11
0がアナログスイッチ回路58及び59の他端に接続さ
れ、アナログスイッチ回路60及び61の一端は差動出
力電圧101dを出力する。
【0102】ここで、図13に示す実施例の動作を図1
4及び図15を用いて説明する。図14及び図15は各
フェーズにおける回路要素の接続関係を示す説明図であ
る。但し、図1等に示す実施例と同様の部分についての
説明は省略する。
【0103】図14及び図15における基本的な回路要
素の接続関係については図6及び図7と同様であり異な
る点は、容量42及び43の一端に同相基準電圧109
ではなくD/A変換器出力等の外部入力電圧110が印
加される点である。また、図14に示すフェーズの時の
保持手段202の両端の電圧を差動出力電圧101dと
してアナログスイッチ回路60及び61を介して出力す
る構成になっている。
【0104】例えば、D/A変換器出力等の外部入力電
圧110を"0V"、容量38及び39と容量42及び4
3の容量値を前述と同様に"C"及び"n・C(nは整
数)"とすれば、図14に示すフェーズの時の保持手段
201の両端に最終電圧値"Vk1"の同一極性の電圧を
(n+1)倍した電圧が制御信号102及び103の1
クロック分遅延されて出力されることになる。また、オ
フセット補償もされていることになる。
【0105】この結果、スイッチ手段208により保持
手段201で保持された電圧をスイッチ手段208及び
209により保持手段202及び205に保持させ、こ
の保持手段205の電荷を保持手段202に転送すると
共に保持手段202で保持した電圧をスイッチ手段20
9により逆極性でアンプ33に帰還させると共に保持手
段202の両端の電圧を差動出力電圧とすることによ
り、保持手段201で保持された電圧の同一極性の電圧
を増幅した電圧をオフセット電圧分補償すると共に1ク
ロック分遅延させて出力することが可能になる。
【0106】また、外部入力電圧110を適宜設定すれ
ば差動出力電圧101dに電圧を加算することが可能に
なる。
【0107】また、図16は図13に示すスイッチトキ
ャパシタ回路を高速パイプラインA/D変換器に適用し
た例を示す構成ブロック図である。図16において62
a,62b,62c及び62dは1ビット・パイプライ
ン・ステージ回路(以下、単にステージ回路と呼
ぶ。)、63は1ビットA/D変換器、64はサンプル
・ホールド回路、65は減算器、66は1ビットA/D
変換器、67はラッチ回路、68は1ビットD/A変換
器、69は誤差増幅器、111はアナログ入力、112
はA/D変換出力である。
【0108】ここで、図16に示す高速パイプラインA
/D変換器への適用例の動作を説明する。アナログ入力
111はステージ回路62aに入力され、ステージ回路
62aのアナログ出力はステージ回路62bに接続され
る。また、ステージ回路62bのアナログ出力はステー
ジ回路62cに接続され、ステージ回路62cのアナロ
グ出力はステージ回路62dに接続される。
【0109】さらに、ステージ回路62dのアナログ出
力は1ビットA/D変換器63に接続され、ステージ回
路62a,62b,62c及び62dのディジタル出力
及び1ビットA/D変換器63のディジタル出力はA/
D変換出力112として出力される。
【0110】ステージ回路の詳細は図16に示すように
アナログ入力111若しくは前段のアナログ出力はサン
プル・ホールド回路64及び1ビットA/D変換器66
に接続され、サンプル・ホールド回路64の出力は減算
器65の加算入力端子に接続される。
【0111】一方、1ビットA/D変換器66のディジ
タル出力はラッチ回路67を介して1ビットD/A変換
器68に接続され、D/A変換器68の出力は減算器6
5の減算入力端子に接続される。そして、減算器65の
出力は2倍の誤差増幅器69を介して後段のステージ回
路に出力される。
【0112】このようにアナログ入力111を1ビット
A/D変換器66により1ビットづつディジタル信号に
変換し、アナログ入力と前記ディジタル信号を1ビット
D/A変換器68で再び変換したアナログ信号との差分
を2倍して後段に順次出力してゆくことによりステージ
回路分の分解能を有するディジタル信号を得ることが可
能になる。
【0113】ここで、図13に示すスイッチトキャパシ
タ回路は図16におけるサンプル・ホールド回路64、
減算器65及び誤差増幅器69を構成することになる。
【0114】例えば、図14の接続関係において保持手
段201には差動入力電圧100が保持され、図15の
接続関係において保持手段201に保持された電圧は保
持手段202で保持され、次のフェーズで保持手段20
2に保持された電圧がオフセット電圧補償されて出力さ
れる。すなわち、サンプル・ホールド回路64の機能を
実現することができる。
【0115】同様に、例えば、図14の接続関係におい
て図13中の容量38,39,42及び43の容量値を
等しくすれば"n=1"となるので2倍の利得を得ること
が可能になる。さらに、容量42及び43の一端にはD
/A変換器出力等の外部入力電圧110が印加されるの
で容量38及び39には単純に容量42及び43からの
電荷の転送のみならず、D/A変換器出力等の外部入力
電圧110に基づく電荷も重畳される。従って、D/A
変換器出力等の外部入力電圧110を適切に設定するこ
とにより、減算器65及び誤差増幅器69の機能を実現
することができる。
【0116】なお、図16に示す適用例はあくまでも一
例であり、図1、図5、図10及び図13に示す各実施
例を各種用途に適用することは当業者であれば容易であ
る。
【0117】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明によれば次のような効果がある。請求項1、3及
び4の発明によれば、第1のスイッチ手段により第1の
保持手段で保持された電圧を第1及び第2のスイッチ手
段により第2の保持手段に保持させ、この第2の保持手
段で保持した電圧を第2のスイッチ手段により逆極性で
アンプに帰還させることにより、第1の保持手段で保持
された電圧の逆極性の電圧をオフセット電圧分補償する
と共に1クロック分遅延させて出力することが可能にな
る。すなわち、1つのアンプで保持された電圧の逆極性
の電圧をオフセット電圧分補償すると共に1クロック分
遅延させて出力することが可能になるので回路規模及び
消費電力を1/2程度に低減することが可能になる。
【0118】また、請求項2の発明によれば、第2の保
持手段の保持した電圧を差動出力電圧とすることによ
り、第1の保持手段で保持された電圧の同一極性の電圧
をオフセット電圧分補償すると共に1クロック分遅延さ
せて出力することが可能になる。
【0119】また、請求項5,6及び7の発明によれ
ば、入出力電圧を差動電圧にすることにより、差動信号
を処理することができる。
【0120】また、請求項8,10,11の発明によれ
ば、第1のスイッチ手段により第1の保持手段で保持さ
れた電圧を第1及び第2のスイッチ手段により第2及び
第3の保持手段に保持させ、この第3の保持手段の電荷
を第2の保持手段に転送すると共に第2の保持手段で保
持した電圧を第2のスイッチ手段により逆極性でアンプ
に帰還させることにより、第1の保持手段で保持された
電圧の逆極性の電圧を増幅した電圧をオフセット電圧分
補償すると共に1クロック分遅延させて出力することが
可能になる。
【0121】また、請求項9の発明によれば、第1のス
イッチ手段により第1の保持手段で保持された電圧を第
1及び第2のスイッチ手段により第2及び第3の保持手
段に保持させ、外部入力電圧が印加された第3の保持手
段の電荷を第2の保持手段に転送すると共に第2の保持
手段で保持した電圧を第2のスイッチ手段により逆極性
でアンプに帰還させると共に第2の保持手段の両端の電
圧を差動出力電圧とすることにより、第1の保持手段で
保持された電圧の同一極性の電圧を増幅した電圧をオフ
セット電圧分補償すると共に1クロック分遅延させて出
力することが可能になる。また、外部入力電圧を適宜設
定すれば差動出力電圧に電圧を加算することが可能にな
る。
【0122】また、請求項12,13及び14の発明に
よれば、入出力電圧を差動電圧にすることにより、差動
信号を処理することができる。
【0123】また、請求項15の発明によれば、高速パ
イプラインA/D変換器を構成する1ビット・パイプラ
イン・ステージ回路内のサンプル・ホールド回路、減算
器及び誤差増幅器として用いることにより、高速パイプ
ラインA/D変換器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路の一実
施例を示す回路図である。
【図2】動作を説明するタイミング図である。
【図3】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示す
説明図である。
【図4】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示す
説明図である。
【図5】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路の第2
の実施例を示す回路図である。
【図6】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示す
説明図である。
【図7】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示す
説明図である。
【図8】電荷転送前の各部の電圧を示す説明図である。
【図9】電荷転送後の各部の電圧を示す説明図である。
【図10】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路の第
3の実施例を示す回路図である。
【図11】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示
す説明図である。
【図12】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示
す説明図である。
【図13】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路の第
4の実施例を示す回路図である。
【図14】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示
す説明図である。
【図15】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示
す説明図である。
【図16】スイッチトキャパシタ回路を高速パイプライ
ンA/D変換器に適用した例を示す構成図ロック図であ
る。
【図17】従来のスイッチトキャパシタ回路の一例を示
す回路図である。
【図18】動作を説明するタイミング図である。
【図19】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示
す説明図である。
【図20】各フェーズにおける回路要素の接続関係を示
す説明図である。
【符号の説明】
1,2,5,6,7,8,10,11,14,15,1
6,17,19,20,21,22,25,26,2
7,28,29,30,31,32,34,35,3
6,37,40,41,44,45,46,47,4
8,49,50,51,52,53,54,55,5
6,57,58,59,60,61 アナログスイッチ
回路 3,4,12,13,23,24,38,39,42,
43 容量 9,18,33 トランスコンダクタンス・アンプ 62a,62b,62c,62d 1ビット・パイプラ
イン・ステージ回路 63,66 1ビットA/D変換器 64 サンプル・ホールド回路 65 減算器 67 ラッチ回路 68 1ビットD/A変換器 69 誤差増幅器 100 差動入力電圧 101,101a,101b,101c,101d 差
動出力電圧 102,103 制御信号 104,105,106,107,108 電圧 109 同相基準電圧 110 外部入力電圧 111 アナログ入力 112 A/D変換出力 200a,200b ハーフディレイ回路 201,202,205 保持手段 203,204,206,207,208,209 ス
イッチ手段

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スイッチトキャパシタ回路において、 第1の保持手段と、 第2の保持手段と、 トランスコンダクタンス・アンプと、 入力電圧を前記第1の保持手段に保持させ、若しくは、
    前記第1の保持手段で保持した電圧を前記トランスコン
    ダクタンス・アンプを介して出力する第1のスイッチ手
    段と、 前記第2の保持手段で保持した電圧を逆極性で前記トラ
    ンスコンダクタンス・アンプに帰還させて出力電圧とし
    て出力し、若しくは、前記第1の保持手段で保持された
    電圧を前記第2の保持手段に保持させる第2のスイッチ
    手段とを備えたことを特徴とするスイッチトキャパシタ
    回路。
  2. 【請求項2】スイッチトキャパシタ回路において、 第1の保持手段と、 第2の保持手段と、 トランスコンダクタンス・アンプと、 入力電圧を前記第1の保持手段に保持させ、若しくは、
    前記第1の保持手段で保持した電圧を前記トランスコン
    ダクタンス・アンプを介して出力する第1のスイッチ手
    段と、 前記第2の保持手段で保持した電圧を逆極性で前記トラ
    ンスコンダクタンス・アンプに帰還させて出力し、若し
    くは、前記第1の保持手段で保持された電圧を前記第2
    の保持手段に保持させる第2のスイッチ手段とを備え、 前記第2の保持手段の両端の電圧を出力電圧として出力
    することを特徴とするスイッチトキャパシタ回路。
  3. 【請求項3】前記第1のスイッチ手段が、 前記入力電圧を前記第1の保持手段に印加させる第1の
    アナログスイッチ回路群と、 前記トランスコンダクタンス・アンプに前記第1の保持
    手段を介した帰還ループを形成する第2のアナログスイ
    ッチ回路群とから構成されることを特徴とする請求項1
    及び請求項2記載のスイッチトキャパシタ回路。
  4. 【請求項4】前記第2のスイッチ手段が、 前記トランスコンダクタンス・アンプに前記第2の保持
    手段を介した帰還ループを形成する第1のアナログスイ
    ッチ回路群と前記トランスコンダクタンス・アンプの出
    力を前記第2の保持手段に印加させる第2のアナログス
    イッチ回路群と、 から構成されることを特徴とする請求項1及び請求項2
    記載のスイッチトキャパシタ回路。
  5. 【請求項5】前記入力電圧及び前記出力電圧が差動電圧
    であることを特徴とする請求項1及び請求項2記載のス
    イッチトキャパシタ回路。
  6. 【請求項6】前記第1の保持手段が直列接続された第1
    及び第2の容量から構成され、前記差動入力電圧を保持
    させる際に、前記第1及び第2の容量の接続点に同相基
    準電圧が、前記第1及び第2の容量の一端に前記差動入
    力電圧がそれぞれ印加されることを特徴とする請求項5
    記載のスイッチトキャパシタ回路。
  7. 【請求項7】前記第2の保持手段が直列接続された第1
    及び第2の容量から構成され、前記第1の保持手段で保
    持された電圧を前記第2の保持手段に保持させる際に、
    前記第1及び第2の容量の接続点に同相基準電圧が、前
    記第1及び第2の容量の一端に前記保持された電圧がそ
    れぞれ印加されることを特徴とする請求項5記載のスイ
    ッチトキャパシタ回路。
  8. 【請求項8】スイッチトキャパシタ回路において、 第1の保持手段と、 第2の保持手段と、 第3の保持手段と、 トランスコンダクタンス・アンプと、 入力電圧を前記第1の保持手段に保持させ、若しくは、
    前記第1の保持手段で保持した電圧を前記トランスコン
    ダクタンス・アンプを介して出力する第1のスイッチ手
    段と、 前記第3の保持手段の電荷を前記第2の保持手段に転送
    すると共に前記第2の保持手段で保持した電圧を逆極性
    で前記トランスコンダクタンス・アンプに帰還させて出
    力電圧として出力し、若しくは、前記第1の保持手段で
    保持された電圧を前記第2及び前記第3の保持手段に保
    持させる第2のスイッチ手段とを備えたことを特徴とす
    るスイッチトキャパシタ回路。
  9. 【請求項9】スイッチトキャパシタ回路において、 第1の保持手段と、 第2の保持手段と、 第3の保持手段と、 トランスコンダクタンス・アンプと、 入力電圧を前記第1の保持手段に保持させ、若しくは、
    前記第1の保持手段で保持した電圧を前記トランスコン
    ダクタンス・アンプを介して出力する第1のスイッチ手
    段と、 外部入力電圧が印加された前記第3の保持手段の電荷を
    前記第2の保持手段に転送すると共に前記第2の保持手
    段で保持した電圧を逆極性で前記トランスコンダクタン
    ス・アンプに帰還させて出力し、若しくは、前記第1の
    保持手段で保持された電圧を前記第2及び前記第3の保
    持手段に保持させる第2のスイッチ手段とを備え、 前記第2の保持手段の両端の電圧を出力電圧として出力
    することを特徴とするスイッチトキャパシタ回路。
  10. 【請求項10】前記第1のスイッチ手段が、 前記入力電圧を前記第1の保持手段に印加させる第1の
    アナログスイッチ回路群と、 前記トランスコンダクタンス・アンプに前記第1の保持
    手段を介した帰還ループを形成する第2のアナログスイ
    ッチ回路群とから構成されることを特徴とする請求項8
    及び請求項9記載のスイッチトキャパシタ回路。
  11. 【請求項11】前記第2のスイッチ手段が、 前記第3の保持手段の電荷を前記第2の保持手段に転送
    させるループを形成すると共に前記トランスコンダクタ
    ンス・アンプに前記第2の保持手段を介した帰還ループ
    を形成する第1のアナログスイッチ回路群と前記トラン
    スコンダクタンス・アンプの出力電圧を前記第2及び前
    記第3の保持手段に印加させる第2のアナログスイッチ
    回路群と、から構成されることを特徴とする請求項8及
    び請求項9記載のスイッチトキャパシタ回路。
  12. 【請求項12】前記入力電圧及び前記出力電圧が差動電
    圧であることを特徴とする請求項8及び請求項9記載の
    スイッチトキャパシタ回路。
  13. 【請求項13】前記第1の保持手段が直列接続された第
    1及び第2の容量から構成され、前記差動入力電圧を保
    持させる際に、前記第1及び第2の容量の接続点に同相
    基準電圧が、前記第1及び第2の容量の一端に前記差動
    入力電圧がそれぞれ印加されることを特徴とする請求項
    12記載のスイッチトキャパシタ回路。
  14. 【請求項14】前記第2及び前記第3の保持手段が直列
    接続された第1及び第2並びに第3及び第4の容量から
    構成され、前記第1の保持手段で保持された電圧を前記
    第2及前記第3の保持手段に保持させる際に、前記第1
    及び第2並びに前記第3及び第4の容量の各接続点に同
    相基準電圧が、前記第1及び第2並びに前記第3及び第
    4の容量の一端に前記保持された電圧がそれぞれ印加さ
    れることを特徴とする請求項12記載のスイッチトキャ
    パシタ回路。
  15. 【請求項15】高速パイプラインA/D変換器を構成す
    る1ビット・パイプライン・ステージ回路内のサンプル
    ・ホールド回路、減算器及び誤差増幅器として用いるこ
    とを特徴とする請求項9記載のスイッチトキャパシタ回
    路。
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